(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008320
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20230112BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20230112BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20230112BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20230112BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20230112BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230112BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20230112BHJP
C11D 1/88 20060101ALI20230112BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20230112BHJP
C11D 3/32 20060101ALI20230112BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
A61K8/46
A61K8/42
A61K8/86
A61K8/41
A61K8/39
A61Q5/02
C11D1/02
C11D1/88
C11D1/75
C11D3/32
C11D1/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111789
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000108672
【氏名又は名称】タカラベルモント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直史
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AC122
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC441
4C083AC442
4C083AC561
4C083AC562
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD132
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE28
4H003AB01
4H003AB05
4H003AB23
4H003AB27
4H003AC05
4H003AC15
4H003AD04
4H003AD05
4H003BA12
4H003DA02
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB17
4H003ED02
4H003ED28
4H003FA20
4H003FA21
(57)【要約】
【課題】泡質の濃密感及び毛髪に対するコンディショニング効果に優れる洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】提供される洗浄剤組成物は、
以下の成分(A)~(D)を含有する。
(A)アニオン性界面活性剤
(B)両性界面活性剤
(C)アルキルアミンオキシド
(D)ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)~(D)を含有する洗浄剤組成物。
(A)アニオン性界面活性剤
(B)両性界面活性剤
(C)アルキルアミンオキシド
(D)ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種
【請求項2】
前記成分(D)が、コカミドメチルMEA、コカミドMEA、コカミドDEA、及びポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記成分(C)及び前記成分(D)の含有率(重量基準)の合計に対する前記成分(A)及び前記成分(B)の含有率(重量基準)の合計の比(A+B)/(C+D)が3以上20以下である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
シリコーン化合物を実質的に含有しない、請求項1~3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
毛髪用である、請求項1~4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は、カラーリングや紫外線、ヘアドライヤーの熱等の様々な刺激により、ダメージを受けうる。ダメージを受けた毛髪は、洗髪時に指通りが低下したり、洗髪後に絡まったりしやすい。特許文献1には、洗髪時や洗髪後において、手を通す等の操作を行うことなく、絡まりの発生を抑制及び解消できる洗浄剤組成物が開示されている。特許文献2には、濡れた状態での絡まりを抑制できると共に、濡れた毛髪に対して滑らかな感触(毛髪表面の滑り性)を与えうる洗浄剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-214569号公報
【特許文献2】特表2018-526384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、洗浄剤組成物について、機能だけではなく、使用により感じる心地よさがますます重要視されるようになってきている。例えば、いわゆるコンディショニング効果においては、濡れた状態での毛髪表面の滑り性だけではなく、乾燥後の毛髪の潤い感や柔らかさといった、毛髪の内部までケア(補修)されていることを感じられる効果が求められている。また、洗髪の際に感じる泡質の濃密感も、心地よさに大きく影響する。
【0005】
本発明は、泡質の濃密感及び毛髪に対するコンディショニング効果に優れる洗浄剤組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
以下の成分(A)~(D)を含有する洗浄剤組成物、
を提供する。
(A)アニオン性界面活性剤
(B)両性界面活性剤
(C)アルキルアミンオキシド
(D)ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、泡質の濃密感及び毛髪に対するコンディショニング効果に優れる洗浄剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[洗浄剤組成物]
本実施形態の洗浄剤組成物は、以下の成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)を含有する。
(A)アニオン性界面活性剤
(B)両性界面活性剤
(C)アルキルアミンオキシド
(D)ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種
【0009】
(成分(A))
成分(A)は、アニオン性界面活性剤である。本実施形態の洗浄剤組成物において、成分(A)は、良質な発泡をもたらす成分及び主たる洗浄成分として機能すると共に、成分(B),(C),(D)と協働して、コンディショニング効果(特に洗髪時の指通り)に寄与しうる。
【0010】
洗浄剤組成物における成分(A)の含有率は、例えば2重量%以上であり、2.5重量%超、3重量%以上、4重量%以上、5重量%以上、6重量%以上、7重量%以上、8重量%以上、9重量%以上、更には10重量%以上であってもよい。成分(A)の含有率の上限は、例えば25重量%以下であり、22重量%以下、20重量%以下、19重量%以下、18重量%以下、17重量%以下、16重量%以下、更には15重量%以下であってもよい。
【0011】
成分(A)の例は、アミノ酸系界面活性剤、タウリン系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤、コハク酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、及び硫酸エステル系界面活性剤である。成分(A)の好ましい例は、アミノ酸系界面活性剤、タウリン系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤、及びコハク酸系界面活性剤であり、より好ましい例は、アミノ酸系界面活性剤、タウリン系界面活性剤、及びコハク酸系界面活性剤であり、特に好ましい例は、タウリン系界面活性剤である。好ましい程度が高い界面活性剤ほど、泡質の濃密感及び毛髪に対するコンディショニング効果の向上に特に適している。
【0012】
本実施形態の洗浄剤組成物は、成分(A)として、スルホン酸系界面活性剤、及び硫酸エステル系界面活性剤を実質的に含有しなくてもよく、スルホン酸系界面活性剤を実質的に含有しなくてもよく、硫酸エステル系界面活性剤を実質的に含有しなくてもよい。本明細書において、実質的に含有しないとは、含有率が1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、更には0.01重量%未満であることを意味する。
【0013】
アミノ酸系界面活性剤の例は、グルタミン酸系界面活性剤、アラニン系界面活性剤、アスパラギン酸系界面活性剤、及びグリシン系界面活性剤である。
【0014】
グルタミン酸系界面活性剤の例は、ココイルグルタミン酸塩、ラウロイルグルタミン酸塩、及びミリストイルグルタミン酸塩である。アラニン系界面活性剤の例は、ココイルアラニン塩、ココイルメチルアラニン塩、ラウロイルメチルアラニン塩、及びミリストイルメチルアラニン塩である。アスパラギン酸系界面活性剤の例は、ラウロイルアスパラギン酸塩、及びアシル(C12,14)アスパラギン酸塩である。グリシン系界面活性剤の例は、ココイルグリシン塩、ラウロイルグリシン塩、ラウロイルサルコシン塩、及びココイルサルコシン塩である。各塩の例は、ナトリウム塩、カリウム塩、及びトリエタノールアミン塩である。
【0015】
タウリン系界面活性剤の例は、ココイルタウリン塩、ココイルメチルタウリン塩、ココイルメチルタウリンタウリン塩、及びカプロイルメチルタウリン塩であり、好ましい例は、ココイルメチルタウリン塩である。各塩の例は、ナトリウム塩、及びカリウム塩である。各塩は、ナトリウム塩であってもよい。
【0016】
カルボン酸系界面活性剤の例は、アルキルエーテルカルボン酸塩である。アルキルエーテルカルボン酸塩の例は、ラウレス-4カルボン酸ナトリウム、ラウレス-5カルボン酸ナトリウム、ラウレス-6カルボン酸ナトリウム、ラウレス-13カルボン酸ナトリウム、C12~13パレス-8カルボン酸ナトリウム、及びC12~15パレス-8カルボン酸ナトリウムであり、好ましい例は、ラウレス-4カルボン酸ナトリウムである。
【0017】
成分(A)としてアミノ酸系界面活性剤及び/又はタウリン系界面活性剤(好ましくは、タウリン系界面活性剤)と、カルボン酸系界面活性剤とを含有する場合、アミノ酸系界面活性剤及びタウリン系界面活性剤の含有率の合計X1(重量%)とカルボン酸系界面活性剤の含有率X2(重量%)とは、式X1≧X2を満たしていてもよく、式X1≧X2×1.5、式X1≧X2×2.0、更には、式X1≧X2×2.5を満たしていてもよい。X1とX2とは、式X1≦X2を満たしていてもよい。
【0018】
コハク酸系界面活性剤の例は、ポリオキシエチレンスルホコハク酸塩である。
【0019】
スルホン酸系界面活性剤の例は、α-オレフィンスルホン酸塩である。
【0020】
硫酸エステル系界面活性剤の例は、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩である。アルキルエーテル硫酸エステル塩の例は、ラウレス硫酸ナトリウムである。
【0021】
成分(A)は、上記例に限定されない。ただし、本実施形態の洗浄剤組成物は、石ケン素地、カリ石ケン素地等の石けん成分を実質的に含有しなくてもよい。
【0022】
本実施形態の洗浄剤組成物は、1種又は2種以上の成分(A)を含有してもよい。
【0023】
(成分(B))
成分(B)は、両性界面活性剤である。本実施形態の洗浄剤組成物において、成分(B)は、発泡助剤として主に機能すると共に、成分(C),(D)と協働して泡の粘度を高め、泡質の濃密感の向上に寄与しうる。また、成分(B)は、成分(A),(C),(D)と協働して、コンディショニング効果(特に、乾燥後の柔らかさ)に寄与しうる。なお、成分(B)からは、成分(C)及び成分(D)は除かれる。
【0024】
洗浄剤組成物における成分(B)の含有率は、例えば1重量%以上であり、1.5重量%以上、2重量%以上、2.5重量%以上、3重量%以上、3.5重量%以上、4重量%以上、4重量%超、更には4.5重量%以上であってもよい。成分(B)の含有率の上限は、例えば12重量%以下であり、11重量%以下、10重量%以下、9.5重量%以下、9重量%以下、8.5重量%以下、8重量%以下、更には8重量%未満であってもよい。
【0025】
成分(B)の例は、ベタイン系界面活性剤、スルタイン(スルホベタイン)系界面活性剤、ヒドロキシスルタイン系界面活性剤、及びイミダゾリン系界面活性剤である。これらの界面活性剤は、泡質の濃密感及び毛髪に対するコンディショニング効果の向上に特に適している。ただし、成分(B)は、上記例に限定されない。
【0026】
ベタイン系界面活性剤の例は、アルキルベタイン、アルキルアミノベタイン、及びアルキルアミドベタインである。各ベタイン化合物におけるアルキル基の炭素数は、例えば7~20であり、8~18、10~18、更には12~18であってもよい。アルキル基は、直鎖であっても、分岐を有していてもよい。
【0027】
スルタイン系界面活性剤の例は、アルキルスルタインである。ヒドロキシスルタイン系界面活性剤の例は、アルキルヒドロキシスルタインである。
【0028】
成分(B)のより具体的な例は、ラウリルベタイン、ココベタイン、ステアリルベタイン、オレイルベタイン、ココヘキサデシルジメチルベタイン、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びラウラミドプロピルヒドロキシスルタインである。好ましい例は、コカミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、及びラウラミドプロピルヒドロキシスルタインであり、より好ましい例は、ミリスタミドプロピルベタイン、及びラウラミドプロピルヒドロキシスルタインである。
【0029】
本実施形態の洗浄剤組成物は、1種又は2種以上の成分(B)を含有してもよい。
【0030】
(成分(A)及び成分(B))
成分(A)及び成分(B)の含有率の和A+Bは、3重量%以上37重量%以下であってもよい。A+Bの下限は、5重量%以上、7重量%以上、9重量%以上、10重量%以上、11重量%以上、12重量%以上、更には13重量%以上であってもよい。A+Bの上限は、35重量%以下、30重量%以下、27重量%以下、25重量%以下、22重量%以下、21重量%以下、20重量%以下、19重量%以下、18重量%以下、17重量%以下、更には16重量%以下であってもよい。和A+Bが上記範囲にあることは、泡質の濃密感及び毛髪に対するコンディショニング効果の向上に、特に寄与しうる。
【0031】
成分(B)の含有率(重量基準)に対する成分(A)の含有率(重量基準)の比A/Bは、0.5以上4.5以下であってもよい。比A/Bの下限は、1以上、1.2以上、1.4以上、1.5以上、1.6以上、1.7以上、更には1.8以上であってもよい。比A/Bの上限は、4以下、3.5以下、3以下、2.7以下、2.5以下、更には2.2以下であってもよい。
【0032】
成分(B)の含有率は、成分(A)の含有率以下であってもよく、成分(A)の含有率に比べて小さくてもよい。
【0033】
(成分(C))
成分(C)は、アルキルアミンオキシドである。本実施形態の洗浄剤組成物において、成分(C)は、成分(B),(D)と協働して、泡の粘度を高め、泡質の濃密感の向上に寄与しうると共に、成分(A),(B),(D)と協働して、コンディショニング効果(特に、乾燥後の潤い感)に寄与しうる。
【0034】
洗浄剤組成物における成分(C)の含有率は、例えば0.01重量%以上であり、0.1重量%以上、0.2重量%以上、0.3重量%以上、0.4重量%以上、0.5重量%以上、0.6重量%以上、0.7重量%以上、0.8重量%以上、更には0.9重量%以上であってもよい。成分(C)の含有率の上限は、例えば10重量%以下であり、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5.5重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、更には1.5重量%以下であってもよい。
【0035】
成分(C)の例は、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ミリスチル/セチルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、ステアラミンオキシド、ベヘナミンオキシド、ジメチル-ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2-ヒドロキシエチル)-テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12~15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、及びジヒドロキシエチルタロウアミンオキシドである。成分(C)は、ラウラミンオキシド、及びココアミンオキシドから選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0036】
成分(C)が有するアルキル基の炭素数は15以下であってもよく、14以下、13以下、更には12以下であってもよい。炭素数の下限は、例えば8である。炭素数15以下のアルキル基を有する成分(C)の例は、ラウラミンオキシドである。
【0037】
本実施形態の洗浄剤組成物は、1種又は2種以上の成分(C)を含有してもよい。
【0038】
(成分(D))
成分(D)は、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である。本実施形態の洗浄剤組成物において、成分(D)は、成分(B),(C)と協働して、泡の粘度を高め、泡質の濃密感の向上に寄与しうると共に、成分(A),(B),(C)と協働して、コンディショニング効果(特に、乾燥後の柔らかさ)に寄与しうる。
【0039】
洗浄剤組成物における成分(D)の含有率は、例えば0.1重量%以上であり、0.5重量%以下、0.7重量%以上、0.9重量%以上、1重量%以上、1重量%超、1.5重量%以上、2重量%以上、2.2重量%以上、2.5重量%以上、2.7重量%以上、更には3重量%以上であってもよい。成分(D)の含有率の上限は、例えば10重量%以下であり、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4.8重量%以下、4.5重量%以下、4.3重量%以下、更には4重量%以下であってもよい。
【0040】
ヤシ油脂肪酸アルカノールアミドの例は、コカミドメチルMEA、コカミドMEA、コカミドDEA、及びコカミドMIPAであり、好ましい例は、コカミドメチルMEA,コカミドMEA、及びコカミドDEAであり、より好ましい例は、コカミドメチルMEAである。
【0041】
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルの例は、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステルである。ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステルの例は、テトラオレイン酸ソルベス-30、テトラオレイン酸ソルベス-40、及びテトラオレイン酸ソルベス-60である。
【0042】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの例は、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-65、及びポリソルベート-80である。
【0043】
成分(D)は、コカミドメチルMEA、コカミドMEA、コカミドDEA、及びポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種であってもよい。成分(D)は、コカミドメチルMEA、コカミドMEA、及びポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種であってもよく、コカミドメチルMEA、及びポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0044】
本実施形態の洗浄剤組成物は、1種又は2種以上の成分(D)を含有してもよく、好ましくは、2種以上の成分(D)を含有する。2種以上の成分(D)の組み合わせの例は、コカミドメチルMEA、及びポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステルの組み合わせである。2種の成分(D)を含有する場合、一方の成分の含有率に対する他方の成分の含有率(いずれも重量基準)の比は、1以上であってもよく、1超、2以上、3以上、更には4以上であってもよい。当該比の上限は、8以下、7以下、更には6以下であってもよい。
【0045】
(成分(C)及び成分(D))
成分(C)及び成分(D)の含有率の和C+Dは、0.8重量%以上10重量%以下であってもよい。C+Dの下限は、1重量%以上、2重量%以上、3重量%以上、3.5重量%以上、4重量%以上、更には4.5重量%以上であってもよい。C+Dの上限は、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、更には6.5重量%以下であってもよい。和C+Dが上記範囲にあることは、泡質の濃密感及び毛髪に対するコンディショニング効果の向上に、特に寄与しうる。
【0046】
成分(C)の含有率(重量基準)に対する成分(D)の含有率(重量基準)の比D/Cは、0.1以上40以下であってもよい。比D/Cの下限は、0.3以上、0.5以上、1以上、1.5以上、1.8以上、2以上、2.3以上、2.5以上、2.8以上、3以上、3.3以上、更には3.5以上であってもよい。比D/Cの上限は、35以下、30以下、25以下、22以下、20以下、17以下、15以下、12以下、10以下、7以下、6以下、5以下、更には4以下であってもよい。成分(C)の含有率が0.5重量%以下である場合には、比D/Cは、15以上22以下であってもよく、18以上22以下であってもよい。
【0047】
成分(C)の含有率は、成分(D)の含有率以下であってもよく、成分(D)の含有率に比べて小さくてもよい。
【0048】
(成分(A)~(D))
成分(C)及び成分(D)の含有率(重量基準)の合計に対する成分(A)及び成分(B)の含有率(重量基準)の合計の比(A+B)/(C+D)は、3以上20以下であってもよい。比(A+B)/(C+D)の上限は、18以下、15以下、13以下、12以下、11以下、更には10以下であってもよい。比(A+B)/(C+D)の下限は、3.1以上、3.2以上、3.3以上、更には3.4以上であってもよい。
【0049】
本実施形態の洗浄剤組成物は、本発明の効果が得られる限り、成分(A)~(D)以外の他の成分を含有してもよい。他の成分は、好ましくは、化粧料、医薬部外品、又は外用医薬品等に一般的に使用される成分である。他の成分の例は、溶媒、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸類、油脂類、シリコーン化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗炎症剤、金属封鎖剤、増粘剤、保湿剤、pH調整剤、無機塩類、着色剤、抗菌・殺菌剤、及び香料である。2種以上の他の成分が含まれていてもよい。
【0050】
溶媒の例は、水(精製水)、及びエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコールである。カチオン性ポリマーの例は、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-39、及びポリクオタニウム-47である。多価アルコールの例は、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、及び1,2-ペンタンジオールである。高級アルコールの例は、セタノール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールである。高級脂肪酸類の例は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、及びイソパルミチン酸である。油脂類の例は、アボガド油、オリーブ油、ラノリン、スクワレン、流動パラフィン、ミツロウ、ラノリン、及びカルナウバロウである。増粘剤の例は、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、及び(ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸エチルトリモニウムクロリド)コポリマーである。pH調整剤の例は、クエン酸、乳酸、リン酸、酒石酸、マレイン酸、及びこれらの塩、並びに炭酸水素ナトリウムである。無機塩類の例は、塩化ナトリウム、及び塩化マグネシウムである。着色剤の例は、橙205、赤201等の各種の着色剤である。抗菌・殺菌剤の例は、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、パラオキシ安息香酸エステル、及びフェノキシエタノールである。
【0051】
本実施形態の洗浄剤組成物は、カチオン性界面活性剤を実質的に含有しなくてもよい。また、本実施形態の洗浄剤組成物は、シリコーン化合物を実質的に含有しなくてもよく、換言すれば、ノンシリコーンの組成物であってもよい。
【0052】
本実施形態の洗浄剤組成物は、典型的には、毛髪用である。毛髪には、人以外の動物の毛が含まれる。本実施形態の洗浄剤組成物は、例えば、シャンプー組成物に使用できる。シャンプー組成物は、通常、毛髪に付着させて泡立てることで使用できる。ただし、本実施形態の洗浄剤組成物の用途は、上記例に限定されない。
【0053】
本実施形態の洗浄剤組成物は、様々な剤型として調製可能である。剤型の例は、ローション状、クリーム状、ゲル状、泡状、ミスト状、及びスプレー状である。泡状(ムース状)の剤型に調製する場合には、噴射剤を配合してもよい。噴射剤の例は、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、ヘキサン、及び炭酸ガスである。
【実施例0054】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0055】
[評価用毛束の準備]
株式会社ユーカリジャパン製人毛黒髪(YK-1B# 10’’)をブリーチ剤(タカラベルモント社製、エドル ブリーチ)によりブリーチ処理した後、水洗し、乾燥させて、評価用毛束を準備した。
【0056】
[洗浄剤組成物の評価]
準備した評価用毛束を、十分に濡らした後、各実施例及び比較例の洗浄剤組成物によりシャンプーした。その際の泡質及び指通りを、それぞれ、「泡質の濃密感」及び「洗髪時の指通り」として官能評価した。また、シャンプー後の評価用毛束について、水気を切った後、以下の表1に示す組成で調製した毛髪化粧料を全体に塗布して再度水洗し、ドライヤーを用いて乾燥させた。乾燥後の毛束に感じられる、しっとりした感触及び柔らかさの感触を、それぞれ、「乾燥後の潤い感」及び「乾燥後の柔らかさ」として官能評価した。官能評価は、10名のパネラーにより実施した。各評価項目における判断基準は、次のとおりである。
【0057】
(泡質の濃密感)
泡質の濃密感が高いと評価したパネラーの人数が8名以上であった場合をきわめて良好(◎)、6~7名であった場合を良好(○)、4~5名であった場合を不十分(△)、3名以下であった場合を不可(×)とした。
【0058】
(洗髪時の指通り)
洗髪時の指通りが良いと評価したパネラーの人数が8名以上であった場合をきわめて良好(◎)、6~7名であった場合を良好(○)、4~5名であった場合を不十分(△)、3名以下であった場合を不可(×)とした。
【0059】
(乾燥後の潤い感)
毛髪の内部から補修されているようなしっとりした感触があると評価したパネラーの人数が8名以上であった場合をきわめて良好(◎)、6~7名であった場合を良好(○)、4~5名であった場合を不十分(△)、3名以下であった場合を不可(×)とした。
【0060】
(乾燥後の柔らかさ)
柔らかさを感じると評価したパネラーの人数が8名以上であった場合をきわめて良好(◎)、6~7名であった場合を良好(○)、4~5名であった場合を不十分(△)、3名以下であった場合を不可(×)とした。
【0061】
【0062】
以下の表2A,表2B及び表3に示す組成を有する洗浄剤組成物を、各成分を混合することで作製した。各表の「成分」の欄におけるA~Dの表記は、それぞれ、成分(A)~(D)に対応する。また、各表における成分の含有率の単位は重量%であり、空欄は当該成分を含有しないことを意味している。
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
表2A,表2B及び表3に示すように、実施例の洗浄剤組成物は、比較例に比べて、泡質の濃密感及び毛髪に対するコンディショニング効果に優れていた。