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▶ ハーレー−ダビッドソン・モーター・カンパニー・グループ・エルエルシーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083244
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】マルチマテリアルサポートパッド
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/12 20060101AFI20230608BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20230608BHJP
   B60N 2/40 20060101ALI20230608BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20230608BHJP
【FI】
B62J1/12 A
A47C27/00 Z
A47C27/00 A
A47C27/00 D
B60N2/40
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022191041
(22)【出願日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】17/541,840
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595179505
【氏名又は名称】ハーレー-ダビッドソン・モーター・カンパニー・グループ・エルエルシー
【住所又は居所原語表記】3700 West Juneau Avenue,Milwaukee,Wisconsin 53208,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ラックジョーン ケネス ジー.
(72)【発明者】
【氏名】カレン ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】ジーベル リック
【テーマコード(参考)】
3B087
3B096
【Fターム(参考)】
3B087CC18
3B087DE10
3B096AB04
3B096AD01
3B096AD08
(57)【要約】
【課題】車両シートを提供する。
【解決手段】車両シートは、シートベース、シートベースによって支持されたシートフォーム、及びシートベースとシートフォームの少なくとも一部との間に位置するサポートパッドを含む。サポートパッドが、第1の材料と第2の材料の組み合わせで形成されている。
シートカバーが、サポートパッドとシートフォームを覆う。第1の材料は、第1の回復ヒステリシスを有し、第2の材料は、第1の回復ヒステリシスより小さい第2の回復ヒステリシスを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベース;
前記シートベースによって支持されたシートフォーム;
前記シートベースと前記シートフォームの少なくとも一部の間に位置するサポートパッドであって、前記サポートパッドは第1の材料と第2の材料の組み合わせで形成される、サポートパッド;及び
前記サポートパッドと前記シートフォームを覆うシートカバー;を有し、
前記第1の材料は第1の回復ヒステリシスを有し、前記第2の材料は前記第1の回復ヒステリシスより小さい第2の回復ヒステリシスを有する、
車両シート。
【請求項2】
前記シートフォームは、前記サポートパッドを受けるために中に画定された空洞を含む、
請求項1に記載の車両シート。
【請求項3】
前記シートフォームは、上側に運転者サポート領域を規定し、前記空洞は、前記運転者サポート領域と反対側の下側に位置する、
請求項2に記載の車両シート。
【請求項4】
前記第1の回復ヒステリシスは、3から10%の範囲にあり、第2の回復ヒステリシスは1から5%の範囲にある、
請求項1に記載の車両シート。
【請求項5】
前記第1の材料は、第1の弾性係数限界を有し、前記第2の材料は、第2の弾性係数限界を有し、前記第1の弾性係数限界は前記第2の弾性係数限界より小さい、
請求項1に記載の車両シート。
【請求項6】
前記第1の弾性係数限界は25%未満であり、前記第2の弾性係数限界は50%未満である、
請求項5に記載の車両シート。
【請求項7】
前記第1の材料は、前記サポートパッドの骨格を提供するエラストマーであり、前記サポートパッドの前記第2の材料は、前記骨格上のオーバーモールド部として提供されるゲルである、
請求項1に記載の車両シート。
【請求項8】
前記ゲルは、チキソトロピックであり、無機充填剤と組み合わせた液体ポリマーに基づく、
請求項7に記載の車両シート。
【請求項9】
前記骨格は、ボディ部分と、前記ボディ部分から延びる複数の壁部分とを含み、前記複数の壁部分は、チャネルのネットワークを有する繰り返しパターンを定める、
請求項7に記載の車両シート。
【請求項10】
前記オーバーモールド部は、前記チャネルのネットワーク内にカプセル化されている、
請求項9に記載の車両シート。
【請求項11】
前記オーバーモールド部は、前記骨格の前記ボディ部分の少なくとも一部の上にある、
請求項9に記載の車両シート。
【請求項12】
前記シートは、サドル型構造を有する、
請求項1に記載の車両シート。
【請求項13】
シートベース;
前記シートベースによって支持されたシートフォーム;
前記シートベースと前記シートフォームの少なくとも一部の間に位置するサポートパッドであって、前記サポートパッドは:
エラストマー骨格;及び
前記エラストマー骨格上のゲルオーバーモールド部;を含む、
サポートパッド;及び
前記サポートパッドと前記シートフォームを覆うシートカバー;を有する、
車両シート。
【請求項14】
前記シートフォームは、前記サポートパッドを受けるために中に画定された空洞を含む、
請求項13に記載の車両シート。
【請求項15】
前記シートフォームは、上側に運転者サポート領域を規定し、前記空洞は、前記運転者サポート領域と反対側の下側に位置する、
請求項14に記載の車両シート。
【請求項16】
前記エラストマー骨格は、第1の回復ヒステリシスを有し、前記ゲルオーバーモールド部は、前記第1の回復ヒステリシスより小さい第2の回復ヒステリシスを有する、
請求項13に記載の車両シート。
【請求項17】
前記エラストマー骨格は、ボディ部分と、前記ボディ部分から延びる複数の壁部分とを含み、前記複数の壁部分は、チャネルのネットワークを有する繰り返しパターンを定める、
請求項13に記載の車両シート。
【請求項18】
前記シートがサドル型構造を有する、
請求項13に記載の車両シート。
【請求項19】
車両のシートを組み立てる方法であって、前記方法は:
シートベースを設けること;
前記シートベースによって支持されるシートフォームを設けること;
エラストマー骨格のサポートパッドと前記骨格上のゲルオーバーモールド部を形成すること;
前記シートベースと前記シートフォームの少なくとも一部との間に前記サポートパッドを配置すること;及び
前記サポートパッドと前記シートベースへの前記シートフォームをシートカバーで覆うこと;を含む、
方法。
【請求項20】
前記シートフォームに形成された空洞内に前記サポートパッドを配置することをさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
シート、フットサポート、グリップなどの車両の部分は、車両(例えば、オートバイ(motorcycle)、全地形対応車など)の運転者のタッチポイント(touch point)を定義することができる。シートの場合、通常はフォーム(foam)が主成分として使用される。長時間の使用又は長時間の旅行中には、シートフォームが、乗車条件に応じて圧縮され、元の形状に戻るまでに長い時間がかかる場合がある。圧縮されると、材料の衝撃吸収特性が損なわれる。
【発明の概要】
【0002】
1つの態様では、本発明は、シートベース、シートベースによって支持されたシートフォーム、シートベースとシートフォームの少なくとも一部との間に位置するサポートパッド、第1の材料と第2の材料の組み合わせで形成されているサポートパッド、及びサポートパッドとシートフォームを覆うシートカバーを含む車両シートを提供する。第1の材料は、第1の回復ヒステリシスを有し、第2の材料は第1の回復ヒステリシスより小さい第2の回復ヒステリシスを有する。
【0003】
別の態様では、本発明は、シートベース、シートベースによって支持されたシートフォーム、シートベースとシートフォームの少なくとも一部との間に位置するサポートパッドを含む車両シートを提供する。サポートパッドは、エラストマー骨格、及びエラストマー骨格上のゲルオーバーモールド部を含む。シートカバーが、サポートパッド及びシートフォームを覆う。
【0004】
別の態様では、本発明は車両のためのシートを組み立てる方法を提供する。方法は、シートベースを設けること(providing(提供すること))、シートベースによって支持されるシートフォームを設けること、エラストマー骨格のサポートパッドと骨格上のゲル状オーバーモールド部を形成すること、シートベースとシートフォームの少なくとも一部との間にサポートパッドを配置すること、及びシートカバーでサポートパッドとシートベースへのシートフォームを覆うことを含む。
【0005】
本発明の他の態様は、詳細な説明及び添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態による車両用シートの斜視図である。
【0007】
図2図1の線2-2に関するシートの断面図である。
【0008】
図3図1のシートの斜視、分解図である。
【0009】
図4図1のシートのサポートパッドの斜視図である。
【0010】
図5図4のサポートパッドの一部の斜視分離図である。
【0011】
図6】本発明の別の実施形態によるサポートパッドの一部の斜視分離図である。
【0012】
図7】本発明の別の実施形態によるサポートパッドの一部の斜視分離図である。
【0013】
図8】本発明の別の実施形態によるサポートパッドの一部の斜視分離図である。
【0014】
図9】本発明の別の実施形態によるサポートパッドの一部の斜視分離図である。
【0015】
図10】本発明の一実施形態によるオートバイの斜視図である。
【0016】
図11】本発明の一実施形態によるライダーウェアラブルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明又は添付の図面に示されたコンポーネントの構成及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0018】
図1~3は、オートバイ(motorcycle)などの車両のシート10を示している。図示された実施形態では、シート10はサドル形状ジオメトリ(saddle-shaped geometry)を有し、運転者は、車両を運転する際にこれに跨る。図2及び図3に示すように、シート10は、シートベース14、シートベース14に支持されたシートフォーム(seat foam)18、シートベース14とシートフォーム18の少なくとも一部との間に位置するサポートパッド22、及びサポートパッド22とシートフォーム18をシートベース14に固定するためにサポートパッド22とシートフォーム18を覆うシートカバー26を含む。シートベース14は、ポリプロピレンプラスチックなどの剛性材料で形成され得、車両(例えば、オートバイなど)に固定され得る。シートベース14はまた、ベース14に形成された1つ以上の開口部(示されていない)を含む(例えば、切り抜き、成型などとして)。開口部は、シート10にクライメイトコントロール(climate control)を提供するために冷却装置(例えば、シートエアコン)と連通し得る。ここで詳細に説明されているシート10は、スクーター、自転車、全地形対応車などのような他の車両に使用され得ることを認識すべきである。特徴は自動車等に適応し得る。
【0019】
引き続き図2及び図3を参照すると、シートフォーム18は、シートベース14によって支持されるように成形されている(例えば、対応するサドル形状ジオメトリを有する)。シートフォーム18は、車両に着座したときに運転者(例えば、運転者の全重量又は重量の過半数)が支持され得る上面(top side(上側))の運転者サポート領域34を画定する。シートフォーム18はまた、サポートパッド22を受けるようにサイズ決めされた内部空洞38(図3)を画定する。図示された実施形態では、内部空洞38は、運転者サポート領域34の反対側の底側に配置される。シートフォーム18は、オープンセルポリウレタンフォーム、クローズドセルポリウレタンフォームなどで形成され得る。
【0020】
サポートパッド22は、サポートパッド22が運転者サポート領域34のすべて又は大部分の下に配置されるように、内部空洞38内に配置される。他の実施形態では、サポートパッド22は、シートベース14全体に対応し、それを覆うジオメトリ(形状)を有し得る。サポートパッド22はまた、シートベース14に形成された凹部44と選択的に係合する固定突出部40を含み、これはシートベース14に対するサポートパッド22の移動を防止する。他の実施形態では、シートベース14は、サポートパッド22の凹部と係合する突出部を含み得る。言い換えれば、シートベース14又はサポートパッド22の一方は固定突出部を含み、シートベース14又はサポートパッド22の他方は固定突出部を受けるための凹部を含む。
【0021】
シートカバー26は、シートフォーム18の上面を囲み、シートフォーム18とサポートパッド22をシートベース14に固定するためにシートベース14に固定される。シートカバーは、ビニール、革などで形成され得る。シートカバー26は、シートフォーム18及びサポートパッド22をシートベース14から取り外すことができるように、シートベース14に取り外し可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、シートフォーム18及びサポートパッド22は、交換用シートフォーム及び/又は交換用サポートパッドに交換され得る。他の実施形態では、代替シートアセンブリが、サポートパッド22を含めて後付けされ得る。例えば、サポートパッド22は、シートベースと代替シートアセンブリのシートフォームとの間に配置され得る。
【0022】
以下に詳述するように、シート10の構造は、車両の運転中に運転者に提供されるサポートを改善する。使用中、シートに圧縮荷重による応力が課される場合、材料は、すぐに反応しない又は元の形状に戻らない。圧縮荷重を除去すると、通常、シートの材料は元の状態に回復しますが、ゆっくりであり、不完全である。圧縮荷重が除去された後の初期形状寸法に対する最終形状寸法の時間に対する比率を、ここではコンプライアンス回復(compliance recovery)、又はクリープ回復(creep recovery)と呼ぶことができる。ここでは回復ヒステリシス((recovery hysteresis)として定義されているこれらの式の逆パーセント項を使用することが望ましい。回復ヒステリシスは、荷重が除去した後の初期形状寸法に対する、初期形状寸法マイナス最終形状寸法の時間に対する比率として表すことができる。たとえば、コンプライアンス回復とクリープ回復は、回復ヒステリシスに逆のパーセンテージ(reverse percentage)(1-x)によって関連付けられ、xは回復ヒステリシス比(recovery hysteresis ratio)である。
【0023】
典型的には、回復ヒステリシスが高いほど、運転者が着座したときのシートのクッション性が高くなる又は剛性が低くなる。図示の車両シート10では、シート10の構造は、所望のシートクッション性を犠牲にせず、運転者が着座したときに他の車両シートと比較して剛性が低い、低いシート回復ヒステリシスを作る。しかし、回復ヒステリシスを大きくすることはまた、材料が元の形状を得るための回復時間を増加させる。さらに、シート10の構造は、他の車両のシートと比較して、シートの設計された形状をよりよく維持する低いシート回復ヒステリシスを備えた速いシート回復時間を有する。また、車両のシートが受ける環境条件を考慮することも重要である。寒い天気や暑い天気では、さまざまな気象条件にさらされる車両シートは、快適性と低い回復ヒステリシスで運転者をサポートしなければならない。図示された車両シート10では、サポートパッド22の材料は、寒い天気での性能を提供するために低いガラス転移温度(例えば、最も寒い気象条件よりも低い)を有する。加えて、サポートパッド22の材料はまた、暖かい天気での軟化に耐えることができる高温材料を有し、これは、性能の安定性を提供する。合わせて、サポートパッド22の材料の低い使用温度範囲と高い使用温度範囲は、他の車両のシートと比較して、すべての気象条件で運転者に改善された車両シート性能を提供する。例えば、サポートパッド22の材料は、極端な低温(例えば、温度が-72°F(-58°C)に達するまで)では硬くならず、極端な熱(例えば、100°F(38℃)を超える温度、又は温度が210°F(99℃)から400°F(204℃)の間に達するまで)でもそれほど柔らかくならない。このため、車両用シート10の性能は、他の車両シートよりも広い温度範囲で安定している。
【0024】
さらに、回復ヒステリシス及び/又は回復時間は、温度、材料に加えられる荷重の量、材料に与えられる荷重の周波数(frequencies)などに基づいて変わる場合があることを認識すべきである。回復ヒステリシスを決定するために、時間に対する材料のひずみ又は変形の関数をプロットするクリープ回復テストが行われ得る。クリープ回復テストの間、所定の材料の荷重と除荷が行われ、除荷後に残る材料の変形量が回復ヒステリシスに相当する。さらに、材料への荷重を増やして、材料の回復不可能な変形を作るために必要な荷重を決定する。回復不可能な変形が始まったときの最終的な形状寸法に対する初期形状寸法の比率は、弾性係数限界(modulus of elasticity limit)に対応する。したがって、ここで提供される回復ヒステリシス範囲は、第1セットの所定の条件(例えば、過荷重にならない、所定の温度範囲内であるなど)の下にあり、弾性係数限界は第2セットの所定の条件(例えば、過荷重、所定の温度範囲内など)の下に提供されることを認識すべきである。
【0025】
当技術分野で知られている他のシート(例えば、オープンセルポリウレタンフォーム、クローズドセルポリウレタンフォームなどで形成された)は、典型的には、動的イベントの間にシートを圧縮できるように、高い回復ヒステリシス(例えば10~30%の間)を有する。しかし、長時間使用すると、シートは完全に回復せずに繰り返し圧縮される傾向があり、これは、運転者のためのクッション性又は吸収性を低下させる。加えて、標準シートは高い復元ヒステリシスのため、シートが元のサイズになるまでの復元時間が(例えば、数時間まで)遅くなる傾向がある。図示された実施形態では、シートフォーム18は、少なくとも10%の回復ヒステリシスを有する。
【0026】
当技術分野で知られている他のシートとは対照的に、シートフォーム18とサポートパッド22の組み合わせは、シート10の製造プロセス中にシート10が異なる必要な性能パラメータ(例えば、剛性、減衰など)にチューニングされることを可能にする。さらに、サポートパッド22は、製造プロセス中にシート10の性能をさらに調整するために、第1の材料と第2の材料の組み合わせとして形成される。例えば、サポートパッド22の第1又は第2の材料のサイズ、形状、及び/又は量が、サポートパッド22及び全体のシート10を目的の性能パラメータにチューニングするために調整され得る。したがって、図2~9に示すサポートパッド22は、サポートパッド22の例示的な実施形態であり、第1及び第2の材料の形状、サイズ及び量は、所望の用途に対応するように調整され得ることを認識すべきである。
【0027】
図4図5を参照すると、サポートパッド22は骨格42と骨格42上のオーバーモールド部46を含む。骨格42は、例えば1つ以上のポリマーが、メチル、トリフルオロプロピル又はフェニルの置換基を持つポリシロキサン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体又はポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、イソプレン重合体、イソブチレン-イソプレン共重合体、クロロプレン重合体、ブタジエンポリマー、塩素化ポリエチレンポリマー、エピクロロヒドリンポリマー、エチレン-アクリル共重合体、ポリアクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニール共重合体、ポリプロピレンオキサイド共重合体、ポリエーテル-ウレタンポリマー、ポリエステル-ウレタンポリマー、又はそれらの組み合わせを含む第1の材料で形成されたエラストマー骨格であり得る。骨格42は、シートフォーム18と比較して、改善された振動減衰、高い回復速度、低い回復ヒステリシス、低い保温性、及び運転者サポート領域34内の改善された耐久性を提供する。具体的には、骨格42は、3から10%の範囲の第1の回復ヒステリシスと、圧縮において25%以下の第1の弾性係数限界を有する。
【0028】
骨格42は、平面を画定するボディ部分50と、ボディ部分50から延びる複数の壁部分54とを含む。複数の壁部分54は、その間に画定されたチャネル58のネットワークを有する繰り返しパターンを定める。図示された実施形態では、壁部分54はボディ部分50の各側面から延びている。他の実施形態では、壁部分54はボディ部分50の単一の側面から延びてもよい。加えて、所定のパターンは一連の多角形(例えば、六角形)の壁部分54である。壁部分54はさらに多角形の頂点60と頂点60の間の谷61を定める。チャネル58(例えば、ポケットやくぼみなど)のネットワークは、隣接する壁部分54の間に形成され、頂点の間に(例えば谷61を通って)連続的に延びている。したがって、チャネル58のネットワークは連続的に連絡しているため、オーバーモールド部46はチャネルのネットワーク全体にわたって連続的に形成されることができる又はチャネル58のネットワーク内にカプセル化されることができる。他の実施形態では、所定のパターンは、一連の三角形、四角形、円などであり得る。骨格42はまた、壁部分54によって画定される所定のパターン内で(例えば、間に)ボディ部分50に形成された開口部62を含むことができる。開口部62は、サポートパッド22を通る空気の流れを可能にする。他の実施形態では、骨格42は代替のジオメトリ(幾何学的形状)を有してもよい。
【0029】
オーバーモールド部46は、典型的には無機充填剤と組み合わせた液体ポリマーに基づくポリマーゲルのようなチキソトロピック材料で形成され得る。ポリマーは、ポリシロキサン、ポリブタジエン、又は任意のタイプの合成又は天然の液体ポリマーであることができる。オーバーモールド部46はチキソトロピックであるため、材料は(例えば、振ったり、かき混ぜたりして乱されたとき)液化する可能性があり、これは、材料がチャネル58のネットワーク内に挿入されることを可能にする。いくつかの実施形態では、オーバーモールド部46は、ゲルオーバーモールド部46であり得る。オーバーモールド部46は、改良された振動減衰、非常に低い回復ヒステリシス、及びシートフォーム18に対する低い剛性を提供する。いくつかの実施形態では、オーバーモールド部46は、1から5%の範囲の第2の回復ヒステリシスと、圧縮において50%以下の第1弾性率範囲限界を有する。したがって、単一のサポートパッド22内に2つの材料を組み合わせることは、サポートパッド22の性能パラメータが所望の剛性と回復ヒステリシスにチューニングされることを可能にする。
【0030】
シートフォーム18とシート10のサポートパッド22の組み合わせは、シート10がダイナミックなリンディングイベント中に低いヒステリシス損失を有することを可能にし、これは、シート10の回復速度を増加させ、シート10の振動減衰を向上させ、シート10の保温性を低下させる。図示された実施形態では、シート10は1.0lbf/in/inから8.0lbf/in/inの範囲のばねレートを有する。シート10内のサポートパッド22のサイズ、形状、及び構造を調整することは、シート10のばねレートを調整し得る。
【0031】
図6は、本発明の別の実施形態によるサポートパッド122の一部を示している。サポートパッド122は、図1~5に示し、前述したサポートパッド22と同様である。したがって、類似の特徴は、類似の参照番号に「100」を加えたもので識別され、両者の違いのみが議論される。
【0032】
サポートパッド122は、骨格142と骨格142上のオーバーモールド部146を含む。骨格142は、平面を画定するボディ部分150と、ボディ部分150から延びる複数の壁部分154を含む。複数の壁部分154は、中に画定されるチャネル158のアレイを有する繰り返しパターンを画定する。図示された実施形態では、所定のパターンは、一連の多角形(例えば、六角形)の壁部分154である。壁部分154はさらに、多角形の頂点160と頂点160の間の谷161を定める。チャネル158のアレイは多角形の頂点160に形成される。さらに、チャネル158のアレイは、不連続であり(例えば、谷161を通って延びない)、頂点160から延びる3つの柱(columns)を定める。したがって、オーバーモールド部146は、チャネル158のアレイの各々内に個別に形成又はカプセル化される。加えて、オーバーモールド部146はまた、骨格142のボディ部分150の一部に形成される。オーバーモールド部146はまた、骨格142全体に形成される場合があることを認識すべきである。骨格142はまた、壁部分154によって定められる所定のパターン内でボディ部分150に形成された開口部162を含む。開口部162は、サポートパッド122を通る空気の流れを可能にする。
【0033】
図7は、本発明の別の実施形態によるサポートパッド222の一部を示している。サポートパッド222は、図1~5に示し、前述したサポートパッド22と同様である。したがって、類似の特徴は、類似の参照番号に「200」を加えたもので識別され、両者の違いのみが議論される。
【0034】
サポートパッド222は、骨格242と骨格242上のオーバーモールド部246を含む。骨格242は、その間に画定されたチャネル258のネットワークによって分離された繰り返しパターンを定める複数の壁部分254を含む。図示された実施形態では、所定のパターンは、繰り返しパターン内に定められたチャネル264のアレイを有する一連の多角形(例えば、六角形)の壁部分254である。オーバーモールド部246は、繰り返しパターン内に定められたチャネル264のアレイネットワーク内に形成又はカプセル化されるが、チャネル258のネットワークはオーバーモールド部246がない。
【0035】
図8は、本発明の別の実施形態によるサポートパッド322の一部を示している。サポートパッド322は、図1~5に示し、前述したサポートパッド22と同様である。したがって、類似の特徴は、類似の参照番号に「300」を加えたもので識別され、両者の違いのみが議論される。
【0036】
サポートパッド322は、骨格342と、骨格342上のオーバーモールド部346を含む。エラストマー骨格342は、その間に画定されたチャネル358のネットワークによって分離された繰り返しパターンを定める複数の壁部分354を含む。図示された実施形態では、所定のパターンは、繰り返しパターン内に定められたチャネル364のアレイを有する一連の多角形(例えば、六角形)の壁部分354である。オーバーモールド部346は、チャネル358の第1のネットワーク内に形成又はカプセル化されるが、チャネル364のアレイはオーバーモールド部346がない。
【0037】
図9は、本発明の別の実施形態によるサポートパッド422の一部を示している。サポートパッド422は、図1~5に示し、前述したサポートパッド22と同様である。したがって、類似の特徴は、類似の参照番号に「400」を加えたもので識別され、両者の違いのみが議論される。
【0038】
サポートパッド422は、骨格442と、骨格442上のオーバーモールド部446を含む。骨格442は、ボディ部分450と、ボディ部分450から延びる複数の壁部分454を含む。複数の壁部分454は、その中に画定されたチャネル458のアレイを有する繰り返しパターンを定める。図示された実施形態では、所定のパターンは、一連の不連続な多角形(例えば、六角形)の壁部分154である。壁部分454は、多角形の頂点460を定め、凹部470によって区切られている。オーバーモールド部446は、チャネル458のアレイの各々内に形成又はカプセル化される。加えて、オーバーモールド部446はまた、骨格442のボディ部分450の少なくとも一部に形成されている。骨格442はまた、壁部分454によって定められる所定のパターン内でボディ部分450に形成された開口部462を含む。開口部462は、サポートパッド422を通る空気の流れを可能にする。
【0039】
図10は、本発明の一実施形態によるオートバイ500を示している。オートバイ500は、エンジン516、ドライブトレイン520、前輪524、後輪528、一対のフットレスト530(例えば、ペグ、フットボード)、ハンドルバーアセンブリ532、及びシート510を支持するフレーム512を含む。エンジン516はフレーム512に取り付けられ、ドライブトレイン520は、エンジン516が後輪528の回転に動力を供給するようにエンジン516を後輪528に接続する。エンジン516は固有の振動特性を持つ内燃機関であることができる。他の実施形態では、エンジン516は電気モータに置き換えられてもよい。図示された実施形態では、シート510は、第1の又は運転者サポート領域534、第2の又は乗客サポート領域536、及びバックサポート538を含む。ハンドルバーアセンブリ532は、一対のハンドグリップ540を含む。オートバイ500はまた、ハードサドルバッグ542と、フレーム512に取り付けられたトランク544の形の中央に取り付けられた荷物室を含む。フットレストアセンブリ530、シート510の第1及び第2の運転者サポート領域534、536、バックサポート538、ハンドグリップ540などは、それぞれ、オートバイ500の運転者のタッチポイントを定める。上記で詳しく説明したサポートパッド22、122、222、322、422のいずれも、振動を軽減し、運転者の快適性を向上させるために、オートバイのいずれかのタッチポイントに組み込まれ得る。
【0040】
図11は、パンツなどのライダーウェアラブル(ライダー衣服)600を示す。ライダーウェアラブル600は、その中にサポートパッド622が受け入れられ得る又は組み込まれ得る、1つ以上のサポート空洞638を含み得る。サポートパッド622は、上記で詳細に説明したサポートパッド22、122、222、322、422のいずれかに類似し得ることを認識すべきである。他の実施形態では、サポートパッド622は、ヘルメット、ジャケット、手袋などのタイプのライダーウェアラブルに組み込まれてもよい。
【0041】
本発明の様々な態様は、以下の請求項に記載されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】