(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083138
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】経路計画システム、および、経路計画方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20230608BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20230608BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20230608BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0968
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197322
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 壮希
(72)【発明者】
【氏名】ラジト アンジャリ
(72)【発明者】
【氏名】大津 智宏
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC17
2F129DD20
2F129DD21
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2F129EE02
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2F129FF02
2F129FF32
2F129FF68
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB08
5H181BB15
5H181EE05
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】
ユーザの趣向等を含めた観点から経路計画を行うことができ、ユーザの多様なニーズに対応するための経路計画システムおよび経路計画方法を提供する。
【解決手段】
経路計画システムは、ユーザが出発地から目的地へ移動する為の移動手段を提示するシステムである。前記の経路計画システムは、プロセッサを備えている。前記のプロセッサは、ユーザが指定する出発地および目的地の情報、前記ユーザにより設定される制約条件の情報、および、前記ユーザにより設定される前記制約条件に対する評価値の情報を取得する。プロセッサは、取得した情報に基づいて、前記の出発地から前記の目的地までの途中経路における移動手段の組み合わせを評価して出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが出発地から目的地へ移動する為の移動手段を提示する経路計画システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記ユーザが指定する出発地および目的地の情報、前記ユーザにより設定される制約条件の情報、および、前記ユーザにより設定される前記制約条件に対する評価値の情報を取得し、
取得した情報に基づいて、前記出発地から前記目的地までの途中経路における移動手段の組み合わせを評価して出力する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項2】
請求項1に記載の経路計画システムであって、
前記プロセッサは、
前記出発地から前記目的地までの途中経路における移動手段の組み合わせを評価する際に、前記制約条件を一つでも満たさない経路および移動手段の候補を除外し、前記制約条件の情報を全て満たす経路および移動手段の候補について出力する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項3】
請求項1に記載の経路計画システムであって、
前記プロセッサは、
取得した前記制約条件、及び、前記制約条件に対する評価値に基づいて、経路および移動手段の価値ポイントを算出し、
前記価値ポイントの高い順に前記ユーザに提示するように、前記の経路および移動手段の候補を出力する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項4】
請求項1に記載の経路計画システムであって、
前記プロセッサは、
取得した前記制約条件、及び、前記制約条件に対する評価値に基づいて、経路および移動手段の価値ポイントを算出し、
前記ユーザが選択した経路および移動手段を用いて移動している際に、経路および移動手段の候補の制約条件の充足の可否及び価値ポイントを再計算し、
前記ユーザの選択した現在の経路および移動手段が前記制約条件を満たさない、又は、現在の経路および移動手段よりも高い価値ポイントを持つ経路および移動手段の候補が有った場合に、価値ポイントの高い順に前記ユーザに提示するように、前記の経路および移動手段の候補を出力する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項5】
請求項1に記載の経路計画システムであって、
前記プロセッサは、
前記制約条件として、複数の項目の情報を取得し、
前記制約条件に対する評価値として、前記制約条件の情報に対する価値比重を取得する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項6】
請求項5に記載の経路計画システムであって、
前記プロセッサは、
前記出発地から前記目的地までの途中経路における移動手段の組み合わせを評価する際に、前記制約条件を一つでも満たさない経路および移動手段の候補を除外し、前記制約条件の情報を全て満たす経路および移動手段の候補について出力する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項7】
請求項5に記載の経路計画システムであって、
前記プロセッサは、
取得した前記制約条件、及び、前記価値比重に基づいて、経路および移動手段の価値ポイントを算出し、
前記価値ポイントの高い順に前記ユーザに提示するように、前記の経路および移動手段の候補を出力する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項8】
請求項5に記載の経路計画システムであって、
前記プロセッサは、
取得した前記制約条件、及び、前記価値比重に基づいて、経路および移動手段の価値ポイントを算出し、
前記ユーザが選択した経路および移動手段を用いて移動している際に、経路および移動手段の候補の制約条件の充足の可否及び価値ポイントを再計算し、
前記ユーザの選択した現在の経路および移動手段が前記制約条件を満たさない、又は、現在の経路および移動手段よりも高い価値ポイントを持つ経路および移動手段の候補が有った場合に、価値ポイントの高い順に前記ユーザに提示するように、前記の経路および移動手段の候補を出力する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項9】
請求項5に記載の経路計画システムであって、
前記の複数の項目の情報は、
少なくとも、移動に係る時間、費用、CO2排出量それぞれに関する情報を含む、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項10】
請求項5に記載の経路計画システムであって、
前記の複数の項目の情報は、
少なくとも、移動手段における車椅子スペースの有無、バリアフリー対応の有無、音声案内の有無それぞれに関する情報を含む、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項11】
請求項5に記載の経路計画システムであって、
出力結果を表示する第1表示装置を備え、
前記プロセッサは、
前記価値比重の入力に用いられるグラフィカルユーザインタフェースである価値比重設定部を前記第1表示装置に表示させ、
前記価値比重設定部に入力される情報を取得する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項12】
請求項1に記載の経路計画システムであって、
統計情報を表示する第2表示装置を備え、
前記プロセッサは、
前記ユーザが実際に移動した場合における、前記ユーザが指定した制約条件および前記制約条件に対する評価値の統計情報を、前記第2表示装置に表示させる、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項13】
請求項5に記載の経路計画システムであって、
統計情報を表示する第2表示装置を備え、
前記プロセッサは、
前記ユーザが実際に移動した場合における、前記ユーザが指定した制約条件および前記
価値比重の統計情報を、前記第2表示装置に表示させる、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項14】
請求項13に記載の経路計画システムであって、
前記プロセッサは、
前記統計情報として用いる前記価値比重を規格化する、
ことを特徴とする経路計画システム。
【請求項15】
プロセッサを用いて行うユーザが出発地から目的地へ移動する為の移動手段を提示する経路計画方法であって、
前記ユーザが指定する出発地および目的地の情報、前記ユーザにより設定される制約条件の情報、および、前記ユーザにより設定される前記制約条件に対する評価値の情報を取得し、
取得した情報に基づいて、前記出発地から前記目的地までの途中経路における移動手段の組み合わせを評価して出力する、
ことを特徴とする経路計画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路計画の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MaaS(Mobility as a Service)においては、様々な交通機関・車両を組み合わせることによって、ユーザに出発地から目的地までの移動手段を提供する。この際、目的地へ到達する為の経路と移動手段(交通機関・車両)の組合せには複数の候補があり得るが、MaaSシステムにおいては、経路・移動手段の候補を算出の上で、最適な候補をユーザに提示し、必要に応じて配車や座席の確保等を行う。
【0003】
MaaS以外の通常の公共交通機関においても、鉄道やバス向けに乗換案内等のサービスが既に展開されており、それらサービスにおいては、ユーザが出発地(駅)と目的地(駅)を入力することで、鉄道・バス等の乗換候補が提示される。それら経路・移動手段の組合せは複数あり得るが、多くの場合は最短時間で到着できる経路や、最も低価格で移動できる経路等の観点で評価を行い、その順に経路候補が表示される。ユーザがどのような経路を優先的に選択するかについては、先述の時間や費用だけでなく、その他の観点もあり得る。例えば特許文献1で開示されているシステムは、交通機関の出発時刻や出発地・目的地の情報を元に乗換経路を探索し、各経路候補における交通機関の混雑情報を取得・比較することで、より混雑度の低い経路の存在をユーザに通知することを特徴とする。これにより、時間や費用だけでなく、交通機関の混雑度の観点でもユーザが経路選択を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MaaSシステムにおいてユーザが経路を選択する場合には、時間や費用など様々な評価指標が有り、特許文献1のシステムにおいては、それに加えて混雑度を新たな観点として含めている。すなわち、これらの評価指標については一つの指標を選択するだけでなく、複数の指標から総合的に判断して、経路を選択する場合も有る。このように、どの評価指標を選択し、それらの指標をどれだけ重視するかについては任意性が有り、ユーザの属性・趣向等によって異なり得る。そのため、MaaSシステムにおいて、ユーザの多様なニーズに対応する為には、個々人の趣向等に基づいた経路計画を行う必要が有ると考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザの趣向等を含めた観点から経路計画を行うことができ、ユーザの多様なニーズに対応するための経路計画システムおよび経路計画方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明の第1の態様によれば、下記の経路計画システムが提供される。すなわち、経路計画システムは、ユーザが出発地から目的地へ移動する為の移動手段を提示するシステムである。経路計画システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、ユーザが指定する出発地および目的地の情報、ユーザにより設定される制約条件の情報、および、ユーザにより設定される制約条件に対する評価値の情報を取得する。プロセッサは、取得した情報に基づいて、出発地から目的地までの途中経路における移動手段の組み合わせを評価して出力する。
【0008】
また、本発明の第2の態様によれば、下記の経路計画方法が提供される。すなわち、経路計画方法は、プロセッサを用いて行うユーザが出発地から目的地へ移動する為の移動手段を提示する方法である。この方法は、ユーザが指定する出発地および目的地の情報、ユーザにより設定される制約条件の情報、および、ユーザにより設定される制約条件に対する評価値の情報を取得し、取得した情報に基づいて、出発地から目的地までの途中経路における移動手段の組み合わせを評価して出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの趣向等を含めた観点から経路計画を行うことができ、ユーザの多様なニーズに対応するための経路計画システムおよび経路計画方法が提供される。上記以外の課題、構成、及び効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】経路計画システムの一例を示すシステム構成図である。
【
図2】ユーザが指定する基本旅程情報の一例を説明するための図である。
【
図3】ユーザが指定する制約・評価パラメータの一例を説明するための図である。
【
図4】経路計画システムにおいてデータ処理に用いられるハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】ユーザパラメータ取得部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】経路・移動手段候補作成部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】経路・移動手段候補評価部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図11】経路・移動手段候補評価部が作成する優先経路・移動手段候補の一例を示す図である。
【
図12】優先経路・移動手段候補提示・更新部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図13】ユーザ画面表示・操作部における表示の一例を示す図である。
【
図14】統計情報表示部における表示の一例を示す図である。
【
図15】ユーザが指定する制約・評価パラメータの一例を説明するための図である。
【
図17】経路・移動手段候補の一例を示す図である。
【
図18】経路・移動手段候補評価部が作成する優先経路・移動手段候補の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。まず、
図1を参照しながら、第1実施形態について説明する。
図1は、経路計画システムの一例を示すシステム構成図であり、該システムにおけるデータの入出力を示す。
【0012】
経路計画システム100には、該経路計画システム100を利用して交通機関等により移動を行うユーザ101からデータが入力される。そして、経路計画システム100は、各種のプログラムを実行してデータ処理を行う。
【0013】
経路計画システム100には、基本旅程情報102、および、制約・評価パラメータ103がユーザ101から入力される。基本旅程情報102は、ユーザ101の移動に関する基本的な情報である。
図2に示すように、基本旅程情報102は、一例として、出発時刻200と、出発地201および目的地202を含む。制約・評価パラメータ103は、ユーザ101が指定する制約とその評価(すなわち、制約条件に対する評価値)に関する情報である。本実施形態では、
図3に示すように、制約・評価パラメータ103は、複数の項目(すなわち、複数の種類のパラメータ)を含み、パラメータの名称に関する情報であるパラメータ300と、各パラメータにおいて満たすべき範囲等を示した制約条件301と、各パラメータについてユーザ101による重み付けを示した価値比重302と、を含む。
【0014】
本実施形態においては、各パラメータの制約条件301および価値比重302をユーザ101が入力し、価値比重402には、各パラメータの値をポイントに換算する為の係数が含まれる。なお、
図3の例では、規格化として、費用の価値比重が1ポイント/1円として固定されている。
【0015】
ユーザパラメータ取得部104は、プログラムであり、基本旅程情報102および制約・評価パラメータ103をユーザ101から取得する。経路・移動手段候補生成部105は、所定の経路における移動手段の候補を作成する処理を行い、プログラムとして、経路候補取得部106と、移動手段候補取得部107と、経路・移動手段候補作成部112と、を含む。
【0016】
経路候補取得部106は、基本旅程情報102に基づいて、経路DB109から、出発地から目的地までに取り得る経路の一覧を示す情報に関する経路候補108を取得する。ここで、経路DB109は、経路に関するデータが蓄積されたデータベースである。
【0017】
移動手段候補取得部107は、経路候補取得部106によって取得された各経路候補について、移動手段DB111から、経路の一部を成す各部分経路における移動手段の一覧を示した情報に関する移動手段候補110を取得する。ここで、移動手段DB111は、移動手段に関するデータなどを蓄積するデータベースである。
【0018】
経路・移動手段候補作成部112は、経路候補取得部106によって取得された経路候補108と、移動手段候補取得部107によって取得された移動手段候補110の情報を統合し、所定の経路における移動手段の候補に関する情報である経路・移動手段候補113を作成する。
【0019】
経路・移動手段候補評価部114は、プログラムであり、経路・移動手段候補作成部112により作成された経路・移動手段候補113に含まれる各候補について、制約・評価パラメータ103の情報に基づいた評価を行い、優先経路・移動手段候補115を作成する。ここで、優先経路・移動手段候補115は、経路・移動手段候補評価部114によって取捨選択および優先度付けされた経路・移動手段の候補を優先度順に並べ替えた情報である。
【0020】
経路・移動手段候補提示・更新部116は、プログラムであり、経路・移動手段候補評価部114の作成した優先経路・移動手段候補115をユーザ101に提示する。また、経路・移動手段候補提示・更新部116は、ユーザ101の移動開始後において、経路・移動手段候補作成部112および経路・移動手段候補評価部114を実行することで、優先経路・移動手段候補115のアップデートを行い、必要に応じてユーザ101に情報を再度提示する。
【0021】
ユーザ画面表示・操作部117は、表示機能および操作機能を有する。ユーザ画面表示・操作部117は、基本旅程情報102や制約・評価パラメータ103をユーザ101が入力する際の入力フォームや、ユーザ101へ優先経路・移動手段候補115を提示する。また、ユーザ画面表示・操作部117は、ユーザ101の入力操作に用いられる。
【0022】
パラメータ統計情報DB118は、ユーザ101が実際に移動を行って目的地へ到達した場合に、入力された制約・評価パラメータ103の情報を保存しておくデータベースである。
【0023】
統計情報表示部119は、表示機能を有する。統計情報表示部119は、パラメータ統計情報DB118の情報に基づいて、経路計画に使用されたパラメータの実績値をヒストグラムとして表示する。
【0024】
次に、
図4を参照しながら、経路計画システムにおいてデータ処理に用いられるハードウェア構成の一例について説明する。経路計画システム100は、処理装置400を含んで構成することができ、処理装置400は、一例として、CPU(Central Processing Unit)401と、メモリ402と、ストレージ装置403と、画面操作インタフェース404と、を備え、ネットワーク405を介して外部と通信可能に構成される。
【0025】
CPU401は、所定の処理(上記したプログラムの処理など)を実行する主体となり、経路計画システム100の処理は、CPU401上で1つ以上のプログラムとして実行される。
【0026】
メモリ402は、プログラムなどのデータを記憶することに用いられ、一例として、ROM(Read only memory)やRAM(Random access memory)を含んで構成される。
【0027】
ストレージ装置403は、データを格納する適宜の装置として構成される。本実施形態では、経路DB109、移動手段DB111,および、パラメータ統計情報DB118は、ストレージ装置403に記録するが、一例として、ネットワーク405を経由して別のストレージ装置に記録することも可能である。
【0028】
画面操作インタフェース404は、ユーザ画面表示・操作部117や統計情報表示部119による画面への表示出力や操作内容の入力に関するインタフェースに用いられる。ユーザ画面表示・操作部117や統計情報表示部119に関する入出力の処理は、画面操作インタフェース404を介して行われる。
【0029】
なお、
図4は一例であり、ハードウェアの構成や配置は、所定の処理を実行することができれば、適宜に変更してもよい。経路計画システム100は、例えば、1台以上の処理装置400で構成してもよいし、複数台の処理装置400で構成してもよい。また、例えば、CPU401やメモリ402の数は、適宜に変更されてもよい。また、例えば、処理装置400の機能が分担され、それぞれの処理装置400の間でデータの入出力が行われてデータ処理が行われるように、それぞれの処理装置400が構成されてもよい。また、例えば、経路計画システム100は、処理装置400の一部の機能を実現する構成(一例として、ストレージ装置403)がクラウド上に配置されるシステムであってもよい。
【0030】
次に、
図5を参照しながら、ユーザパラメータ取得部104における処理の一例について説明する。
図5は、ユーザパラメータ取得部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0031】
ユーザパラメータ取得部104は、処理装置400により実行され、ユーザパラメータ取得部104の処理では、後段の経路・移動手段候補生成部105以降にて使用する為に、ユーザ101が入力した情報が取得される。この処理の例では、まず、基本旅程情報102が取得され(S500)、その後に制約・評価パラメータ103が取得される(S501)。
【0032】
次に、
図6を参照しながら、経路・移動手段候補作成部105における処理の一例について説明する。
図6は、経路・移動手段候補作成部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0033】
経路・移動手段候補作成部105は、処理装置400により実行される。経路・移動手段候補作成部105において、まず経路候補取得部106が実行され、経路候補108が取得されて列挙される(S600)。その後に、各経路候補についての処理が行われる(S601~S606)。そして、経路・移動手段候補113が作成される(S607)。
【0034】
ここで、S601の処理に関する経路候補108について具体的に説明する。上述したように、経路候補108は、経路候補取得部106の実行により経路DB109から取得され、ユーザ101が指定した出発地201から目的地202までの経路の候補一覧に関する情報である。
【0035】
図7を参照しながら、経路候補のデータ構造の一例を説明する。
図7に示すように、経路候補108は、一例として、経路の番号700と、出発地701(出発地201に対応する)と、目的地703(目的地202に対応する)と、経由地702と、を含む情報とされる。ここで、経由地702は、出発地701から目的地703までにあり得る経由地の一覧に関する情報であり、経由地が無い(すなわち、目的地まで直行する)場合や、経由地が複数存在する場合もあり得る。
【0036】
経路・移動手段候補作成部105におけるS601~S606の処理について説明する。経路・移動手段候補作成部105の処理では、経路候補毎の処理がスタートし(S601)、各経路候補における部分経路が列挙される(S602)。そして、各部分経路についての処理が行われる(S603~S605)。ここで部分経路とは、ある経路を経由地で分割した要素であり、例えばAからBを経由してCへ到達する経路における部分経路は、AからB、BからCの二つとなる。そして、各部分経路については、移動手段候補取得部107により、その部分経路において利用し得る移動手段候補110が取得される(S604)。
【0037】
経路・移動手段候補作成部105における処理では、ある経路候補において、全ての部分経路の移動手段候補110が取得される(S605)。また、取得して列挙された全ての経路候補についての処理が行われる(S606)。
【0038】
ここで、S607の処理に関する移動手段候補110について具体的に説明する。上述したように、移動手段候補110は、移動手段候補取得部107の実行により移動手段DB111から取得され、部分経路においてユーザ101が利用し得る移動手段に関する情報である。
【0039】
図8を参照しながら、移動手段候補のデータ構造の一例を説明する。
図8に示すように、移動手段候補110は、一例として、経路候補108の候補における各部分経路800と、それぞれの部分経路において利用し得る移動手段801を列挙したデータであり、各移動手段801について、出発時刻802、所要時間803、到着時刻804、費用805、CO
2排出量換算値806を含むデータとされる。ここで、本実施形態では、CO
2排出量換算値806は、移動手段がガソリン車等であれば、部分経路800の移動に係るCO
2排出量そのものを表すが、電気自動車や電車等の場合には消費電力および電力源におけるCO
2排出量を加味した換算値を表す。
【0040】
経路・移動手段候補作成部105における処理では、このように、各経路の全ての部分経路における移動手段の候補を列挙して、経路・移動手段候補113が作成される(S607)。経路・移動手段候補113は、上述したように、各経路について、出発地から目的地までの移動手段の候補を示す情報である。
【0041】
図9を参照しながら、経路・移動手段候補の一例を具体的に説明する。
図9に示すように、経路・移動手段候補113は、一例として、各経路・移動手段候補の番号900と、出発地301から目的地302までの経路901と、経路901において使用する移動手段902と、を示す情報とすることができる。ここで、移動手段902に含まれる移動手段の数は、経路901の部分経路の数と同等である。更に、経路・移動手段候補113には、各経路・移動手段における総所要時間903、目的地302への到着時刻904、移動に係る総費用905、および、移動に伴うCO
2排出量換算値906が含まれる。
【0042】
次に、
図10を参照しながら、経路・移動手段候補評価部114における処理の一例について説明する。
図10は、経路・移動手段候補評価部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。経路・移動手段候補評価部114は、経路・移動手段候補作成部112によって作成された経路・移動手段候補113について、ユーザ101の与えた制約・評価パラメータ103に従って各経路・移動手段の除外や優先度付けを行い、優先経路・移動手段候補115を作成することを目的とする。
【0043】
経路・移動手段候補評価部114は、処理装置400により実行される。経路・移動手段候補評価部114において、経路・移動手段候補113に含まれる各経路・移動手段候補について、S1000からS1005までの処理が行われる。そして、S1006の処理が行われる。
【0044】
まずは、各経路・移動手段候補がユーザ101の指定した制約条件301を満たすかどうかについての判定が行われる(S1001)。ここで、制約条件301のうち一つでも満たさないパラメータが有る場合、その経路・移動手段候補が除外される(S1003)。その一方で、全てのパラメータが制約条件301を満たす場合には、その経路・移動手段候補についての価値ポイントが算出される(S1002)。
【0045】
価値ポイントは、ユーザ101の趣向が考慮されたパラメータである。本実施形態では、価値ポイントは、各パラメータについて、制約条件301に示された上限値からの差分と価値比重302を乗算し、それらの総和を取ることで算出される。例えば、時間の制約条件301が「60分以内」で価値比重302が「20pt/min」と指定されていた場合に、ある経路・移動手段候補における所要時間903が「50分」であったとすると、差分である「10分」に「20pt/min」を乗算することで、時間に対する価値ポイントは「200pt」と計算される。時間以外の他のパラメータも同様に計算し、それらを足し合わせることで、その経路・移動手段候補における価値ポイントが求められる。
【0046】
価値ポイントの算出(S1002)の後、その経路・移動手段候補におけるグリーンポイントが算出される(S1004)。ここで、グリーンポイントは、CO2排出の低い経路・移動手段を選択したユーザに対しての付与を想定したインセンティブである。本実施形態においては、出発地201と目的地202の間の距離からCO2排出の標準値を算出し、経路・移動手段候補におけるCO2排出量換算値906が標準値を下回っている場合に、その差分に係数を掛けることでグリーンポイントを算出する。例えば、ある出発地201から目的地202への移動に係るCO2排出の標準値が1.0kg、ある経路・移動手段候補のCO2排出量換算値906が0.7kgで、係数を「50gpt/CO2kg」とした場合、その経路・移動手段候補におけるグリーンポイントは15gptとなる。
【0047】
経路・移動手段候補毎に以上の処理(S1000~S1005)を実施した後は、価値ポイントが高い順に経路・移動手段候補が並び替えられ(S1006)、最終的に優先経路・移動手段候補115が作成される。
【0048】
図11を参照しながら、優先経路・移動手段候補115について説明する。
図11は、経路・移動手段候補評価部114によって作成される優先経路・移動手段候補115の例を示す。優先経路・移動手段候補115は、経路の優先順位に関するデータであり、一例として、各経路・移動手段候補の優先順位1100、経路1101、経路における移動手段1102をそれぞれ含む。また、経路・移動手段候補113と同様に、各経路・移動手段候補における所要時間1103、到着時刻1104、費用1105、CO
2排出量換算値1106を含み、更にグリーンポイント1107と価値ポイント1108が含まれる。
【0049】
次に、
図12を参照しながら、優先経路・移動手段候補提示・更新部116の処理の一例について説明する。
図12は、優先経路・移動手段候補提示・更新部の処理の一例を説明するためのフローチャートである。優先経路・移動手段候補提示・更新部116は、経路・移動手段候補評価部114によって作成された優先経路・移動手段候補115をユーザ101へ提示し、その後ユーザ101が経路・移動手段を選択して移動を開始した後にも、優先経路・移動手段候補115を随時アップデートすることで、常に最適な経路・移動手段候補をユーザ101へ提示することを目的とする。
【0050】
優先経路・移動手段候補提示・更新部116は、処理装置400により実行され、優先経路・移動手段候補提示・更新部116の処理では、まず、優先経路・移動手段候補115がユーザ画面表示・操作部117を介してユーザ101へ提示される(S1200)。そして、ユーザ101がその中の経路・移動手段を選択して移動を開始した場合(S1201)、ユーザ101が目的地に到着するまで、S1202~S1208の処理が周期的に実行される。
【0051】
ユーザ101の移動開始後においては、経路・移動手段候補生成部105や経路・移動手段候補評価部114における一連の処理を繰り返す形となる。そこで、まず、経路・移動手段候補作成部112が再実行され、現時点における経路・移動手段候補113が作成される(S1203)。
【0052】
その後、経路・移動手段候補評価部114によって優先経路・移動手段候補115が作成され(S1204)、その中で現在選択している経路・移動手段が制約条件301を満たしているかどうかについての再確認が行われる(S1205)。もし、制約条件301を満たさなくなった場合は、最新の優先経路・移動手段候補115をユーザ101に提示することで、別の経路への切替えを促す(S1206)。その一方で、現在の経路・移動手段が制約条件301を満たす場合は、より価値ポイントの高い経路・移動手段候補が存在するかどうかについての確認が行われる(S1207)。そして、もし該当する候補が存在する場合には、同様に優先経路・移動手段候補115をユーザ101に提示し、価値ポイント高い経路への切替えを促す(S1206)。
【0053】
現在の経路・移動手段が制約条件301を満たし、それよりも価値ポイントの高い経路・移動手段候補が存在しない場合は、優先経路・移動手段候補115の再提示は行わない。また、ユーザ101が目的地202に到着し、移動を終えた場合には、最後に制約・評価パラメータ103の情報をパラメータ統計情報DB118へ実績として登録する(S1209)。
【0054】
次に、
図13を参照しながら、ユーザ画面表示・操作部117について説明する。
図13は、ユーザ画面表示・操作部における表示の一例を示す図である。ユーザ画面表示・操作部117は、後述するように、適宜の表示装置(第1表示装置)を用いて構成することができる。
【0055】
本実施形態では、
図13に示すように、ユーザ画面表示・操作部117の画面構成には、優先経路・移動手段候補表示・選択部1300と、ユーザパラメータ入力部1301と、選択経路表示部1303と、が含まれる。
【0056】
優先経路・移動手段候補表示・選択部1300は、優先経路・移動手段候補提示・更新部116により優先経路・移動手段候補115を表示する部分であり、ユーザ101はこの中から経路・移動手段を選択することができる。
【0057】
ユーザパラメータ入力部1301は、ユーザ101が基本旅程情報102および制約・評価パラメータ103を入力する為のフォームであり、ユーザパラメータ入力部1301に入力する内容が入力される。ここで、ユーザ101が制約・評価パラメータ103の価値比重302を入力する際には、ユーザ101は、一例として、価値比重302を直接数値で入力することができる。
【0058】
また、価値比重302の入力を簡易にするグラフィカルユーザインタフェースである価値比重設定部が設けられてもよい。例えば、
図13に示すように、価値比重設定部の一例である円グラフ1302が設けられてもよく、ユーザ101は、円グラフ1302において各パラメータの重み付けの割合をドラッグして指定することも可能である。
【0059】
例えば、
図13に示すように円グラフ1302を設定することで、時間に関して25%(0.25pt/min)、費用に関して35%(0.35pt/min)、CO2排出量に関して40%(0.40pt/min)の価値比重302を指定することができる。なお、価値比重302の割合が適切であればよく、上記のように設定することで、時間に関して5pt/min、費用に関して7pt/min、CO2排出量に関して8pt/minの指定が実行されてもよい。また、最小の値で規格化が行われてもよい。
【0060】
選択経路表示部1303は、ユーザ101が選択した経路を視覚的に表示する部分である。ユーザ101は、この部分を参照することで、選択した経路を確認することができる。
図13に示すように、ユーザ101が選択した経路(この場合、A→B→Eに関する経路)は、強調して表示されてもよい。
【0061】
ユーザ画面表示・操作部117は、一例として、タッチ機能を有するディスプレイ(すなわち、タッチパネルディスプレイ)であってもよい。この場合、価値比重設定部(上記の説明では、円グラフ1302)は、ユーザ101が円グラフ1302の縁部のポイント1302a(
図13において、黒丸で示す部分)をドラッグし、円グラフ1302の縁部に沿ってポイント1302aを移動させることで、価値比重302の割合を変更することができるように構成されてもよい。
【0062】
ユーザ画面表示・操作部117は、一例として、ディスプレイおよび適宜の操作装置(例えば、ボタン、キーボード、マウスなど)により構成されてもよい。この場合、価値比重設定部は、ポインタを用いてユーザ101が円グラフ1302の縁部のポイント1302aをドラッグし、円グラフ1302の縁部に沿ってポイント1302aを移動させることで、価値比重302の割合を変更することができるように構成されてもよい。また、ユーザ画面表示・操作部117は、一例として、スマートフォンやタブレットなどの装置により構成されてもよい。
【0063】
ユーザ画面表示・操作部117の表示態様は、適宜に変更することができる。例えば、他の画面構成が配置されてもよいし、画面構成の位置が変更されてもよい。また、価値比重設定部の一例として円グラフ1302が説明されたが、価値比重設定部は、円グラフ1302に限定されず、例えば、同様の機能を有する数値バーなどであってもよい。また、例えば、ユーザパラメータ入力部102に関して、価値比重302を直接入力するか価値比重設定部を使用するかが選択可能であってもよい。また、選択経路表示部1303に選択した経路を表示させる場合も、ユーザ101は、上記した構成を用いて、適宜の手法で選択することができる。ユーザ101は、例えば、優先経路・移動手段候補表示・選択部1300において、選択経路表示部1303に表示させる経路をタッチして選択したり、カーソルを用いて選択することができる。
【0064】
次に、
図14を参照しながら、統計情報表示部119について説明する。統計情報表示部119は、適宜の表示装置(第2表示装置)を用いて構成される。
図14は、統計情報表示部における表示の一例を示す図である。統計情報表示部119は、パラメータ統計情報DB118に蓄積されたユーザの制約・評価パラメータ103のデータを統計情報として表示する部分であり、この情報を交通機関等の運用方針やスケジューリング等に活用することを目的とする。
【0065】
本実施形態では、
図14に示すように、統計情報表示部119の画面構成には、ヒストグラム表示部1400が含まれる。ヒストグラム表示部1400は、様々な出発地201から目的地202までの移動において、ユーザが使用した各パラメータの価値比重302をヒストグラムとして表示する。
【0066】
統計情報表示部119の表示態様は、適宜に変更することができる。例えば、他の画面構成が配置されてもよいし、画面構成の位置が適宜に変更されてもよい。また、ヒストグラムとは異なる統計的な情報に関する表示が行われてもよい。
【0067】
ユーザが経路を選択して移動を開始した後においても、交通状況など様々な環境情報の変化により、現在の経路が成り立たなくなる場合や、ユーザの趣向に基づいたより優先度の高い経路候補が現れる場合が有り得る。このような場合も考慮し、MaaSシステムにおいては個々のユーザの趣向に基づいて動的に経路計画を見直す必要が有る。また、MaaS運営者側において、エリアにおける交通機関・車両の種類や頻度(時刻)等を最適化する為には、こうしたユーザの趣向の情報を収集・分析する必要が有る。
【0068】
そこで、本実施形態によれば、MaaSの経路計画を行うシステムにおいて、目的地への経路・移動手段の組合せについて、評価指標(パラメータ)となる所要時間やコスト、CO2排出量等を算出し、ユーザが与える各パラメータへの制約条件および比重の情報に基づき、最適な経路・移動手段を提示する。
【0069】
また、経路・移動手段を選択して移動を開始した後でも、経路・移動手段の組合せについては動的に再計算を行い、より優先度の高い経路・移動手段が現れた場合や、現在の経路・移動手段が成立しなくなった場合には、最新の情報に基づいた最適な経路・移動手段を提示する。従って、MaaSにおいて、個々のユーザの趣向に基づいた最適な経路・移動手段を提示することができ、移動中の状況(渋滞等)の変化に応じてより優先度の高い経路・移動手段へ動的に変更できる。
【0070】
また、こうした経路計画に使用されたユーザの評価指標については蓄積を行い、MaaS運営者側が統計情報として確認できるようにする。従って、ユーザの趣向の統計情報を収集して用いることにより、MaaSにおける交通手段の最適化が可能となる。
【0071】
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態の場合とは異なるパラメータを用いる例について説明する。なお、第1実施形態と同様の説明については省略することがある。
【0072】
第1実施形態では、ユーザ101が経路・移動手段を選択する際の評価基準(パラメータ)として、時間、費用、およびCO2排出量を使用した場合の手順について示した。そして、第2実施形態においては、それらに加えて、足腰や視覚・聴覚等の不自由なユーザ101が快適な経路・移動手段を選択できるよう、アクセシビリティ関連の制約・評価パラメータを追加している。
【0073】
図15は、第2実施形態における制約・評価パラメータ103aであり、制約・評価パラメータ103aには、制約パラメータの名称1500と、制約条件1501と、価値比重1502と、が含まれる。
図15の例では、第1実施形態で考慮した時間、費用、CO
2排出量だけでなく、車椅子スペース、バリアフリー、音声案内を追加している。なお、これらのパラメータについては、時間、費用、CO
2排出量のような連続的な量ではなく、「有り」または「無し」の二値を取る為、制約条件1501は「必須」、「不要」、「任意」の三種で指定している。また、価値比重1502については、制約条件1501を「任意」とした場合に、対応している経路・移動手段への追加の価値ポイントを指定することができる。例えばこの場合、車椅子スペースの有無は任意であるが、全ての移動手段において車椅子スペースのある経路では価値ポイントに500ptを加算する。
【0074】
図16は、第2実施形態における移動手段候補110aの例である。基本的には第1実施形態と同様であるが、新たなパラメータに対応する項目として、車椅子スペース1600、バリアフリー1601、音声案内1602それぞれの対応有無を示す欄が追加されている。
【0075】
図17は、第2実施形態における経路・移動手段候補113aの例である。
図17も同様に、各経路・移動手段候補における車椅子スペース1700、バリアフリー1701、音声案内1702の対応有無が追加されている。なお、経路において経由地点を含む、つまり複数の移動手段を乗り換える場合には、それぞれの移動手段における対応有無が追加される。
【0076】
図18は、第2実施形態におけるユーザ101に提示する優先経路・移動手段候補115aの例である。ここでも、各経路・移動手段候補における車椅子スペース1800、バリアフリー1801、音声案内1802の対応状況有無が示されている。経路・移動手段候補評価部114によって、制約条件1501を満たさない候補は除外されている為、
図15の例ではバリアフリーが必須となっていたことから、優先経路・移動手段候補115aにおいては、全ての移動手段がバリアフリー対応の経路のみが残り、価値ポイント順に経路・移動手段候補が表示されている。
【0077】
なお、他の処理等については、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態で説明されたパラメータに関する情報は、適宜の手法に基づいて取得すればよい。例えば、該パラメータに関する情報を適宜のデータベース(一例として、移動手段DB)に保持させ、移動手段に関する情報とともに、該パラメータに関する情報を取得する処理が行われてもよい。
【0078】
以上実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【0079】
同様の趣向であっても、入力する価値比重の大きさが異なることで、統計上のばらつきが発生することが考えられる。例えば、時間に関して2pt/min、費用に関して6pt/min、CO2排出量に関して8pt/minと入力するユーザ101が存在する一方で、時間に関して4pt/min、費用に関して12pt/min、時間に関して16pt/minと入力する同様の趣向のユーザ101の存在が考えられる。そこで、ばらつきを抑制するために、ユーザパラメータ入力部1301の入力において規格化されない場合では、最小のパラメータで規格化した上で、統計情報が蓄積されてもよい。
【0080】
プロセッサの一例としてはCPUが説明されたが、所定の処理を実行する主体であれば他の半導体デバイスでもよい。
【0081】
各種のパラメータは予め準備されてもよく、ユーザパラメータ入力部1301におけるフォームには、予め準備されたパラメータが表示されてもよい。また、ユーザ101によるプルダウン操作により、予め準備されたパラメータが選択される形式であってもよい。
【0082】
実施形態の説明で用いた単位は一例であり、適宜に変更してもよい。例えば、費用は、円に代えて他の通貨単位で表してもよいし、CO2排出量は、重さの単位に代えて体積の単位で表してもよい。
【0083】
制約条件に関するパラメータとして、時間、費用、CO2排出量、車椅子スペース、バリアフリー、音声案内の例が説明されたが、これらに限定されず、ユーザのニーズなどを考慮した他の種類(項目)のパラメータが用いられてもよい。また、パラメータの数は1つであってもよいし、複数であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
100 経路計画システム
102 基本旅程情報
103 制約・評価パラメータ
104 ユーザパラメータ取得部
105 経路・移動手段候補生成部
113 経路・移動手段候補
114 経路・移動手段候補評価部
115 優先経路・移動手段候補
116 優先経路・移動手段候補提示・更新部
117 ユーザ画面表示・操作部
119 統計情報表示部