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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082901
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】医用情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20230608BHJP
【FI】
G16H10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196899
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌史
(72)【発明者】
【氏名】三善 泰介
(72)【発明者】
【氏名】大保 智喜
(72)【発明者】
【氏名】加藤 詩朗
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】複合的な要因によって高まるリスクを容易に把握すること。
【解決手段】実施形態に係る医用情報処理装置は、取得部と、表示制御部とを備える。取得部は、対象患者に関わる1以上の疾患に対する複数の異なる性質の治療法を示す患者情報を取得する。表示制御部は、患者情報が示す複数の異なる性質の治療法の、潜在リスクに対する相互の影響を示す相互関係情報を表示装置に表示する制御を行う。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象患者に関わる1以上の疾患に対する複数の異なる性質の治療法を示す患者情報を取得する取得部と、
前記患者情報が示す前記複数の異なる性質の治療法の、潜在リスクに対する相互の影響を示す相互関係情報を表示装置に表示する制御を行う表示制御部と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記対象患者が現在罹患している複数の疾患に関する情報を取得し、
前記表示制御部は、前記取得部が取得した情報に基づいて、前記対象患者が現在罹患している疾患同士の依存関係を表示装置に表示する制御を行う、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記複数の疾患夫々の治療の優先度を表す治療優先スコアを取得し、
前記表示制御部は、前記治療優先スコアを疾患の名称と共に表示する制御を行う、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記潜在リスクに対して、前記複数の異なる性質の治療法が及ぼす影響の度合いを示すリスク値を算出する算出部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記算出部が算出した前記リスク値を前記表示装置に表示する制御を行う、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記リスク値を低減できる別の治療方法を示す代替治療方法を1以上提示する提示部と、
前記提示部が提示した1以上の前記代替治療方法から、少なくとも1の前記代替治療方法を選択する選択部と、を更に備え、
前記表示制御部は、前記選択部が選択した少なくとも1の前記代替治療方法を含む複数の異なる性質の治療法の、潜在リスクに対する相互の影響を示す代替後相互関係情報を前記表示装置に表示する制御を行う、
請求項4に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記潜在リスクに対して、前記選択部が選択した少なくとも1の前記代替治療方法を含む複数の異なる性質の治療法が及ぼす影響を示す代替後リスク値を算出し、
前記表示制御部は、前記算出部が算出した前記代替後リスク値を前記表示装置に表示する制御を行う、
請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記選択部は、ユーザからの指示により、1以上の前記代替治療方法から、少なくとも1の前記代替治療方法を仮選択し、
前記算出部は、前記潜在リスクに対して、前記選択部が仮選択した少なくとも1の前記代替治療方法を含む複数の異なる性質の治療法が及ぼす影響を示す仮代替後リスク値を算出し、
前記表示制御部は、前記リスク値と前記仮代替後リスク値とを併せて表示する制御を行う、
請求項5又は6に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記代替治療方法には、複数の治療法のうちの少なくとも1つを別の治療法に代替すること、複数の治療法のうちの少なくとも1つを中止すること、及び、少なくとも1つの別の治療法を追加することが含まれる、
請求項5乃至7の何れか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記対象患者に関わる1以上の疾患を示す患者情報を取得し、
前記表示制御部は、前記患者情報が示す前記1以上の疾患及び前記複数の異なる性質の治療法の、前記潜在リスクに対する相互の影響を示す相互関係情報を表示装置に表示する制御を行う、
請求項4乃至8の何れか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
前記算出部は、前記潜在リスクに対して、前記1以上の疾患及び前記複数の異なる性質の治療法が及ぼす影響の度合いを示すリスク値を算出する、
請求項9に記載の医用情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、1以上の対象患者の親族の疾患の既往歴を表す家族歴を示す患者情報を取得し、
前記患者情報が示す前記1以上の疾患、前記複数の異なる性質の治療法、及び前記1以上の家族歴の、潜在リスクに対する相互の影響を示す相互関係情報を表示装置に表示する制御を行う、
請求項4乃至10の何れか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項12】
前記算出部は、前記潜在リスクに対して、前記1以上の疾患、前記複数の異なる性質の治療法、及び前記1以上の家族歴が及ぼす影響の度合いを示すリスク値を算出する、
請求項11に記載の医用情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書等に開示の実施形態は、医用情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化が進んだことにより、マルチモビディティ(多疾患併存状態)の患者が増えてきている。マルチモビディティでは、複数の薬剤を併用することになるため、各々の薬剤を単体で使用する場合には生じない副作用が発生したり、治療を行ったことにより、別のリスクが発生したりする等、複合的な要因によって患者のリスクや負担が増加しやすいことが知られている。
【0003】
従来、疾病の症状と薬剤の副作用との関係から、副作用により症状が疾患定義に合わなくなっている(例えば、ある疾患で出るはずの症状が、薬剤の副作用によって出ていない等)ことを検出する技術が提案されている。
【0004】
しかしながら、従来技術では、医師等のユーザが複数の疾患と複数の治療との関連性を把握することは困難であり、複合的な要因によって高まるリスクを把握することは容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-136349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、複合的な要因によって高まるリスクを容易に把握できるようにすることである。ただし、本明細書等に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を、本願明細書に開示の実施形態が解決する他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る医用情報処理装置は、取得部と、表示制御部とを備える。取得部は、対象患者に関わる1以上の疾患に対する複数の異なる性質の治療法を示す患者情報を取得する。表示制御部は、患者情報が示す複数の異なる性質の治療法の、潜在リスクに対する相互の影響を示す相互関係情報を表示装置に表示する制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、患者データテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図3図3は、疾患データテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図4図4は、治療データテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図5図5は、周辺環境データテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る医用情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る患者データの取得の一例を示すイメージ図である。
図8図8は、実施形態に係る潜在リスクの特定の一例を示すイメージ図である。
図9図9は、実施形態に係る相互関係グラフの一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係るリスク値の算出の一例を示すイメージ図である。
図11図11は、実施形態に係るリスク値の算出の一例を示すイメージ図である。
図12図12は、実施形態に係る相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフの一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る抽出処理の一例を示すイメージ図である。
図14図14は、実施形態に係る代替治療方法の提示の一例を示すイメージ図である。
図15図15は、実施形態に係るリスク値変化のプレビュー表示の一例を示すイメージ図である。
図16図16は、実施形態に係る代替後相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフの一例を示すイメージ図である。
図17図17は、実施形態に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、変形例2に係る抽出処理の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、医用情報処理システム1は、患者データDB(Data Base)10と、疾患データDB20と、治療データDB30と、周辺環境データDB40と、医用情報処理装置100とを有する。
【0011】
ここで、患者データDB(Data Base)10と、疾患データDB20と、治療データDB30と、周辺環境データDB40と、医用情報処理装置100とは、病院等の医療施設内に設けられた院内LAN等のネットワークNを介して互いに通信可能に接続される。なお、各装置の個数は、図1に示した個数に限定されないものとする。
【0012】
患者データDB10は、患者に関するデータを記憶するデータベースである。具体的には、患者データDB10は、患者データテーブル11を保持する。
【0013】
患者データテーブル11は、氏名、疾患名、治療法、深刻度、依存関係、治療優先スコア、趣味嗜好、周辺環境、過去疾患等の情報で構成される患者データを、患者を識別する患者IDに対応付けて記憶する。
【0014】
各患者の患者データは、例えば、医用情報処理装置100又は病院等の医療施設に設けられた端末装置等を介して、患者データテーブル11に登録される。また、患者データは、電子カルテ等の診療に関する情報に基づいて登録されてもよい。
【0015】
図2は、患者データテーブル11のデータ構造の一例を示す図である。図2に示すように、患者データテーブル11は、「患者ID」と、患者データとを対応付けて記憶する。例えば、図2では、患者IDが「P001」乃至「P003」の患者の患者データを示している。
【0016】
ここで、患者データは、「氏名」、「疾患ID」、「疾患名」、「治療法」、「深刻度」、「依存関係」、「治療優先スコア」、「趣味嗜好」、「周辺環境」及び「過去疾患」等の項目を有する。以下、各々の項目について説明する。
【0017】
「氏名」は、対象患者の氏名である。例えば、図2の例では、患者ID「P001」に対応付けて、氏名「○○」を登録している。「疾患ID」は、対象患者が現在罹患している疾患(以下、既存疾患ともいう)を識別する識別情報である。例えば、図2の例では、患者ID「P001」に対応付けて、2つの疾患ID「D001」、「D002」を登録している。
【0018】
「疾患名」は、対象患者の既存疾患の名称を示す情報である。例えば、図2の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、疾患名「高血圧」を、疾患ID「D002」に対応付けて、疾患名「精神病」を登録している。なお、「疾患ID」及び「疾患名」は、1人の対象患者について、複数登録されてもよい。
【0019】
「治療法」は、既存疾患に対して行っている治療に関する情報である。例えば、図2の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、治療法「ACE阻害薬」を、疾患ID「D002」に対応付けて、治療法「向精神薬」を登録している。なお、「治療法」は、1つの疾患について、複数登録されてもよい。
【0020】
「深刻度」は、「疾患ID」及び「疾患名」で示される疾患の現在の症状の程度(どの程度深刻であるか)を示す情報である。例えば、図2の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、深刻度「1」を、疾患ID「D002」に対応付けて、深刻度「1」を登録している。
【0021】
「依存関係」は、対象患者が複数の疾患に罹患している場合に、夫々の疾患同士の依存関係を表す情報である。例えば、図2の例では、患者ID「P001」の患者データにおいて、疾患ID「D002」の疾患名「精神病」が、疾患ID「D001」の疾患名「高血圧」を引き起こす可能性があるため、疾患ID「D002」の「依存関係」欄に疾患ID「D001」を登録した例を示している。
【0022】
なお、「依存関係」は、蓄積された医学的知見等に基づいて、疾患毎に予め定められたものであってもよい。また、疾患によっては、「依存関係」にある疾患が存在しない場合があってもよい。
【0023】
また、疾病間の「依存関係」を定める情報(例えば、特定の疾患と、当該疾患と依存関係にある疾患とを対応付けたデータテーブル等)は、医用情報処理システム1を構成する各装置の何れかが有していてもよいし、医用情報処理システム1とネットワークNを介して互いに通信可能に接続された外部のサーバ装置等が有していてもよい。
【0024】
「治療優先スコア」は、対象患者の既存疾患について、治療の優先度を表すスコアである。例えば、「治療優先スコア」は、対象患者を担当する医師が当該患者の状態等に基づいて、定める数値である。
【0025】
例えば、図2の例では、疾患名「高血圧」に対応付けて、治療優先スコア「1」を、疾患名「精神病」に対応付けて、治療優先スコア「2」を登録した例を示している。これは、「P001」で識別される対象患者「○○」については、「高血圧」よりも「精神病」の治療が優先されることを表している。
【0026】
「趣味嗜好」は、対象患者の趣味や嗜好に関する情報である。例えば、図2の例では、患者ID「P001」に対応付けて、趣味嗜好「運動は苦手」を登録している。
【0027】
「周辺環境」は、対象患者の周囲に関する情報である。「周辺環境」は、例えば、親族の疾患の既往歴を表す家族歴、患者の仕事内容、患者の生活習慣(例えば、喫煙習慣や飲酒習慣)等である。また、例えば、高額の先進医療に対応する保険に入っている等の保険に関する情報等も「周辺環境」に含まれる。例えば、図2の例では、患者ID「P001」に対応付けて、周辺環境「家族歴:糖尿病」を登録している。
【0028】
「過去疾患」は、対象患者が過去に罹患した疾患に関する情報である。具体的には、「過去疾患」は、過去に罹患したが、現在は特に症状が見られない疾患を表している。例えば、図2の例では、患者ID「P001」に対応付けて、過去疾患「肺炎」を登録している。
【0029】
なお、この例で「家族歴:糖尿病」は、2親等以内の親族に糖尿病に罹患した人間がいることを表しているものとする。
【0030】
また、患者データが有する項目は、図2の例に限定されない。例えば、患者データとして、患者の身長、体重等の項目が登録されてもよい。また、疾患データとして、「疾患ID」、「疾患名」、「治療法」、及び「深刻度」が3つ以上登録されてもよいし、疾患データとして、「趣味嗜好」、「周辺環境」、「過去疾患」が複数登録されてもよい。
【0031】
疾患データDB20は、疾患に関する情報を記憶するデータベースである。具体的には、疾患データDB20は、疾患データテーブル21を保持する。
【0032】
疾患データテーブル21は、疾患名、深刻度(ベース)、起きやすさ(ベース)、潜在疾患、影響、深刻度、起きやすさ等の情報で構成される疾患データを、疾患を識別する疾患IDに対応付けて記憶する。
【0033】
各疾患の疾患データは、例えば、医用情報処理装置100又は病院等の医療施設に設けられた端末装置等を介して、疾患毎に疾患データテーブル21に登録される。
【0034】
図3は、疾患データテーブル21のデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、疾患データテーブル21は、「疾患ID」と、疾患データとを対応付けて記憶する。
【0035】
ここで、疾患データは、「疾患名」、「深刻度(ベース)」、「起きやすさ(ベース)」、「潜在疾患」、「影響」、「深刻度」及び「起きやすさ」等の項目を有する。例えば、図3では、疾患IDが「D001」乃至「D003」の疾患の疾患データを示している。
【0036】
「疾患名」は、対象疾患の名称である。なお、本実施形態において、「疾患」とは、病気以外にも、転倒等の患者に起こる現象やフレイル(障害とまでは言えないが、弱っている状態)等も含まれるものとする。例えば、図3の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、疾患名」「高血圧」を登録している。
【0037】
「深刻度(ベース)」は、対象疾患がどの程度深刻な疾患であるかを示す情報である。例えば、図3の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、深刻度(ベース)「1」を登録している。「起きやすさ(ベース)」は、対象疾患がどの程度起こりやすい疾患であるかを示す情報である。例えば、図3の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、起きやすさ(ベース)「3」を登録している。
【0038】
「潜在疾患」は、対象疾患に罹患していることにより生じ得る副次的な疾患を示す情報である。なお、「潜在疾患」は、疾患同士の「依存関係」を踏まえて定められてもよい。例えば、図3の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、潜在疾患「心筋梗塞」を登録している。
【0039】
「影響」は、対象疾患に罹患していることにより「潜在疾患」に良い影響を与えるか悪い影響を与えるかを表す情報である。例えば、図3の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、影響「悪」を登録している。
【0040】
「深刻度」は、対象疾患に罹患していることにより潜在疾患に罹患した場合にどの程度深刻な状態になるかを表す情報である。例えば、図3の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、深刻度「0」を登録している。「起きやすさ」は、対象疾患に罹患していることにより潜在疾患にどの程度罹患しやすいかを表す情報である。例えば、図3の例では、疾患ID「D001」に対応付けて、起きやすさ「1」を登録している。
【0041】
なお、疾患データが有する項目は、図3の例に限定されない。例えば、疾患データとして、図2の患者データテーブル11の「依存関係」を定める情報が登録されてもよい。また、例えば、疾患データとして、「「潜在疾患」、「影響」、「深刻度」及び「起きやすさ」が複数登録されてもよい。
【0042】
治療データDB30は、治療法に関する情報を記憶するデータベースである。具体的には、治療データDB30は、治療データテーブル31を保持する。
【0043】
治療データテーブル31は、治療法名、対象疾患、期待効果、潜在疾患、副作用、深刻度、起きやすさ、趣味嗜好、影響、影響度等の情報で構成される治療法データを、治療法を識別する治療法IDに対応付けて記憶する。
【0044】
各治療法の治療データは、例えば、医用情報処理装置100又は病院等の医療施設に設けられた端末装置等を介して、治療法毎に治療データテーブル31に登録される。
【0045】
図4は、治療データテーブル31のデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、治療データテーブル31は、「治療法ID」と、治療法データとを対応付けて記憶する。
【0046】
ここで、治療データは、「治療法名」、「対象疾患」、「期待効果」、「潜在疾患」、「副作用」、「深刻度」、「起きやすさ」、「趣味嗜好」、「影響」、「影響度」等の項目を有する。例えば、図4では、治療法IDが「T001」乃至「T003」の治療法の治療法データを示している。
【0047】
「治療法名」は、対象治療法の名称である。なお、治療法には、投与する薬剤だけでなく、運動療法や食事療法等といったものも含まれる。例えば、図4の例では、治療法ID「T001」に対応付けて、治療法名「ACE阻害薬」を登録している。「対象疾患」は、対象治療法の対象となる疾患を示す情報である。例えば、図4の例では、治療法ID「T001」に対応付けて、対象疾患「高血圧」を登録している。
【0048】
「期待効果」は、対象治療法が「対象疾患」に対してどの程度の効果が期待できるかを示す情報である。「期待効果」は、既存疾患のリスクをどの程度下げることができるのかの期待値であるとも言える。例えば、図4の例では、治療法ID「T001」に対応付けて、期待効果「5」を登録している。
【0049】
「潜在疾患」は、対象疾患以外の対象治療法と関係する疾患を示す情報である。例えば、図4の例では、治療法ID「T001」に対応付けて、潜在疾患「誤嚥性肺炎」を登録している。「副作用」は、対象治療法を行うことにより「潜在疾患」に良い影響を与えるか悪い影響を与えるかを表す情報である。例えば、図4の例では、治療法ID「T001」に対応付けて、副作用「良」を登録している。
【0050】
「深刻度」は、対象治療法を行ったことにより潜在疾患に罹患した場合にどの程度深刻な状態になるかを表す情報である。例えば、図4の例では、治療法ID「T001」に対応付けて、深刻度「-1」を登録している。「起きやすさ」は、対象治療法を行うことにより潜在疾患にどの程度罹患しやすいかを表す情報である。例えば、図4の例では、治療法ID「T001」に対応付けて、起きやすさ「0」を登録している。
【0051】
「趣味嗜好」は、対象治療法を行うことにより影響を受ける患者の趣味や嗜好を表す情報である。例えば、図4の例では、治療法ID「T003」に対応付けて、趣味嗜好「運動は苦手」を登録している。
【0052】
「影響」は、対象治療法を行うことにより「趣味嗜好」に悪い影響を与えるのか良い影響を与えるのかを示す情報である。例えば、図4の例では、趣味嗜好「運動は苦手」に対応付けて、影響「悪」を登録している。「影響度」は、対象治療法を行うことにより「趣味嗜好」にどの程度影響を与えるかを示す情報である。例えば、図4の例では、趣味嗜好「運動は苦手」に対応付けて、影響度「10」を登録している。
【0053】
なお、治療法データが有する項目は、図4の例に限定されない。例えば、治療データとして、対象治療法を行うためには、高額の医療費が必要であることを示す「高額医療」等の項目が登録されていてもよい。また、治療データとして、「「対象疾患」及び「期待効果」」や「「潜在疾患」、「副作用」、「深刻度」、及び「起きやすさ」」が複数登録されてもよい。
【0054】
周辺環境データDB40は、周辺環境に関する情報を記憶するデータベースである。具体的には、周辺環境データDB40は、周辺環境データテーブル41を保持する。
【0055】
周辺環境データテーブル41は、周辺環境名称、潜在疾患、影響、起きやすさ等の情報で構成される周辺環境データを、周辺環境を識別する周辺環境IDに対応付けて記憶する。
【0056】
各周辺環境の周辺環境データは、例えば、医用情報処理装置100又は病院等の医療施設に設けられた端末装置等を介して、周辺環境毎に周辺環境データテーブル41に登録される。
【0057】
図5は、周辺環境データテーブル41のデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、周辺環境データテーブル41は、「周辺環境ID」と、周辺環境データとを対応付けて記憶する。
【0058】
ここで、周辺環境データは、「周辺環境名称」、「潜在疾患」、「影響」及び「起きやすさ」等の項目を有する。例えば、図5では、周辺環境IDが「E001」乃至「E003」の周辺環境の周辺環境データを示している。
【0059】
「周辺環境名」は、対象周辺環境の名称である。例えば、図5の例では、周辺環境ID「E001」に、周辺環境名「家族歴:高血圧」を登録している。「潜在疾患」は、対象周辺環境に関係する疾患の情報である。例えば、図5の例では、周辺環境ID「E001」に、潜在疾患「高血圧」を登録している。
【0060】
「影響」は、対象周辺環境が存在することにより「潜在疾患」に良い影響を与えるか悪い影響を与えるかを表す情報である。例えば、図5の例では、周辺環境ID「E001」に、影響「悪」を登録している。「深刻度」は、対象周辺環境が存在することにより潜在疾患に罹患した場合にどの程度深刻な状態になるかを表す情報である。例えば、図5の例では、周辺環境ID「E001」に、深刻度「0」を登録している。
【0061】
「起きやすさ」は、対象周辺環境が存在することにより潜在疾患にどの程度罹患しやすいかを表す情報である。例えば、図5の例では、周辺環境ID「E001」に、起きやすさ「3」を登録している。
【0062】
なお、周辺環境データが有する項目は、図5の例に限定されない。例えば、周辺環境データとして、「「潜在疾患」、「影響」、「深刻度」及び「起きやすさ」」が複数登録されてもよい。
【0063】
医用情報処理装置100は、患者データDB10、疾患データDB20、治療データDB30、及び周辺環境データDB40に記憶されたデータを用いた各種処理を実行する。具体的には、医用情報処理装置100は、医師によって、患者の診療業務に使用される。なお、医用情報処理装置100は、例えば、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0064】
図6は、医用情報処理装置100の構成例を示す図である。図6に示すように、医用情報処理装置100は、I/F(インタフェース)回路110と、記憶回路120と、入力回路130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを有する。
【0065】
I/F回路110は、処理回路150に接続され、ネットワークNを介した各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、I/F回路110は、患者データDB10、疾患データDB20及び治療データDB30にアクセスする。例えば、I/F回路110は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0066】
記憶回路120は、処理回路150に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路120は、医用情報処理装置100の動作に係る各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶回路120は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0067】
入力回路130は、処理回路150に接続され、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路150に出力する。例えば、入力回路130は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。
【0068】
ディスプレイ140は、処理回路150に接続され、処理回路150から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ140は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。ディスプレイ140は、表示装置の一例である。
【0069】
処理回路150は、医用情報処理装置100の動作を統括的に制御する。例えば、処理回路150は、プロセッサによって実現される。
【0070】
以上、本実施形態に係る医用情報処理装置100の全体構成について説明した。このような構成のもと、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、異なる要素間の相互作用を表示するための機能を有する。
【0071】
具体的には、処理回路150は、取得機能151と、特定機能152と、生成機能153と、算出機能154と、表示制御機能155と、抽出機能156と、提示機能157と、選択機能158とを有する。
【0072】
ここで、取得機能151は、特許請求の範囲における取得部の一例である。また、算出機能154は、特許請求の範囲における算出部の一例である。また、表示制御機能155は、特許請求の範囲における表示制御部の一例である。また、提示機能157は、特許請求の範囲における提示部の一例である。選択機能158は、特許請求の範囲における選択部の一例である。
【0073】
取得機能151は、対象患者に関わる1又は複数の疾患に対する複数の異なる性質の治療法を示す患者データを取得する。患者データは、患者情報の一例である。また、取得機能151は、対象患者に関する1以上の疾患を示す患者データを取得する。また、取得機能151は、1以上の対象患者の家族歴を示す患者情報を取得する。
【0074】
具体的には、取得機能151は、患者データテーブル11を参照し、診療の対象となる対象患者の患者IDに紐付けられた、「氏名」、「疾患ID」、「疾患名」、「治療法」、「深刻度」、「治療優先スコア」、「趣味嗜好」、「周辺環境」及び「過去疾患」に関する情報を取得する。
【0075】
特定機能152は、取得機能151が取得した患者データが示す複数の異なる性質の治療法について、夫々に潜在する潜在リスクを特定する。また、特定機能152は、取得機能151が取得した患者データが示す1以上の疾患について、夫々に潜在する潜在リスクを特定する。また、特定機能152は、取得機能151が取得した患者データが示す1以上の対象患者の家族歴について、潜在する潜在リスクを特定する。
【0076】
具体的には、特定機能152は、治療データテーブル31を参照し、取得機能151が取得した複数の実施治療について、夫々治療法IDに紐付けられた潜在疾患を潜在リスクとして特定する。
【0077】
また、特定機能152は、疾患データテーブル21を参照し、取得機能151が取得した複数の既存疾患について、夫々疾患IDに紐付けられた潜在疾患を潜在リスクとして特定する。また、特定機能152は、周辺環境データテーブル41を参照し、取得機能151が取得した周辺環境の周辺環境IDに紐付けられた潜在疾患を潜在リスクとして特定する。
【0078】
さらに、特定機能152は、治療データテーブル31を参照し、取得機能151が取得した対象患者の趣味嗜好と、対象治療法の治療法IDに紐付けられた趣味嗜好とが一致する場合、当該趣味嗜好を関連のある趣味嗜好として特定する。
【0079】
生成機能153は、患者データが示す複数の異なる性質の治療法の、潜在リスクに対する相互の影響を示す相互関係グラフを生成する。相互関係グラフは、相互関係情報の一例である。
【0080】
生成機能153は、対象患者の複数の既存疾患について、当該既存疾患間の関係を示す相互関係グラフを生成する。具体的には、生成機能153は、患者データテーブル11を参照し、取得機能151が取得した「疾患ID」及び「疾患名」で特定される既存疾患の「依存関係」を取得する。そして、生成機能153は、取得した「依存関係」に基づいて、対象患者の既存疾患同士の関係を示す相互関係グラフを生成する。
【0081】
また、生成機能153は、患者データが示す1以上の疾患及び複数の異なる性質の治療法の、相互関係グラフを生成する。また、生成機能153は、患者データが示す1以上の疾患、複数の異なる性質の治療法、及び1以上の家族歴の、相互関係グラフを生成する。
【0082】
具体的には、まず、生成機能153は、疾患データテーブル21を参照し、取得機能151が取得した患者データの疾患名(既存疾患)の疾患IDに紐づけられた「潜在疾患」に対応する「影響」(「良」又は「悪」)を取得する。また、生成機能153は、疾患データテーブル21を参照し、取得機能151が取得した患者データの過去疾患の疾患IDに紐づけられた「潜在疾患」に対応する「影響」を取得する。
【0083】
また、生成機能153は、治療データテーブル31を参照し、取得機能151が取得した実施治療の治療法IDに紐づけられた「潜在疾患」に対応する「副作用」を取得する。また、生成機能153は、周辺環境データテーブル41を参照し、取得機能151が取得した周辺環境の周辺環境IDに紐づけられた潜在疾患に対応する「影響」を取得する。
【0084】
生成機能153は、取得した複数の「影響」及び「副作用」を統合して既存疾患、実施治療、過去疾患、及び周辺環境の相互関係グラフを生成する。相互関係グラフは、例えば、既存疾患、実施治療、過去疾患、及び周辺環境等の要素同士が相互に与え合う影響を、複数の矢印を用いて、良い影響と悪い影響とを区別できる態様で表したグラフである。
【0085】
なお、相互関係情報は上記に限定されず、既存疾患、実施治療、過去疾患、及び周辺環境等の要素同士の関係を表形式で表したものであってもよい。
【0086】
算出機能154は、潜在リスクに対して、複数の異なる性質の治療法が及ぼす影響の度合いを示すリスク値を算出する。また、算出機能154は、潜在リスクに対して、1以上の疾患及び複数の異なる性質の治療法が及ぼす影響の度合いを示すリスク値を算出する。
【0087】
また、算出機能154は、潜在リスクに対して、1以上の疾患、複数の異なる性質の治療法、及び1以上の家族歴が及ぼす影響の度合いを示すリスク値を算出する。
【0088】
具体的には、算出機能154は、既存疾患、過去疾患、及び潜在疾患について、夫々の要素に対して、1以上の既存疾患、複数の実施治療、及び1以上の周辺環境等が及ぼす影響の度合いを示すリスク値を算出する。
【0089】
ここで、リスク値には、既存疾患、過去疾患、及び潜在疾患等の要素自体が持つリスクを示す自リスク値と、他の要素に与えるリスクを示す与リスク値があり、自リスク値と与リスク値の合計値が既存疾患、過去疾患、及び潜在疾患等の要素のリスク値となる。自リスク値及び与リスク値は、深刻度と起きやすさとを基に算出される。
【0090】
また、算出機能154は、趣味嗜好についてリスク値を算出する。なお、趣味嗜好のリスク値は、疾患や治療法等の他の要素が趣味嗜好に与える影響の度合いを示すものとする。以下、リスク値の算出処理について説明する。
【0091】
まず、既存疾患の自リスク値の算出処理について説明する。既存疾患の自リスク値は、「起きやすさ×現在の深刻度」で算出することができる。具体的には、算出機能154は、患者データテーブル11を参照し、対象患者の患者IDに紐づけられた、自リスク値の算出の対象となる対象既存疾患に対応する「深刻度」を現在の深刻度として取得する。また、算出機能154は、既存疾患は既に罹患している状態であるため、「起きやすさ」を最大値(例えば、「10」)とする。
【0092】
例えば、算出機能154は、患者データテーブル11を参照し、対象患者の患者IDに紐づく対象既存疾患に対応する「深刻度」が「1」であった場合、「現在の深刻度」を「1」とし、「10(起きやすさ)×1(現在の深刻度)=10」を自リスク値として算出する。
【0093】
次に、既存疾患の与リスク値の算出について説明する。既存疾患の与リスク値は、「(既存疾患による潜在疾患の起きやすさ×潜在疾患の深刻度(ベース))+(潜在疾患の起きやすさ(ベース)×既存疾患による潜在疾患の深刻度)」で算出することができる。
【0094】
例えば、疾患データテーブル21に登録された、対象既存疾患の疾患IDに紐づく対象潜在疾患の「起きやすさ」が「2」であった場合、算出機能154は、「既存疾患による潜在疾患の起きやすさ」を「2」に設定する。また、疾患データテーブル21に登録された対象潜在疾患の疾患IDに紐づく「深刻度(ベース)」が「2」であった場合、算出機能154は、「潜在疾患の深刻度(ベース)」を「2」に設定する。
【0095】
また、疾患データテーブル21に登録された、対象潜在疾患の疾患IDに紐づく「起きやすさ(ベース)」が「3」であった場合、算出機能154は、「潜在疾患の起きやすさ(ベース)」を3に設定する。また、疾患データテーブル21に登録された、対象既存疾患の疾患IDに紐づく対象潜在疾患に対応する「深刻度」が「1」であった場合、算出機能154は、「既存疾患による潜在疾患の深刻度」を「1」とする。
【0096】
そして、算出機能154は、「2(既存疾患による潜在疾患の起きやすさ)×2(潜在疾患の深刻度(ベース))+3(潜在疾患の起きやすさ(ベース))×1(既存疾患による潜在疾患の深刻度)=7」を与リスク値として算出する。
【0097】
次に、過去疾患のリスク値の算出について説明する。過去疾患には、再発の可能性のない純粋過去疾患と、現時点では症状はないものの、再発する可能性のある過去/潜在疾患が存在する。
【0098】
純粋過去疾患としては、例えば、虫垂切除済の虫垂炎等が挙げられる。純粋過去疾患については、算出機能154は、起きやすさ、深刻度を「0」としてリスク値を算出する。つまり、純粋過去疾患については、自リスク値及び与リスク値が「0」になる。また、過去/潜在疾患については、後述する潜在疾患と同様の扱いとなる。
【0099】
次に、潜在疾患の自リスク値の算出について説明する。潜在疾患の自リスク値は、「潜在疾患の起きやすさ×潜在疾患の深刻度」で算出される。
【0100】
「潜在疾患の起きやすさ」は、「潜在疾患の起きやすさ(ベース)+(潜在疾患の起きやすさの増減要素の合計)」で表され、「潜在疾患の深刻度」は、「潜在疾患の深刻度(ベース)+(潜在疾患の深刻度の増減要素の合計)」で表される。起きやすさ及び深刻度の増減要素の合計は、既存疾患、実施治療、周辺環境が潜在疾患の起きやすさ及び潜在疾患の深刻度に与える影響を総合したものである。
【0101】
例えば、疾患データテーブル21に登録された、対象潜在疾患の疾患IDに紐づく「起きやすさ(ベース)」が「3」であった場合、算出機能154は、「潜在疾患の起きやすさ(ベース)」を「3」に設定する。また、疾患データテーブル21に登録された、対象患者の既存疾患の疾患IDに紐づく潜在疾患に対応する「起きやすさ」が「2」であった場合、算出機能154は、「+2」を「潜在疾患の起きやすさの増減要素」の1つに設定する。
【0102】
また、治療データテーブル31に登録された、対象患者の実施治療の治療法IDに紐づく潜在疾患に対応する「起きやすさ」が「2」であった場合、算出機能154は、「+2」を「潜在疾患の起きやすさの増減要素」の1つに設定する。
【0103】
また、周辺環境データテーブル41に登録された、対象患者の周辺環境の周辺環境IDに紐づく潜在疾患に対応する「起きやすさ」が「2」であった場合、算出機能154は、「+2」を「潜在疾患の起きやすさの増減要素」の1つに設定する。そして、算出機能154は、「3(潜在疾患の起きやすさ(ベース))+(2+2+2)(潜在疾患の深刻度の増減要素の合計)=9」を「潜在疾患の起きやすさ」とする。
【0104】
また、例えば、疾患データテーブル21に登録された、対象潜在疾患の疾患IDに紐づく「深刻度(ベース)」が「1」であった場合、算出機能154は、「潜在疾患の深刻度(ベース)」を「1」に設定する。また、疾患データテーブル21に登録された、対象患者の既存疾患の疾患IDに紐づく潜在疾患に対応する「深刻度」が「2」であった場合、算出機能154は、「+2」を「潜在疾患の深刻度の増減要素」の1つに設定する。
【0105】
また、例えば、治療データテーブル31に登録された、対象患者の実施治療の治療法IDに紐づく潜在疾患に対応する「深刻度」が「-1」であった場合、算出機能154は、「-1」を「潜在疾患の起きやすさの増減要素」の1つに設定する。
【0106】
また、例えば、周辺環境データテーブル41に登録された、対象患者の周辺環境の周辺環境IDに紐づく潜在疾患に対応する「深刻度」が「2」であった場合、算出機能154は、「+2」を「潜在疾患の起きやすさの増減要素」の1つに設定する。そして、算出機能154は、「1(潜在疾患の深刻度(ベース))+(2-1+2)(潜在疾患の深刻度の増減要素の合計)=4」を「潜在疾患の深刻度」とする。
【0107】
その後、算出機能154は、「9(潜在疾患の起きやすさ)×4(潜在疾患の深刻度)=36」を自リスク値として算出する。なお、潜在疾患の与リスク値は、既存疾患の与リスク値と同様の手法で算出することが可能であるため、説明を省略する。
【0108】
次に、趣味嗜好のリスク値の算出について説明する。趣味嗜好のリスク値は、「趣味嗜好に対する影響度」で算出される。
【0109】
例えば、治療データテーブル31に登録された、対象患者のある実施治療の治療法IDに紐付く、対象となる趣味嗜好に対応する「影響度」が「10」であった場合、算出機能154は、「10」をリスク値として算出する。なお、対象となる趣味嗜好に紐付いている実施治療等が複数ある場合、算出機能154は、「影響度の合計」をリスク値として算出する。
【0110】
ここで、上記のリスク値の算出法は一例であり、別の手法で既存疾患、過去疾患、潜在疾患、及び趣味嗜好のリスク値を算出してもよい。
【0111】
表示制御機能155は、患者データが示す複数の異なる性質の治療法の、潜在リスクに対する相互の影響を示す相互関係グラフをディスプレイ140に表示する制御を行う。また、表示制御機能155は、算出機能154が算出したリスク値をディスプレイ140に表示する制御を行う。
【0112】
具体的には、表示制御機能155は、生成機能153が生成した相互関係グラフと算出機能154が算出したリスク値を併せてディスプレイ140に表示する制御を行う。なお、表示制御機能155は、生成機能153が生成した相互関係グラフのみをディスプレイ140に表示する制御を行ってもよい。
【0113】
また、表示制御機能155は、リスク値の内訳(自リスク値の数値と与リスク値の数値)がわかるようにリスク値を表示する制御を行ってもよい(例えば、表示制御機能155は、ユーザが表示されたリスク値の上にマウスポインタを乗せた場合に、当該リスク値の内訳を表示する制御を行う)。リスク値の内訳を表示することにより、ユーザは、与えるリスクが大きいのか、受けるリスクが大きいのかを視覚的に捉えることができる。
【0114】
抽出機能156は、生成機能153が生成した相互関係グラフの中から一部を抽出する。
【0115】
具体的には、抽出機能156は、ユーザからの抽出指示により、生成機能153が生成した相互関係グラフの中から、ユーザが指定した潜在疾患等の要素を始点として、予め設定した矢印の個数(例えば、3つ)先までの要素を抽出する。そして、表示制御機能155は、抽出機能156が抽出した部分と当該部分に関連するリスク値のみをディスプレイ140に表示する制御を行う。
【0116】
なお、上記の抽出条件は一例であり、別の条件に従って抽出を行ってもよい。上記のように抽出機能156が相互関係グラフの一部を抽出することにより、生成機能153が生成した相互関係グラフに含まれる要素が多過ぎる場合に、注目すべき点がぼやけてしまい、ユーザが関係を把握し難くなるような事態を防止することができる。
【0117】
提示機能157は、リスク値を低減できる別の治療方法を示す代替治療方法を1以上提示する。
【0118】
具体的には、提示機能157は、ユーザの指示に従い、1以上の代替治療方法を提示する。まず、提示機能157は、ユーザから1の潜在疾患の指定を受け付け、疾患データテーブル21を参照し、ユーザが指定した潜在疾患と関係する疾患であって、かつ、対象患者の既存疾患(又は過去/潜在疾患)である疾患を抽出する。
【0119】
次に、提示機能157は、治療データテーブル31を参照し、抽出した疾患に対する治療法となり得る治療法(対象患者の現在の実施治療は除く)を複数抽出する。次に、提示機能157は、抽出した複数の治療法を現在の実施治療に追加した場合について、算出機能154に、夫々ユーザが指定した潜在疾患のリスク値を算出させる。
【0120】
そして、提示機能157は、算出機能154に算出させた潜在疾患のリスク値が、現在の潜在疾患のリスク値よりも低下する治療法を代替治療方法(追加)として提示する。
【0121】
また、提示機能157は、抽出した複数の治療法について、夫々現在の実施治療の1つと置き換えた場合について、算出機能154に、夫々ユーザが指定した潜在疾患のリスク値を算出させる。なお、このとき、代替治療方法(追加)として提示される治療法については、算出の対象としないものとする。
【0122】
そして、提示機能157は、算出機能154に算出させた潜在疾患のリスク値が、現在の潜在疾患のリスク値よりも低下する治療法を代替治療方法(代替)として提示する。
【0123】
また、提示機能157は、現在の実施治療の1つを削除(中止)した場合について、算出機能154に、ユーザが指定した潜在疾患のリスク値を算出させる。そして、提示機能157は、算出機能154に算出させた潜在疾患のリスク値が、現在の潜在疾患のリスク値よりも低下する場合、実施治療の削除を代替治療方法(削除)として提示する。
【0124】
なお、ある実施治療を削除した場合に、当該実施治療の対象疾患のリスク値が、予め定めた閾値を超える場合、提示機能157は、当該実施治療の削除を代替治療方法(削除)として提示しないこととしてもよい。
【0125】
提示機能157が提示した代替治療方法は、表示制御機能155により、ディスプレイ140に表示される。
【0126】
選択機能158は、提示機能157が提示した1以上の代替治療方法から、少なくとも1の代替治療方法を選択する。
【0127】
具体的には、選択機能158は、ユーザがマウスポインタを、表示された代替治療方法の上に乗せ、左シングルクリックしたとき、マウスポインタが乗った代替治療方法を選択する。なお、ユーザから2以上の代替治療方法の選択入力を受け付けた場合、選択機能158は、2以上の代替治療方法を選択する。
【0128】
選択機能158が代替治療方法を選択すると、生成機能153は、当該代替治療方法を含む複数の実施治療から受ける影響を示す代替後相互関係グラフを生成する。その後、算出機能154は、既存疾患、過去疾患、及び潜在疾患について、当該代替治療方法を含む複数の実施治療から受ける影響を示す代替後リスク値を算出する。表示制御機能155は、生成機能153が生成した代替後相互関係グラフを表示する制御を行う。
【0129】
また、表示制御機能155は、算出機能154が算出した代替後リスク値をディスプレイ140に表示する制御を行う。このとき、表示制御機能155は、実施治療代替前のリスク値を併せてディスプレイ140に表示する制御を行ってもよい(例えば、「代替前リスク値」→「代替後リスク値」の形で表示する制御を行う)。
【0130】
また、選択機能158は、提示機能157が提示した1以上の代替治療方法から、少なくとも1の代替治療方法を仮選択する。
【0131】
具体的には、選択機能158は、ユーザがマウスポインタを、表示された代替治療方法の上に乗せた時点で、マウスポインタが乗った代替治療方法を仮選択する。
【0132】
選択機能158が代替治療方法を仮選択すると、算出機能154は、ユーザが指定した潜在疾患について、当該代替治療方法を含む複数の実施治療から受ける影響を示す仮代替後リスク値を算出する。なお、この処理については、提示機能157が代替治療方法を提示の際に、算出機能154に算出させたユーザが指定した潜在疾患のリスク値を利用することにより省略することも可能である。
【0133】
そして、表示制御機能155は、実施治療代替前のリスク値と仮代替後リスク値とを併せてディスプレイ140に表示する制御を行う。なお、表示制御機能155は、例えば、「代替前リスク値」→「仮代替後リスク値」のような形でリスク値の変化を表示する制御を行ってもよい。
【0134】
ここで、上述した各機能部の処理の内容について、図7乃至図16を用いて説明する。図7は、患者データの取得処理の一例を表すイメージ図である。
【0135】
図7では、取得機能151が、患者データテーブル11を参照し、対象患者の患者IDに紐付けられた「疾患名」として「高血圧」、「精神病」、「フレイル:足腰」、「不眠」、及び「糖尿病」を取得した例を示している。また、図7では、取得機能151が、患者データテーブル11を参照し、「過去疾患」として「誤嚥性肺炎」及び「心筋梗塞」を取得した例を示している。
【0136】
また、図7では、取得機能151が、患者データテーブル11を参照し、「高血圧」の「治療優先スコア」として「1」、「精神病」の「治療優先スコア」として「2」、「フレイル:足腰」の「治療優先スコア」として「1」、「不眠」の「治療優先スコア」として「1」、「糖尿病」の「治療優先スコア」として「2」を取得した例を示している。
【0137】
また、図7では、取得機能151が、患者データテーブル11を参照し、「治療法」として「ACE阻害薬」、「向精神薬」、「抗凝固剤」、「運動療法(フレイル:足腰)」、「睡眠薬」、「運動療法(糖尿病)」、及び「食事療法」を取得した例を示している。また、図7では、取得機能151は、患者データテーブル11を参照し、「趣味嗜好」として「運動は苦手」及び「甘いものが好き」を取得した例を示している。
【0138】
また、図7では、取得機能151が、患者データテーブル11を参照し、「周辺環境」として「家族歴:心筋梗塞」を取得した例を示している。
【0139】
図8は、潜在疾患の特定処理の一例を表すイメージ図である。
【0140】
図8では、特定機能152が、疾患データテーブル21を参照し、既存疾患である「高血圧」の疾患IDに紐付けられた潜在疾患である「心筋梗塞」を潜在疾患として特定した例を示している。なお、この例では、「心筋梗塞」は対象患者の「過去疾患」であるため、「過去/潜在疾患」として扱うことになる。
【0141】
また、図8では、特定機能152が、疾患データテーブル21を参照し、既存疾患である「フレイル:足腰」の疾患IDに紐付けられた潜在疾患である「転倒・骨折」を潜在疾患として特定した例を示している。
【0142】
また、図8では、特定機能152が、治療データテーブル31を参照し、実施治療である「ACE阻害薬」の治療法IDに紐付けられた潜在疾患である「誤嚥性肺炎」を潜在疾患として特定した例を示している。なお、この例では、「誤嚥性肺炎」は対象患者の「過去疾患」であるため、「心筋梗塞」と同様に「過去/潜在疾患」として扱うことになる。
【0143】
図9は、相互関係グラフの一例を表す図である。以下、図2乃至図5、及び図9を用いて、相互関係グラフの生成処理について説明する。
【0144】
まず、生成機能153は、患者データテーブル11を参照し、対象患者の「依存関係」に登録された情報に基づき、依存関係にある疾患を特定する。これにより、生成機能153は、「精神病」が疾患ID「D001」で識別される「高血圧」と「依存関係」にあるという情報を取得することができる。この場合、「精神病」と「高血圧」との「依存関係」は、「精神病」が「高血圧」を引き起こすことを示している。
【0145】
そして、生成機能153は、「依存関係」にある「精神病」と「高血圧」との間に、当該「依存関係」を表す表示情報を関連付けて設定する。表示情報は、例えば、図9に示すように、「精神病」から「高血圧」に向かう実線の矢印として表される。なお、矢印は表示情報の表示形態の一例であり、表示情報は、他の表示形態で表されてもよい。
【0146】
また、「依存関係」は、既存疾患同士の関係を表しており、「既存疾患」と「潜在疾患」との関係とは区別して表示される。例えば、図9に示すように、「依存関係」は、「既存疾患」が「潜在疾患」に与える悪い影響を表す破線の矢印よりもサイズが大きい実線の矢印で表示される。なお、以下の説明では、「依存関係」を表す矢印のサイズを「大きい」、「依存関係」以外の要素間の関係を表す矢印のサイズを「小さい」と表現する場合がある。
【0147】
次いで、生成機能153は、疾患データテーブル21を参照し、対象患者の既存疾患の1つである「高血圧」の疾患IDに紐付く潜在疾患である「心筋梗塞」に対する影響が「悪」であることを特定する。次いで、生成機能153は、「高血圧」と「心筋梗塞」との間に、「高血圧」が「心筋梗塞」に与える悪い影響を表す表示情報を関連付けて設定する。例えば、この場合の表示情報は、図9に示すように、「高血圧」から「心筋梗塞」に向かう小さい破線の矢印で表される。
【0148】
次に、生成機能153は、対象患者の実施治療の1つである「ACE阻害薬」が「高血圧」の治療法であることを特定する。次いで、生成機能153は、「ACE阻害薬」と「高血圧」との間に、「ACE阻害薬」が「高血圧」に与える良い影響を表す表示情報を関連付けて設定する。例えば、この場合の表示情報は、図9に示すように、「ACE阻害薬」から「高血圧」に向かう小さい実線の矢印で表される。
【0149】
また、生成機能153は、治療データテーブル31を参照し、「ACE阻害薬」の治療法IDに紐付く潜在疾患「誤嚥性肺炎」に対する影響が「良」であることを特定する。次いで、生成機能153は、「ACE阻害薬」と「誤嚥性肺炎」との間に、「ACE阻害薬」が「誤嚥性肺炎」に与える良い影響を表す表示情報を関連付けて設定する。
【0150】
そして、生成機能153は、「精神病」等の要素についても上記と同様の処理を行い、設定した表示情報に基づいて、図9に示すような「既存疾患」、「過去疾患」、「潜在疾患」、「実施治療」、「趣味嗜好」、及び「周辺環境」の関係を表すグラフを生成する。
【0151】
図10は、既存疾患及び潜在疾患のリスク値の算出の一例を表すイメージ図である。
【0152】
ここでは、既存疾患「フレイル:足腰」及び潜在疾患「転倒・骨折」のリスク値の算出を例に説明する。まず、既存疾患「フレイル:足腰」のリスク値の算出について説明する。算出機能154は、患者データテーブル11に登録された、対象患者の患者IDに紐付く既存疾患「フレイル:足腰」の深刻度「1」を「フレイル:足腰」の現在の深刻度とする。
【0153】
また、「フレイル:足腰」は既存疾患であるため、算出機能154は、「フレイル:足腰」の起きやすさを最大値である「10」とする。そして、算出機能154は、「10(既存疾患の起きやすさ)×1(現在の深刻度)=10」を「フレイル:足腰」の自リスク値として算出する。
【0154】
また、算出機能154は、疾患データテーブル21に登録された、「フレイル:足腰」の疾患IDに紐付く潜在疾患「転倒・骨折」の起きやすさである「+2」を「フレイル:足腰」による「転倒・骨折」の起きやすさ増減に設定する。また、疾患データテーブル21に登録された、「転倒・骨折」の深刻度である「+1」を「フレイル:足腰」による「転倒・骨折」の深刻度増減に設定する。
【0155】
また、算出機能154は、疾患データテーブル21に登録された、「転倒・骨折」の疾患IDに紐付く起きやすさ(ベース)である「2」を「転倒・骨折」の起きやすさ(ベース)に設定する。また、疾患データテーブル21に登録された、深刻度(ベース)である「2」を「転倒・骨折」の深刻度(ベース)に設定する。
【0156】
算出機能154は、「2(「フレイル:足腰」による「転倒・骨折」の起きやすさ増減)×2(「転倒・骨折」の深刻度(ベース))+2(「転倒・骨折」の起きやすさ(ベース))×1(「フレイル:足腰」による「転倒・骨折」の深刻度増減)=6」を与リスク値として算出する。
【0157】
そして、算出機能154は、「10(「フレイル:足腰」の自リスク値)+6(「フレイル:足腰」の与リスク値)=16」を「フレイル:足腰」のリスク値として算出する。
【0158】
次に、潜在疾患「転倒・骨折」のリスク値の算出について説明する。算出機能154は、治療データテーブル31に登録された、対象患者の実施治療の1つである「抗凝固剤」の治療法IDに紐付く潜在疾患「転倒・骨折」の起きやすさ「±0」を「転倒・骨折」の起きやすさの増減要素の1つに設定する。また、治療データテーブル31に登録された、「転倒・骨折」の深刻度「+3」を「転倒・骨折」の深刻度の増減要素の1つに設定する。
【0159】
次に、算出機能154は、治療データテーブル31に登録された、対象患者の実施治療の1つである「睡眠薬」の治療法IDに紐付く潜在疾患「転倒・骨折」の起きやすさ「+2」を「転倒・骨折」の起きやすさの増減要素の1つに設定する。また、治療データテーブル31に登録された、「転倒・骨折」の深刻度「±0」を「転倒・骨折」の深刻度の増減要素の1つに設定する。
【0160】
算出機能154は、「2(「転倒・骨折」の起きやすさ(ベース))+(2+2)(「転倒・骨折」の起きやすさの増減要素の合計)=6」を「「転倒・骨折」の起きやすさ」とし、「2(「転倒・骨折」の深刻度(ベース))+(3+1)(「転倒・骨折」の深刻度増減要素の合計)=6」を「「転倒・骨折」の深刻度」に設定する。
【0161】
そして、算出機能154は、「6(「転倒・骨折」の起きやすさ)×6(「転倒・骨折」の深刻度)=36」を「転倒・骨折」の自リスク値として算出する。なお、「転倒・骨折」から出力される矢印は存在しないため、与リスク値は0となる。したがって、算出機能154は、「36+0=36」を「転倒・骨折」のリスク値として算出する。
【0162】
図11は、趣味嗜好のリスク値の算出の一例を示すイメージ図である。
【0163】
図11の例では、趣味嗜好「運動は苦手」のリスク値の算出について説明する。算出機能154は、治療データテーブル31に登録された、対象患者の実施治療の1つである「運動療法(フレイル:足腰)」の治療法IDに紐付く趣味嗜好「運動は苦手」の影響度「10」をリスク値の算出要素の1つに設定する。
【0164】
また、算出機能154は、治療データテーブル31に登録された、対象患者の実施治療の1つである「運動療法(糖尿病)」の治療法IDに紐付く趣味嗜好「運動は苦手」の影響度「10」をリスク値の算出要素の1つに設定する。
【0165】
そして、算出機能154は、「10(「運動療法(フレイル:足腰)」の「運動は苦手」に与える影響度)+10(「運動療法(糖尿病)」の「運動は苦手」に与える影響度)=20」を「運動は苦手」のリスク値として算出する。
【0166】
図12は、相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフの一例を示す図である。
【0167】
表示制御機能155は、生成機能153が生成した相互関係グラフをディスプレイ140に表示する制御を行う。また、表示制御機能155は、算出機能154が算出した夫々の要素のリスク値を、グラフ上の対応する要素の位置に表示する制御を行う。これにより、表示制御機能155は、図12に示すような相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフをディスプレイ140に表示することが可能になる。
【0168】
また、表示制御機能155は、予め定めたリスク値の閾値(例えば、「30」)を超えた場合に、アラートを表示する制御を行う。図12の例では、表示制御機能155は、「転倒・骨折」のリスク値が閾値を超えているため、アラートとして「!」を表示させている。なお、リスク値の閾値は、疾患等の要素毎に異なる数値を設定してもよい。
【0169】
上記のように閾値を超えた場合に、アラートを表示することで、ユーザは、注目すべき点を直感的に捉えることができるようになると考えられる。
【0170】
図13は、相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフから一部を抽出したグラフの一例を示す図である。
【0171】
図13の例では、ユーザが「転倒・骨折」に注目し、抽出指示を行った場合について説明する。この場合、抽出機能156は、相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフから、「転倒・骨折」を始点として、3つ目の矢印の先にある要素までを抽出する。
【0172】
例えば、「転倒・骨折」を始点に、「抗凝固剤」、「心筋梗塞」、「高血圧」と矢印を辿っていく場合、3つ目の矢印の先の要素は、「高血圧」であるため、抽出機能156は、「抗凝固剤」、「心筋梗塞」、「高血圧」までの要素を矢印及びリスク値と共に抽出する。表示制御機能155は、抽出機能156により相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフから抽出された要素をディスプレイ140に表示する制御を行う。
【0173】
図14は、代替治療方法の提示の一例を示すイメージ図である。
【0174】
図14の例では、ユーザが「転倒・骨折」に注目し、代替治療方法の提示指示を行った場合について説明する。なお、図14乃至図16では、説明をわかりやすくするため、「転倒・骨折」と関連する要素のみをグラフとして描くものとする。
【0175】
この場合、提示機能157は、治療データテーブル31に登録された、「心筋梗塞」、「フレイル:足腰」、及び「不眠」の治療法となる治療法であって、かつ、「転倒・骨折」のリスク値を低下させることが可能なものを、代替治療方法として提示する。
【0176】
表示制御機能155は、提示機能157が提示した代替治療方法のリストLをディスプレイ140に表示する制御を行う。図14の例では、提示機能157が、「不眠」に対する「デジタル薬(代替:睡眠薬)」、「フレイル:足腰」に対する「ロボスーツ(追加)」及び「歩行補助具(追加)」、「心筋梗塞」に対する「抗凝固剤(削除)」を提示し、表示制御機能155がこれらをリストLとしてディスプレイ140に表示している。
【0177】
表示制御機能155により、代替治療方法のリストLとして表示された夫々の治療法は、ユーザのマウス操作により、仮選択又は選択が可能となっている。具体的には、ユーザがリストL中の「デジタル薬(代替)」の上にマウスポインタを乗せると、選択機能158により「デジタル薬(代替)」が仮選択される。
【0178】
このとき、表示制御機能155は、「デジタル薬」が「睡眠薬」に代替するものであることを示すために、グラフ中の「睡眠薬」を点滅させる等の処理を行ってもよい。
【0179】
また、ユーザがリストL中の「デジタル薬(代替)」の上にマウスポインタを乗せて左シングルクリックを行うと、選択機能158により「デジタル薬(代替)」が選択される。なお、ユーザは続けて別の代替治療方法を選択することで、複数の代替治療方法を選択することも可能である。
【0180】
図15は、リスク値の変化のプレビュー表示の一例を示すイメージ図である。
【0181】
図15の例では、ユーザが「デジタル薬(代替)」を仮選択した場合の表示制御機能155の処理について説明する。この場合、表示制御機能155は、「不眠」に対する実施治療を「睡眠薬」から「デジタル薬」に代替した場合の「転倒・骨折」のリスク値の変化を「36→20」という形式でリストL上の「デジタル薬(代替)」と併せて表示する。
【0182】
「36→20」は、「不眠」に対する実施治療の「睡眠薬」を「デジタル薬」に代替した場合、「転倒・骨折」のリスク値が「36」から「20」に低下することを表している。このように、仮選択の段階でリスク値の変化をプレビュー表示することで、ユーザは、実際に代替治療を選択する前に、リスク値の変化を知ることができるため、効率的に実施治療の変更等の検討を行うことができる。
【0183】
図16は、実施治療代替後に表示されるグラフの一例を示すイメージ図である。
【0184】
図16の例では、ユーザが代替治療方法として「デジタル薬(代替)」及び「ロボスーツ(追加)」を選択した場合の処理について説明する。この場合、まず、特定機能152は、治療データテーブルに登録された、「ロボスーツ」及び「デジタル薬」の治療法IDに紐付く潜在疾患(及びその他の潜在リスク)を特定する。
【0185】
図16の例では、特定機能152は、治療データテーブル31に登録された、「ロボスーツ」の治療法IDに紐付く「高額医療」を新たな潜在リスクとして特定する。生成機能153は、特定機能152が特定した新たな潜在リスク「高額医療」を含めた各要素の相互関係グラフを表すグラフを生成する。算出機能154は、「高額医療」を含めたリスク値の算出対象となる各要素についてリスク値を算出する。
【0186】
そして、表示制御機能155は、「不眠」の実施治療の「睡眠薬」を「デジタル薬」に代替したこと、「フレイル:足腰」の実施治療法として「ロボスーツ」を追加したことがわかるように、相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフを表示する。また、表示制御機能155は、リスク値の変化がわかるように、実施治療代替前のリスク値と代替後のリスク値とを併せて表示する。
【0187】
図16の例では、表示制御機能155は、「フレイル:足腰」のリスク値が「16」から「10」に、「運動は苦手」のリスク値が「20」から「15」に、「転倒・骨折」のリスク値が「36」から「20」に変化することを表示させている。なお、表示制御機能155は、実施治療の代替により新たに生じた潜在リスクである「高額医療」については、新たに追加されたことがわかるような表示(例えば、「New」等)を表示する制御を行ってもよい。
【0188】
次に、本実施形態に係る医用情報処理装置100の処理について説明する。図17は、医用情報処理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0189】
まず、取得機能151は、患者データを取得する(ステップS1)。具体的には、取得機能151は、患者データテーブル11に登録された、対象患者の患者IDに紐付く、「氏名」、「疾患ID」、「疾患名」、「治療法」、「深刻度」、「治療優先スコア」、「趣味嗜好」、「周辺環境」及び「過去疾患」を患者データとして取得する。
【0190】
次に、特定機能152は、対象患者の潜在リスクを特定する(ステップS2)。具体的には、特定機能152は、疾患データテーブル21に登録された、対象患者の既存疾患の疾患IDに紐付く潜在リスクを潜在リスクとして特定する。
【0191】
また、特定機能152は、治療データテーブル31に登録された、対象患者の実施治療の治療法IDに紐付く潜在リスクを潜在リスクとして特定する。さらに、特定機能152は、周辺環境データテーブル41に登録された、対象患者の周辺環境の周辺環境IDに紐付く潜在リスクを潜在リスクとして特定する。
【0192】
次に、生成機能153は、相互関係グラフ(疾患、治療法、趣味嗜好、及び周辺環境の各要素同士の関係を矢印で表したグラフ)を生成する(ステップS3)。具体的には、まず、生成機能153は、患者データテーブル11に登録された、既存疾患の「依存関係」に関する情報を取得する。そして、生成機能153は、取得した依存関係に基づいて、既存疾患の依存関係を示すグラフを生成する。
【0193】
また、生成機能153は、疾患データテーブル21、治療データテーブル31、及び周辺環境データテーブル41に登録された、疾患、治療法、及び周辺環境が、疾患又は趣味嗜好に与える影響(良い影響又は悪い影響)を特定し、それらを基に各要素同士の関係を示すグラフを生成する。
【0194】
次に、算出機能154は、各要素についてリスク値を算出する(ステップS4)。具体的には、算出機能154は、疾患データテーブル21、治療データテーブル31、及び周辺環境データテーブル41に登録された、疾患の起きやすさ、疾患の深刻度、趣味嗜好に与える影響を特定し、それらを基に各要素についてリスク値を算出する。
【0195】
次に、表示制御機能155は、取得機能151が取得した治療優先スコア、生成機能153が生成した依存関係、生成機能153が生成した相関関係、及び算出機能154が算出した各要素のリスク値を併せて表示する制御を行う(ステップS5)。なお、抽出機能156が、相関関係及びリスク値のうちから、一部の要素を抽出した場合、表示制御機能155は、抽出機能156が抽出した要素のみを表示する制御を行う。
【0196】
次に、提示機能157は、ユーザからの代替治療方法の表示入力の有無を確認する(ステップS6)。表示入力が無い場合(ステップS6:No)、ステップ6の処理を繰り返す。一方、表示入力があった場合(ステップS6:Yes)、提示機能157は、ユーザが指定した潜在リスクのリスク値を低下させることが可能な代替治療方法を提示する(ステップS7)。
【0197】
次に、表示制御機能155は、提示機能157が提示した代替治療方法をリストとして表示する制御を行う(ステップS8)。
【0198】
次に、選択機能158は、ユーザの指示に従い、提示機能157が提示した代替治療方法のうちの1つを仮選択する(ステップS9)。具体的には、選択機能158は、ユーザが、マウスポインタを乗せた代替治療方法を仮選択する。
【0199】
次に、表示制御機能155は、選択機能158が仮選択した代替治療方法と併せてリスク値の変化を表示する制御を行う(ステップS10)。具体的には、表示制御機能155は、「(代替前リスク値)→(代替後リスク値)」の形式でリスク値の変化を仮選択した代替治療方法と共に表示する制御を行う。
【0200】
次に、表示制御機能155は、ユーザからの代替治療方法の選択入力の有無を確認する(ステップS11)。選択入力が無い場合(ステップS11:No)、ステップS9の処理に移行する。
【0201】
一方、選択入力が有った場合(ステップS11:Yes)、表示制御機能155は、実施治療代替後の相互関係グラフ及びリスク値の変化を表示する制御を行い、本処理を終了する(ステップS12)。
【0202】
以上に述べた実施形態に係る医用情報処理装置100は、取得部としての取得機能151及び表示制御部としての表示制御機能155を備える。
【0203】
取得機能151は、対象患者に関わる1以上の疾患に対する複数の異なる性質の治療法を示す患者データを取得する。表示制御機能155は、患者データが示す複数の異なる性質の治療法の、潜在リスクに対する相互の影響を示す相互関係グラフをディスプレイ140に表示する制御を行う。
【0204】
これにより、ユーザは、複数の疾患及び複数の治療法という異なる性質の要素が夫々潜在するリスクにどのような影響を与えるのかを視覚的に捉えることができるようになる。したがって、例えば、複数の要素がある1つの潜在リスクに悪い影響を与えているような場合、ユーザは、潜在するリスクが複数の要素によって高まっていることを容易に理解することが可能になる。
【0205】
つまり、本実施形態に係る医用情報処理装置100によれば、複合的な要因によって高まるリスクを容易に把握することができる。また、複合的な要因によって高まるリスクを容易に把握することができれば、ユーザは効率的に治療法の中止、代替、追加等の検討を行うことができると考えられる。
【0206】
なお、上述した実施形態は、各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0207】
(変形例1)
上述した実施形態では、生成機能153が対象患者の疾患、治療法、趣味嗜好、及び周辺環境の相互関係グラフを生成する形態について説明した。しかし、生成機能153は、これらの要素に加えて遺伝情報を含む要素の相互関係グラフを生成してもよい。
【0208】
ここで、遺伝情報とは、例えば、「ある遺伝子を持っているため、特定の疾患に罹患しやすい」、「ある遺伝子を持っているため、特定の薬剤の効果が表れ難い」等の遺伝に関係する情報である。
【0209】
本変形例によれば、疾患の「起こりやすさ」や薬剤の「期待効果」等について、より精度の高いシミュレーションを行うことが可能になると考えられる。
【0210】
(変形例2)
上述した実施形態では、抽出機能156が、相互関係グラフ及びリスク値を表すグラフから、ユーザが注目する潜在リスクを始点として、3つ目の矢印までの要素を抽出する形態について説明した。しかし、抽出機能156は、関連度を用いて抽出処理を行ってもよい。
【0211】
ここで、関連度とは、要素同士の関連の度合いを表す指標である。関連度は、要素間同士毎に予め定めてもよいし、リスク値の算出で用いる「起きやすさ」、「深刻度」、及び「影響度」の増減値を基に算出してもよい。
【0212】
図18は、変形例2に係る抽出処理の一例を示すイメージ図である。
【0213】
図18の例では、「転倒・骨折」を始点とし、「抗凝固剤」の方向へ矢印を辿っていく場合について説明する。この場合、まず、抽出機能156は、初期の持ち点を「1」とし、「転倒・骨折」と「抗凝固剤」との関連度「4」の逆数である「1/4」を引く。これにより、持ち点は、「1-1/4=0.75」となる。
【0214】
抽出機能156は、同様に持ち点から関連度の逆数を引いていき、持ち点が0以上になる要素までを抽出する。図18の例では、「家族歴:心筋梗塞」及び「ACE阻害薬」は、持ち点が0未満になるため、抽出機能156により抽出されないことになる。なお、関連度を用いた抽出手法は上記に限定されるものではなく、他の手法を用いてもよい。例えば、持ち点を「1」以外の数値としてもよい。
【0215】
本変形例によれば、抽出機能156が要素間の関連の度合いを考慮して抽出を行うため、矢印の数を基に抽出を行う場合と比較して、関連度の低い要素を抽出してしまう可能性を低減することができる。
【0216】
なお、上述した実施形態では、医用情報処理装置100が備える機能構成を、処理回路150によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における機能構成は、ハードウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0217】
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
【0218】
プロセッサは、記憶回路120に保存されたプログラムを読み出して実行することで、機能を実現する。なお、記憶回路120にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合は、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。
【0219】
また、本実施形態のプロセッサは、単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0220】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disc)-ROM、FD(Flexible Disc)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。
【0221】
また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0222】
以上説明した実施形態によれば、複合的な要因によって高まるリスクを容易に把握することができる。
【0223】
いくつかの実施形態(変形例)を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0224】
1 医用情報処理システム
10 患者データDB
11 患者データテーブル
20 疾患データDB
21 疾患データテーブル
30 治療データDB
31 治療データテーブル
40 周辺環境データDB
41 周辺環境データテーブル
100 医用情報処理装置
151 取得機能
152 特定機能
153 生成機能
154 算出機能
155 表示制御機能
156 抽出機能
157 提示機能
158 選択機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18