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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083068
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/36 20060101AFI20230608BHJP
【FI】
B65D81/36 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197178
(22)【出願日】2021-12-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 令和 3年 4月15日 公開先 株式会社ハート(本社:東京都墨田区錦糸三丁目14番2号)
(71)【出願人】
【識別番号】000129312
【氏名又は名称】株式会社キタイ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】原田 諭
(72)【発明者】
【氏名】三村 舶人
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013CA01
3E013CB18
3E013CC04
(57)【要約】
【課題】 種々のレイアウトが可能な容器の提供を目的とする。
【解決手段】 前面、後面、及び側面を有して内容物を収納可能な容器本体と、該容器本体に設けられて前記側面から外向きに突出される突部と、前記容器本体に設けられて前記突部に係合可能な形状に形成された係合部と、を備え、前記突部と前記係合部とは、前記突部が前記係合部に対して、複数の向きで係合可能となるように構成された容器。
【選択図】 図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面、後面、及び側面を有して内容物を収納可能な容器本体と、
該容器本体に設けられて前記側面から外向きに突出される突部と、
前記容器本体に設けられて前記突部に係合可能な形状に形成された係合部と、を備え、
前記突部と前記係合部とは、前記突部が前記係合部に対して、複数の向きで係合可能となるように構成されたことを特徴する容器。
【請求項2】
前記突部は、頭部と、該頭部よりも細く形成された首部とを備え、
前記係合部は、前記頭部が嵌合可能な頭嵌合部と、前記首部が嵌合可能な首嵌合部とを備え、
前記頭部は、前記頭嵌合部に対して複数の向きで嵌合可能とされた請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記突部は、頭部と、該頭部よりも細く形成された首部とを備え、
前記係合部は、前記頭部が嵌合可能な頭嵌合部と、前記首部が嵌合可能な首嵌合部とを備え、
前記首部は、前記首嵌合部に対して複数の向きで嵌合可能とされた請求項1または請求項2に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレットケースとして、下記特許文献1に記載した容器(四角函鞘)がある。この容器は、四角筒の一側面を残し中央を輪切りとして二つの連続した函鞘を形成し、該連続側面の一端に差込片を備えている。この函鞘は、差込片を他の函鞘に差込んで連断して長大なものとすることが出来る。また、例えば函鞘を長大にして人物、動物、汽車、電車のごとき児童向きの絵画を側面に児童の好む玩具として飾り箱とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭38-9496
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、容器(函鞘)に差込片のみが形成され、差込片を他の容器に組合せているだけであるから、容器における組合せのレイアウトに制限があった。
【0005】
そこで本発明は、種々のレイアウトが可能な容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の容器は、前面、後面、及び側面を有して内容物を収納可能な容器本体と、該容器本体に設けられて前記側面から外向きに突出される突部と、前記容器本体に設けられて前記突部に係合可能な形状に形成された係合部と、を備え、前記突部と前記係合部とは、前記突部が前記係合部に対して、複数の向きで係合可能となるように構成されている。
【0007】
上記構成によれば、突部を係合部に対して向きを変えて係合することで、複数の容器を種々な姿勢で連結することができる。
【0008】
本発明の容器の容器において、前記突部は、頭部と、該頭部よりも細く形成された首部とを備え、前記係合部は、前記頭部が嵌合可能な頭嵌合部と、前記首部が嵌合可能な首嵌合部とを備え、前記頭部は、前記頭嵌合部に対して複数の向きで嵌合可能とされた構成を採用することができる。
【0009】
上記構成によれば、突部の頭部が、係合部の頭嵌合部に対して複数の向きで嵌合することで、複数の容器を種々な姿勢で連結することができる。
【0010】
本発明の容器の容器において、前記突部は、頭部と、該頭部よりも細く形成された首部とを備え、前記係合部は、前記頭部が嵌合可能な頭嵌合部と、前記首部が嵌合可能な首嵌合部とを備え、前記首部は、前記首嵌合部に対して複数の向きで嵌合可能とされた構成を採用することができる。
【0011】
上記構成によれば、突部の首部が、係合部の首嵌合部に対して複数の向きで嵌合することで、複数の容器を種々な姿勢で連結することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の容器を種々な姿勢で連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一の実施形態に係る容器の、ベースおよびカバーの底面図である。
図2】同ベースを退避姿勢、且つ収容姿勢とした底面図である。
図3】同図2の正面図である。
図4】同ベースを取出姿勢とした正面図である。
図5】同ベースにおける突部の詳細を示す正面図である。
図6】同ベースにおける突部の詳細を示す側面図である。
図7】同ベースにおける突部の詳細を示す断面図である。
図8】同カバーにおける係合部の詳細を示す底面図である。
図9】同カバーにおける係合部の詳細を示す側面図である。
図10】同ベースを突出姿勢とした底面図である。
図11】同ベースを突出姿勢として他の容器本体と組合せた一例を示す斜視図である。
図12】同図11において、容器本体と他容器本体との組合せを示す側面図である。
図13】同図12における平面図である。
図14】同容器本体と他容器本体との組合せの他の一例を示す底面図である。
図15】同容器本体と他容器本体との組合せの他の一例を示す側面図である。
図16】同図15において四つの容器を組合せた斜視図である。
図17】本発明の第二の実施形態に係る容器の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第一の実施形態に係る容器を、図1ないし図16を参照して説明する。本実施形態において、容器1は、例えば机上に配置したときに、例えば、異なる容器1A(例えば、図11図16参照)と組合せることで、種々のレイアウトが可能とされる。また、容器1は、内容物を収容するものであり、その内容物は菓子の例として、タブレットT(図4参照)が挙げられる。したがって、本実施形態において容器1はタブレットケースとも称され、また、容器1は合成樹脂から形成されている。
【0015】
また、図1に示すように、容器1はベース3とカバー4とから構成される。なお、図面の簡単な説明でも概略して述べたが、図1は、容器1のベース3とカバー4を分解した際(組合わせていない状態)の底面図である。図2は、容器1のベース3とカバー4を組合せた一例であり、タブレットT(図4参照)は、ベース本体5とカバー本体11との収容空間に入っている。図3は、容器1において、カバー本体11の正面図であり、図2に対応した平面図とされる。
【0016】
図1に示すように、容器1は、前面、後面、および側面を有して、タブレットTを収容する容器本体2を有する。この容器本体2は、ベース3と、カバー4を備えている。
【0017】
ベース3は、容器1の後面となるベース本体5を備える。ベース本体5は、正面視して矩形状に形成されている。また、ベース3は、ベース本体5の外周部前面側に立設される四方部の壁部を有する。該壁部は側面となる。具体的に、四方部の壁部は、幅方向一端部6と、これに幅方向で対向する幅方向他端部7と、幅方向一端部6及び幅方向他端部7に直交するよう配置された長さ方向一端部8と、これに長さ方向で対応する長さ方向他端部9とを備える。
【0018】
このような幅方向一端部6、幅方向他端部7、長さ方向一端部8および長さ方向他端部9は、前述のように、ベース本体5から立設された壁状の部材に形成されている。また、各四方部において、ベース本体5の表面からの高さ(前側方向の高さ寸法)は略同一とされる。また、ベース本体5(四方部)の前面側が開放されて、ベース開口部10(図4参照)が形成されている。
【0019】
このように、ベース3は、板状のベース本体5と、該ベース本体5の周縁部全周の立設される壁部とを備え、ベース本体5と壁部とで、ベース本体5の板厚方向一方側へ開口した収容空間が形成される。
【0020】
カバー4は、ベース3と組合されるように構成されており、ベース3のベース開口部10の前面側から、該ベース3を覆う。カバー4は、前面となるカバー本体11と、カバー本体11の外周から立設された四方部としての壁部を有し、該壁部は側面となる。カバー本体11は、正面視して矩形状に形成されており、ベース本体5と平行になり得る。
【0021】
カバー4の四方部は、具体的に、幅方向一端部12と、これに幅方向で対向する幅方向他端部13と、幅方向一端部12及び幅方向他端部13に直交するよう配置された長さ方向一端部14と、これに長さ方向で対応する長さ方向他端部15とを備える。
【0022】
幅方向他端部13、長さ方向一端部14及び長さ方向他端部15は、カバー本体11から立設された壁状に形成されている。しかしながら、幅方向一端部12は、壁状には形成されておらず、カバー本体11そのものの一端部とされている。すなわち、カバー4は、板状のカバー本体11と、該カバー本体11の周縁部に立設される四方部としての壁部とを備え、壁部はカバー本体11の一端部を除く周縁部に設けられている。なお、幅方向他端部13、長さ方向一端部14及び長さ方向他端部15については、カバー本体11からの高さ(後側方向の高さ寸法)は略同一とされる。
【0023】
カバー本体11はベース本体5に対し、正面視して大きな面積に形成されている。すなわち、カバー本体11の長さ方向は、ベース本体5の長さ方向に対して大きく形成され、カバー本体11の幅方向は、ベース本体5の幅方向に対して大きく形成される。
【0024】
具体的に、図2において、カバー本体11における幅方向一端部12(カバー本体11の一端部)と幅方向他端部13との幅方向での離間距離は、ベース本体5における幅方向一端部6と幅方向他端部7との幅方向での離間距離より、長く形成されている。また、カバー本体11における長さ方向一端部14と長さ方向他端部15との長さ方向での離間距離は、ベース本体5の長さ方向一端部8と長さ方向他端部9との長さ方向での離間距離より、わずかに長く形成されている。
【0025】
ベース3の内側、すなわち、幅方向一端部6、幅方向他端部7、長さ方向一端部8及び長さ方向他端部9の内側には、図4で示すように、タブレットTを取出すための取出口16が形成されている。取出口16は空間であって、幅方向他端部7側の隅部に形成されており、取出口16はタブレットTを一個だけを取出すように形成されている。
【0026】
容器本体2のベース3及びカバー4に、取出口16からタブレットTを一個だけを取出すための取出手段17が設けられている。図4に示すように、ベース3側の取出手段17として、ベース本体5の幅方向他端部7側で長さ方向に平行な長手取出壁18と、長手取出壁18の端部から直交して幅方向他端部7に延長される幅取出壁19とを有する。長手取出壁18および幅取出壁19は壁状の部材であり、四方部と同じ高さに形成される。
【0027】
取出手段17として、カバー4側の取出手段17は、取出口16の開放状態を規制するストッパ20として形成される。図1に示すように、ストッパ20は、カバー本体11の表面側にあって、長さ方向中央部、且つ幅方向他端部13側に配置されている。ストッパ20の幅方向他端部13側の部分領域は、カバー本体11の表面から直交するよう起立する立上面21とされている。立上面21は、ベース3の幅方向一端部6の内面に当接するよう構成されている。
【0028】
このように、取出手段17は、タブレットTを取出すための取出口16と収容空間のうち取出口16だけを開放するよう規制するストッパ20とを備える。なお、取出手段17ではないが、ストッパ20の幅方向一端部12には、ベース3を保持する留部材11aが形成されている。留部材11aはストッパ20よりも高さが低く形成されており、後述する退避姿勢Yにおいて、留部材11aの先端(幅方向他端部13側)が長手取出壁18の内面に当接可能である。
【0029】
図1および図2に示すように、容器本体2には、突部22および係合部23が形成されている。突部22および係合部23は、幅方向および前後方向から、互いに係合可能である。
【0030】
本実施形態では、突部22は、容器本体2の側面から外向きに突設されており、具体的にはベース3に突設される。突部22は、壁状の幅方向一端部6の外面に形成され、且つ幅方向一端部6における長さ方向中央部に形成されている。また、突部22は、首部24と頭部25とを備えている。
【0031】
突部22は幅方向が突出方向であり、突出方向に対して直交し、且つ外側に平行な長さが長さ方向であり、突出方向(幅方向)及び長さ方向に直交する厚み方向が前後方向となっている。
【0032】
図4図7に示すように、首部24は、幅方向一端部6に直接的(一体的)に形成され、長さ方向に離間した一対の首片26,26と、首片26,26どうしを連結して長さ方向に延びる連続壁27とを有する。首片26,26の後面端は、ベース本体5の後面端に水平方向(面一)に配置されている。連続壁27の前面端は、幅方向一端部6の前端面6aよりも後面側に形成されている。すなわち、連続壁27の前面端と幅方向一端部6の前端面6aとの間に、図7で示す、前後方向の第一寸法部分δ1が形成されている。第一寸法部分δ1は、後述する第三寸法部分δ3と略同一である。
【0033】
図5に示すように、頭部25は、首部24から幅方向に突出するよう配置されている。頭部25は、図5図7に示すように、前面壁29と、前面壁29の長さ方向両側から直交するように延びる両側の側面壁30,30と、前面壁29の幅方向一端側から直交するように前側に延びる先端壁31Fと、前面壁29の幅方向他端側から直交するように延び、首片26,26の幅方向先端から延びる基端壁32とを備える。側面壁30,30の長さ方向の離間距離は、首片26,26の長さ方向の離間距離よりも大きく設定されている。このような頭部25は正面視して矩形状である。前面壁29の前面端は、幅方向一端部6の前端面6aと同一高さである。
【0034】
このように頭部25が構成されることで、首部24は、頭部25よりも正面視して細く形成されている。また、頭部25には基端壁32が備えられており、幅方向一端部6と基端壁32との間には、図6で示す、首片26,26(首部24)の幅方向の長さ寸法に対応する第二寸法部分δ2が形成されている。
【0035】
さらに、側面壁30,30の長さ方向の離間距離は、首片26,26の長さ方向の離間距離よりも大きく設定され、これにより図5で示すように、側面壁30,30と首片26,26との間に第三寸法部分δ3が、長さ方向両側に形成されている。この第三寸法部分δ3は、カバー本体11の表面からの、後述する首嵌合前面部37の高さ寸法に略等しく形成されている。
【0036】
図2図8に示すように、係合部23は、突部22と係合するようカバー4に設けられている。係合部23は、突部22の頭部25を嵌合する頭嵌合部HDと、規制手段30Aと、突部22の首嵌合部29Aとを備えている。
【0037】
また、係合部23は、後面としての下面の方に開放した部分であり、突部22は下方から係合部23に係合する。具体的には、突部22は、突出方向、長さ方向、前後方向の何れの方向でも、係合部23に対して後方(下方)から嵌合することが可能である。
【0038】
係合部23のうちの、頭部25を嵌合する頭嵌合部HDについて説明する。頭嵌合部HDは、頭部25が複数の向きで嵌合するよう構成されている。この頭嵌合部HDは、図8に示すように、容器本体2に形成され、後面としての下面の方へ向けて開口した開口部である。頭嵌合部HDは、頭嵌合片28H,28Hを備え、長さ方向及び幅方向において、頭嵌合片28H,28Hの間に形成される。
【0039】
頭嵌合片28H,28Hは、カバー本体11に形成され、長さ方向に離間した一対の壁体から形成されている。頭嵌合片28H,28Hはカバー本体11の下面に一体的に形成されており、カバー4の幅方向他端部13側に配置されて、幅方向に延びている。頭嵌合片28H,28Hにおいて、長さ方向で対向する内壁面28a,28aどうしは、長さ方向に離間して略平行に形成されている。また、内壁面28a,28aは、幅方向一端部12側を外側に広げた導入部28d,28dと、幅方向他端部13を平行にした係合面28e,28eとを備える。また、頭嵌合片28H,28Hの幅方向一端部12側の延長端28b,28bは、前記ストッパ20に至らない距離だけ離れている。このように頭嵌合部HDは、長さ方向及び幅方向に、所定の領域を占めるように形成されている。
【0040】
カバー4の幅方向他端部13の内面と、頭嵌合片28H,28Hの他端面28c,28cとの間には、幅方向に沿った第四寸法部分δ4が形成されている。なお、頭嵌合片28H,28Hの高さは、カバー4の幅方向他端部13と略一致されている。
【0041】
係合部23のうちの規制手段30Aについて述べる。容器本体2には、ベース3における幅方向一端部6の動きを規制する規制手段30Aが、容器本体2に設けられている。すなわち、図2図8に示すように、規制手段30Aは、カバー本体11に形成されている。規制手段30Aは、頭嵌合片28H,28Hの各延長端28b,28bに形成されており、延長端28b,28bから外側、すなわち長さ方向一端部14,長さ方向他端部15へ直行するように配置された規制壁31,31から形成される。
【0042】
図9に示すように、規制壁31,31は、長さ方向中心部側の規制中心部32L,32Lと、規制中心部32L,32Lに一体的に形成され、規制中心部32L,32Lの外側に形成された規制外側部33,33とを有する。これら規制中心部32L,32Lおよび規制外側部33,33の幅方向一端部12が、規制面34,34(図8参照)とされている。また、規制壁31,31は、壁状に形成されている。なお、規制中心部32L,32Lは、頭嵌合片28H,28Hと同じ高さとされている。規制外側部33,33は規制中心部32L,32Lよりも低く形成されている。
【0043】
係合部23のうちの首嵌合部29Aについて述べる。図8図9に示すように、首嵌合部29Aは、カバー本体11の幅方向他端部13に形成されている。すなわち、首嵌合部29Aは幅方向他端部13に形成された凹部であり、首嵌合部29Aは、容器本体2の側面に形成され、頭嵌合部HDよりも幅方向外方に位置している。首嵌合部29Aは、突部22の首部24が複数の方向から嵌合できるように構成される。
【0044】
具体的には、首嵌合部29Aは、容器本体2の側面に形成され、後面としての下面の方へ向けて開放した凹部である。首部24は、前後方向としての上下方向、及び長さ方向で首嵌合部29Aに対して下方から嵌合可能である。
【0045】
また、首嵌合部29Aは、首底面35と、首側面36,36とを有する。首底面35は、幅方向他端部13上でカバー本体11と平行に配置されて、カバー本体11における前面としての上面と反対側の下面から所定距離だけ離れて配置されている。この所定距離は、前記第三寸法部分δ3に略等しく設定されている(図12参照)。また、首側面36,36は、首底面35の両側から略下方に向けて直交するように配置されている。
【0046】
図9に示すように、首側面36,36の長さ方向の第一離間距離L1は、前記頭嵌合片28H,28Hの内壁面28a,28aの第二離間距離L2に比べて小さく設定されている。すなわち、首側面36,36の長さ方向の第一離間距離L1と、内壁面28a,28aの第二離間距離L2とに所定の長さ方向の寸法差L3を有している。
【0047】
後述する図13に示すように、寸法差L3は、首部24における連続壁27の前端面27aと、幅方向一端部6の前端面6aの寸法距離に設定されている。また、第二離間距離L2は、ベース3の幅方向一端部6の高さ方向の寸法距離(先端壁31Fの高さ方向の寸法距離と同等)の略2倍に設定されている。
【0048】
図9に戻って、首側面36,36の周辺、すなわち寸法差L3部分を首嵌合側部36a,36aと称し、首嵌合部29Aにおいて、首嵌合部29Aの前面側(カバー本体11に近い側)の領域を、首嵌合前面部37とする。
【0049】
上記構成の容器1では、タブレットTを収容する容器本体2と、容器本体2に突設されるよう設けられる突部22と、容器本体2に設けられて突部22と係合可能な係合部23とを備えている。
【0050】
ここで、図2図3に、容器本体2にタブレットTを収容した状態を示し、図4に、タブレットTを一つ取出す状態を示している。すなわち、容器本体2は、タブレットTを収容した収容姿勢P1(図2、3参照)と、タブレットTを取出す取出姿勢P2(図4参照)とに切替え可能に構成されている。
【0051】
収容姿勢P1について詳細に述べる。収容姿勢P1は、カバー4の係合部23,23と、ベース3の突部22とが係合した状態である。具体的に説明すると、ベース本体5をカバー4の後面側にして、四方部である幅方向一端部6、幅方向他端部7、長さ方向一端部8及び長さ方向他端部9を、カバー4の後面側に配置する(図2参照)。また、カバー4においては、カバー本体11をベース3の前面側にして、カバー本体11に対して、幅方向一端部12、幅方向他端部13、長さ方向一端部14および長さ方向他端部15を、ベース3の前面側に配置する(図3参照)。そして、突部22を係合部23に係合する。
【0052】
具体的には、突部22の頭部25を、係合部23,23の頭嵌合部HDに嵌合する。そして、突部22の側面壁30,30を、係合部23,23の頭嵌合片28H,28Hの内壁面28a,28aに嵌合する。このとき、頭嵌合片28H,28Hにおいて、側面壁30,30に嵌合するのは、実質的に係合面28e,28eである。このとき、カバー4の幅方向他端部13の内面と、頭嵌合片28H,28Hの他端面28c,28cとの間には、幅方向に沿った第四寸法部分δ4が形成されているため、幅方向他端部13と他端面28c,28cとが一体には形成されていないから、係合面28e,28eが可撓性を有している。このため、側面壁30,30が嵌合し易い。
【0053】
また、ベース3の幅方向一端部6の外面を、カバー4の規制手段30Aのうち規制面34,34に当接させる。このとき、図3に示すように、ベース3の幅方向他端部7は、カバー4の幅方向一端部12よりも若干量だけ、幅方向外側に突出することが望ましい。以上が、収容姿勢P1である。
【0054】
取出姿勢P2について述べる。この場合の取出姿勢P2は、図2図3で示す収容姿勢P1からの姿勢切替えとされる。なお、取出姿勢P2から収容姿勢P1に切替えることも可能である。取出姿勢P2は、ベース3とカバー4を幅方向に相対移動(スライド)させて、突部22の側面壁30,30と、係合部23の頭嵌合片28H,28Hとを、幅方向に位置ずれさせて行う。これによって、容器本体2に収容されたタブレットTを取出すことができる。
【0055】
具体的に、図4に示すように、取出姿勢P2では、例えば、容器本体2に収容されたタブレットTを、取出手段17を用いて一個だけ取出すのに用いる。この場合、容器1の使用者が、左手でカバー4の長さ方向一端部14と長さ方向他端部15を把持し、右手でベース3のベース本体5を持ち、カバー4に対してベース3を幅方向に移動する。そうすると、退避姿勢Yにおいて、留部材11aの先端が長手取出壁18から外れ、ベース3の幅方向一端部6の内面が、ストッパ20の立上面21に当接する。このようにした上で、取出手段17の長手取出壁18と幅取出壁19とで、ベース3にデッドスペースが形成されるため、ベース3の取出口16からタブレットTを一個だけ取出すことができる。この場合は、タブレットTを一個だけ取出す場合とするが、タブレットTを複数個取出したい時には、ベース3の幅方向一端部6の内面をストッパ20から外すようにベース3を幅方向に移動させれば、取出手段17が解除されるため、タブレットTを所望の数だけ容器本体2から取出すことができる。
【0056】
また、ベース3とカバー4を逆方向に幅方向に相対移動させて、突部22の側面壁30,30と、係合部23の頭嵌合片28H,28Hとを嵌合することで、突部22が頭嵌合部HDに嵌合して、取出姿勢P2から収容姿勢P1に切替えることができる。以上が取出姿勢P2である。
【0057】
ところで、容器1としては、図10に示すように、突部22を容器本体2から突出させた突出姿勢Xとすることも可能である。突出姿勢Xは、例えば、タブレットTが仮に「空(から)」になった場合に、ベース3とカバー4を取外すことで行われる。この場合、ベース3の幅方向一端部6とカバー4の幅方向一端部12を幅方向で対応させ、ベース3の幅方向他端部7とカバー4の幅方向他端部13を対応させるように組合すことで、ベース3に対してカバー4を取付けて、突出姿勢Xとする。このとき、ベース3の長さ方向一端部8とカバー4の長さ方向一端部14とが長さ方向で対応し、ベース3の長さ方向他端部9とカバー4の長さ方向他端部15とが長さ方向で対応する。この突出姿勢Xでは、ベース3の収容空間全体がカバー4で覆われた状態であるので、容器本体2としては収容姿勢P1である。
【0058】
図10の場合の突出姿勢Xでは、ベース3の幅方向他端部7の外面が、規制壁31,31の規制面34,34に幅方向で当接する。また、ストッパ20の立上面21が、取出手段17の長手取出壁18に幅方向で当接する。収容姿勢P1または取出姿勢P2では、突部22は容器本体2から突出しておらず、内部に収まった退避姿勢Yとなっている。
【0059】
本実施形態の容器1では、ベース3とカバー4とを組替えるだけで、突部22の突出姿勢Xと退避姿勢Yとを操作することができる。また、本実施形態の容器1では、突部22の退避姿勢YでタブレットTを取出しでき、突部22の突出姿勢Xで取出し不可とすることができる。
【0060】
具体的には、図2に示す収容姿勢P1は退避姿勢Yとなっており、タブレットTを取出すことができない。また、図4に示す取出姿勢P2では、突部22が容器本体2に納められた退避姿勢Yとなっており、タブレットTの取出しができる。つまり、退避姿勢Yのままで、収容姿勢P1と取出姿勢P2とを切替えできる。また図10に示す姿勢では、タブレットTの取出しができない収容姿勢P1であり突出姿勢Xとなっている。なお、突出姿勢Xでは、収容姿勢P1を取出姿勢P2に切替えることが、ストッパ20が長手取出壁18に当接することで規制されている。
【0061】
また、本実施形態の容器1は、容器本体2を備え、容器本体2のベース3は、後面に相当するベース本体5と、側面に相当する幅方向一端部6、幅方向他端部7と、長さ方向一端部8、および長さ方向他端部9とを備える。また、カバー4は、前面に相当するカバー本体11と、側面に相当する幅方向一端部12、幅方向他端部13、長さ方向一端部14、および長さ方向他端部15とを備える。また、ベース3の幅方向一端部6から外向きに突出される突部22を備え、容器本体2のカバー4に設けられて、突部22に係合可能な形状に形成された係合部23を備える。そして、突部22と係合部23とは、突部22が係合部23に対して、複数の向きで係合可能となるように構成されている。
【0062】
よって、本実施形態の容器1の構成では、複数の容器1を種々な姿勢で連結することができる。ここで、図10に示すように、容器本体2を突出姿勢Xとした上で、他の容器本体2(以下、他容器本体2A)に組合せる場合について、一例を挙げて説明する。ここでは、容器本体2と他容器本体2Aとを組合せた例を、図11~13に示す。図11では、容器本体2と他容器本体2Aとを、連結されるべく突部22を突出姿勢Xとし、二つの容器本体2を組合せ、さらに二つの他容器本体2Aどうしを組合せている。また、両者の組合せにおいては、図11における上段の容器本体2においては係合部23が用いられ、下段の他容器本体2Aでは突部22が用いられる。このとき突部22は収容姿勢P1となっていて、容器本体2を閉じた姿勢で連結できる。
【0063】
図12図13では、容器本体2が紙面上横使いとされ、他容器本体2Aが紙面上縦使いとされており、左側に容器本体2が表示され、右側に他容器本体2Aが表示されている。また、容器本体2のベース3が二点鎖線で表示され、カバー4が実線で表示され、他容器本体2Aについては、カバー4が二点鎖線で表示され、ベース3が実線で表示されている。特に、図13においては、二つの他容器本体2Aにおいて、片側が三点鎖線で示されている。つまり、図12,13においては、突部22と係合部23との係合状態を明らかにするために、一方の他容器本体2Aのみを実線で表現している。
【0064】
図12では、他容器本体2Aの突部22における第三寸法部分δ3が、首嵌合前面部37に嵌合している。すなわち、首底面35と首片26,26の側面が当接し、首嵌合前面部37の外面とベース3の幅方向一端部6の外面とが当接し、首嵌合前面部37の内面と基端壁32の外面とが当接している。また。側面壁30の外面とカバー本体11の表面とが当接している。
【0065】
図13では、第二寸法部分δ2と首嵌合側部36aとが嵌合している。すなわち、首嵌合側部36aの外面と幅方向一端部6の外面とが当接し、首側面36と連続壁27の外面とが当接し、首嵌合側部36aの内面と基端壁32の外面とが当接している。また、側面壁30の外面と係合面28eとが当接している。このように、頭部25が頭嵌合部HDに、首部24が首嵌合側部36aに、突部22の長さ方向で係合している。
【0066】
なお、図12図13では、一つの他容器本体2Aの突部22と、容器本体2の係合部23とを組合せたが、一つの他容器本体2Aの突部22と、容器本体2の係合部23との組合せで、図11に示すような、二つの容器本体2と二つの他容器本体2Aとの組合せができる。
【0067】
すなわち、突部22と係合部23との複数の係合状態のうち、所定の向きでの係合態様においては、一つの係合部23に対して複数の突部22が並べて係合可能である。具体的には、複数の容器本体2を前後方向で重ねることで、各容器本体2の突部22を前後方向で重ねて並べ、該重ねた突部22を係合部23に係合可能である。本実施形態では、係合部23の長さ方向寸法が、突部22の前後方向寸法の複数倍(2倍)となっているため、前後方向で二つ重ねた突部22をまとめて、一つの係合部23に係合可能である。
【0068】
また、この係合態様では、一つの突部22に対して複数の係合部23を係合させることができる。具体的には、一つの突部22を挟むように、一方側と他方側から係合部23を係合させることができる。本実施形態では、一つの突部22に対し、長さ方向の一方側から一つの係合部23を係合させ、長さ方向他方側から他の係合部23を係合させることができる。
【0069】
このように、複数の突部22を一つの係合部23に係合可能で、一つの突部22に複数の係合部23を係合可能であり、複数の突部22に複数の係合部23を係合可能となる。
【0070】
ここで、図14ないし図16に示すように、容器本体2および他容器本体2Aの組合せの別例を示す。図14では、図10に示すように、突部22を容器本体2から突出させた突出姿勢Xとして、容器本体2と他容器本体2Aとを二個並べている。図14の場合では、容器本体2の突部22と、他容器本体2Aの係合部23とを平行となるよう連結されている。この場合、他容器本体2Aにおける係合部23の係合面28e,28eに、容器本体2における突部22の側面壁30,30が当接する。また、他容器本体2Aの首嵌合部29Aに容器本体2の首部24が嵌合している。また、第一寸法部分δ1と首嵌合前面部37とが嵌合する。また、突部22の頭部25が、係合部23の頭嵌合部HDに嵌合し、首部24が首嵌合部29Aに嵌合する。また、係合部23に対し、突部22が前後方向で係合する。
【0071】
図15の場合は、容器本体2の突部22を、他容器本体2Aの係合部23に直交させるよう組合せている。この場合、他容器本体2Aにおける係合部23の係合面28e,28eに、容器本体2における突部22の側面壁30,30が直交するよう当接する(符号については、図14参照)。また、他容器本体2Aの頭嵌合片28H,28Hの上面(符号については図8参照)に、容器本体2の幅方向一端部6が当接する。この場合では、首嵌合部29Aは使用されない。図16は、図15の例の形態を、一対の容器本体2と一対の他容器本体2Aとで組合せている。また、突部22の頭部25が頭嵌合部HDに嵌合し、首部24は首嵌合部29Aに嵌合する。また、係合部23に対し、突部22の突出方向で係合する。
【0072】
このように、本実施形態によれば、複数の容器1を種々な姿勢で連結することができる。さらに、突部22の頭部25と首部24とにより、係合部23の頭嵌合部HDに対して複数の向きで嵌合することができる。
【0073】
本発明の第二の実施形態を図17に示す。この場合、カバー4の構成は第一の実施形態と同様であり、ベース3の幅方向を第一の実施形態よりも短くしている。具体的に、ベース3は、容器本体2に納められた退避姿勢Yにおいて、突部22(ベース3)がカバー4に退避させられた収容姿勢P1となる。ベース3の他の構成においては、上記第一の実施形態と同様である。
【0074】
第二の実施形態において、突部22(ベース3)を突出姿勢Xとするには、図17の実線に示す突部22の収容姿勢P1及び退避姿勢Yから、カバー4とベース3とを幅方向に相対的に移動させる。このとき、突部22が収容姿勢P1であって、且つ突出姿勢Xを経て、取出姿勢P2であって、且つ突出姿勢Xとなる。突出姿勢Xでは、取出手段17によってタブレットTを一つ取出すことが可能な取出姿勢P2となる。また、突出姿勢Xから退避姿勢Yとするには、カバー4とベース3とを逆方向の幅方向に相対的に移動させればよい。
【0075】
上記実施形態では、突出姿勢Xと退避姿勢Yの切替えは、第一の実施形態では組替えで行われ、第二の実施形態ではスライドであった。しかしながら、例えば、前後方向の軸や、長さ方向の軸を中心とする、回動であってもよい。
【0076】
上記実施形態では、突出姿勢X、退避姿勢Yの切替えと、収容姿勢P1と、取出姿勢P2の切替えを関連付けた構成としたが、無関係な構成にもできる。
【0077】
上記実施形態では、突部22を、頭部25と首部24とを備える構成としたが、頭部25のみにもすることが可能である。また、突部22の形状は、円柱形状や錐形状など、種々の形状とすることもできる。なお、内容物はタブレットTに限るものではない。
【符号の説明】
【0078】
1…容器、1A…容器、2…容器本体、2A…他容器本体、3…ベース、4…カバー、5…ベース本体、6…幅方向一端部、6a…前端面、7…幅方向他端部、8…長さ方向一端部、9…長さ方向他端部、10…ベース開口部、11…カバー本体、12…幅方向一端部、13…幅方向他端部、14…長さ方向一端部、15…長さ方向他端部、16…取出口、17…取出手段、18…長手取出壁、19…幅取出壁、20…ストッパ、21…立上面、22…突部、23…係合部、24…首部、25…頭部、26…首片、27…連続壁、28H…頭嵌合片、28a…内壁面、28b…延長端、28c…他端面、28d…導入部、28e…係合面、29…前面壁、29A…首嵌合部、30…側面壁、30A…規制手段、31…規制壁、31F…先端壁、32…基端壁、32L…規制中心部、33…規制外側部、34…規制面、35…首底面、36…首側面、36a…首嵌合側部、37…首嵌合前面部、L1…第一離間距離、L2…第二離間距離、L3…寸法差、P1…収容姿勢、P2…取出姿勢、T…タブレット、X…突出姿勢、Y…退避姿勢、δ1…第一寸法部分、δ2…第二寸法部分、δ3…第三寸法部分、δ4…第四寸法部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
図17