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特開2023-83168使い捨てリストバンド作製用ロールおよびそれを用いた施設管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083168
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】使い捨てリストバンド作製用ロールおよびそれを用いた施設管理システム
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20230608BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20230608BHJP
   G07B 1/00 20060101ALI20230608BHJP
   G07B 3/02 20060101ALI20230608BHJP
   A41D 20/00 20060101ALI20230608BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230608BHJP
   G09F 3/16 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G09F3/00 E
G07B15/00 L
G07B1/00 Z
G07B3/02
A41D20/00
E05B49/00 Z
G09F3/16
G09F3/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197389
(22)【出願日】2021-12-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】500488915
【氏名又は名称】ホクユーメディックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182084
【弁理士】
【氏名又は名称】中道 佳博
(74)【代理人】
【識別番号】100207136
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 有希
(72)【発明者】
【氏名】北尾 祐樹
【テーマコード(参考)】
2E250
3B011
3E127
【Fターム(参考)】
2E250AA12
2E250BB05
2E250BB61
2E250DD02
2E250FF18
2E250FF42
3B011AA10
3B011AB00
3E127AA02
3E127BA01
3E127CA02
3E127CA04
3E127CA35
3E127DA07
3E127DA18
3E127EA05
(57)【要約】
【課題】 例えば、入場者がキャッシュレスで温浴施設等の施設内のサービスを安全に利用することができ、運営効率を高めるとともに入場者の施設内の利用情報をリアルタイムに把握できる、使い捨てリストバンド作製用ロールおよびそれを用いた施設管理システムを提供すること。
【解決手段】
本発明の使い捨てリストバンド作製用ロールは、略一定の幅を有する、長尺の柔軟性帯体を巻回して構成されており、柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てリストバンド作製用ロールであって、
略一定の幅を有する、長尺の柔軟性帯体を巻回して構成されており、
該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、
該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される、ロール。
【請求項2】
前記粘着部が前記マーカー部の近傍に設けられている、請求項1に記載の使い捨てリストバンド作製用ロール。
【請求項3】
前記柔軟性帯体が樹脂シートで構成されている、請求項1または2に記載の使い捨てリストバンド作製用ロール。
【請求項4】
前記柔軟性帯体において、隣接する2つの前記リストバンド基体部分の間に切断用穿孔が設けられていない、請求項1から3のいずれかに記載の使い捨てリストバンド作製用ロール。
【請求項5】
施設管理システムであって、
請求項1から4のいずれかに記載の使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の使い捨てリストバンドを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、
を備える、システム。
【請求項6】
さらに、前記識別データと連携して前記施設内の前記入場者の利用内容を記録する少なくとも1つの利用管理デバイスと、
該識別データと連携して、該利用管理デバイスが記録した利用データに応じて該入場者の未払い利用料金を精算しかつ該精算を記録するための自動精算機と、
を備え、かつ
前記管理サーバが、さらに該利用データおよび該自動精算機が記録した精算データを収容する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記自動精算機が、前記施設における前記退場ゲート装置よりも内側に設けられている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記自動精算機が、外部の精算または券売機と一体化されており、前記施設における前記退場ゲート装置よりも外側に設けられている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記施設がレジャー施設である、請求項5から8のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てリストバンド作製用ロールおよびそれを用いた施設管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
各地に風呂やプール、サウナなどを一体化した温浴施設が建設され、老若を関わらず多くの入場者が利用している。こうした温浴施設は広義にはレジャー施設の1つとして、大規模テーマパーク、遊園地、動物園、水族館等とともに我が国レジャー産業の重要な一翼を担っている。
【0003】
こうした温浴施設は、例えば、施設面積400~500坪の規模において入場者数は平日で1000~1200人、休日で2000人程度と試算され、運営に要する運営スタッフは社員1、2名と、パート・アルバイト4、5名とで可能であるとも言われている。このように、大規模テーマパーク等と比較すると、入場者数が格段に多いというわけではなく、かつ運営も比較的小規模の人数で賄われているのが現状である。
【0004】
一方、温浴施設では、入場者が利用する際に施設の入退館を、入場券の販売枚数や入退館ゲートの通過人数で管理することができたとしても、施設内で入場者が風呂、プール、サウナのいずれにおり、何時どのような頻度で有料施設(例えば、売店やレストラン、自動販売機等)を利用しているかをリアルタイムに把握することは困難であった。この把握のために運営人員を増やすことは業務効率の点から得策であるとも言い難い。
【0005】
さらに温浴施設の特徴的な課題として、入場者が施設を利用する際に現金やクレジットカードを持ち歩くことが比較的難しい点も挙げられる。入浴等に際し、水に濡れる機会も多いため、入場者は持ち歩く現金等を減らし、結果として施設内での有用サービスの利用は限定的になるという傾向もある。
【0006】
近年では、こうした温浴施設にも、キャッシュレス化のシステムを導入しようとする動きもある。例えば、特許文献1は、下足ロッカーキーと入場者の識別データ保持部とを組み合わせることにより、入退館カードを発行および回収することなく、低コストで当該施設の運営を可能とする施設管理システムが提案されている。特許文献1のシステムによれば、入場者は識別データ保持部に印字されたバーコード等を用いて施設内の有用サービスをキャッシュレスで使用できる。しかし、特許文献1のシステムでは、入場者は下足ロッカーキーの着用が必須であり、使い回しによる衛生管理が運営側の業務負担を一層増加させ、円滑な運営が停滞させる一因にもなりかねない。また、下足ロッカーキーの着用は他の入場者との接触等によって予測し得ない怪我を招く危険性もある。
【0007】
さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により非対面および非接触による各種サービスの提供や決済に対する需要が高まっている。キャッシュレス化されたシステムの導入は規模の大小に関わらず、これらの施設にとって喫緊の課題ともいえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007-140970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、例えば、入場者がキャッシュレスで温浴施設等の施設内のサービスを安全に利用することができ、運営効率を高めるとともに入場者の施設内の利用情報をリアルタイムに把握できる、使い捨てリストバンド作製用ロールおよびそれを用いた施設管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、使い捨てリストバンド作製用ロールであって、
略一定の幅を有する、長尺の柔軟性帯体を巻回して構成されており、
該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、
該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される、ロールである。
【0011】
1つの実施形態では、上記粘着部は上記マーカー部の近傍に設けられている。
【0012】
1つの実施形態では、上記柔軟性帯体は樹脂シートで構成されている。
【0013】
1つの実施形態では、上記柔軟性帯体において、隣接する2つの上記リストバンド基体部分の間に切断用穿孔が設けられていない。
【0014】
本発明はまた、施設管理システムであって、
上記使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の使い捨てリストバンドを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、
を備える、システム。
【0015】
1つの実施形態では、本発明の施設管理システムはさらに、上記識別データと連携して上記施設内の上記入場者の利用内容を記録する少なくとも1つの利用管理デバイスと、
該識別データと連携して、該利用管理デバイスが記録した利用データに応じて該入場者の未払い利用料金を精算しかつ該精算を記録するための自動精算機と、
を備え、かつ
上記管理サーバが、さらに該利用データおよび該自動精算機が記録した精算データを収容する。
【0016】
さらなる実施形態では、上記自動精算機は、上記施設における上記退場ゲート装置よりも内側に設けられている。
【0017】
さらなる実施形態では、上記自動精算機が、外部の精算または券売機と一体化されており、上記施設における上記退場ゲート装置よりも外側に設けられている。
【0018】
1つの実施形態では、上記施設はレジャー施設である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、入場者が施設を利用する際に他の入場者を接触することがあったとしても使用するリストバンドで怪我をさせるリスクを低減できる。また、当該リストバンドは、比較的短時間で大量に作製され得るため、運営人数が少ない施設においても導入可能である。さらに、このようなリストバンドを用いることにより、例えば、施設内での有料サービスのキャッシュレス化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の使い捨てリストバンド作製用ロールの一例を説明する当該ロールの側面図である。
図2図1に示す使い捨てリストバンド作製用ロールを構成する柔軟性帯体を模式的に表した図であって、(a)は複数のリストバンド基体部分が連続的に配置された当該柔軟性帯体の模式的な上面図であり、(b)は当該柔軟性帯体における1つのリストバンド基体部分の表面を示す当該柔軟性帯体の部分拡大図であり、(c)は当該柔軟性帯体における1つのリストバンド基体部分の裏面を示す当該柔軟性帯体の部分拡大図であり、そして(d)は当該柔軟性帯体における1つのリストバンド基体部分の側面を示す当該柔軟性帯体の部分拡大図である。
図3】本発明の使い捨てリストバンド作製用ロールの他の例を構成する柔軟性帯体を模式的に表した図であって、(a)は当該柔軟性帯体における1つのリストバンド基体部分の裏面を示す当該柔軟性帯体の部分拡大図であり、そして(b)は当該柔軟性帯体における1つのリストバンド基体部分の側面を示す当該柔軟性帯体の部分拡大図である。
図4図1に示す使い捨てリストバンド作製用ロールから作製した使い捨てリストバンドを手に装着した状態を模式的に示す図である。
図5】本発明の施設管理システムの一例を示すブロック図である。
図6】本発明の施設管理システムの他の例を示すブロック図である。
図7】本発明の施設管理システムのさらに別の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明について詳述する。
【0022】
(使い捨てリストバンド作製用ロール)
図1は、本発明の使い捨てリストバンド作製用ロールの一例を説明する当該ロールの側面図である。
【0023】
本発明の使い捨てリストバンド作製用ロール100は、略一定の幅を有する長尺の柔軟性帯体102を巻回して構成されている。ロール100は、柔軟性帯体102の長さ方向に沿って巻回されており、後述する施設管理システムの自動券売機の筐体内に挿入可能な大きさ(直径)を有する。ロール100の外径Lは特に限定されず、自動券売機と一緒に配置される大型プリンタの収容サイズに応じて当業者によって適切に選択され得る。一方、ロール100の中心は、所定の内径Lを保持して自動券売機の筐体内での導入を簡便にするために円筒状の芯材104が設けられていてもよい。内径Lの大きさは特に限定されず、自動券売機と一緒に配置される大型プリンタの収容サイズに合致したものが当業者によって適宜選択され得る。
【0024】
図2は、図1に示す使い捨てリストバンド作製用ロールを構成する柔軟性帯体を模式的に表した図である。
【0025】
図2の(a)に示すように、本発明において柔軟性帯体102は略一定の幅Wを有するように設計されている。幅Wは例えば15mm~40mmである。柔軟性帯体102の幅Wが15mmを下回ると、当該柔軟性帯体102の印刷領域108が狭くなり、後述する識別データの印刷が困難となることがある。柔軟性帯体102の幅Wが40mmを上回ると、得られた使い捨てリストバンドを施設の入場者が自らの腕に着用した際に太すぎて不快な着用感を生じることがある。
【0026】
柔軟性帯体102は、複数の細長いリストバンド基体部分110を含む。すなわち、柔軟性帯体102は、1つのリストバンド基体部分110が隣接する他のリストバンド基体部分110と連続的に繰り返し配置されることにより構成されている。
【0027】
柔軟性帯体102は、ヒトの手首等に巻いた際に皮膚を傷つけることなく、むしろ柔軟さを感じることができ、かつ耐水性に優れた材料で構成されている、柔軟性帯体102を構成する材料の例としては、樹脂シート、布帛、および紙、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
樹脂シートの例としては、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、およびポリプロピレン(例えば、ユポ(登録商標)紙のような合成紙も包含する)などの熱可塑性樹脂、ならびにそれらの組み合わせ(例えば積層体)が挙げられる。
【0029】
布帛の例としては、化学繊維および/または動物繊維から構成される織物、編物および不織布が挙げられる。ここで、化学繊維の例としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アセテート繊維などの合成繊維または半合成繊維:レーヨン、キュプラのような再生繊維;などが挙げられる。天然繊維の例としては、綿、麻などの植物繊維;ウール、シルクなどの動物繊維;などの天然繊維などが挙げられる。
【0030】
紙の例としては、所定のコーティングが施された耐水紙および撥水紙が挙げられる。
【0031】
本発明においては、柔軟性や伸縮性に富み、良好な耐水性を有する、表面への印刷を容易に行うことができる等の理由から、柔軟性帯体102は樹脂シートで構成されていることが好ましい。
【0032】
柔軟性帯体102の厚さは、好ましくは0.05mm~0.4mm、より好ましくは0.2mm~0.3mmである。柔軟性帯体の厚さが0.05mmを下回ると、得られる使い捨てリストバンドの強度が低下し、入場者が施設内の各種サービスを利用している間に破れる等の支障を来すことがある。柔軟性帯体の厚さが0.4mmを上回ると、自動販売機の印刷機能部にて印字する際、その厚みにより通紙可能なサイズを超過することが想定される。また、ロール100の外径Lが厚みに応じて大きくなるため、交換頻度が多くなる等の問題も生じることとなる。
【0033】
柔軟性帯体102として樹脂シートが使用される場合、樹脂シートは1枚のみで構成さえてもよく、あるいは2枚などの複数の樹脂シートを組み合わせて構成されていてもよい。複数の樹脂シートが組み合わされる場合、各シートは全面が互いに貼り合わされているよりも、より柔軟性を得るために長さ方向の端部のみが貼り合わされていることが好ましい。
【0034】
柔軟性帯体102を構成する材料はまた、好ましくは100kN/m~150kN/mの引裂強さ、および/または25MPa~30MPaの引張強さを有するものが好ましい。引裂き強さおよび/または引張強さがこのような範囲内を満たすことにより、得られる使い捨てリストバンドの耐久性は向上し得る。
【0035】
ここで、図2の(b)に示すように、柔軟性帯体102を構成するリストバンド基体部分110の表面には、長さ方向の一部と幅方向全体とで構成される印刷領域108、および長さ方向の残りと幅方向全体とで構成される非印刷領域112が設けられている。
【0036】
印刷領域108は、例えば、小人、大人、シニア等の購入者(入場者)の区分や年齢;性別;利用コース(例えば温浴施設の場合、入浴のみ利用、プールのみ利用、プールおよび入浴の両方の利用等);購入年月日および時間;入場者通算番号;などの情報を組み込んだ識別データを、バーコード、2次元バーコード、文字情報等の1つまたはそれらの任意の組み合わせを種々の印刷方法(例えば、熱転写印刷、感熱印刷、レーザー印刷、およびインクジェット印刷)で印刷可能な領域であり、例えば、入場者が使い捨てリストバンドとして腕に巻き付けた際に手の甲側または手のひら側に配置されるものである。印刷領域108はまた、識別データ以外の他の情報(例えば、施設名称)が印刷されてもよく、あるいは上記識別データの印刷を制限することがない範囲において予め印刷されていてもよい。
【0037】
非印刷領域112は上記識別データの印刷が想定されていない領域であり、印刷領域108と視覚上の区別が可能とするために、予め任意の色彩に着色されていてもよい。あるいは印刷領域108と非印刷領域112とは視覚上の区別がないように、全体が同一色で統一されていてもよい。また、図2の(b)に示すリストバンド基体部分110には、非印刷領域112の一方の端部に多数のV字状の切り込み114が設けられている。このV字状の切り込み114は、手首に装着した使い捨てリストバンドを取り外す際にリストバンドの破断を促すために設けられている。これにより、不正による再利用の可能性を低減することができる。
【0038】
一方、図2の(c)に示すように、リストバンド基体部分110の裏面には、マーカー部116および外部が剥離層122で保護された粘着部120が配置されている。
【0039】
マーカー部116は、自動券売機に設けられたセンサによって感知可能な部分である。自動販売機のセンサがマーカー部116を感知すると、例えばマーカー部116上の位置117、またはマーカー部116から所定間隔離れた位置(例えば、2cm以内の離れた位置)においてオートカッターにより柔軟性帯体102が幅方向に沿って切断される。そしてこの切断された位置が、使い捨てリストバンドの端部に相当する。
【0040】
このようにマーカー部116は、使い捨てリストバンドの端部を決定付けるための基準としての機能を果たす。図2の(c)に示す実施形態では、このマーカー部116が設けられた位置117が、使い捨てリストバンドの端部に相当する。マーカー部116は、矩形、円形、楕円形、その他の任意の幾何学的形状で印刷されたもの、それらの形状を有する穿孔、あるいはそれらの組み合わせのいずれであってもよい。
【0041】
粘着層120は、リストバンド基体部分110上のマーカー部116の近傍に設けられている。粘着層120は当該分野において公知の接着剤を薄層状に配置したものであり、公知の材料でなる剥離層112が粘着層120の上に配置されている。
【0042】
図2の(c)および(d)において、粘着層120と剥離層122は柔軟性帯体102におけるリストバンド基体部分110の端部にのみ設けられているが、本発明ではこのような配置にのみ限定されない。例えば、図3の(a)および(b)に示すように、柔軟性帯体102の裏面全体に対して剥離層120’と剥離層122’が配置されていてもよい。その場合、剥離層120’の一部(具体的には、マーカー部116から所定の間隔を空けて幅方向に沿って設けられた位置)に切り込み線118が設けられていることが好ましい。これにより、位置117と当該位置118との間の剥離層112’のみを剥がすことができ、それにより粘着層120を露出させることができる。
【0043】
再び図2(例えば図2の(c))を参照すると、柔軟性帯体102には、例えば位置117においてオートカッターによる切断を助ける目的でミシン目のような切断用穿孔を設けることもできる。しかし、自動券売機内での本発明のロールの滑らかな回転を保持するためには、当該柔軟性帯体102には、切断用穿孔が設けられていないことが好ましい。ロールの外径が大きくなるほど、テンションがかかった際に当該切断用穿孔の部分で千切れ易くなる、切断用穿孔から外れた位置でオートカッターによる切断が行われると、きれいな切断面を形成することが困難である等の理由のためである。また、切断用穿孔が設けられていないことにより、柔軟性帯体102の面を一層平滑に保つことができ、自動券売機内での無用な引っ掛かりによる故障の可能性を低減できる。
【0044】
本発明の使い捨てリストバンド作製用ロールは、施設の入場の際に入場者が所定の入場資格を有することを証明し、かつ印刷領域に後述の識別データを印刷した使い捨てリストバンドを作製するために使用される。
【0045】
本発明の使い捨てリストバンド作製用ロールは、例えば、施設の入場ゲートの近くに設置された自動券売機の筐体内に配置され、入場者が選択した購入条件(例えば、小人、大人、シニア等の購入者(入場者)の区分や年齢;性別;利用コース(例えば温浴施設の場合、入浴のみ利用、プールのみ利用、プールおよび入浴の両方の利用等))に応じ、識別データとして印刷領域に所定の印刷が施される。
【0046】
その後、自動券売機は、ロールの裏面に配置されたマーカー部をセンサで感知し、それを基準としてロールは所定の位置で内蔵するオートカッターによって切断され、使い捨てリストバンドとして購入者(入場者)に提供される。
【0047】
次いで、購入者(入場者)は、裏面の剥離層を剥がして粘着層を露出させ、図4に示すように使い捨てリストバンド200を、印刷領域108の識別データ210やその他の印字情報212が外周に現れるように手首240の周りに巻いて、当該使い捨てリストバンド200の表面と接着させる。これにより、入場者の手首240の周りに使い捨てリストバンド200が装着される。
【0048】
本発明の使い捨てリストバンド作製用ロールは、例えば温浴施設、テーマパーク、遊園地、動物園、水族館、植物園、博物館、映画館、劇場、コンサートホール、ライブハウス、スポーツランド、フィールドアスレチック、果樹園、歴史的建造物、博覧会、展示会などの様々なレジャー施設への入場の際に使用され得る。
【0049】
(施設管理システム)
本発明の上記使い捨てリストバンド作製用ロールを用いて、例えば以下のような所定の施設における入場者の動向把握やキャッシュレス決済を可能とする施設管理システムを構築することができる。
【0050】
本発明の施設管理システムの一例を図5に示し、当該施設管理システム500が、レジャー施設として映画館に配置された場合について説明する。
【0051】
図5に示すように、自動精算施設管理システム500は、自動券売機510と、入場ゲート装置520と、退場ゲート装置550と、管理サーバ560とを備える。
【0052】
自動券売機510は、上記リストバンド作製用ロールを備え、購入者(入場者)の購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識してロールを切断し、入場者専用の使い捨てリストバンドを作製することができる。
【0053】
なお、当該使い捨てリストバンドの作製の際、購入者(入場者)は自動券売機510を通じて現金、クレジットカード、交通系ICカード、またはスマートフォンなどにインストールされた決済アプリを通じて予め入場料の支払いの決済を行うことができる。
【0054】
自動券売機510内には、上記リストバンド作製用ロール以外に、リストバンド基体部分の表面における印刷領域に当該識別データを印刷するための印刷手段、マーカー部の認識するためのセンサ、および当該マーカー部の位置においてロールを切断するためのオートカッターが設けられている。
【0055】
購入者が自動販売機510において購入条件を選択すると、リストバンド作製用ロールから上記柔軟性帯体が引き出され、リストバンド基体部分の表面における印刷領域に当該識別データが印刷される。識別データとしては、バーコード、2次元バーコード、文字情報等の1つまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0056】
識別データが印刷された後、自動販売機510内のセンサがリストバンド基体部分の裏面に設けられたマーカー部を感知し、それを基準として所定の位置でオートカッターによりロールが自動的に切断され、使い捨てリストバンドが作製される。この切断後、自動販売機510の取り出し口から、使い捨てリストバンドが取り出され、入場者は使い捨てリストバンドの裏面の剥離層を剥がし、印刷領域に印刷された識別データが表面を指向するように自らの手首に巻き、使い捨てリストバンドの一方の端部に配置された粘着層が当該リストバンドの他方の端部の表面と接着され、入場者は使い捨てリストバンドを自らの手首に装着する。
【0057】
自動券売機510はまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560と接続されている。使い捨てリストバンドが作製される際、購入者の購入条件は識別データとして、自動券売機510からネットワーク570を介して管理サーバ560に記録される。
【0058】
入場ゲート装置520には、使い捨てリストバンドの印刷領域に印刷された識別データを読み取る公知の読取り手段が設けられている。入場ゲート装置520はまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560と接続されている。
【0059】
入場者が映画館に入場する際、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを入場ゲート装置520の読取り手段に読み取らせることにより(例えば、読み取りセンサにリストバンドの識別データをかざすことにより)、当該入場者の識別データは入場ゲート装置520からネットワーク570を介して管理サーバ560に記録される。その結果、入場者が映画館の入場ゲート装置520を通過したこと、具体的には通過時刻、通過人数等が入場データとして管理サーバ560に各々記録される。
【0060】
その後、入場者は映画館内のサービスエリア530内で、映画の視聴のためのサービスを受けることができる。
【0061】
退場ゲート装置550には、使い捨てリストバンドの印刷領域に印刷された識別データを読み取る公知の読取り手段が設けられている。退場ゲート装置550はまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560と接続されている。なお、図5では、入場ゲート520と退場ゲート550とが別々に設けられた場合について記載したが、本発明の施設管理システム500は、当該入場ゲート520と退場ゲート550とが一体化されたものであってもよい。その場合においても一体化されたゲートは、入場ゲート520と退場ゲート550との両方の機能を果たし得る。
【0062】
上記自動精算機540で精算を終えた入場者が映画館を退場する際、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを退場ゲート装置550の読取り手段に読み取らせることにより(例えば、読み取りセンサにリストバンドの識別データをかざすことにより)、当該入場者の識別データは退場ゲート装置550からネットワーク570を介して管理サーバ560に記録される。
【0063】
管理サーバ560は、上記識別データ、入場ゲート装置520が記録した入場データ、および退場ゲート装置550が記録した退場データを収容する。
【0064】
管理サーバ560は、サービスエリア530と同一の施設内に設けられていてもよく、あるいは異なる施設内に設けられていてもよい。例えば、運営が複数の施設で行われている場合、管理サーバ560はこれらの施設とは離れた別の場所に配置され、複数の施設における上記各種データを一括して管理するものであってもよい。
【0065】
他方、管理末端機580は、例えば上記のようにサービスエリア530と同一の施設内に配置される。管理末端機580の例としては、同一施設の管理事務所内に配置された運営スタッフの使用するパーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末が挙げられる。
【0066】
図5では、施設が映画館である場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の施設管理システム500は、自動券売機510による入場者のリストバンドの購入情報と、入場ゲート装置520および退場ゲート装置550による当該入場者の入退場情報との管理(例えば、これらの情報の入手および蓄積)を必要とするその他の施設(例えば、温浴施設、テーマパーク、遊園地、動物園、水族館、植物園、博物館、映画館、劇場、コンサートホール、ライブハウス、スポーツランド、フィールドアスレチック、果樹園、歴史的建造物、博覧会、展示会等)にも有用である。
【0067】
図6は、本発明の施設管理システムの他の例を示すブロック図である。なお、図6の図面において図5と同様の参照番号を付した構成は、当該図5の図面に示したものと同様である。
【0068】
図6では、本発明の施設管理システム500’がレジャー施設として温浴施設に配置された場合について説明する。
【0069】
施設管理システム500’は自動精算施設管理システムとして機能し得るものであり、図6に示すように自動券売機510’と、入場ゲート装置520と、少なくとも1つの利用管理デバイス530’a,530’b,530’c,530’dと、自動精算機540と、退場ゲート装置550’と、管理サーバ560’とを備える。
【0070】
自動券売機510’もまた、上記リストバンド作製用ロールを備え、購入者(入場者)の購入条件にしたがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識してロールを切断し、入場者専用の使い捨てリストバンドを作製することができる。
【0071】
なお、当該使い捨てリストバンドの作製の際、購入者(入場者)は自動券売機510’を通じて現金、クレジットカード、交通用ICカード、またはスマートフォンなどにインストールされた決済アプリを通じて予め入場料の支払いの決済を行うことができる。あるいは、自動券売機510’では当該入場料の支払いのため決済が行われず、後述する自動精算機540により他の利用データに基づく料金とともに決済が行われてもよい。
【0072】
購入者が自動販売機510’において購入条件を選択すると、上記図5に示す自動販売機510と同様に、リストバンド作製用ロールから上記柔軟性帯体が引き出され、リストバンド基体部分の表面における印刷領域に当該識別データが印刷され、マーカー部を基準として所定の位置でオートカッターによりロールが自動的に切断される。
【0073】
自動販売機510’の取り出し口から、取り出された使い捨てリストバンドは、図5において説明した場合と同様に、入場者の手首に装着される。
【0074】
自動券売機510’はまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560と接続されている。使い捨てリストバンドが作製される際、購入者の購入条件は識別データとして、自動券売機510’からネットワーク570を介して管理サーバ560’に記録される。
【0075】
入場ゲート装置520は、上記図5に示すものと同様である。入場者が温浴施設に入場する際、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを入場ゲート装置520の読取り手段に読み取らせることにより(例えば、読み取りセンサにリストバンドの識別データをかざすことにより)、当該入場者の識別データは入場ゲート装置520からネットワーク570を介して管理サーバ560’に記録される。その結果、入場者が温浴施設の入場ゲート装置520を通過したこと、具体的には通過時刻、通過人数等が入場データとして管理サーバ560’に各々記録される。
【0076】
その後、入場者は温浴施設内のサービスエリア530’内で、個々のサービスを受けることができる。
【0077】
例えば、入場者が風呂・サウナ・プールエリアを利用する際、エリア入退場口または脱衣ロッカーには利用管理デバイス530’aが設けられている。利用管理デバイス530’aもまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560’と接続されている。
【0078】
入場者が風呂・サウナ・プールエリアを利用する際、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを利用管理デバイス530’aの読取り手段に読み取らせることにより(例えば、読み取りセンサにリストバンドの識別データをかざすことにより)、当該入場者の識別データは利用管理デバイス530’aからネットワーク570を介して管理サーバ560’に記録される。その際、入場者が温浴施設の風呂・サウナ・プールエリアを利用したこと、具体的には利用時刻、利用者人数等が、利用データとして入場者が装着する使い捨てリストバンドにおける識別データと連携して管理サーバ560’に記録される。
【0079】
本発明においては、入場者が飲食・喫茶・レストランエリアを利用する際、飲食物の提供を、その場の現金の支払いに代えて、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを用いた後払い方法により受けることができる。すなわち、飲食・喫茶・レストランエリアには後払い申請用の利用管理デバイス530’bが設けられている。利用管理デバイス530’bもまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560’と接続されている。
【0080】
入場者が飲食・喫茶・レストランエリアを利用する際、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを利用管理デバイス530’bの読取り手段に読み取らせることにより(例えば、読み取りセンサにリストバンドの識別データをかざすことにより)、当該入場者の識別データは利用管理デバイス530’bからネットワーク570を介して管理サーバ560’に記録される。その際、入場者が提供を受けた飲食物の内容(例えばメニュー)、価格、税金などの金銭情報が、必要に応じて利用時刻等のその他情報とともに、利用データとして入場者が装着する使い捨てリストバンドにおける識別データと連携して管理サーバ560’に記録される。
【0081】
入場者がサービスエリア530’内の売店や自販機を利用する際、購入商品の提供を、現金の支払いに代えて、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを用いた後払いの方法により受けることができる。すなわち、売店・自販機エリアには後払い申請用の利用管理デバイス530’cが設けられている。利用管理デバイス530’cもまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560’と接続されている。
【0082】
入場者が売店・自販機エリアを利用する際、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを利用管理デバイス530’cの読取り手段に読み取らせることにより(例えば、読み取りセンサにリストバンドの識別データをかざすことにより)、当該入場者の識別データは利用管理デバイス530’cからネットワーク570を介して管理サーバ560’に記録される。その際、入場者が購入した商品の内容(例えば商品名)、価格、税金などの金銭情報が、必要に応じて利用時刻等のその他情報とともに、利用データとして入場者が装着する使い捨てリストバンドにおける識別データと連携して管理サーバ560’に記録される。
【0083】
入場者がサービスエリア530’内のエステティックサービスやマッサージを利用する際、これらサービスの提供を、現金の支払いに代えて、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを用いた後払いの方法により受けることができる。すなわち、エステティック・マッサージエリアには後払い申請用の利用管理デバイス530’dが設けられている。利用管理デバイス530’dもまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560’と接続されている。
【0084】
入場者がエステティック・マッサージエリアを利用する際、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを利用管理デバイス530’dの読取り手段に読み取らせることにより(例えば、読み取りセンサにリストバンドの識別データをかざすことにより)、当該入場者の識別データは利用管理デバイス530’dからネットワーク570を介して管理サーバ560’に記録される。その際、入場者が提供を受けたサービスの内容、サービス提供時間(例えば、30分間や1時間など)、価格、税金などの金銭情報が、必要に応じて利用時刻等のその他情報とともに、利用データとして入場者が装着する使い捨てリストバンドにおける識別データと連携して管理サーバ560’に記録される。
【0085】
図6では、サービスエリア530’内に4つの利用管理デバイス530’a,530’b,530’c,530’dを設けた場合について説明したが、本発明のシステムはこの実施形態にのみ限定されるものではない。本発明のシステムは1つ以上の利用管理デバイスが設けられていればよく、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のいずれであってもよい。
【0086】
自動精算機540は、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560’と接続されている。ある入場者がサービスエリア530内の利用管理デバイス530’a,530’b,530’c,530’dからネットワーク570を介して管理サーバ560’に記録された利用データのうち、金銭情報を含むデータおよびそれに付随するデータ(例えば、提供を受けた飲食物の内容商品やサービスの内容、提供時間、利用時刻など)がネットワーク570を介して当該自動精算機540に送信される。
【0087】
サービスエリア530’内でのサービス提供を終えた入場者が自動精算機540において精算ボタンを選択することにより、当該自動精算機540には、上記金銭情報を含むデータ、および未決済の場合は上記入場料のデータに相当する金額が未払い利用料金として表示される。入場者は、その未払い利用料金について、現金、クレジットカード、交通用ICカード、またはスマートフォンなどにインストールされた決済アプリを通じて未払い利用料金の決済を行うことができる。これにより入場者の利用料金のすべての精算が終了する。
【0088】
なお、入場者による未払い利用料金の決済した情報は、精算データとしてネットワーク570を介して管理サーバ560’に送信される。
【0089】
退場ゲート装置550’には、使い捨てリストバンドの印刷領域に印刷された識別データを読み取る公知の読取り手段が設けられている。退場ゲート装置550’はまた、無線または有線のネットワーク570を介して管理サーバ560と接続されている。なお、図6では、入場ゲート520と退場ゲート550’とが別々に設けられた場合について記載したが、本発明の施設管理システム500’は、当該入場ゲート520と退場ゲート550’とが一体化されたものであってもよい。その場合においても一体化されたゲートは、入場ゲート520と退場ゲート550’との両方の機能を果たし得る。
【0090】
上記自動精算機540で精算を終えた入場者が温浴施設に退場する際、自らが装着した使い捨てリストバンドの識別データを退場ゲート装置550’の読取り手段に読み取らせることにより(例えば、読み取りセンサにリストバンドの識別データをかざすことにより)、当該入場者の識別データは退場ゲート装置550’からネットワーク570を介して管理サーバ560’に記録される。
【0091】
その際、入場者がまだ自動精算機540による精算を終了していない場合には、退場ゲート装置550’のゲートは開かず、必要に応じて警告音の発信や、ネットワーク570を介して管理サーバ560’から運営スタッフが有する管理末端機580への通報が行われる。
【0092】
一方、入場者がすでに自動精算機540による精算を終了している場合には、退場ゲート装置550’のゲートが開き、入場者がそのまま施設の外に出ることができる。そして、入場者が温浴施設の退場ゲート装置550’を通過したこと、具体的には通過時刻、通過人数等が退場データとして管理サーバ560’に各々記録される。
【0093】
管理サーバ560’は、上記識別データ、入場ゲート装置520が記録した入場データ、利用管理デバイス530’a,530’b,530’c,530’dから得られた利用データ、自動精算機540が記録した精算データ、および退場ゲート装置550’が記録した退場データを収容する。
【0094】
管理サーバ560’は、サービスエリア530’と同一の施設内に設けられていてもよく、あるいは異なる施設内に設けられていてもよい。例えば、運営が複数の施設で行われている場合、管理サーバ560’はこれらの施設とは離れた別の場所に配置され、複数の施設における上記各種データを一括して管理するものであってもよい。
【0095】
他方、管理末端機580は上記のようにサービスエリア530’と同一の施設内に配置される。管理末端機580の例としては、同一施設の管理事務所内に配置された運営スタッフの使用するパーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末が挙げられる。
【0096】
図7は、本発明の施設管理システムのさらに別の例を示すブロック図である。なお、図7の図面において図5および図6と同様の参照番号を付した構成は、当該図5および図6の図面に示したものと同様である。
【0097】
図7に示す施設管理システム600は、自動精算施設管理システムとして機能し得るものであり、精算機690として、自動精算機660が他の精算または券売機698と一体化されており、施設において退場ゲート装置550’よりも外側に設けられている点を除き、その他は図6の示すシステム500’と同様である。
【0098】
例えば、施設には、自家用車や鉄道、バス、航空機、船舶などの公共交通機関を通じてしか行くことができない場合、言い換えれば当該施設が徒歩による帰宅が極めて困難な場所(例えば遠隔地や離島、人工島)に設けられている場合、自動精算機660は、退場ゲート装置550’よりも外側に設けられていてもよい。その際、駐車場の精算や切符、乗車券、搭乗券、乗船券などの購入とともに退場ゲート装置550’の外で、入場者は施設利用に伴う未払い利用料金の精算を精算機690で行ってもよい。
【0099】
本発明のリストバンド作製用ロールを用いた施設管理システムは、自動券売機の筐体内での当該ロールが詰まり難く、比較的少人数の運営スタッフによる業務を強いられる施設、温浴施設・プールなどの利用の際に小銭を持ち歩くことが容易でない施設、大規模なキャッシュレス化のシステムの導入が困難な施設等において有用である。本発明のリストバンド作製用ロールを用いた施設管理システムはまた、上記施設に該当しない大規模施設(例えば大型テーマパーク、遊園地、博覧会、展示会)でも有用である。
【符号の説明】
【0100】
100 使い捨てリストバンド作製用ロール
102 柔軟性帯体
104 芯材
108 印刷領域
110 リストバンド基体部分
112 非印刷領域
114 V字状の切り込み
116 マーカー部
117 位置
118 切り込み線
120,120’ 粘着層
122,122’ 剥離層
200 使い捨てリストバンド
212 印字情報
240 手首
500,500’,600 施設管理システム
510,510’ 自動券売機
520 入場ゲート装置
530,530’ サービスエリア
530a,530b,530c,530d,530’a,530’b,530’c,530’d, 利用管理デバイス
540,660 自動精算機
550,550’ 退場ゲート装置
560,560’ 管理サーバ
570 ネットワーク
580 管理末端機
690 精算機
698 他の精算または券売機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設管理システムであって、
使い捨てリストバンド作製用ロールを備え、購入条件にしがってリストバンド基体部分の表面に識別データを印刷し、マーカー部を認識して該ロールを切断し、入場者専用の使い捨てリストバンドを作製する自動販売機と、
該入場者が装着した該リストバンドの該識別データと連携して施設への入場を記録する入場ゲート装置と、
該識別データと連携して施設への退場を記録する退場ゲート装置と、
該識別データ、該入場ゲート装置が記録した入場データ、および該退場ゲート装置が記録した退場データを収容する管理サーバと、
を備え
該使い捨てリストバンド作製用ロールが、
略一定の幅を有する、長尺の柔軟性帯体を巻回して構成されており、
該柔軟性帯体が、複数の細長いリストバンド基体部分を連続的に繰り返し配置したものであり、
該リストバンド基体部分が、印刷領域を有する表面と、該使い捨てリストバンドの端部の基準として設けられたマーカー部および外側が剥離層で保護された粘着部を有する裏面とで構成される、システム。
【請求項2】
さらに、前記識別データと連携して前記施設内の前記入場者の利用内容を記録する少なくとも1つの利用管理デバイスと、
該識別データと連携して、該利用管理デバイスが記録した利用データに応じて該入場者の未払い利用料金を精算しかつ該精算を記録するための自動精算機と、
を備え、かつ
前記管理サーバが、さらに該利用データおよび該自動精算機が記録した精算データを収容する、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記自動精算機が、前記施設における前記退場ゲート装置よりも内側に設けられている、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記自動精算機が、外部の精算または券売機と一体化されており、前記施設における前記退場ゲート装置よりも外側に設けられている、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記施設がレジャー施設である、請求項からのいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記使い捨てリストバンド作製用ロールにおける前記粘着部が前記マーカー部の近傍に設けられている、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記使い捨てリストバンド作製用ロールにおける前記柔軟性帯体が樹脂シートで構成されている、請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記使い捨てリストバンド作製用ロールにおける前記柔軟性帯体に、隣接する2つの前記リストバンド基体部分の間に切断用穿孔が設けられていない、請求項1から7のいずれかに記載のシステム。