(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082941
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】車両内装部材の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
B29C 65/62 20060101AFI20230608BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
B29C65/62
B60R7/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196974
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(74)【代理人】
【識別番号】100147854
【弁理士】
【氏名又は名称】多賀 久直
(72)【発明者】
【氏名】柴田 英臣
【テーマコード(参考)】
3D022
4F211
【Fターム(参考)】
3D022CA07
3D022CC02
3D022CD30
4F211AG03
4F211AH26
4F211TA06
4F211TC03
4F211TD11
4F211TH24
4F211TJ29
4F211TN26
4F211TN80
(57)【要約】
【課題】車両内装部材におけるステッチの見栄えを向上する。
【解決手段】車両内装部材10を製造する際に、ステッチ16が設けられた表皮材14を、表皮材セット部24に置く。そして、光照射部26からの光の照射によって形成した指標27にステッチ16を合わせて、表皮材14を位置決めして、表皮材14を表皮材セット部24にセットする。次に、基材セット部22にセットした基材12と、表皮材セット部24にセットした表皮材14とを接合する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッチが設けられた表皮材を、光の照射によって形成した指標に前記ステッチを合わせて位置決めして表皮材セット部にセットし、
基材セット部にセットした基材と、前記表皮材とを接合する
ことを特徴とする車両内装部材の製造方法。
【請求項2】
前記表皮材の位置決め後に、前記表皮材における前記ステッチから外れた部位を、前記表皮材セット部で保持する請求項1記載の車両内装部材の製造方法。
【請求項3】
前記指標を、複数に分割したライン状に形成する請求項1または2記載の車両内装部材の製造方法。
【請求項4】
表皮材をセットする表皮材セット部と、
前記表皮材に設けられたステッチの位置合わせの指標を形成する光照射部と、
基材をセットする基材セット部と、を備え、
前記表皮材セット部と前記基材セット部とが、相対的に進退移動するように構成されている
ことを特徴とする車両内装部材の製造装置。
【請求項5】
前記表皮材セット部に設けられ、前記表皮材における前記ステッチから外れた部位を保持可能である保持手段を備えている請求項4記載の車両内装部材の製造装置。
【請求項6】
ライン状に光を照射可能である前記光照射部を、複数備えている請求項4または5記載の車両内装部材の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基材と表皮材とを有する車両内装部材の製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の乗員室内には、インストルメントパネルやフロアコンソール等の車両内装部材が配設されている。車両内装部材は、所要形状に形成された基材の表面を表皮材で覆うことで、質感を向上させている。更に質感を向上するため、表皮材にステッチを設けることも行われている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、表皮材におけるステッチ形成位置の膨らみを、基材に設けられた凹みに収めて、表皮材と基材とを位置決めしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表皮材が基材からずれると、車両内装部材においてステッチの見栄えが悪化することから、表皮材をより高い精度で位置決めすることが求められている。
【0005】
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、見栄えがよいステッチを有する車両内装部材の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る車両内装部材の製造方法は、
ステッチが設けられた表皮材を、光の照射によって形成した指標に前記ステッチを合わせて位置決めして表皮材セット部にセットし、
基材セット部にセットした基材と、前記表皮材とを接合することを要旨とする。
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る車両内装部材の製造装置は、
表皮材をセットする表皮材セット部と、
前記表皮材に設けられたステッチの位置合わせの指標を形成する光照射部と、
基材をセットする基材セット部と、を備え、
前記表皮材セット部と前記基材セット部とが、相対的に進退移動するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る車両内装部材の製造方法によれば、見栄えがよいステッチを有する車両内装部材が得られる。
本発明に係る車両内装部材の製造装置によれば、見栄えがよいステッチを有する車両内装部材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る車両内装部材を示す平面図である。
【
図3】実施例の製造装置による製造過程を示す説明図である。
【
図4】実施例の製造装置による製造過程を示す説明図である。
【
図5】実施例の製造装置による製造過程を示す説明図である。
【
図6】実施例の製造装置による製造過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る車両内装部材の製造方法および製造装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【実施例0011】
図1および
図2に示すように、車両内装部材10は、基材12と、基材12に重ねて配置された表皮材14とを備えている。車両内装部材10は、接着剤などで接合された基材12と表皮材14とが厚み方向(表裏方向)に重なる複層構造の板状体である。実施例の車両内装部材10として簡単な形状を例示しているが、縁が曲がっていたり、表裏方向へ湾曲したり、これらを組み合わせたりするなどの三次元形状であってもよい。
【0012】
図1および
図2に示すように、車両内装部材10は、ステッチ16を備えている。実施例のステッチ16は、表皮材14を糸で縫うことで形成される複数の縫い目で構成されている。ステッチ16は、表皮材14における表面および裏面の両面に、縫い目が現れている。ステッチ16は、車両内装部材10の縁に沿って設けられている。実施例のステッチ16は、複数の縫い目が車両内装部材10における長手の縁(特に区別する場合、基準縁という場合がある。)に沿って並ぶシングルステッチである。また、ステッチ16は、基準縁の近くに配置されている。実施例の車両内装部材10は、前記基準縁に隣り合わせて設置される別の車両内装部材に対してステッチ16で縫い合わせていることを模した意匠になる。なお、ステッチ16は、表皮材14の成形によって形成した凹凸により縫い目を模したものであってもよい。この場合であっても、表皮材14の裏面にステッチ16に対応した凹凸等の形状を設けるとよい。
【0013】
図2に示すように、基材12は、車両内装部材10において車体側(裏側)に配置される。基材12は、車両内装部材10の土台となる部分である。基材12は、硬質な樹脂成形品で形成されている。例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(PC/ABS)などの熱可塑性樹脂等によって、基材12を形成できる。
【0014】
図2に示すように、表皮材14は、車両内装部材10において車室側(表側)に配置される。表皮材14は、車両内装部材10の意匠面となる部分である。表皮材14は、端部を基材12の裏側に折り返している。表皮材14は、基材12と比べて軟質な樹脂成形品を使用できる。表皮材14としては、1層構造であってもよいが、車両内装部材10の表面側を構成する表皮層と、表皮層の裏側に設けられたクッション層を有する複層構造であってもよい。例えば、表皮層を、可撓性を有するソリッドの合成樹脂で構成し、クッション層を、弾力性を有する発泡体で構成できる。表皮層は、例えば、熱可塑性エラストマーから形成できる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系エラストマー(TPO)や塩化ビニール系エラストマーやスチレン系エラストマーなどを使用できるが、この中でも、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂にエチレン‐プロピレンゴム(EPDM,EPM)等のゴムを分散して得られるオレフィン系エラストマーが好ましい。クッション層としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系材料、ポリウレタンあるいはスチレンなどを発泡させたものを使用できるが、その中でもポリエチレン発泡体(PEF)が好ましい。
【0015】
実施例の基材12は、ステッチ16に対応する位置が平たく形成されており、ステッチ16を位置決めするための凹部等の形状が設けられていない。基材12と表皮材14とを位置合わせするため、凹凸形状などの位置合わせ形状を基材12や表皮材14に設けてもよいが、実施例のように位置合わせ形状が設けられていなくてもよい。
【0016】
図3~
図6に示すように、実施例に係る車両内装部材10の製造装置20は、基材12をセットする基材セット部22と、表皮材14をセットする表皮材セット部24とを備えている。また、製造装置20は、表皮材14に設けられたステッチ16の位置合わせの指標27を形成する光照射部26を備えている。基材セット部22と表皮材セット部24とが、相対的に進退移動可能に構成されている。実施例では、基材セット部22が表皮材セット部24の上側に配置されて、基材セット部22が表皮材セット部24に対して進退移動する。
【0017】
図4~
図6に示すように、基材セット部22は、基材12の表面を下側(表皮材セット部24側)へ向けて基材12を保持し、この保持状態を保ったまま進退移動可能である。基材セット部22は、車両内装部材10を車体に取り付けるために基材12の裏面に設けられた取付部(図示せず)を嵌め合わせたり、空気の吸引による負圧で吸着したりするなどによって、基材12を保持している。製造装置20は、基材セット部22に付設して、後述する表皮材折返部34を作動させる折返作動部28を備えている。折返作動部28は、空気圧等によって作動するシリンダ28aと、シリンダ28aによって進退移動する作動片28bとを備えている。折返作動部28は、全体として基材セット部22と一緒に進退移動する。実施例の作動片28bは、基材セット部22の進退移動方向と同じ上下方向に進退移動する。
【0018】
図3に示すように、表皮材セット部24は、基材12の表面に合わせた形状で形成されたセットテーブル24aを備えている。セットテーブル24aは、基材セット部22の進退移動方向と同じ上下方向へ進退移動可能である。セットテーブル24aは、表皮材セット位置から基材セット部22に押されて下降する。また、セットテーブル24aは、基材セット部22が上方へ退避すると、図示しないバネ等の付勢手段によって表皮材セット位置に戻る。
【0019】
図3に示すように、製造装置20は、光照射部26を複数備えている。光照射部26は、表皮材セット部24のセットテーブル24aの周囲に設置されている。光照射部26は、セットテーブル24aの所定位置へ向けて光を照射して、ステッチ16の配置位置を示す指標27を形成する。光照射部26は、ライン状(実施例)または点状に光を照射する。複数の光照射部26が、それぞれ異なる位置に光を照射し、指標27を、複数に分割したライン状に形成している。実施例の光照射部26は、ライン状のレーザー光を照射する光源を有している。光照射部26は、光源の前側にスリットを備え、光源とスリットとの距離を近くすることで投影した光のライン長さを短くしたり、光源とスリットとの距離を遠くすることで投影した光のライン長さを長くしたり、調節できるようになっている。なお、レーザー光としては、赤色や緑色などを用いることができるが、指標27の見易さの観点によれば赤色が好ましい。
【0020】
表皮材セット部24は、セットテーブル24aの上側に重ねて配置した表皮材14の所定部位を保持する保持手段30を備えている。保持手段30は、セットテーブル24aに配置した表皮材14におけるステッチ16から外れた部位を保持する。保持手段30は、表皮材14におけるステッチ16に対応する部位を保持しない。実施例の保持手段30は、吸引ポンプ30aによって、セットテーブル24aに設けられた複数の吸引孔30bからの空気吸引により生じる負圧によって、表皮材14を保持している。実施例の保持手段30は、空気を吸引する吸引孔30bを選択できる。例えば、セットテーブル24aにおいて、基準縁側の吸引孔30bの列で空気の吸引を行わず、基準縁と離れた側の吸引孔30bの列で空気の吸引を行うことで、表皮材14におけるステッチ16から外れた部位を保持している。
【0021】
図3~
図6に示すように、製造装置20は、表皮材セット部24に付設して、セットテーブル24aに配置した表皮材14を位置決めする位置決め部32を備えている。位置決め部32は、セットテーブル24aの周囲に配置されている。実施例では、セットテーブル24aにおいて基準縁が配置される側に沿って、複数の位置決め部32が設けられている。また、セットテーブル24aにおいて、基準縁と交差する縁が配置される側にも、位置決め部32が設けられている。
【0022】
図4~
図6に示すように、製造装置20は、表皮材セット部24に付設して、表皮材14の端部を基材12の裏側に向けて折り返す表皮材折返部34を備えている。表皮材折返部34は、セットテーブル24aから外れた退避位置と、セットテーブル24aの上側に重なる作動位置との間で進退移動可能である。表皮材折返部34は、作動受片34aが折返作動部28の作動片28bに押されて、退避位置から作動位置に移動する。また、表皮材折返部34は、折返作動部28の作動片28bが作動受片34aから退避すると、図示しないバネ等の付勢手段によって作動位置から退避位置に戻る。
【0023】
次に、前述した製造装置20を用いた実施例に係る車両内装部材10の製造方法について説明する。射出成形等の成形方法により、所定形状に成形された基材12を用意する。トムソン型等の切断加工により所定形状に形成した表皮材14を用意する。また、表皮材14は、所定箇所をミシンで縫うことでステッチ16を形成する。表皮材14は、基材12よりも大きく形成されている。
【0024】
表皮材14を、表皮材セット位置にあるセットテーブル24aに載せる(
図3(a)および
図4(a)参照)。表皮材14は、裏面を上側に向ける。このとき、セットテーブル24aの周囲にある位置決め部32に、セットテーブル24aからはみ出した表皮材14の端を突き当てることで、大まかな位置合わせを行う(
図3(b)および
図4(b)参照)。次に、光照射部26から照射した光で形成されている指標27に対して、ステッチ16を重ねるように、表皮材14をセットテーブル24a上で移動させて位置合わせを行う。このとき、保持手段30は作動していない。指標27にステッチ16を重ねて表皮材14を位置決めできたら、保持手段30を作動して、表皮材14におけるステッチ16から外れた部位を、表皮材セット部24で保持する。これにより、表皮材14は、基材12の表面側に重なる本体部分における基準縁側とは反対側がセットテーブル24aに保持されて移動規制される。表皮材14において、本体部分の基準縁側およびセットテーブル24aからはみ出た端部が、フリーな状態のままである。
【0025】
基材12の表面および基材12の裏面における折り返した表皮材14が重なる部位に、接着剤を塗布する。そして、表面を下に向けて基材12を基材セット部22にセットする。基材セット部22は、基材12の裏面を保持する。このとき、基材12の表面が露出し、基材12の裏面における折り返した表皮材14が重なる部位が露出した状態になっている。なお、製造装置20に対するセットは、基材12および表皮材14のどちらが先であってもよい。
【0026】
基材12をセットした基材セット部22を下降して、表皮材セット部24にセットされた表皮材14の裏面に基材12の表面を押し当てる(
図5(a)参照)。基材セット部22を更に下降すると、セットテーブル24aが下降する(
図5(b)参照)。セットテーブル24aが下降することで、基材12からはみ出している表皮材14の端部が立ち上がる(
図5(b)参照)。
【0027】
基材セット部22と共に下降している折返作動部28のシリンダ28aを作動して、作動片28bを下降させる(
図6(a)参照)。作動片28bが作動受片34aに当たって、作動片28bおよび作動受片34aの先端の斜面による案内によって、表皮材折返部34が退避位置から作動位置に向けて移動する。これにより、表皮材14の端部が基材12の裏面に折り返される(
図6(a)参照)。
【0028】
折返作動部28のシリンダ28aを作動して、作動片28bを上昇させる。作動片28bが作動受片34aから離れていくことで、表皮材折返部34が作動位置から退避位置に戻る。保持手段30による表皮材14の保持を解除する。基材セット部22を上昇することで、車両内装部材10が基材セット部22と共に上昇する(
図6(b)参照)。そして、基材セット部22から車両内装部材10を取り外す。これにより、基材12と表皮材14とが接合された車両内装部材10が得られる。
【0029】
表皮材14を、光の照射によって形成した指標27にステッチ16を合わせて位置決めしてから表皮材セット部24にセットし、基材セット部22にセットした基材12と表皮材14とを接合している。このようにすることで、車両内装部材10において、ステッチ16を所定位置に精度よく配置できる。実施例のように、ステッチ16が車両内装部材10の基準縁に沿って延びる場合、ステッチ16を基準縁に合わせて精度よく配置できるので、車両内装部材10の見栄えを向上できる。また、基材12と表皮材14とを重ねる前に、表皮材14を位置決めできるので、表皮材14の位置の微調整が行い易い。しかも、基材12や表皮材14に接着剤を塗布しておいても、表皮材14の位置決めに影響を与えない。仮に、基材12に重ねた状態で表皮材14を位置合わせすると、接着剤を予め塗布していると表皮材14をずらして調整し難くなる。
【0030】
表皮材14の全体を表皮材セット部24で保持すると、基材12の形状によっては、基材12と表皮材14とを重ねて合わせる際に、表皮材14を基材12の形状に沿わせることが行い難くなり、しわができたり、ステッチ16の位置がずれたりするおそれがある。また、指標27に対してステッチ16を位置合わせした後に、表皮材14のステッチ16を表皮材セット部24で保持すると、ステッチ16が指標27からずれてしまうので作業者の視認に混乱を来す。特に、基材12が湾曲した形状であると、基材12の形状に合わせて表皮材14を沿わせる際に、しわができたり、ステッチ16が位置ずれしたりするなどの前記問題が生じ易くなる。前述したように、表皮材14の位置決め後に、表皮材14におけるステッチ16から外れた部位を、表皮材セット部24で保持している。このようにすることで、基材12と表皮材14とを重ねて合わせる際に、表皮材14を基材12に沿わせ易くなる。これにより、車両内装部材10において、ステッチ16を所定位置に精度よく配置でき、車両内装部材10の見栄えを向上できる。この場合、表皮材セット部24において表皮材14を位置決めする際に、貼り合わせ時の表皮材14の変形を見込んで指標27を形成しておけばよい。
【0031】
前述したように、指標27を、複数に分割したライン状に形成している。このようにすることで、ステッチ16が曲がっていても、分割して形成された複数の指標27に基づいて、表皮材14を位置決めすることができる。
【0032】
(変更例)
前述した事項に限らず、例えば以下のようにしてもよい。なお、本発明は、実施例および以下の変更例の具体的な記載のみに限定されるものではない。
(1)基材と表皮材とを接合する手段としては、ホットメルト等の接着剤に限らず、超音波溶着やその他の手段であってもよい。
(2)車両内装部材としては、例えば、インストルメントパネル、フロアコンソール、ドアトリム、ピラーガーニッシュ等、車両の車室に設置されるものが挙げられる。
(3)表皮材におけるステッチから外れた部位を、表皮材セット部で保持することに限らず、基材の形状などによっては、表皮材の全体を表皮材セット部で保持するなど、表皮材セット部による表皮材の保持範囲を変更してもよい。