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特開2023-83095フライアイレンズ、それを備える光照射装置、およびフライアイレンズの製造方法
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  • 特開-フライアイレンズ、それを備える光照射装置、およびフライアイレンズの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083095
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】フライアイレンズ、それを備える光照射装置、およびフライアイレンズの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/00 20060101AFI20230608BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20230608BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230608BHJP
【FI】
G02B3/00 A
F21V5/04 350
F21V5/04 600
F21S2/00 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197243
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】510138741
【氏名又は名称】フェニックス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】勝田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 加名
(72)【発明者】
【氏名】谷田 敏昭
(57)【要約】
【課題】従来のものに比べて、広い露光域の照度を均一に合わせる調整が行いやすいフライアイレンズを提供する。
【解決手段】フライアイレンズ10を、複数のレンズセグメント20を第1の方向に並べて構成する。各レンズセグメント20を、それぞれ複数のレンズ24を第1の方向に直交する第2の方向に並べて構成する。各レンズセグメント20の表面と裏面とは、互いに異なる光学特性を有しており、フライアイレンズ10の表面の一部をレンズセグメント20の表面で構成し残部をレンズセグメント20の裏面で構成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズセグメントを第1の方向に並べて構成されたフライアイレンズであって、
前記各レンズセグメントは、それぞれ複数のレンズを前記第1の方向に直交する第2の方向に並べて構成されており、
前記各レンズセグメントの表面と裏面とは、互いに異なる光学特性を有しており、
前記フライアイレンズの表面は、一部が前記レンズセグメントの前記表面で構成されており、残部が前記レンズセグメントの前記裏面で構成されている
フライアイレンズ。
【請求項2】
請求項1に記載のフライアイレンズを含む光照射装置。
【請求項3】
複数のレンズを第1の方向に直交する第2の方向に並べて構成されており、表面と裏面とが互いに異なる光学特性を有するレンズセグメントを複数用意し、
複数の前記レンズセグメントを前記第1の方向に並べてフライアイレンズを製造する方法であって、
複数の前記レンズセグメントを並べる際、前記フライアイレンズの表面に前記レンズセグメントの前記表面および前記裏面のいずれを配置するか選択して前記フライアイレンズの集光具合を調整する
フライアイレンズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射領域における照度分布を均一にするフライアイレンズ、それを備える光照射装置、およびフライアイレンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
露光装置等の光源として光照射装置が使用されている。例えば図8に示すように、この光照射装置は、ランプ1と、反射鏡2と、シャッタ3と、フライアイレンズ4と、コリメーションミラー5とで構成されている。
【0003】
ランプ1から放射された光は、反射鏡2で反射して向きを変え、シャッタ3を通ってフライアイレンズ4に入射する。
【0004】
フライアイレンズ4は、入射した光の露光面6における照度分布を均一にする役割を有している。
【0005】
フライアイレンズ4から出た光は、コリメーションミラー5で反射することによって平行光となり、露光面6に照射される。
【0006】
特許文献1に開示されたフライアイレンズは、矩形状のレンズが一方向に突き合わせて互いに融着させた短冊状の複数のレンズセグメントで構成されており、このレンズセグメントを一方向とは直交する方向に並べることによって形成されている。
【0007】
これにより、個々のレンズセグメントにおいて互いに隣り合うレンズとレンズとの接続面に隙間が生じにくく、かつ、1つのレンズに汚れや傷が生じても、そのレンズを含むレンズユニットを容易に交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011-9611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、近年、液晶パネルの大型化に伴って露光域も大型化しており、フライアイレンズの全体サイズも大型化してきている。このため、フライアイレンズを調整することによって広い露光域の照度を均一に合わせることの難易度が上がってきている。
【0010】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のものに比べて、広い露光域の照度を均一に合わせる調整が行いやすいフライアイレンズ、それを備える光照射装置、およびフライアイレンズの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面によれば、
複数のレンズセグメントを第1の方向に並べて構成されたフライアイレンズであって、
前記各レンズセグメントは、それぞれ複数のレンズを前記第1の方向に直交する第2の方向に並べて構成されており、
前記各レンズセグメントの表面と裏面とは、互いに異なる光学特性を有しており、
前記フライアイレンズの表面は、一部が前記レンズセグメントの前記表面で構成されており、残部が前記レンズセグメントの前記裏面で構成されている
フライアイレンズが提供される。
【0012】
本発明の別の局面によれば、
上述したフライアイレンズを備える光照射装置が提供される。
【0013】
本発明の他の局面によれば、
複数のレンズを第1の方向に直交する第2の方向に並べて構成されており、表面と裏面とが互いに異なる光学特性を有するレンズセグメントを複数用意し、
複数の前記レンズセグメントを前記第1の方向に並べてフライアイレンズを製造する方法であって、
複数の前記レンズセグメントを並べる際、前記フライアイレンズの表面に前記レンズセグメントの前記表面および前記裏面のいずれを配置するか選択して前記フライアイレンズの集光具合を調整する
フライアイレンズの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るフライアイレンズによれば、互いに異なる光学特性を有する表裏面を備えるレンズセグメントを使用していることにより、当該フライアイレンズの表面に各レンズセグメントの表面を使用するか裏面を使用するかで露光域の照度の調整を行うことができる。これにより、本発明に係るフライアイレンズによれば、広い露光域の照度を均一に合わせる調整が行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明が適用された実施形態に係るフライアイレンズ10の斜視図(a)および断面図(b)である。
図2】レンズユニット12を示す分解斜視図である。
図3】レンズセグメント20における、レンズ24の厚さと、保持しろ26の厚さとを示す図である。
図4】ホルダ22にレンズセグメント20を取り付けた状態を示す一部断面図である。
図5】照射面における照射範囲の外形状が「糸巻型」である例を示す図である。
図6】照射面における照射範囲の外形状が「樽型」である例を示す図である。
図7】ホルダ22の変形例を示す分解斜視図である。
図8】露光装置等の光源として使用される光照射装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(フライアイレンズ10の構成)
本発明が適用された実施形態に係るフライアイレンズ10について以下に説明する。このフライアイレンズ10は、図1に示すように、大略、一対のレンズユニット12と、ケース14とを備えている。
【0017】
それぞれのレンズユニット12は、図2に示すように、複数のレンズセグメント20と、これらレンズセグメント20を第1の方向(図中の左右方向)に並べて保持するホルダ22とを有している。
【0018】
各レンズセグメント20は、複数のレンズ24を第2の方向(第1の方向に直交する方向:図中の上下方向)に並べて構成されている。また、各レンズセグメント20の両端部には、ホルダ22に保持される保持しろ26が形成されている。
【0019】
各レンズ24は、それらの表裏面で互いに異なる光学特性を有するように形成されており、これらレンズ24を並べて構成された各レンズセグメント20は、表裏面で互いに異なる光学特性を有している。なお、レンズ24の材質としては、石英(合成・溶融)、ホウケイ酸ガラス、樹脂等が考えられる。
【0020】
互いに異なる光学特性とは、例えば、一方の面が凸で他方の面が平面状のレンズ(平凸レンズ)、両面ともに凸状であるが、互いに径(湾曲の度合い)が異なるレンズ(両凸レンズ)等が考えられる。例えば、レンズ24の図2における手前側の面(表面)は湾曲の度合いが比較的きつく、反対側の面(裏面)は湾曲の度合いが比較的緩くなっている。
【0021】
また、各レンズ24を接着によって第2の方向に繋げて並べてもよいし、プレス加工や低融点ガラスによる接着等によって複数のレンズ24を第2の方向に並べた状態に構成してもよい。
【0022】
なお、保持しろ26の厚さは、図3に示すように、レンズ24の厚さよりも薄くなるように形成してもよいし(a)、レンズ24の厚さよりも厚くなるように形成してもよい(b)。また、保持しろ26の厚さをレンズ24の厚さと同じにしてもよい。
【0023】
図2に戻り、ホルダ22は、上述のように複数のレンズセグメント20を第1の方向に並べて保持する部材であり、一対の縦保持枠30と上側横保持枠32と下側横保持枠34とで四角形状に形成されている。なお、ホルダ22の材質としては、アルミ、ステンレス、真鍮等が考えられる。
【0024】
縦保持枠30は、ホルダ22の縦方向左右に配置される部材であり、その厚みは、レンズセグメント20を構成するレンズ24の最大厚みよりもやや厚く形成されている。
【0025】
上側横保持枠32はホルダ22の横方向上側に配置された部材であり、下側横保持枠34はホルダ22の横方向下側に配置された部材である。
【0026】
また、上側横保持枠32および下側横保持枠34には、それぞれ断面をL字状に形成することによってそれぞれ内側に向かう保持溝42が形成されており、この保持溝42に各レンズセグメント20の保持しろ26が載置できるようになっている。
【0027】
さらに、上側横保持枠32および下側横保持枠34の少なくともいずれか一方(本実施形態では上側横保持枠32)における保持溝42には、載置されたレンズセグメント20を上側横保持枠32および下側横保持枠34のいずれか他方(本実施形態では下側横保持枠34)に向けて押圧する第1押圧部材46が配設されている。本実施形態の第1押圧部材46には板バネが使用されているが、第1押圧部材46は板バネに限定されるものではなく、上記機能を有する弾性部材であればどのようなものであってもよい。
【0028】
また、一対の縦保持枠30のいずれか一方(本実施形態では図中右側の縦保持枠30)には、載置されたレンズセグメント20を他方の縦保持枠30(本実施形態では図中左側の縦保持枠30)に向けて押圧する第2押圧部材48が配設されている。本実施形態の第2押圧部材48にも板バネが使用されているが、第2押圧部材48は板バネに限定されるものではなく、上記機能を有する弾性部材であればどのようなものであってもよい。
【0029】
ホルダ22に必要な枚数のレンズセグメント20を配置していくと、これら第1押圧部材46および第2押圧部材48の押圧力によってレンズセグメント20がひとつの隅(本実施形態では図中左下側の隅)に向けて押圧されるので、この隅が基準位置(基準面)となって各レンズセグメント20を正確な位置に配置することができる。
【0030】
加えて、ホルダ22は、上側横保持枠32および下側横保持枠34の保持溝42に載置したレンズセグメント20の保持しろ26に当接するようにそれぞれ重ねて載せる一対の挟持板材44を備えている。なお、この挟持板材44は、単なる板材でもよいし、レンズセグメント20保持しろ26を保持溝42に向けて押圧するような弾性材料(例えば板バネ)で構成してもよい。
【0031】
これにより、第1押圧部材46からの押圧力を受ける各レンズセグメント20の図中上側の保持しろ26が挟持板材44と保持溝42との間で挟持され(図4参照)、さらに、図中下側の保持しろ26も挟持板材44と保持溝42との間で挟持されるので、各レンズセグメント20がホルダ22から浮き上がるのを防止できる。
【0032】
ケース14は、上述したレンズユニット12を2枚収容できるようになっており、図1(b)に示すように、各レンズユニット12は所定の間隔をあけて対面状態で配置される。なお、ケース14の材質としては、アルミ、ステンレス、真鍮等が考えられる。いずれの材質を選択する場合であっても、ホルダ22の材質とケース14の材質とを一致させるのが好適である。
【0033】
(フライアイレンズ10の組立・調整方法)
次に、上述したフライアイレンズ10を組み立てる方法を簡単に説明し、然る後、このフライアイレンズ10による露光域の照度の調整方法について説明する。
【0034】
用意した複数のレンズセグメント20の各両端(保持しろ26)を上下の保持溝42に載置して各レンズセグメント20を第1の方向に並べていく。すべてのレンズセグメント20を配置し終わった段階で、第1押圧部材46および第2押圧部材48によって各レンズセグメント20が基準位置(本実施形態では左下側の隅)に対して正確に位置決めされる。
【0035】
然る後、一対の挟持板材44をそれぞれ上側横保持枠32および下側横保持枠34に取り付けることによってレンズユニット12が完成する。そして、2枚のレンズユニット12をケース14に組み込むことでフライアイレンズ10が完成する。なお、2枚のレンズユニット12を組み込む際には、各レンズユニット12における基準位置がフライアイレンズ10の光軸方向を基本として同じ軸上にあるように設定するのが好適である。
【0036】
フライアイレンズ10による露光域の照度分布を調整する際には、レンズユニット12を構成する複数のレンズセグメント20のうちのいくつか(最低1つ)を裏返すことによって行う。つまり、複数のレンズセグメント20を並べる際、フライアイレンズ10の表面にレンズセグメント20の表面および裏面のいずれを配置するか選択する。この結果、調整が終了した状態のフライアイレンズ10では、一部がレンズセグメント20の表面で構成されており、残部がレンズセグメント20の裏面で構成される。
【0037】
露光域の照度分布の調整についてより具体的に説明する。一般に、レンズ24の凸面(本実施形態では表面)が外側になるように配置した場合、照射面における照射範囲の外形状は「糸巻型」(図5参照)となり、凸面が内側になるように配置した場合(つまり、本実施形態における裏面が外側になるように配置した場合)、照射面における照射範囲の外形状は「樽型」(図6参照)となる。そして、「糸巻型」では照射範囲における四隅の照度が比較的低くなり、逆に、「樽形」では照射範囲における四隅の照度が比較的高くなる。
【0038】
このような特性を利用して、各レンズユニット12を構成するレンズセグメント20の一部を反転させることにより、照射範囲の外形状や照度分布を変化させることができるようになる。
【0039】
もちろん、レンズセグメント20毎に表面・裏面のどちらを外側に向けるかを調整してもよいし、複数のレンズセグメント20の向きをまとめて調整してもよい。さらに言えば、レンズユニット12単位でどちらの面を外側に向けるか調整してもよい。
【0040】
なお、調整による照射状態の影響度は、調整したレンズセグメント20がレンズユニット12におけるどの位置にあるかによって異なる。一般に、光照射装置におけるランプから照射された光のフライアイレンズ10に対する照度分布は、当該フライアイレンズ10の中心付近が最も高く、当該中心付近から同心円状に低くなる。このため、レンズユニット12の中央付近に配置されたレンズセグメント20を調整した方が照射面における照度分布の変化も大きくなる。
【0041】
また、一対のレンズユニット12同士の間隔を変更することによっても照度分布の調整を行うことができる。
【0042】
(フライアイレンズ10の特徴)
本実施形態に係るフライアイレンズ10によれば、互いに異なる光学特性を有する表裏面を備えるレンズセグメント20を使用していることにより、当該フライアイレンズ10の表面に各レンズセグメント20の表面を使用するか裏面を使用するかで露光域の照度の調整を行うことができる。これにより、本発明に係るフライアイレンズ10によれば、広い露光域の照度を均一に合わせる調整が行いやすくなる。
【0043】
また、本実施形態に係るフライアイレンズ10は、レンズユニット12を2枚1組で使用しており、相対する1組のレンズ24同士の中心軸を他の組のレンズ24同士の中心軸とそれぞれ平行に揃えておく必要があるが、1つのレンズユニット12におけるレンズセグメント20単位で配置位置調整が可能であることから、これら中心軸の調整も容易に行うことができる。
【0044】
さらに、先に述べたように、基板となるガラスや液晶パネルの大型化に伴ってフライアイレンズも大型化していることから、フライアイレンズ自体の重量や寸法が大きくなっており、取り扱いが困難になっているところ、本実施形態に係るフライアイレンズ10であれば、レンズセグメント20単位で組み立てていけるので、ホルダ22への設置が容易になる。
【0045】
また、従来のように1枚もののレンズユニット12の場合、どこか一つでも欠陥があればレンズユニット12全体が無駄になってしまうが、本実施形態に係るフライアイレンズ10であれば、欠陥が生じたレンズ24を含むレンズセグメント20のみを交換すればよいので、レンズユニット12(フライアイレンズ10)の歩留まりが向上する。
【0046】
(変形例1)
上述した実施形態では、各レンズセグメント20は複数のレンズ24を第2の方向(図中上下方向)に並べて構成されており、複数のレンズセグメント20を第1の方向(図中左右方向)に引き揃えるようにしてレンズユニット12が構成されていたが、第1の方向と第2の方向とを逆にして、複数のレンズ24を第2の方向(左右方向)に並べてレンズセグメント20を構成し、複数のレンズセグメント20を第1の方向(上下方向)に引き揃えるようにしてレンズユニット12を構成してもよい。
【0047】
(変形例2)
ホルダ22の構造は、上述したものに限られず、例えば、図7に示すように、一対の縦保持枠30と上側横保持枠32と下側横保持枠34とをそれぞれ別個に形成し、これらを組み上げることで四角形状のホルダ22を構成してもよい。
【0048】
縦保持枠30は、ホルダ22を組み上げたときに縦方向左右に配置される部材であり、両端部には、レンズセグメント20の保持しろ26と同じ厚みの保持枠保持しろ36が形成されている。また、保持枠保持しろ36以外の本体部分の厚みは、レンズセグメント20を構成するレンズ24の最大厚みよりもやや厚く形成されている。
【0049】
上側横保持枠32は、ホルダ22を組み上げたときに横方向上側に配置される部材であり、その下面には長手方向に延びる上側溝38が形成されている。この上側溝38は、レンズセグメント20の保持しろ26や、縦保持枠30の保持枠保持しろ36が嵌め込まれるようになっている。
【0050】
下側横保持枠34は、ホルダ22を組み上げたときに横方向下側に配置される部材であり、その上面には長手方向に延びる下側溝40が形成されている。この下側溝40は、レンズセグメント20の保持しろ26や、縦保持枠30の保持枠保持しろ36が嵌め込まれるようになっている。
【0051】
この変形例2に係るホルダ22を用いてフライアイレンズ10を組み立てる場合、用意した複数のレンズセグメント20を第1の方向に並べた後、左右両端にホルダ22の縦保持枠30を並べる。これで、各レンズセグメント20の保持しろ26と、一対の縦保持枠30の保持枠保持しろ36とが一方向に並んだ状態になる。
【0052】
然る後、上側横保持枠32の上側溝38に保持しろ26および保持枠保持しろ36が嵌まるようにして上側横保持枠32を取り付ける。同様に、下側から下側横保持枠34を取り付ける。
【0053】
ここまででレンズユニット12が完成する。完成した一対のレンズユニット12をケース14内に収容してフライアイレンズ10が完成する。
【0054】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
10…フライアイレンズ、12…レンズユニット、14…ケース
20…レンズセグメント、22…ホルダ
24…レンズ、26…保持しろ
30…縦保持枠、32…上側横保持枠、34…下側横保持枠、36…保持枠保持しろ、38…上側溝、40…下側溝、42…保持溝、44…挟持板材、46…第1押圧部材、48…第2押圧部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8