(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083057
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20230608BHJP
A47L 15/24 20060101ALI20230608BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
A47L15/42 G
A47L15/24
B08B3/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197160
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000116699
【氏名又は名称】株式会社アイホー
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】仙波 寛之
【テーマコード(参考)】
3B082
3B201
【Fターム(参考)】
3B082AA01
3B082AA03
3B082BG01
3B082BG05
3B201AA46
3B201AB14
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB72
3B201BB82
3B201BB92
3B201CB15
3B201CC01
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】被洗浄物から洗い流されたごみを容易且つ適正に回収可能な洗浄装置を提供すること。
【解決手段】洗浄装置1は、被洗浄物である被洗浄物Pを洗浄水で洗浄する第1洗浄部11と、第1洗浄部11に設けられる回収部30と、を備えて、回収部30は、洗浄によって被洗浄物から洗い流されたごみを回収し、洗浄水が通過可能な貫通孔33が設けられたフィルタ31を有し、フィルタ31は、洗浄装置1の設置姿勢における鉛直方向の下方に向けて窪む溝部34がフィルタ31の一部に設けられ、溝部34の溝底35には、ごみを吸引する吸引口36が設けられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄水で洗浄する洗浄部と、前記洗浄部に設けられる回収部と、を備えた洗浄装置であって、
前記回収部は、
前記洗浄によって前記被洗浄物から洗い流されたごみを回収し、
前記洗浄水が通過可能な貫通孔が設けられたフィルタを有し、
前記フィルタは、
当該洗浄装置の設置姿勢における鉛直方向の下方に向けて窪む溝部が当該フィルタの一部に設けられ、
前記溝部の溝底には、前記ごみを吸引する吸引口が設けられる、
洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記洗浄部は、
前記貫通孔を通過した前記洗浄水を回収且つ貯留可能な洗浄槽を更に有し、
前記吸引口は、
前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄水の中に水没するように配置される、
洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の洗浄装置において、
前記溝部は、
前記溝底の底面が、前記洗浄水を通過させない板状部材で構成され、
前記底面には、前記吸引口が設けられる、
洗浄装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の洗浄装置において、
前記回収部は、
前記吸引口から吸引された前記ごみを回収する回収籠と、
前記回収籠にごみを吸引する吐出機構と、を更に備える、
洗浄装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の洗浄装置において、
前記フィルタは、
前記溝底の底面を除く他の箇所にメッシュ構造を有している、
洗浄装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の洗浄装置において、
前記被洗浄物を搬送方向に搬送しながら複数の前記洗浄部で洗浄を行い、
前記回収部は、
前記複数の前記洗浄部のうち最初の前記洗浄部に設けられている、
洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物を洗浄水で洗浄する洗浄部と、前記洗浄部に設けられる回収部と、を備えた洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、皿やトレイ等の食器類やホテルパン等の調理器具(以下、「被洗浄物」と総称する。)を搬送しながら洗浄する洗浄装置が提案されている。例えば、従来の洗浄装置の一つは、搬送方向に延びるコンベヤ上に調理等に使用した後の被洗浄物を並べるように配置し、コンベヤと共に被洗浄物を連続的に搬送しながら被洗浄物に向けて洗浄水や蒸気を噴き付けることで、被洗浄物を洗浄するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の洗浄装置では、洗浄部で使用した洗浄水を、循環させて再度洗浄水として利用するものがある。このため、従来の洗浄装置は、洗浄に使用した洗浄水から、被洗浄物から洗い流された残菜等のごみを取り除くべくフィルタ(いわゆるストレーナ等)を備えている。フィルタは、一般に、パンチ穴のような貫通孔が設けられて、洗浄水を貫通孔に通過させるとともにフィルタ上にてごみを回収する、いわゆる篩のような役割を果たしている。
【0005】
しかしながら、従来の洗浄装置は、被洗浄物から洗い流された残菜等のごみがすり胡麻やひじき等の細かなものであるとき、洗浄水の良好な循環を優先して貫通孔の開口面積を大きくすると、ごみが貫通孔を通過してしまい適正に取り除けていなかった。また、すり胡麻やひじき等が通過しない程度に貫通孔の開口面積を小さくすると、目詰まりを起こしやすく、洗浄水が洗浄槽へ戻らずに溢れてしまい、適切に循環を行うことができなかった。つまり、従来の洗浄装置には、洗浄水の適切な循環の維持の他、被洗浄物から洗い流された残菜等のごみの回収や、ごみの回収の精度の観点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、被洗浄物から洗い流されたごみを容易且つ適正に回収可能な洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る洗浄装置は、下記[1]~[6]を特徴としている。
[1]
被洗浄物を洗浄水で洗浄する洗浄部と、前記洗浄部に設けられる回収部と、を備えた洗浄装置であって、
前記回収部は、
前記洗浄によって前記被洗浄物から洗い流されたごみを回収し、
前記洗浄水が通過可能な貫通孔が設けられたフィルタを有し、
前記フィルタは、
当該洗浄装置の設置姿勢における鉛直方向の下方に向けて窪む溝部が当該フィルタの一部に設けられ、
前記溝部の溝底には、前記ごみを吸引する吸引口が設けられる、
洗浄装置であること。
[2]
上記[1]に記載の洗浄装置において、
前記洗浄部は、
前記貫通孔を通過した前記洗浄水を回収且つ貯留可能な洗浄槽を更に有し、
前記吸引口は、
前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄水の中に水没するように配置される、
洗浄装置であること。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の洗浄装置において、
前記溝部は、
前記溝底の底面が、前記洗浄水を通過させない板状部材で構成され、
前記底面には、前記吸引口が設けられる、
洗浄装置であること。
[4]
上記[1]から上記[3]の何れか一つに記載の洗浄装置において、
前記回収部は、
前記吸引口から吸引された前記ごみを回収する回収籠と、
前記回収籠にごみを吸引する吐出機構と、を更に備える、
洗浄装置であること。
[5]
上記[1]から上記[4]の何れか一つに記載の洗浄装置において、
前記フィルタは、
前記溝底の底面を除く他の箇所にメッシュ構造を有している、
洗浄装置であること。
[6]
上記[1]から上記[5]の何れか一つに記載の洗浄装置において、
前記被洗浄物を搬送方向に搬送しながら複数の前記洗浄部で洗浄を行い、
前記回収部は、
前記複数の前記洗浄部のうち最初の前記洗浄部に設けられている、
洗浄装置であること。
【0008】
上記[1]の構成の洗浄装置によれば、回収部は、洗浄部による洗浄によって被洗浄物から洗い流されたごみ(いわゆる残菜等)を回収するとともに、この洗浄水が通過可能な貫通孔が設けられたフィルタを有している。洗浄装置の設置姿勢における鉛直方向の下方に向けて窪む溝部が当該フィルタの一部に設けられている。これにより、洗浄水は、フィルタの溝部以外の箇所において、貫通孔を通過する流れと、貫通孔を通過せずフィルタ平面上を溝部に向かう流れとの2種類の流れが生じる。溝部に向かう洗浄水の流れは、被洗浄物から洗い流されたごみをフィルタの溝部以外の箇所から溝部に運ぶ(集める)役割を果たす。溝部に集められたごみは、溝部の溝底に設けられた吸引口から吸引される。この結果、本構成の洗浄装置は、フィルタ上にごみを容易且つ適正に回収でき、フィルタの目詰まりにより洗浄水が溢れることなくスムーズに循環を維持することができる。
【0009】
上記[2]の構成の洗浄装置によれば、吸引口は、回収部が有する貫通孔を通過した洗浄水を回収且つ貯留可能な洗浄槽内に貯留された前記洗浄水の中に水没するように配置される。これにより、本構成の洗浄装置は、溝部に向かって流入した洗浄水と、溝部に集められたごみと、を溝部内の洗浄水と混合させながら、吸引口からスムーズに排出させるため、溝部にごみが残りにくい。
【0010】
上記[3]の構成の洗浄装置によれば、溝部は、吸引口が設けられる溝底の底面が、洗浄水を通過させない板状部材によって構成されている。これにより、本構成の洗浄装置は、溝部に集められたごみを確実に吸引口へ向かわせることができる。換言すると、本構成の洗浄装置は、上記構成により、溝部に集められたごみを、溝部内に留めることなく吸引口から吸引できる。
【0011】
上記[4]の構成の洗浄装置によれば、吸引口から吸引されたごみを回収する回収籠を備えている。例えば、洗浄装置の筐体外部に回収籠を配置すれば、回収したごみの処理が容易となる。更に、本構成の洗浄装置は、回収籠にごみを吐出する吐出機構を備えている。例えば、吐出機構として負圧を発生させる機器等を用いれば、吐出専用のポンプを設けることなく、配管内を通過する洗浄水の水流や水圧を利用して負圧を発生させることができる(
図2参照)。このように、本構成の洗浄装置は、容易且つ効率的にごみを回収できる。
【0012】
上記[5]の構成の洗浄装置によれば、フィルタは、溝底の底面を除く他の箇所に、貫通孔を画成するメッシュ構造を有している。ところで、洗浄装置がメッシュ構造を有していない(即ち、パンチ穴のような貫通孔である)場合、被洗浄物から洗い流されたごみが例えばすり胡麻やひじき等の細かなものであると、貫通孔の開口面積がそれらごみに比べて大きいため、貫通孔を通過してしまい適正に取り除けない。一方、洗浄装置が単にメッシュ構造を有しているだけでは、上述したような細かな(小さな)ごみを捕集することはできるが、貫通孔にごみが詰まるおそれがある。しかしながら、本構成の洗浄装置では、上述したように、フィルタに溝部を設けることによって、溝部に向かう洗浄水の流れを生じさせて、溝部に向かう洗浄水の流れに細かなごみを混合させることができる。これにより、本構成の洗浄装置は、貫通孔にごみを詰まらせることなく容易に回収できる。
【0013】
上記[6]の構成の洗浄装置によれば、被洗浄物を搬送方向に搬送しながら複数の洗浄部で洗浄が行われる。そして、回収部は、複数の洗浄部のうち最初の洗浄部に設けられている。ここで、上述した従来の洗浄装置では、洗浄で使用した洗浄水を回収するとともに、循環させて再度洗浄水として利用している。このような従来の洗浄装置においては、回収した洗浄水にごみが混在されていると、その後の洗浄時にごみが混在した洗浄水を使用することになり、洗浄装置として期待する効果が得られないおそれがある。しかしながら、本構成の洗浄装置は、上記構成により、最初の段階の洗浄でごみを適正に回収できるため、最初の段階だけでなく次の段階の洗浄水の汚染(洗浄水へのごみの混入等)、ひいては洗浄槽の汚染(洗浄槽へのごみの混入等)を抑制できる。なお、最初の洗浄部とは、搬送方向の最も上流側に配置されている洗浄部を指す。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、被洗浄物から洗い流されたごみを容易且つ適正に回収可能な洗浄装置を提供できる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る洗浄装置の内部構造を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る洗浄装置1について説明する。
図1に示すように、洗浄装置1は、被洗浄物Pをコンベヤ20(搬送部)で搬送しながら、洗浄水で洗浄する装置である。
【0018】
<洗浄装置1の全体構成>
洗浄装置1は、被洗浄物Pを荒洗浄する第1洗浄部11と、第1洗浄部11で洗浄された被洗浄物Pを洗浄する第2洗浄部12と、第2洗浄部12で洗浄された被洗浄物Pをすすぎ洗浄する第3洗浄部13と、を備えている。第1洗浄部11、第2洗浄部12、及び第3洗浄部13は、コンベヤ20で被洗浄物Pが搬送される搬送方向(
図1の矢印Y1参照)に沿って、洗浄装置1の入口2から順に配置されている。洗浄装置1によって洗浄される被洗浄物Pとして、皿やトレイ等の食器類やホテルパン等の調理器具が想定され得る。
【0019】
コンベヤ20は、被洗浄物Pが搬入される洗浄装置1の入口2から、被洗浄物Pが搬出される出口3に向かって、被洗浄物Pを搬送する装置である。洗浄装置1には、洗浄装置1の筐体外壁(図示省略)に設けた入口2から投入された被洗浄物Pを洗浄しながら、洗浄された被洗浄物Pを洗浄装置1の筐体外壁に設けた出口3から排出されるまで搬送する搬送通路4が形成されている。搬送通路4は、上述した第1洗浄部11から第3洗浄部13まで連続して被洗浄物Pを通過させる通路である。
【0020】
コンベヤ20は、洗浄装置1(具体的には搬送通路4)の入口2から出口3まで、被洗浄物Pを載置しながら移動するチェーンベルト21と、チェーンベルト21が巻き付いた従動ローラ22および駆動ローラ23と、を備えている。駆動ローラ23は、駆動ベルト(図示省略)を介して駆動モータ(図示省略)に連結されている。
【0021】
このように構成することで、駆動モータを駆動すると、駆動ベルトを介して駆動ローラ23が回転し、駆動ローラ23に巻き付いたチェーンベルト21が、従動ローラ22を回転させながら、搬送通路4内を移動する。これにより、第1洗浄部11から第3洗浄部13の搬送通路4内において、チェーンベルト21に載置された被洗浄物Pを搬送することができる。なお、被洗浄物Pは、食器カゴを用いて洗浄されてもよい。
【0022】
第1洗浄部11は、洗浄装置1の入口2からコンベヤ20で搬送された、被洗浄物Pに付着した残菜等のごみRを洗浄水で洗い流すべく、被洗浄物Pを荒洗浄するセクションである。第1洗浄部11は、コンベヤ20で搬送された被洗浄物Pに洗浄水を吹き付ける洗浄ノズル61を備えている。
【0023】
なお、本実施形態では、洗浄装置1に、第1洗浄部11を1つ設けているが、コンベヤ20の搬送方向に沿って、第1洗浄部11を複数設けてもよい。
【0024】
洗浄ノズル61としては、例えば、被洗浄物Pの上側及び下側から洗浄水を吹き付ける上側洗浄ノズルと下側洗浄ノズルとから構成されていてもよい。この場合、上側洗浄ノズルは、被洗浄物Pを搬送する搬送領域の上方に配設され、洗浄水を被洗浄物Pに向けて下方に噴射するように配置される。一方、下側洗浄ノズルは、被洗浄物Pが移動する搬送領域の下方に配設され、洗浄水を被洗浄物Pに向けて上方に噴射するように配置される。本実施形態では、洗浄ノズル61の噴射口(図示省略)からカーテン状の洗浄水が噴射される。
【0025】
第1洗浄部11は、洗浄ノズル61から放出した洗浄水を回収し、回収した洗浄水を貯留する洗浄槽38を更に備えている。そして、本実施形態に係る洗浄装置1では、第1洗浄部11に、洗浄ノズル61から放出した洗浄水及び被洗浄物Pから洗い流されたごみRを回収する回収部30が設けられている。回収部30は、被洗浄物Pから洗い流されたごみRを回収するフィルタ31を洗浄ノズル61の下方に備えている。
【0026】
洗浄開始時に洗浄槽38に洗浄水(水)を供給する際には、例えば後述する第3洗浄部13の洗浄槽47から第2洗浄部12の洗浄槽47を経由して、第1洗浄部11に洗浄水(水)を供給してもよく、各洗浄槽47に上水を供給してもよい。
【0027】
本実施形態では、第1洗浄部11は、以下に示す吸引式のごみRを回収する装置を備えている。具体的には、
図1~
図2及び
図4に示すように、洗浄ノズル61と洗浄槽38との間にフィルタ31(いわゆるストレーナ)が配置されている。フィルタ31は、洗浄槽38の上部開口を塞ぐように洗浄槽38に取り付けられている。
【0028】
図5に示すように、フィルタ31には、平板状の本体部32の一部が下方に向けて窪む溝部34が設けられている。溝部34は、溝底35に板状部材から構成される底面35aを有している。溝底35の底面35aには、被洗浄物Pから洗い流されたごみRを吸引する吸引口36が設けられている。吸引口36は、洗浄槽38内に貯留された洗浄水の中に水没するように配置される。換言すると、溝部34には洗浄水が浸水している。
【0029】
図4に示すように、溝部34内の洗浄水の水位WSは、洗浄槽38の水位WSに等しい。溝部34内の水位WSは、後述するように、吐出機構42にて負圧を発生させてごみRを吸引口36から吸引できる高さであることが好ましい。例えば、水位WSが高すぎてしまうと、溝部34に集められたごみRが吸引口36から離れた位置(吸引力が及ばない位置)にまで流れ広がって滞留したり浮遊したりしてしまうため、ごみRを適正に回収し難い。反対に、水位WSが低すぎてしまうと、吸引口36の周辺の洗浄水が吸い尽くされる場合があり、吐出機構42で生じる負圧を安定的に吸引口36に及ぼしにくくなる。これにより、吸引口36から安定的に(継続的に)ごみRを吸引させ難い。このため、溝部34内の水位WSは、ごみRを吸引できるように適宜設定される。
【0030】
更に、フィルタ31には、本体部32の表面と底面35aとを繋ぐように傾斜面37が形成されている。傾斜面37は、溝部34の内壁面であり、本体部32から溝底35に向けて下るように傾斜している。
【0031】
フィルタ31は、底面35aを除く他の箇所にメッシュ構造を有し(即ち、複数の金属の線材が織り込まれて成るメッシュ加工が施され)、メッシュ構造によって洗浄水が通過可能な貫通孔33が画成されている。具体的には、メッシュ構造の網目部分が貫通孔33の役割を果たしている。貫通孔33の開口面積の大きさは、メッシュの大きさによって決定される。メッシュの大きさは、1インチあたりの線材の数が20本以上50本以下であることが好ましく、更には線材の線径が0.18mm以上0.5mm以下であることが好ましい。しかしながら、メッシュの大きさ(即ち、貫通孔33の開口面積)は、すり胡麻やひじき等の細かなごみR(即ち、残菜)が、貫通孔33を通過しない大きさであれば、これに限定されるものではない。
【0032】
溝底35の底面35aは、洗浄水を通過させない板状部材によって構成されている。つまり、フィルタ31は、上述したように、底面35aにメッシュ構造(即ち、貫通孔33)を有していない。これにより、後述するごみRの回収時において、被洗浄物Pから洗い流されたごみRを吸引口36に集めやすくなる。なお、板状部材は平面に限定されるものではない。
【0033】
本実施形態では、第1洗浄部11の洗浄槽38は、一定の設定温度で洗浄水を加熱する加熱装置が設けられていてもよい。
【0034】
更に、本実施形態では、第1洗浄部11は、洗浄槽38に貯留された洗浄水を洗浄ノズル61に圧送する圧送ポンプ41を備えている。これにより、第1洗浄部11で、被洗浄物Pに洗浄水を吹き付けるとともに、吹き付けた洗浄水を洗浄槽38で回収し、回収した洗浄水を、被洗浄物Pに再度吹き付け、洗浄水を再利用することができる。
【0035】
更に、回収部30には、負圧を発生させる吐出機構42と、溝部34に集められたごみRを吸引する吸引管43と、圧送ポンプ41の下流側の配管48と吐出機構42との間に配置されて双方と接続される吐出配管44と、が設けられている。吸引管43は、フィルタ31と吐出機構42との間に配置されて双方と接続される。負圧の発生方法については後述する。
【0036】
更に、回収部30は、洗浄装置1の筐体(図示省略)外部に、吸引口36から吸引されたごみRを回収する回収籠39aを備えている。回収籠39aは、フィルタ31と同様のメッシュ構造(貫通孔33)を有し、フィルタ31から吸引されたごみRが吐出機構42を介して洗浄水とともに排出(吐出)される。
図2に示すように、回収籠39aは、洗浄水が貯留されるごみ回収槽39内に収容されている。本実施形態では、ごみ回収槽39は、回収籠39aと同様に、洗浄装置1の筐体外部に配置されている。
【0037】
更に、回収部30には、回収したごみRを検知する電極式またはフロート式の検知部39bが設けられている。検知部39bは、回収部30に設けた蓋部39cの内面から回収籠39aの内側に向け、下方に吊り下げるように配置されている。そして、検知部39bは、回収籠39a内の水位の上昇、またはごみRの堆積を所定の高さで検知することが可能となり、回収籠39a内にごみRが堆積し、ごみRが溢れる前に回収籠39aの交換を報知するよう制御することができる。その際、第1洗浄部11の圧送ポンプ41を停止するよう制御することで、回収籠39aの交換作業をより安全に行うことができる。
【0038】
更に、回収部30には、吸引されたごみRを回収籠39aに排出する排出管46と、ごみ回収槽39に貯留された洗浄水を洗浄槽38に送るための戻り配管45と、が設けられている。排出管46は、回収籠39aと吐出機構42との間に配置され、戻り配管45は、洗浄槽38とごみ回収槽39との間に配置される。
【0039】
第2洗浄部12は、第1洗浄部11からコンベヤ20で搬送された、被洗浄物Pに付着した汚れを洗浄水で洗い流すべく、被洗浄物Pを洗浄するセクションである。第2洗浄部12は、第1洗浄部11と同様に、コンベヤ20で搬送された被洗浄物Pに洗浄水を吹き付ける洗浄ノズル61を備えている。これらの構成については、第1洗浄部11のものと同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0040】
第2洗浄部12は、洗浄ノズル61から放出した洗浄水を回収し、回収した洗浄水を貯留する洗浄槽47を、洗浄ノズル61の下方に備えている。洗浄開始時に洗浄槽47に洗浄水(水)を供給する際には、例えば後述する第3洗浄部13の洗浄槽47から第2洗浄部12の洗浄槽47に洗浄水(水)を供給してもよく、第3洗浄部13の洗浄槽47に上水を供給してもよい。
【0041】
洗浄槽47には、貯留された洗浄水に洗剤を供給する複数の洗剤供給装置(図示省略)と、貯留された洗浄水を電気や蒸気などによって加熱する加熱装置(図示省略)が配置される。なお、洗浄槽47には、少なくとも使用される洗剤・漂白剤の種類に応じた数の洗剤供給装置が設けられる。
【0042】
更に、洗浄槽47には、貯留された洗浄水の温度を測定する温度測定装置(図示省略)と、洗浄槽47に貯留された洗浄水に含まれる洗剤の濃度を測定する濃度測定装置(図示省略)とが配置されてもよい。更に、これらの装置を用いた洗浄水の温度の制御、及び、洗浄水に含有する洗剤の濃度の制御を行う制御装置(コントロールユニット)が設けられてもよい。更に、本実施形態では、洗浄装置1に、第2洗浄部12を1つ設けているが、コンベヤ20の搬送方向に沿って、第2洗浄部12を複数設けてもよい。
【0043】
更に、本実施形態では、第2洗浄部12は、洗浄槽47に貯留された洗浄水を洗浄ノズル61に圧送する圧送ポンプ41を備えている。これにより、洗剤を添加した洗浄水を被洗浄物Pに吹き付けるとともに、吹き付けた洗浄水を洗浄槽47に回収し、回収した洗浄水を、コンベヤ20で順次搬送される被洗浄物Pに吹き付けることができる。本実施形態では、第2洗浄部12に圧送ポンプ41を設けて、洗浄ノズル61に洗浄水を圧送するように、接続管を介して圧送ポンプ41と、洗浄ノズル61が接続されている。
【0044】
第3洗浄部13は、第2洗浄部12からコンベヤ20で搬送された、洗剤洗浄後の被洗浄物Pに付着した洗剤等をすすぎ用の洗浄水で洗い流すべく、被洗浄物Pをすすぎ洗浄するセクションである。更に、第3洗浄部13は、すすぎ洗浄後の被洗浄物Pに付着した洗浄水を上水である洗浄水で洗い流すべく、被洗浄物Pを仕上げ洗浄するセクションでもある。
【0045】
第3洗浄部13は、洗浄ノズル61から放出した洗浄水を回収し、回収した洗浄水を貯留する洗浄槽47を、洗浄ノズル61の下方に備えている。更に、第3洗浄部13は、洗浄槽47に貯留された洗浄水を洗浄ノズル61に圧送する圧送ポンプ41を備えている。なお、洗浄槽47で回収された洗浄水は再利用される。
【0046】
第3洗浄部13の洗浄槽47には、貯留された洗浄水を加熱する加熱装置(図示省略)と、貯留された洗浄水の温度を測定する温度測定装置(図示省略)と、が配置される。更に、これらの装置を用いた洗浄水の温度の制御を行う制御装置(コントロールユニット)が設けられてもよい。更に、本実施形態では、洗浄装置1に、第3洗浄部13を1つ設けているが、コンベヤ20の搬送方向に沿って、第3洗浄部13を複数設けてもよい。
【0047】
<洗浄装置1のごみR回収方法>
本実施形態では、被洗浄物Pを搬送方向に搬送しながら複数段階の洗浄が行われる。ここでは、最初の段階の洗浄を行う第1洗浄部11におけるごみRの回収について説明する。
図4に示すように、洗浄ノズル61から被洗浄物Pに向けてカーテン状に噴射された洗浄水は、被洗浄物Pに吹き付けられ、そして回収部30に向けて流れ落ちる(
図4の矢印Y6参照)。
【0048】
回収部30に向けて流れ落ちた洗浄水は、フィルタ31の貫通孔33を通過して洗浄槽38に向かう流れ(
図4の矢印Y8参照)と、本体部32上を通り溝部34に向かう流れ(
図4の矢印Y4参照)と、の2種類の流れが生じる。また、回収部30に向けて流れ落ちる洗浄水には、被洗浄物Pから洗い流された残菜等のごみRが混在している。つまり、フィルタ31が底面35aを除く他の箇所にメッシュ構造を有している(即ち、すり胡麻やひじき等の細かなごみRが貫通孔33を通過しないように構成されている)ことから、ごみRは、溝部34に向かう洗浄水の流れによって本体部32から溝部34に集められる。
【0049】
ここで、本体部32上を流れる洗浄水は、広がるように流れて回収部30外へ流れてしまうこともある。このため、回収部30には、
図3に示すように、ガイド部50が設けられている。ガイド部50は、本体部32上を流れる洗浄水の上流側から下流側に向けて(紙面の上下方向に)延びる支持部51と、本体部32上を流れる洗浄水を溝部34に案内するフィン52と、が一体に構成されている。これにより、洗浄水が回収部30外に向かって流れたとしても、ガイド部50によって、本体部32上に案内されるとともに、特に溝部34に向けて案内される(
図3の矢印Y4参照)。
【0050】
上述したように、洗浄水に被洗浄物Pから洗い流されたごみRが混在していても、回収部30は、フィルタ31でごみRを回収し、洗浄水からごみRを分離し、ごみRを分離した洗浄水を洗浄槽38に回収・貯留することができる。
【0051】
溝部34に集められたごみRは、吐出機構42から負圧を発生させて吸引口36から吸引される。具体的には、圧送ポンプ41から吐出配管44に向けて洗浄水が圧送されて、洗浄水が吐出機構42に到達すると、吐出機構42によって圧送ポンプ41から圧送された洗浄水の水流を利用して吸引管43に負圧を発生させる。ここで、
図2に示すように、吐出配管44の吐出機構42側の端部の開口が窄められている。これは、流速を早めて圧力を下げる効果(ベルヌイの定理)によって、より強力な負圧を生じさせるためである。このようにして、負圧が発生させられると、溝部34内に浸水した洗浄水及びごみRは同時に吸引される。吸引された洗浄水及びごみRは、排出管46にて圧送ポンプ41から圧送された洗浄水と合流して、回収籠39aに排出される(
図2の矢印Y2参照)。このようにして、本実施形態では、ごみRが回収される。
【0052】
また、本実施形態では、回収籠39aは、ごみ回収槽39から取り外せるように構成されている。つまり、ごみ回収槽39から回収籠39aを取り外すことで、回収されたごみRを容易に処理できる。なお、ごみRの処理時には、排出管46に設けられたバルブ46aを閉じることによって、排出管46から回収籠39aへの洗浄水及びごみRの排出を止めることができる。このようにして、本実施形態では、回収したごみRが処理される。
【0053】
ところで、ごみ回収槽39(回収籠39a)には、ごみRと同時に洗浄水が排出されるため、ごみRの回収にあわせて洗浄水が貯留されていく。このとき、回収したごみRがご飯やひじき等の場合は、メッシュの大きさより充分に大きく、かつ回収籠39a内に沈殿するため、沈殿堆積するように底面から徐々に堆積高さが高くなる。堆積高さが充分に高くなると、回収籠39aからメッシュを通る洗浄水の量も減り回収籠39a内で高くなった水位か、又は堆積したご飯やひじき自体が検知部39bに検知され、作業者により回収籠39aが交換される。
【0054】
一方、すり胡麻など細かなごみの場合、排出管46からの流入、戻り配管45への流出による水流によって回収籠39a内全体を乱流とともに漂い、浮遊堆積や、メッシュ面に張り付くなど様々な形態で滞留する。滞留の量が多くなると、浮遊堆積の量と共にメッシュ面を塞ぐ量も多くなり、回収籠39aのメッシュを通過する量が減ってくる。そうすると回収籠39a内の水位が徐々に上昇し、検知部39bにより検知され、作業者により回収籠39aが交換される。このように検知部39bを備えることによって、洗浄水を含んだごみRが回収籠39aから溢れるのを防ぐことができる。
【0055】
なお、本実施例では、洗浄装置1による食器洗浄を終了する際、第1洗浄部11の回収部30内の配管に残ったごみRを回収する回収工程を備えるようにしてもよい。回収工程は、圧送ポンプ41の駆動と停止を複数回繰り返すことで、フィルタ31上に残留したごみRと、吸引管43内に残留したごみRを回収籠39aに回収することができる。例えば、フィルタ31上に残ったごみRを作業者が溝部34に寄せ集めて吸引管43から回収させる作用を繰り返すことで回収してもよいし、圧送ポンプ41を停止すると、配管48や洗浄ノズル61内に残留した洗浄水が洗浄槽38に戻り洗浄槽38の水位が上昇するが、そのときフィルタ31の底面が浸るように設定していれば、フィルタ31上のごみRが上昇した水位により浮遊し、次の圧送ポンプ始動時に溝部34から回収されるため、この作用を繰り返すことで回収するようにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、ごみ回収槽39に貯留された洗浄水をも再利用すべく、戻り配管45が設けられている。具体的には、洗浄槽38とごみ回収槽39とが戻り配管45によって接続されているため、洗浄槽38の水位WSとごみ回収槽39の水位WSが等しい高さに保たれる(パスカルの原理)。
【0057】
つまり、ごみRの回収にあわせて洗浄槽38からごみ回収槽39に洗浄水が排出されるが、ごみ回収槽39に排出された量と同量の洗浄水が戻り配管45を介してごみ回収槽39から洗浄槽38に送られる(
図2の矢印Y3及び
図3の矢印Y3参照)。このようにして、本実施形態では、ごみ回収槽39に貯留された洗浄水も再利用される。
【0058】
<作用・効果>
本実施形態に係る洗浄装置1によれば、フィルタ31に溝部34を設けることによって、フィルタ31(本体部32)上の洗浄水の流れの種類を増やすことができる。具体的には、従来の洗浄装置では、洗浄水の流れとしては、フィルタ31の貫通孔33を通過して洗浄槽38に向かう流れ(
図4の矢印Y8参照)のみであった。このため、被洗浄物Pから洗い流されたごみRは、本体部32上に留まってしまう。しかしながら、本実施形態では、本体部32に溝部34が設けられることによって、溝部34に向かう洗浄水の流れ(
図4の矢印Y4参照)を生じさせることができる。これにより、ごみRをフィルタ31(本体部32)上から溝部34に集めることができる。
【0059】
加えて、フィルタ31は、溝部34に傾斜面37を有している。これにより、溝部34に向けた洗浄水の流れを適正に生じさせることができ、ごみRをより確実に溝部34に集めることができる。
【0060】
更に、本実施形態に係る洗浄装置1によれば、吸引口36が洗浄槽38内に貯留された洗浄水の中に水没するように配置される。これにより、溝部34に向かって流入した洗浄水と、溝部34に集められたごみRと、を溝部34内の洗浄水と混合させながら、吸引口36からスムーズに排出させるため、溝部34にごみが残りにくい。
【0061】
更に、本実施形態に係る洗浄装置1によれば、溝底35の底面35aが、洗浄水を通過させない板状部材によって構成されている。これにより、ごみRを吸引する際に、溝部34に集められたごみRを吸引口36に適正に集めることができる。
【0062】
更に、本実施形態に係る洗浄装置1によれば、溝部34に集められたごみRを吐出機構42によって吸引し、吸引したごみRを回収籠39aに排出(吐出)するように構成されている。これにより、簡易的な構造でありながら容易且つ効率的にごみを回収できる。
【0063】
更に、本実施形態に係る洗浄装置1によれば、フィルタ31は、溝底35の底面35aを除く他の箇所に、貫通孔33を画成するメッシュ構造を有している。これにより、被洗浄物Pから洗い流されたごみRが、例えばすり胡麻やひじき等の細かなものであったとしても、貫通孔33にごみRを詰まらせることなく、ひいては洗浄槽38にごみを混在させることなく容易に回収できる。
【0064】
更に、本実施形態に係る洗浄装置1によれば、被洗浄物Pを搬送方向に搬送しながら複数段階の洗浄を行い、第1洗浄部11が複数段階の洗浄のうち最初の段階の洗浄を行う。これにより、最初の段階の洗浄でごみRを適正に回収し、被洗浄物Pへの再付着を防止できるため、第1洗浄部11の洗浄槽38内の洗浄水の汚染(洗浄水へのごみの混入等)を抑制するだけでなく、被洗浄物PにごみRが再付着することにより、次の段階である第2洗浄部12や第3洗浄部13へごみRが運ばれ、第2洗浄部12や第3洗浄部の洗浄槽47にごみRが混入して汚染することを抑制できる。
【0065】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0066】
例えば、本実施形態では、本体部32と溝部34とが一体に構成されているが、別体に構成されていてもよい。別体とすることで、洗浄装置1からフィルタ31の本体部32のみを取り外して容易に清掃ができ、想定される洗い流されるごみRに応じて本体部32の網目(即ち、貫通孔33の開口面積)の大きさを変更できる。なお、洗い流されるごみRは、例えば、食事のメニュー等によって被洗浄物Pに付着し得る残菜が想定される。
【0067】
例えば、本実施形態では、本体部32は水平方向に平行になるように構成されているが、溝部34に向けて傾斜するように構成されていてもよい。
【0068】
例えば、本実施形態では、吐出機構42の機能として、負圧を発生させて溝部34内のごみRを吸引しているが、ごみRを吸引できればこれに限られるものではない。
【0069】
例えば、本実施形態では、回収部30にガイド部50が設けられているが、ガイド部50は設けられていなくてもよい。
【0070】
ここで、上述した本発明に係る洗浄装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
被洗浄物(P)を洗浄水で洗浄する洗浄部(第1洗浄部11)と、前記洗浄部に設けられる回収部(30)と、を備えた洗浄装置(1)であって、
前記回収部(30)は、
前記洗浄によって前記被洗浄物から洗い流されたごみ(R)を回収し、
前記洗浄水が通過可能な貫通孔(33)が設けられたフィルタ(31)を有し、
前記フィルタ(31)は、
当該洗浄装置(1)の設置姿勢における鉛直方向の下方に向けて窪む溝部(34)が当該フィルタ(31)の一部に設けられ、
前記溝部の溝底(35)には、前記ごみを吸引する吸引口(36)が設けられる、
洗浄装置(1)。
[2]
上記[1]に記載の洗浄装置(1)において、
前記洗浄部は、
前記貫通孔(33)を通過した前記洗浄水を回収且つ貯留可能な洗浄槽(38)を更に有し、
前記吸引口(36)は、
前記洗浄槽(38)内に貯留された前記洗浄水の中に水没するように配置される、
洗浄装置(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の洗浄装置(1)において、
前記溝部(34)は、
前記溝底(35)の底面(35a)が、前記洗浄水を通過させない板状部材で構成され、
前記底面(35a)には、前記吸引口(36)が設けられる、
洗浄装置(1)。
[4]
上記[1]から上記[3]の何れか一つに記載の洗浄装置(1)において、
前記回収部(30)は、
前記吸引口(36)から吸引された前記ごみを回収する回収籠(39a)と、
前記回収籠(39a)にごみを吸引する吐出機構と、を更に備える、
洗浄装置(1)。
[5]
上記[1]から上記[4]の何れか一つに記載の洗浄装置(1)において、
前記フィルタ(31)は、
前記溝底(35)の底面(35a)を除く他の箇所にメッシュ構造を有している、
洗浄装置(1)。
[6]
上記[1]から上記[5]の何れか一つに記載の洗浄装置(1)において、
前記被洗浄物(P)を搬送方向に搬送しながら複数の前記洗浄部で洗浄を行い、
前記回収部(30)は、
前記複数の前記洗浄部のうち最初の前記洗浄部に設けられている、
洗浄装置(1)。
【符号の説明】
【0071】
1 洗浄装置
11 第1洗浄部
12 第2洗浄部
13 第3洗浄部
20 コンベヤ
30 回収部
31 フィルタ
32 本体部
33 貫通孔
34 溝部
35 溝底
35a 底面
36 吸引口
38 洗浄槽
39 回収槽
39a 回収籠
39b 検知部
39c 蓋部
41 圧送ポンプ
42 吐出機構
50 ガイド部
51 支持部
52 フィン
61 洗浄ノズル
P 被洗浄物
R ごみ
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄水で洗浄する洗浄部と、前記洗浄部に設けられる回収部と、を備えた洗浄装置であって、
前記回収部は、
前記洗浄によって前記被洗浄物から洗い流されたごみを回収し、
前記洗浄水が通過可能な貫通孔が設けられたフィルタを有し、
前記フィルタは、
当該洗浄装置の設置姿勢における鉛直方向の下方に向けて窪む溝部が当該フィルタの一部に設けられ、
前記溝部の溝底には、前記ごみを吸引する吸引口が設けられ、
前記洗浄部は、
前記貫通孔を通過した前記洗浄水を回収且つ貯留可能な洗浄槽と、
前記洗浄槽に貯留された洗浄水を洗浄ノズルへ圧送する圧送ポンプと、を更に有し、
前記回収部は、
前記吸引口から吸引された前記ごみを回収する回収籠と、
前記圧送ポンプと接続され、前記圧送ポンプから吐出される水流により、前記吸引口から前記ごみを吸引するとともに前記回収籠に前記ごみを吐出する吐出機構と、を更に備える、
洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記吸引口は、
前記洗浄槽内に貯留された前記洗浄水の中に水没するように配置される、
洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の洗浄装置において、
前記溝部は、
前記溝底の底面が、前記洗浄水を通過させない平板状の板状部材で構成され、
前記底面には、前記吸引口が設けられる、
洗浄装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の洗浄装置において、
前記フィルタは、
前記溝底の底面を除く他の箇所にメッシュ構造を有している、
洗浄装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の洗浄装置において、
前記被洗浄物を搬送方向に搬送しながら複数の前記洗浄部で洗浄を行い、
前記回収部は、
前記複数の前記洗浄部のうち最初の前記洗浄部に設けられている、
洗浄装置。