(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083073
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】排気ガス処理装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20230608BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20230608BHJP
F01N 3/00 20060101ALN20230608BHJP
【FI】
F01N3/28 311U
F01N3/24 C
F01N3/24 N
F01N3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197192
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】マレリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 隆治
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB03
3G091AB13
3G091BA02
3G091EA18
3G091GA06
3G091HA19
3G091HA38
(57)【要約】
【課題】複数の触媒を実装しつつ小型の排気ガス処理装置を提案する。
【解決手段】排気ガス処理装置100は、第1方向Pに沿って流れる排気ガスGを浄化するTWC1Bと、TWC1Bを通過した排気ガスGであって第1方向Pと交差する第2方向Qに沿って流れる排気ガスGを浄化し、TWC1Bの中心軸O1に対して中心軸O2がオフセットするように配置されるGPF2と、TWC1BとGPF2とを収容するケース10と、TWC1Bを通過した排気ガスGの空燃比を測定するための空燃比センサ3と、TWC1Bを通過した排気ガスGの温度を測定するための温度センサ4と、を備える。排気ガス処理装置100では、空燃比センサ3と温度センサ4は、第1方向Pから見て中心軸が互いに傾いた状態でケース10に取り付けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガス処理装置であって、
第1方向に沿って流れる排気ガスを浄化する第1触媒担体と、
前記第1触媒担体を通過した排気ガスであって前記第1方向と交差する第2方向に沿って流れる排気ガスを浄化し、前記第1触媒担体の中心軸に対して中心軸がオフセットするように配置される第2触媒担体と、
前記第1触媒担体と前記第2触媒担体とを収容するケースと、
前記第1触媒担体の外周面と前記ケースの内周面との間に設けられ、前記第1触媒担体の外周を覆う外周流路と、
前記第1触媒担体を通過した排気ガスの第1の特性を測定するための第1センサと、
前記第1触媒担体を通過した排気ガスの前記第1の特性とは異なる第2の特性を測定するための第2センサと、を備え、
前記第1センサと前記第2センサは、前記第1方向から見て中心軸が互いに傾いた状態で前記ケースに取り付けられる、
排気ガス処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された排気ガス処理装置であって、
前記ケースは、前記第2触媒担体の上流側の端面における前記第2触媒担体の前記オフセット方向の領域に排気ガスを導くように拡径する拡径部を有し、
前記第2触媒担体の中心軸を通り前記第1触媒担体の下流側の端面と平行な第1平面上において、
前記第2触媒担体の上流側の前記端面と平行で前記第1触媒担体の中心線を通過する線を第1仮想線とし、
前記拡径部の内壁の接線であって、前記第1触媒担体の中心線を通過する線を第2仮想線としたとき、
前記第1仮想線と前記第2仮想線とがなす角度は、45°以下である、
排気ガス処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載された排気ガス処理装置であって、
前記外周流路を流れる排気ガスは、前記拡径部によって前記第2触媒担体に導かれる、
排気ガス処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載された排気ガス処理装置であって、
前記ケースは、前記第1触媒担体と前記外周流路との間に設けられるインナケース部を有し、
前記第1触媒担体は、前記インナケース部内に前記第1方向の全体にわたって収容される、
排気ガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、触媒コンバータとDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)とが直線状に並べて設けられる排気通路内にて、触媒コンバータを通過した排気ガス中の酸素濃度を検出する空燃比センサを備える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内燃機関付近に配置される従来の排気ガス処理装置は、排気ガス規制に対応すべく複数の触媒を実装しつつ、搭載スペースの制約から小型であることが求められている。
【0005】
本発明は、複数の触媒を実装しつつ小型の排気ガス処理装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、排気ガス処理装置は、第1方向に沿って流れる排気ガスを浄化する第1触媒担体と、前記第1触媒担体を通過した排気ガスであって前記第1方向と交差する第2方向に沿って流れる排気ガスを浄化し、前記第1触媒担体の中心軸に対して中心軸がオフセットするように配置される第2触媒担体と、前記第1触媒担体と前記第2触媒担体とを収容するケースと、前記第1触媒担体の外周面と前記ケースの内周面との間に設けられ、前記第1触媒担体の外周を覆う外周流路と、前記第1触媒担体を通過した排気ガスの第1の特性を測定するための第1センサと、前記第1触媒担体を通過した排気ガスの前記第1の特性とは異なる第2の特性を測定するための第2センサと、を備え、前記第1センサと前記第2センサは、前記第1方向から見て中心軸が互いに傾いた状態で前記ケースに取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
上記態様では、第1センサと第2センサとの近傍に排気ガス処理装置以外の別の装置が配置される場合に、排気ガス処理装置と別の装置との距離を近づけることができる。つまり、このような構成とすることにより、排気ガス処理装置の搭載スペースを小さくする、言い換えると、排気ガス処理装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る排気ガス処理装置の側面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る排気ガス処理装置の第1触媒担体近傍を部分的に断面で示した上面図である。
【
図3】
図3は、
図1におけるIII-III線に沿う断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る排気ガス処理装置の空燃比センサ及び温度センサ近傍の断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る排気ガス処理装置の拡径部近傍の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0010】
まず、
図1から
図5を参照して、本発明の実施形態に係る排気ガス処理装置100について説明する。
図1は、本実施形態に係る排気ガス処理装置100を示す側面図である。
図2は、本実施形態に係る排気ガス処理装置100のTWC1B近傍を部分的に断面で示した上面図である。
図3は、本実施形態に係る排気ガス処理装置100の
図1におけるIII-III線に沿う断面図である。
図4は、排気ガス処理装置100の空燃比センサ3及び温度センサ4近傍の断面図である。
図5は、排気ガス処理装置100の拡径部15c近傍の断面図である。
【0011】
排気ガス処理装置100は、例えば、車両に搭載され、エンジン(図示せず)から排出される排気ガスGを処理するものであり、下記実施形態では、小型で優れた排気ガス浄化性能を有する触媒コンバータとしての構造例を示す。具体的には、排気ガス処理装置100は、排気ガスGに含まれる炭化水素や一酸化炭素を酸化して、二酸化炭素と水分にするとともに、窒素酸化物の還元、微小粒子状物質の除去を行い、排気ガスGを浄化する。
【0012】
図1から
図5に示すように、排気ガス処理装置100は、排気タービン(図示せず)の排気出口部に接続される入口側フランジ11と排気ガスGを外部へ導く排気管(図示せず)に接続される出口側フランジ12とを有するケース10と、ケース10内に設けられ排気ガスGを浄化する一対のTWC(三元触媒)1A,1Bと、ケース10内のTWC1A,1Bの下流側に設けられ、TWC1A,1Aを通過した排気ガスGを浄化する第2触媒担体としてのGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)2と、TWC1A,1Bを通過した排気ガスGの酸素濃度を測定するための第1センサとしての空燃比センサ3(
図4参照)と、排気ガスGの温度を検出するための第2センサとしての温度センサ4(
図4参照)と、を備える。なお、本実施形態のTWC1Bは、第1触媒担体に相当する。
【0013】
図3などに示すように、ケース10は、入口側フランジ11が取り付けられる入口側筒部13と、内部にTWC1A,1Bを収容する第1収容筒部14と、第1収容筒部14に接合され内部に第1収容筒部14を部分的に収容する中間筒部15と、一端が中間筒部15に接合され、内部にGPF2を収容する第2収容筒部16と、一端が第2収容筒部16に接合され、他端に排気側管路(図示せず)に接続するための出口側フランジ12が設けられた出口側筒部17と、を有する。ケース10は、例えば、アルミ合金などの金属材料によって形成される。
【0014】
図3に示すように、入口側筒部13は、金属製板状部材によって、下流に向かって徐々に径が拡大する形状に形成される。入口側筒部13の上流側開口部13aの外周面には、溶接等によって入口側フランジ11が取り付けられる。入口側筒部13の下流側開口部13bは、溶接などによって第1収容筒部14の外周面に取り付けられる。
【0015】
第1収容筒部14は、例えば、金属製板状部材によって円筒形状に形成される。第1収容筒部14は、内部に、緩衝材20A,20Bを介してTWC1A,1Bを保持する。
【0016】
中間筒部15は、中間筒部15を通過する排気ガスGの流れを所定角度(例えば、90°)屈曲させるように、つまり、略L字型の流路を形成するように構成される。中間筒部15は、例えば、2つの金属製板状部材を溶接などによって接合することで形成される(
図2参照)。
【0017】
図3に示すように、第2収容筒部16は、例えば、金属製板状部材によって円筒形状に形成される。第2収容筒部16の入口側開口部16aの外周面は、中間筒部15の出口側開口部15dの内周面に溶接などによって接合される。また、第2収容筒部16の出口側開口部16bの外周面は、出口側筒部17の入口側開口部17aの内周面に溶接などによって接合される。
【0018】
出口側筒部17は、例えば、金属製板状部材によって形成される。出口側筒部17は、GPF2を通過した排気ガスGを、排気ガスGを外部へ排出する排気管(図示せず)に導くものである。出口側筒部17の下流側開口部17bの外周面には、溶接等によって出口側フランジ12が取り付けられる。
【0019】
TWC1A,1Bは、例えば、円柱状のハニカム構造体によって構成される。TWC1A,1Bは、その外周面が緩衝材20A,20Bを介して第1収容筒部14に嵌合される。TWC1A,1Bは、第1収容筒部14内に軸方向の全体にわたって収容される。
【0020】
第1収容筒部14は、上流側開口部14aが入口側筒部13における下流側開口部13bの内周に挿入される。第1収容筒部14は、入口側筒部13の内周面に溶接などによって接合されることにより、入口側筒部13に対して固定される。また、第1収容筒部14は、その大部分が中間筒部15内に挿入される。上流側開口部14aから離間した位置において、中間筒部15の内周面に溶接などによって接合される。第1収容筒部14は、中間筒部15との間に所定の間隔Wの隙間が設けられるようにして、中間筒部15内に挿入される。この隙間は、排気ガスGが流れる外周流路Fを形成する(
図5参照)。本実施形態では、第1収容筒部14の中間筒部15内に挿入された部位が、インナケース部14cに相当する。
【0021】
GPF2は、例えば、微小粒子状物質を除去する円柱状のセラミックフィルタによって構成される。GPF2は、その外周面が緩衝材20Cを介して第2収容筒部16の内周面に嵌合されることによって、第2収容筒部16内に固定される。このようにTWC1A,1BとGPF2とを配置することにより、TWC1A,1BとGPF2とは、側面視(
図3参照)で所謂L字型に配置されることとなる。また、
図3及び
図5に示すように、本実施形態の排気ガス処理装置100では、GPF2は、その中心軸O2がTWC1A,1Bの中心軸O1に対してオフセットして配置される。
【0022】
空燃比センサ3は、棒状部材を有しており、その先端には、排気ガスGを計測する計測部3aが設けられる。空燃比センサ3の本体部分は、TWC1BとGPF2との間の流路上に計測部3aが位置するようにして、中間筒部15の外部から取り付けられる。
【0023】
温度センサ4は、TWC1BとGPF2との間の流路上に位置するようにして、中間筒部15の外部から取り付けられる。温度センサ4は、TWC1Bを通過した排気ガスGの温度を検出する。中間筒部15の空燃比センサ3が取り付けられる取付面(位置B)は、温度センサ4の取り付けられる取付面(位置A)に対して傾斜するように形成される(
図4参照)。
【0024】
本実施形態の排気ガス処理装置100では、空燃比センサ3が、温度センサ4が取り付けられる取付面(位置A)に対して傾斜した取付面(位置B)に中間筒部15の外部から取り付けられることより、空燃比センサ3と温度センサ4は、TWC1A,1Bの軸方向から見て中心軸が互いに角度θだけ傾いた状態で中間筒部15に取り付けられる。つまり、空燃比センサ3と温度センサ4は、中間筒部15の内部に向かうにつれ、先端同士が互いに近づくようにして、中間筒部15に取り付けられる。
【0025】
続いて、中間筒部15の具体的な構成について説明する。なお、以下では、排気ガスGがTWC1A,1Bを通過する方向、即ち、TWC1A,1Bの軸方向を「第1方向P」といい、排気ガスGがGPF2を通過する方向、即ち、GPF2の軸方向を「第2方向Q」という(
図3参照)。なお、本実施形態では、第1方向Pと第2方向Qとが直交する場合を例にしているが、必ずしも直交している必要はなく、第1方向Pと第2方向Qとが交差していればよい。
【0026】
図3に示すように、中間筒部15は、TWC1Bの外周を覆い、第1方向Pに筒状に延びる収容部15aと、TWC1Bを通過した排気ガスGをGPF2に導くガイド部15bと、を有する。ガイド部15bは、GPF2に向かって(排気ガスGの流れ方向下流側に向かって)拡径するような形状に形成される。
【0027】
中間筒部15は、上述のように、TWC1A,1BとGPF2とがそれぞれの中心軸O1,O2が互いにオフセットして配置されるため(
図4及び
図5など参照)、ガイド部15bは、収容部15aに対してオフセットするように形成される。
【0028】
図5などに示すように、ガイド部15bは、GPF2の上流側端面2aにおけるTWC1A,1Bに対するGPF2のオフセット方向の領域に排気ガスGを導くように拡径する拡径部15cを有する。
【0029】
GPF2の中心軸O2を通りTWC1Bの下流側の端面1bと平行な第1平面S(
図5に示す断面、及び
図2、
図3参照)上において、GPF2の上流側の端面(上流側端面2a)と平行でTWC1Bの中心線を通過する線を第1仮想線L1とし、拡径部15cの内壁に接する接線であって、TWC1Bの中心軸O1を通過する線を第2仮想線L2としたとき、拡径部15cは、第1仮想線L1と第2仮想線L2とがなす角度αが45°以下となるように形成される。角度αが45度より大きいと、TWC1BとGPF2との間の流路の距離が長くなり、排気ガス処理装置100が大型化する。このため、角度αを45度以下とすることにより、排気ガス処理装置100が大型化することを抑制することができる。また、角度αを大きくすることにより、外周流路Fから拡径部15cの内壁に沿う排気ガスGの流れの角度変化を小さくすることができるので、圧損を小さくすることができる。
【0030】
次に、排気ガス処理装置100における排気ガスGの流れについて説明する。
【0031】
図3に示すように、入口側フランジ11から流入した排気ガスGは、入口側筒部13を通ってTWC1A,1Bに導かれる。TWC1A,1Bにおいて、排気ガスGに含まれる炭化水素や一酸化炭素が酸化され二酸化炭素と水分に分解されるとともに、窒素酸化物が還元される。
【0032】
TWC1A,1Bを通過した排気ガスGは、中間筒部15のTWC1Bの下流側端面と対向する内壁にぶつかり、ガイド部15bを通ってGPF2の上流側端面2aに直接向かう流れと、折り返すようにして外周流路Fに向かう流れと、に分けられる。
【0033】
GPF2の上流側端面2aに直接向かう流れは、排気ガスGの主流を形成する。一方、外周流路Fに流入した排気ガスGは、第1収容筒部14(インナケース部14c)の外周面に沿ってGPF2の上流側端面2aに向かって流れる(
図5参照)。このとき、外周流路Fを流れる排気ガスGは、インナケース部14cを介してTWC1A,1Bを外周から加熱する。このように外周流路Fに排気ガスGを導くことにより、エンジン始動直後に、TWC1A,1Bの温度を短時間で上昇させることができるので、TWC1A,1Bの活性化を早期に図ることができる。特に、温度が上昇しくい第1方向P下流側部分に位置するTWC1Bを外周から加熱できるので、TWC1Bの活性化のための時間を短くすることができる。
【0034】
TWC1A,1Bは、第1収容筒部14(インナケース部14c)内に第1方向Pの全体にわたって収容される。このように、TWC1A,1Bが全体にわたって第1収容筒部14(インナケース部14c)内に設けられることで、排気ガスGがTWC1A,1Bの外周面から漏れ出ることを抑制できるので、TWC1A,1Bに流入した排気ガスGがTWC1A,1Bの全域を通過することになる。これにより、TWC1A,1Bの浄化性能を最大限発揮させることができる。また、このような構成とすることで、外周流路Fを流れる排気ガスGは、TWC1A,1B内に入って行かずにTWC1A,1Bを外周から加熱する。これにより、TWC1A,1Bの保温効果が得られ、浄化性能を高めることができる。さらに、第1収容筒部14(インナケース部14c)によってTWC1A,1Bを覆うことで外周流路Fを流れる排気ガスGがTWC1A,1B内へ入っていかないため、外周流路FからGPF2へ向かう排気ガスGの流路抵抗を小さくできる。
【0035】
外周流路Fを通過した排気ガスGは、中間筒部15のガイド部15b内の空間Vにおいて、GPF2に直接向かう流れと合流し、GPF2内に流入する。
【0036】
GPF2内に流入した排気ガスGは、GPF2によって微小粒子状物質が除去され、出口側筒部17を通じて排気管に排出される。
【0037】
次に、空燃比センサ3及び温度センサ4の配置について説明する。
【0038】
上述のように、本実施形態の排気ガス処理装置100では、空燃比センサ3と温度センサ4は、TWC1A,1Bの軸方向から見て中心軸が互いに角度θだけ傾いた状態、より具体的には、中間筒部15の内部に向かうにつれ先端同士が互いに近づくようにして、中間筒部15に取り付けられる(
図4参照)。このように空燃比センサ3と温度センサ4をTWC1A,1Bの軸方向から見て中心軸が互いに傾いた状態で配置することで、例えば、空燃比センサ3と温度センサ4の近傍に排気ガス処理装置100以外の別の装置が配置される場合に、排気ガス処理装置100と別の装置との距離を近づけることができる。つまり、このような構成とすることにより、排気ガス処理装置100の搭載スペースを小さくする、言い換えると、排気ガス処理装置100を小型化することができる。また、別の装置より、空燃比センサ3と温度センサ4が取り付けられる位置近くにレイアウト制限がある場合には、例えば、中間筒部15の中心軸方向から見た投影面において(
図4)、位置Bに取り付けられるセンサ(
図4では、空燃比センサ3)が、径方向において、中間筒部15から飛び出してしまうような場合には、2つセンサのうちの高さ方向に大きなセンサを位置Aに配置することより、中間筒部15から飛び出してしまうことを防止できる。これにより、排気ガス処理装置100を更に小型化できる。
【0039】
なお、空燃比センサ3と温度センサ4とは、排気ガスGの流れ方向において、前後するような配置であってもよい。
【0040】
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0041】
排気ガス処理装置100は、第1方向Pに沿って流れる排気ガスGを浄化する第1触媒担体(TWC1B)と、第1触媒担体(TWC1B)を通過した排気ガスGであって第1方向Pと交差する第2方向Qに沿って流れる排気ガスGを浄化し、第1触媒担体(TWC1B)の中心軸O1に対して中心軸O2がオフセットするように配置される第2触媒担体(GPF2)と、第1触媒担体(TWC1B)と第2触媒担体(GPF2)とを収容するケース10と、第1触媒担体(TWC1B)の外周面とケース10(中間筒部15)の内周面との間に設けられ、第1触媒担体(TWC1B)の外周を覆う外周流路Fと、第1触媒担体(TWC1B)を通過した排気ガスGの第1の特性を測定するための第1センサ(空燃比センサ3)と、第1触媒担体(TWC1B)を通過した排気ガスGの第1の特性とは異なる第2の特性を測定するための第2センサ(温度センサ4)と、を備える。排気ガス処理装置100では、第1センサ(空燃比センサ3)と第2センサ(温度センサ4)は、第1方向Pから見て中心軸が互いに傾いた状態でケース10に取り付けられる。
【0042】
この構成では、第1センサ(空燃比センサ3)と第2センサ(温度センサ4)の近傍に排気ガス処理装置100以外の別の装置が配置される場合に、排気ガス処理装置100と別の装置との距離を近づけることができる。つまり、このような構成とすることにより、排気ガス処理装置100の搭載スペースを小さくする、言い換えると、排気ガス処理装置100を小型化することができる。
【0043】
排気ガス処理装置100では、ケース10は、第2触媒担体(GPF2)の上流側端面2aにおける第2触媒担体(GPF2)のオフセット方向の領域に排気ガスGを導くように拡径する拡径部15cを有する。第2触媒担体(GPF2)の中心軸O2を通り第1触媒担体(TWC1B)の下流側の端面と平行な第1平面上において、第2触媒担体(GPF2)の上流側端面2aと平行で第1触媒担体(TWC1B)の中心軸O1を通過する線を第1仮想線L1とし、拡径部15cの内壁の接線であって、第1触媒担体(TWC1B)の中心軸O1を通過する線を第2仮想線L2としたとき、第1仮想線L1と第2仮想線L2とがなす角度αは、45°以下である。
【0044】
この構成では、角度αが45度以下としているので、TWC1BとGPF2との間の流路の距離が長くなることを抑制し、排気ガス処理装置100が大型化することを抑制することをできる。また、角度αを45度以下とすることで、外周流路Fをより長く第1触媒担体(TWC1B)の外周面に沿わせて形成することができる。
【0045】
排気ガス処理装置100では、外周流路Fを流れる排気ガスGは、拡径部15cによって第2触媒担体(GPF2)に導かれる。
【0046】
この構成では、第2触媒担体(GPF2)が第1触媒担体(TWC1B)の中心軸O1に対してオフセットするように配置されていても、第1触媒担体(TWC1B)を通過した排気ガスGを拡径部15cによって、第2触媒担体(GPF2)のオフセット方向の領域に導くことができる。
【0047】
排気ガス処理装置100では、ケース10は、第1触媒担体(TWC1B)と外周流路Fとの間に設けられるインナケース部14cを有する。第1触媒担体(TWC1B)は、インナケース部14c内に第1方向Pの全体にわたって収容される。
【0048】
この構成では、TWC1A,1Bを通過する排気ガスGが、TWC1A,1Bの外周面から漏れ出ることを抑制できる。これにより、TWC1A,1Bに流入した排気ガスGがTWC1A,1Bの全域を通過することになるので、TWC1A,1Bの浄化性能を最大限発揮させることができる。また、この構成では、外周流路Fを流れる排気ガスGが、TWC1A,1B内に入って行かずにTWC1A,1Bを外周から加熱するので、TWC1A,1Bの保温効果が得られ、浄化性能を高めることができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0050】
上記実施形態では、第1センサとして空燃比センサ3を、第2センサとして温度センサ4を例に説明したが、第1センサ及び第2センサは、排気ガスGについての特性を測定するためのセンサであれば、どのようなセンサであってもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、2つのTWC1A,1Bを設けた場合を例に説明したが、これらを1つの三元触媒として構成してもよい。
【符号の説明】
【0052】
100 排気ガス処理装置
1A TWC
1B TWC(第1触媒担体)
2 GPF(第2触媒担体)
3 空燃比センサ(第1のセンサ)
4 温度センサ(第2のセンサ)
10 ケース
11 入口側フランジ
12 出口側フランジ
13 入口側筒部
14 第1収容筒部
15 中間筒部
15a 収容部
15b ガイド部
15c 拡径部
16 第2収容筒部
17 出口側筒部