(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083105
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、特典管理装置及び変換装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20230608BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20230608BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G06F21/62 354
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197269
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 賢生
(72)【発明者】
【氏名】阪井 ひかる
(72)【発明者】
【氏名】清水 貴志
(72)【発明者】
【氏名】奈田 康和
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザに対する特典の付与又は利用を管理する際にユーザに係る情報を秘匿化する情報処理システム、特典管理装置及び変換装置を提供する。
【解決手段】方法は、ユーザがどの店舗で商取引を行っても、そのユーザに対応するポイントカード番号単位でポイントが付与されるようにする。各店舗は、自店舗においてのみ特典付与先を識別可能な店舗独自カード番号単位でポイントの付与状況や利用状況等の分析は可能であるが、異なる店舗におけるポイントの付与状況や利用状況等の分析はできない。即ち、異なる店舗間においては、特典付与先に対する特典付与や特典利用の状況等(つまりユーザに関する情報)を秘匿化することが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗端末と、
特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対し、特典の付与又は利用に関する処理を行う特典管理装置と、
前記特典付与先識別情報の変換に関する処理を行う変換装置とを備え、
前記店舗端末は、
ユーザから取得された第1の特典付与先識別情報と、当該店舗端末に割り当てられた店舗識別情報とを含む照会要求を、前記特典管理装置に送信する第1送信部と、
前記照会要求に応じて、前記特典管理装置から、前記第1の特典付与先識別情報が変換された第2の特典付与先識別情報を取得する取得部と、
取得した第2の特典付与先識別情報を記憶する記憶部と、
前記第2の特典付与先識別情報を含む特典処理要求を前記特典管理装置に送信する第2送信部とを備え、
前記特典管理装置は、
前記店舗端末から取得した前記照会要求に含まれる前記第1の特典付与先識別情報を前記変換装置に送信する第3送信部と、
前記変換装置によって前記第1の特典付与先識別情報が変換された前記第2の特典付与先識別情報を前記店舗端末に送信する第4送信部と、
前記店舗端末から取得した前記特典処理要求に含まれる前記第2の特典付与先識別情報に対応する前記第1の特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対して、特典の付与又は利用に関する処理を行う処理部とを備え、
前記変換装置は、
前記第1の特典付与先識別情報を、前記店舗識別情報ごとに、前記第2の特典付与先識別情報に変換する変換部を備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記特典管理装置の前記処理部は、前記店舗端末から取得した特典処理要求に含まれる第2の特典付与先識別情報に対応する前記第1の特典付与先識別情報を前記変換装置から取得し、取得した前記第1の特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対して、特典の付与又は利用に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記特典管理装置は、
前記店舗端末から取得した照会要求に含まれる第1の特典付与先識別情報と、前記変換装置によって前記第1の特典付与先識別情報が変換された第2の特典付与先識別情報とを対応付けて保存する第1保存部と、
決められた消去条件が満たされたときに前記第1保存部の保存内容を消去する消去部とを備え、
前記処理部は、前記店舗端末から取得した特典処理要求に含まれる第2の特典付与先識別情報に対応する前記第1の特典付与先識別情報を前記第1保存部から読みだして、読み出した前記第1の特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対して、特典の付与又は利用に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記変換装置は、
前記特典管理装置から取得した前記第1の特典付与先識別情報が、ユーザを識別するユーザ識別情報に対応付けて記憶されている場合には、当該ユーザ識別情報単位で前記第2の特典付与先識別情報への変換を行う
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記特典管理装置は、
前記店舗端末から取得した照会要求に含まれる店舗識別情報と、前記変換装置によって前記第1の特典付与先識別情報が変換された第2の特典付与先識別情報とを対応付けて保存する第2保存部と、
前記店舗端末から取得した前記照会要求又は前記特典処理要求に含まれる前記店舗識別情報及び前記第2の特典付与先識別情報の組が前記第2保存部の保存内容と異なる場合には、所定の異常処理を行う異常処理部とを備える
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
第1の特典付与先識別情報と、店舗端末に割り当てられた店舗識別情報とを含む照会要求を当該店舗端末から取得すると、当該照会要求に含まれる前記第1の特典付与先識別情報を、特典付与先識別情報の変換に関する処理を行う変換装置に送信する送信部と、
前記変換装置によって前記第1の特典付与先識別情報が変換された第2の特典付与先識別情報を前記店舗端末に送信する送信部と、
前記第2の特典付与先識別情報を含む特典処理要求を前記店舗端末から取得すると、当該特典処理要求に含まれる前記第2の特典付与先識別情報に対応する前記第1の特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対して、特典の付与又は利用に関する処理を行う処理部と
を備えることを特徴とする特典管理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記店舗端末から取得した特典処理要求に含まれる第2の特典付与先識別情報に対応する前記第1の特典付与先識別情報を前記変換装置から取得し、取得した前記第1の特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対して、特典の付与又は利用に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項6記載の特典管理装置。
【請求項8】
前記店舗端末から取得した照会要求に含まれる第1の特典付与先識別情報と、前記変換装置によって前記第1の特典付与先識別情報が変換された第2の特典付与先識別情報とを対応付けて保存する第1保存部と、
決められた消去条件が満たされたときに前記第1保存部の保存内容を消去する消去部とを備え、
前記処理部は、前記店舗端末から取得した特典処理要求に含まれる第2の特典付与先識別情報に対応する前記第1の特典付与先識別情報を前記第1保存部から読みだして、読み出した前記第1の特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対して、特典の付与または利用に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項6記載の特典管理装置。
【請求項9】
前記店舗端末から取得した照会要求に含まれる店舗識別情報と、前記変換装置によって前記第1の特典付与先識別情報が変換された第2の特典付与先識別情報とを対応付けて保存する第2保存部と、
前記店舗端末から取得した前記照会要求又は前記特典処理要求に含まれる前記店舗識別情報及び前記第2の特典付与先識別情報の組が前記第2保存部の保存内容と異なる場合には、所定の異常処理を行う異常処理部とを備える
ことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の特典管理装置。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか1項に記載の特典管理装置から取得した第1の特典付与先識別情報が、ユーザを識別するユーザ識別情報に対応付けて記憶されている場合には、当該ユーザ識別情報単位で第1の特典付与先識別情報を第2の特典付与先識別情報への変換を行う
ことを特徴とする変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対して付与される特典を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートホン等のユーザ端末の普及に伴い、そのユーザ端末を用いて商取引を行ったユーザに特典を付与する特典管理サービスが広く利用されるようになっている。例えば特許文献1には、このような特典管理サービスと電子決済サービスとを連携させる仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザに特典を付与する処理などを行う際に、そのユーザに関する情報を秘匿化することは重要である。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザに対して付与される特典を管理する際にユーザに関する情報を秘匿化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、店舗端末と、特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対し、特典の付与又は利用に関する処理を行う特典管理装置と、前記特典付与先識別情報の変換に関する処理を行う変換装置とを備え、前記店舗端末は、ユーザから取得された第1の特典付与先識別情報と、当該店舗端末に割り当てられた店舗識別情報とを含む照会要求を、前記特典管理装置に送信する第1送信部と、前記照会要求に応じて、前記特典管理装置から、前記第1の特典付与先識別情報が変換された第2の特典付与先識別情報を取得する取得部と、取得した第2の特典付与先識別情報を記憶する記憶部と、前記第2の特典付与先識別情報を含む特典処理要求を前記特典管理装置に送信する第2送信部とを備え、前記特典管理装置は、前記店舗端末から取得した前記照会要求に含まれる前記第1の特典付与先識別情報を前記変換装置に送信する第3送信部と、前記変換装置によって前記第1の特典付与先識別情報が変換された前記第2の特典付与先識別情報を前記店舗端末に送信する第4送信部と、前記店舗端末から取得した前記特典処理要求に含まれる前記第2の特典付与先識別情報に対応する前記第1の特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対して、特典の付与又は利用に関する処理を行う処理部とを備え、前記変換装置は、前記第1の特典付与先識別情報を、前記店舗識別情報ごとに、前記第2の特典付与先識別情報に変換する変換部を備えることを特徴とする情報処理システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザに対して付与される特典を管理する際にユーザに関する情報を秘匿化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
【
図2】同実施形態に係る特典管理装置30のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】同実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る特典管理装置30が記憶するデータの一例を示す図である。
【
図5】同実施形態に係る変換装置40が記憶するデータの一例を示す図である。
【
図6】同実施形態に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】本発明の変形例1に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】変形例1に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】本発明の変形例2に係る変換装置40が記憶するデータの一例を示す図である。
【
図10】変形例2に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】本発明の変形例3に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
【
図12】変形例3に係る特典管理装置30が記憶するデータの一例を示す図である。
【
図13】変形例3に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図14】変形例4に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[構成]
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す図である。情報処理システム1は、ユーザが店舗で商品やサービスを購入する商取引に応じて、特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対する何らかの特典を管理するためのシステムである。ここでいう特典とは、ユーザにとって価値があるものであればよく、本実施形態では、例えば店舗等においてユーザが金銭の代わりに使用し得るポイントである。本実施形態において、このポイントは、ポイントカード番号と呼ばれる特典付与先識別情報単位で付与されるものであり、特典付与先はポイントカード単位で区分される。ただし、本発明において、特典付与先識別情報は、特典付与先を識別し得るものであれば、どのようなものであってもよい。特典付与先に対する特典の管理には、特典付与先に対する特典の付与と、特典付与先による特典の利用とが含まれる。以下の説明においては、特典付与先に対して特典を付与するときの処理について例示する。
【0010】
図1に示すように、情報処理システム1は、ユーザが携帯するユーザ端末10と、店舗に設置された店舗端末20と、特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対し、特典の付与に関する処理を行う特典管理装置30と、特典付与先識別情報の変換に関する処理を行う変換装置40と、無線通信網又は有線通信網を含む通信網2とを備えている。通信網2は、店舗端末20及び特典管理装置30、並びに、特典管理装置30及び変換装置40を通信可能に接続する。なお、通信網2は、ユーザ端末10と特典管理装置30とを通信可能に接続していてもよい。ユーザ端末10、店舗端末20、特典管理装置30及び変換装置40はいずれも通信可能なコンピュータである。より具体的には、ユーザ端末10は、例えばスマートホン、ウェアラブル端末又はタブレットなどの、ユーザが携帯可能なコンピュータである。店舗端末20は、店舗にて操作される端末であり、例えばPOS(Point of Sales)レジと一体に構成されたコンピュータ又はPOSレジに接続されたコンピュータであってもよいし、決済端末と呼ばれるコンピュータであってもよい。特典管理装置30及び変換装置40は、サーバとして構成されたコンピュータである。なお、
図1には、ユーザ端末、店舗端末、特典管理装置及び変換装置をそれぞれ1つずつ示しているが、これらはそれぞれ複数であってもよい。
【0011】
図2は、特典管理装置30のハードウェア構成を示す図である。特典管理装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータとして構成されている。これらの各装置は図示せぬ電池から供給される電力によって動作する。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。特典管理装置30のハードウェア構成は、
図2に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、特典管理装置30を構成してもよい。
【0012】
特典管理装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0013】
プロセッサ3001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ3001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ3001によって実現されてもよい。
【0014】
プロセッサ3001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ3003及び通信装置3004の少なくとも一方からメモリ3002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。特典管理装置30の機能ブロックは、メモリ3002に格納され、プロセッサ3001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ3001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ3001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ3001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介して特典管理装置30に送信されてもよい。
【0015】
メモリ3002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ3002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ3002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0016】
ストレージ3003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ3003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0017】
通信装置3004は、通信網2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0018】
入力装置3005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、カメラ、センサ、2次元コードリーダなど)である。出力装置3006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置3005及び出力装置3006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0019】
プロセッサ3001、メモリ3002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0020】
特典管理装置30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ3001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0021】
ユーザ端末10、店舗端末20及び変換装置40は、
図2に示す特典管理装置30と同様にコンピュータを実現するためのハードウェアとして、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信装置、入力装置、出力装置及びこれらを接続するバスなどを備えている。ただし、ユーザ端末10が備える通信装置は、無線通信を実現するべく、例えばLTE(Long Time Evolution)等の通信規格に従って通信網2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。この通信装置は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。また、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどがこの通信装置によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0022】
図3は、情報処理システム1の機能構成を示すブロック図である。店舗端末20はポイントカード番号をユーザから取得する。前述したように、ポイントカード番号は特典付与先を識別し得る特典付与先情報であり、本発明における第1の特典付与先識別情報に相当する。例えばユーザ端末10において、ポイントカード番号が符号化された画像(例えばバーコードやQRコード(登録商標))を店舗端末20が備えるリーダ等によって光学的に読み取り、これを復号してポイントカード番号を得ることができる。ポイントカード番号の取得は、このような画像表示によるものに限らず、例えば非接触通信や音声を用いて店舗端末20がユーザ端末10から取得する方法であってもよいし、店舗端末20がユーザの所持するポイントカードから読み取って取得する方法であってもよく、種々の方法を採用し得る。
【0023】
店舗端末20の第1送信部21は、ユーザから取得されたポイントカード番号と、その店舗端末20に割り当てられた店舗識別情報である店舗IDとを含む照会要求を、通信網2経由で特典管理装置30に送信する。店舗IDは、例えば、各店舗に割り当てられた識別子であってもよいし、同一の店舗グループに割り当てられた識別子であってもよいし、同一店舗グループに割り当てられた識別子とその店舗グループ内において各店舗を識別するために各店舗に割り当てられた識別子とを用いたものであってもよい。以下の説明において、店舗IDが各店舗を一意に識別するものであるときは、「店舗」はそれぞれの店舗を意味するし、店舗IDが各店舗グループを一意に識別するものであるときは、「店舗」はそれぞれの店舗グループを意味する。
【0024】
特典管理装置30の第3送信部31は、店舗端末20から上記照会要求を取得すると、その照会要求に含まれるポイントカード番号を含む変換要求を通信網2経由で変換装置40に送信する。
【0025】
変換装置40の変換部41は、特典管理装置30から上記変換要求を取得すると、その変換要求に含まれているポイントカード番号を、各店舗がそのポイントカード番号を識別し得る識別情報(店舗独自カード番号という)に変換する。この店舗独自カード番号は、店舗ごとに特典付与先を識別し得る特典付与先情報であり、本発明における第2の特典付与先識別情報に相当する。この店舗独自カード番号は、各店舗においてのみ各々の特典付与先を特定し得る情報である。よって、各店舗において、特典付与先ごとの特典利用状況等を分析することが可能となる。
【0026】
変換装置40の蓄積部42は、
図4に例示するように、ポイントカード番号と、そのポイントカード番号が変換された店舗独自カード番号とを対応付けて蓄積する。つまり、蓄積部42は、本発明における第1の特典付与先識別情報と第2の特典付与先識別情報とを対応付けて蓄積する。
図4の例において、ポイントカード番号「PC001」は、或る店舗において利用される店舗独自カード番号「SU001」に変換されている。
【0027】
変換装置40の第5送信部43は、上記変換要求に含まれていたポイントカード番号を変換した店舗独自カード番号を、その変換要求を送信してきた特典管理装置30に対して通信網2経由で送信する。
【0028】
特典管理装置30の第4送信部32は、変換装置40によって変換された店舗独自カード番号を取得すると、その店舗独自カード番号を、上記照会要求を送信してきた店舗端末20に対して通信網2経由で送信する。このとき、第4送信部32は、処理部33がポイントカード番号に対応付けて記憶しているポイント等の情報を上記店舗独自カード番号と併せて店舗端末20に送信する。
【0029】
店舗端末20の取得部22は、上記照会要求に応じて特典管理装置30から送信されてきた店舗独自カード番号等の情報を取得する、
【0030】
特典管理装置30の記憶部23は、取得部22により取得された店舗独自カード番号を記憶する。
【0031】
店舗端末20の第2送信部24は、上記店舗独自カード番号を含む特典付与要求を通信網2経由で特典管理装置30に送信する。この特典付与要求には、特典付与先に対して特典を付与することを要求する特典処理要求であり、店舗独自カード番号のほか、付与すべきポイント等の、特典付与処理に必要な情報が含まれている。
【0032】
特典管理装置30の処理部33は、店舗端末20から特典付与要求を取得すると、その特典付与要求に含まれる店舗独自カード番号に対応するポイントカード番号によって識別される特典付与先に対して、特典を付与するための処理を行う。より具体的には、処理部33は、上記店舗独自カード番号を含む照会依頼を通信網2経由で変換装置40に送信する。変換装置40は、この照会依頼に含まれる店舗独自カード番号に対応するポイントカード番号を蓄積部42から読み出し、通信網2経由で特典管理装置30に送信する。処理部33は、取得したポイントカード番号によって識別される特典付与先に対して、特典を付与するための処理を行う。具体的には、処理部33は、
図5に例示するように各ポイントカード番号に対応付けて記憶しているポイントを更新する。
図5において、例えばポイントカード番号「PC001」のポイントカードに付与されているポイント(残高)は「1500」である。
【0033】
[動作]
次に、
図6を参照して、実施形態に係る情報処理システム1の動作について説明する。なお、以下の説明において、例えば変換装置40を処理の主体として記載する場合には、具体的にはプロセッサ4001、メモリ4002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ4001が演算を行い、通信装置4004による通信や、メモリ4002及びストレージ4003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することにより、処理が実行されることを意味する。ユーザ端末10、店舗端末20及び特典管理装置30についても同様である。
【0034】
ユーザは店舗で商品を選びレジで決済を行うときに、ユーザ端末10を操作して特典管理サービスを実現するプログラムを起動する。これに応じて、ユーザ端末10は、ポイントカード番号(ここでは「PC001」とする)を符号化したバーコードやQRコード(登録商標)(以下、単にバーコードという)を生成して表示する。ユーザはこのユーザ端末10に表示されたバーコードを店舗の従業員に見せると、従業員は、店舗端末20のリーダに上記バーコードを読み取らせる。店舗端末20は、このバーコードを復号してポイントカード番号「PC001」を取得する(ステップS11)。なお、前述したように、バーコードを用いたポイントカード番号の取得は一例にすぎず、他の取得方法で実現してもよい。
【0035】
店舗端末20の第1送信部21は、ユーザから取得されたポイントカード番号「PC001」と、その店舗端末20に割り当てられた店舗識別情報である店舗ID「SU001」とを含む照会要求を通信網2経由で特典管理装置30に送信する(ステップS12)。
【0036】
特典管理装置30の第3送信部31は、店舗端末20から上記照会要求を取得すると、その照会要求に含まれるポイントカード番号「PC001」を含む変換要求を通信網2経由で変換装置40に送信する(ステップS13)。
【0037】
変換装置40の変換部41は、特典管理装置30から上記変換要求を取得すると、その変換要求に含まれているポイントカード番号「PC001」を店舗独自カード番号「SU001」に変換する(ステップS14)。このときポイントカード番号を店舗独自カード番号に変換するためのアルゴリズムは、例えばそのポイントカード番号に対してランダムに生成した店舗独自カード番号を割り当てるなどのものが考えられるが、どのようなものであってもよい。これにより、変換装置40の蓄積部42は、
図4に例示するように、ポイントカード番号「PC001」と、そのポイントカード番号を変換した店舗独自カード番号「SU001」とを対応付けて蓄積する。
【0038】
変換装置40の第5送信部43は、変換した店舗独自カード番号「SU001」を通信網2経由で特典管理装置30に送信する(ステップS15)。
【0039】
特典管理装置30の第4送信部32は、店舗独自カード番号「SU001」を取得すると、この店舗独自カード番号「SU001」のほか、ポイントカード番号「PC001」に対応付けて記憶しているポイントの値等の特典付与処理に必要な情報を店舗端末20に送信する(ステップS16)。
【0040】
店舗端末20において、取得部22が特典管理装置30から送信されてきた店舗独自カード番号「SU001」等の情報を取得すると、記憶部23は取得された店舗独自カード番号「SU001」を記憶する(ステップS17)。
【0041】
店舗端末20の第2送信部24は、店舗独自カード番号「SU001」や付与すべきポイント(ここでは「100」ポイントとする)等を含む特典付与要求を通信網2経由で特典管理装置30に送信する(ステップS18)。
【0042】
特典管理装置30の処理部33は、店舗端末20から特典付与要求を取得すると、その特典付与要求に含まれる店舗独自カード番号「SU001」を含む照会依頼を通信網2経由で変換装置40に送信する(ステップS19)。
【0043】
変換装置40は、照会依頼を取得すると、この照会依頼に含まれる店舗独自カード番号「SU001」に対応するポイントカード番号を蓄積部42において検索し、その検索の結果、対応するポイントカード番号「PC001」を蓄積部42から読み出して通信網2経由で特典管理装置30に送信する(ステップS20)。
【0044】
処理部33は、取得したポイントカード番号「PC001」によって識別される特典付与先に特典を付与するための処理を行う。つまり、処理部33は、
図5に例示するようにポイントカード番号「PC001」に対応付けて記憶しているポイント「1500」にポイント「100」を加算してポイント「1600」に更新する(ステップS21)。そして、処理部33は、特典付与の結果等を通信網2経由で店舗端末20に送信する(ステップS22)。
【0045】
以上は、或る第1の店舗においてユーザにポイントを付与する場合の処理であるが、これとは別の第2の店舗においてそのユーザにポイントを付与するときも上記と同様に、その第2の店舗において特典付与先を識別可能な店舗独自カード番号に基づいて、ポイントカード番号単位でポイントが付与される。つまり、ユーザがどの店舗で商取引を行っても、そのユーザに対応するポイントカード番号単位でポイントが付与されることになる。一方、各店舗は、自店舗においてのみ特典付与先を識別可能な店舗独自カード番号単位でポイントの付与状況や利用状況等の分析は可能であり、仮に異なる店舗間において店舗独自カード番号等の情報流出が発生したとしても、異なる店舗にまたがってポイントの付与状況や利用状況等の分析を行うことはできない。即ち、異なる店舗間においては、特典付与先に対する特典付与や特典利用の状況等(つまりユーザに関する情報)を秘匿化することが可能となる。
【0046】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
特典管理装置30の処理部33が店舗独自カード番号に対応するポイントカード番号によって識別される特典付与先に対して特典を付与するための処理を、次のようにして高速化してもよい。この変形例1に係るシステム構成及び装置構成は上記実施形態と同じであり、その機能及び動作の一部が異なる。
図7は、変形例1に係る情報処理システム1の機能構成を例示する図である。
図7に示すように、特典管理装置30が第1保存部34及び消去部35を備えている点が、上記実施形態(
図3)と異なる。第1保存部34は、店舗端末20から取得した照会要求に含まれるポイントカード番号と、そのポイントカード番号が変換された店舗独自カード番号とを対応付けて保存する。消去部35は、決められた消去条件が満たされたときに第1保存部34の保存内容を消去する。この消去条件とは、例えば、ポイントカード番号に基づいてポイントが付与された後に消去するとか、第1保存部34に保存されたときから所定の期間が経過すると消去するとか、第1保存部34から最後に読み出されて使用されたときから所定の期間が経過すると消去する、などである。
【0047】
図8は、変形例1に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
図8において、実施形態で説明した
図6と同じ処理には同じ符号を付しており、
図6と異なる処理は、ステップS31,S32である。ステップS15において、変換装置40の第5送信部43から店舗独自カード番号(「SU001」とする)が通信網2経由で特典管理装置30に送信されてくると、ステップS31において、第1保存部34は、ステップS12において店舗端末20から取得した照会要求に含まれるポイントカード番号(「PC001」とする)と、ステップS15において取得した店舗独自カード番号「SU001」とを対応付けて保存する。そして、ステップS18において、店舗端末20から、店舗独自カード番号「SU001」や付与すべきポイント(ここでは「100」ポイントとする)等を含む特典付与要求が特典管理装置30に送信されてくると、処理部33は、ステップS32において、特典付与要求に含まれる店舗独自カード番号「SU001」に対応するポイントカード番号「PC001」を第1保存部34から読みだして、読み出したポイントカード番号「PC001」によって識別される特典付与先に対して、特典を付与するための処理を行う。そして、消去部35は、決められた消去条件が満たされたときに第1保存部34の保存内容を消去する。なお、ステップS32において、特典付与要求に含まれる店舗独自カード番号に対応するポイントカード番号が第1保存部34に保存されていない場合は、特典管理装置30が、特典付与要求に含まれる店舗独自カード番号を含む照会要求を通信網2経由で変換装置40に送信し、変換装置40が、この店舗独自カード番号を変換したポイントカード番号を特典管理装置30に送信すればよい。これにより、処理部33は、このポイントカード番号によって識別される特典付与先に対して特典を付与するための処理を行うことができる。
【0048】
この変形例1によれば、
図3のステップS19,S20のような、特典管理装置30から変換装置40に対する照会依頼及びその応答に要する時間を省くことができ、処理の高速化に寄与する。
【0049】
[変形例2]
上記実施形態では、特典付与先をポイントカード単位で区分していた。1人のユーザが1つのポイントカードを保有している場合には、各特典付与先(ポイントカード)を各ユーザとみなして特典の付与状況等を分析することができる。一方、例えば1人のユーザが複数のポイントカードを利用している場合に、各特典付与先(ポイントカード)について特典の付与状況等を分析したとしても、それは各ユーザについての分析とはならない。そこで、1人のユーザが複数のポイントカードを利用している場合であっても、そのユーザと複数のポイントカードとの対応関係が分かっている場合には、ポイントカード番号単位で店舗独自カード番号に変換するのではなく、ユーザ単位で店舗独自カード番号に変換するようにしてもよい。
【0050】
この変形例2に係るシステム構成及び装置構成は実施形態と同じであり、その機能及び動作の一部が異なる。変換装置40の蓄積部42は、
図9に例示するような情報を蓄積する。
図9の例では、ポイントカード番号「PC002」と「PC004」のポイントカードが同一のユーザによって利用されていることが、例えばユーザによる申告等により、予め分かっているものとする。この場合、蓄積部42は、ポイントカード番号「PC002」及びポイントカード番号「PC004」に対して、同一のユーザID「USR001」を対応付けて記憶している。このように同一のユーザID「USR001」に対応付けて記憶されているポイントカード番号に対しては、共通の店舗独自カード番号(ここでは「SU010」)に変換する。つまり、変換部41は、特典管理装置30から取得したポイントカード番号が、ユーザを識別するユーザ識別情報であるユーザIDに対応付けて記憶されている場合には、そのユーザ識別情報(ユーザID)単位で店舗独自カード番号への変換を行う。このようにユーザID単位で店舗独自カード番号が変換された場合であっても、その店舗独自カード番号は各店舗に固有の第2の特典付与先識別情報に相当する。
【0051】
図10は、変形例2に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
図10において、実施形態で説明した
図6と同じ処理には同じ符号を付しており、
図6と異なる処理はステップS41である。ステップS13において、特典管理装置30からポイントカード番号(「PC002」とする)を含む変換要求が変換装置40に送信されてくると、ステップS41において、変換部41は、特典管理装置30から取得したポイントカード番号「PC002」がユーザIDに対応付けて記憶されている場合には、そのユーザID単位で店舗独自カード番号(「SU010」とする)へ変換する。
【0052】
そして、ステップS19において特典管理装置30から店舗独自カード番号「SU010」を含む照会依頼が変換装置40に送信されてくると、変換装置40は、この照会依頼に含まれる店舗独自カード番号「SU010」に対応するポイントカード番号「PC002」を蓄積部42から読み出し、ステップS209において通信網2経由で特典管理装置30に送信する。特典管理装置30の処理部33は、ステップS21において、取得したポイントカード番号「PC002」によって識別される特典付与先に特典を付与するための処理を行う。
【0053】
この変形例2によれば、1人のユーザが複数のポイントカードを利用している場合であっても、店舗及びユーザ単位で店舗独自カード番号に変換することが可能となる。
【0054】
[変形例3]
変形例3に係るシステム構成及び装置構成は実施形態と同じであり、その機能及び動作の一部が異なる。
図11は、変形例3に係る情報処理システム1の機能構成を例示する図である。
図11に示すように、特典管理装置30が第2保存部36及び異常処理部37を備えている点が、上記実施形態(
図3)と異なる。第2保存部36は、店舗端末20から取得した照会要求に含まれる店舗IDと、変換装置40によって変換された店舗独自カード番号とを対応付けて保存する。
図12は、変形例3に係る特典管理装置30の第2保存部36が保存するデータの一例を示す図である。
図12の例では、例えば、店舗端末20から取得した照会要求に含まれる店舗ID「S010」と、変換装置40によって変換された店舗独自カード番号「SU001」とが対応付けて保存されている。異常処理部37は、店舗端末20から取得した特典付与要求に含まれる店舗ID及び店舗独自カード番号の組が第2保存部36の記憶内容と異なる場合には、所定の異常処理を行う。
【0055】
図13は変形例3に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
図13において、実施形態で説明した
図6と同じ処理には同じ符号を付しており、
図6と異なる処理はステップS51,S52,S53である。ステップS15において、変換装置40から、変換した店舗独自カード番号(「SU001」とする)が特典管理装置30に送信されてくると、第2保存部36は、ステップS51において店舗端末20から取得した照会要求に含まれる店舗ID(「S010」とする)と、店舗独自カード番号「SU001」とを対応付けて保存する。
【0056】
そして、ステップS18において、店舗端末20の第2送信部24は、店舗独自カード番号「SU001」や付与すべきポイントのほか、店舗端末20に割り当てられた店舗ID「S010」を含む特典付与要求を特典管理装置30に送信する。
【0057】
ステップS52において、異常処理部37は、店舗端末20から取得した特典付与要求に含まれる店舗ID「S010」及び店舗独自カード番号「SU001」の組を第2保存部36の記憶内容と照合する。ここでは、店舗端末20から取得した特典付与要求に含まれる店舗ID「S010」及び店舗独自カード番号「SU001」の組が、
図12に例示するように第2保存部36に保存されているから、実施形態と同様にステップS19以降の処理に遷移する。
【0058】
一方、例えば不正な第3者から店舗ID及び店舗独自カード番号を指定した特典付与要求が特典管理装置30に送信されてきた場合、異常処理部37が上記照合を行った結果、特典付与要求に含まれる店舗ID及び店舗独自カード番号の組は第2保存部36の記憶内容と一致しないことになるから、ステップS53において、異常処理部37は、エラーの旨の応答を返すなどの所定の異常処理を行う。
【0059】
なお、上記の例は、特典管理装置30が特典付与要求を取得した場合の処理であったが、特典管理装置30がステップS12の照会要求を取得した場合に同様の勝利を行ってもよい。
【0060】
この変形例3によれば、不正な第3者から店舗ID及び店舗独自カード番号を指定した照会要求又は特典付与要求が特典管理装置30に送信されてきた場合に、これら照会要求又は特典付与要求に応じた正常な処理を回避することが可能となる。
【0061】
[変形例4]
上記実施形態において、ユーザ端末10が特典管理サービスを実現するプログラムを起動すると、ポイントカード番号を符号化したバーコード等がユーザ端末10に表示され、店舗端末20がこれを読み取っていた。このようにユーザ端末10が出力して店舗端末20が読み取るポイントカード番号を、一定期間のみ有効な疑似的なポイントカード番号(以下、ワンタイムポイントカード番号という)としてもよい。
【0062】
図14は変形例4に係る情報処理システム1による動作の一例を示すシーケンス図である。
図14において、実施形態で説明した
図6と同じ処理には同じ符号を付しており、
図6と異なる処理はステップS1~S6である。ステップS1において、ユーザ端末10は、特典管理サービスを実現するプログラムが起動されると、特典管理装置30に対してワンタイムポイントカード番号の発行依頼を送信する。特典管理装置30は、ステップS2において、この発行依頼に応じて、ユーザ端末10のポイントカード番号に対応するワンタイムポイントカード番号を発行し、ステップS3にてこれをユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10は、このワンタイムポイントカード番号を符号化したバーコード等を表示して、ステップS4にて、店舗端末20に読み取らせる。店舗端末20は、ステップS5において、このバーコードを復号したワンタイムポイントカード番号とその店舗端末20に割り当てられた店舗識別情報である店舗IDとを含む照会要求を通信網2経由で特典管理装置30に送信する。特典管理装置30は、ステップS6において、上記ワンタイムポイントカード番号に対応するポイントカード番号を特定し、そのポイントカード番号を含む変換要求を変換装置40に送信する。これに応じて、変換装置40の変換部41は、ステップS14にてポイントカード番号を店舗独自カード番号に変換する。
【0063】
以上のようにポイントカード番号として、一定期間に限り有効なものを利用すれば、情報漏洩の観点からより望ましい。なお、ポイントカード番号を店舗端末20に読み取らせる手段として、上記実施形態及び変形例ではユーザ端末10を用いていた。これに限らず、例えばポイントカード番号やそのポイントカード番号が符号化された情報が記されたカード型の媒体を、ポイントカード番号を店舗端末20に読み取らせる手段として用いるようにしてもよい。
【0064】
[変形例5]
前述したように、特典付与先に対する特典の管理には、特典付与先に対する特典の付与と、特典付与先による特典の利用とが含まれる。上述した実施形態及び変形例では、特典付与先に対して特典を付与するときの処理について説明したが、本発明は、特典付与先に対して付与された特典を利用する場合(例えば特典としてのポイントを金銭の代わりに消費する場合)にも適用可能である。この場合、上述した実施形態及び変形例で用いた特典付与要求に代えて、特典付与先に対して付与された特典の利用を要求する特典利用要求が用いられる。この特典利用要求には、店舗独自カード番号や利用するポイント等の、特典利用処理に必要な情報が含まれている。つまり、本発明は、店舗端末と、特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対し、特典の付与又は利用に関する処理を行う特典管理装置と、前記特典付与先識別情報の変換に関する処理を行う変換装置とを備え、前記店舗端末は、ユーザから取得された第1の特典付与先識別情報と、当該店舗端末に割り当てられた店舗識別情報とを含む照会要求を、前記特典管理装置に送信する第1送信部と、前記照会要求に応じて、前記特典管理装置から、前記第1の特典付与先識別情報が変換された第2の特典付与先識別情報を取得する取得部と、取得した第2の特典付与先識別情報を記憶する記憶部と、前記第2の特典付与先識別情報を含む特典処理要求を前記特典管理装置に送信する第2送信部とを備え、前記特典管理装置は、前記店舗端末から取得した前記照会要求に含まれる前記第1の特典付与先識別情報を前記変換装置に送信する第3送信部と、前記変換装置によって前記第1の特典付与先識別情報が変換された前記第2の特典付与先識別情報を前記店舗端末に送信する第4送信部と、前記店舗端末から取得した前記特典処理要求に含まれる前記第2の特典付与先識別情報に対応する前記第1の特典付与先識別情報によって識別される特典付与先に対して、特典の付与又は利用に関する処理を行う処理部とを備え、前記変換装置は、前記第1の特典付与先識別情報を、前記店舗識別情報ごとに、前記第2の特典付与先識別情報に変換する変換部を備えることを特徴とする情報処理システムである。
【0065】
[その他の変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0066】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信制御部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0067】
例えば、本開示の一実施の形態における各装置は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
【0068】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0069】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0070】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0071】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0072】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0073】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0074】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0075】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0076】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0077】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0078】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0079】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0080】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0081】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1:情報処理システム、2:通信網、10:ユーザ端末、20:店舗端末、30:特典管理装置、3001:プロセッサ、3002:メモリ、3003:ストレージ、3004:通信装置、3005:入力装置、3006:出力装置、40:変換装置。