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特開2023-83040非代替性トークンを用いたディジタルオブジェクト配布システム、ディジタルオブジェクト配布方法及びディジタルオブジェクト配布プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083040
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】非代替性トークンを用いたディジタルオブジェクト配布システム、ディジタルオブジェクト配布方法及びディジタルオブジェクト配布プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/04 20120101AFI20230608BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230608BHJP
【FI】
G06Q20/04 310
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197136
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】緒方 文俊
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】NFTオブジェクトを配布するイベントに気軽にかつ積極的に参加するようにユーザを動機付けする。
【解決手段】ユーザが使用するユーザ端末に対する操作がイベントへの参加条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットをユーザ端末に関連付けるウォレット設定手段と、操作端末に対する操作が所定の操作条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成するオブジェクト生成手段と、NFTオブジェクトを電子ウォレットに対応付けるオブジェクト配布手段と、を備えるディジタルオブジェクト配布システムとする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用するユーザ端末に対する操作がイベントへの参加条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットを前記ユーザ端末に関連付けるウォレット設定手段と、
操作端末に対する操作が所定の操作条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成するオブジェクト生成手段と、
前記NFTオブジェクトを前記電子ウォレットに対応付けるオブジェクト配布手段と、
を備えることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項2】
請求項1に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記操作端末は、前記ユーザ端末、前記ユーザ端末に通信接続されている操作ツール、前記イベントの会場に設置されている会場設置端末の少なくとも1つであることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記参加条件は、前記ユーザ端末を用いてイベント会場に設置されているコードを読み取ることであることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項4】
請求項3に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記コードは、移動体に設置されていることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記操作条件は、移動体を撮像することであることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項6】
請求項5に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記オブジェクト生成手段は、前記移動体の撮像の条件に応じて異なるディジタルオブジェクトに対して前記NFTオブジェクトを生成することを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記操作条件は、前記ユーザを撮像することであることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項8】
請求項6に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記オブジェクト生成手段は、前記ユーザの撮像の条件に応じて異なるディジタルオブジェクトに対して前記NFTオブジェクトを生成することを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記ディジタルオブジェクトに関する情報を前記ユーザ端末に表示させるディジタルオブジェクト表示手段と、
前記操作条件は、ディジタルオブジェクトに関する情報に対する操作入力であることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項10】
請求項9に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記ディジタルオブジェクト表示手段は、前記ディジタルオブジェクトに関する情報をAR画像として表示させることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のディジタルオブジェクト配布システムであって、
前記オブジェクト生成手段は、前記電子ウォレットにすでに対応付けられているNFTオブジェクトに応じて異なるディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成することを特徴とするディジタルオブジェクト配布システム。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザが使用するユーザ端末に対する操作がイベントへの参加条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットを前記ユーザ端末に関連付けるウォレット設定手段と、
操作端末に対する操作が所定の操作条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成するオブジェクト生成手段と、
前記NFTオブジェクトを前記電子ウォレットに対応付けるオブジェクト配布手段と、
して機能させることを特徴とするディジタルオブジェクト配布プログラム。
【請求項13】
ユーザが使用するユーザ端末に対する操作がイベントへの参加条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットを前記ユーザ端末に関連付けるウォレット設定ステップと、
操作端末に対する操作が所定の操作条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成するオブジェクト生成ステップと、
前記NFTオブジェクトを前記電子ウォレットに対応付けるオブジェクト配布ステップと、
を備えることを特徴とするディジタルオブジェクト配布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非代替性トークンを用いたディジタルオブジェクト配布システム、ディジタルオブジェクト配布方法及びディジタルオブジェクト配布プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロックチェーンを用いて、画像、動画、音声及びその他のディジタルオブジェクトを一意で代替不可能なデータ単位である代替不可能なトークン(NFT:Non Fungible Token)として扱う仕組みが広がりをみせている。例えば、イベント会場等においてユーザ端末を用いてQRコード(登録商標)を読み取ることによって、当該ユーザ端末に対してディジタルアイテムをNFTオブジェクトとして配布するサービスが提供されている。(非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】”#NFTNYC2021”,https://www.nft.nyc/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、様々なユーザがNFTオブジェクトを配布するイベントに気軽にかつ積極的に参加するように動機付けする仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、ユーザが使用するユーザ端末に対する操作がイベントへの参加条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットを前記ユーザ端末に関連付けるウォレット設定手段と、操作端末に対する操作が所定の操作条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成するオブジェクト生成手段と、前記NFTオブジェクトを前記電子ウォレットに対応付けるオブジェクト配布手段と、を備えることを特徴とするディジタルオブジェクト配布システムである。
【0006】
ここで、前記操作端末は、前記ユーザ端末、前記ユーザ端末に通信接続されている操作ツール、前記イベントの会場に設置されている会場設置端末の少なくとも1つであることが好適である。
【0007】
また、前記参加条件は、前記ユーザ端末を用いてイベント会場に設置されているコードを読み取ることであることが好適である。また、前記コードは、移動体に設置されていることが好適である。
【0008】
また、前記操作条件は、移動体を撮像することであることが好適である。
【0009】
また、前記オブジェクト生成手段は、前記移動体の撮像の条件に応じて異なるディジタルオブジェクトに対して前記NFTオブジェクトを生成することが好適である。
【0010】
また、前記操作条件は、前記ユーザを撮像することであることが好適である。また、前記オブジェクト生成手段は、前記ユーザの撮像の条件に応じて異なるディジタルオブジェクトに対して前記NFTオブジェクトを生成することが好適である。
【0011】
また、前記ディジタルオブジェクトに関する情報を前記ユーザ端末に表示させるディジタルオブジェクト表示手段と、前記操作条件は、ディジタルオブジェクトに関する情報に対する操作入力であることが好適である。
【0012】
また、前記ディジタルオブジェクト表示手段は、前記ディジタルオブジェクトに関する情報をAR画像として表示させることが好適である。
【0013】
また、前記オブジェクト生成手段は、前記電子ウォレットにすでに対応付けられているNFTオブジェクトに応じて異なるディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成することが好適である。
【0014】
本発明の別の態様は、コンピュータを、ユーザが使用するユーザ端末に対する操作がイベントへの参加条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットを前記ユーザ端末に関連付けるウォレット設定手段と、操作端末に対する操作が所定の操作条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成するオブジェクト生成手段と、前記NFTオブジェクトを前記電子ウォレットに対応付けるオブジェクト配布手段と、して機能させることを特徴とするディジタルオブジェクト配布プログラムである。
【0015】
本発明の別の態様は、ユーザが使用するユーザ端末に対する操作がイベントへの参加条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットを前記ユーザ端末に関連付けるウォレット設定ステップと、操作端末に対する操作が所定の操作条件を満たすと、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成するオブジェクト生成ステップと、前記NFTオブジェクトを前記電子ウォレットに対応付けるオブジェクト配布ステップと、を備えることを特徴とするディジタルオブジェクト配布方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、NFTオブジェクトを配布するイベントに気軽にかつ積極的に参加するようにユーザを動機付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態におけるディジタルオブジェクト配布システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態におけるサーバの構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態におけるユーザ端末の構成を示す図である。
図4】本発明の実施の形態における移動体の例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態におけるディジタルオブジェクト配布処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態におけるAR画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態におけるディジタルオブジェクト配布システム100は、図1に示すように、サーバ102、ユーザ端末104及び移動体106を含んで構成される。サーバ102及びユーザ端末104は、インターネット等の情報通信網108を介して情報を伝達可能に接続される。また、移動体106は、情報通信網108を介してサーバ102と情報を伝達可能に接続され、サーバ102によってその移動が制御されるようにしてもよい。なお、図1には、1つのユーザ端末104のみを示したが、複数のユーザ端末104をサーバ102に接続した構成としてもよい。すなわち、ユーザ端末104の数は特に限定されるものではない。
【0019】
ディジタルオブジェクト配布システム100では、ユーザがユーザ端末104を用いてディジタルオブジェクトの配布イベントへの参加条件を満たす処理を行い、さらにディジタルオブジェクトの配布を受けるための操作条件を満たす操作を行うことによってサーバ102からディジタルアイテムに対するNFTオブジェクトの配布を受ける処理が行われる。本実施の形態では、ユーザがユーザ端末104を用いて、移動体106に設けられているコードを読み取り、さらにAR画面において所定の操作を行うことによって、サーバ102からディジタルアイテムに対するNFTオブジェクトの配布を受ける処理の例について説明する。
【0020】
サーバ102は、図2に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14、出力部16及び通信部18を含んで構成される。処理部10は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部10は、記憶部12に記憶されているディジタルオブジェクト配布プログラムを実行することによって、本実施の形態におけるディジタルアイテムに対するNFTオブジェクトの配布処理を行う機能を実現する。記憶部12は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部12は、処理部10とアクセス可能に接続され、ディジタルオブジェクト配布プログラム、その処理に必要な情報を記憶する。入力部14は、情報を入力する手段を含む。入力部14は、例えば、管理者からの入力を受けるキーボード、タッチパネル、ボタン等を備える。出力部16は、管理者から入力情報を受け付けるためのユーザインターフェース画面(UI)等のサーバ102での処理結果を出力する手段を含む。出力部16は、例えば、管理者に対して画像を呈示するディスプレイを備える。通信部18は、情報通信網108を介して、ユーザ端末104や移動体106との情報の通信を行うインターフェースを含んで構成される。通信部18による通信は有線及び無線を問わない。
【0021】
ユーザ端末104は、図3に示すように、処理部20、記憶部22、入力部24、出力部26及び通信部28を含んで構成される。処理部20は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部20は、記憶部22に記憶されているユーザ端末プログラムを実行することによって、本実施の形態におけるユーザ端末104の機能を実現する。記憶部22は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部22は、処理部20とアクセス可能に接続され、ユーザ端末プログラム、その処理に必要な情報を記憶する。入力部24は、情報を入力する手段を含む。入力部24は、例えば、ユーザからの入力を受けるキーボード、タッチパネル、ボタン等を備える。また、入力部24は、被写体の静止画又は動画を撮像するためのカメラ等の撮像装置を備える。出力部26は、ユーザから入力情報を受け付けるためのユーザインターフェース画面(UI)や投稿された情報を呈示する画面等のユーザ端末104での処理に必要な情報を出力する手段を含む。出力部26は、例えば、ユーザに対して画像を呈示するディスプレイを備える。通信部28は、情報通信網108を介して、サーバ102との情報の通信を行うインターフェースを含んで構成される。通信部28による通信は有線及び無線を問わない。
【0022】
サーバ102及びユーザ端末104は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット端末等とすることができる。
【0023】
移動体106は、移動を可能とする移動手段を備える。移動体106は、例えば、飛行により移動が可能なドローンや歩行や走行により移動が可能なロボット等とすることができる。移動体106は、イベント会場等のディジタルオブジェクトを配布する場所に配置される。移動体106の移動は、予め設定された移動予定に基づいて自律的に行うようにしてもよいし、サーバ102等の外部装置から制御するようにしてもよい。
【0024】
本実施の形態では、図4に示すように、移動体106に外面にコード30を付しておき、このコード30をユーザ端末104の入力部24によって読み取ることでサーバ102からユーザ端末104へディジタルアイテムに対するNFTオブジェクトの配布イベントへ参加することが可能になる。コード30は、二次元のQRコード(登録商標)としてもよいし、その他の一次元コードや三次元コードとしてもよい。
【0025】
なお、本実施の形態では、移動体106を用いる例を示すが、移動体106を用いずにイベント会場等の壁や柱等の所定の場所にコード30を付しておくようにしてもよい。
【0026】
以下、図5のフローチャートを参照して、本発明の実施の形態におけるディジタルオブジェクト配布処理について説明する。ディジタルオブジェクト配布処理は、サーバ102においてディジタルオブジェクト配布プログラムを実行し、ユーザ端末104においてユーザ端末プログラムを実行することによって実現される。
【0027】
ステップS10では、移動体106を移動させる制御が行われる。当該ステップにおける処理によって、ディジタルオブジェクト配布システム100は移動制御手段として機能する。移動体106は、自律的に、又は、サーバ102等の外部装置からの制御により飛行等の移動を開始する。
【0028】
移動体106は、例えば、ディジタルオブジェクトの配布を行うイベント等の会場において移動させることが好適である。移動体106を用いることによって、移動体106の付近のユーザの注目を引くことができる。これによって、後述するディジタルオブジェクトの配布への参加を誘引することができる。
【0029】
なお、移動体106を用いてグッズ、パンフレット等の実体を伴う配布物を配布するようにしてもよい。また、移動体106において静止画や動画の映像、音声等を出力させるようにしてもよい。これによって、移動体106に対するユーザの興味をより誘引することができる。
【0030】
ステップS12では、ユーザ端末104による参加条件を満たすための処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ディジタルオブジェクト配布システム100は参加処理手段として機能する。本実施の形態では、ユーザは、ユーザ端末104の入力部24を用いて移動体106に付されているコード30を読み取る操作を行う。ユーザ端末104は、通信部28を介してサーバ102へ読み取ったコード30の情報を送信する。
【0031】
移動体106にコードを設けてユーザ端末104にてコードを読み取ることをイベントへの参加条件としたが、これに限定されるものではない。例えば、イベントが開催されている会場等の所定のエリア内にユーザ端末104があることを参加条件としてもよい。この場合、ユーザ端末104にGPS等の位置特定手段を設けておき、ユーザ端末104の位置を取得するようにすればよい。また、イベントが開催されている会場等の所定のエリア内においてビーコンを発生させておきユーザ端末104によって当該ビーコンを受信することを参加条件としてもよい。この場合、ユーザ端末104にビーコンの受信手段を設けておき、ユーザ端末104によるビーコンを受信するようにすればよい。
【0032】
ステップS14では、ユーザ端末104に対してNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットを関連付ける処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ディジタルオブジェクト配布システム100はウォレット設定手段として機能する。サーバ102は、ユーザ端末104からコード30の情報を受信すると、当該コード30の情報がイベントの参加条件を満たしているか否かを判定する。コード30の情報がイベントへの参加条件を満たしていなければユーザ端末104から参加条件を満たす情報が送信されてくるのを待機する。コード30の情報がイベントへの参加条件を満たしていれば、送信元のユーザ端末104に対してNFTオブジェクトを管理するための電子ウォレットを関連付ける処理を行う。
【0033】
送信元のユーザ端末104に対して電子ウォレットが生成されていない場合、サーバ102は電子ウォレットを自動生成して送信元のユーザ端末104に関連付ける処理を行う。例えば、サーバ102は、ERC-721やERC-1155等の規格に基づいてNFTオブジェクトの所有及び取引履歴を記録可能な電子ウォレットを自動生成して送信元のユーザ端末104を特定する識別子(アドレス等)に関連付ける。送信元のユーザ端末104に対して電子ウォレットが既に生成されている場合、既存の電子ウォレットに関する情報を取得して電子ウォレットを送信元のユーザ端末104に関連付ける処理を行う。
【0034】
このように、送信元のユーザ端末104に対して電子ウォレットが関連付けられていない場合、電子ウォレットを自動生成して送信元のユーザ端末104に関連付けることによってユーザが容易にNFTオブジェクトを受け取ることができる。
【0035】
電子ウォレットは、送信元のユーザ端末104においてウェブブラウザから利用できるようにすることが好適である。すなわち、ウェブブラウザを用いてユーザ端末104に関連付けられた電子ウォレットに関する情報にアクセスできるようにすることが好適である。これにより、ユーザ端末104に専用のアプリケーション等を導入することなく電子ウォレットにアクセスすることが可能になる。なお、ユーザ端末104に専用の電子ウォレットアプリケーションを導入するようにしてもよい。
【0036】
ステップS16では、ユーザ端末104に対して所定の操作を行わせるための処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ディジタルオブジェクト配布システム100はサービス提供手段として機能する。サーバ102は、ステップS14においてウォレット設定処理を行った後、通信部18を介してユーザがユーザ端末104を用いて所定の操作を行うサービスを提供するために必要な情報をユーザ端末104へ送信する。ユーザ端末104は、通信部28を介してサーバ102から情報を受信すると、ユーザ端末104を用いて所定の操作を行わせるための処理を行う。
【0037】
本実施の形態では、ユーザ端末104の出力部26に対して配布する対象であるディジタルオブジェクトに対応する画像を含む拡張現実画像(AR画像)を表示させる(ディジタルオブジェクト表示手段)。例えば、図6に示すように、ユーザ端末104の入力部24であるカメラによって移動体106を撮像し続けることによって、ユーザ端末104の出力部26であるディスプレイに移動体106を気球32に見立てた画像を表示させる。さらに、配布する対象であるディジタルオブジェクトである種子34に対応する画像が当該気球32から撒かれるAR画像200を表示させる。
【0038】
ステップS18では、ユーザ端末104による操作を受け付ける処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ディジタルオブジェクト配布システム100は操作取得手段として機能する。ユーザはユーザ端末104を用いてディジタルオブジェクトの配布を受けるために必要な操作条件を満たす操作を行う。ユーザ端末104において行われた操作を示す情報は、通信部28を介してサーバ102へ送信される。
【0039】
本実施の形態では、ユーザがユーザ端末104の入力部24を用いてステップS16において表示されたAR画像に含まれるディジタルオブジェクトに対応する画像に対する操作を行うことを操作条件とする。図6に示すように移動体106を気球32に見立てて当該気球32からディジタルオブジェクトに対応する種子34を散布するAR画像200を表示させ、ユーザがユーザ端末104の入力部24であるタッチパネルで当該ディジタルオブジェクトに対応する種子34の画像をタップする操作を行うものとする。ユーザ端末104は、ディジタルオブジェクトに対応する種子34の画像がタップされると、当該操作内容をサーバ102へ送信する。
【0040】
ステップS20では、NFTオブジェクトを生成する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ディジタルオブジェクト配布システム100はNFTオブジェクト生成手段として機能する。サーバ102は、ステップS18においてユーザ端末104を用いてなされた操作内容を示す情報を受信すると、当該操作内容がディジタルオブジェクトを付与する操作条件を満たしているか否かを判定する。操作内容がディジタルオブジェクトを付与する操作条件を満たしていない場合、ディジタルオブジェクト配布処理を終了させるか、ユーザ端末104から操作条件を満たす操作内容を受信するまで待機する。操作内容がディジタルオブジェクトを付与する操作条件を満たしている場合、ディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを生成する。例えば、ERC-721やERC-1155等の規格に基づいて、ディジタルオブジェクトに固有の識別コードを付与し、過去の取引の履歴情報及びその内容を示すハッシュ値を含むブロックを生成してNFTオブジェクトとする。
【0041】
本実施の形態では、ディジタルオブジェクトに対応する種子34の画像をタップすることを操作条件として、ユーザ端末104においてディジタルオブジェクトに対応する種子34の画像をタップしたことを示す操作内容を受信した場合にNFTオブジェクトを生成する。
【0042】
なお、操作条件に加えて、他の条件が満たされる場合にNFTオブジェクトを生成するようにしてもよい。例えば、ユーザ端末104の電子ウォレットにすでに何らかのNFTオブジェクトが関連付けられている場合に操作条件が満たされるとNFTオブジェクトを生成したり、電子ウォレットにすでに関連付けられているNFTオブジェクトに応じて異なるディジタルオブジェクトのNFTオブジェクトを生成したりするようにしてもよい。具体例として、電子ウォレットにNFTオブジェクトが未だ関連付けられていない場合には第1のディジタルオブジェクトのNFTオブジェクトを生成し、電子ウォレットに第1のディジタルオブジェクトのNFTオブジェクトが既に関連付けられている場合には第2のディジタルオブジェクトのNFTオブジェクトを生成するようにしてもよい。
【0043】
また、例えば、ユーザ端末104において所定の電子ゲームがインストールされている場合や電子ゲームのプレイ状況が所定の条件を満たす場合に操作条件が満たされるとNFTオブジェクトを生成したり、所定の電子ゲームがインストールされている場合や電子ゲームのプレイ状況に応じて異なるディジタルオブジェクトのNFTオブジェクトを生成したりするようにしてもよい。具体例としては、ユーザ端末104においてプレイ中又は過去にプレイされた電子ゲームにおいてキャラクタのレベルが所定値未満であれば第1のディジタルオブジェクトのNFTオブジェクトを生成し、キャラクタのレベルが所定値以上であれば第2のディジタルオブジェクトのNFTオブジェクトを生成するようにしてもよい。また、ユーザ端末104においてプレイ中又は過去にプレイされた電子ゲームにおいて所有されているアイテムがあれば当該アイテム以外のアイテムをディジタルオブジェクトとしてNFTオブジェクトを生成し、所有されているアイテムがなければ規定のアイテムをディジタルオブジェクトとしてNFTオブジェクトを生成するようにしてもよい。なお、これらの場合、ディジタルオブジェクトは電子ゲームで使用できるアイテムやキャラクタ等とすることが好適である。
【0044】
ステップS22では、NFTオブジェクトを配布する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ディジタルオブジェクト配布システム100はNFTオブジェクト配布手段として機能する。サーバ102は、ステップS20において生成されたNFTオブジェクトを対象のユーザ端末104の電子ウォレットに関連付けることによってNFTオブジェクトを配布する。
【0045】
ステップS24では、NFTオブジェクトを受け取る処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ディジタルオブジェクト配布システム100はNFTオブジェクト受取手段として機能する。ユーザ端末104は、ステップS22において電子ウォレットに関連付けられたNFTオブジェクトに関する情報を受信する。
【0046】
NFTオブジェクトとして配布されるディジタルオブジェクトは、例えば、バーチャル空間において使用できるアイテム等としてもよい。本実施の形態では、種子34のディジタルオブジェクトをNFTオブジェクトとしてユーザに付与することで、ユーザはユーザ端末104を用いて当該種子34のディジタルオブジェクトをバーチャル空間の花壇に植えることによって花を咲かせることができるような処理を行うようにしてもよい。
【0047】
以上の処理によって、ユーザ端末104を使用するユーザはNFTオブジェクトを取得することができる。ユーザは、電子ウォレットの機能によって所有するNFTオブジェクトを自由に使用したり、取り引きしたりすることができる。
【0048】
なお、NFTオブジェクトとして配布されるディジタルオブジェクトは、例えば、イベント会場において提供されているサービスにおいて使用できるアイテム等としてもよい。具体例として、ディジタルオブジェクトをNFTオブジェクトとして配布しているイベント会場において、複数種のディジタルオブジェクトを集めることによってイベントにおける特典を受けることができるようにしてもよい。また、NFTオブジェクトとして配布されるディジタルオブジェクトは、例えば、景品等に交換できるディジタルクーポン等としてもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、NFTオブジェクトを付与するための操作条件をユーザによるAR画面に対する操作としたがこれに限定されるものではない。例えば、ユーザ端末104のカメラを用いて、ユーザ自身が所定のポーズや動作の撮像を行うことを操作条件としてNFTオブジェクトを付与するようにしてもよい。
【0050】
また、例えば、ユーザ端末104のカメラを用いて移動体106を撮像し、その撮像の条件を操作条件としてNFTオブジェクトを付与するようにしてもよい。具体例として、ユーザ端末104による移動体106の画像内の大きさや移動体106の撮像角度が所定の条件を満たす場合にNFTオブジェクトを付与するようにしてもよい。また、具体例として、ユーザ端末104による移動体106の画像内の大きさや移動体106の撮像角度に応じて異なるディジタルオブジェクトに対するNFTオブジェクトを付与するようにしてもよい。
【0051】
また、例えば、ユーザ端末104と通信可能な操作ツール等の外部機器に対する操作を操作条件としてNFTオブジェクトを付与するようにしてもよい。具体例として、イベント会場等で入手可能な操作ツールやグッズとユーザ端末104とを通信可能とし、当該操作ツールやグッズを使用することを操作条件として、当該操作条件が満たされた場合にNFTオブジェクトを付与するようにしてもよい。
【0052】
また、NFTオブジェクトとして付与するディジタルオブジェクトはNFT(Non-Fungible Token)等の固有のディジタルオブジェクトとしてもよい。例えば、ステップS18においてユーザ端末104を用いてなされた操作内容に応じて固有の映像データや音声データ等のディジタルオブジェクトを自動生成してNFTオブジェクトとしてもよい。例えば、NFTオブジェクトを付与するための操作条件をユーザ自身が所定のポーズを取って撮像を行うこととした場合、撮像された画像におけるユーザのポーズに応じて固有の画像データを自動生成してNFTオブジェクトとして付与するようにしてもよい。固有の画像データは、例えば、アニメやゲームの人気キャラクタがユーザのポーズと同じポーズを取った画像等とすることができる。このような固有のディジタルオブジェクトは取引上の付加価値が高くなる可能性があり、ユーザがディジタルオブジェクト配布システム100を利用する動機付けを高めることができる。
【0053】
また、ユーザ端末104に代えて、イベント会場等に配置した会場設置端末を用いるようにしてもよい。この場合、当該会場設置端末をユーザが操作することによって、操作条件が満たされる場合にNFTオブジェクトを付与するようにすればよい。
【0054】
また、本実施の形態では、サーバ102及びユーザ端末104をそれぞれ1台の装置によって実現する例を示したが、これに限定されるものではなく、サーバ102及びユーザ端末104を複数台のコンピュータによって分散的に処理する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 処理部、12 記憶部、14 入力部、16 出力部、18 通信部、20 処理部、22 記憶部、24 入力部、26 出力部、28 通信部、30 コード、32 気球、34 種子、100 ディジタルオブジェクト配布システム、102 サーバ、104 ユーザ端末、106 移動体、108 情報通信網、200 AR画像。
図1
図2
図3
図4
図5
図6