(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083091
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】仕分システム、仕分方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230608BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197239
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平崎 康弘
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB06
3F522CC03
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD06
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE19
3F522FF06
3F522FF12
3F522GG13
3F522GG18
3F522GG22
3F522GG32
3F522GG34
3F522GG44
3F522GG47
3F522HH02
3F522HH05
3F522HH13
3F522HH16
3F522HH18
3F522HH22
3F522HH25
3F522HH30
3F522HH37
3F522LL15
(57)【要約】
【課題】棚などへの設置作業の軽減を可能とする。
【解決手段】仕分システムは、複数の仕分場所を有する棚を用いた物品の仕分作業を支援する仕分システムである。仕分システムは、仕分対象とする物品に付された物品情報を読み取る読取部を備える。仕分システムは、各仕分場所を示す場所情報及び各仕分場所に仕分けられる物品を示す物品情報が関連付けられて記憶された関連データを用いて、読取部で読み取った物品情報が関連付けられた場所情報を取得する取得部を備える。仕分システムは、棚における各仕分場所の位置を仮想的に表示する棚画像を用いるとともに、取得部で取得した場所情報が示す仕分場所の位置を仕分先として棚画像上に表示する仕分先表示部を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕分場所を有する棚を用いた物品の仕分作業を支援する仕分システムであって、
仕分対象とする前記物品に付された物品情報を読み取る読取部と、
各仕分場所を示す場所情報及び各仕分場所に仕分けられる前記物品を示す前記物品情報が関連付けられて記憶された関連データを用いて、前記読取部で読み取った前記物品情報が関連付けられた前記場所情報を取得する取得部と、
前記棚における各仕分場所の位置を仮想的に表示する棚画像を用いるとともに、前記取得部で取得した前記場所情報が示す前記仕分場所の位置を仕分先として前記棚画像上に表示する仕分先表示部と、
を備える仕分システム。
【請求項2】
請求項1に記載の仕分システムであって、
前記仕分先表示部に前記棚画像の少なくとも一部を区分表示させ、表示区分を切り替えて前記仕分場所の位置を表示する、
仕分システム。
【請求項3】
請求項2に記載の仕分システムであって、
前記表示区分を切り替える場合に、前記仕分場所の位置を音声で通知する、
仕分システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の仕分システムであって、
作業者の現在位置を取得する位置取得部と、
複数配置された前記棚から前記仕分先を抽出する場合に前記現在位置に近い前記棚の前記仕分場所を優先して前記仕分先として検索する検索部と、
をさらに備える仕分システム。
【請求項5】
請求項4に記載の仕分システムであって、
前記位置取得部は、前記各棚と前記作業者との位置関係を取得するセンサの取得結果に基づいて前記現在位置を推定する、
仕分システム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の仕分システムであって、
前記位置取得部は、直前に前記物品が収められた前記仕分場所に基づいて前記現在位置を推定する、
仕分システム。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の仕分システムであって、
前記検索部は、優先して検索した前記棚に前記仕分先が無い場合に、前記各棚に予め設定された検索順番に基づいて決められた前記棚の前記仕分場所を前記仕分先として検索する、
仕分システム。
【請求項8】
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の仕分システムであって、
前記検索部は、優先して検索した前記棚に前記仕分先が無い場合に、直前に前記物品が収められた前記仕分場所に近い前記棚の前記仕分場所を前記仕分先として検索する、
仕分システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の仕分システムであって、
前記仕分先表示部が表示した前記仕分場所以外の場所に前記物品が収められた場合に、その旨を報知するエラー報知部、
をさらに備える仕分システム。
【請求項10】
複数の仕分場所を有する棚を用いた物品の仕分作業を支援する仕分システムのコンピュータが実行する仕分方法であって、
仕分対象とする前記物品に付された物品情報を読み取る読取ステップと、
各仕分場所を示す場所情報及び各仕分場所に仕分けられる前記物品を示す前記物品情報が関連付けられて記憶された関連データを用いて、前記読取ステップで読み取った前記物品情報が関連付けられた前記場所情報を取得する取得ステップと、
前記棚における各仕分場所の位置を仮想的に表示する棚画像を用いるとともに、前記取得ステップで取得した前記場所情報が示す前記仕分場所の位置を仕分先として前記棚画像上に表示する仕分先表示ステップと、
を備える仕分方法。
【請求項11】
複数の仕分場所を有する棚を用いた物品の仕分作業を支援する仕分システムのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
仕分対象とする前記物品に付された物品情報を読み取る読取手順と、
各仕分場所を示す場所情報及び各仕分場所に仕分けられる前記物品を示す前記物品情報が関連付けられて記憶された関連データを用いて、前記読取手順で読み取った前記物品情報が関連付けられた前記場所情報を取得する取得手順と、
前記棚における各仕分場所の位置を仮想的に表示する棚画像を用いるとともに、前記取得手順で取得した前記場所情報が示す前記仕分場所の位置を仕分先として前記棚画像上に表示する仕分先表示手順と、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分システム、仕分方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仕分システムが開示されている。この仕分システムでは、仕分個数などを表示する表示装置が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術は、商品ラックの各棚に表示装置を設置する必要がある。このため、表示装置の設置作業を要する。
【0005】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、棚などへの設置作業の軽減を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、複数の仕分場所を有する棚を用いた物品の仕分作業を支援する仕分システムであって、仕分対象とする前記物品に付された物品情報を読み取る読取部と、各仕分場所を示す場所情報及び各仕分場所に仕分けられる前記物品を示す前記物品情報が関連付けられて記憶された関連データを用いて、前記読取部で読み取った前記物品情報が関連付けられた前記場所情報を取得する取得部と、前記棚における各仕分場所の位置を仮想的に表示する棚画像を用いるとともに、前記取得部で取得した前記場所情報が示す前記仕分場所の位置を仕分先として前記棚画像上に表示する仕分先表示部と、を備える、仕分システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、物品の物品情報を読み取ると、物品情報が付された物品の仕分場所を示す場所情報が関連データに基づいて取得される。そして、棚の仕分場所を仮想的に表示する棚画像が用いられ、当該棚画像上に、取得した場所情報を示す仕分場所が仕分先として表示される。
【0008】
このため、各棚に表示装置を設置することなく、物品情報を読み取った物品の仕分先を作業者に報知することができる。
【0009】
したがって、仕分個数などを表示する表示装置を各棚に設置しなければならない場合と比較して、棚などへの設置作業の軽減が可能となる。
【0010】
また、物品情報を読み取った物品の仕分先が表示によって報知される。このため、アソート方式の仕分け作業において、収める物品の名称が各仕分場所に表示される場合のように、トータルピッキングされた複数の物品の中から仕分場所に表示された物品を探し出して仕分するといった作業が不要となる。
【0011】
これにより、アソート方式の仕分け作業における作業性の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る仕分システムで利用する棚の配置状態を示す模式図である。
【
図2】一実施形態に係る仕分システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態に係る仕分システムについて説明する。
【0014】
本実施形態では、企業が物品を直接一般消費者に提供するBtoC(Business to Customer)のビジネスモデルで行われる仕分作業を例に挙げて説明する。この仕分作業では、トータルピッキング後に行われるアソート方式の仕分作業を一例に挙げて説明する。
【0015】
具体的に説明すると、トータルピッキングでは、複数の顧客のオーダーを一定量纏め、纏められたオーダーの総ての物品を予めピッキングする。そして、アソート方式の仕分作業において、纏めたオーダーに応じてピッキングした物品を顧客ごとに仕分ける。
【0016】
この仕分システムは、棚などへの装置の設置作業の軽減を可能とするシステムであり、仕分システムは、複数の仕分場所を有する棚を用いた物品の仕分作業を支援する。
【0017】
図1は、一実施形態に係る仕分システムで利用する棚の配置状態を示す模式図である。この仕分システムでは、複数の仕分場所を有した棚が複数用いられる。
【0018】
図1に示すように、仕分作業が行われる作業場10には、第一棚12と第二棚14と第三棚16とが横並びに設置されている。
【0019】
なお、本実施形態では、各棚12~16が横並びに設置された場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、第二棚14の両脇に配置された第一棚12及び第三棚16を第二棚14に対して交差する方向に配置して各棚12~16をU字状に配置したり、第一棚12及び第二棚14をV字状に配置したりしてもよい。
【0020】
このように各棚12~16を配置することで、作業者Mの移動距離を少なくすることができる。
【0021】
第一棚12の上部には、赤色の赤色表示18が上縁に沿って設けられている。第二棚14の上部には、青色の青色表示20が上縁に沿って設けられている。第三棚16の上部には、緑色の緑色表示22が上縁に沿って設けられている。これにより、各棚12~16は、色分けされている。
【0022】
第一棚12は、仕分場所である第一仕分場所32を複数有する。第二棚14は、仕分場所である第二仕分場所34を複数有する。第三棚16は、仕分場所である第三仕分場所36を複数有する。
【0023】
各仕分場所32~36は、仕切りで区画された矩形状の空間で構成されている。各仕分場所32~36には、仕分される物品を投入して収めることができる。
【0024】
各棚12~16の各仕分場所32~36は、縦方向に四行、横方向に五列設けられている。各位置に配置された各仕分場所32~36の符号には、必要に応じて行及び列を示す符号を付して説明する。
【0025】
具体的に説明すると、第一棚12の第一行第一列の第一仕分場所32には、「-1-1」を付し、第一仕分場所32-1-1と表示する。また、第二棚14の第一行第二列の仕分場所には、「-1-2」を付し、第二仕分場所34-1-2と表示する。
【0026】
各棚12~16の各仕分場所32~36には、間口コード40が設けられている。間口コード40は、一例としてバーコードで構成される。各間口コード40は、当該間口コード40が設けられた各仕分場所32~36に対応し、間口コード40を読み取ることで、間口コード40が設けられた仕分場所の特定が可能である。
【0027】
第一棚12の前方の第一床面42には、センサである第一床スイッチ44が設置されている。第二棚14の前方の第二床面46には、センサである第二床スイッチ48が設置されている。第三棚16の前方の第三床面50には、センサである第三床スイッチ52が設置されている。
【0028】
各床スイッチ44、48、52は、設置された各床面42、46、50に荷重が加えられた際に作動して検出信号を出力する。これにより、どの床スイッチからの検出信号かを特定することで、仕分を行う作業者Mが、どの棚の前に居るかを把握することが可能となる。
【0029】
そして、各棚12~16には、物品110の仕分先を検索する際の順番が定められている。検索する順番としては、検索する棚の順番を示す棚検索順番54と、各棚12~16におけて検索する仕分場所の順番を示す第一場所検索順番56、第二場所検索順番58、及び第三場所検索順番60とがある。
【0030】
棚検索順番54は、一例として、第一棚12、第二棚14、第三棚16の順に設定されている。
【0031】
第一場所検索順番56は、第一行第一列の第一仕分場所32-1-1から始まって第四行第五列の第一仕分場所32-4-5で終わるように設定されている。第二場所検索順番58は、第一行第一列の第二仕分場所34-1-1から始まって第四行第五列の第二仕分場所34-4-5で終わるように設定されている。第三場所検索順番60は、第一行第一列の第三仕分場所36-1-1から始まって第四行第五列の第三仕分場所36-4-5で終わるように設定されている。
【0032】
次に、
図2を参照して、仕分システム70の概略構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る仕分システム70の概略構成図である。
【0033】
図2に示すように、仕分システム70は、管理装置72と携帯機器74とを備える。
図2では、理解を容易にするために携帯機器74が一つ示されている。しかしながら、仕分システム70は、作業者Mの数に応じて複数の携帯機器74を備える。
【0034】
また、仕分システム70は、センサ部76を備える。センサ部76は、仕分を行う作業者Mの現在位置を検出する。センサ部76は、第一床スイッチ44、第二床スイッチ48と、第三床スイッチ52とを備える。
【0035】
管理装置72と携帯機器74とは、回線網78を介して互いに通信可能に接続される。センサ部76は、回線網78を介して、検出結果である検出信号を管理装置72及び携帯機器74に送信する。回線網78は、例えば、インターネットやイントラネットである。
【0036】
(管理装置)
管理装置72は、一例として回線網78に接続されたサーバで構成される。管理装置72は、回線網78を介して有線通信又は無線通信を行うための通信部80と、各種演算処理を行うプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)82と、各種情報を格納するデータベースや各種プログラム等を記憶する記憶部84とを備える。
【0037】
記憶部84は、メモリやハードディスク、その他既知の記憶装置である。記憶部84は、プログラムを記憶する記憶媒体を構成する。
【0038】
記憶部84には、
図1に示すように、各棚12~16における各仕分場所32~36の位置を例えば座標で示す位置データが記憶されている。また、記憶部84には、棚検索順番54、各場所検索順番56~60が記憶されている。
【0039】
記憶部84には、各棚12~16及び各仕分場所32~36の位置を仮想的に表示可能とする棚画像151が記憶されている(
図5参照)。また、記憶部84には、各仕分場所32~36を示す場所情報144と各仕分場所32~36に仕分けられる物品110を示す物品情報146とが関連付けられて記憶された関連データ140が記憶されている(
図4参照)。
【0040】
図2に示すように、管理装置72は、例えば、サーバとして機能するコンピュータであるが、クラウド環境に設けられてもよい。つまり、ソフトウェア及びデータベースがその実体である。そのため、管理装置72の設置場所は倉庫の内外を問わない。管理装置72は、仮想化技術によって実現できる仮想サーバであってもよい。
【0041】
(携帯機器)
携帯機器74は、複数の作業者Mそれぞれが、仕分作業に使用するために携行する。携帯機器74は、作業者Mが使用する台車等に取り付けられていてもよい。このような場合も、作業者Mが携帯機器74を携行していると言える。
【0042】
携帯機器74は、スマートデバイス90とスキャナ92とを含んで構成される。スマートデバイス90とスキャナ92とは、有線又は無線で接続される。
【0043】
スマートデバイス90は、例えば、タブレット端末、ウェアラブルディスプレイ、又はスマートフォン等の携帯端末である。
【0044】
スマートデバイス90は、無線通信を行うための通信部94と、各種演算処理を行うプロセッサであるCPU96と、各種情報を格納するデータベースや各種プログラム等を記憶する記憶部98とを備える。また、スマートデバイス90は、各種情報を表示する表示部としてのディスプレイ100と、スピーカ102とを備える。
【0045】
記憶部98は、メモリやハードディスク、その他既知の記憶装置である。記憶部98は、プログラムを記憶する記憶媒体を構成する。記憶部98に記憶されたプログラムには、仕分システム70において仕分方法を実行する為の仕分プログラムが含まれる。
【0046】
スキャナ92は、物品110に付された物品情報を示す識別コード112を読み取る際に用いられる。スキャナ92で読み取った識別コード112が示す物品情報は、スマートデバイス90に送られる。
【0047】
識別コード112が示す物品情報には、当該識別コード112が付された物品110に関する情報が含まれる。物品110に関する情報は、例えば、商品名、商品コード等であって、物品110の内容を特定可能な情報である。これにより、識別コード112から物品110を把握することができる。
【0048】
なお、物品110に関する情報を識別コード112に直接含むのではなく、物品110に関する情報を特定するための情報を識別コード112に含むようにしてもよい。
【0049】
識別コード112は、例えば、バーコード、二次元コード、色の変化によって符号化情報を表すカラーコード等の光学式認識コードを採用することができる。また、識別コード112は、文字列や図形によって情報を表すコードであってもよい。
図1では、識別コード112がバーコードの場合が一例として示されている。
【0050】
また、ICチップに識別情報を記憶するRFID(Radio Frequency Identification)媒体等も、識別コード112の一種として採用することができる。RFID媒体を採用した場合、携帯機器は、スキャナ92に代えてRFIDリーダを備える。
【0051】
スキャナ92は、スマートデバイス90と一体であってもよい。つまり、スマートデバイス90がスキャナとしての機能やRFIDリーダとしての機能を有する態様も採用可能である。
【0052】
(センサ部)
センサ部76は、作業者Mが棚の近くに居ることを検出する装置である。センサ部76は、各床面42、46、50の荷重を検出する各床スイッチ44、48、52を含んで構成される。管理装置72又は携帯機器74は、どの床スイッチからの検出信号が送られてきたかを特定することで、作業者Mがどの棚の前に居るかを把握することができる。
【0053】
なお、本実施形態では、各棚12~16と作業者Mとの位置関係を取得するセンサを各床スイッチ44、48、52で構成する場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、所定の範囲内に人がいるか否かを検出する人感センサによってセンサを構成してもよい。
【0054】
センサを人感センサで構成する場合、各棚に人感センサを設置するとともに、各人感センサの検出範囲を設置された棚の前の領域に設定する。これにより、管理装置72又は携帯機器74は、どの人感センサが人を検出したかを特定することで、作業者Mがどの棚の前に居るかを把握することができる。
【0055】
[機能ブロック]
次に、
図3を参照しながら仕分システム70の携帯機器74の機能について詳しく説明する。
【0056】
図3は、携帯機器74の機能ブロック図である。なお、
図3は仕分システム70の機能の一部をブロック図として表したものであり、各ブロックは必ずしも物理的な構成を意味するものではない。
【0057】
また、本実施形態では、携帯機器74のスマートデバイス90が実施する機能について説明するが、本実施形態では、これに限定されるものではない。例えば、
図3に示した各機能の少なくとも一部を当該仕分システム70の他の装置で実施してもよい。
【0058】
図3に示すように、仕分システム70における携帯機器74のスマートデバイス90は、読取部120と、取得部122と、仕分先表示部124と、位置取得部126と、検索部128と、エラー報知部130とを有する。
【0059】
読取部120は、仕分対象とする物品110に付された識別コード112から物品情報を読み取る。読取部120は、スマートデバイス90に接続されたスキャナ92を用いて物品110に付された識別コード112をスキャンして物品110に関する情報を得る。
【0060】
取得部122は、関連データを用いて、読取部120で読み取った識別コード112が関連付けられた場所情報を取得する。
【0061】
関連データ140は、
図4に示すように、各仕分場所32~36を示す場所情報144と、及び各仕分場所32~36に仕分けられる物品110の情報を示す物品情報146とが関連付けられて記憶されたデータである。
【0062】
関連データ140は、一例としてデータテーブルが挙げられる。また、関連データ140は、管理装置72の記憶部84に記憶されている。スマートデバイス90は、回線網78を介して、管理装置72から関連データ140を取得する。
【0063】
[関連データ]
図4は、関連データ140の一例を示す図である。関連データ140は、物品110の注文を受けた顧客を示す顧客名142と、予め顧客ごとに割り当てられた仕分場所を示す場所情報144と、顧客ごとに割り当てられた仕分場所に仕分けられる物品110を示す物品情報146付けられて記憶されている。
【0064】
なお、
図4には、関連データ140がスマートデバイス90の記憶部98に記憶された際に、関連データ140の各行に関連付けて記憶される投入済フラグ200が示されている。この投入済フラグ200については後述する。
【0065】
場所情報144は、顧客ごとに割り当てられた仕分場所を備えた棚を示す棚番号148と、割り当てられた棚における仕分場所の位置を示す棚位置150とを含む。物品情報146は、顧客ごとに割り当てられた仕分場所に仕分けられる物品110の商品名152と、それぞれの物品110の注文数を示す個数154とを含む。
【0066】
なお、顧客名142は、顧客ごとに定められた顧客コードであってもよい。また、商品名152は、物品110ごとに定められた商品コードであってもよい。
【0067】
この関連データ140を用いて物品情報146の商品名152を検索することで、当該商品名152に関連付けられた場所情報144を取得することが可能となる。
【0068】
仕分先表示部124(
図3参照)は、各棚12~16における各仕分場所32~36の位置を仮想的に表示する棚画像を用い、取得部122で取得した場所情報144が示す仕分場所の位置を仕分先として棚画像上に表示する。
【0069】
図5は、棚画像151の一例を示す説明図である。棚画像151は、管理装置72の記憶部84に記憶されている。
【0070】
この棚画像151において、破線で囲まれた表示画面153は、スマートデバイス90のディスプレイ100に表示される範囲を示す。この表示画面153に表示される棚画像151の表示範囲は、左右に移動することができる。
【0071】
棚画像151は、第一棚12を示す第一棚画像160と、第二棚14を示す第二棚画像162と、第三棚16を示す第三棚画像164とを有する。
【0072】
第一棚画像160の上部には、赤色の赤色帯166が表示され、第一棚12を示すことを認識できるように構成されている。第二棚画像162の上部には、青色の青色帯168が表示され、第二棚14を示すことを認識できるように構成されている。第三棚画像164の上部には、緑色の緑色帯170が表示され、第三棚16を示すことを認識できるように構成されている。
【0073】
各棚画像160~164には、各棚12~16の各仕分場所32~36に対応する箇所に、対応する仕分場所の位置を仮想的に示す場所画像172~176が矩形状の枠で示されている。各場所画像172~176は、対応する棚に設けられた仕分場所の数に合わせて変更することができる。
【0074】
この棚画像151において、取得部122で取得した場所情報144が示す場所画像は黄色で表示され、仕分先を視覚的に認識できるように構成されている。
【0075】
また、黄色で表示された場所画像には、取得部122で取得した場所情報144に関連付けられた個数154が数字で表示され、場所情報144が示す仕分場所に投入すべき同一の物品110の個数が認識できるように構成されている。
【0076】
第二棚画像162の左端には、左矢印180が表示され、第二棚画像162の右端には、右矢印182が表示される。
【0077】
当該スマートデバイス90を利用する作業者Mによってディスプレイ100に表示された第二棚画像162の左矢印180がタップされた場合、棚画像151を右側にスクロールして表示画面153外の第一棚画像160を表示画面153内に表示する。このとき、スピーカ102からは、「赤、第一棚」と音声で報知する。
【0078】
また、作業者Mによってディスプレイ100に表示された第二棚画像162の右矢印182がタップされた場合、棚画像151を左側にスクロールして、表示画面153外の第三棚画像164を表示画面153内に表示する。このとき、スピーカ102からは、「緑、第三棚」と音声で報知する。
【0079】
第一棚画像160の右端には、右矢印184が表示される。作業者Mによってディスプレイ100に表示された第一棚画像160の右矢印184がタップされた場合、棚画像151を左側にスクロールして表示画面153外の第二棚画像162を表示画面153内に表示する。このとき、スピーカ102からは、「青、第二棚」と音声で報知する。
【0080】
第三棚画像164の左端には、左矢印186が表示される。作業者Mによってディスプレイ100に表示された第三棚画像164の左矢印186がタップされた場合、棚画像151を右側にスクロールして表示画面153外の第二棚画像162を表示画面153内に表示する。このとき、スピーカ102からは、「青、第二棚」と音声で報知する。
【0081】
各棚画像160~164の下部には、投入済み表示ボタン190と、予定一覧ボタン192と、商品検索ボタン194と、戻るボタン196とが表示されている。
【0082】
作業者Mが投入済み表示ボタン190をタップすると、一例として、現時点で投入が完了した物品110の一覧画面が表示画面153に表示される。また、作業者Mが予定一覧ボタン192をタップすると、一例として、これから投入予定の物品110の一覧画面が表示画面153に表示される。
【0083】
商品検索ボタン194は、仕分けされる物品110の検索に用いられ、前述したように物品110に付された識別コード112を読み取って仕分先を検索する際に用いてもよい。そして、戻るボタン196は、一つ前の操作に戻る際に用いられる。
【0084】
また、仕分先表示部124は、棚画像151の少なくとも一部を、表示画面153内に区分表示するとともに、表示区分を切り替えて仕分先となる仕分場所の位置を表示する。
【0085】
すなわち、前述したように、棚画像151は、その一部が表示画面153に表示される。
【0086】
そして、表示画面153に表示された表示区分(棚画像151の一部)を切り替える場合に、仕分先となる仕分場所の位置が音声で通知される。
【0087】
音声通知される仕分場所の位置は、一例として、仕分先となる仕分場所を有する棚の名称である「第一棚」、「第二棚」、又は「第三棚」が挙げられる。
【0088】
位置取得部126(
図3参照)は、作業者Mの現在位置を取得する。
【0089】
位置取得部126は、各棚12~16と作業者Mとの位置関係を取得するセンサの取得結果に基づいて現在位置を推定する。
【0090】
センサが各床スイッチ44、48、52で構成された本実施形態では、作業者Mの荷重の検出を示す検出信号の送信元である床スイッチを特定することで、位置取得部126は、現在作業者Mがどの棚の前に居るかを推定する。
【0091】
一方、センサが各棚12~16の前に設定された検出範囲に人がいるか否かを検出する人感センサで構成された場合、人の検出を示す検出信号の送信元である人感センサを特定することで、位置取得部126は、現在作業者Mがどの棚の前に居るかを推定する。
【0092】
また、位置取得部126は、直前に物品110が収められた仕分場所に基づいて現在位置を推定する。具体的に説明すると、直前に物品110が投入された仕分場所の情報を用いることによって、作業者Mは、当該仕分場所を有する棚の近くに居ると推定する。
【0093】
検索部128は、複数配置された各棚12~16から仕分先を抽出する場合に現在位置に近い棚の仕分場所を優先して仕分先として検索する。
【0094】
例えば、各仕分場所32~36への物品110の投入が行われていない仕分作業開始前には、センサの取得結果から得られた現在位置に近い棚の仕分場所から仕分先を検索する。また、各仕分場所32~36への物品110の投入作業が既に行われている仕分作業開始後においては、直前に物品110が投入された仕分場所を有する棚の仕分場所から仕分先を検索する。
【0095】
また、検索部128は、優先して検索した棚に仕分先が無い場合に、各棚12~16に予め設定された検索順番である棚検索順番54に基づいて決められた棚の仕分場所を仕分先として検索する。
【0096】
棚検索順番54は、第一棚12、第二棚14、第三棚16の順に設定されているので、現在位置に近い第二棚14を検索しても仕分先が見つからなかった場合、第一棚12の第一仕分場所32を仕分先として検索する。
【0097】
また、検索部128は、優先して検索した棚に仕分先が無い場合に、直前に物品110が収められた仕分場所に近い棚の仕分場所を仕分先として検索する。
【0098】
例えば、直前に物品110が投入された仕分場所が第二棚14の第一行第五列の第二仕分場所34-1-5の場合、第二仕分場所34-1-5からは、第一棚12よりも第三棚16の方が近いことを各仕分場所32~36の位置データから把握することができる。
【0099】
このため、この場合、直前に物品110を投入した現在位置に近い第二棚14を検索しても仕分先が見つからなかった場合、第三棚16の第三仕分場所36を仕分先として検索する。
【0100】
エラー報知部130は、仕分先表示部124が表示した仕分場所以外の場所に物品110が収められた場合に、その旨を報知する。
【0101】
具体的に説明すると、仕分先表示部124の指示に従って物品110をいずれかの仕分場所に投入した場合、一例として、各仕分場所32~36に設けられた間口コード40をスキャナ92で読み込む。これにより、スマートデバイス90は、スキャナ92で読み込まれた間口コード40が示す仕分場所と仕分先表示部124が示した仕分場所とが一致するか否から仕分先以外の場所に物品110が収められたか否かを判断することができる。
【0102】
そして、仕分先表示部124が表示した仕分場所以外の場所に物品110が収められた場合、その旨を報知することで、作業者Mに物品110の入れ直しを促す。
【0103】
(動作説明)
次に、仕分システム70の動作を、
図6から
図8を用いるとともに、スマートデバイス90のCPU96で構成されたプロセッサが実行する処理手順に従って説明する。プロセッサが、この処理手順を実行することで、仕分方法が実施される。
【0104】
図6は、仕分処理のフローチャートである。
図7は、投入処理のフローチャートである。
図8は、仕分先検索処理のフローチャートである。
【0105】
CPU96で構成されたプロセッサが記憶部98に記憶された仕分プログラムを実行すると、プロセッサは、データ取得処理を実行する(ステップS1)。
【0106】
データ取得処理では、管理装置72の記憶部84に予め記憶されたデータを、回線網78を介して、取得して当該スマートデバイス90の記憶部98に記憶する。
【0107】
管理装置72から取得するデータとしては、各棚12~16の各仕分場所32~36の位置データ、棚検索順番54及び各場所検索順番56~60を示すデータ、棚画像151を表示する為のデータ、並びに関連データ140などが挙げられる。
【0108】
管理装置72からのデータの取得方法としては、一例として、トータルピッキングで集められた物品110を収容する集荷ケースに付されたピッキングラベルのバーコードを利用する方法が挙げられる。具体的に説明すると、ピッキングラベルのバーコードをスキャナ92で読み取り、読み取ったバーコードに関連付けられたデータを管理装置72から取得する。
【0109】
そして、プロセッサは、投入処理を実行する(ステップS2)。
【0110】
図7に示すように、投入処理において、プロセッサは、スキャナ92から物品情報146が入力されたか否かによって、仕分対象とする物品110に付された物品情報146を示す識別コード112が読み取られたか否かを判断する(ステップSB1)。このステップSB1において、識別コード112が読み込まれるまで待機する。
【0111】
これにより、作業者Mがトータルピッキングで集められた物品110から仕分対象とする物品110を取り出し、当該物品110に付された物品情報146を示す識別コード112をスキャナ92で読み込むまで待機する。
【0112】
物品情報146が読み取られた場合には、記憶部98に記憶した関連データ140を用いることで、読み取った物品情報146に関連付けられた場所情報144を仕分先として取得する(ステップSB2)。
【0113】
作業者Mが仕分対象としてコーラを取り出し、コーラに付された識別コード112をスキャナ92で読み込んだ場合、プロセッサは、識別コード112が示す物品情報146の商品名152にコーラが記憶された行の場所情報144を仕分先として取得する。
【0114】
なお、本実施形態では、読み取って取得した物品情報146に関連付けられた場所情報144を仕分先として取得する処理を、ステップSB1の後で行う場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、物品情報146から場所情報144を仕分先として取得する処理を、後述する仕分先検索処理で行ってもよい。
【0115】
また、この時点において、仕分先として取得した場所情報144に対応する総ての場所画像を一定時間着色し、仕分先の候補となる総ての仕分場所を作業者Mに予告してもよい。
【0116】
そして、プロセッサは、ディスプレイ100に表示した棚画像151における各場所画像172~176のうち橙色で表示された場所画像があるか否かを判断する(ステップSB3)。
【0117】
ここで、橙色の表示は、橙色の場所画像に対応する仕分場所に物品110が収められたことを示す表示であり、詳細は、後述するステップSB13で説明する。
【0118】
ステップSB3で橙色に着色された場所画像は無いと判断した場合、プロセッサは仕分先検索処理を実行する(ステップSB5)。また、ステップSB3で橙色に着色された場所画像があると判断した場合、プロセッサは、橙色に着色された場所画像を白色に戻して(ステップSB4)、仕分先検索処理を実行する(ステップSB5)。
【0119】
図8に示すように、仕分先検索処理では、作業者Mの現在位置を取得する(ステップSC1)。
【0120】
なお、本実施形態では、各棚12~16と作業者Mとの位置関係から現在位置を取得する場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、作業者Mがどの棚に向かって立っているかを検出し、その検出結果に基づいて現在位置を定めてもよい。この検出に用いる装置としては、例えば、RFID、WiFi、スマートデバイスが備えた加速度センサ、マイク、又は作業者Mの視線を検出する装置等が利用可能である。
【0121】
現在位置を取得する方法として、各仕分場所32~36への物品110の投入が行われていない仕分作業開始前には、センサを用いて現在位置を推定する。また、各仕分場所32~36への物品110の投入作業が既に行われている仕分作業開始後には、直前に物品110が収められた仕分場所に基づいて現在位置を推定する。
【0122】
ここで、各仕分場所32~36への物品110の投入が行われていない場合について説明する。この場合において、仕分を行う作業者Mが第二棚14の前にいる場合、第二棚14の前方の第二床面46に設置された第二床スイッチ48からは、作業者Mの荷重を検出した検出結果が検出信号としてプロセッサに送られる。
【0123】
すると、プロセッサは、第二床スイッチ48から検出信号を受けたと認識することで、作業者Mの現在位置は、第二棚14の前であると推定する。なお、センサが、前述した人感センサで構成された場合、各人感センサの取得結果に基づいて作業者Mの現在位置を推定するものとする。
【0124】
一方、仕分作業開始後の場合、プロセッサは、直前に物品110が収められた仕分場所を有する棚の前方に作業者Mがいると推定し、直前に物品110が収められた仕分場所を有する棚の前方の位置を現在位置として推定する。具体的に説明すると、直前に物品110が収められた仕分場所を有する棚が第二棚14の場合、作業者Mの現在位置は、第二棚14の前であると推定する。
【0125】
そして、プロセッサは、現在位置に基づいて検索する棚を選択した後(ステップSC2)、選択した棚における仕分場所から仕分先を検索する(ステップSC3)。選択した棚において仕分先を検索する際には、選択した棚に設定された各場所検索順番56~60に従って仕分先の検索を行う。
【0126】
ここで、第二床スイッチ48から検出信号を受けた場合、作業者Mの現在位置は、第二棚14の前と推定する。このため、プロセッサは、第二棚14を検索する棚とし、第二棚14における第二仕分場所34から仕分先を検索する。
【0127】
具体的に説明すると、プロセッサは、関連データ140の中から棚番号148に第二棚14を示す「2」記憶された行を抽出する。次に、プロセッサは、抽出した行の中から商品名152がコーラの行を抽出する。
【0128】
ここで、棚番号148に「2」が記憶された行から商品名152がコーラの行を抽出する場合、
図1に示した第二場所検索順番58に従って商品名152がコーラの行を抽出する。そして、プロセッサは、抽出した行の棚位置150に記憶された「2-4」を取得する。
【0129】
なお、本実施形態では、棚番号148に「2」が記憶された行から商品名152がコーラの行を抽出する場合に棚検索順番54に従う場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
【0130】
例えば、仕分作業開始後の場合、プロセッサは、直前に物品110が収められた仕分場所の高さに基づいて仕分先の検索を行ってもよい。
【0131】
高さに基づいて検索する方法としては、直前に物品110が収められた仕分場所と同じ高さの仕分場所を優先して仕分先を検索する方法が挙げられる。この場合、仕分先の高さが変わらないので、作業性の向上を図ることができる。
【0132】
また、同じ高さの仕分先が一定回数連続した後に検索先を他の棚に変更する場合、棚を変更するタイミングで異なる高さの仕分場所を優先して仕分先を検索してもよい。この場合、作業者Mの腰に係る負担を抑制することが可能となる。
【0133】
このとき、プロセッサは、検索した棚に仕分先があったか否かを判断し(ステップSC4)、検索した棚に仕分先となる仕分場所があった場合には、この仕分場所を一時的に記憶部98に記憶する等して仕分先に決定し(ステップSC5)、投入処理へ戻る。
【0134】
一方、ステップSC4で、検索した棚に仕分先が無かった場合、プロセッサは、検索する棚を変更して(SC6)、変更した棚において仕分先を検索する(ステップSC3)。
【0135】
具体的に説明すると、プロセッサは、関連データ140の中から棚番号148に第二棚14を示す「2」記憶された行を抽出する。次に、プロセッサは、抽出した行の中から商品名152がコーラの行を抽出する。
【0136】
このとき、プロセッサは、抽出した行の中から商品名152がコーラの行を抽出することができなかった場合、検索する棚を変更する。
【0137】
検索する棚の変更方法としては、予め設定された棚検索順番54に基づいて検索する棚を変更する方法と、直前に物品110が収められた仕分場所に近い棚を検索する棚として変更する方法とが挙げられる。
【0138】
ここで、仕分作業開始前の場合には、予め設定された棚検索順番54に基づいて検索する棚を変更する。
【0139】
本実施形態の仕分システム70では、
図1に示したように、棚検索順番54が、第一棚12、第二棚14、第三棚16の順に設定されている。このため、現在位置に近い第二棚14を検索しても仕分先が見つからなかった場合には、検索する棚を第一棚12とする。
【0140】
一方、仕分作業開始後の場合、プロセッサは、直前に物品110が収められた仕分場所に近い棚を検索する棚とする。
【0141】
例えば、直前に第二棚14の第二仕分場所34-2-4に物品110が投入された場合、プロセッサは、仕分場所の位置データを用いることで、第二仕分場所34-2-4からは、第一棚12よりも第三棚16の方が近いことを認識することができる。このため、プロセッサは、直前に物品110が投入された現在位置に近い第二棚14を検索しても仕分先が見つからなかった場合、第三棚16を検索する棚とする。
【0142】
そして、各ステップSC3~SC5を実行し、仕分先を決定して(ステップSC5)、投入処理へ戻る。
【0143】
図7に示す投入処理において、プロセッサは、仕分先として決定された仕分場所が表示画面153内にあるか否かを判断する(ステップSB6)。
【0144】
ステップSB6において、仕分先を有する第二棚14の第二棚画像162が表示画面153に表示されている場合、プロセッサは、ステップSB8の処理を行う。
【0145】
一方、ステップSB6において、仕分先を有する第二棚14の第二棚画像162が表示画面153に表示されていない場合、プロセッサは、棚画像151をシフトして第二棚画像162を表示画面153に表示する(ステップSB7)。
【0146】
これにより、プロセッサは、棚画像151の少なくとも一部を表示画面153に区分表示するとともに、表示区分を切り替えて仕分先となる仕分場所を有する第二棚画像162を表示画面153に表示する。
【0147】
プロセッサは、表示画面153に表示された画像を、棚画像151の一部である第二棚画像162に切り替える場合に、仕分先となる仕分場所の位置をスピーカ102から音声で通知する。
【0148】
音声通知する仕分場所の位置は、一例として、仕分先となる仕分場所を有する棚の名称である「第二棚」が挙げられ、スピーカ102からは、音声によって「青、第二棚」と通知される。
【0149】
次に、プロセッサは、仕分先である仕分場所を示す場所画像を黄色で表示し、投入する物品110の個数154を数字で表示するとともに、投入する商品名152と個数154とをスピーカ102から音声で報知する(ステップSB8)。そして、プロセッサは、スキャナ92から間口コード40が送られてくるまで待機する(ステップSB9)。
【0150】
すると、表示画面153の棚画像151には、
図5に示すように、第二棚画像162における第2行第4列の場所画像174-2-4が黄色になるとともに、当該場所画像174-2-4の中に数字の「1」が表示される。また、スピーカ102からは、「コーラ」「1」と音声で報知される。
【0151】
これにより、作業者Mは、手に取った物品110の仕分先が第二棚14の第2行第4列の第二仕分場所34-2-4であることを認識することができる。また、この第二仕分場所34-2-4には、コーラを一本投入することを認識することができる。
【0152】
そして、作業者Mは、表示画面153に従って、手に取った物品110を第二棚14の第2行第4列の第二仕分場所34-2-4に投入し、投入した第二仕分場所34-2-4に設けられた間口コード40をスキャナ92で読み取る。すると、スキャナ92からは、読み取った間口コード40がプロセッサに送られる。
【0153】
この間口コード40が送られたプロセッサは、送られた間口コード40が示す第二仕分場所34-2-4と仕分先として決定した第二仕分場所34-2-4とが一致するか否かから、物品110が正しい仕分場所に投入されたか否かを判断する(ステップSB10)。
【0154】
ステップSB10において、物品110が正しい仕分場所に投入されていない場合、プロセッサは、記憶部98に確保されたエラーフラグをセットして表示画面153にエラー表示を行い、スピーカ102から「投入エラー」と音声で報知する(ステップSB11)。
【0155】
これにより、プロセッサは、表示画面153で表示した仕分場所以外の場所に物品110が収められた場合に、投入エラーを報知することで、作業者Mに物品110の入れ直しを促す。
【0156】
そして、プロセッサは、セットしたエラーフラグをクリアして解除した後(ステップSB12)、スキャナ92から間口コード40が送られてくるまで待機する(ステップSB9)。
【0157】
ステップSB10において、物品110が正しい仕分場所に投入されていた場合、プロセッサは、仕分先である第二仕分場所34-2-4を示す場所画像174-2-4の表示を黄色から橙色に変更して、物品投入済であることを報知する(ステップSB13)。このとき、プロセッサは、関連データ140の各行に予め関連付けられた投入済フラグ200を「0」から「1」にセットする(
図4参照)。
【0158】
なお、このステップSB13は、省略してもよい。
【0159】
そして、プロセッサは、当該第二仕分場所34-2-4に投入される予定の物品110が残っているかるか否かを判断する(ステップSB14)。
【0160】
具体的に説明すると、棚番号148が「2」で棚位置150が「2-4」が記憶された商品名152の物品110において、投入未完了の物品110があるか否かを、一例として投入済フラグ200から判断する。
【0161】
ステップSB14において、第二仕分場所34-2-4に投入される予定の物品110が残っている場合、プロセッサは、仕分先である第二仕分場所34-2-4を示す場所画像174-2-4を灰色で表示し(ステップSB15)、仕分処理に戻って処理を行う。
【0162】
一方、ステップSB14において、当該第二仕分場所34-2-4に投入される予定の物品110が残っていない場合、すなわち、当該第二仕分場所34-2-4が設定された顧客の商品がすべて揃った場合、プロセッサは、仕分処理に戻って処理を行う。
【0163】
図6に示すように、仕分処理において、プロセッサは、関連データ140の各行に関連付けられた投入済フラグ200の総てが「1」であるか否かから、全商品の投入が完了したか否かを判断する(ステップS3)。
【0164】
ステップS3において、全商品の投入が完了していない場合、プロセッサは、ステップS2に戻り、投入処理を実行する。
【0165】
一方、ステップS3において、全商品の投入が完了している場合、プロセッサは、仕分処理を終了する。このとき、プロセッサは、管理装置72と通信して、全商品の投入が完了した旨を管理装置72に送信してもよい。
【0166】
(作用及び効果)
以上のように構成された仕分システム70の主な作用効果についてまとめて説明する。
【0167】
本実施形態の仕分システム70は、複数の仕分場所を有する棚を用いた物品110の仕分作業を支援する仕分システムである。仕分システム70は、仕分対象とする物品110に付された物品情報146を読み取る読取部120を備える。仕分システム70は、関連データ140を用いて、読取部120で読み取った物品情報146が関連付けられた場所情報144を取得する取得部122を備える。関連データ140は、各仕分場所を示す場所情報144と各仕分場所に仕分けられる物品110を示す物品情報146とが関連付けられて記憶されたデータである。仕分システム70は、棚における各仕分場所の位置を仮想的に表示する棚画像151を用いるとともに、取得部122で取得した場所情報144が示す仕分場所の位置を仕分先として棚画像151上に表示する仕分先表示部124を備える。
【0168】
これによれば、物品110の物品情報146を読み取ると、物品情報146が付された物品110の仕分場所を示す場所情報144が関連データ140に基づいて取得される。すると、棚の仕分場所を仮想的に表示する棚画像151が用いられ、当該棚画像151上に、取得した場所情報144を示す仕分場所が仕分先として表示される。
【0169】
このため、各棚12~16に表示装置を設置することなく、物品情報146を読み取った物品110の仕分先を作業者Mに報知することができる。
【0170】
したがって、仕分個数などを表示する表示装置を各棚12~16に設置しなければならない場合と比較して、棚などへの設置作業の軽減が可能となる。そして、棚への表示装置の設置が不要となるので、導入コストを抑えることができる。
【0171】
また、物品情報146を読み取った物品110の仕分先が表示によって報知される。このため、アソート方式の仕分け作業において、収める物品110の名称が各仕分場所に表示される場合のように、トータルピッキングされた複数の物品110の中から仕分場所に表示された物品110を探し出して仕分するといった作業が不要となる。
【0172】
これにより、アソート方式の仕分け作業における作業性の向上が可能となる。
【0173】
仕分システム70において、仕分先表示部124は、棚画像151の少なくとも一部を区分表示するとともに、表示区分を切り替えて仕分先となる仕分場所の位置を表示する。
【0174】
これによれば、棚画像151全体が表示される場合と比較して、区分表示された棚画像151から仕分先となる仕分場所を見つけることが容易となる。
【0175】
仕分システム70において、表示区分を切り替える場合に、仕分先となる仕分場所の位置を音声で通知する。
【0176】
これによれば、作業者Mは、仕分先となる仕分場所を音声通知によって知ることができるので、仕分先となる仕分場所を見つけることがさらに容易となる。
【0177】
仕分システム70は、作業者Mの現在位置を取得する位置取得部126と、複数配置された棚12~16から仕分先を抽出する場合に現在位置に近い棚の仕分場所を優先して仕分先として検索する検索部128と、をさらに備える。
【0178】
これによれば、作業者Mの移動量を抑えることができるので、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0179】
仕分システム70における位置取得部126は、各棚12~16と作業者Mとの位置関係を取得するセンサである各床スイッチ44、48、52の取得結果に基づいて現在位置を推定する。
【0180】
これによれば、仕分場所に物品110を投入する前であっても、センサである各床スイッチ44、48、52の取得結果に基づいて現在位置の推定が可能となる。
【0181】
仕分システム70における位置取得部126は、直前に物品110が収められた仕分場所に基づいて現在位置を推定する。
【0182】
これによれば、センサ等を用いることなく、現在位置の推定が可能となる。これにより、センサ等が不要となるとともにセンサ等の設置工程が不要となり、導入コストのさらなる抑制が可能となる。
【0183】
仕分システム70における検索部128は、優先して検索した棚に仕分先が無い場合に、各棚12~16に予め設定された検索順番に基づいて決められた棚の仕分場所を仕分先として検索する。
【0184】
これによれば、予め設定された検索順番である棚検索順番54に基づいて検索を優先する棚を定めることができる。このため、優先する棚を定める為の判断が不要となり、処理ステップを抑制するとともに、処理時間の短縮が可能となる。
【0185】
仕分システム70における検索部128は、優先して検索した棚に仕分先が無い場合に、直前に物品110が収められた仕分場所に近い棚の仕分場所を仕分先として検索する。
【0186】
これによれば、物品110を収める棚が変更される場合において、作業者Mの移動量を抑えることができ、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0187】
仕分システム70は、仕分先表示部124が表示した仕分場所以外の場所に物品110が収められた場合に、その旨を報知するエラー報知部130をさらに備える。
【0188】
これによれば、仕分場所以外の場所に物品110が収められた場合に、その旨を報知することで、作業者Mに物品110の入れ直しを促すことができる。これにより、仕分場所への物品110の誤投入を抑制することができる。
【0189】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0190】
例えば、仕分システム70の仕分プログラムは、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体に記憶されたものを用いてもよい。
【0191】
また、本実施形態では、各棚12~16に対応する箇所に、各床スイッチ44、48、52等のセンサを設置する場合を例に挙げて説明したが、本実施形態は、これに限定されるものではない。設置するセンサの数は、各棚12~16の数より少なくすることができる。
【0192】
このように設置するセンサの数を減らした場合であっても、総てのセンサから検出信号が入力されない状態において、仕分対象とする物品110の識別コード112が読み取られた場合には、センサを設置していない位置に作業者Mが居ると推定できる。
【符号の説明】
【0193】
10 作業場
12 第一棚
14 第二棚
16 第三棚
18 赤色表示
20 青色表示
22 緑色表示
32 第一仕分場所
34 第二仕分場所
36 第三仕分場所
40 間口コード
42 第一床面
44 第一床スイッチ
46 第二床面
48 第二床スイッチ
50 第三床面
52 第三床スイッチ
54 棚検索順番
56 第一場所検索順番
58 第二場所検索順番
60 第三場所検索順番
70 仕分システム
72 管理装置
74 携帯機器
76 センサ部
78 回線網
80 通信部
82 CPU(Central Processing Unit)
84 記憶部
90 スマートデバイス
92 スキャナ
94 通信部
98 記憶部
100 ディスプレイ
102 スピーカ
110 物品
112 識別コード
120 読取部
122 取得部
124 仕分先表示部
126 位置取得部
128 検索部
130 エラー報知部
140 関連データ
142 顧客名
144 場所情報
146 物品情報
148 棚番号
150 棚位置
151 棚画像
152 商品名
153 表示画面
154 個数
160 第一棚画像
162 第二棚画像
164 第三棚画像
166 赤色帯
168 青色帯
170 緑色帯
172、174、176 場所画像
180 左矢印
182 右矢印
184 右矢印
186 左矢印
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