(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083109
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】通路構造
(51)【国際特許分類】
E01C 1/00 20060101AFI20230608BHJP
E01D 11/00 20060101ALN20230608BHJP
【FI】
E01C1/00 Z
E01D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197277
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平林 聖尊
(72)【発明者】
【氏名】飯田 正憲
【テーマコード(参考)】
2D051
2D059
【Fターム(参考)】
2D051AA07
2D051BB09
2D051CA02
2D059AA47
2D059BB06
(57)【要約】
【課題】地震時に、仮に支持構造体が崩壊しても、通行可能にすることを目的とする。
【解決手段】通路構造は、支持構造体10と、支持構造体10上に形成された通路P1と、通路P1の長手方向の両側に設けられる一対の支持部材20と、一対の支持部材20に連結された状態で、通路P1の下の支持構造体10に埋設される床部材40と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造体と、
前記支持構造体上に形成された通路と、
前記通路の長手方向の両側に設けられる一対の支持部材と、
一対の前記支持部材に連結された状態で、前記通路の下の前記支持構造体に埋設される床部材と、
を備える通路構造。
【請求項2】
支持構造体と、
前記支持構造体の上に載置され、通路を形成する床部材と、
前記通路の長手方向の両側に設けられ、前記床部材が連結される一対の支持部材と、
を備える通路構造。
【請求項3】
一対の前記支持部材に架け渡される一対の主ケーブルを備え、
前記床部材は、一対の前記主ケーブルに吊材を介して接続される、
請求項1又は請求項2に記載の通路構造。
【請求項4】
前記主ケーブルを収容した状態で、前記支持構造体に埋設される保護ケースを備える、
請求項3に記載の通路構造。
【請求項5】
前記支持構造体は、土砂、砂利、及び砕石の少なくとも1つで形成され、前記通路を支持する土台部を有し、
前記床部材は、前記土台部に設けられる、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の通路構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プレキャストコンクリート製の床版を備える吊橋が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、軟弱地盤に埋設された地下鉄トンネル等の地中構造物が知られている(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-8417号公報
【特許文献2】特開平10-131209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、盛土等を含む支持構造体の上に通路を形成することが考えられる。しかしながら、この場合、地震時に、仮に支持構造体が崩壊すると、通路が通行不能になる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の事実を考慮し、地震時に、仮に支持構造体が崩壊しても、通行可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の通路構造は、支持構造体と、前記支持構造体上に形成された通路と、前記通路の長手方向の両側に設けられる一対の支持部材と、一対の前記支持部材に連結された状態で、前記通路の下の前記支持構造体に埋設される床部材と、を備える。
【0008】
請求項1に係る通路構造によれば、支持構造体上には、通路が形成される。この通路の長手方向の両側には、一対の支持部材が設けられる。
【0009】
ここで、床部材は、一対の支持部材に連結された状態で、通路の下の支持構造体に埋設される。これにより、地震時に、仮に支持構造体及び通路が崩壊すると、一対の支持部材によって支持された床部材が出現する。
【0010】
したがって、地震時に、仮に支持構造体が崩壊しても、床部材上を通行することができる。
【0011】
請求項2に記載の通路構造は、支持構造体と、前記支持構造体の上に載置され、通路を形成する床部材と、前記通路の長手方向の両側に設けられ、前記床部材が連結される一対の支持部材と、を備える。
【0012】
請求項2に係る通路構造によれば、支持構造体の上には、床部材が設けられる。この床部材によって通路を形成される。また、通路の長手方向の両側には、一対の支持部材が設けられる。
【0013】
ここで、床部材は、一対の支持部材に連結される。これにより、地震時に、仮に支持構造体が崩壊しても、一対の支持部材によって床部材が支持される。
【0014】
したがって、地震時に、仮に支持構造体が崩壊しても床部材上を通行することができる。
【0015】
請求項3に記載の通路構造は、請求項1又は請求項2に記載の通路構造において、一対の前記支持部材に架け渡される一対の主ケーブルを備え、前記床部材は、一対の前記主ケーブルに吊材を介して接続される。
【0016】
請求項3に係る通路構造によれば、一対の主ケーブルは、一対の支持部材に架け渡される。この一対の主ケーブルに吊材を介して床部材が接続される。これにより、地震時に支持構造体が崩壊すると、床部材が、一対の主ケーブル及び吊り材を介して一対の支持部材に支持され、吊橋が形成される。
【0017】
したがって、仮に支持構造体が崩壊しても、簡単な構成で、床部材上を通行可能にすることができる。
【0018】
請求項4に記載の通路構造は、請求項3に記載の通路構造において、前記主ケーブルを収容した状態で、前記支持構造体に埋設される保護ケースを備える。
【0019】
請求項4に係る通路構造によれば、保護ケースは、支持構造体に埋設される。この保護ケースに主ケーブルを収容することにより、主ケーブルの劣化等が抑制される。
【0020】
請求項5に記載の通路構造は、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の通路構造において、前記支持構造体は、土砂、砂利、及び砕石の少なくとも1つで形成され、前記通路を支持する土台部を有し、前記床部材は、前記土台部に設けられる。
【0021】
請求項5に係る通路構造によれば、支持構造体は、通路を支持する土台部を有する。この土台部に、床部材が埋設される。
【0022】
ここで、土台部は、土砂、砂利、及び砕石の少なくとも1つで形成される。そのため、地震時に、土台部が崩壊する可能性がある。この土台部に床部材を設けることにより、仮に地震時に支持構造体が崩壊しても、一対の支持部材に支持された床部材上を通行することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、地震時に、仮に支持構造体が崩壊しても、通行可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】一実施形態に係る通路構造が適用された支持構造体を示す縦断面図である。
【
図3】
図2に示される床部材及び一対の保護ケースの平面図である。
【
図5】
図1に示される吊橋が展開された状態を示す縦断面図である。
【
図7】一実施形態に係る通路構造の変形例を示す
図2に対応する断面図である。
【
図8】一実施形態に係る通路構造の変形例を示す
図1に対応する縦断面図である。
【
図10】一実施形態に係る通路構造の変形例を示す
図2に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る通路構造について説明する。
【0026】
(支持構造体)
図1には、本実施形態に係る通路構造が適用された支持構造体10が示されている。支持構造体10は、土台部12と、一対のコンクリート壁14(
図2参照)とを有している。土台部12は、例えば、盛土によって形成されている。
【0027】
図2に示されるように、土台部12は、所定方向に直線状に延びるとともに、その横断面が台形状に形成されている。土台部12の両側の側面12Sは、傾斜面(法面)とされている。この土台部12の両側の側面12Sは、一対のコンクリート壁(擁壁)14によって被覆されている。この一対のコンクリート壁14によって、土台部12の崩壊等が抑制されている。この支持構造体10上に、通路P1が形成されている。
【0028】
なお、土台部12の横断面は、台形状に限らず、矩形状等でも良い。また、土台部12は、土砂、砂利、及び砕石の少なくとも1つによって形成することができる。また、コンクリート壁14は、適宜省略可能である。
【0029】
(通路)
図1に示されるように、通路P1は、例えば、歩道や道路等とされており、支持構造体10に沿って所定方向に延びている。また、通路P1は、例えば、支持構造体10の土台部12の上面にコンクリートや石畳等を敷設することにより形成されている。この通路P1の長手方向の両側には、一対の支持部材20が設けられている。
【0030】
(支持部材)
一対の支持部材20は、後述する吊橋30の基礎とされており、通路P1の長手方向の間隔を空けて配置されている。各支持部材20は、鉄筋コンクリート造の構造体とされており、支持構造体10の土台部12に埋設されている。この一対の支持部材20に吊橋30が連結されている。
【0031】
(吊橋)
吊橋30は、支持構造体10の土台部12の内部に埋設されており、
図5及び
図6に示されるように、地震時に、支持構造体10が崩壊した場合に出現し、予備通路(避難通路)P2を形成する。
【0032】
以下では、先ず、支持構造体10から出現し、展開された展開状態(出現状態)の吊橋30の構成について説明し、次に、支持構造体10に埋設された収納状態(埋設状態)の吊橋30の構成について説明する。
【0033】
(吊橋の展開状態)
図5に示されるように、吊橋30は、一対の主ケーブル32と、複数の吊材34と、複数の床部材40とを備え、一対の支持部材20に架け渡されている。
【0034】
一対の主ケーブル32は、ワイヤーロープやPC鋼線、PC鋼棒等によって形成されており、撓んだ状態で一対の支持部材20に架け渡されている(張り渡されている)。また、一対の主ケーブル32は、後述する複数の床部材40を支持するとともに、手摺としても機能する。この一対の主ケーブル32には、複数の吊材34を介して、複数の床部材40が接続されている。
【0035】
なお、一対の主ケーブル32は、撓ませず、一対の支持部材20に直線状に架け渡しても良い。
【0036】
複数の吊材34は、ハンガーケーブルとされており、一対の主ケーブル32から吊り下げられている。また、複数の吊材34は、一対の主ケーブル32の長手方向に間隔を空けて配列されている。これらの吊材34に複数の床部材40が吊り下げられている。
【0037】
なお、複数の吊材34は、一対の主ケーブル32の撓みを吸収し、複数の床部材40が直線状に配列されるように、一対の主ケーブル32の中央部から端部に向かうに従って徐々に長くなっている。
【0038】
(床部材)
複数の床部材40は、例えば、コンクリート板(コンクリート床版)によって形成されている。また、複数の床部材40は、平面視にて矩形状に形成されており、一対の主ケーブル32の長手方向に間隔を空けて配列されている。これらの床部材40によって、吊橋30の床、すなわち予備通路P2の床が形成されている。また、隣り合う床部材40は、一対の床ケーブル42によって連結されている。
【0039】
図6に示されるように、一対の床ケーブル42は、吊橋30の長手方向(架設方向)に延びるとともに、一対の主ケーブル32の下方に配置されている。また、一対の床ケーブル42は、複数の床部材40の幅方向の両端部に埋設されている。換言すると、一対の床ケーブル42は、複数の床部材40の幅方向の両端部を吊橋30の長手方向に貫通している。この一対の床ケーブル42によって、隣り合う床部材40が連結されている。
【0040】
(吊橋の収納状態)
次に、吊橋30の収納状態(埋設状態)について説明する。
【0041】
図1に示されるように、吊橋30の一対の主ケーブル32は、一対の支持部材20に架け渡された状態で、通路P1の下の土台部12に埋設されている。また、一対の主ケーブル32は、通路P1に沿って直線状に配置されている。
【0042】
なお、撓んだ状態(
図5の状態)の主ケーブル32を直線状に伸ばすと、平面視にて、主ケーブル32の全長が長くなる。そのため、本実施形態では、直線状に伸ばされた各主ケーブル32の両端側が、一対の支持部材20にそれぞれ形成された貫通孔22にスライド可能に貫通されている。これにより、主ケーブル32を直線状に伸ばした状態で、土台部12に埋設可能とされている。
【0043】
また、各主ケーブル32の両端部には、楔等の係止部材24がそれぞれ取り付けられている。係止部材24は、支持部材20の係止面20Aと間隔を空けて配置されており、
図5に示されるように、支持構造体10の崩壊に伴って床部材40が落下した場合に、支持部材20の係止面20Aに係止される。これにより、一対の主ケーブル32が、一対の支持部材20に張り渡される。
【0044】
なお、支持部材20の係止面20Aとは、外側(床部材40と反対側)を向く面とされる。また、本実施形態では、主ケーブル32の両端部に係止部材24がそれぞれ設けられている。しかし、例えば、主ケーブル32の一端部を支持部材20に固定し、主ケーブル32の他端部にのみ係止部材24を取り付けることも可能である。また、主ケーブル32は、直線状に限らず、例えば、湾曲した状態で土台部12に埋設することも可能である。
【0045】
図3に示されるように、複数の床部材40は、一対の主ケーブル32に沿って直線状に配列された状態で、土台部12(
図2参照)に埋設されている。また、隣り合う床部材40の隙間には、モルタルやシーリング材等の充填材44が充填されている。この充填材44には、隣り合う床部材40の隙間に露出する床ケーブル42が埋設されている。これにより、床ケーブル42の劣化等が抑制されている。
【0046】
なお、充填材44は、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。
【0047】
図4に示されるように、複数の床ケーブル42の上面には、一対の保護ケース36が取り付けられている。一対の保護ケース36は、例えば、コンクリートや樹脂等によって形成されており、複数の床部材40に亘って配置されている。この一対の保護ケース36は、複数の床部材40と共に土台部12に埋設される。
【0048】
一対の保護ケース36は、下方が開口した断面C字形状に形成されており、その内部に収容室36Rが形成されている。収容室36Rには、主ケーブル32、及び複数の吊材34が収容されている。なお、主ケーブル32は、保護ケース36の長手方向に沿って収容室36Rに収容され、吊材34は、折り畳まれた状態で収容室36Rに収容されている。
【0049】
一対の保護ケース36は、各床部材40の幅方向の両端部における上面に、グラウト等のシール材38を介してそれぞれ接合されている。この一対の保護ケース36に一対の主ケーブル32及び複数の吊材34をそれぞれ収容することにより、一対の主ケーブル32及び複数の吊材34の劣化等が抑制されている。
【0050】
なお、一対の保護ケース36は、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。
【0051】
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0052】
図1に示されるように、本実施形態によれば、支持構造体10の土台部12上には、通路P1が形成されている。この通路P1の長手方向の両側には、一対の支持部材20が設けられている。
【0053】
ここで、支持構造体10の土台部12には、吊橋30が埋設されている。吊橋30は、一対の主ケーブル32と、複数の吊材34(
図2参照)と、複数の床部材40とを有している。一対の主ケーブル32は、一対の支持部材20に架け渡された状態で、通路P1の下の土台部12に埋設されている。また、複数の床部材40は、複数の吊材34を介して一対の主ケーブル32に接続された状態で、通路P1の下の土台部12に埋設されている。
【0054】
これにより、
図5及び
図6に示されるように、地震時に、仮に支持構造体10が崩壊(崩落)すると、土台部12から吊橋30が出現し、予備通路P2が形成される。具体的には、支持構造体10が崩壊すると、土台部12に埋設されていた複数の床部材40が落下し、一対の主ケーブル32が一対の支持部材20に張り渡される。
【0055】
この際、隣り合う床部材40の隙間に充填された充填材44(
図3参照)が破断し、隣り合う床部材40が相対移動可能となる。また、一対の保護ケース36から複数の床部材40が分離し、保護ケース36内に収容された吊材34が下方へ展開される。
【0056】
この結果、複数の床部材40が、複数の吊材34及び一対の主ケーブル32を介して一対の支持部材20に支持され、吊橋30が形成される。したがって、地震時に、仮に支持構造体10が崩壊しても、複数の床部材40(予備通路P2)上を通行することができる。また、複数の床部材40によって、例えば、通路P1上の設置物等の落下が抑制される。
【0057】
このように本実施形態では、地震時に、仮に支持構造体10が崩壊しても、簡単な構成で、複数の床部材40(予備通路P2)上を通行可能にすることができる。
【0058】
また、複数の床部材40は、通路P1の長手方向に複数配列されている。そして、隣り合う床部材40は、一対の床ケーブル42を介して連結されている。これにより、複数の床部材40が安定する。したがって、複数の床部材40(予備通路P2)上を通行し易くなる。
【0059】
さらに、
図3に示されるように、隣り合う床部材40の隙間には、充填材44が充填されている。この充填材44には、隣り合う床部材40の隙間に露出する一対の床ケーブル42の一部が埋設されている。これにより、一対の床ケーブル42の劣化が抑制される。
【0060】
さらに、
図4に示されるように、支持構造体10の土台部12には、一対の保護ケース36が埋設されている。この一対の保護ケース36に一対の主ケーブル32及び複数の吊材34をそれぞれ収容することにより、一対の主ケーブル32及び複数の吊材34の劣化等が抑制される。
【0061】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0062】
上記実施形態では、複数の床部材40が、通路P1の下の土台部12に埋設されている。しかし、例えば、
図7に示される変形例のように、複数の床部材40によって、通路P1を形成しても良い。
【0063】
具体的には、複数の床部材40は、その上面を支持構造体10の土台部12から露出させた状態で、土台部12の表層部に埋設されている。これにより、複数の床部材40の上面によって、通路P1が形成されている。また、一対の保護ケース36によって、通路P1の両側に段差が形成されている。
【0064】
ここで、地震時に支持構造体10が崩壊すると、二点鎖線で示されるように、支持構造体10から吊橋30が出現し、上記実施形態と同様に予備通路P2が形成される。したがって、地震時に、仮に支持構造体10が崩壊しても、簡単な構成で、複数の床部材40(予備通路P2)上を通行可能にすることができる。
【0065】
また、上記実施形態では、支持構造体10の土台部12に吊橋30が埋設されている。しかし、支持構造体10の土台部12には、吊橋30に限らず、橋を埋設することも可能である。
【0066】
例えば、
図8、及び
図9に示される変形例では、支持構造体10の土台部12には、橋50が埋設されている。橋50は、一対の桁52と、床部材60とを有している。一対の桁52は、H形鋼等の鉄骨部材によって形成されており、通路P1の長手方向に沿って配置されている。なお、桁52は、鉄骨造に限らず、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造等でも良い。
【0067】
一対の桁52は、通路P1の長手方向の両側に設けられた一対の支持部材20に架設された状態で、通路P1の下の土台部12に埋設されている。この一対の桁52を介して一対の支持部材20に床部材60が支持されている。
【0068】
床部材60は、例えば、鉄筋コンクリート造のスラブとされており、一対の桁52上に設けられている。また、床部材60は、一対の桁52に沿って通路P1の長手方向に延びるとともに、一対の支持部材20に亘っている。そして、地震時に、支持構造体10が崩壊すると、橋50が出現し、床部材60の上面によって予備通路P2が形成される。
【0069】
したがって、本変形例では、上記実施形態と同様に、地震時に、仮に支持構造体10が崩壊しても、簡単な構成で、床部材60(予備通路P2)上を通行可能にすることができる。
【0070】
また、上記実施形態では、一対の支持部材20が、支持構造体10の土台部12に埋設されている。しかし、一対の支持部材20は、支持構造体10から露出させても良い。また、一対の支持部材20は、例えば、じゃかご等でも良いし、通路P1の周辺構造物の基礎等を流用しても良い。
【0071】
また、上記実施形態では、支持構造体10が、土手状に形成されている。しかし、支持構造体70は、例えば、
図10に示される変形例のように、盛土地盤又は切土地盤によって形成されても良い。この支持構造体70は、土砂、砂利、及び砕石の少なくとも1つで形成された土台部70Aを有している。
【0072】
また、支持構造体は、石垣等でも良い。石垣は、例えば、土砂、砂利、及び砕石の少なくとも1つで形成された土台部と、土台部の両側の側面に沿って積み上げられた複数の積み石とを有している。
【0073】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0074】
10 支持構造体
12 土台部
20 支持部材
32 主ケーブル
34 吊材
36 保護ケース
40 床部材
42 床ケーブル
60 床部材
70 支持構造体
70A 土台部
P1 通路