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特開2023-83093絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法
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  • 特開-絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法 図1
  • 特開-絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法 図2
  • 特開-絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法 図3
  • 特開-絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083093
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/52 20200101AFI20230608BHJP
   G01R 31/58 20200101ALI20230608BHJP
   H02H 3/40 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G01R31/52
G01R31/58
H02H3/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197241
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】皆川 明樹
【テーマコード(参考)】
2G014
5G058
【Fターム(参考)】
2G014AA15
2G014AA19
2G014AB33
2G014AC19
5G058AA02
5G058BB05
5G058BC16
5G058CC03
5G058CC09
(57)【要約】
【課題】
配線の絶縁監視において、各相の有効分漏れ電流を演算し、精度の高い絶縁監視を行うことを目的とする。
【解決手段】
単相3線式配線の合成漏れ電流と電圧とから有効分漏れ電流を求めて絶縁監視を行う場合に、配線のR相とT相の各相電流を検出する電流検出器を設け、これら合成漏れ電流、電圧、および各相電流に基づいて、ベクトル演算によりR相有効分漏れ電流とT相有効分漏れ電流とを求め、このR相有効分漏れ電流とT相有効分漏れ電流を夫々閾値と比較し、その比較結果により絶縁不良か否かを判断するようにした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
零相変流器により配線の漏れ電流を検出する漏れ電流検出器と、配線の電圧を検出する電圧検出器とを備え、前記漏れ電流と前記電圧に基づき絶縁監視を行う監視演算処理部を備えた絶縁監視装置において、
前記配線を構成するR相とT相の各相電流を検出する電流検出器を設け、
前記監視演算処理部は、前記漏れ電流と前記電圧と前記各相電流とに基づいて、R相有効分漏れ電流およびT相有効分漏れ電流を演算し、該演算された前記R相有効分漏れ電流および前記T相有効分漏れ電流を使用して前記配線の絶縁監視を行う絶縁監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載された絶縁監視装置において、
前記監視演算処理部は、前記R相有効分漏れ電流と前記T相有効分漏れ電流のいずれかが予め定めた閾値を超えている場合に絶縁不良と判断することを特徴とする絶縁監視装置。
【請求項3】
請求項1に記載された絶縁監視装置において、
前記監視演算処理部は、前記漏れ電流と前記電圧に基づき有効分漏れ電流を演算し、前記有効分漏れ電流、前記R相b有効分漏れ電流、前記T相有効分漏れ電流の内のいずれかが予め定めた閾値を超えている場合に絶縁不良と判断することを特徴とする絶縁監視装置。
【請求項4】
請求項2に記載された絶縁監視装置において、
前記監視演算処理部は、前記判断の結果を表示部に表示するとともに、外部装置に伝送するようにしたことを特徴とする絶縁監視装置。
【請求項5】
零相変流器により配線の漏れ電流を検出する漏れ電流検出器と、配線の電圧を検出する電圧検出器とを備え、前記漏れ電流と前記電圧に基づき絶縁監視を行う監視演算処理部を備えた絶縁監視装置、配線の電圧を検出する電圧検出器とを備え、前記漏れ電流と前記電圧に基づき絶縁監視を行う絶縁監視装置の制御方法であって、
前記配線を構成するR相とT相の各相電流を検出し、前記漏れ電流と前記電圧と前記各相電流とに基づいて、R相有効分漏れ電流およびT相有効分漏れ電流を演算し、該演算された前記R相有効分漏れ電流および前記T相有効分漏れ電流に基づき前記配線の絶縁監視を行うようにした絶縁監視装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載された絶縁監視装置の制御方法において、
前記R相有効分漏れ電流と前記T相有効分漏れ電流のいずれかが予め定めた閾値を超えている場合に絶縁不良と判断することを特徴とする絶縁監視装置の制御方法。
【請求項7】
請求項5に記載された絶縁監視装置の制御方法において、
前記漏れ電流と前記電圧に基づき有効分漏れ電流を演算し、前記有効分漏れ電流、前記R相有効分漏れ電流、前記T相有効分漏れ電流のいずれかが予め定めた閾値を超えている場合に絶縁不良と判断することを特徴とする絶縁監視装置の制御方法。
【請求項8】
請求項6に記載された絶縁監視装置の制御方法において、
前記判断の結果を表示部に表示するとともに、外部装置に伝送するようにしたことを特徴とする絶縁監視装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
零相変流器(ZCT)に基づき基本波の漏れ電流I0を検出し絶縁監視(絶縁不良発生の有無の判定)を行う基本波漏れ電流方式(I0方式)や、基本波の漏れ電流I0から有効分(抵抗分)の漏れ電流I0rを求めて絶縁監視を行う基本波有効分漏れ電流方式(I0r方式)が知られている。
【0003】
I0r方式の絶縁監視装置は、零相変流器による(合成)漏れ電流から基本波漏れ電流I0を演算し、この基本波漏れ電流I0と系統電圧(配線電圧)とに基づき基本波の有効分漏れ電流I0rの演算を行い、この有効分漏れ電流I0rの変化から配線、機器の絶縁劣化を判断し予防保全する機器である。I0r方式は、火災や感電の原因になる抵抗分(有効分)である有効分漏れ電流I0rを用いて絶縁監視を行うため、I0方式に比べて、より精度の高い絶縁監視を実現できる。このようなI0r方式の絶縁監視技術は、例えば、特開2020-8442号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-8442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した基本波有効分漏れ電流方式(I0r方式)では、例えば、単相3線式配線(電路)の絶縁監視を行う場合、各相(中性線Nの両側の線路であるR相、T相)で漏れ電流が発生したとしても、R相とT相における漏れ電流が打消し合い、有効分漏れ電流I0rが流れていないように見える事がある。すなわち、単相3線式電路における二つの非接地電線(電圧線)に漏れ電流が存在していたとしても、零相変流器により計測される漏れ電流I0は全相の成分が合成された漏れ電流を計測しているので、R相とT相の漏れ電流の大きさを独立して計測することはできない。このように、従来のI0r方式による絶縁監視方法では、相毎の漏れ電流を考慮して絶縁状態を適切に監視することはできていなかった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、各相(R相、T相)の有効分漏れ電流を演算し、この各相の有効分漏れ電流を使用して絶縁監視を行うようにした絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その一例を挙げると、零相変流器により配線の漏れ電流を検出する漏れ電流検出器と、配線の電圧を検出する電圧検出器とを備え、前記漏れ電流と前記電圧に基づき絶縁監視を行う監視演算処理部を備えた絶縁監視装置において、前記配線を構成するR相とT相の各相電流を検出する電流検出器を設け、前記監視演算処理部は、前記漏れ電流と前記電圧と前記各相電流とに基づいて、R相有効分漏れ電流およびT相有効分漏れ電流を演算し、該演算された前記R相有効分漏れ電流および前記T相有効分漏れ電流を使用して前記配線の絶縁監視を行う絶縁監視装置である。
【0008】
また、本発明の他の一例を挙げると、配線における漏れ電流を検出する零相漏れ電流検出器と、配線の電圧を検出する電圧検出器とを備え、前記漏れ電流と前記電圧に基づき絶縁監視を行う絶縁監視装置の制御方法であって、前記配線を構成するR相とT相の各相電流を検出し、前記漏れ電流と前記電圧と前記各相電流とに基づいて、R相有効分漏れ電流およびT相有効分漏れ電流を演算し、該演算された前記R相有効分漏れ電流および前記T相有効分漏れ電流に基づき前記配線の絶縁監視を行うようにした絶縁監視装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、配線を構成する各相の有効分漏れ電流を演算し、これら各相の有効分漏れ電流を使用して絶縁監視を行うことができるので、より精度の高い絶縁監視装置および絶縁監視装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例における絶縁監視装置の構成図である。
図2】実施例1の演算処理部の機能を示す図である。
図3】実施例1の演算処理部の演算処理動作のフローを示す図である。
図4】各相の有効漏れ電流を演算する方法を説明するためのベクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態(実施例)について図1図4を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施例における絶縁監視装置全体の構成を示す図である。図2は、図1の実施例における演算処理部の処理機能を示す図である。図3は、演算処理部の動作フローを示す図である。図4は、各相の有効分漏れ電流の演算方法を説明するためのベクトル図である。
【0012】
ここで、本発明は、以下に説明する実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の技術思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その構成を変更しうることは当業者であれば容易に理解される。
【0013】
また、以下に説明する実施例の説明に使用する図面において、同一機器又は同様の機能を有する部分には同一の符号を共通して用い、すでに説明した内容については重複する説明を省略することがある。
【0014】
まず、図1により、実施例における絶縁監視装置の全体構成を説明する。図1において、配線101は、単相3線式の電路を構成する。102は、漏れ電流の合成電流を検出する零相変流器(ZCT)である。変流器103と変流器104は、夫々R相電流とT相電流を検出するために設けられる。105は、零相変流器102からの入力信号線である。106,107は、それぞれの変流器からの入力信号線である。また、108は電圧信号線である。漏れ電流計測回路111は、零相変流器102の電流信号を入力し変換増幅して合成された漏れ電流を検出する。電流計測回路112,113は、変流器103,104の電流信号を入力し、変換増幅を行いR相,T相の電流を計測する。電圧入力回路114は、電圧信号を変換増幅し、R-N間の電圧を検出する。
【0015】
そして、漏れ電流計測回路111の出力である漏れ電流、電圧入力回路114の出力である線間電圧、電流計測回路112の出力であるR相電流、および電流計測回路113の出力であるT相電流は、A/D変換器115に入力される。
【0016】
A/D変換器115は、入力される各計測値(アナログ値)を入力し、デジタル信号に変換する。ここで、検出された電流はノイズや高調波成分が含まれているので、各検出値について、デジタルフィルタ等の技術を用いて基本波成分のみを取り出す。したがって、A/D変換器115の出力は、高調波やノイズを取り除いたデジタル化された、基本波の合成漏れ電流、電圧、R相電流、T相電流である。
【0017】
監視演算処理部120は、A/D変換器115の出力値(I0、V、IR、およびIT)を所定タイミング毎に取込んで内部メモリに記憶し、これらの検出値を用いて、基本波の有効漏れ電流I0r、R相の有効漏れ電流I0r(R)、T相の有効分漏れ電流I0r(T)を演算する。この演算方法については後述する。
【0018】
そして、監視演算処理部120は、これらの有効分漏れ電流をそれぞれ閾値と比較し、比較結果に応じて配線、機器の絶縁劣化の状態を判断し絶縁監視を行う。すなわち、例えば、有効分漏れ電流I0rが閾値(判断の基準値)を超えていない場合でも、R相有効分漏れ電流I0r(R)、T相有効分漏れ電流I0r(T)のいずれかが閾値を超えている場合には絶縁不良であると判断する。この判断結果は、表示部に表示し、上位装置に伝送するなどの対応を行う。また、絶縁不良を判断した場合には、監視演算処理部120により、供給電力を遮断する電路遮断を行うようにしても良い。
【0019】
監視演算処理部120は、具体的にはコンピュータ、PLC、プロセッサなどの計算機機能を有するもので実現することができる。この図1の実施例の場合の監視演算処理部120は、メモリ121、中央演算処理装置(以下、CPU)122、設定部123、表示部124、通信入出力部(以下、I/O)125、およびバス126で構成する。
【0020】
メモリ121は、CPU122による演算処理を実行するためのプログラムを記憶する。また、メモリ121は、設定部123により設定された設定情報、A/D変換器115の出力値、CPU122の演算処理結果、等の情報(データ)を記憶する。
【0021】
CPU122は、記憶されたプログラムに従い監視のための演算処理を実行する。具体的には、CPU122は、記憶されたA/D変換器115の出力値(I0、V、IR、およびIT)に基づいて、有効分漏れ電流I0r、R相有効分漏れ電流I0r(R)、T相有効分漏れ電流I0r(T)を演算し、配線(電路)の絶縁状態の診断を行う。この演算処理結果は、メモリ121に記憶する。
【0022】
さらに、CPU122は、この記憶された情報を表示部124に表示し、またそれらの情報を上位装置に送信するなどの制御を行う。表示部124は、メモリに記憶された計測値や演算処理結果等の情報を表示するために設けられる。また、I/O125は、計測値や演算処理結果等の情報を外部装置(この例では、上位装置)に送信するための通信制御を実行する。
【0023】
なお、監視演算処理部120における有効分漏れ電流I0r、R相有効分漏れ電流I0r(R)、T相有効分漏れ電流I0r(T)の演算方法については、後述する。
【0024】
ここで、図1に示す監視演算処理部120の主な機能を図2により説明する。図2において、監視演算処理部120は、計測処理部221、メモリ部222、演算処理部223、設定処理部224、表示処理部225、通信処理部226の機能を有する。
【0025】
まず、メモリ部222は、プログラムを格納し、計測(検出)したデータや情報、および演算処理結果を格納する等を格納(記憶)する機能を有する。計測処理部221では、計測した値を処理してメモリ部222に格納する機能である。
【0026】
設定処理部224は、設定部により設定された設定情報をメモリ部222に格納する機能である。
【0027】
そして、演算処理部223は、メモリ部に格納された計測値を使用して、基本波の有効分漏れ電流I0r、R相有効漏れ電流I0r(R)、T相有効漏れ電流I0r(T)を演算し、メモリ部222に記憶する機能を有する。さらに、演算処理部223は、これらの演算結果を用いて電路の絶縁状態の診断を行い、その判断結果をメモリ部222に格納する機能を有する。
【0028】
通信処理部226は、メモリ部222に格納された計測値、絶縁状態の判断結果などの情報を外部装置に送信する機能である。表示処理部225は、メモリ部222に格納された計測値、絶縁状態の判断結果などのデータや情報を表示する機能である。
【0029】
次に、図1に示す監視演算処理部120内の、有効分漏れ電流、および各相(R相、T相)の有効分漏れ電流の演算の処理フローを、図3および図4を用いて説明する。図3は演算処理動作のフロー図であり、図4は動作説明のためのベクトル図である。なお、図3の動作フローと、図4のベクトル演算との関係を対応付けるために、図3の各ステップ番号に対応させて、図4に( )書きで記載している。
【0030】
まず、図3のステップS301において、記憶されている基本波の漏れ電流I0と電圧とからベクトル演算により、有効分漏れ電流I0rを計算する。すなわち、図4の(ステップS301)に示すように、基本波の漏れ電流I0と配線の電圧に基づき、有効分漏れ電流I0rを求める。なお、図4のI0cは静電容量分漏れ電流である。
【0031】
次に、ステップS302において、電圧とR相電流I(R)の位相差角度Aを計算する。これは、図4における(S302)である。なお、図4に示すように、R-N線間電圧VTの位相は、T-N線間電圧VRの位相とは逆位相の関係である。
【0032】
次に、図3のステップS303に進み、基本波漏れ電流I0の先端を通る角度Aの直線とT相電流ITとの交点を求め、その交点の値をT相分の漏れ電流I0(T)とする。すなわち、図4の(S303)において、I0の先端位置を通りIRの位相に平行に直線を引き、その直線がT相電流ITと交わる位置を、T相の漏れ電流I0(T)として求める。
【0033】
次に、図3のステップS304において、T相の漏れ電流I0(T)からT相の有効分漏れ電流I0r(T)をベクトル演算により求める。すなわち、図4の(S304)示すように、T相の漏れ電流I0(T)の電圧位相分であるT相有効分漏れ電流値I0r(T)をベクトル演算により求める。
【0034】
続いて、図3のステップS305において、基本波の有効分漏れ電流I0rからT相有効分漏れ電流値I0r(T)を差し引くことにより、R相有効分漏れ電流値I0r(R)を求める。つまり、図4の(S305)に示すように、「I0r(R)=I0r - I0r(T) 」の演算によりI0r(R)を求める。
【0035】
このようにして、監視演算処理部120は、図3に示す演算動作を実行し、有効分漏れ電流I0r、T相有効分漏れ電流値I0r(T)、R相有効分漏れ電流値I0r(R)を演算することができる。
【0036】
監視演算処理部120は、これらの演算結果に基づき、配線電路の絶縁状態を監視する。すなわち、上述したように、これらの値と、予めメモリに記憶しておいた閾値とを比較し、閾値を超えているか否かにより絶縁状態の良否を判断する。判断の結果、いずれかの演算値が閾値を超えている場合には、絶縁不良と判断し、そうでない場合は絶縁に問題はないと判断する。その判断結果は表示部に表示される。さらに、その判断結果は、通信制御部を介して上位装置に伝送される。絶縁不良であると判断された場合、監視演算処理部120あるいは上位装置は、遮断器等を操作して、配線101に供給される電力を遮断する。
【0037】
上述した本発明の実施例における絶縁監視装置によれば、単相3線式の配線の絶縁監視を行う場合に、各相の漏れ電流が合成された零相有効電流だけでなく、各相の有効分漏れ電流を演算することができるので、これら各相の有効分漏れ電流を使用して、より精度の高い絶縁監視を実現することができる。
【0038】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明は様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
【符号の説明】
【0039】
100…絶縁監視装置、101…配線、102…零相変流器、103…変流器、104…変流器、105~107…入力信号線、108…電圧信号線、111…漏れ電流計測回路、112…電流計測回路、113…電流計測回路、114…電圧入力回路、115…A/D変換器、120…監視演算処理部、121…メモリ、122…CPU、123…設定部、124…表示部、125…I/O、126…バス、221…計測処理部、222…メモリ部、223…演算処理部、224…設定処理部、225…表示処理部、226…通信処理部
図1
図2
図3
図4