(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083245
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】画像表示システム、遠隔操作支援システムおよび画像表示方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20230608BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20230608BHJP
【FI】
E02F9/26 B
G06T19/00 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191151
(22)【出願日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2021197367
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】弁理士法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 洋一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 誠司
(72)【発明者】
【氏名】上村 佑介
(72)【発明者】
【氏名】三谷 友鷹
【テーマコード(参考)】
2D015
5B050
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB04
2D015HB05
5B050CA06
5B050CA07
5B050DA04
5B050DA05
5B050EA19
5B050FA02
5B050FA14
(57)【要約】
【課題】作業機械を構成する作業機構と当該作業機械の周辺に存在する対象物体との位置関係のオペレータによる認識精度の向上を図りうるシステム等を提供する。
【解決手段】遠隔出力インターフェース220を構成する遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像Mを通じて、作業機械40を構成する作業機構440(アタッチメント445)と対象物体Objの表面における第2指標点p
2の位置をオペレータに把握させることができる。第2指標点p
2は、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に投影された結果である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械を構成する作業機構および当該作業機械の周囲に存在する対象物体の状況を表わす作業環境画像に、実空間において前記作業機構における第1指標点が前記対象物体の表面に対して投影された結果としての第2指標点を示す指標画像を重畳させて前記作業機械を遠隔操作するための遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記第2指標点に対する指向性を有する前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示システムにおいて、
前記作業機構の変位態様または前記作業機構の姿勢態様に応じた方向に、前記第1指標点が前記対象物体の表面に対して投影された結果としての前記第2指標点を示す前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の画像表示システムにおいて、
前記作業機構の変位態様に応じて位置が異なる前記第1指標点が前記対象物体の表面に対して投影された結果としての前記第2指標点を示す前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示システム。
【請求項5】
請求項1または2に記載の画像表示システムにおいて、
前記作業機械に搭載されているセンサの出力に基づいて定まる前記作業機構の前記第1指標点の位置を認識したうえで、当該第1指標点が前記対象物体の表面に対して投影された結果としての前記第2指標点を示す前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示システム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の画像表示システムにおいて、
前記第1指標点はアームトップに設定される
画像表示システム。
【請求項7】
請求項1または2に記載の画像表示システムにおいて、
複数の前記第1指標点のそれぞれが前記対象物体の表面に対して投影された結果としての複数の前記第2指標点のそれぞれを示す複数の前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示システム。
【請求項8】
請求項7に記載の画像表示システムにおいて、
前記作業機構の動作に伴って相対的な位置が変化する複数の前記第1指標点のそれぞれに対応する複数の前記第2指標点のそれぞれに対して指向している複数の前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示システム。
【請求項9】
請求項1または2に記載の画像表示システムにおいて、
前記第1指標点と前記第2指標点との相対距離の長短に応じて、意匠が異なる前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示システム。
【請求項10】
実機撮像装置と、実機測距装置と、作業機構と、を有する作業機械と、
出力インターフェースを有し、前記作業機械を遠隔操作するための前記遠隔操作装置と、
画像表示システムと、
を備えている画像表示複合システムであって、
前記画像表示システムが、前記実機撮像装置を通じて取得された前記作業機械を構成する作業機構および当該作業機械の周囲に存在する対象物体の状況を表わす作業環境画像に、実空間において前記作業機構における第1指標点が、前記実機測距装置を通じて3次元形状が測定された前記対象物体の表面に対して投影された結果としての2指標点を示す指標画像を重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
画像表示複合システム。
【請求項11】
作業機械を構成する作業機構および当該作業機械の周囲に存在する対象物体の状況を表わす作業環境画像に、実空間において前記作業機構における第1指標点が前記対象物体の表面に対して投影された結果としての2指標点を示す指標画像を重畳させて前記作業機械を遠隔操作するための遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる工程を含む
画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械のオペレータによる遠隔操作を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機の姿勢を用いて得られた作業具の位置の情報と、距離検出装置が求めた作業機械の作業対象までの距離の情報から得られた作業対象である地面の位置の情報とを用いて、作業具と対向する作業対象の表面に沿って当該作業具に対応する部分の画像を生成し、撮像装置によって撮像された作業対象の画像と合成して、表示装置に表示させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、作業具を有する作業機を備えた作業機械を用いて作業する際の作業効率の低下が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、作業装置と作業対象との位置合わせが行われる際、従来技術によれば、作業装置の位置が地形に沿って形成される画像によって表わされるため、作業装置の所定の部位以外の不必要な位置情報も同時に表示されるため、作業装置が作業対象に対してどの位置にあるか把握しづらく、効率よく作業を行うことが困難になる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、作業機械を構成する作業機構と当該作業機械の周辺に存在する対象物体との位置関係のオペレータによる認識精度の向上を図りうるシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像表示システムは、
作業機械を構成する作業機構および当該作業機械の周囲に存在する対象物体の状況を表わす作業環境画像において、前記作業機構における第1指標点が前記対象物体の表面に投影された結果としての第2指標点を示す指標画像を重畳させて前記作業機械を遠隔操作するための遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる。
【0007】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置の出力インターフェースに出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像を通じて、作業機械を構成する作業機構と対象物体の表面における第2指標点の位置をオペレータに把握させることができる。第2指標点は、第1指標点が対象物体の表面に投影された結果であり、当該対象物体の表面形状に沿ったものではない。このため、作業機構の第1指標点を除く不要な部位の位置情報がオペレータに提供されることが回避され、作業機構と対象物体との位置関係の当該オペレータによる認識精度の向上が図られる。
【0008】
前記構成の画像表示システムにおいて、
前記第2指標点に対する指向性を有する前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
ことが好ましい。
【0009】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置の出力インターフェースに出力された指標画像が第2指標点に対して指向性を有している(指標画像が第2指標点の位置を指し示している)ため、作業機構の第1指標点と対象物体の表面における第2指標点との位置関係をオペレータにより容易に把握させることができる。
【0010】
前記構成の画像表示システムにおいて、
前記作業機構の変位態様または前記作業機構の姿勢態様に応じた方向に、前記第1指標点が前記対象物体の表面に対して投影された結果としての前記第2指標点を示す前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
ことが好ましい。
【0011】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置の出力インターフェースに出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像を通じて、作業機械を構成する作業機構の変位態様または姿勢態様に応じた方向について、当該作業機構の第1指標点と当該作業環境画像における対象物体の表面における第2指標点との位置関係について、オペレータの認識精度の向上を図ることができる。
【0012】
前記構成の画像表示システムにおいて、
前記作業機構の変位態様に応じて位置が異なる前記第1指標点が前記対象物体の表面に対して投影された結果としての前記第2指標点を示す前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
ことが好ましい。
【0013】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置の出力インターフェースに出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像を通じて、作業機械を構成する作業機構の変位態様に応じた位置に変位された、当該作業機構の第1指標点と当該作業環境画像における対象物体の表面における第2指標点との位置関係について、オペレータの認識精度の向上を図ることができる。
【0014】
前記構成の画像表示システムにおいて、
前記作業機械に搭載されているセンサの出力に基づいて定まる前記作業機構の前記第1指標点の位置を認識したうえで、当該第1指標点が前記対象物体の表面に対して投影された結果としての前記第2指標点を示す前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
ことが好ましい。
【0015】
当該構成の画像表示システムによれば、例えば、作業機械に搭載されている測距装置によって第1指標点の実空間位置が認識困難である場合でも、遠隔操作装置の出力インターフェースに出力される指標画像を通じて、当該第1指標点と、これが対象物体の表面に投影された結果としての第2指標点との位置関係をオペレータに容易に把握または推察させることができる。
【0016】
前記構成の画像表示システムにおいて、
前記第1指標点はアームトップに設定される
ことが好ましい。
【0017】
当該構成の画像表示システムによれば、作業機構によって地面を掘削する場合、掘削の一連の動作においては、強い力をかけるためアームトップの位置に対してアタッチメント先端の位置を操作するため、位置指標としてアームトップが適している。さらに、アタッチメントを取り換えてもアームトップの位置は変わらないため、同じ画像表示が適用できる利点がある。
【0018】
前記構成の画像表示システムにおいて、
複数の前記第1指標点のそれぞれが前記対象物体の表面に対して投影された結果としての複数の前記第2指標点のそれぞれを示す複数の前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
ことが好ましい。
【0019】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置の出力インターフェースに出力される作業環境画像および複数の指標画像を通じて、作業機構の複数の第1指標点のそれぞれが対象物体の表面に投影された結果としての複数の第2指標点のそれぞれの位置をオペレータに把握させることができる。これにより、単一の指標画像のみが遠隔操作装置の出力インターフェースに出力される場合と比較して、作業機構と対象物体との位置関係の当該オペレータによる認識精度の向上が図られる。
【0020】
前記構成の画像表示システムにおいて、
前記作業機構の姿勢変化に伴って相対的な位置が変化する複数の前記第1指標点のそれぞれに対応する複数の前記第2指標点のそれぞれに対して指向している複数の前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
ことが好ましい。
【0021】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置の出力インターフェースに出力される作業環境画像および複数の指標画像を通じて、作業機構の姿勢変化に伴って相対的な位置が変化する複数の第1指標点のそれぞれが対象物体の表面に投影された結果としての複数の第2指標点のそれぞれの位置をオペレータに把握させることができる。これにより、姿勢変化態様に応じた作業機構の複数の部位と対象物体との位置関係の当該オペレータによる認識精度の向上が図られる。
【0022】
前記構成の画像表示システムにおいて、
前記第1指標点と前記第2指標点との相対距離の長短に応じて、意匠が異なる前記指標画像を前記作業環境画像に重畳させて前記遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させる
ことが好ましい。
【0023】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置の出力インターフェースに出力される作業環境画像および指標画像の意匠を通じて、第1指標点と第2指標点との相対距離またはその長短をオペレータに把握させることができる。「意匠」とは、画像の形状、色彩もしくは模様またはこれらの任意の組み合わせを意味し、静的意匠のほか、明度などが変化する動的意匠を包含する概念である。「距離」は、実空間距離のほか、作業環境画像における画像空間距離であってもよい。これにより、作業機構の部位と対象物体の表面との位置関係に対する当該オペレータによる認識精度の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】画像表示複合システムおよび画像表示システムの構成に関する説明図。
【
図5】作業環境画像および指標画像の一表示形態に関する説明図。
【
図6A】アームトップ位置と指標画像の表示態様との関係に関する説明図。
【
図6B】アームトップ位置と指標画像の表示態様との関係に関する説明図。
【
図6C】アームトップ位置と指標画像の表示態様との関係に関する説明図。
【
図7A】作業機構の変位態様と指標画像の指向性との関係に関する説明図。
【
図7B】作業機構の変位態様と指標画像の指向性との関係に関する説明図。
【
図7C】作業機構の変位態様と指標画像の指向性との関係に関する説明図。
【
図8A】作業機構の姿勢態様と指標画像の指向性との関係に関する説明図。
【
図8B】作業機構の姿勢態様と指標画像の指向性との関係に関する説明図。
【
図8C】作業機構の姿勢態様と指標画像の指向性との関係に関する説明図。
【
図9A】立体的な指標画像の表示形態に関する説明図。
【
図9B】立体的な指標画像の表示形態に関する説明図。
【
図9C】立体的な指標画像の表示形態に関する説明図。
【
図10A】作業機構の変位態様と第1指標点の位置との関係に関する説明図。
【
図10B】作業機構の変位態様と第1指標点の位置との関係に関する説明図。
【
図10C】作業機構の変位態様と第1指標点の位置との関係に関する説明図。
【
図11】作業環境画像および指標画像の他の表示形態に関する説明図。
【
図12A】作業機構の動作態様と指標画像の表示形態との関係に関する説明図。
【
図12B】作業機構の動作態様と指標画像の表示形態との関係に関する説明図。
【
図13A】作業機構の変位態様と第1指標点の位置との関係に関する説明図。
【
図13B】作業機構の変位態様と第1指標点の位置との関係に関する説明図。
【
図14】指標画像の意匠の差異化の一例に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(画像表示複合システムの構成)
図1に示されている画像表示複合システムは、画像表示システム10と、遠隔操作装置20および/または当該遠隔操作装置20による遠隔操作対象である作業機械40と、により構成されている。画像表示システム10、遠隔操作装置20および作業機械40は相互にネットワーク通信可能に構成されている。画像表示システム10および遠隔操作装置20の相互通信ネットワークと、画像表示システム10および作業機械40の相互通信ネットワークと、は同一であってもよく相違していてもよい。
【0026】
(画像表示システムの構成)
画像表示システム10は、本実施形態では、遠隔操作装置20および作業機械40とは別個に存在するコンピュータにより構成されており、データベース102と、通信機能要素121と、画像処理機能要素122と、を備えている。データベース102は、撮像画像データ等を記憶保持する。データベース102は、画像表示システム10と相互通信可能なデータベースサーバにより構成されていてもよい。各機能要素は、演算処理装置(例えば、シングルコアプロセッサおよび/またはマルチコアプロセッサもしくはこれを構成するプロセッサコア)により構成され、メモリなどの記憶装置から必要なデータおよびソフトウェアを読み取り、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった後述の演算処理を実行する。
【0027】
(遠隔操作装置の構成)
遠隔操作装置20は、遠隔制御装置200と、遠隔入力インターフェース210と、遠隔出力インターフェース220と、遠隔無線通信機器224と、を備えている。遠隔制御装置200は、演算処理装置(例えば、シングルコアプロセッサおよび/またはマルチコアプロセッサもしくはこれを構成するプロセッサコア)により構成され、メモリなどの記憶装置から必要なデータおよびソフトウェアを読み取り、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった演算処理を実行する。
【0028】
遠隔入力インターフェース210は、遠隔操作機構211を備えている。遠隔出力インターフェース220は、遠隔画像出力装置221と、を備えている。
【0029】
遠隔操作機構211には、走行用操作装置と、旋回用操作装置と、ブーム用操作装置と、アーム用操作装置と、バケット用操作装置と、が含まれている。各操作装置は、回動操作を受ける操作レバーを有している。走行用操作装置の操作レバー(走行レバー)は、作業機械40の下部走行体410を動かすために操作される。走行レバーは、走行ペダルを兼ねていてもよい。例えば、走行レバーの基部または下端部に固定されている走行ペダルが設けられていてもよい。旋回用操作装置の操作レバー(旋回レバー)は、作業機械40の旋回機構430を構成する油圧式の旋回モータを動かすために操作される。ブーム用操作装置の操作レバー(ブームレバー)は、作業機械40のブームシリンダ442を動かすために操作される。アーム用操作装置の操作レバー(アームレバー)は作業機械40のアームシリンダ444を動かすために操作される。バケット用操作装置の操作レバー(バケットレバー)は作業機械40のバケットシリンダ446を動かすために操作される。
【0030】
遠隔操作機構211を構成する各操作レバーは、例えば、
図2に示されているように、オペレータが着座するためのシートStの周囲に配置されている。シートStは、アームレスト付きのハイバックチェアのような形態であるが、ヘッドレストがないローバックチェアのような形態、または、背もたれがないチェアのような形態など、オペレータが着座できる任意の形態の着座部であってもよい。
【0031】
シートStの前方に左右のクローラに応じた左右一対の走行レバー2110が左右横並びに配置されている。一つの操作レバーが複数の操作レバーを兼ねていてもよい。例えば、
図2に示されているシートStの左側フレームの前方に設けられている左側操作レバー2111が、前後方向に操作された場合にアームレバーとして機能し、かつ、左右方向に操作された場合に旋回レバーとして機能してもよい。同様に、
図2に示されているシートStの右側フレームの前方に設けられている右側操作レバー2112が、前後方向に操作された場合にブームレバーとして機能し、かつ、左右方向に操作された場合にバケットレバーとして機能してもよい。レバーパターンは、オペレータの操作指示によって任意に変更されてもよい。
【0032】
遠隔画像出力装置221は、例えば
図2に示されているように、シートStの前方、左斜め前方および右斜め前方のそれぞれに配置された略矩形状の画面を有する中央遠隔画像出力装置2210、左側遠隔画像出力装置2211および右側遠隔画像出力装置2212により構成されている。中央遠隔画像出力装置2210、左側遠隔画像出力装置2211および右側遠隔画像出力装置2212のそれぞれの画面(画像表示領域)の形状およびサイズは同じであってもよく相違していてもよい。
【0033】
図2に示されているように、中央遠隔画像出力装置2210の画面および左側遠隔画像出力装置2211の画面が傾斜角度θ1(例えば、120°≦θ1≦150°)をなすように、左側遠隔画像出力装置2211の右縁が、中央遠隔画像出力装置2210の左縁に隣接している。
図2に示されているように、中央遠隔画像出力装置2210の画面および右側遠隔画像出力装置2212の画面が傾斜角度θ2(例えば、120°≦θ2≦150°)をなすように、右側遠隔画像出力装置2212の左縁が、中央遠隔画像出力装置2210の右縁に隣接している。当該傾斜角度θ1およびθ2は同じであっても相違していてもよい。
【0034】
中央遠隔画像出力装置2210、左側遠隔画像出力装置2211および右側遠隔画像出力装置2212のそれぞれの画面は、鉛直方向に対して平行であってもよく、鉛直方向に対して傾斜していてもよい。中央遠隔画像出力装置2210、左側遠隔画像出力装置2211および右側遠隔画像出力装置2212のうち少なくとも1つの画像出力装置が、複数に分割された画像出力装置により構成されていてもよい。例えば、中央遠隔画像出力装置2210が、略矩形状の画面を有する上下に隣接する一対の画像出力装置により構成されていてもよい。
【0035】
遠隔画像出力装置221が、シートStを取り囲むように湾曲または屈曲した単一の画像出力装置によって構成されていてもよい。単一の画像出力装置が、例えば、中央遠隔画像出力装置2210により構成されていてもよい。遠隔画像出力装置221が、2つの画像出力装置(例えば、中央遠隔画像出力装置2210および左側遠隔画像出力装置2211または右側遠隔画像出力装置2212)によって構成されていてもよい。
【0036】
(作業機械の構成)
作業機械40は、実機制御装置400と、実機入力インターフェース41と、実機出力インターフェース42と、実機無線通信機器422と、作業機構440と、を備えている。実機制御装置400は、演算処理装置(シングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサもしくはこれを構成するプロセッサコア)により構成され、メモリなどの記憶装置から必要なデータおよびソフトウェアを読み取り、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった演算処理を実行する。
【0037】
作業機械40は、例えばクローラショベル(建設機械)であり、
図3に示されているように、クローラ式の下部走行体410と、下部走行体410に旋回機構430を介して旋回可能に搭載されている上部旋回体420と、を備えている。上部旋回体420の前方左側部にはキャブ424(運転室)が設けられている。上部旋回体420の前方中央部には作業機構440が設けられている。
【0038】
実機入力インターフェース41は、実機操作機構411と、実機撮像装置412と、実機測距装置414と、実機センサ群416と、を備えている。実機操作機構411は、キャブ424の内部に配置されたシートの周囲に遠隔操作機構211と同様に配置された複数の操作レバーを備えている。遠隔操作レバーの操作態様に応じた信号を受信し、当該受信信号に基づいて実機操作レバーを動かす駆動機構またはロボットがキャブ424に設けられている。実機撮像装置412は、例えば、キャブ424の内部に設置され、フロントウィンドウ越しに作業機構440の少なくとも一部(例えば、アタッチメント445)を含む環境を撮像する。フロントウィンドウおよびサイドウィンドウのうち一部または全部が省略されていてもよい。実機測距装置414は、作業機械40の周囲に存在する対象物体までの実空間距離、ひいては実空間位置を測定するための装置であり、例えば、LiDARおよびTOFセンサなどにより構成されている。実機センサ群416は、下部走行体410に対する上部旋回体420の旋回角度を測定するための旋回角度センサ、および、作業機構440の姿勢を表わす姿勢角度を測定するための姿勢角度センサなど、作業機械40の動作状況を測定するためのさまざまなセンサにより構成されている。
【0039】
実機出力インターフェース42は、実機無線通信機器422を備えている。
【0040】
図3に示されているように、作業機構としての作業機構440は、上部旋回体420に起伏可能に装着されているブーム441と、ブーム441の先端に回動可能に連結されているアーム443と、アーム443の先端に回動可能に連結されているアタッチメント445(例えば、バケット)と、を備えている。作業機構440には、伸縮可能な油圧シリンダにより構成されているブームシリンダ442、アームシリンダ444およびバケットシリンダ446が装着されている。
【0041】
ブームシリンダ442は、作動油の供給を受けることにより伸縮してブーム441を起伏方向に回動させるように当該ブーム441と上部旋回体420との間に介在する。アームシリンダ444は、作動油の供給を受けることにより伸縮してアーム443をブーム441に対して水平軸回りに回動させるように当該アーム443と当該ブーム441との間に介在する。バケットシリンダ446は、作動油の供給を受けることにより伸縮してアタッチメント445をアーム443に対して水平軸回りに回動させるように当該アタッチメント445と当該アーム443との間に介在する。
【0042】
(機能)
前記構成の画像表示システムおよび画像表示システムの機能について
図4に示されているフローチャートを用いて説明する。当該フローチャートにおいて「C●」というブロックは、記載の簡略のために用いられ、データの送信および/または受信を意味し、当該データの送信および/または受信を条件として分岐方向の処理が実行される条件分岐を意味している。当該フローチャートは制御周期ごとに繰り返され、「END」に至った後で「START」に戻って以後の処理が実行される。
【0043】
遠隔操作装置20において、オペレータにより遠隔入力インターフェース210を通じた環境確認要求操作の有無が判定される(
図4/STEP210)。「環境確認要求」は、例えば、オペレータが遠隔操作を意図する作業機械40に環境確認要求操作を指示するための遠隔入力インターフェース210におけるタップなどの操作である。当該判定結果が否定的である場合(
図4/STEP210‥NO)、STARTに戻る。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図4/STEP210‥YES)、遠隔無線通信機器224を通じて、画像表示システム10に対して環境確認要求が送信される(
図4/STEP211)。
【0044】
画像表示システム10において、環境確認要求が受信された場合、第1機能要素121により当該環境確認要求が該当する作業機械40に対して送信される(
図4/C10)。環境確認要求が、作業機械40に対して画像システム10を経由せずに送信されてもよい。
【0045】
作業機械40において、実機無線通信機器422を通じて環境確認要求が受信された場合(
図4/C40)、実機撮像装置412により作業対象物Obj(例えば、作業機械40の周囲に存在する地面、土砂、資材および/または建造物など)の撮像画像が取得されるとともに、実機測距装置414により作業対象物Objの3次元画像が取得され、かつ、当該3次元画像を表わす3次元画像データが実機無線通信機器422を通じて画像表示システム10に対して送信される(
図4/STEP410)。
【0046】
3次元画像は、実機測距装置414を通じて取得された作業対象物Objまでの方向と距離または作業対象物Objの実空間位置を有する画像である。「実空間位置」は、実空間座標系における座標値(例えば、緯度、経度および高度)または実機座標系(作業機械40に対して位置または姿勢が固定された座標系)における座標値により定義される。撮像画像に作業対象物Objが映り込んでいる場合、3次元画像の各画素に対応する当該作業対象物Objの表面の点群を構成する各点の実空間位置が、当該各画素の画素値として含まれている。
【0047】
3次元画像データは、別個のデータである実機撮像装置412を通じて取得された撮像画像またはこれに相当するモデル画像のデータと、実機測距装置412を通じて取得された距離または実空間位置のデータと、の組み合わせとして取得され、送信されてもよい。
【0048】
少なくとも作業対象物Objが映り込んでいる撮像画像は、実機撮像装置412ではなく、作業機械40の周囲に設置された撮像装置、無人飛行機に搭載されている撮像装置および/または現場作業員により携帯されている機器の撮像装置を通じて取得されてもよい。3次元画像の画素値である距離または実空間位置は、作業機械40の周囲に設置された測距装置および/または無人飛行機に搭載されている測距装置を通じて取得されてもよい。
【0049】
実機撮像装置412および実機測距装置414の組み合わせに代えて、作業機械40に搭載されているステレオカメラ(左右一対の実機撮像装置412)を通じて作業対象物Objの撮像画像および3次元画像が取得されてもよい。
【0050】
画像表示システム10において、通信機能要素121により3次元画像データが受信された場合(
図4/C11)、画像処理機能要素122により当該3次元画像データに応じた作業環境画像データが遠隔操作装置20に対して送信される(
図4/STEP110)。作業環境画像データは、3次元画像データの基礎となった撮像画像データ(画素値として実空間位置および距離情報が含まれていない)そのもののほか、撮像画像データに基づいて生成された模擬的な作業環境画像を表わす画像データである。
【0051】
遠隔操作装置20において、遠隔無線通信機器224を通じて作業環境画像データが受信された場合(
図4/C21)、遠隔制御装置200により、作業環境画像データに応じた作業環境画像が遠隔画像出力装置221に出力される(
図4/STEP212)。
【0052】
これにより、例えば、
図5に示されているように、キャブ424を画定する窓枠を通じて、キャブ424の前方において、作業機構440の一部であるブーム441、アーム443およびアタッチメント445、ならびに、対象物体Objである土砂などが映り込んでいる作業環境画像が遠隔画像出力装置221に出力される。
【0053】
作業機械40において、実機センサ群416により、作業機構440の第1指標点p
1の実空間位置が取得され、かつ、当該第1指標点p
1の実空間位置を表わすデータが実機無線通信機器422を通じて画像表示システム10に対して送信される(
図4/STEP412)。
【0054】
3次元画像データの送信処理(
図4/STEP410参照)および第1指標点p
1の実空間位置を表わすデータの送信処理(
図4/STEP412参照)は、ひとまとまりのデータの送信処理として同時に実行されてもよい。
【0055】
具体的には、アーム443の先端部(アームトップ)に該当する点が第1指標点p1として定義されている。作業機構440において定義されている第1指標点p1の実空間位置が、作業機械40に搭載されている実機センサ群416を構成する姿勢角度センサの出力信号、ならびに、当該作業機構440の各構成要素のサイズに基づいて順運動学的に計算される。姿勢角度センサは、上部旋回体420に対するブーム441の起伏角度、ブーム441との連結部におけるアーム443の回動角度、および、アーム443との連結部におけるアタッチメント445の回動角度のうち少なくとも一部に応じた信号を出力するように構成されている。作業機構440を構成するブーム441、アーム443およびアタッチメント445などの任意の点が第1指標点p1として定義されていてもよい。
【0056】
3次元画像に作業機構440の第1指標点p1が映り込んでいる場合、実機制御装置400により当該3次元画像に基づいて当該第1指標点p1の実空間位置が認識されてもよい。具体的には、3次元画像の画像解析処理(グレースケール化処理、エッジ抽出処理および/またはパターンマッチング処理など)により、作業機構440において第1指標点p1に該当する一または複数の画素の画素値の平均値が、当該第1指標点p1の実空間位置として認識される。姿勢角度センサを用いて認識された作業機構440の各点の実空間位置および3次元画像の画素値である実空間位置のうち一方に基づき、他方が補正されてもよい。
【0057】
画像表示システム10において、第1指標点p
1の実空間位置を表わすデータが受信された場合(
図4/C12)、当該第1指標点p
1の実空間位置および3次元画像に含まれている対象物体Objの表面の点群を構成する各点の実空間位置または3次元形状に基づき、第2指標点p
2の実空間位置が画像処理機能要素122により認識される(
図4/STEP112)。第2指標点p
2は、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して投影された結果としての点である。対象物体Objの表面に対する第1指標点p
1の投影方向は、例えば鉛直方向である。この場合、対象物体Objの表面の各点のうち、第1指標点p
1と水平位置(x(経度)、y(経度))が同じまたは最も近い一の点の実空間位置、または、第1指標点p
1と水平位置が近い複数の点の重心が第2指標点p
2として認識される。
【0058】
作業機械40または上部旋回体420が実空間の鉛直軸線に対して傾斜している場合、対象物体Objの表面に対する第1指標点p1の投影方向が、実空間の鉛直軸線に対して同様に傾斜した方向に定義されていてもよい。作業機械40の鉛直軸線に対する傾斜角度は、実機センサ群416を構成する機体傾斜角度センサ(例えば、ジャイロセンサ)により計測される。
【0059】
3次元画像に作業機構440の第1指標点p
1が映り込んでいる場合、実機制御装置400による当該第1指標点p
1の実空間位置の認識およびデータの送信(
図4/STEP412)が省略されてもよい。この場合、画像処理機能要素122により、3次元画像の画像解析処理(グレースケール化処理、エッジ抽出処理および/またはパターンマッチング処理など)により、作業機構440において第1指標点p
1として定義されている点に該当する一または複数の画素が認識され、当該画素の画素値またはその平均値が、当該第1指標点p
1の実空間位置として認識される。
【0060】
さらに、画像表示システム10において、画像処理機能要素122により、第2指標点p
2を示す指標画像Mを作業環境画像に重畳させた指標画像データが遠隔操作装置20に対して送信される(
図4/STEP114)。当該指令には、第2指標点p
2の実空間位置および/または3次元画像もしくは作業環境画像における第2指標点p
2に相当する画素位置(u,v)が含まれている。
【0061】
遠隔操作装置20において、遠隔無線通信機器224を通じて指標画像データが受信された場合(
図4/C22)、遠隔制御装置200により、当該指令に応じた指標画像Mが作業環境画像に重畳された形態で遠隔画像出力装置221に出力される(
図4/STEP214)。
【0062】
画像表示システム10から遠隔操作装置20に対する作業環境画像データの送信処理(
図4/STEP110参照)および指標画像データの送信処理(
図4/STEP114参照)は、ひとまとまりのデータの送信処理として同時に実行されてもよい。この場合、遠隔操作装置20において、作業環境画像の出力処理(
図4/STEP212参照)および当該作業環境画像に重畳される指標画像の出力処理(
図4/STEP214参照)が、単一の画像出力処理として同時に実行されてもよい。
【0063】
これにより、例えば、
図5に示されているように、第1指標点p
1が対象物体Obj(例えば、作業機械40の周囲にある土砂等)の表面に投影された結果としての第2指標点p
2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳された形態で遠隔画像出力装置221に出力される。ここで、指標画像Mは、実空間における鉛直方向について第2指標点p
2に対して向かう三角形状または矢印形状の図形の画像である。
図5に示されているように、撮像画像に第1指標点p
1および第2指標点p
2が重畳表示されてもよく、第1指標点p
1および/または第2指標点p
2の重畳表示が省略されていてもよい。
【0064】
遠隔操作装置20において、遠隔制御装置200により遠隔操作機構211の操作態様が認識され、かつ、遠隔無線通信機器224を通じて、当該操作態様に応じた遠隔操作指令が画像表示システム10に対して送信される(
図4/STEP220)。
【0065】
画像表示システム10において、画像処理機能要素122により当該遠隔操作指令が受信された場合、通信機能要素121により、当該遠隔操作指令が作業機械40に対して送信される(
図4/C14)。遠隔操作指令は、画像表示システム10を経由せずに作業機械40に対して送信されてもよい。
【0066】
作業機械40において、実機制御装置400により、実機無線通信機器422を通じて操作指令が受信された場合(
図4/C44)、作業機構440等の動作が制御される(
図4/STEP420)。例えば、アタッチメント445により作業機械40の前方の対象物体Objである土砂をすくい、上部旋回体410を旋回させたうえでアタッチメント445から当該土砂を落とす作業が実行される。
【0067】
(作用効果)
当該構成の画像表示システムを構成する画像表示システムによれば、遠隔出力インターフェース220を構成する遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像Mを通じて、作業機械40を構成する作業機構440(アタッチメント445)と対象物体Objの表面における第2指標点p
2の位置をオペレータに把握させることができる(
図5参照)。第2指標点p
2は、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に投影された結果であり、このため、作業機構440の第1指標点p
1を除く不要な部位の位置情報がオペレータに提供されることが回避され、作業機構440と対象物体Objとの位置関係の当該オペレータによる認識精度の向上が図られる。
【0068】
図6A~
図6Cのそれぞれには、地面を掘削する場合のアームトップとアタッチメント445の位置関係が示されている。作業機構440は、アタッチメント445の接続点であるアームトップの下に最も強い力をかけることができる。そのことを考慮して、通常は、アタッチメント445の先端をアームトップ下またはそれよりも遠方側における地面に接触させた後、先端がアームトップ下側に来るようにアタッチメント445を動かし、最終的には先端部がアームトップより手前側になるように操作する。つまり、アタッチメント445による掘削の一連の動作を考えた場合、作業機構440の位置指標としては、アタッチメント445の先端部よりアームトップの方が適している場合が多い。
【0069】
さらに、アタッチメント445を上述のバケットの他に、ブレーカ、グラップル、リフティングマグネットなどに取り替えることができるが、アタッチメント445を取り替えても「アームトップ」の位置が変わらないため、同じ画像表示が適用できるという利点がある。
【0070】
また、指標画像Mは、対象物体Objの表面における第2指標点p
2に対して指向性を有する、あるいは略三角形の頂点あるいは矢印などによりその位置を指し示す画像である(
図5参照)。このため、対象物体Objの表面の3次元形状に関してオペレータの錯誤を回避しながら、作業機構440、特に第1指標点p
1が定義されているアタッチメント445と対象物体Objとの位置関係の当該オペレータによる認識の容易性の向上が図られる。
【0071】
(本発明の他の実施形態)
前記実施形態では、画像表示システム10およびこれ構成する通信機能要素121および画像処理機能要素122が遠隔操作装置20および作業機械40とは別個に存在するコンピュータにより構成されていたが、他の実施形態として、遠隔操作装置20および/または作業機械40に画像表示システムが搭載され、遠隔制御装置200および/または実機制御装置400により通信機能要素121および/または画像処理機能要素122が構成されていてもよい。その場合、画像表示システム10における通信機能を省略することができる。
前記実施形態では、第1指標点p1がアームトップとして定義されていたが、アタッチメント445の先端部に定義されていてもよい。その場合、第1指標点p1が対象物体Objの表面に対して投影された結果としての第2指標点p2を示す指標画像Mによって、オペレータはアタッチメント445と対象物体Objとの接触に対する位置関係の認識精度の向上を図ることができる。
【0072】
指標画像出力指令に応じて、作業機構440において第1指標点p1が配置されているアタッチメント(例えば、アタッチメント445)の変位態様に応じた方向に、第1指標点p1が対象物体Objの表面に対して投影された結果としての第2指標点p2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。作業機構440またはアタッチメントの変位態様は、実機センサ群416を構成する姿勢角度センサおよび/または旋回角度センサに基づいて認識される。作業機構440またはアタッチメントの変位態様は、遠隔操作機構211を構成する操作レバーの操作態様に基づいて認識されてもよい。
【0073】
例えば、
図7Aに示されているように、アタッチメント445が鉛直下方に変位している場合、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して鉛直下方に投影された結果としての第2指標点p
2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
図7Bに示されているように、アタッチメント445が作業機械40から見て前方下方に変位している場合、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して作業機械40の前方下方に投影された結果としての第2指標点p
2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
図7Cに示されているように、アタッチメント445が作業機械40から見て後方下方に変位している場合、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して作業機械40の後方下方に投影された結果としての第2指標点p
2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
【0074】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像Mを通じて、作業機械40を構成する作業機構440の変位態様に応じた方向について、当該作業機構440の第1指標点p1と当該作業環境画像における対象物体Objの表面における第2指標点p2との位置関係について、オペレータの認識精度の向上を図ることができる。
【0075】
指標画像出力指令に応じて、第1指標点p1が作業機構440またはアタッチメント445の姿勢態様に応じた方向に、対象物体Objの表面に対して投影された結果としての第2指標点p2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0076】
例えば、
図8Aに示されているように、対象物への作用に指向性を有するアタッチメントであるブレーカ445の対象物を打突する打突部位であるチゼルが鉛直下方に指向している場合、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して鉛直下方に投影された結果としての第2指標点p
2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
図8Bに示されているように、ブレーカ445のチゼルが作業機械40から見て前方下方に指向している場合、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して作業機械40の前方下方に投影された結果としての第2指標点p
2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
図8Cに示されているように、ブレーカ445のチゼルが作業機械40から見て後方下方に指向している場合、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して作業機械40の後方下方に投影された結果としての第2指標点p
2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
【0077】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像Mを通じて、作業機械40を構成する作業機構440またはアタッチメント445の姿勢態様に応じた対象物へ作用する位置と方向をオペレータが容易に認識できるため、オペレータの認識精度の向上を図られ、作業の効率を向上させることができる。
第1指標点はアタッチメント445に定義され、特定の遠隔操作指令の送信が開始されてから送信が継続されている(特定の操作が継続されている)間は、第1指標点の位置情報を更新せず操作指令が送信される直前の第1指標点p1の位置のまま維持されてもよい。
例えば、遠隔操作機構のレバーにアタッチメント445であるブレーカを作動させるプッシュ推知である操作スイッチを設け、遠隔操作機構221によってブレーカが作動するよう操作されると、遠隔操作装置20より作業機械40にブレーカを作動させる遠隔操作指令が送信されると共に、画像表示システム10に第1指標点p1の位置情報の更新を行わないよう更新停止信号が送信される。また、更新停止信号は操作スイッチが押されている間、継続して送信される。これにより、第1指標点p1は操作スイッチが操作される直前の位置情報が、操作を継続している間維持される。操作スイッチが押されなくなると、画像表示システム10に対する更新停止信号は送信されなくなる。これにより、第1指標点p1の位置情報の更新が再開される。
【0078】
当該構成の画像表示システムによれば、アタッチメント445を作動させている間、第1指標点の位置情報の更新を行わないことで、遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像Mが、アタッチメント445が作動することで発生するアタッチメント445の振動によって第1指標点が振動することで振動し、指標画像Mを注視して遠隔操作しているオペレータに酔いを発生させる現象を防止することができる。
【0079】
前記のように、作業機構440またはアタッチメントの変位態様または姿勢態様に応じた方向に、第1指標点p1が対象物体Objの表面に対して投影された結果として第2指標点p2が定義される場合、作業環境画像において立体的な指標画像Mが遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0080】
例えば、第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して鉛直下方に投影された結果として第2指標点p
2が定義されている場合(
図7Aおよび
図8A参照)、
図9Aに示されているように実空間鉛直方向に平行な中心軸線を有する、実空間下方に頂点が向けられたような略円錐状の指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して作業機械40の前方下方に投影された結果としての第2指標点p
2が定義されている場合(
図7Bおよび
図8B参照)、
図9Bに示されているように頂点を実空間前方下方に向けたような略円錐状の指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して作業機械40の後方下方に投影された結果として第2指標点p
2が定義されている場合(
図7Cおよび
図8C参照)、
図9Cに示されているように頂点を実空間後方下方に向けたような略円錐状の指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
【0081】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される指標画像Mが立体的な画像であるため、当該指標画像Mの出力形態を通じて、作業機構440の第1指標点p1と対象物体Objの表面における第2指標点p2との位置関係をオペレータにより容易に把握させることができる。
【0082】
作業機構440の変位態様に応じて位置が異なる第1指標点p1が対象物体Objの表面に対して投影された結果としての第2指標点p2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0083】
例えば、下部走行体410に対して上部旋回体420の旋回していない場合、
図10Aに示されているように、バケット440の先端部中心点が第1指標点p
1として定義される。その一方、遠隔操作機構211および/または実機操作機構411の操作態様に応じて、あるいは、実機センサ群416の出力信号に基づき、下部走行体410に対して上部旋回体420が上から見て反時計回りに旋回すると推定もしくは予測されるまたは計測された場合(左向きの白矢印参照)、
図10Bに示されているようにバケット440の先端部左寄りの点が第1指標点p
1として定義される。また、遠隔操作機構211および/または実機操作機構411の操作態様に応じて、あるいは、実機センサ群416の出力信号に基づき、下部走行体410に対して上部旋回体420が上から見て時計回りに旋回すると推定もしくは予測されるまたは計測された場合(右向きの白矢印参照)、
図10Cに示されているようにバケット440の先端部右寄りの点が第1指標点p
1として定義される。そして、それぞれの場合において、当該第1指標点p
1が対象物体Objの表面に対して投影された結果としての第2指標点p
2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
【0084】
作業機械40を操作する上で、作業機構440の位置および/または姿勢の変化態様に応じて、作業機構440における注視すべき部位は変化する。例えば、下部走行体410に対して上部旋回体420を旋回させるための操作であれば旋回方向の最先端であり、作業機構440が機械中心から遠ざかる操作であれば作業機構440が機械中心から遠ざかる方向の最先端である。
【0085】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像Mを通じて、作業機械40を構成する作業機構440の位置および/または姿勢の変化態様に応じて注視すべき部位と対称物体Objとの位置関係が把握しやすくなり、オペレータの認識精度の向上を図ることができる。
【0086】
複数の第1指標点p1のそれぞれが対象物体Objの表面に対して投影された結果としての複数の第2指標点p2のそれぞれを示す複数の指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0087】
例えば、
図11に示されているように、アタッチメント445の先端部の左端点および右端点のそれぞれが第1指標点p
11およびp
12のそれぞれとして定義され、当該第1指標点p
11およびp
12のそれぞれが対象物体Objの表面に対して鉛直下方に投影された結果としての第2指標点p
21およびp
22のそれぞれを示す複数の指標画像M
1およびM
2が作業環境画像に重畳されて遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。第1指標点p
1およびこれに対応する第2指標点p
2のそれぞれの数は3以上であってもよい。
【0088】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像および複数の指標画像M1およびM2を通じて、作業機構440の複数の第1指標点p11およびp12のそれぞれが対象物体Objの表面に投影された結果としての複数の第2指標点p21およびp22のそれぞれの位置をオペレータに把握させることができる。これにより、単一の指標画像のみが遠隔画像出力装置221に出力される場合と比較して、作業機構220と対象物体Objとの位置関係の当該オペレータによる認識精度の向上が図られる。
【0089】
作業機構440の姿勢変化に伴って相対的な位置が変化する複数の第1指標点p1のそれぞれに対応する複数の第2指標点p2のそれぞれに対して指向している複数の指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0090】
例えば、
図12Aに示されているように、アタッチメント445(例えば、グラップルまたはクラッシャー)を構成する一対の構成部材4451および4452が閉じられている場合、当該一対の構成部材4451および4452のそれぞれの先端部の重心が第1指定点p
1として定義され、当該第1指標点p
1が対象物体Objの表面に投影された結果としての第2指標点p
2を示す単一の指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される。その一方、
図12Bに示されているように、アタッチメント445を構成する一対の構成部材4451および4452が開かれている場合、当該一対の構成部材4451および4452のそれぞれの先端部が第1指定点p
11およびp
12として定義され、当該第1指標点p
11およびp
12が対象物体Objの表面に投影された結果としての第2指標点p
21およびp
22を示す複数の指標画像M
1およびM
2が作業環境画像に重畳されて遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される。
【0091】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置に出力される作業環境画像および複数の指標画像を通じて、作業機構440(例えば、アタッチメント445の一対の構成部材4451および4452)の姿勢変化に伴って相対的な位置が変化する複数の第1指標点p11およびp12のそれぞれが対象物体の表面に投影された結果としての複数の第2指標点p21およびp22のそれぞれの位置をオペレータに把握させることができる。これにより、姿勢変化態様に応じた作業機構440の複数の部位と対象物体Objとの位置関係の当該オペレータによる認識精度の向上が図られる。
【0092】
当該複数の部位は、例えば、アタッチメント445における一の部位と、アーム443および/またはブーム441における他の部位と、により構成されていてもよい。例えば、アタッチメント445の先端部中央点およびアーム443の先端部(アタッチメント445との連結部)中央点のそれぞれが第1指標点p11およびp12のそれぞれとして定義されてもよい。この場合、作業環境画像に重畳された指標画像M1およびM2が色、形状もしくは模様またはこれらの組み合わせによって識別可能に表現されることにより、当該指標画像M1およびM2の実空間における前後方向の配置態様、ひいてはアタッチメント445(例えば、バケット)の姿勢をオペレータに認識させることができる。
【0093】
前記実施形態では、第2指標点p
2に対して指向性を有する指標画像Mが遠隔画像出力装置221に出力されたが(
図5参照)、他の実施形態として、第2指標点p
2に対して指向性を有しない指標画像Mが遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。例えば、第2指標点p
2を中心または重心とする円または正方形などの指定形状の2次元図形が水平面に平行な姿勢で配置されたような指標画像Mが遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。第2指標点p
2を中心または重心とする球、立方体または多面体などの指定形状の3次元図形が水平面に平行な姿勢で配置されたような指標画像Mが遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0094】
遠隔操作装置20において、遠隔制御装置200により認識された第1時点t=t1における遠隔操作機構211の操作態様に基づき、作業機構440の第1時点t=t1またはこれよりも後の第2時点t=t2における空間占有態様が推定または予測され、当該第2時点t=t2における作業機構440において第1指標点p1が定義されてもよい。第1時点t=t1および第2時点t=t2の時間差は、実空間における作業機構440の位置および/または姿勢の変化速度に応じた第1指標点p1の変位速度に応じて設定されてもよい。
【0095】
例えば、遠隔操作機構211および/または実機操作機構411の操作態様に応じて、あるいは、実機センサ群416の出力信号に基づき、下部走行体410に対して上部旋回体420が上から見て反時計回りに旋回すると第1時点t=t
1において推定もしくは予測されるまたは計測された場合について考察する(
図13Aの左向きの白矢印参照)。この場合、
図13Aに実線で示されている第1時点t=t
1におけるバケット440よりも左側に変位した、
図13Aに破線で示されている第2時点t=t
2におけるバケット440の先端部中央点が第1指標点p
1として定義される。
【0096】
また、遠隔操作機構211および/または実機操作機構411の操作態様に応じて、あるいは、実機センサ群416の出力信号に基づき、下部走行体410に対して上部旋回体420が上から見て時計回りに旋回すると第1時点t=t
1において推定もしくは予測されるまたは計測された場合について考察する(
図13Bの右向きの白矢印参照)。この場合、
図13Bに実線で示されている第1時点t=t
1におけるバケット440よりも右側に変位した、
図13Bに破線で示されている第2時点t=t
2におけるバケット440の先端部中央点が第1指標点p
1として定義される。
【0097】
そして、それぞれの場合において、当該第1指標点p1が対象物体Objの表面に対して投影された結果としての第2指標点p2を示す指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力される。
【0098】
当該構成の画像表示システムによれば、遠隔操作装置20の遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像およびこれに重畳された指標画像Mを通じて、作業機械40を構成する作業機構440の通信遅れ時間、応答遅れ時間の一部または全部が勘案された位置および/または姿勢の変化態様をオペレータが認識できるため、遠隔操作特有の操作環境を考慮した上で対象物体Objに対する作業機構440の位置関係の認識精度が向上し、より効率的に操作を行うことができる。
【0099】
第1指標点p1と第2指標点p2との相対距離の長短に応じて、意匠が異なる指標画像Mが作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0100】
例えば、
図5に示されているように、第2指標点p
2に向かって頂点を下方に向けた略二等辺三角形状の指標画像Mが、第1指標点p
1と第2指標点p
2との相対距離が長くなるほど、(1)縦方向のサイズが連続的または段階的に長くなるように、かつ/または、(2)相似比または面積が連続的または段階的に大きくなるように、かつ/または、(3)明度、彩度および/または透明度が連続的または段階的に低くなるように、その意匠が変更または調節されたうえで作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0101】
また、
図14に左から順に示されているように、第1指標点p
1と第2指標点p
2との相対距離が連続的または段階的に大きくなるにつれて、指標画像Mの形状を、下向きの略二等辺三角形、下向きの略二等辺三角形およびその底辺に対向して当該底辺に長辺を平行にして配置された1つの略矩形または直線線分の組み合わせ、下向きの略二等辺三角形およびその底辺に対向して当該底辺に長辺を平行にして配置された2つの略矩形または直線線分の組み合わせ、と変化させながら作業環境画像に重畳されて遠隔画像出力装置221に出力されてもよい。
【0102】
当該構成の画像表示システム20によれば、遠隔画像出力装置221に出力される作業環境画像および指標画像Mの意匠を通じて、第1指標点p1と第2指標点p2との相対距離またはその長短をオペレータに把握させることができる。これにより、作業機構440の特定部位と対象物体の表面との位置関係に対する当該オペレータによる認識精度の向上が図られる。
【符号の説明】
【0103】
10‥画像表示システム、20‥遠隔操作装置、40‥作業機械、102‥データベース、121‥通信機能要素、122‥画像処理機能要素、200‥遠隔制御装置、210‥遠隔入力インターフェース、211‥遠隔操作機構、220‥遠隔出力インターフェース、221‥遠隔画像出力装置、222‥遠隔音響出力装置、400‥実機制御装置、410‥実機入力インターフェース、420‥実機出力インターフェース、424‥キャブ(運転室)、440‥作業機構、445‥アタッチメント、M、M1、M2‥指標画像、Obj‥対象物体、p1、p11、p12‥第1指標点、p2、p21、p22‥第2指標点。