(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083009
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】配線基板、及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/11 20060101AFI20230608BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20230608BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
H05K1/11 H
H05K3/46 B
H05K3/46 N
H05K3/40 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197083
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 勉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康平
【テーマコード(参考)】
5E316
5E317
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA35
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC05
5E316CC08
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5E317CC32
5E317CC33
5E317CD25
5E317CD32
5E317GG09
(57)【要約】
【課題】配線基板の接続信頼性の向上。
【解決手段】実施形態の配線基板は、互いに対向する第1導体パターン111及び第2導体パターン121と、第1導体パターン111と第2導体パターン121との間に介在する絶縁層22と、絶縁層22を貫通して第1導体パターン111と第2導体パターン121とを接続しているビア導体42と、を含んでいる。第1導体パターン111は、第2導体パターン121側の表面11aに凹部11bを有し、ビア導体42の側面42aの一部が凹部11bと接している。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1導体パターン及び第2導体パターンと、
前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に介在する絶縁層と、
前記絶縁層を貫通して前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとを接続しているビア導体と、
を含む配線基板であって、
前記第1導体パターンは、前記第2導体パターン側の表面に凹部を有し、
前記ビア導体の側面の一部が前記凹部と接している。
【請求項2】
請求項1記載の配線基板であって、
前記ビア導体は前記第1導体パターン側の端部において前記凹部に挿入されており、
前記凹部の幅と前記凹部内の前記ビア導体の幅とが略同じである。
【請求項3】
請求項1記載の配線基板であって、前記ビア導体の前記側面は、前記第1導体パターン側の端部において全周に渡って前記凹部と接している。
【請求項4】
請求項3記載の配線基板であって、前記凹部の内壁面の略全面が前記ビア導体の前記側面と接している。
【請求項5】
請求項1記載の配線基板であって、
前記絶縁層は、前記ビア導体で充填されている貫通孔を有し、
前記第1導体パターンの前記表面において前記凹部の周縁と前記貫通孔の周縁とが重なっている。
【請求項6】
請求項1記載の配線基板であって、前記凹部全体が前記ビア導体で充填されている。
【請求項7】
請求項1記載の配線基板であって、前記第2導体パターン側の端面における前記ビア導体の幅は、15μm以上、30μm以下である。
【請求項8】
第1導体パターンを形成することと、
前記第1導体パターンを覆う絶縁層を形成することと、
前記絶縁層を貫く貫通孔をレーザー光の照射によって形成することと、
前記絶縁層上に第2導体パターンを形成することと、
前記貫通孔内に前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとを接続するビア導体を形成することと、
を含む配線基板の製造方法であって、
前記貫通孔を形成することは、前記レーザー光の照射によって前記第1導体パターンの表面に前記貫通孔と連続的に繋がる凹部を形成することを含んでいる。
【請求項9】
請求項8記載の配線基板の製造方法であって、前記ビア導体を形成することは、前記凹部の内壁面に金属膜を形成することを含んでいる。
【請求項10】
請求項8記載の配線基板の製造方法であって、前記ビア導体を形成することは、前記ビア導体で前記凹部の略全体を充填することを含んでいる。
【請求項11】
請求項8記載の配線基板の製造方法であって、前記貫通孔及び前記凹部は、前記レーザー光の一連の照射によって略同時又は連続的に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スタックビア構造を有する多層配線基板が開示されている。上下に隣接する一連のビアパッドにおいて上側のビアパッドの最下部は、下側のビアパッドの上面中央に形成されている凹部の底面に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の多層配線基板における上下のビアパッド同士の接続構造では、両ビアパッドの接続面積は、上側のビアパッドの底面の面積に制限される。そのため、ビアパッド同士の接続強度が不足し、十分な接続信頼性が得られないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配線基板は、互いに対向する第1導体パターン及び第2導体パターンと、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に介在する絶縁層と、前記絶縁層を貫通して前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとを接続しているビア導体と、を含んでいる。そして、前記第1導体パターンは、前記第2導体パターン側の表面に凹部を有し、前記ビア導体の側面の一部が前記凹部と接している。
【0006】
本発明の配線基板の製造方法は、第1導体パターンを形成することと、前記第1導体パターンを覆う絶縁層を形成することと、前記絶縁層を貫く貫通孔をレーザー光の照射によって形成することと、前記絶縁層上に第2導体パターンを形成することと、前記貫通孔内に前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとを接続するビア導体を形成することと、を含んでいる。そして、前記貫通孔を形成することは、前記レーザー光の照射によって前記第1導体パターンの表面に前記貫通孔と連続的に繋がる凹部を形成することを含んでいる。
【0007】
本発明の実施形態によれば、ビア導体と導体パターンとの接続の信頼性を向上させ得ることがある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態の配線基板の一例を示す断面図。
【
図2B】
図1の配線基板における導体パターンの一例を示す平面図。
【
図3】本発明の一実施形態の配線基板の他の例を示す断面図。
【
図4A】本発明の一実施形態の製造方法で製造中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図4B】本発明の一実施形態の製造方法で製造中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図4C】本発明の一実施形態の製造方法で製造中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図4D】本発明の一実施形態の製造方法で製造中の配線基板の一例を示す拡大図。
【
図4E】本発明の一実施形態の製造方法で用いられるレーザー光の強度分布の一例を示す模式図。
【
図4F】本発明の一実施形態の製造方法で製造中の配線基板の一例を示す拡大図。
【
図4G】本発明の一実施形態の製造方法で製造中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図4H】本発明の一実施形態の製造方法で製造中の配線基板の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の配線基板が図面を参照しながら説明される。
図1は一実施形態の配線基板の一例である配線基板100を示す断面図であり、
図2Aは、
図1のIIA部の拡大図である。
図2Bには、
図2Aに示される導体パターン111の平面図が、ビア導体42と共に示されている。なお、配線基板100は本実施形態の配線基板の一例に過ぎない。実施形態の配線基板の積層構造、並びに、導体層及び絶縁層それぞれの数は、
図1の配線基板100の積層構造、並びに配線基板100に含まれる導体層及び絶縁層それぞれの数に限定されない。
【0010】
図1に示されるように、配線基板100は、コア基板3、及び、コア基板3の両面それぞれに積層されている導体層及び絶縁層を含んでいる。具体的には、配線基板100は、導体層11~16、絶縁層30、及び絶縁層21~24を含んでいる。コア基板3の第1面3a上に、順に、絶縁層21、導体層11、絶縁層22、及び、導体層12が積層されている。一方、コア基板3の第2面3b上に、順に、絶縁層23、導体層13、絶縁層24、及び導体層14が積層されている。コア基板3は絶縁層30並びに導体層15及び導体層16を含んでいる。導体層15及び導体層16は、絶縁層30の第1面3a側の表面及び第2面3b側の表面にそれぞれ形成されている。絶縁層30には、導体層15と導体層16とを接続するスルーホール導体33が形成されている。実施形態の配線基板は、ひと組以上の互いに対向する2つの導体層と、対向する2つの導体層の間に介在する1以上の絶縁層を含み得る。
【0011】
なお、実施形態の説明では、配線基板100の厚さ方向において絶縁層30から遠い側は、「外側」、「上側」若しくは「上方」、又は単に「上」とも称され、絶縁層30に近い側は、「内側」、「下側」若しくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、各導体層及び各導体層に含まれる導体パターン、並びに各絶縁層において、絶縁層30と反対側を向く表面は「上面」とも称され、絶縁層30側を向く表面は「下面」とも称される。配線基板100の厚さ方向は、「Z方向」とも称される。
【0012】
導体層12及び絶縁層22の上にはソルダーレジスト5が形成されている。導体層14及び絶縁層24の上にもソルダーレジスト5が形成されている。各ソルダーレジスト5には、導体層12の一部又は導体層14の一部を露出させる開口が設けられている。
【0013】
配線基板100は、さらにビア導体41~44を含んでいる。ビア導体41、42、43、44は、それぞれ、絶縁層21、22、23、24を貫通している。絶縁層21~24は、各絶縁層を貫く、貫通孔6又は貫通孔61を有しており、各ビア導体は各絶縁層を貫く貫通孔6又は貫通孔61内に形成されている。絶縁層21を貫く貫通孔61はビア導体41で充填されており、絶縁層22を貫く貫通孔6はビア導体42で充填されている。絶縁層23又は絶縁層24を貫く貫通孔61は、ビア導体43又はビア導体44で充填されている。
【0014】
ビア導体41~44は、それぞれ、互いに対向する2つの導体層の一方から突出して他方と接している。ビア導体41は、導体層11と一体的に形成されていて導体層11と導体層15とを接続している。ビア導体42は、導体層12と一体的に形成されていて導体層12と導体層11とを接続している。ビア導体43は、導体層13と一体的に形成されていて導体層13と導体層16とを接続している。ビア導体44は、導体層14と一体的に形成されていて導体層14と導体層13とを接続している。
【0015】
絶縁層30及び絶縁層21~24は任意の絶縁性樹脂によって形成される。絶縁性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などが例示される。
図1の例では、絶縁層30は、ガラス繊維やアラミド繊維などで形成される芯材(補強材)34を含んでいる。各絶縁層は、さらに、例えば二酸化ケイ素やアルミナなどの粒体からなるフィラー(図示せず)を含み得る。
【0016】
導体層11~16、スルーホール導体33、及びビア導体41~44は、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成され得る。導体層11~14、及びビア導体41~44は、
図1の例では、それぞれ、第1金属膜4aと、第1金属膜4a上に形成されている第2金属膜4bとを含む2層構造を有している。ビア導体42を構成している第1金属膜4aは貫通孔6の内壁に直接形成されており、ビア導体41、43、44それぞれを構成している第1金属膜4aは貫通孔61の内壁に直接形成されている。
【0017】
第1金属膜4aは、例えば、無電解めっきやスパッタリングなどによって形成されている。第2金属膜4bは、例えば、第1金属膜4aを給電層として用いる電解めっきによって形成される電解めっき膜である。スルーホール導体33も、無電解めっき膜及び電解めっき膜などを含む2層構造を有している。一方、導体層15及び導体層16は、金属箔をさらに含む3層構造を有している。
【0018】
導体層11~16は、それぞれ、任意の導体パターンを含んでいる。例えば、導体層11は、導体パターン111(第1導体パターン)及び導体パターン112を含み、導体層12は導体パターン121(第2導体パターン)及び導体パターン122を含んでいる。導体層13及び導体層14は、それぞれ導体パターン131及び導体パターン141を含んでいる。
【0019】
導体パターン111と導体パターン121は互いに少なくとも部分的に対向しており、導体パターン112と導体パターン122は互いに少なくとも部分的に対向している。導体パターン131と導体パターン141は互いに少なくとも部分的に対向している。絶縁層22は、導体パターン111と導体パターン121との間に介在すると共に、導体パターン112と導体パターン122との間に介在している。導体パターン131と導体パターン141との間には絶縁層24が介在している。
【0020】
導体パターン121及び導体パターン122は、それぞれ、ビア導体42の所謂ビアランド(ビアパッド)を含み、導体パターン111及び導体パターン112は、それぞれ、ビア導体42の所謂受けパッドを含んでいる。同様に、導体パターン141はビア導体44の所謂ビアランドを含み、導体パターン131はビア導体44の所謂受けパッドを含んでいる。
【0021】
すなわち、ビア導体42は、導体パターン121又は導体パターン122と一体的に形成されていて導体パターン121又は導体パターン122から突出しており、導体パターン111又は導体パターン112と接している。導体パターン121から突出するビア導体42は、導体パターン111と導体パターン121とを接続している。導体パターン122から突出するビア導体42は、導体パターン112と導体パターン122とを接続している。同様に、ビア導体44は導体パターン131と導体パターン141とを接続している。
【0022】
図1の例において、ビア導体41~44は、いずれも、受けパッド側に向かって先細りする形状を有している。例えば導体パターン111と導体パターン121とを接続するビア導体42は、導体パターン111に向かって先細りする形状を有している。しかし、ビア導体42のテーパー角TA1(
図2A参照)は、ビア導体41、43、44それぞれのテーパー各TA2(
図2A参照)よりも小さい。そのため、ビア導体41、43、44よりも、ビア導体42の方が微細な配線パターンの形成に有利なことがある。なお、各ビア導体の「テーパー角」は、Z方向に対する各ビア導体の側面の角度である。
【0023】
導体パターン111と導体層15とを接続するビア導体41と、導体パターン111と導体パターン121とを接続するビア導体42とは、Z方向において積層されており、平面視で重なっている。すなわち、これらビア導体41及びビア導体42はスタックビア導体を構成している。なお「平面視」は、配線基板100をZ方向に沿う視線で見ることを意味している。
【0024】
図1の配線基板100では、絶縁層22を貫通する複数のビア導体42における導体層11側の先端は、いずれも、各ビア導体42の受けパッド(導体パターン111や導体パターン112など)の内部に入り込んでいる。この点についての詳細が、導体パターン111に入り込んでいるビア導体42を例に、
図2A及び
図2Bを参照して以下に説明される。
【0025】
図2Aに示されるように、導体パターン111は、導体パターン121側の表面11aに凹部11bを有している。表面11aは、導体層12を向く導体パターン111の表面であって絶縁層22と接している。凹部11bは、表面11aから導体パターン121と反対方向に向かって、すなわち、絶縁層21及び導体層15側に向かって凹んでいる。
図2Aの例において凹部11bは、表面11aに沿う方向に広がる底面11b1と、底面11b1と交差する面であって凹部11b内の空間を囲む内壁面(内側面)11b2とを有している。
図2Aの例の凹部11bは、絶縁層21側に向かって先細りするテーパー形状を有している。そのため、内壁面11b2は、底面11b1側が凹部11bの中心側に近づくように、Z方向に対して傾いており、底面11b1の法線に対しても傾いている。
【0026】
そして、本実施形態では、ビア導体42の側面42aの一部が凹部11bと接している。すなわち、
図2Aの例において、ビア導体42は、導体パターン111側の端部において凹部11bに挿入されており、側面42aが、導体パターン111側の端部において凹部11bの内壁面11b2と接している。一方、ビア導体42における導体パターン111側の端面42bは凹部11bの底面11b1に接している。
【0027】
本実施形態では、このようにビア導体42の端面42bだけでなく、ビア導体42の側面42aも、導体パターン111側の端部において凹部11bに接している。そのため、例えば端面42bだけが導体パターン111と接している場合と比べて、導体パターン111とビア導体42との接触面積が大きい。従って、導体パターン111とビア導体42との密着強度が、例えば端面42bだけが導体パターン111と接している場合と比べて高いと考えられる。すなわち、ビア導体42と導体パターン111との接続信頼性が、従来よりも高いと考えられる。
【0028】
ビア導体42と導体パターン111のような、ビア導体と、そのビア導体と接続される導体パターン(所謂受けパッド)との間には、例えば、ビア導体が貫く絶縁層の温度変化による伸縮などによって、両者を剥離させる方向の応力が生じ得る。そのため、両者の界面での剥離やクラックなどが生じることがある。特に、配線基板には、電子機器の小型化に伴って配線の高密度化が求められる。そしてその実現のためにビア導体の小径化が求められることがある。しかし、ビア導体がその端面だけで受けパッドと接する構造では、ビア導体の小径化は、ビア導体と受けパッドとの接触面積の減少に直結し、その接触面積の減少量に対応する密着力の低下を招き得る。そのため、ビア導体とその受けパッドとの界面剥離などがさらに生じ易くなることがある。
【0029】
これに対して、本実施形態では、ビア導体42の端面42bだけでなく側面42aも、凹部11bにおいて導体パターン111と接している。そのため、端面42bだけが導体パターン111と接しているときよりも、ビア導体42と導体パターン111との間に広い接触面積が得られている。従って、両者の密着力が高まっていると考えられる。
【0030】
加えて仮にビア導体42が小径化されても、例えば、凹部11bの深さを深くしてビア導体42をより深く凹部11bに挿入することによって、側面42aと凹部11bとの接触面積を大きくすることができる。すなわち、端面42bでの接触面積の減少が、側面42aによる接触面積の拡大によって補われ得ることがある。ビア導体42と導体パターン111との密着力の低下が抑制されることがある。又は、ビア導体42と導体パターン111との密着力が維持若しくは向上することがある。従って、密着力の低下に伴う、例えば界面剥離のような接続に関する不具合の発生が抑制されることがある。
【0031】
このように本実施形態に依れば、ビア導体42と導体パターン111との接続信頼性を向上させ得ることがある。
図1の例では、絶縁層22を貫通するビア導体42の全てにおいて、各ビア導体42が接続されている導体パターン111、112のような受けパッドとの接続信頼性が、向上することがある。
【0032】
ビア導体42は、絶縁層22を貫く貫通孔6内の部分と、導体パターン111の凹部11b内の部分とを有している。しかし、ビア導体42を構成する第1金属膜4a及び第2金属膜4bそれぞれにおいて、貫通孔6内の部分と凹部11b内の部分とは一体的に形成されている。例えば、ビア導体42の側面42aは、貫通孔6内の部分から凹部11b内の部分まで連続的に延びている。
図2Aに示される断面において、側面42aは、導体パターン111の表面11aとの接点付近で屈曲せずに直線的に延びている。すなわち、
図2Bに示されるように、導体パターン111の表面11aにおいて、凹部11bの周縁と貫通孔6の周縁とが重なっている。好ましくは、ビア導体42の側面42aは、導体パターン111の表面11a付近に段差を有していない。例えば導体パターン111と絶縁層22との間にずれ応力が生じても、導体パターン111と絶縁層22との界面をビア導体42内に延長したようなクラックがビア導体42に生じ難いと考えられる。
【0033】
図2Aに示されるように、ビア導体42を構成する第1金属膜4aの厚さは、凹部11bの深さよりも小さい。そのため、凹部11bの底面11b1を覆う第1金属膜4aの表面4aa(底面11b1と反対側の表面)は、導体パターン111の表面11aよりも、絶縁層21側に位置している。そして、第2金属膜4b及び第1金属膜4aが、Z方向において表面11aを横切っている。導体パターン111の表面11aと第1金属膜4aの表面4aaとが面一である場合と比べて、第1金属膜4aと第2金属膜4bとの界面剥離が生じ難いと考えられる。
【0034】
凹部11bの深さD、すなわち、ビア導体42における凹部11bへの挿入長さは、例えば、2μm以上、8μm以下である。前述したようなビア導体42と導体パターン111との密着強度の向上作用が得られ、且つ、凹部11bの形成が容易であると考えられる。また、凹部11bの深さDは、例えば、導体パターン111の厚さの10%以上、50%以下である。しかし、凹部11bの深さは、上記範囲に限定されず、例えば8μmよりも大きくてもよい。
【0035】
前述したように、ビア導体42のテーパー角TA1は、ビア導体41のテーパー角TA2よりも小さい。テーパー角TA1は、例えば80°以上、88°以下である。比較的小さいテーパー角TA1を有するビア導体42は、導体パターン121側において、導体パターン111側の端面42bに対して比較的小さい拡大率を有する端面を有し得る。例えば、導体パターン121側の端面におけるビア導体42の幅Wは、15μm以上、30μm以下である。その場合、絶縁層22の厚さ(導体パターン111と導体パターン121との間の距離)は15~30μmであってもよい。
【0036】
なお、ビア導体42の「幅」、及び後述される凹部11bの「幅」は、平面視における、ビア導体42及び凹部11bそれぞれの外周上の任意の2点間の最長距離である。ここで、ビア導体42及び凹部11bの平面形状は、例えば円形であってもよく、方形であってもよい。ビア導体42及び凹部11bの平面形状が円形である場合、ビア導体42及び凹部11bそれぞれの幅は、ビア導体42及び凹部11bそれぞれの円形の平面形状の直径である。
【0037】
配線基板100では、
図2A及び
図2Bに示されるように、凹部11bの幅と、凹部11b内のビア導体42の幅とが略同じである。前述したように、凹部11bは、絶縁層21側に向かって先細りする形状を有している。ビア導体42は、貫通孔6内において導体パターン111に向かって先細りする形状を有しており、凹部11b内においても、貫通孔6内でのテーパー角TA1と略同じテーパー角で絶縁層21に向かって先細りする形状を有している。
図2Aの例では、凹部11bと凹部11b内のビア導体42とは、互いに略同じテーパー角TA1を有している。そのため、
図2Aの例では、凹部11bの幅と凹部11b内のビア導体42の幅とが、Z方向全体に渡って略同じである。
【0038】
さらに、
図2A及び
図2Bに示されるように、配線基板100では、ビア導体42の側面42aは、導体パターン111側の端部において全周に渡って凹部11bと接している。具体的には、側面42aは凹部11b内で全周に渡って凹部11bと接している。そして、上記の通り、凹部11bの幅と凹部11b内のビア導体42の幅とがZ方向全体に渡って略同じなので、凹部11bの内壁面11b2の略全面がビア導体42の側面42aと接している。従って、ビア導体42と導体パターン111との密着強度が、内壁面11b2と側面42aとが部分的に接している場合よりもなお高まっていると考えられる。
【0039】
また、凹部11bはビア導体42で充填されている。
図2Aの例では、凹部11bの底面11b1の全面が、ビア導体42の端面42bと接している。すなわち、凹部11b全体がビア導体42で充填されている。凹部11b内にボイドなどが存在する場合と比べて、熱膨張や熱収縮などによる不具合が生じ難いと考えられる。
【0040】
図3には、実施形態の配線基板の他の例である配線基板101の断面図が示されている。配線基板101は、
図1の例の配線基板100と同様の構造を有している。しかし配線基板101は、導体パターン111の内部に先端が入り込んでいるビア導体42に加えて、導体パターン112の内部に先端が略入り込んでいないビア導体421を絶縁層22に含んでいる。このように、実施形態の配線基板は、導体パターン111や導体パターン112のような所謂受けパッドに先端を入り込ませているビア導体(例えばビア導体42)と、入り込ませていないビア導体(例えばビア導体421)とを、1つの絶縁層に含んでいてもよい。例えば、微細なピッチで並ぶ配線パターンと、大きな幅を有する電源パターンやGNDパターンなどとを、その1つの絶縁層に隣接する導体層に混在させ得ることがある。
【0041】
図3の配線基板101では、絶縁層22に加えて絶縁層24にも、所謂受けパッドの内部に先端が入り込んでいるビア導体(ビア導体421)を含んでいる。ビア導体421は、導体層13に含まれる導体パターン132と、導体層14に含まれる導体パターン142とを接続している。導体パターン132は、ビア導体421の所謂受けパッドを含み、導体パターン142は、ビア導体421の所謂ビアランドを含んでいる。導体パターン132は、導体パターン142側の表面13aに凹部13bを有している。そして、ビア導体421における導体パターン132側の端部は凹部13bに挿入されていて、その側面が凹部13bと接している。凹部13b全体がビア導体421で充填されており、凹部13bの内壁面の略全面がビア導体421の側面と接している。
【0042】
図3の配線基板101のように、実施形態の配線基板は、コア基板の両面それぞれに積層されている絶縁層の両方に、所謂受けパッドに先端を入り込ませているビア導体を備えていてもよい。実施形態の配線基板において、
図1及び
図2に示されるビア導体42のように先端を受けパッドに入り込ませているビア導体は、任意の絶縁層に設けられ得る。
【0043】
つぎに、一実施形態の配線基板の製造方法が、
図1の配線基板100を例に用いて
図4A~
図4Hを参照して説明される。
【0044】
図4Aに示されるように、コア基板3が用意され、さらにコア基板3の第1面3a上に絶縁層21が形成されると共に、第2面3b上に絶縁層23が形成される。コア基板3の用意では、例えば、コア基板3の絶縁層30となる絶縁層と、この絶縁層の両表面にそれぞれ積層された金属箔を含む出発基板(例えば両面銅張積層板)が用意される。そして、貫通孔の形成及びパネルめっきに続くサブトラクティブ法を用いたパターニングによって、所望の導体パターンを有する導体層15及び導体層16、並びにスルーホール導体33が形成される。
【0045】
絶縁層21及び絶縁層23の形成では、例えばフィルム状のエポキシ樹脂が、コア基板3の第1面3a及び第2面3bそれぞれの上に積層され、加熱及び加圧される。その結果、絶縁層21及び絶縁層23が形成される。各絶縁層には、ビア導体41又はビア導体43を形成するための貫通孔61が、例えば炭酸ガスレーザー光の照射などによって形成される。
【0046】
そして、導体パターン111を含む導体層11が絶縁層21上に形成され、絶縁層23上には導体層13が形成される。絶縁層21を貫く貫通孔61内にはビア導体41が形成され、絶縁層23を貫く貫通孔61内にはビア導体43が形成される。導体層11及び導体層13、並びにビア導体41及びビア導体43は、例えば、セミアディティブ法によって、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成される。まず、絶縁層21及び絶縁層23の表面、並びに貫通孔61内に、無電解めっきやスパッタリングによって第1金属膜4aが形成される。そして、絶縁層21上の第1金属膜4aの上には、導体パターン111などの導体層11に含まれるべき導体パターンの形成領域に応じた開口を有するめっきレジスト(図示せず)が設けられる。同様に絶縁層23上の第1金属膜4aの上にもめっきレジスト(図示せず)が設けられる。そして、第1金属膜4aを給電層として用いる電解めっきを含むパターンめっきによって各めっきレジストの開口内に第2金属膜4bが形成される。その結果、貫通孔61内に、ビア導体41又はビア導体43が形成される。
【0047】
めっきレジストが除去された後、めっきレジストの除去によって露出する第1金属膜4aの不要部分が例えばエッチングなどで除去される。その結果、導体パターン111及びその他の所定の導体パターンを含む導体層11が形成される。このように本実施形態の配線基板の製造方法は、導体パターン111(第1導体パターン)を形成することを含んでいる。絶縁層23上には、導体パターン131などの所定の導体パターンを含む導体層13が形成される。
【0048】
図4Bに示されるように、導体パターン111を含む導体層11を覆う絶縁層22、及び導体層13を覆う絶縁層24が形成される。本実施形態の配線基板の製造方法は、このように、導体パターン111を覆う絶縁層22を形成することを含んでいる。絶縁層22及び絶縁層24は、例えば、前述した絶縁層21及び絶縁層23の形成方法と同様の方法で形成される。例えば、フィルム状のエポキシ樹脂を絶縁層21及び導体層11の上に積層して熱圧着することによって絶縁層22が形成される。
【0049】
図4C及び
図4Dに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、絶縁層22を貫く貫通孔6を形成することを含んでいる。
図4Dは、
図4Cに示されるIVD部の拡大図を示している。貫通孔6はビア導体42(
図4G参照)が形成されるべき領域に形成される。貫通孔6は、レーザー光Lを絶縁層22に照射することによって形成される。絶縁層22に貫通孔6を形成することによって、導体層11に含まれている導体パターン111などの所定の導体パターンの一部が貫通孔6内に露出される。なお、絶縁層24には、ビア導体44(
図4G参照)が形成されるべき領域に貫通孔61が形成される。貫通孔61も、レーザー光の照射などによって形成される。貫通孔6の形成と貫通孔61の形成とは、同一のレーザー加工機を用いて同一の工程内で連続的に行われてもよく、順に実施される別々の工程で互いに異なる加工機を用いて行われてもよい。
【0050】
図4Dに示されるように、貫通孔6を形成することは、レーザー光Lの照射によって導体パターン111における絶縁層21と反対方向を向く表面11aに、凹部11bを形成することを含んでいる。すなわち、貫通孔6の形成に伴って、貫通孔6と連続的に繋がっている凹部11bが表面11aに形成される。好ましくは、表面11aにおいて貫通孔6の周縁と重なる周縁を有していて貫通孔6の内壁面と凹部11bの内壁面との境界に段差を有しない凹部11bが形成される。
【0051】
貫通孔6及び凹部11bは、例えば、レーザー光Lの一連の照射によって略同時又は連続的に形成される。すなわち、貫通孔6を形成すべく照射されるレーザー光Lの照射が貫通孔6の形成後にも停止されずに継続されてもよい。そして、その継続されるレーザー光Lが、貫通孔6に露出する導体パターン111の表面11aに照射されることによって、凹部11bが形成されてもよい。或いは、貫通孔6の形成が完了する前に、形成途上の貫通孔6内に露出する導体パターン111の表面11aの一部にレーザー光Lが照射され、貫通孔6の形成と並行して凹部11bの一部又は全部が形成されてもよい。レーザー光Lの照射によって、貫通孔6の形成と連続的に又は同時に凹部11bが形成されるので、効率よく凹部11bを形成することができる。
【0052】
貫通孔6及び貫通孔61(
図4C参照)の形成に用いられるレーザーとしては、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどが例示されるが、各貫通孔の形成に用いられるレーザーは特に限定されない。例えば、貫通孔6の形成には、直進性に優れた紫外線領域の波長を有する紫外線(UV)レーザーが用いられてもよい。前述したような、30μmを下回るような幅を有するビア導体42の形成に適した貫通孔6の形成に有利なことがある。
【0053】
図4Eには、貫通孔6の形成に用いられるレーザー光の強度分布(ビームプロファイル)の例が示されている。
図4Eでは、レーザー光L1及びレーザー光L2の中心が横軸の0点に示され、その中心からの径方向の距離(横軸)に対するレーザー光L1、L2の強度が縦軸に示されている。
【0054】
図4Eにおいてレーザー光L1は、ガウス分布のようにレーザー光の中心ほど高い強度を有する、所謂ガウシアン型の強度分布を有している。一方、レーザー光L2は、レーザー光の中心からの距離に関して所定の範囲内では略均一な強度を示す、所謂トップハット型の強度分布を有している。貫通孔6及び凹部11bの形成に用いられるレーザー光Lは、
図4Eに示されるレーザー光L1、L2の強度分布を含む、任意の強度分布を有し得る。例えば、レーザー光L2のようなトップハット型の強度分布を有するレーザー光Lを用いることが、貫通孔6及び凹部11bの形成において有益なことがある。レーザー光全体が所望の大きさの領域に集中されるため、小径の貫通孔6及び凹部11bを形成し得ることがある。また、その所望の大きさの領域に集中された光がその領域内で略均一な強度分布を有するため、貫通孔6の形成に続いて、所望の面積を有する凹部11bが形成され易いと考えられる。
【0055】
なお、トップハット型の強度分布を有するレーザー光Lが貫通孔6の形成に用いられる場合でも、レーザー光Lを発する光源(図示せず)として、例えばガウシアン型の強度分布を有する光源が用いられてもよい。その場合、例えば適切な光学素子を含むビームシェイパー(図示せず)を用いて、例えばガウシアン型の強度分布を有するレーザー光が、トップハット型の強度分布を有するレーザー光Lに整形されてもよい。
【0056】
貫通孔6、61、及び凹部11bの形成後、貫通孔6、61の形成によって生じた樹脂残渣(スミア)を除去するデスミア処理が行われてもよい。例えばアルカリ性過マンガン酸溶液などの処理液に貫通孔6、61の内壁を晒すことによって貫通孔6、61内のスミアが除去される。このデスミア処理によって、導体パターン111の凹部11b内に落下したスミアが除去されてもよい。
【0057】
図4F及び
図4Gに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、貫通孔6内にビア導体42を形成することを含んでいる。絶縁層24の貫通孔61内には、ビア導体44が形成される。また、絶縁層22上には導体層12が形成され、絶縁層24上には、導体層14が形成される。
図4Fには、
図4Dに示される部分に相当する部分について、ビア導体42の形成途上の状態が示されている。
【0058】
ビア導体42、44は、前述したビア導体41及びビア導体43の形成方法と同様に、例えばセミアディティブ法を用いて、導体層12又は導体層14と共に形成される。例えばビア導体42及び導体層12の形成では、
図4Fに示されるように、貫通孔6の内壁面上及び絶縁層22の表面上の全面に、例えば無電解めっきやスパッタリングによって第1金属膜4aが形成される。導体パターン111の表面11aには、貫通孔6に繋がっている凹部11bが形成されているので、第1金属膜4aは、凹部11bの内壁面11b2上にも形成される。第1金属膜4aは、凹部11bの内壁面11b2(
図4F参照)の全面に形成されてもよい。第1金属膜4aは、さらに、凹部11bの底面11b1(
図4F参照)の一部又は全部に形成されてもよい。このように本実施形態においてビア導体42を形成することは、凹部11bの内壁面11b2に第1金属膜4aを形成することを含み得る。
【0059】
図4Gに示されるように、第1金属膜4a上に、開口R1を有するめっきレジストRが設けられる。開口R1は、導体パターン121などの導体層12に含まれるべき導体パターンの形成領域、又は、導体パターン141などの導体層14に含まれるべき導体パターンの形成領域に設けられる。そして、第1金属膜4aを給電層として用いる電解めっきによって、開口R1内に第2金属膜4bが形成される。その結果、導体パターン121などの導体層12に含まれるべき導体パターン、又は、導体パターン141などの導体層14に含まれるべき導体パターンが形成される。このように本実施形態の配線基板の製造方法は、絶縁層22上に、導体パターン121(第2導体パターン)を形成することを含んでいる。
【0060】
貫通孔6内には、導体パターン111と導体パターン121とを接続するビア導体42が形成される。貫通孔61内には、導体パターン131と導体パターン141とを接続するビア導体44が形成される。導体パターン111の表面11aには、貫通孔6に繋がっている凹部11bが形成されているので、凹部11bの内部にもビア導体42が形成される。その結果、凹部11bがビア導体42によって充填される。このように、本実施形態においてビア導体42を形成することは、ビア導体42で凹部11bを充填することを含み得る。貫通孔6内の部分と一体的に形成された部分を凹部11b内に有するビア導体42が形成される。好ましくは、凹部11bの略全体を充填し、凹部11bの内壁面の全面と接するビア導体42が形成される。
【0061】
第2金属膜4bの形成後、めっきレジストRが、例えば適切な剥離液を用いて除去される。さらに、第1金属膜4aのうちのめっきレジストRの除去によって露出する部分が、例えばフラッシュエッチングなどの短時間のエッチングによって除去される。その結果、互いに分離された、導体パターン121又は導体パターン141のような所望の導体パターンを含む導体層12及び導体層14が形成される。
【0062】
配線基板100が製造される場合、
図4Hに示されるように、絶縁層22及び導体層12の上にソルダーレジスト5が形成され、絶縁層24及び導体層14の上にもソルダーレジスト5が形成される。例えば、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを、スプレーイングや積層、又は印刷などで工程途上の配線基板100の表面に供給することによって、ソルダーレジスト5が形成される。ソルダーレジスト5には、例えば、適切な開口パターンを有するマスクを用いた露光及び現像によって開口が形成される。以上の工程を経る事によって、
図1の例の配線基板100が完成する。
【0063】
本実施形態の配線基板の製造方法によれば、
図4Dに示されるように、レーザー光Lの照射によって導体パターン111の表面11aに貫通孔6と連続的に繋がる凹部11bが形成される。そのため、貫通孔6内に形成されるビア導体42(
図4G参照)が、その側面においても、導体パターン111(凹部11b)と接し得る。従って、導体パターン111との間に高い密着強度を有するビア導体42が形成され得る。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、ビア導体と導体層との接続に関して高い信頼性を有する配線基板が得られると考えられる。
【0064】
実施形態の配線基板は、各図面に例示される構造、並びに、本明細書において例示される構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。前述したように、実施形態の配線基板は任意の積層構造を有し得る。実施形態の配線基板は、任意の数の導体層及び絶縁層を含み得る。例えば、実施形態の配線基板はコア基板を含まない、所謂コアレス基板であってもよい。実施形態の配線基板では、絶縁層を介して対向する任意のひと組の導体パターンのうちの一方が、所謂受けパッドを含む導体パターン111(第1導体パターン)であり得、他方が、所謂ビアランドを含む導体パターン121(第2導体パターン)であり得る。ビア導体42のように受けパッドに先端を入り込ませるビア導体同士が積層されていてもよい。
【0065】
導体パターン111及び導体パターン121は、それぞれ、各導体層の配線パターンと一体的に形成されていてもよい。また、導体パターン111は、導体パターン121以外の導体パターンに接続されているビア導体のビアランド又は受けパッドと一体的に形成されていてもよく、導体パターン121は、導体パターン111以外の導体パターンに接続されているビア導体のビアランド、又は部品搭載パッドと一体的に形成されていてもよい。
【0066】
実施形態の配線基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されない。例えば、各導体層は、セミアディティブ法以外の方法で形成されてもよい。各絶縁層は任意の方法で形成され得る。貫通孔6の形成に用いられるレーザー光Lは、任意の強度分布を有し得る。実施形態の配線基板の製造方法には、前述された各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述された工程のうちの一部が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
100、101 配線基板
11~16 導体層
111 導体パターン(第1導体パターン)
11a 導体パターンの表面
11b 凹部
11b1 底面
11b2 内壁面
121 導体パターン(第2導体パターン)
21~24 絶縁層
41~44 ビア導体
42a ビア導体の側面
42b ビア導体の端面
4a 金属膜(第1金属膜)
4b 第2金属膜
6、61 貫通孔
L レーザー光
W ビア導体の幅