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特開2023-83152データ処理装置、プログラム、データ処理システム、及びデータ処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083152
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】データ処理装置、プログラム、データ処理システム、及びデータ処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20230608BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20230608BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
A61B5/11 100
A61B5/11 200
A61B5/113
A61B5/02 310J
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197365
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】出口 美樹
(72)【発明者】
【氏名】武藤 崇記
(72)【発明者】
【氏名】天野 航
(72)【発明者】
【氏名】三角 綾香
(72)【発明者】
【氏名】黒木 和明
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AC03
4C017BC16
4C017BD06
4C017CC02
4C017DD17
4C017EE01
4C017FF15
4C017FF17
4C038HH05
4C038SS08
4C038SV00
4C038VA18
4C038VB31
4C038VB33
4C038VC20
(57)【要約】
【解決手段】動物に装着された圧電組紐から出力された組紐データを取得する組紐データ取得部と、組紐データの周波数を分析する周波数分析部と、組紐データの振幅を分析する振幅分析部と、組紐データの波形を分析する波形分析部と、周波数分析部による分析結果、振幅分析部による分析結果、及び波形分析部による分析結果のうちの少なくとも2つに基づいて、動物の状態を推定する状態推定部とを備えるデータ処理装置を提供する。波形分析部は、動物の行動の種類を推定するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに組紐データの波形を入力することで取得した動物の行動の種類を分析結果として出力してよい。データ処理装置は、動物が行動したときの組紐データの波形と行動の種類とを教師データとして用いて、組紐データの波形から動物の行動を推定する学習モデルを機械学習により生成するモデル生成部を備えてよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物に装着された圧電組紐から出力された組紐データを取得する組紐データ取得部と、
前記組紐データの周波数を分析する周波数分析部と、
前記組紐データの振幅を分析する振幅分析部と、
前記組紐データの波形を分析する波形分析部と、
前記周波数分析部による分析結果、前記振幅分析部による分析結果、及び前記波形分析部による分析結果のうちの少なくとも2つに基づいて、前記動物の状態を推定する状態推定部と
を備える、データ処理装置。
【請求項2】
前記状態推定部は、前記周波数分析部による分析結果、前記振幅分析部による分析結果、及び前記波形分析部による分析結果に基づいて、前記動物の状態を推定する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記周波数分析部は、前記動物の呼吸及び脈動の少なくともいずれかの状態を分析結果として出力する、請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記振幅分析部は、前記動物が活動中であるか否かを示す分析結果を出力する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記波形分析部は、前記動物の行動の種類を推定するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、前記組紐データの波形を入力することで、前記学習モデルから取得した前記動物の行動の種類を分析結果として出力する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
圧電組紐を装着した動物が行動したときの当該圧電組紐から出力された組紐データの波形と前記行動の種類とを教師データとして用い、前記組紐データの波形から前記動物の行動を推定する前記学習モデルを機械学習により生成するモデル生成部
を更に備える、請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
複数種類の前記動物の状態のそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶するレコメンド情報記憶部と、
前記状態推定部によって推定された前記動物の状態が、前記レコメンド情報記憶部に記憶されたに記憶された前記複数種類の動物の状態のいずれかと一致した場合に、一致した状態に対応する前記レコメンド情報を、前記動物に対応する通信端末に送信するレコメンド情報送信部と
を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記状態推定部によって継続的に推定された推定結果に基づいて、予め定められた期間毎の前記動物の行動の特徴を特定する動物特徴特定部
を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記動物特徴特定部は、1日サイクル、季節サイクル、及び生涯サイクルの少なくともいずれかの前記動物の行動の特徴を特定する、請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
複数種類の前記動物の行動の特徴のそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶するレコメンド情報記憶部と、
前記動物特徴特定部によって特定された前記動物の行動の特徴が、前記レコメンド情報記憶部に記憶された前記複数種類の動物の行動の特徴のいずれかと一致した場合に、一致した特徴に対応する前記レコメンド情報を、前記動物に対応する通信端末に送信するレコメンド情報送信部と
を更に備える、請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記レコメンド情報記憶部は、前記複数種類の前記動物の行動の特徴と天候との組み合わせのそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶し、
前記レコメンド情報送信部は、前記動物特徴特定部によって特定された前記動物の行動の特徴と、行動時の天候との組み合わせが、前記レコメンド情報記憶部の組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応する前記レコメンド情報を、前記動物に対応する通信端末に送信する、請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記レコメンド情報記憶部は、前記複数種類の前記動物の行動の特徴と気温との組み合わせのそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶し、
前記レコメンド情報送信部は、前記動物特徴特定部によって特定された前記動物の行動の特徴と、行動時の気温との組み合わせが、前記レコメンド情報記憶部の組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応する前記レコメンド情報を、前記動物に対応する通信端末に送信する、請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
前記レコメンド情報記憶部は、前記複数種類の動物の行動の特徴と、複数種類の前記動物の飼主の行動の特徴との組み合わせのそれぞれに対応する前記レコメンド情報を記憶し、
前記データ処理装置は、
前記動物の飼主の行動の特徴を特定する飼主特徴特定部
を更に備え、
前記レコメンド情報送信部は、前記動物特徴特定部によって特定された前記動物の行動の特徴と、前記飼主特徴特定部によって特定された前記動物の飼主の行動の特徴との組み合わせが、前記レコメンド情報記憶部の組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応する前記レコメンド情報を、前記動物の飼主の通信端末に送信する、
請求項10から12のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
前記組紐データ取得部は、前記動物に装着された第1の圧電組紐から出力された第1の組紐データと、前記動物に装着された第2の圧電組紐から出力された第2の組紐データとを取得し、
前記周波数分析部は、前記第1の組紐データ及び前記第2の組紐データの少なくともいずれかの周波数を分析し、
前記振幅分析部は、前記第1の組紐データ及び前記第2の組紐データの少なくともいずれかの振幅を分析し、
前記波形分析部は、前記第1の組紐データ及び前記第2の組紐データの少なくともいずれかの波形を分析する、請求項1から13のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項15】
前記組紐データ取得部は、前記動物の第1の部位に装着された前記第1の圧電組紐から出力された前記第1の組紐データと、前記動物の第2の部位に装着された、前記第1の圧電組紐とは感度が異なる前記第2の圧電組紐から出力された前記第2の組紐データとを取得する、請求項14に記載のデータ処理装置。
【請求項16】
前記周波数分析部は、前記第1の組紐データの周波数を分析し、
前記振幅分析部は、前記第2の組紐データの振幅を分析する、請求項14又は15に記載のデータ処理装置。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1から16のいずれか一項に記載のデータ処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
請求項1から16のいずれか一項に記載のデータ処理装置と、
前記圧電組紐と
を備えたデータ処理システム。
【請求項19】
コンピュータによって実行されるデータ処理方法であって、
動物に装着された圧電組紐から出力された組紐データを取得するデータ取得段階と、
前記組紐データの周波数を分析する周波数分析段階と、
前記組紐データの振幅を分析する振幅分析段階と、
前記組紐データの波形を分析する波形分析段階と、
前記周波数分析段階における分析結果、前記振幅分析段階における分析結果、及び前記波形分析段階における分析結果のうちの少なくとも2つに基づいて、前記動物の状態を推定する状態推定段階と
を備える、データ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、プログラム、データ処理システム、及びデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ペットに装着された温度センサ及び加速度センサによって測定された温度及び加速度を用いてペットの状態を判定する判定装置が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2018-174885号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、データ処理装置が提供される。データ処理装置は、動物に装着された圧電組紐から出力された組紐データを取得する組紐データ取得部を備えてよい。データ処理装置は、組紐データの周波数を分析する周波数分析部を備えてよい。データ処理装置は、組紐データの振幅を分析する振幅分析部を備えてよい。データ処理装置は、組紐データの波形を分析する波形分析部を備えてよい。データ処理装置は、周波数分析部による分析結果、振幅分析部による分析結果、及び波形分析部による分析結果のうちの少なくとも2つに基づいて、動物の状態を推定する状態推定部を備えてよい。
【0004】
上記状態推定部は、上記周波数分析部による分析結果、上記振幅分析部による分析結果、及び上記波形分析部による分析結果に基づいて、上記動物の状態を推定してよい。上記周波数分析部は、上記動物の呼吸及び脈動の少なくともいずれかの状態を分析結果として出力してよい。上記振幅分析部は、上記動物が活動中であるか否かを示す分析結果を出力してよい。上記波形分析部は、上記動物の行動の種類を推定するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、上記組紐データの波形を入力することで、上記学習モデルから取得した上記動物の行動の種類を分析結果として出力してよい。上記データ処理装置は、圧電組紐を装着した動物が行動したときの当該圧電組紐から出力された組紐データの波形と上記行動の種類とを教師データとして用い、上記組紐データの波形から上記動物の行動を推定する上記学習モデルを機械学習により生成するモデル生成部を更に備えてよい。
【0005】
上記データ処理装置は、複数種類の上記動物の状態のそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶するレコメンド情報記憶部と、上記状態推定部によって推定された上記動物の状態が、上記レコメンド情報記憶部に記憶された上記複数種類の動物の状態のいずれかと一致した場合に、一致した状態に対応する上記レコメンド情報を、上記動物に対応する通信端末に送信するレコメンド情報送信部とを更に備えてよい。上記データ処理装置は、上記状態推定部によって継続的に推定された推定結果に基づいて、予め定められた期間毎の上記動物の行動の特徴を特定する動物特徴特定部を更に備えてよい。上記動物特徴特定部は、1日サイクル、季節サイクル、及び生涯サイクルの少なくともいずれかの上記動物の行動の特徴を特定してよい。
【0006】
上記データ処理装置は、複数種類の上記動物の行動の特徴のそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶するレコメンド情報記憶部と、上記動物特徴特定部によって特定された上記動物の行動の特徴が、上記レコメンド情報記憶部に記憶された上記複数種類の動物の行動の特徴のいずれかと一致した場合に、一致した特徴に対応する上記レコメンド情報を、上記動物に対応する通信端末に送信するレコメンド情報送信部とを更に備えてよい。上記レコメンド情報記憶部は、上記複数種類の上記動物の行動の特徴と天候との組み合わせのそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶してよく、上記レコメンド情報送信部は、上記動物特徴特定部によって特定された上記動物の行動の特徴と、行動時の天候との組み合わせが、上記レコメンド情報記憶部の組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応する上記レコメンド情報を、上記動物に対応する通信端末に送信してよい。上記レコメンド情報記憶部は、上記複数種類の上記動物の行動の特徴と気温との組み合わせのそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶してよく、上記レコメンド情報送信部は、上記動物特徴特定部によって特定された上記動物の行動の特徴と、行動時の気温との組み合わせが、上記レコメンド情報記憶部の組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応する上記レコメンド情報を、上記動物に対応する通信端末に送信してよい。上記レコメンド情報記憶部は、上記複数種類の動物の行動の特徴と、複数種類の上記動物の飼主の行動の特徴との組み合わせのそれぞれに対応する上記レコメンド情報を記憶してよく、上記データ処理装置は、上記動物の飼主の行動の特徴を特定する飼主特徴特定部を更に備えてよく、上記レコメンド情報送信部は、上記動物特徴特定部によって特定された上記動物の行動の特徴と、上記飼主特徴特定部によって特定された上記動物の飼主の行動の特徴との組み合わせが、上記レコメンド情報記憶部の組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応する上記レコメンド情報を、上記動物の飼主の通信端末に送信してよい。
【0007】
上記組紐データ取得部は、上記動物に装着された第1の圧電組紐から出力された第1の組紐データと、上記動物に装着された第2の圧電組紐から出力された第2の組紐データとを取得してよく、上記周波数分析部は、上記第1の組紐データ及び上記第2の組紐データの少なくともいずれかの周波数を分析してよく、上記振幅分析部は、上記第1の組紐データ及び上記第2の組紐データの少なくともいずれかの振幅を分析してよく、上記波形分析部は、上記第1の組紐データ及び上記第2の組紐データの少なくともいずれかの波形を分析してよい。上記組紐データ取得部は、上記動物の第1の部位に装着された上記第1の圧電組紐から出力された上記第1の組紐データと、上記動物の第2の部位に装着された、上記第1の圧電組紐とは感度が異なる上記第2の圧電組紐から出力された上記第2の組紐データとを取得してよい。上記周波数分析部は、上記第1の組紐データの周波数を分析してよく、上記振幅分析部は、上記第2の組紐データの振幅を分析してよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記データ処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記データ処理装置として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体が提供されてよい。本発明の一実施態様によれば、上記データ処理装置と、上記圧電組紐とを備えたデータ処理システムが提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行されるデータ処理方法が提供される。データ処理方法は、動物に装着された圧電組紐から出力された組紐データを取得するデータ取得段階を備えてよい。データ処理方法は、組紐データの周波数を分析する周波数分析段階を備えてよい。データ処理方法は、組紐データの振幅を分析する振幅分析段階を備えてよい。データ処理方法は、組紐データの波形を分析する波形分析段階を備えてよい。データ処理方法は、周波数分析段階における分析結果、振幅分析段階における分析結果、及び波形分析段階における分析結果のうちの少なくとも2つに基づいて、動物の状態を推定する状態推定段階を備えてよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】システム10の一例を概略的に示す。
図2】データ処理装置100による処理内容について説明するための説明図である。
図3】判断結果410の一例を概略的に示す。
図4】判断結果420の一例を概略的に示す。
図5】判断結果430の一例を概略的に示す。
図6】日単位傾向500の一例を概略的に示す。
図7】週単位傾向510の一例を概略的に示す。
図8】生涯単位傾向520の一例を概略的に示す。
図9】データ処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図10】データ処理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図11】データ処理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
繊維に発生する応力に応じて振動等を検知する圧電組紐が知られている。本実施形態に係るシステム10では、動物に装着された圧電組紐から出力された組紐データを分析して、動物の状態を推定する。特に、本実施形態に係るシステム10では、1つの組紐データを異なる分析手法で分析することによって、従来技術に比べて有益な情報を得ることを可能とする。
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、データ処理装置100を備える。システム10は、圧電組紐200を備えてよい。
【0015】
圧電組紐200は、センサ回路220を有してよい。センサ回路220は、圧電組紐200によって検知された振動から組紐データを生成して、外部に送信可能な回路であってよい。
【0016】
データ処理装置100は、動物50に装着された圧電組紐200から出力された組紐データを取得する。データ処理装置100は、センサ回路220によって送信された組紐データを受信してよい。図1では、動物50の例として、犬を図示しているが、これに限らず、どのような種類の動物であってもよい。動物50は、ペットであってよい。動物50は、家畜であってもよい。
【0017】
センサ回路220は、例えば、中継器30と通信接続し、中継器30及びネットワーク20を介して、データ処理装置100に組紐データを送信する。中継器30は、いわゆるゲートウェイであってよい。センサ回路220と中継器30とは、Bluetooth(登録商標)によって通信してよい。センサ回路220と中継器30とは、BLE(Bluetooth Low Energy)によって通信してもよい。センサ回路220と中継器30とは、これら以外の短距離無線通信によって通信してもよい。
【0018】
中継器30は、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントであってもよい。中継器30は、例えば、Wi-Fi(登録商標)のアクセスポイントである。センサ回路220と中継器30とは、Wi-Fiによって通信してよい。
【0019】
中継器30は、移動体通信ネットワークにおける無線基地局であってもよい。センサ回路220は、在圏している無線基地局である中継器30を介して、データ処理装置100に組紐データを送信してよい。
【0020】
ネットワーク20は、インターネットを含んでよい。ネットワーク20は、LANを含んでよい。ネットワーク20は、移動体通信ネットワークを含んでよい。移動体通信ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)通信方式、5G(5th Generation)通信方式、3G(3rd Generation)通信方式、及び6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式のいずれに準拠していてもよい。
【0021】
図2は、データ処理装置100による処理内容について説明するための説明図である。組紐データ300は、複数の振動が合成された複合波である。データ処理装置100は、組紐データ300を複数の分析手法によって分析する。
【0022】
データ処理装置100は、組紐データ300の周波数を分析する。データ処理装置100は、フーリエ変換によって、組紐データ300の周波数成分を分析してよい。データ処理装置100は、予め定められた期間毎に、組紐データ300の周波数成分を分析してよい。期間の例として、1分間及び2分間等が挙げられるが、これに限らず、任意の期間が設定されてよい。図2に例示するように、組紐データ300の周波数成分を分析することによって、動物50の呼吸及び脈動等の情報を取得することができる。
【0023】
データ処理装置100は、組紐データ300の振幅を分析する。データ処理装置100は、組紐データ300の波形の振動の激しさを評価してよい。データ処理装置100は、例えば、予め閾値を設定しておき、閾値によって、動物50の活動状態を分離してよい。動物50の活動状態の例として、活動中及び休息中が挙げられるが、これに限らない。
【0024】
データ処理装置100は、組紐データ300の波形を分析する。データ処理装置100は、波形の特徴を機械学習で分類してよい。データ処理装置100は、例えば、組紐データ300の波形を分析することによって、動物50の突発的行動の特徴を取得してよい。突発的行動の例として、歩行している、プルプルしている、食事している、はぁはぁしている、等が挙げられるが、これに限らない。
【0025】
データ処理装置100は、例えば、周波数分析結果によって、呼吸及び脈動等の安静時との比較を行い、振幅分析結果によって、突然激しい振動が数分間継続しているかや、活動量の変化を特定し、波形分析結果によって、学習データの行動と直前の行動の比較等を行い得る。データ処理装置100は、各分析方法の結果を組み合わせることによって、動物50の普段との様子の違いを検知し、お知らせをすることができる。例えば、動物50がペットである場合、データ処理装置100は、動物50の飼い主に対して、お知らせを通知する。例えば、動物50が家畜である場合、データ処理装置100は、動物50の飼主(飼育者)に対して、お知らせを通知する。
【0026】
図3は、判断結果410の一例を概略的に示す。判断結果410は、動物50の活動中の行動に関する判断結果を示す。ここでは、動物50がペットである場合について例示している。
【0027】
データ処理装置100は、周波数分析結果が、呼吸・脈動が早いことを示し、振幅分析結果が、活動中を示し、波形分析結果が、活動中を示す場合には、正常に活動中のため異常なしと判断し得る。データ処理装置100は、周波数分析結果が、呼吸・脈動が早いことを示し、振幅分析結果が、活動していないことを示し、波形分析結果が、活動していないことを示す場合には、動物50に何らかの変化があったことを検知して、アラーム通知を実行し得る。データ処理装置100は、例えば、「ペットの様子がおかしいので見てあげてください。」等のメッセージを、動物50の飼い主に対して通知する。
【0028】
図4は、判断結果420の一例を概略的に示す。判断結果420は、動物50の睡眠中の変化に関する判断結果を示す。ここでは、動物50がペットである場合について例示している。
【0029】
データ処理装置100は、振幅分析結果が、活動していない(睡眠中)ことを示し、波形分析結果が、活動していないことを示す場合、正常に睡眠中のため変化なしと判断し得る。データ処理装置100は、振幅分析結果が、断続的に活動(夜中に目覚めている)ことを示し、波形分析結果が、体を掻く行動を起こしていることを示す場合には、動物50に何らかの変化があったことを検知して、アラーム通知を実行し得る。データ処理装置100は、例えば、「頻繁に体を掻く行動が見られ、夜もよく眠れていないようです。ペットの様子を見てあげてください。」等のメッセージを、動物50の飼い主に対して通知する。
【0030】
図5は、判断結果430の一例を概略的に示す。判断結果430は、動物50の睡眠中の変化に関する判断結果を示す。ここでは、動物50がペットである場合について例示している。
【0031】
データ処理装置100は、周波数分析結果が、脈動・呼吸が一定間隔であることを示し、振幅分析結果が、活動していないことを示す場合、正常な睡眠のため、異常なしと判断し得る。データ処理装置100は、周波数分析結果が、脈動・呼吸が一定間隔でないことを示し、振幅分析結果が、活動していないことを示す場合、動物50に何らかの変化があったことを検知して、アラーム通知を実行し得る。データ処理装置100は、例えば、「安静時に脈動・呼吸の変化があるようです。ペットの様子を見てあげてください。」等のメッセージを、動物50の飼い主に対して通知する。
【0032】
図6は、日単位傾向500の一例を概略的に示す。日単位傾向500は、1日における、動物50の活動状態及び行動内容を含む。データ処理装置100は、組紐データを継続的に分析することによって、日単位傾向500を特定する。
【0033】
図7は、週単位傾向510の一例を概略的に示す。週単位傾向510は、各曜日における、動物50の活動状態の割合を示す。図7に例示する週単位傾向510では、活動中と睡眠中の割合を示す。データ処理装置100は、継続的に特定した日単位傾向500によって、週単位傾向510を特定する。
【0034】
図8は、生涯単位傾向520の一例を概略的に示す。生涯単位傾向520は、動物50の生涯における、活動量と睡眠時間との割合の推移を示す。データ処理装置100は、継続的に特定した日単位傾向500及び週単位傾向510によって、生涯単位傾向520を特定する。
【0035】
データ処理装置100は、日単位傾向500、週単位傾向510、及び生涯単位傾向520によって特定した、動物50のライフサイクルの特徴に基づいて、動物50にとって最適なライフスタイルを提案してもよい。データ処理装置100は、例えば、動物50のライフサイクルの特徴毎に、提案内容が登録された登録データを予め格納しておき、特定したライフスタイルの特徴に対応する提案を、動物50に対応する通信端末に送信する。動物50がペットである場合、動物50に対応する通信端末は、動物50の飼い主の通信端末であってよい。動物50が家畜である場合、動物50に対応する通信端末は、動物50の飼主(飼育者)の通信端末であってよい。これにより、例えば、データ処理装置100は、年齢的には老齢だが活動量が多い動物50に対して、一般向けフードを提案することができる。
【0036】
データ処理装置100は、複数の動物50について、日単位傾向500、週単位傾向510、及び生涯単位傾向520を特定して、データを収集してよい。データ処理装置100は、例えば、犬について、大量のデータを収集し、様々な観点で解析してよい。
【0037】
データ処理装置100は、例えば、犬種毎にデータを解析して、犬種毎の特徴を把握する。データ処理装置100は、例えば、性別毎にデータを解析して、性別毎の特徴を把握する。データ処理装置100は、例えば、サイズ毎にデータを解析して、サイズ毎の特徴を把握する。これらによって、犬の犬種毎、性別毎、サイズ毎の、最適な活動量と睡眠時間との割合等を特定することができる。そして、最適な活動量と睡眠時間との割合を特定することによって、活動量や睡眠時間の改善を提案できるようになる。
【0038】
図9は、データ処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。データ処理装置100は、組紐データ取得部102、分析部110、教師データ取得部120、教師データ格納部122、モデル生成部124、状態推定部130、推定結果出力部132、レコメンド情報記憶部134、レコメンド情報送信部136、動物特徴特定部138、及び飼主特徴特定部140を備える。なお、データ処理装置100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0039】
組紐データ取得部102は、動物50に装着された圧電組紐200から出力された組紐データを取得する。組紐データ取得部102は、中継器30を介して、圧電組紐200のセンサ回路220によって送信された組紐データを受信してよい。
【0040】
分析部110は、組紐データ取得部102が取得した組紐データを分析する。分析部110は、周波数分析部112、振幅分析部114、及び波形分析部116を有する。
【0041】
周波数分析部112は、組紐データの周波数を分析する。周波数分析部112は、例えば、フーリエ変換によって、組紐データ300の周波数成分を分析する。周波数分析部112は、予め定められた期間毎に、組紐データの周波数成分を分析してよい。期間の例として、1分間及び2分間等が挙げられるが、これに限らず、任意の期間が設定されてよい。
【0042】
周波数分析部112は、動物50の呼吸の状態を分析結果として出力してよい。周波数分析部112は、動物50の脈動の状態を分析結果として出力してよい。周波数分析部112は、動物50の呼吸の状態及び脈動の状態の両方を分析結果として出力してもよい。
【0043】
振幅分析部114は、組紐データの振幅を分析する。振幅分析部114は、組紐データの波形の振動の激しさを評価してよい。振幅分析部114は、予め設定された閾値によって、動物50の活動状態を分離してよい。振幅分析部114は、動物50が活動中であるか否かを示す分析結果を出力してよい。例えば、振幅分析部114は、組紐データの波形の振動の激しさが、予め設定された閾値より激しい期間を活動中とし、閾値より激しくない期間を休息中とする。
【0044】
波形分析部116は、組紐データの波形を分析する。波形分析部116は、動物50の行動の種類を分析結果として出力してよい。波形分析部116は、動物50の行動の種類を推定するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、組紐データの波形を入力することで、学習モデルから取得した動物50の行動の種類を分析結果として出力してよい。波形分析部116は、外部から取得した学習モデルを用いてよい。
【0045】
教師データ取得部120は、動物50の行動の種類を推定するための教師データを取得する。教師データ取得部120は、圧電組紐200を装着した動物50が行動したときの圧電組紐200から出力された組紐データの波形と当該行動の種類とが対応付けられた対応付けデータを、教師データとして取得してよい。教師データ取得部120は、例えば、外部の装置から対応付けデータを受信する。対応付けデータは、圧電組紐200を装着した動物50に様々な行動をさせ、各行動をしたときに圧電組紐200によって出力された組紐データを記録する実験等を繰り返すことによって、生成可能である。教師データ格納部122は、教師データ取得部120が取得した教師データを格納する。
【0046】
モデル生成部124は、教師データ格納部122に格納されている複数の教師データを用いて、組紐データの波形から動物50の行動を推定数る学習モデルを機械学習により生成する。波形分析部116は、モデル生成部124によって生成された学習モデルを用いてもよい。
【0047】
状態推定部130は、分析部110による分析結果に基づいて、動物50の状態を推定する。状態推定部130は、周波数分析部112による分析結果、振幅分析部114による分析結果、及び波形分析部116による分析結果のうちの少なくとも2つに基づいて、動物50の状態を推定する。
【0048】
状態推定部130は、例えば、周波数分析部112による分析結果及び振幅分析部114による分析結果に基づいて、動物50の状態を推定する。状態推定部130は、例えば、周波数分析部112による分析結果及び波形分析部116による分析結果に基づいて、動物50の状態を推定する。状態推定部130は、例えば、振幅分析部114による分析結果及び波形分析部116による分析結果に基づいて、動物50の状態を推定する。状態推定部130は、例えば、周波数分析部112による分析結果、振幅分析部114による分析結果、及び波形分析部116による分析結果に基づいて、動物50の状態を推定する。
【0049】
推定結果出力部132は、状態推定部130による推定結果を出力する。推定結果出力部132は、例えば、状態推定部130による推定結果を、データ処理装置100が備えるディスプレイに表示出力する。推定結果出力部132は、状態推定部130の推定結果を、送信出力してもよい。例えば、推定結果出力部132は、状態推定部130の推定結果を、動物50に対応する通信端末に送信する。
【0050】
レコメンド情報記憶部134は、複数種類の動物の状態のそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶してよい。レコメンド情報記憶部134は、外部の装置から受信したレコメンド情報を記憶してよい。レコメンド情報は、例えば、システム10の管理者、データ処理装置100の管理者、及び複数種類の動物の状態に合ったレコメンド情報を生成する担当者等の人手によって生成される。
【0051】
レコメンド情報記憶部134は、複数種類の動物の行動の特徴のそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶してよい。レコメンド情報記憶部134は、外部の装置から受信したレコメンド情報を記憶してよい。レコメンド情報は、例えば、システム10の管理者、データ処理装置100の管理者、及び複数種類の動物の状態に合ったレコメンド情報を生成する担当者等の人手によって生成される。
【0052】
レコメンド情報送信部136は、状態推定部130によて推定された動物50の状態が、レコメンド情報記憶部134に記憶された複数種類の動物の状態のいずれかと一致した場合に、一致した状態に対応するレコメンド情報を、動物50に対応する通信端末に送信する。
【0053】
動物特徴特定部138は、状態推定部130によって継続的に推定された推定結果に基づいて、予め定められた期間毎の動物50の行動の特徴を特定する。動物特徴特定部138は、1日サイクル、季節サイクル、及び生涯サイクルの少なくともいずれかの動物50の行動の特徴を特定してよい。
【0054】
動物特徴特定部138は、例えば、1日サイクルの動物50の行動の特徴を特定する。動物特徴特定部138は、例えば、季節サイクルの動物50の行動の特徴を特定する。季節サイクルとは、例えば、春夏秋冬の単位であってよい。また、季節サイクルは、動物50が存在する国の季節に合ったサイクルであってよい。動物特徴特定部138は、例えば、生涯サイクルの動物50の行動の特徴を特定する。
【0055】
レコメンド情報送信部136は、動物特徴特定部138によって特定された動物50の行動の特徴が、レコメンド情報記憶部134に記憶された複数種類の動物の行動の特徴のいずれかと一致した場合に、一致した特徴に対応するレコメンド情報を、動物50に対応する通信端末に送信してよい。
【0056】
レコメンド情報記憶部134は、複数種類の動物の行動の特徴と天候との組み合わせのそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶してもよい。レコメンド情報送信部136は、動物特徴特定部138によって特定された動物の行動の特徴と、行動時の天候との組み合わせが、レコメンド情報送信部136の組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応するレコメンド情報を、動物50に対応する通信端末に送信してよい。
【0057】
レコメンド情報送信部136は、例えば、雨が多い時期における散歩の頻度が予め定められた閾値より低い場合に、ペットが室内で遊べるおもちゃを提案するレコメンド情報を、ペットの飼主の通信端末に送信する。これにより、雨が多い時期であって、ペットをなかなか散歩に連れていけていない状況の飼主に、室内で遊べるおもちゃを購入する契機を与えることができ、ペットの健康維持に貢献することができる。
【0058】
レコメンド情報記憶部134は、複数種類の動物の行動の特徴と気温との組み合わせのそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶してもよい。レコメンド情報送信部136は、動物特徴特定部138によって特定された動物の行動の特徴と、行動時の気温との組み合わせが、レコメンド情報記憶部134に記憶された組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応するレコメンド情報を、動物50に対応する通信端末に送信してよい。
【0059】
レコメンド情報送信部136は、例えば、気温が高い時期における散歩の頻度が予め定められた閾値より低い場合に、早朝にペットを散歩することを提案するレコメンド情報を、ペットの飼主の通信端末に送信する。これにより、気温が高くてペットをなかなか散歩につ入れていけない状況の飼主に、時間をシフトして散歩することを促すことができ、ペットの健康維持に貢献することができる。
【0060】
飼主特徴特定部140は、動物50の飼主の行動の特徴を特定する。飼主特徴特定部140は、公知の技術を用いて、飼主の行動の特徴を特定してよい。飼主特徴特定部140は、例えば、飼主に装着されたセンサによる出力を解析することによって飼主の行動の特徴を特定する。飼主特徴特定部140は、例えば、飼主のスケジュール情報を解析することによって飼主の行動の特徴を特定してもよい。飼主特徴特定部140は、他の装置によって、特定された飼主の行動の特徴を、当該他の装置から取得してもよい。
【0061】
レコメンド情報記憶部134は、複数種類の動物の行動の特徴と、複数種類の動物の飼主の行動の特徴との組み合わせのそれぞれに対応するレコメンド情報を記憶してもよい。レコメンド情報送信部136は、動物特徴特定部138によって特定された動物50の行動の特徴と、飼主特徴特定部140によって特定された動物50の飼主の行動の特徴との組み合わせが、レコメンド情報記憶部134に記憶された組み合わせのいずれかと一致した場合に、一致した組み合わせに対応するレコメンド情報を、動物50の飼主の通信端末に送信してよい。
【0062】
レコメンド情報送信部136は、例えば、飼主が仕事等で忙しい状況における動物50の散歩の頻度が予め定められた閾値より低い場合に、忙しさを配慮しつつ動物50の散歩を促すレコメンド情報を、飼主の通信端末に送信する。これにより、忙しさから動物50の散歩にあまり行けていないことを暗に感じている飼主に、客観的にそのことに気づかせることができる。
【0063】
動物50には、複数の圧電組紐200が装着されてもよい。動物50には、例えば、第1の圧電組紐200及び第2の圧電組紐200が装着される。第1の圧電組紐200及び第2の圧電組紐200は、動物50の異なる部位に装着されてよい。組紐データ取得部102は、動物50に装着された第1の圧電組紐200から出力された第1の組紐データと、当該動物50に装着された第2の圧電組紐200から出力された第2の組紐データとを取得してもよい。
【0064】
動物50には、感度の異なる複数の圧電組紐200が装着されてもよい。動物50には、例えば、第1の圧電組紐200と、圧電組紐200とは感度が異なる第2の圧電組紐200とが装着される。第1の圧電組紐200及び第2の2000は、動物50の異なる部位に装着されてよい。組紐データ取得部102は、動物50の第1の部位に装着された第1の圧電組紐200から出力された第1の組紐データと、動物50の第2の部位に装着された、第1の圧電組紐とは感度が異なる第2の圧電組紐から出力された第2の組紐データとを取得してもよい。感度の異なる複数の圧電組紐200を用いることによって、大きな動き、微細な動き等への対応力を向上させることができる。
【0065】
周波数分析部112が、第1の組紐データ及び第2の組紐データの少なくともいずれかの周波数を分析し、振幅分析部114が、第1の組紐データ及び第2の組紐データの少なくともいずれかの振幅を分析し、波形分析部116が、第1の組紐データ及び第2の組紐データの少なくともいずれかの波形を分析してよい。
【0066】
例えば、周波数分析部112が、第1の組紐データの周波数を分析し、振幅分析部114が、第2の組紐データの振幅を分析し、波形分析部116が、第1の組紐データ及び第2の組紐データの少なくともいずれかの波形を分析する。具体例として、周波数分析部112が、動物50の首部に装着された第1の圧電組紐200から出力された第1の組紐データの周波数を分析し、振幅分析部114が、動物50の胴部又は脚部に装着された第2の圧電組紐200から出力された第2の組紐データの振幅を分析する。これにより、周波数分析により適した組紐データを周波数分析部112が分析し、振幅分析により適した組紐データを振幅分析部114が分析するようにできる。
【0067】
なお、周波数分析部112が、第1の組紐データの周波数を分析し、振幅分析部114が、第1の組紐データ及び第2の組紐データの少なくともいずれかの振幅を分析し、波形分析部116が、第2の組紐データの波形を分析してもよい。また、周波数分析部112が、第1の組紐データ及び第2の組紐データの少なくともいずれかの周波数を分析し、振幅分析部114が、第1の組紐データの振幅を分析し、波形分析部116が、第2の組紐データの波形を分析してもよい。
【0068】
図10は、データ処理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、動物50に装着された圧電組紐200からデータ処理装置100に対して定期的に組紐データが送信されている状況を前提として説明する。
【0069】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、組紐データ取得部102が、組紐データを取得する。S102において、組紐データ取得部102が、予め定められた時間、組紐データの取得をした後、又は、予め定められた回数、組紐データの取得をした後、S104に進む。
【0070】
S104では、周波数分析部112が、S102において取得された組紐データの周波数を分析する。S106では、振幅分析部114が、S102において取得された組紐データの振幅を分析する。S108では、波形分析部116が、S102において取得された組紐データの波形を分析する。周波数分析、振幅分析、及び波形分析の順番はこれに限らず、任意の順番であってよく、並列して実行されてもよい。
【0071】
S110では、状態推定部130が、動物50の状態の推定を実行するか否かを判定する。状態推定部130は、例えば、予め定められた時間毎に、動物50の状態の推定を実行すると判定してよい。実行すると判定した場合、S110に進み、実行しないと判定した場合、S102に戻る。
【0072】
S112では、状態推定部130が、S104、S106、及びS108における分析結果に基づいて、動物50の状態を推定する。S114では、レコメンド情報送信部136が、S112において推定された動物50の状態に基づいて、動物50に関するレコメンドを実行するか否かを判定する。実行すると判定した場合、S116に進み、しないと判定した場合、S118に進む。
【0073】
S116では、レコメンド情報送信部136が、S112において推定された動物50の状態に応じたレコメンド情報を、動物50に対応する通信端末に送信する。S118において、データ処理装置100の管理者等から終了指示を受領している等によって、処理を終了すると判定した場合、処理を終了し、終了しないと判定した場合、S102に戻る。
【0074】
図11は、データ処理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0075】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0076】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0077】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0078】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0079】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0080】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0081】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0082】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0083】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0084】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0085】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0086】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0087】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0089】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0090】
10 システム、20 ネットワーク、30 中継器、50 動物、100 データ処理装置、102 組紐データ取得部、110 分析部、112 周波数分析部、114 振幅分析部、116 波形分析部、120 教師データ取得部、122 教師データ格納部、124 モデル生成部、130 状態推定部、132 推定結果出力部、134 レコメンド情報記憶部、136 レコメンド情報送信部、138 動物特徴特定部、140 飼主特徴特定部、200 圧電組紐、220 センサ回路、300 組紐データ、410 判断結果、420 判断結果、430 判断結果、500 日単位傾向、510 週単位傾向、520 生涯単位傾向、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11