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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083025
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】柱状構造物監視システム
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20230608BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20230608BHJP
   G08C 17/02 20060101ALI20230608BHJP
   G01C 9/00 20060101ALI20230608BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
H02G1/02
G08C15/00 D
G08C17/02
G01C9/00
G01C15/00 102C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197116
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】友部 修
【テーマコード(参考)】
2F073
5G352
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA19
2F073AA22
2F073AA25
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC09
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073EE01
2F073EE11
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG05
5G352AD04
5G352AM01
5G352AM02
5G352AM05
(57)【要約】
【課題】柱状構造物の状態を適切に取得する。
【解決手段】柱状構造物1に装着され位置情報D4を出力する位置取得部4と、前記柱状構造物1に装着され、傾斜情報D5を出力する傾斜センサ5と、前記位置情報D4と前記傾斜情報D5とを送信する情報送信部7と、を各々が備える複数の子局3と、複数の前記子局3から前記位置情報D4と前記傾斜情報D5とを受信し、複数の前記柱状構造物1の損壊状態を判定する判定部10と、を柱状構造物監視システム101に設けた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状構造物に装着され位置情報を出力する位置取得部と、前記柱状構造物に装着され、傾斜情報を出力する傾斜センサと、前記位置情報と前記傾斜情報とを送信する情報送信部と、を各々が備える複数の子局と、
複数の前記子局から前記位置情報と前記傾斜情報とを受信し、複数の前記柱状構造物の損壊状態を判定する判定部と、を備える
ことを特徴とする柱状構造物監視システム。
【請求項2】
前記柱状構造物は道路に沿って設置されたものであり、
前記判定部は、前記柱状構造物の損壊状態が前記道路に及ぼす影響を判定する機能をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状構造物監視システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記位置情報と前記傾斜情報とに基づいて前記柱状構造物の折損位置を推定する機能をさらに備える
ことを特徴とする請求項2に記載の柱状構造物監視システム。
【請求項4】
複数の前記子局は、それぞれ、
前記位置取得部と前記傾斜センサと、前記情報送信部と、に電力を供給する電池と、
配電線の導体から非接触で電力を取得する電力取得部を備え、前記電池を充電する受電部と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状構造物監視システム。
【請求項5】
複数の前記子局に対応して設けられ、前記情報送信部から出力された前記位置情報と前記傾斜情報とを無線送信する複数の無線送信部と、
前記位置情報と前記傾斜情報とを無線受信し、前記判定部に供給する無線受信部と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状構造物監視システム。
【請求項6】
前記位置取得部は、時刻情報を取得する機能をさらに備え、
前記情報送信部は、前記時刻情報を送信する機能をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状構造物監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状構造物監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約には、「[課題]電柱にかかる加速度を正確に計測し、広域に散在した多数の電柱から計測データを効率的に収集し、傾斜の発生を早期に検出するためのシステムを提供する。[解決手段]電柱の柱上に設置したセンサノードが、複数方向の計測が可能な内蔵の加速度センサから加速度の値を規定回数取得し、一連の加速度データに対して計測した方向毎に平均化処理を施し電柱にかかる加速度を算出する。センサノードは、算出した加速度データを、電柱近傍に設置されたゲートウェイへ近距離無線で送信する。ゲートウェイは受信した加速度データを遠距離無線でサーバへ送信する。サーバは受信した加速度データをデータベースに蓄積し、受信した加速度データから算出した傾斜角の最大値が、あらかじめ電柱毎に設定した閾値を越えているか否かを判別する。傾斜角が閾値を超えた場合、サーバは該当の電柱が異常状態にあると判断し、あらかじめ登録した管理者の宛先へ通知する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-4387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した技術において、電柱等、柱状構造物の損壊状態を一層適切に取得したいという要望がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、柱状構造物の状態を適切に取得できる柱状構造物監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の柱状構造物監視システムは、柱状構造物に装着され位置情報を出力する位置取得部と、前記柱状構造物に装着され、傾斜情報を出力する傾斜センサと、前記位置情報と前記傾斜情報とを送信する情報送信部と、を各々が備える複数の子局と、複数の前記子局から前記位置情報と前記傾斜情報とを受信し、複数の前記柱状構造物の損壊状態を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、柱状構造物の状態を適切に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による電柱監視システムにおいて、電柱周辺部分の構成を示す模式図である。
図2】第1実施形態による電柱監視システムのブロック図である。
図3】コンピュータのブロック図である。
図4】道路および電柱の配置関係の一例を示す模式的な平面図である。
図5】道路および電柱の配置関係の他の例を示す模式的な平面図である。
図6】電柱の損壊態様の一例を示す図である。
図7】電柱の損壊態様の他の例を示す図である。
図8】道路および電柱の配置関係の他の例を示す模式的な平面図である。
図9】第2実施形態による電柱監視システムにおいて、電柱周辺部分の構成を示す模式図である。
図10】第2実施形態による電柱監視システムのブロック図である。
図11】第3実施形態による電柱監視システムのブロック図である。
図12】第4実施形態による電柱監視システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態の概要]
特許文献1の技術を応用すると、電柱に生じる加速度を計測し、広域に散在した多数の電柱から計測データを収集することにより、電柱の傾斜を早期に検出することが可能であると考えられる。しかし、上述した技術では、電柱の傾斜の方向が判別できないという問題が生じる。そこで、後述する実施形態では、電柱の傾斜の方向を判別できるようにしている。例えば、電柱または鉄塔にGPS受信機と傾斜センサとを有する子局を設ける。また、拠点においては子局と通信する親局を設ける。そして、拠点において、子局から受信した情報と、予め蓄積している道路の緯度・経度情報と照合することにより、道路に及ぼす影響を判別することができる。これにより、後述する実施形態においては、電柱等の損壊が道路に及ぼす影響を判別することが可能になる。
【0009】
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成〉
図1は、第1実施形態による電柱監視システム101(柱状構造物監視システム)において、電柱周辺部分の構成を示す模式図である。
図1においては、電柱1a,1b(柱状構造物)の間には配電線2が架設されている。そして、電柱1a,1bには、それぞれ子局3a,3bが装着されている。なお、以下の説明において、同一または同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、例えば「電柱1a,1b」のように同一の数字に異なる英字を付して説明する場合がある。但し、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、例えば「電柱1」のように英字を省略して説明する場合がある。
【0010】
図2は、第1実施形態による電柱監視システム101のブロック図である。
電柱監視システム101は、親局8と、電柱1(図1参照)に設けられた複数の子局3と、を備えている。但し、図中では子局3は1台のみ図示する。また、親局8は、配電指令所、配電用変電所等に設けられる。子局3は、位置取得部4と、傾斜センサ5と、電池6と、情報送信部7と、を備えている。位置取得部4は、子局3の緯度・経度情報D4(位置情報)を取得する。位置取得部4には、GPS(Global Positioning System)等の衛星電波を受信し、位置、時刻、日付等を取得する受信機を適用することができる。また、傾斜センサ5は、子局3が装着された電柱1の傾斜情報D5を取得する。情報送信部7は、緯度・経度情報D4および傾斜情報D5を親局8に送信する。子局3は電池6を備えることにより、停電時においても各種情報を取得し、親局8に送信することができる。
【0011】
親局8は、データベース9と、判定部10と、復旧計画部11と、を備えている。ここで、データベース9は、電柱情報D11と、道路情報D12と、を格納している。電柱情報D11は、各電柱1に装着されている子局3の緯度・経度情報と、子局3の地上からの高さH(図6参照)と、を含む。また、道路情報D12は、電柱1の近傍における道路12(図5参照)に関する情報である。具体的には、道路情報D12は、道路12の中心線13を数mから数10m単位で区切る点(ノード)の接続情報と、各ノードの緯度・経度情報と、各ノードにおける道路12の幅W(図6参照)と、を含む。
【0012】
判定部10は、データベース9の記憶内容と、子局3から受信した緯度・経度情報D4および傾斜情報D5と、に基づいて、各電柱1の損壊状態を判定する。例えば、判定部10は、子局3の緯度・経度情報D4と、データベース9の内容を比較することで、電柱1が道路12(図5参照)に干渉しているか否かを判定する。判定部10が、その判定結果を復旧計画部11に伝送することにより、復旧計画部11は、損壊した電柱1の復旧計画を立案する。従って、配電設備点検車両が現地に出向かなくても、電柱1の被害情報を収集することができるため、復旧作業リソースを合理的に配置することが可能になる。
【0013】
図3は、コンピュータ900のブロック図である。図2に示した親局8は、図3に示すコンピュータ900を、1台または複数台備えている。
図3において、コンピュータ900は、CPU901と、RAM902と、ROM903と、HDD904と、通信I/F905と、入出力I/F906と、メディアI/F907と、を備える。通信I/F905は、子局3と通信する通信回路915に接続される。入出力I/F906は、入出力装置916に接続される。メディアI/F907は、記録媒体917からデータを読み書きする。ROM903には、CPUによって実行される制御プログラム、各種データ等が格納されている。CPU901は、RAM902に読み込んだアプリケーションプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。先に図2において示した、親局8の内部は、アプリケーションプログラム等によって実現される機能をブロックとして示したものである。
【0014】
図4は、道路および電柱の配置関係の一例を示す模式的な平面図である。
図4において複数の電柱1a,1b,1c,1dは、道路12に沿って、路側の外側に設置されている。これらの各電柱の間には配電線2が架設されている。また、各電柱1a,1b,1c,1dには、それぞれ子局3a,3b,3c,3dが装着されている。図示の状態では、各子局3a、3b、3c、3dと、道路12の中心線13からの離隔距離は、道路12の幅の1/2よりも大きい。従って、親局8(図2参照)の判定部10は、「各電柱1は道路12に干渉していない」と判定する。
【0015】
図5は、道路および電柱の配置関係の他の例を示す模式的な平面図である。
図5においては、子局3bを装着した電柱1bが損壊し、道路12側に傾斜している。本状態において、子局3bは道路12の中心線13を超えた位置に移動しているため、親局8(図2参照)の判定部10は、「電柱1bが道路12に干渉している」と判定する。
【0016】
図6は電柱の損壊態様の一例を示す図であり、図7は電柱の損壊態様の他の例を示す図である。
図6および図7において、実線で示す電柱1は損壊前の状態を示し、二点鎖線で示す電柱1は損壊後の状態を示す。本実施形態では、子局3内に備えた傾斜センサ5によって傾斜情報D5を取得できるため、電柱の傾斜角φを取得できる。また、位置取得部4によって子局3の緯度・経度情報D4を取得できる。そして、子局3の地上からの高さHは既知である。
【0017】
これにより、親局8の判定部10は、電柱1が図6に示すように根本から傾斜しているのか、あるいは図7に示すように途中から折損しているかを判定することができる。また、図7の状態において、判定部10は、折損高さH1(折損位置)も算出できる。これにより、判定部10は、配電設備点検車両等、各種車両の車高が折損高さH1未満であるのか否かによって、当該車両が道路12を通行可能であるか否かを判断することが可能である。
【0018】
図8は、道路および電柱の配置関係の他の例を示す模式的な平面図である。
図8における各要素は図4のものと同様であるが、電柱1bが道路とは反対側に傾斜している。本実施形態では子局3内に位置取得部4を備えているため、親局8(図2参照)の判定部10は、子局3と道路12の離隔距離が正常時よりも大きくなっていることを以て、電柱1bの傾斜方向が道路とは反対側であることが判定できる。
【0019】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態による電柱監視システム102(柱状構造物監視システム)において、電柱周辺部分の構成を示す模式図である。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図9において、電柱1a,1b、配電線2の構成は第1実施形態のもの(図1参照)と同様である。但し、本実施形態において、子局3a,3bは受電部32a,32bを備えている。
【0020】
図10は、第2実施形態による電柱監視システム102のブロック図である。
第2実施形態における親局8の構成は第1実施形態のもの(図2参照)と同様である。また、子局3は、受電部32を備える点を除いて第1実施形態のものと同様である。図示を省略するが、受電部32は、配電線2の導体から非接触で電力を取得する電力取得部と、取得した電力を整流する整流回路と、を備えている。これにより、受電部32は、電池6に電力を供給し、電池6を充電する。電力取得部は、静電容量結合の電圧センサまたは分割形変流器を適用することができ、他の非接触の電気的または磁気的結合手段を適用してもよい。本実施形態によれば、配電線2が通電している期間内に子局3内の電池6を充電できるため、電池6の交換頻度を抑制することができる。
【0021】
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態による電柱監視システム103(柱状構造物監視システム)のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
第3実施形態における子局3および親局8の構成は、第1実施形態のもの(図2参照)と同様である。また、電柱周辺部分の構成も第1実施形態のもの(図1参照)と同様である。但し、子局3の情報送信部7には、無線送信部35が接続され、親局8には無線受信部36が接続されている。これにより、子局3は無線送信部35を介して緯度・経度情報D4および傾斜情報D5を送信し、親局8は無線受信部36を介してこれら情報を取得する。本実施形態によれば、無線によって情報を伝達するため、情報の伝送線路の分断によって、情報伝送が途絶えるような事態を抑制できる。
【0022】
[第4実施形態]
図12は、第4実施形態による電柱監視システム104(柱状構造物監視システム)のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
第4実施形態における子局3および親局8の構成は、第1実施形態のもの(図2参照)と同様である。また、電柱周辺部分の構成も第1実施形態のもの(図1参照)と同様である。但し、子局3の位置取得部4は、GPSから現在時刻を取得し、取得した現在時刻を時刻情報D41として情報送信部7に供給する。情報送信部7は、緯度・経度情報D4および傾斜情報D5とともに時刻情報D41を親局8に送信する。
【0023】
本実施形態によれば、親局8の判定部10は、時刻情報D41を受信するため、電柱1の損壊状況および損壊が道路に及ぼす影響の時間的な変化を把握することができる。台風などの災害に伴って電柱損壊が発生するケースでは、台風の接近に伴って電柱の損壊が増加し始め、台風が通過に伴って電柱の損壊の件数が飽和してゆく。そのため、時刻情報D41を復旧計画部11に提供することで、復旧リソースを合理的に配置することが可能になる。
【0024】
[実施形態の効果]
以上のように上述の実施形態によれば、柱状構造物監視システム(101~104)は、柱状構造物(1)に装着され位置情報(D4)を出力する位置取得部4と、柱状構造物(1)に装着され、傾斜情報D5を出力する傾斜センサ5と、位置情報(D4)と傾斜情報D5とを送信する情報送信部7と、を各々が備える複数の子局3と、複数の子局3から位置情報(D4)と傾斜情報D5とを受信し、複数の柱状構造物(1)の損壊状態を判定する判定部10と、を備える。これにより、位置情報(D4)と傾斜情報D5とに基づいて、判定部10は柱状構造物(1)の状態を適切に取得できる。
【0025】
また、柱状構造物(1)は道路12に沿って設置されたものであり、判定部10は、柱状構造物(1)の損壊状態が道路12に及ぼす影響を判定する機能をさらに備えると一層好ましい。これにより、柱状構造物(1)の復旧計画を適切に立案できるようになる。
【0026】
また、判定部10は、位置情報(D4)と傾斜情報D5とに基づいて柱状構造物(1)の折損位置(H1)を推定する機能をさらに備えると一層好ましい。これにより、当該柱状構造物(1)の箇所を車両が通行可能か否かを、当該車両の車高に応じて判別することができる。
【0027】
また、図10に示した第2実施形態の柱状構造物監視システム(102)のように、複数の子局3は、それぞれ、位置取得部4と傾斜センサ5と、情報送信部7と、に電力を供給する電池6と、配電線2の導体から非接触で電力を取得する電力取得部を備え、電池6を充電する受電部32と、をさらに備えると一層好ましい。これにより、配電線2が通電している期間内に電池6を充電できるため、電池6の交換頻度を抑制することができる。
【0028】
また、図11に示した第3実施形態の柱状構造物監視システム(103)のように、複数の子局3に対応して設けられ、情報送信部7から出力された位置情報(D4)と傾斜情報D5とを無線送信する複数の無線送信部35と、位置情報(D4)と傾斜情報D5とを無線受信し、判定部10に供給する無線受信部36と、をさらに備えると一層好ましい。これにより、無線によって情報を伝達するため、情報の伝送線路の分断によって、情報伝送が途絶えるような事態を抑制できる。
【0029】
また、図12に示した第4実施形態の柱状構造物監視システム(104)のように、位置取得部4は、時刻情報D41を取得する機能をさらに備え、情報送信部7は、時刻情報D41を送信する機能をさらに備えると一層好ましい。これにより、時刻情報D41に応じて、復旧リソースを合理的に配置することが可能になる。
【0030】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0031】
(1)上記実施形態においては、電柱監視システム101~104は電柱1の損壊状態を検出したが、例えば鉄塔等、電柱1以外の柱状構造物の損壊状態の検出にも適用することができる。
【0032】
(2)上記実施形態において位置取得部4は緯度・経度情報D4を出力したが、子局3の位置を特定できる情報であれば、緯度・経度情報D4以外の位置情報を出力してもよい。
【0033】
(3)上記実施形態におけるデータベース9は、ネットワーク上のサーバ等に置いてもよく、親局8に含めなくてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 電柱(柱状構造物)
2 配電線
3 子局
4 位置取得部
5 傾斜センサ
6 電池
7 情報送信部
10 判定部
12 道路
32 受電部
35 無線送信部
36 無線受信部
101~104 電柱監視システム(柱状構造物監視システム)
D4 緯度・経度情報(位置情報)
D5 傾斜情報
H1 折損高さ(折損位置)
D41 時刻情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12