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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083241
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】処理動作支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/30 20200101AFI20230608BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20230608BHJP
【FI】
G06F40/30
G06F16/90 100
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190415
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2021197341
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】399073034
【氏名又は名称】ソプラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】白川 基光
【テーマコード(参考)】
5B091
5B175
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091CA01
5B091CB02
5B091CB12
5B091EA01
5B175DA01
5B175EA01
5B175GC03
(57)【要約】
【課題】単に動詞や名詞(名詞句)、格成分のみを取得するのみで、今までの会話の経緯を以って処理動作を特定することが可能な処理動作支援装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して、受け付けたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索し、第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付手段と、
テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付手段により受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析手段と、
上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承手段と、
上記自然言語解析手段により探索された上記エンティティ及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承手段により継承された上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行手段とを備えること
を特徴とする処理動作支援装置。
【請求項2】
上記継承手段は、上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、学習データとしてのカンバゼーションルールに基づき、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承すること
を特徴とする請求項1記載の処理動作支援装置。
【請求項3】
上記継承手段は、上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、学習データとしてのカンバゼーションルールに基づき、入力がテキストデータ又はそのテキストデータから探索されたエンティティ値であり、出力がインテントからなる人工知能による第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定すること
を特徴とする請求項1又は2記載の処理動作支援装置。
【請求項4】
音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付手段と、
テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付手段により受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析手段と、
上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、入力がテキストデータ又はそのテキストデータから探索されたエンティティであり、出力がインテントからなる人工知能による第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承手段と、
上記自然言語解析手段により探索された上記エンティティ及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承手段により継承された上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行手段とを備えること
を特徴とする処理動作支援装置。
【請求項5】
音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付ステップと、
テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付ステップにおいて受け付けたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析ステップと、
上記自然言語解析ステップにおいて、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承ステップと、
上記自然言語解析ステップにおいて探索した上記エンティティ及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承ステップにおいて継承した上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行ステップとを有すること
を特徴とする処理動作支援方法。
【請求項6】
音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付ステップと、
テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付ステップにおいて受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析ステップと、
上記自然言語解析ステップにおいて、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、入力がテキストデータ又はそのテキストデータから探索されたエンティティであり、出力がインテントからなる人工知能による第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承ステップと、
上記自然言語解析ステップにおいて探索した上記エンティティ及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承ステップにおいて継承した上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行ステップとを有すること
を特徴とする処理動作支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書又は会話文から取得したテキストデータに基づいて各種処理動作を自動的に実行させる上で好適な処理動作支援装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年において、同じ検索結果を求める会話文が動的に変化した場合であっても、適切な検索結果を出力する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の開示技術では、受け付けた1以上の会話文に含まれるエンティティをパラメータ化し、或いは会話文に対応する、処理動作を特定するアクション名およびウェブフックを有するインテントを決定し、更にこれらエンティティやインテント等により特定される処理動作を実行するための情報をパラメータとしたAPIを介してデータベースを検索する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-68399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1の開示技術では、受け付けた会話文からインテントを特定する上で、「先月のA銀行の残高を教えて」等のように、動詞の「教えて」に対して、これに係り受けする「先月の」、「A銀行の残高」等のような名詞句(格成分)が明確な場合、エンティティやインテントを容易に特定できるため、これに応じた処理動作を容易に特定することができる。
【0005】
しかしながら、その後に引き続いて「B銀行は?」等のように同じ残高照会のインテントでありがならも、エンティティ値が異なる会話文を受け付ける場合がある。通常の人間同士の日常会話であれば、今までの会話の経緯から先月のB銀行の残高照会を求められていることを容易に理解できるが、コンピュータプログラム上では、テキストデータからこのようなエンティティ値のみしか抽出できない場合には、業務処理(処理動作)を特定できなくなる。
【0006】
同様に、「収支を教えて」等のように同じ「先月の」、「A銀行の残高」のエンティティ値を持ちつつも、インテントが異なる会話文を受け付ける場合がある。通常の人間同士の日常会話であれば、今までの会話の経緯から先月のA銀行の収支照会を求められていることを容易に理解できるが、コンピュータプログラム上では、テキストデータからこのようなインテントのみしか抽出できない場合には、処理動作を特定できなくなる。
【0007】
即ち、現在の自然言語解析技術では、発話された会話文の意図、即ちインテントを特定するためには必要なエンティティが完全に揃った会話文のテキストデータを取得しない限り、そのインテントに紐付いたアクション、ひいては処理動作を特定することができない。換言すれば、テキストデータの中で動詞やこれに係り受けする名詞句(格成分)を情報として正確に与えなければ、正確な意図の認識ができないものとなっていた。
【0008】
このように、単に動詞や名詞(名詞句)、格成分のみでも今までの会話の経緯から容易に意思疎通ができる通常の日常会話と異なり、コンピュータプログラムでは、今までの会話の経緯や文脈を参酌することができないため、単発な動詞や名詞句が会話文として発せられた場合に動作の実行が不可能になる。
【0009】
一方、通常の日常会話では、最初に「先月のA銀行の残高を教えて」の後に、都度「先月のB銀行の残高を教えて」と動詞や名詞(名詞句)を含めた全文で意思疎通を図るのは煩わしいものであり、本来であれば「B銀行は?」、「収支を教えて」等のように単発な動詞や名詞句のみで意思疎通を図れることが理想的である。
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1の開示技術も含めて、従来においてこのような単に動詞や名詞(名詞句)、格成分のみを取得し、今までの会話の経緯を以って処理動作を特定する技術は未だ案出されていないのが現状であった。
【0011】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、文書又は会話文から取得したテキストデータに基づいて各種処理動作を自動的に実行させる処理動作支援装置及びプログラムにおいて、単に動詞や名詞(名詞句)、格成分のみを取得するのみで、今までの会話の経緯を以って処理動作を特定することが可能な処理動作支援装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る処理動作支援装置は、音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付手段と、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付手段により受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析手段と、上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承手段と、上記自然言語解析手段により探索された上記エンティティ及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承手段により継承された上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る処理動作支援装置は、音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付手段と、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付手段により受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析手段と、上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、入力がテキストデータ又はそのテキストデータから探索されたエンティティであり、出力がインテントからなる人工知能による第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承手段と、上記自然言語解析手段により探索された上記エンティティ及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承手段により継承された上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上述した構成からなる本発明によれば、通常の日常会話において、単発な動詞や名詞句のみで意思疎通を図る場合であっても、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承し、また既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承することで、より日常会話に近い状態で各種処理動作を実行させることが可能となる。このため、本発明によれば、文書又は会話文から取得したテキストデータに基づいて各種処理動作を自動的に実行させる上で、単に動詞や名詞(名詞句)、格成分のみを取得するのみで、今までの会話の経緯を以って処理動作を特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明を適用した処理動作支援装置のブロック構成図である。
図2図2は、格納部に格納されるインテント、エンティティ値、アクションの例を示す図である。
図3図3は、本発明を適用した処理動作支援装置により実行される動作フローを示す図である。
図4図4は、本発明を適用した処理動作支援装置のフローチャートを示す図である。
図5図5は、エンティティ値を継承する例を示す図である。
図6図6は、インテントもエンティティも継承しない類型について説明するための図である。
図7図7は、インテントも継承し、エンティティも継承する類型について説明するための図である。
図8図8は、インテントを継承し、エンティティは継承しない類型について説明するための図である。
図9図9は、インテントは継承せず、エンティティを継承する類型について説明するための図である。
図10図10は、本発明を適用した処理動作支援装置において、人工知能による学習データを利用する例について説明するための図である。
図11図11は、自然言語解析を行う段階で使用される第1学習データの構成について説明するための図である。
図12図12は、履歴番号2-1~履歴番号2-5の処理動作について説明するための図である。
図13図13は、履歴番号3-1~履歴番号3-5の処理動作について説明するための図である。
図14図14は、履歴番号4-1~履歴番号4-2の処理動作について説明するための図である。
図15図15は、履歴番号4-3~履歴番号4-4の処理動作について説明するための図である。
図16図16は、第2学習データの構成について説明するための図である。
図17図17は、履歴番号4-5の処理動作について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態における処理動作支援装置の一例について、図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0017】
第1実施形態
実施形態における処理動作支援装置は、例えば、サーバである。サーバは、例えば、情報検索等のサービスを提供する企業内のサーバであるが、クラウドサーバやASPサーバ等でもよく、そのタイプは問わない。サーバは、例えば、LANやインターネット等のネットワーク、無線または有線の通信回線などを介して、1または2以上の端末(図示しない)と通信可能に接続される。端末は、例えば、情報検索等のサービスを利用するユーザの携帯端末であるが、据え置き型のPC等でもよく、そのタイプは問わない。携帯端末は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、ノートPC等であるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
ただし、処理動作支援装置は、例えば、スタンドアロンの端末でもよく、その実現手段はこれらに限定されるものではない。図1は、実施形態における処理動作支援装置100のブロック図である。処理動作支援装置100は、基本情報部1、受付部2、処理部3、および出力部4を備える。基本情報部1は、インテント情報部12、API情報部13、エンティティ情報部15を備える。受付部2は、会話文受付手段21と文字列受付手段53を備える。会話文受付手段21は、音声受付手段211、および音声認識手段212を備える。
【0019】
処理部3は、インテント決定手段31、エンティティ取得手段33、パラメータ取得部34、API情報取得手段35、APIパラメータセット手段36、および検索結果取得手段37を備える。出力部4は、検索結果出力手段41を備える。
【0020】
基本情報部1は、各種の情報を格納するデータベースである。各種の情報とは、例えば、テーブル、インテント、API情報、コーパス、エンティティ、エンティティマッピング情報、PK項目、および日変換情報などである。なお、テーブル等の情報については後述する。また、その他の情報については、適時説明する。
【0021】
基本情報部1には、1または2以上のテーブルが格納される。テーブルは、例えば、表形式のデータベースであってもよい。テーブルには、例えば、1または2以上の項目名が登録され、さらに、当該1以上の項目名ごとに、1または2以上の値が登録される。なお、項目名は、属性名といってもよいし、一の項目名に対応する1以上の各値は、属性値といってもよい。また、テーブルは、例えば、リレーショナルデータベースのテーブル、TSV、エクセル、CSV、ニューラルネットワーク等であるが、その種類はこれらに限定されるものではない。
【0022】
インテント情報部12には、1または2以上のインテントが格納される。インテントとは、処理動作ごとに管理される情報である。処理動作ごとに管理されることは、例えば、処理動作を特定する情報に対応付けて、インテント情報部12に格納されることであってもよい。なお、処理動作を特定する情報は、通常、後述するアクション名およびウェブフックであるが、その形式はこれらに限定されるものではない。また、対応付くことは、例えば、インテントが、処理動作を特定する情報を有する場合も含む。インテント情報部12には、インテントに加え、後述するアクション決定情報や指示動作も格納される。
【0023】
処理動作とは、業務に関する処理以外に、あらゆる行動や生活に関する処理も含む。業務は、例えば、定時までの勤務、定時後の残業、休暇、欠勤、A案件、B案件、経理、製造などであるが、その種類はこれらに限定されるものではない。処理動作は、例えば、情報の検索である。なお、検索は、例えば、照会といってもよい。検索される情報は、例えば、残業時間や勤務時間等の勤怠情報であるが、残高や株価等の金融情報、または製造ラインの稼働情況などでもよく、これらに限定されるものではない。
【0024】
ただし、処理動作は、例えば、情報の登録、または情報に基づく処理(例えば、勤怠情報に基づく給与計算、財務情報に基づく金融取引等)などでもよく、これらに限定されるものではない。
【0025】
インテントは、通常、処理動作を特定するアクション名およびウェブフックを有する。アクション名とは、アクションの名称である。アクションとは、通常、APIを介して実行される処理動作である。ただし、アクションは、例えば、SQL文に応じて実行される処理動作であってもよい。
【0026】
なお、アクション名は、通常、後述するAPI情報にも対応付いている。従って、インテントは、例えば、アクション名を介して、API情報に対応付けられる、と考えてもよい。
【0027】
また、インテントは、通常、インテント名も有する。インテント名とは、インテントの名称である。従って、インテントは、インテント名または当該インテント名で特定されるインテントと、アクション名または当該アクション名で特定されるアクションとを対応付ける情報である、と考えることもできる。
【0028】
アクション名は、具体的には、例えば、「残業時間照会」、「勤務時間データ照会」等であるが、処理動作を特定し得る情報であれば何でもよい。
【0029】
API情報部13には、1または2以上のAPI情報が格納される。API情報とは、APIに関する情報である。APIとは、プログラムの機能を利用するためのインターフェースである。APIは、例えば、関数、メソッド、または実行モジュールなどのソフトウェアである。APIは、例えば、WebAPIであるが、それ以外のAPIでもよい。WebAPIとは、HTTPやHTTPSなどのWeb通信のプロトコルを用いて構築されたAPIである。なお、WebAPI等のAPIについては、公知技術であるので、詳しい説明を省略する。
【0030】
API情報は、インテントに対応付いている情報である。API情報は、前述したように、例えば、アクション名およびウェブフックを介して、インテントに対応付いている。
【0031】
API情報は、通常、情報検索を行うための情報である。ただし、API情報は、例えば、情報の登録、または情報に基づく処理などを行うための情報であってもよい。
【0032】
API情報は、1または2以上のパラメータ特定情報を有する。パラメータ特定情報とは、パラメータを特定する情報である。パラメータとは、特定の属性を有する値である、といってもよい。値は、通常、変数である。変数は、引数といってもよい。
【0033】
パラメータは、通常、エンティティを変換した情報であるが、エンティティそのものでもよい。パラメータは、例えば、APIに与える引数、またはSQL文の変数などである。
【0034】
パラメータ特定情報は、例えば、パラメータ名である。パラメータ名とは、パラメータの名称である。または、パラメータ特定情報は、例えば、属性名であるが、パラメータを特定し得る情報であれば何でもよい。
【0035】
またAPI情報は、例えば、SQL文でもよい。SQL文とは、データベースに対して問い合わせを行うための文である、といってもよい。または、API情報は、例えば、URLとメソッドとの組などでもよく、その構造はこれらに限定されるものではない。
【0036】
エンティティ情報が有するエンティティは、当該エンティティ情報が有するエンティティ名に対応する1または2以上のエンティティの中の代表値である。代表値は、一のエンティティ名に対応する1以上のエンティティ中の、例えば、先頭のエンティティであるが、どのエンティティでもよい。
【0037】
エンティティ名とは、エンティティの名称である。エンティティ名は、例えば、「社員エンティティ」、「日付エンティティ」、「残業時間エンティティ」、「天候エンティティ」等であるが、エンティティの属性を表現し得る情報であれば、その形式はこれらに限定されるものではない。社員エンティティとは、社員に関するエンティティである。日付エンティティとは、日付に関するエンティティである。残業時間エンティティとは、残業時間に関するエンティティである。
【0038】
またエンティティ情報は、テキストデータがテンプレートの場合、例えば、エンティティ名、および順序情報を有していてもよい。順序情報とは、テンプレートに含まれる1以上の変数において、当該エンティティ名が何番目の変数に対応するかを示す値である。ただし、エンティティ情報の構造は、これに限定されるものではない。
【0039】
なお、実施形態におけるコーパスとは、例えば、インテント情報部12に格納されている1以上のテキストデータの各々と考えてもよいし、1以上のテキストデータ、および各テキストデータに対応付いているエンティティ情報の集合と考えることもできる。
【0040】
エンティティ情報部15には、1または2以上のエンティティが格納される。エンティティとは、テキストデータに対応付けられた1または2以上の各単語である。単語とは、文を構成する単位である。単語は、例えば、単に「語」、または「ことば」などと呼んでもよいし、形態素の一種(例えば、後述する自立語)と考えてもよい。
【0041】
エンティティ情報部15には、例えば、1以上の各エンティティ名に対応付けて、1または2以上のエンティティが格納される。
【0042】
エンティティは、通常、インテント情報部12に格納されている1以上のテキストデータの中のいずれか1つ又は2以上のテキストデータに対応付いている。従って、エンティティ情報部15には、例えば、インテント情報部12に格納されている1以上のテキストデータごとに、1または2以上のエンティティが格納されてもよい。上述した「社員エンティティ」、「日付エンティティ」、「残高エンティティ」、「銀行名エンティティ」等がこのエンティティ情報部15に格納される。
【0043】
テキストデータに対応付く単語は、通常、自立語である。自立語とは、単独でも文節を構成し得る語であり、例えば、名詞であるが、動詞、形容詞等でもよい。ただし、対応付く単語は、付属語でもよい。付属語とは、単独では文節を構成し得ず、他の自立語を伴って文節を構成する語であり、例えば、助動詞、助詞などである。つまり、対応付く単語は、通常、自立語であるが、付属語を伴った自立語であってもよい。
【0044】
また、対応付く単語は、例えば、連語でもよい。連語とは、2以上の自律語が結び付いて一定の意味を表す語であり、複合語といってもよい。連語は、例えば、“残業”と“時間”が結合した“残業時間”や、“A”と“案件”が結合した“A案件”等であるが、“中村一郎”といった氏と名の組でもよく、2以上の語の組であれば何でもよい。
【0045】
なお、対応付く単語は、テキストデータが例文の場合は、当該例文に含まれている1または2以上の各単語(つまり、テキストデータ内の情報)あるが、テキストデータがテンプレートの場合は、当該テンプレートに含まれる1または2以上の各変数の位置に挿入されるべき単語(つまり、テキストデータに付加される情報)である。
【0046】
エンティティマッピング情報は、例えば、テーブル識別子と、翻訳項目名と、エンティティ名とを有する。テーブル識別子とは、格納されている1以上の各テーブルを識別する情報である。テーブル識別子は、例えば、“MST_SHAIN”や“TRN_TIME_CARD”等であるが、テーブルを識別し得る情報であれば何でもよい。
【0047】
翻訳項目名とは、テーブル識別子で識別されるテーブル内の属性名であり、変換されるエンティティを特定する情報である。変換されるエンティティとは、パラメータに変換されるエンティティ(例えば、パラメータ“shain_code=1”に変換されるエンティティ“中村一郎”や、パラメータ“sta_date=20190401,end_date=20190430”に変換されるエンティティ“先月”等)である。
【0048】
翻訳項目名は、例えば、テーブル識別子で識別されるテーブルが有する1以上の項目名のうち、主キー以外のキーに対応する項目名であり、主キーに対応する項目名に変換される項目名であってもよい。主キーに対応する項目名とは、例えば、主キー識別子である。
【0049】
翻訳項目名は、例えば、“SHAIN_CODE”や“TIME_CARD_DATE”等であるが、変換されるエンティティを特定し得る情報であれば何でもよい。
【0050】
基本情報部1には、1または2以上のPK項目が格納される。PK項目とは、主キーに対応する項目である。PK項目は、例えば、テーブル識別子と、主キー識別子とを有する。主キー識別子とは、テーブル識別子で識別されるテーブルの主キーを特定する情報である。
【0051】
主キー識別子は、例えば、テーブル識別子“MST_SHAIN”で識別されるテーブル(以下、社員マスタ)の場合は“SHAIN_CODE”であり、テーブル識別子“TRN_TIME_CARD”で識別されるテーブル(以下、勤務時間テーブル)の場合は“SHAIN_CODE”と“TIME_CARD_DATE”の2つである。
【0052】
図2に、基本情報部1に格納されるインテント、エンティティ値、アクションの例を示す。会話文として、「先月のA銀行の残高を教えて」というテキストデータに対して、インテントとして「残高照会」インテントが対応つけて記録される。またエンティティとして日付エンティティ、銀行名エンティティ、残高エンティティ、動作エンティティが対応付けて格納されている。日付エンティティとして「先月」なるエンティティ値が、銀行名エンティティとして「A銀行」なるエンティティ値が、残高エンティティとして「残高」なるエンティティ値が、動作エンティティとして「教えて」なるエンティティ値が対応つけて基本情報部1に記録される。
【0053】
さらにこれらのインテント、エンティティ、エンティティ値に対して、残高照会のアクションを行わせるためのアクション名(action#balance)も記録される。インテントやエンティティ値が特定されることにより、このアクション名を一義的に特定することができる。このアクション名は、それぞれ実行させる処理動作に紐付けられていることから、テキストデータからインテントやエンティティ値を特定することにより、実行させる処理動作を一義的に特定することが可能となる。
【0054】
受付部2は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、会話文や文字列からなる電子データである。受付部2は、会話文等の情報を、例えば、端末から受信するが、キーボードやタッチパネルやマイクロフォン等の入力デバイスを介して受け付けてもよい。または、受付部2は、例えば、ディスクや半導体メモリ等の記録媒体から読み出された情報を受け付けてもよく、その受け付けの態様は特に限定されるものではない。
【0055】
会話文受付手段21は、会話文を受け付ける。会話文とは、人が会話する文であり、自然言語による文といってもよい。会話文の受け付けは、例えば、音声での受け付けであるが、テキストデータでの受け付けでもよい。音声とは、人が発した声である。テキストデータとは、人が発した声を音声認識した文字列である。文字列は、1または2以上の文字の配列で構成される。
【0056】
音声受付手段211は、会話文の音声を受け付ける。音声受付手段211は、会話文の音声を、例えば、端末から、端末識別子と対に受信するが、マイクロフォンを介して受け付けてもよい。端末識別子とは、端末を識別する情報である。端末識別子は、例えば、MACアドレス、IPアドレス、IDなどであるが、端末を識別し得る情報であれば何でもよい。なお、端末識別子は、端末のユーザを識別するユーザ識別子でもよい。ユーザ識別子は、例えば、メールアドレス、電話番号等であるが、IDや住所・氏名等でもよく、ユーザを識別し得る情報であれば何でもよい。
【0057】
音声認識手段212は、音声受付手段211が受け付けた音声に対して音声認識処理を行い、文字列である会話文をテキストデータとして取得する。なお、音声認識処理は公知技術であり、詳しい説明を省略する。
【0058】
文字列受付手段213は、紙媒体や電子媒体に記載されている文字列からテキストデータを取得する。文字列受付手段213は、紙媒体から読み取った文字列をOCR技術で文字認識してテキストデータ化してもよいし、電子媒体に含まれる文字列をそのままテキストデータとして取得してもよい。文字列受付手段213により取得されるテキストデータは、データベース内にあるデータ、もしくはメール文章、ドキュメントファイル等から取得するようにしてもよい。あるいは電子データとしての文字列を直接取得するようにしてもよく、例えばチャットや掲示板の書き込み等から直接取り込むようにしてもよい。
【0059】
処理部3は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、インテント決定手段31、エンティティ取得手段33、パラメータ取得部34、API情報取得手段35、APIパラメータセット手段36、検索結果取得手段37などの処理である。また、各種の処理には、例えば、フローチャートで説明する各種の判別なども含まれる。
【0060】
処理部3は、例えば、会話文受付手段21が会話文を受け付けたことに応じて、インテント決定手段31等の処理を行う。なお、1以上の各端末から、端末識別子と対に会話文が送信される場合、処理部3は、インテント決定手段31等の処理を、1以上の端末識別子ごとに行う。
【0061】
処理部3は、会話文受付手段21が受け付けた1以上の会話文に含まれる1以上のエンティティをパラメータ化する。
【0062】
詳しくは、処理部3は、音声として入力された会話文に含まれるエンティティ、一例として自立語をパラメータ化する。例えば、「先月のA銀行の残高を教えて」という会話文と「先月のB銀行の残高を教えて」という会話文を比較すると、「A銀行」と「B銀行」の単語が入れ替わっている点以外、2つの会話文に異なる点は無い。しかしながら、これまでの検索結果では、異なる意味を持つ会話文として、必ずしも同じ意味内容であると認識されていないことがあった。そこで処理部3は、これらの会話文に含まれる「A銀行、「B銀行」、「先月」、「残高」という自立語、即ちエンティティをパラメータ化する。
【0063】
インテント決定手段31は、会話文受付手段21が受け付けた会話文に対応するインテントを決定する。
【0064】
詳しくは、インテント決定手段31は、最初、例えば、会話文受付手段21が受け付けた会話文に対応するテキストを取得する。テキストは、前述したように、例えば、会話文受付手段21が受け付けた会話文を音声認識した結果であるが、会話文受付手段21が受け付けた会話文そのものでもよい。
【0065】
すなわち、インテント決定手段31は、音声である会話文が受け付けられた場合、当該会話文を音声認識し、テキストを取得する。なお、テキストである会話文が受け付けられた場合、インテント決定手段31は、当該テキストを取得すればよい。
【0066】
次に、インテント決定手段31は、取得したテキストに対して、例えば、自然言語解析を行うことにより、当該テキストから1以上の自立語を取得する。なお、自然言語解析は公知技術であり、詳しい説明を省略する。
【0067】
そして、インテント決定手段31は、取得した1以上の自立語と同一または類似する単語を有するアクション名およびウェブフックを有するインテントを決定する。
【0068】
詳しくは、学習済み言語解析モデルを介して解析された結果、インテントが決定されるとともにエンティティも導出される。インテントは{残高照会}、エンティティは、{日付エンティティ}と{残高エンティティ}が導出される。
【0069】
パラメータ取得部34は、エンティティ取得手段33が取得した1以上の各エンティティに対応する1以上のパラメータを取得する。
【0070】
具体的には、例えば、受け付けられた会話文「先月のA銀行の残高を教えて」から3つのエンティティ「先月」、「A銀行」、および「残高」が取得された場合、処理部3は、インテント情報部12に格納されているテキストデータ「先月のA銀行の残高を教えて」において、当該テキストデータに対応付けて格納されている3つのエンティティ情報のうち、受け付けられた会話文「先月のA銀行の残高を教えて」における「先月」と同じ開始位置“1”および終了位置“2”を有する1つ目のエンティティ情報を用いて、「先月」に対応付いた「日付エンティティ」を取得する。
【0071】
また、処理部3は、例えば、上記3つのエンティティ情報のうち、会話文「先月のA銀行の残高を教えて」における「A銀行」と同じ開始位置“4”および終了位置“6”を有する2つ目のエンティティ情報を用いて、「A銀行」に対応付いた「銀行名エンティティ」を取得し、さらに、会話文「先月のA銀行の残高を教えて」における「残高」と同じ開始位置“8”および終了位置“9”を有する3つ目のエンティティ情報を用いて、「残高」に対応付いた「残高エンティティ」を取得する。
【0072】
API情報取得手段35は、インテント決定手段31が決定したインテントに対応するAPI情報をAPI情報部13から取得する。
【0073】
API情報取得手段35は、例えば、インテント決定手段31が決定したインテントに対応するアクション名およびウェブフックを有するAPI情報を、API情報部13から取得する。
【0074】
APIパラメータセット手段36は、パラメータ取得部34が取得した1以上のパラメータと、API情報取得手段35が取得したAPI情報とを用いて、問合情報を構成する。問合情報とは、情報検索するための情報であり、通常、実行可能な情報である。問合情報は、例えば、引数が挿入された関数またはメソッドであるが、完成されたSQL文でもよいし、URLとパラメータの組でもよい。
【0075】
APIパラメータセット手段36は、例えば、API情報取得手段35が取得したAPI情報が有する1以上の各変数の箇所に、各箇所に対応付くパラメータであり、パラメータ取得部34が取得したパラメータを配置することにより、問合情報を構成する。
【0076】
出力部4は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、検索結果である。
【0077】
出力部4は、例えば、受付部2が端末識別子と対に会話文等の情報を受信したことに応じて処理部3が各種の処理を行った結果である検索結果等の情報を、当該端末識別子で識別される端末に送信する。または、例えば、受付部2がタッチパネルやマイクロフォン等の入力デバイスを介して会話文等の情報を受け付けたことに応じて、出力部4は、検索結果等の情報を、ディスプレイやスピーカ等の出力デバイスを介して出力してもよい。
【0078】
ただし、出力部4は、各種の情報を、例えば、プリンタでプリントアウトしたり、記録媒体に蓄積したり、他のプログラムに引き渡したり、外部の装置に送信したりしてもよく、その出力の態様は特に限定されるものではない。
【0079】
検索結果出力手段41は、検索結果取得手段37を介して取得した検索結果を出力する。検索結果出力手段41は、例えば、会話文受付手段21が端末識別子と対に会話文を受信したことに応じて検索結果取得手段37が取得した検索結果を、当該端末識別子で識別される端末に送信する。または、検索結果出力手段41は、例えば、会話文受付手段21がマイクロフォン等の入力デバイスを介して会話文を受け付けたことに応じて検索結果取得手段37が取得した検索結果を、ディスプレイやスピーカ等の出力デバイスを介して出力してもよい。
【0080】
基本情報部1、インテント情報部12、API情報部13、エンティティ情報部15は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリといった不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAMなど揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0081】
基本情報部1等に情報が記憶される過程は、特に限定されるものではない。例えば、記録媒体を介して情報が基本情報部1等で記憶されるようになってもよく、ネットワークや通信回線等を介して送信された情報が基本情報部1等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が基本情報部1等で記憶されるようになってもよい。入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォン等、何でもよい。
【0082】
受付部2、会話文受付手段21、音声受付手段211、および音声認識手段212、文字列受付手段213は、入力デバイスを含むと考えても、含まないと考えてもよい。受付部2等は、入力デバイスのドライバーソフトによって、または入力デバイスとそのドライバーソフトとで実現され得る。
【0083】
出力部4、および検索結果出力手段41は、ディスプレイやスピーカ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えてもよい。出力部4等は、出力デバイスのドライバーソフトによって、または出力デバイスとそのドライバーソフトとで実現され得る。
【0084】
なお、受付部2等の受信機能は、通常、無線または有線の通信手段(例えば、NIC(Network interface controller)やモデム等の通信モジュール)で実現されるが、放送を受信する手段(例えば、放送受信モジュール)で実現されてもよい。また、出力部4等の送信機能は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段(例えば、放送モジュール)で実現されてもよい。
【0085】
次に、処理動作支援装置100の動作について説明する。以下において説明する処理動作は、CPUやMPU等のプロセッサが、HDDや不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等の記憶媒体に格納されているプログラムを読み込むことにより実現される。
【0086】
本発明を適用した処理動作支援装置100は、図3に示すように、音声又は入力端末を介してユーザから先ずテキストデータの入力を受け付ける。最初に受け付けたテキストデータが、発話文1として「先月のA銀行の残高を教えて」である場合、処理動作支援装置100は、「先月のA銀行の残高は\3,677,935円です」等のように出力部4を介して音声で回答し、或いは残高照会のデータを出力する。
【0087】
次に、ユーザから発話文2として「B銀行は?」等のように、処理動作を特定する上で必要なエンティティ値やインテントが完全に揃っていないテキストデータを受信した場合であっても、以前の会話文1のエンティティ値やインテントを参照し、処理動作支援装置100は、「先月のB銀行の残高は\2,960,819円です」等のように出力部4を介して音声で回答し、或いは残高照会のデータを出力する。つまり、発話文2は、発話文1に対して「B銀行」というエンティティ値のみが異なるため、この「B銀行」というエンティティ値以外の「先月の」、「残高」、「教えて」からなるエンティティ値及びインテントを以前から継承する。
【0088】
次にユーザから発話文3として「今月は」等のように、同じく処理動作を特定する上で必要なエンティティ値やインテントが完全に揃っていないテキストデータを受信した場合であっても、以前の会話文1、2のエンティティ値やインテントを参照し、処理動作支援装置100は、「今月のB銀行の残高は\1,875,748円です」等のように出力部4を介して音声で回答し、或いは残高照会のデータを出力する。つまり、発話文3は、発話文2に対して「今月」というエンティティ値のみが異なるため、この「今月」というエンティティ値以外の「B銀行」、「残高」、「教えて」からなるエンティティ値及びインテントを以前から継承する。
【0089】
以下、処理動作支援装置100の詳細な処理動作フローについて説明をする。
【0090】
先ずステップS11において、受付部2は、テキストデータを取得する。このテキストデータは、音声から変換することで取得してもよいが、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等を始めとする入力端末を介して取得してもよい。これ以外に、脳波信号を入力端末を介して取得し、これをテキストデータに変換したものであってもよい。
【0091】
図4に示すように、先ずステップS11において、受付部2は、テキストデータを取得する。次にステップS12に移行し、公知の自然言語解析を行う。この自然言語解析では、形態素解析、必要に応じて構文解析を行うことにより、インテントとエンティティ値を抽出する。この自然言語解析において、テキストデータに含まれる指示動作(動詞)と、これに係り受けする少なくとも単語(名詞又は名詞句)等の格成分が存在していた場合、インテントは、主として指示動作、又は指示動作とこれに係り受けする格成分に基づいて抽出し、エンティティ値は、主として格成分に基づいて抽出する。
【0092】
次に、ステップS13に移行し、処理動作を実行するためのアクションを特定する上で、インテントを特定できるか、エンティティ値が不足しているか否か、換言すれば、エンティティ値が充足しているか否かを判別する。例えば、図2に示すように、「先月のA銀行の残高を教えて」という文言であれば、インテントとしては残高照会であり、そのインテントを特定する上で必要なエンティティは、日付エンティティ、銀行名エンティティ、残高エンティティ、動作エンティティであり、各エンティティに対してエンティティ値(「先月」、「A銀行」、「残高」、「教えて」)が充足している状態にある。このようなケースは、処理動作を実行するためのアクションを特定する上で、インテントが特定でき、エンティティ値が充足している状態にあるといえる。かかる場合には、ステップS14へ移行する。
【0093】
これに対して、処理動作を特定する上で必要なエンティティ値やインテントが完全に揃っていないテキストデータを受信した結果、ステップS12において行った自然言語解析において、「B銀行は?」という文言が抽出された場合、銀行名エンティティのみが抽出できただけで、他のエンティティに応じたエンティティ値が不足しており、インテントが特定できない。同様にステップS12において行った自然言語解析において、「収支を教えて」いう文言を抽出した場合、インテントは、収支照会インテントとして特定できるものの、これに対応するエンティティのエンティティ値が不足している状態であり、処理動作が特定できない。
【0094】
このようにインテントを特定できない場合、エンティティ値が不足している場合、の何れか一方、又は両方の場合には、処理動作を規定するアクション自体が特定できない。かかる場合にはステップS15に移行する。
【0095】
S14に移行した場合、ステップS12において自然言語解析したテキストデータが、処理動作を実行するためのアクションを特定する上で、インテントが特定でき、エンティティ値が充足している状態にあるので、そのままアクションを特定する。このアクションを特定する方法は従来のいかなる手法を適用するようにしてもよく、例えば、特開2021-68399号公報に開示技術を適用するようにしてもよい。特定したアクションに基づいて処理動作を実行した後、ステップS18に移行する。
【0096】
ステップS15に移行した場合は、ステップS12において自然言語解析したテキストデータのみからではアクション自体が特定できないため、以前の会話履歴を取得する。
【0097】
以前の会話履歴は、図2に示すようなインテント、エンティティ値、アクションに予め分類された状態で基本情報部1において記録されていてもよいし、テキストデータがそのまま記録されるものであってもよい。またテキストデータに加え、これ紐付けられたインテント、エンティティ値、アクションが共に記録されるものであってもよい。
【0098】
ステップS15では、このような会話履歴を取得した後、ステップS16へ移行し、必要なインテントやエンティティ値を継承する。
【0099】
ステップS16では、例えば図5に示すように、既に会話履歴として、履歴番号1の会話文として「先月のA銀行の残高を教えて」であり、これに対してエンティティ値として、日付エンティティ(「先月」)、銀行名エンティティ(「A銀行」)、残高エンティティ(「残高」)、動作エンティティ(「教えて」)がそれぞれ紐付けられて記録されているものとする。
【0100】
今回のステップS12における自然言語解析されたテキストデータが履歴番号2に示す「B銀行は」であると仮定する。この場合、日付エンティティ、残高エンティティ、動作エンティティにおける各エンティティ値がそれぞれ不足となっており、銀行名エンティティのエンティティ値のみが充足されている状態となっている。
【0101】
かかる場合には、インテントについては、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承する。同様に、エンティティについては、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する。
【0102】
図5の例の場合、インテントについては、履歴番号1の残高照会インテントをそのまま継承する。同様に、エンティティについては、その不足している日付エンティティ、残高エンティティ、動作エンティティにおける各エンティティ値を履歴番号1のエンティティ値から継承する。その結果、充足している銀行エンティティ以外のエンティティ値として、日付エンティティ(「先月」)、残高エンティティ(「残高」)、動作エンティティ(「教えて」)を継承することができる。
【0103】
このようにして、ステップS16において、ステップS12における自然言語解析において抽出したエンティティ値及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、継承されたインテント及びエンティティの何れか一方又は両方を補足する。その結果、処理動作を規定するアクションを特定する上で必要なインテント及びエンティティを得ることができる。
【0104】
図5の例の場合、インテントとして、残高照会インテントを得ることができ、エンティティ値として、「先月」、「B銀行」、「残高」、「教えて」を得ることができる。その結果、必要なアクションの処理動作を特定することができる。
【0105】
次にステップS17へ移行する。ステップS17においては、ステップS16において特定したアクションの処理動作を実行する。図5の例の場合、新たに履歴番号2の「B銀行は?」というテキストデータを得ることにより、実際に、先月のB銀行の残高をユーザに通知するための各種処理動作が実行されることとなる。
【0106】
次にステップS18に移行し、会話履歴への追加登録を行う。かかる場合には、図5に示すように、履歴番号2のテキストデータ及びこれから取得されたインテント、エンティティ値の何れか一方又は両方に加え、上述した方法に基づいて継承し、捕捉したインテント、エンティティ値、アクションを紐付けて記録するようにしてもよい。但し、かかる方法に限定されるものではなく、追加登録するのは、あくまで履歴番号2のテキストデータ及びこれから取得されたインテント、エンティティ値の何れか一方又は両方のみとし、その他の継承したインテント、エンティティ値の何れか一方又は両方は、登録しなくてもよい。かかる場合であっても、履歴番号2から更に履歴番号1に時系列的にさかのぼることで必要なインテントやエンティティ値を取得することができるためである。
【0107】
ステップS19に移行した場合、上述した検索結果出力手段41を通じて検索結果を表示し、フローが終了となる。
【0108】
このようにして、ステップS18において追加登録をすることにより、次回以降の自然言語解析時において、これを活用することができる。
【0109】
例えば次回受け付けたテキストデータを自然言語解析した結果、図5に示すように、履歴番号3の「今月は」である場合、ステップS13において、これのみではエンティティ値、インテントを共に特定できない状況であるため、ステップS15に移行し、会話履歴を取得する。ステップS16におけるインテント、エンティティを継承する場合には、日付エンティティとしての「今月は」以外の、銀行名エンティティ、残高エンティティ、動作エンティティの各エンティティ値が不足しており、またインテントが特定できていない状況であることから、これらを以前の会話履歴から継承する。かかる場合には、時系列的により新しいものから継承する。
【0110】
履歴番号3に対して最も時系列的により新しいのは、履歴番号2になる。この履歴番号2におけるインテントは残高照会であり、銀行名エンティティのエンティティ値は、「B銀行」であり、残高エンティティのエンティティ値は、「残高」であり、動作エンティティのエンティティ値は、「教えて」である。インテントが特定できない場合、またエンティティ値が不足している場合には、より新しい履歴番号2から継承する。
【0111】
特に通常の日常会話において、このような「先月のA銀行の残高を教えて」の後に、「B銀行は?」のように単発な動詞や名詞句のみで意思疎通を図る場合は、通常は直近の会話の内容を継承している場合が殆どであり、時系列的にそれよりも前の会話の内容を継承することは殆どない。このため、本発明においては、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承し、また既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承することで、より日常会話に近い状態で各種処理動作を実行させることが可能となる。
【0112】
このため、本発明によれば、文書又は会話文から取得したテキストデータに基づいて各種処理動作を自動的に実行させる上で、単に動詞や名詞(名詞句)、格成分のみを取得するのみで、今までの会話の経緯を以って処理動作を特定することが可能となる。
【0113】
なお、本発明においては、エンティティとインテントの継承関係に応じて以下に説明する4つの類型に分類することができる。
【0114】
図6は、インテントもエンティティも継承しない類型である。以下の例においては、履歴番号1に示すテキストデータ「先月のA銀行の残高教えて」に応じたインテント、エンティティ値、アクションが既に会話履歴として記録されている場合を想定する。かかる場合において新たにS12において、「前年度の貸借対照表を見せて?」という文言を自然言語解析したものとする。かかる場合は、何れもステップS13においてエンティティ値(日付エンティティとしての「前年度」、貸借対照表エンティティとしての「貸借対照表」、動作エンティティとしての「見せて」)とインテント(貸借対照表インテント)が特定できるものとなるため、ステップS14に移行する。
【0115】
ステップS14に移行した場合には、これら特定したインテントとエンティティ値に基づいて、アクション(action#reports#trial#bs)を特定する。
【0116】
図7は、インテントも継承し、エンティティも継承する類型である。新たにS12において、「B銀行は」という文言を自然言語解析したものとする。かかる場合は、ステップS13において全てのエンティティ、インテントが共に特定できないので、ステップS15に移行する。ステップS15に移行した場合には、会話履歴として履歴番号1を取得し、ステップS16において必要なインテント、エンティティを継承する。図7の例の場合、「B銀行は」を自然言語解析した結果、銀行名エンティティのみは特定できるが、それ以外の日付エンティティ、残高エンティティ、動作エンティティは特定できないため、これを履歴番号1の会話履歴から継承する。またインテントも同様に特定できないため、履歴番号1の会話履歴から継承する。その結果、インテントとして、残高照会インテントを得ることができ、エンティティ値として、「先月」、「B銀行」、「残高」、「教えて」を得ることができる。その結果、必要なアクションの処理動作を特定することができる。
【0117】
図8は、インテントを継承し、エンティティは継承しない類型である。新たにS12において、「今月のB銀行は」という文言を自然言語解析したものとする。かかる場合は、ステップS13においてエンティティは特定できるものの、インテントが共に特定できないので、ステップS15に移行する。ステップS15に移行した場合には、会話履歴として履歴番号1を取得し、ステップS16において必要なエンティティを継承する。図8の例の場合、「今月のB銀行は」を自然言語解析した結果、日付エンティティ、銀行名エンティティは特定できるので、これらのエンティティについては特段継承することは行わない。それ以外の残高エンティティ、動作エンティティは、インテントを構成するものであることから、エンティティの継承の判断の対象外となる。
【0118】
またインテントは特定できないため、履歴番号1の会話履歴から継承する。その結果、インテントとして、残高照会インテントを得ることができ、エンティティ値として、「今月」、「B銀行」、「残高」、「教えて」を得ることができる。その結果、必要なアクションの処理動作を特定することができる。
【0119】
図9は、インテントは継承せず、エンティティを継承する類型である。新たにS12において、「収支を教えて」という文言を自然言語解析したものとする。かかる場合は、ステップS13において全てのエンティティが特定できないので、ステップS15に移行する。ステップS15に移行した場合には、会話履歴として履歴番号1を取得し、ステップS16において必要なエンティティを継承する。図9の例の場合、「収支を教えて」を自然言語解析した結果、インテントは「収支を教えて」という文言から、収支照会インテントを得ることができる。日付エンティティ、銀行エンティティは特定できないものであるから、履歴番号1の会話履歴から継承する。収支(残高)エンティティ、動作エンティティは、インテントを構成するものであることから、エンティティの継承の判断の対象外となる。
【0120】
なお、上述した実施の形態では、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承し、また既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する場合を例に挙げて説明した。ここでいう時系列的により新しいものとは、必ずしも直近の処理動作を実行させたテキストデータのインテントとエンティティ値を継承するという意味ではない。仮に直近の処理動作を実行させたテキストデータにおいて継承可能なインテント又はエンティティ値が存在しない場合、時系列的にその前の処理動作を実行させたテキストデータのインテントとエンティティ値を継承する。更に当該その前の処理動作を実行させたテキストデータにおいて継承可能なインテント又はエンティティ値が存在しない場合、時系列的に更にその前の処理動作を実行させたテキストデータのインテントとエンティティ値を継承する。このようにして継承可能なインテント又はエンティティ値が存在しない場合、時系列的にさかのぼり、継承することになる。但し、継承可能なインテント、又はエンティティが複数の時系列において存在する場合には、時系列的により新しいインテント、又はエンティティを優先して承継する。
【0121】
このため、本発明において、時系列的により新しいものとは、必ずしも直近の処理動作を実行させたテキストデータのインテントとエンティティ値を継承する場合に限定されるものではなく、以前において処理動作を実行させた全てのテキストデータのインテントとエンティティ値が、その継承対象の候補になりえるといえる。
【0122】
一方、本発明においては、直前に実行された処理動作を実行させたテキストデータのみのインテントとエンティティ値を継承するものであってもよい。かかる場合には、直前に実行された処理動作を特定する上で必要な上記インテント、上記エンティティ値を都度登録しておく。図5の例の場合、履歴番号2において「B銀行は」というテキストデータを自然言語解析した場合、時系列的に直近の履歴番号1のインテント、エンティティ値を予め登録しておき、これのみからインテント、エンティティ値を継承する。同様に、履歴番号3において「今月は」というテキストデータを自然言語解析した場合、時系列的に直近の履歴番号2のインテント、エンティティ値を予め登録しておき、これのみからインテント、エンティティ値を継承する。かかる場合も同様に、インテント及びエンティティ値の双方を継承してもよいが、不足しているインテント又はエンティティ値の何れかを継承するものであってもよい。
【0123】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、図10に示すように、人工知能による学習データを利用するようにしてもよい。入力は、自然言語解析により抽出されたエンティティ値及びインテントの何れか一方又は両方とし、出力が、継承するためのエンティティ値及び/又は継承するためのインテントとした学習データとする。つまり図5の例の場合、履歴番号2においてテキストデータを自然言語解析し、継承すべきインテント及びエンティティの何れか一方又は両方を特定する場合に、この学習データを利用する。学習データは、まさに履歴番号2に示すテキストデータのように動詞や名詞(名詞句)、格成分のみのような単語が入力データとして、また出力データは履歴番号1に示すようなインテント(残高照会インテント等)や、各エンティティ(日付エンティティ、銀行名エンティティ、残高エンティティ等)等のような、いわゆる継承するためのエンティティ値及び継承するためのインテントが予め学習されている。
【0124】
このような学習データを利用することにより、新たに上記自然言語解析手段により抽出されたエンティティ値及びインテントの何れか一方又は両方が入力された場合に、上述した学習データを通じて、継承すべき上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を特定することが可能となる。
【0125】
第2実施形態
以下、本発明を適用した第2実施形態について、説明をする。この第2実施形態では、上述した第1実施形態において説明した処理動作支援装置100をそのまま適用する。
【0126】
第2実施形態においては、音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付けた後、自然言語解析を行う段階で、先ず第1学習データを活用する。
【0127】
図11は、この第1学習データを示している。この第1学習データは、入力がテキストデータであり、出力がエンティティ及び/又はインテントとなっている。つまり自然言語解析の過程で、この第1学習データを利用することにより、音声又は入力端末を介して入力が受け付けられたテキストデータがいかなるエンティティに属するのか、またいかなるインテントに属するのか、或いはいかなるエンティティ及びインテントに属するのかを判別することができる。第1学習データでは、このような判別が可能なように、予め各テキストデータに対するエンティティ及び/又はインテントの組み合わせを学習させておくことにより学習データを蓄積しておくことで、これを活用することができる。
【0128】
例えば図12に示す履歴番号2-1のように「残高教えて」であれば、これに対応する残高エンティティを第1学習データにおいて学習させておき、また残高インテントを学習させておくことで、新たに取得したテキストデータが「残高教えて」であれば、この第1学習データから、残高エンティティ、残高インテントを判別することができる。また、「A銀行の残高教えて」であれば、新たに「A銀行」が銀行エンティティであることを第1学習データにおいて学習させておくことで、新たに取得したテキストデータが「A銀行」が含まれていれば、この第1学習データから銀行エンティティを判別することができる。また「先月のA銀行の残高教えて」であれば、新たに「先月の」が日付エンティティであることを第1学習データにおいて学習させておくことで、新たに取得したテキストデータが「先月の」が含まれていれば、この第1学習データから日付エンティティを判別することができる。
【0129】
このように、自然言語解析において上述した第1学習データを通じて、入力されたテキストデータからエンティティ(エンティティ値)又はインテントを特定できれば、その後は、この特定した情報に基づいてアクションを実行することができる。
【0130】
一方で、この自然言語解析の結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合がある。
【0131】
例えば図12に示す履歴番号2-2のように「先月は?」、「今月は?」等のように動詞が無く、動詞に係り受けする格成分のみのテキストデータの入力を受け付ける場合がある。かかる場合には、上述した第1学習データのみでは、特にインテントを導くことができない結果、処理動作を特定できない。
【0132】
かかる場合には、図13に示すカンバゼーションルールを参照する。このカンバゼーションルールは、インテント名、及びこれに対応する処理動作のアクション名が互いに紐付けて記録されている。そして、インテント名とアクション名に加え、更にフォローアップが紐付けて記憶されている。このフォローアップは、エンティティの種類が含まれている。このため、インテント名とアクション名とフォローアップにおけるエンティティがそれぞれ紐付けられることとなる。
【0133】
このフォローアップに含まれるエンティティが判別された場合、これに紐付けられるインテント及び処理動作のアクション名は、時系列的により新しいものから継承する。例えば、「先月は?」、「今月は?」は、第1学習データを通じて日付エンティティであることは特定されるがインテントが特定されない。かかる場合には、カンバゼーションルールを参照する。その結果、フォローアップ内における日付エンティティは、それぞれ残高インテント(残高照会アクション)、収支インテント(収支照会アクション)に紐付いている。かかる場合には、インテント及び処理動作のアクション名につき、時系列的により新しいものから継承する。仮に時系列的により新しいものが残高インテント(残高照会アクション)であればこれを継承し、仮に時系列的により新しいものが収支インテント(収支照会アクション)であればこれを継承することとなる。
【0134】
また例えば図12に示す履歴番号2-3のように「A銀行教えて」、「B銀行教えて」、「C銀行教えて」は、第1学習データを通じて銀行エンティティであることは特定されるがインテントが特定されない。かかる場合には、カンバゼーションルールを参照する。その結果、フォローアップ内における銀行エンティティは、それぞれ残高インテント(残高照会アクション)、収支インテント(収支照会アクション)に紐付いている。かかる場合には、インテント及び処理動作のアクション名につき、時系列的により新しいものから継承する。仮に時系列的により新しいものが残高インテント(残高照会アクション)であればこれを継承し、仮に時系列的により新しいものが収支インテント(収支照会アクション)であればこれを継承することとなる。
【0135】
このように本発明では、自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、カンバゼーションルールを参照する。そして、そのカンバゼーションルールにおけるフォローアップに、特定したエンティティが含まれている場合、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承する。
【0136】
改めて、この第2実施形態の動作例を順に説明をする。
【0137】
先ず図14における履歴番号4-1に示すように会話文として「先月のA銀行の残高教えて」からなるテキストデータが入力された場合、第1学習データに基づいて、残高インテント及びこれに紐付く残高照会アクションが特定され、エンティティについても日付エンティティ(エンティティ値:先月)、銀行エンティティ(エンティティ値:A銀行)、残高エンティティ(エンティティ値:残高)がそれぞれ特定される。これらの会話文、インテント、アクション、エンティティ、エンティティ値は、トラッカーに履歴として記録される。また、エンティティ履歴のみを更新するスロットには、最新のエンティティ、エンティティ値が記録されるが、上述した日付エンティティ(エンティティ値:先月)、銀行エンティティ(エンティティ値:A銀行)、残高エンティティ(エンティティ値:残高)が新たに記録されることとなる。
【0138】
次に履歴番号4-2に示すように、「今月は?」というテキストデータが入力された場合、第1学習データに基づいて、日付エンティティが探索され、またエンティティ値として「今月」が特定されるが、この入力されたテキストデータのみからはインテントが特定できない。かかる場合には、カンバゼーションルールを参照し、フォローアップ内における日付エンティティは、残高インテント(残高照会アクション)に紐付いている。この紐付いている残高インテント(残高照会アクション)は、時系列的により新しいインテントでもあることから、この履歴番号4-2については、時系列的により新しい残高インテント(残高照会アクション)を継承することとなる。
【0139】
このような履歴番号4-2における会話文、インテント、アクション、エンティティ、エンティティ値はトラッカーに記録され、今後の学習データの一部として活用することができる。また、探索された日付エンティティにおけるエンティティ値として「今月」が新たにスロットにおいて更新される。そして、この更新されたスロットに基づいて、エンティティを補い、実際のアクションを実行する。つまり、履歴番号4-2における会話文は、銀行エンティティのエンティティ値に相当するテキストデータのみ入力を受け付けているが、残りの銀行エンティティ、残高エンティティに相当するテキストデータの入力は受け付けていない。一方で残りの銀行エンティティ、残高エンティティが不明では実際の処理動作を実行することができない。かかる場合には、このスロットに記録されているエンティティの各エンティティ値をそのまま利用する。このスロットに記録されているエンティティ値は、順次最新のものが更新されることになるので、エンティティ値が不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承していることに他ならない。
【0140】
次に図15に示す履歴番号4-3のように、会話文として新たに「貸借対照表を見せて」というテキストデータが入力された場合、第1学習データに基づいて、貸借対照表エンティティが探索され、エンティティ値として「貸借対照表」が特定される。また、このテキストデータから意図も明確になっていることから、同様に第1学習データに基づいて、貸借対照表インテントが特定されることとなる。これらの履歴番号4-3のデータについても同様にトラッカーに記録すると共に、スロットにおいて新たに貸借対照表エンティティを増やし、これに対するエンティティ値としての「貸借対照表」を記録する。
【0141】
この履歴番号4-3の処理動作を実行する際には、第1学習データに基づいて特定した貸借対照表インテントに加え、スロットに記録されている最新のエンティティ値に基づき、不足したエンティティ値を、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承して行うこととなる。
【0142】
次に図15に示す履歴番号4-4のように、会話文として新たに「B銀行教えて」というテキストデータが入力された場合、第1学習データに基づいて、銀行エンティティは特定でき、「B銀行」というエンティティ値を取得するので、これを同様にスロットに更新する。一方で「教えて」のみからでは、具体的な意図が特定できないことから、第1学習データのみからではインテントを特定できない。
【0143】
このため、カンバゼーションルールを参照することとなるが、図11に示すカンバゼーションルールには、フォローアップに銀行エンティティが存在するもののこれに紐付けられているインテントは、収支インテント、残高インテントのみである。貸借対照表インテント(貸借対照表照会アクション)についてはフォローアップに紐付けられているエンティティは、このカンバゼーションルールには登録されていない。
【0144】
このように、新たに特定したエンティティ(エンティティ値)が、直近のインテント紐付けられているフォローアップに紐付けられていない場合には、時系列的により新しいインテントを継承するのではなく、第2学習データを利用する。
【0145】
図16は、第2学習データを示している。この第2学習データは、入力がテキストデータ、又はそのテキストデータから探索されたエンティティ値であり、出力はインテントからなる。第2学習データには、テキストデータ「B銀行」等以外に、テキストデータから探索されたエンティティ値として、例えば日付エンティティの「今月」、残高エンティティの「残高」、貸借対照表エンティティの「貸借対照表」等、入力されたテキストデータ、又はそこから導かれたエンティティ値が入力データとなっており、出力データはインテントとなっている。この第2学習データは、既に入力されたテキストデータ以外に、そこから導かれた、又は導かれる可能性のあるエンティティ値が入力データとなり、出力データがインテントに特化したものを学習させている点において、上述した第1学習データと相違する。
【0146】
このような第2学習データを利用し、「B銀行」という入力テキストデータに加えて、スロットに格納されている更新がなされた最新の日付エンティティ(今月)、銀行エンティティ(A銀行)、残高エンティティ(残高)、貸借対照表エンティティ(貸借対照表)を入力し、出力データとして、残高照会インテントが出力されたものとする。その場合は、残高照会インテントがこの履歴番号4-4において特定され、これに応じたアクションとして残高照会アクションが採用されることとなる。これらの履歴番号4-4のデータについても同様にトラッカーに記録すると共に、スロットにおいて新たに銀行エンティティにつき、「A銀行」から「B銀行」に更新する。
【0147】
次に図17に示す履歴番号4-5のように、新たに「収支教えて」というテキストデータが入力された場合、第1学習データに基づいて、収支エンティティが探索され、またエンティティ値として「収支」が特定され、またこの第1学習データから収支インテントが探索される。また残りのエンティティを補う上では、更新された最新のスロットを参照し、日付エンティティ(今月)、銀行エンティティ(B銀行)等のエンティティの各エンティティ値をそのまま利用する。このスロットに記録されているエンティティ値は、順次最新のものが更新されることになるので、エンティティ値が不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する。これにより、エンティティ値を補うことができ、意図している所望のアクションが実行されることとなる。この履歴番号4-5は、第1学習データを通じてインテント及び入力されたテキストデータのエンティティ(エンティティ値)は特定できたが、それ以外のエンティティ値が不足しているため、これを時系列的に新しいモノから継承するパターンである。この履歴番号4-5のデータについても同様にトラッカーに記録すると共に、スロットにおいて新たに収支エンティティを増やし、これに対するエンティティ値としての「収支」を記録する。
【0148】
第2実施形態は、上述した例に示す処理動作を継続的に行っていくこととなる。第2実施形態では、第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、アクションとしての処理動作を特定できない場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承し、エンティティ値が不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する。このとき、カンバゼーションルールに基づき、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承するか、第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定する。このため、本発明によれば、文書又は会話文から取得したテキストデータに基づいて各種処理動作を自動的に実行させる上で、単に動詞や名詞(名詞句)、格成分のみを取得するのみで、今までの会話の経緯を以って処理動作を特定することが可能となる。
【0149】
なお、本発明によればカンバゼーションルールについて学習データで構成するようにしてもよい。図13に示すカンバゼーションルールは、インテント名、アクション名、フォローアップが互いに紐付けられたテンプレートで構成しているが、これらを学習データで構成する。即ち、入力として、インテント名又はアクション名とし、出力として、フォローアップ中のエンティティ(エンティティ値)としたデータを学習させておくことで、新たに対応するインテント名又はアクション名が入力された場合に、人工知能によりフォローアップを探索することで、その紐付けられているエンティティ(エンティティ値)を判別することができる。その結果、既に処理動作を実行させたテキストデータのインテントを時系列的により新しいものから継承するか、第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定するかのプロセスを決定することができる。
【0150】
逆に入力として、フォローアップ中のエンティティ(エンティティ値)とし、出力として、インテント名又はアクション名としたデータを学習させておくことで、新たにテキストデータから取得したエンティティ(エンティティ値)から、上述したプロセスを決定できる。
【符号の説明】
【0151】
1 基本情報部
2 受付部
3 処理部
4 出力部
12 インテント情報部
13 API情報部
15 エンティティ情報部
21 会話文受付手段
31 インテント決定手段
33 エンティティ取得手段
34 パラメータ取得部
35 情報取得手段
36 APIパラメータセット手段
37 検索結果取得手段
41 検索結果出力手段
53 文字列受付手段
100 処理動作支援装置
211 音声受付手段
212 音声認識手段
213 文字列受付手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付手段と、
上記テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付手段により受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析手段と、
上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、インテントを特定できない場合には、インテントに対してエンティティ値の種類が含まれるフォローアップが互いに紐付けられたカンバセーションルールを参照し、特定したエンティティ値が当該フォローアップに含まれている場合には、これに紐付けられるインテントを時系列的により新しいものから継承し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承手段と、
上記自然言語解析手段により探索された上記エンティティ値及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承手段により継承された上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行手段とを備えること
を特徴とする処理動作支援装置。
【請求項2】
上記継承手段は、上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、インテントを特定できない場合には、時系列的により新しいインテントを継承する代わりに入力がテキストデータ又はそのテキストデータから探索されたエンティティ値であり、出力がインテントからなる第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定すること
を特徴とする請求項1記載の処理動作支援装置。
【請求項3】
音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付手段と、
上記テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付手段により受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析手段と、
上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、インテントを特定できない場合には、入力がテキストデータ又はそのテキストデータから探索されたエンティティであり、出力がインテントからなる人工知能による第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承手段と、
上記自然言語解析手段により探索された上記エンティティ及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承手段により継承された上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行手段とを備えること
を特徴とする処理動作支援装置。
【請求項4】
音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付ステップと、
上記テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付ステップにおいて受け付けたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析ステップと、
上記自然言語解析ステップにおいて、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、インテントとしての処理動作を特定できない場合には、インテントに対してエンティティ値の種類が含まれるフォローアップが互いに紐付けられたカンバセーションルールを参照し、特定したエンティティ値が当該フォローアップに含まれている場合には、これに紐付けられるインテントを時系列的により新しいものから継承し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承ステップと、
上記自然言語解析ステップにおいて探索した上記エンティティ値及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承ステップにおいて継承した上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行ステップとを有すること
を特徴とする処理動作支援方法。
【請求項5】
音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付ステップと、
上記テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付ステップにおいて受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティの何れか一方又は両方を探索する自然言語解析ステップと、
上記自然言語解析ステップにおいて、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ及び/又はインテントとした第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、インテントを特定できない場合には、入力がテキストデータ又はそのテキストデータから探索されたエンティティであり、出力がインテントからなる人工知能による第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定し、エンティティが不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承ステップと、
上記自然言語解析ステップにおいて探索した上記エンティティ及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承ステップにおいて継承した上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行ステップとを有すること
を特徴とする処理動作支援方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明に係る処理動作支援装置は、音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付手段と、上記テキストデータを入力とし、出力がエンティティ値及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付手段により受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を探索する自然言語解析手段と、上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ値及び/又はインテントとした第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、インテントを特定できない場合には、インテントに対してエンティティ値の種類が含まれるフォローアップが互いに紐付けられたカンバセーションルールを参照し、特定したエンティティ値が当該フォローアップに含まれている場合には、これに紐付けられるインテントを時系列的により新しいものから継承し、エンティティ値が不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承手段と、上記自然言語解析手段により探索された上記エンティティ値及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承手段により継承された上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係る処理動作支援装置は、音声又は入力端末を介してテキストデータの入力を受け付ける受付手段と、上記テキストデータを入力とし、出力がエンティティ値及び/又はインテントとした人工知能による第1学習データを参照して上記受付手段により受け付けられたテキストデータを自然言語解析することにより、上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を探索する自然言語解析手段と、上記自然言語解析手段により、テキストデータを入力とし、出力がエンティティ値及び/又はインテントとした第1学習データを参照することによる自然言語解析した結果、インテントを特定できない場合には、入力がテキストデータ又はそのテキストデータから探索されたエンティティであり、出力がインテントからなる人工知能による第2学習データを参照することにより、継承すべきインテントを特定し、エンティティ値が不足している場合には、既に処理動作を実行させたテキストデータのエンティティ値を時系列的により新しいものから継承する継承手段と、上記自然言語解析手段により探索された上記エンティティ値及び上記インテントの何れか一方又は両方に加え、上記継承手段により継承された上記インテント及び上記エンティティ値の何れか一方又は両方を補足することにより特定される処理動作を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。