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特開2023-83262埋設型のパワーデバイス、ドライバ回路、及びマイクロコントローラを、3Dプリント回路基板と共に有する、冷却プレート
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  • 特開-埋設型のパワーデバイス、ドライバ回路、及びマイクロコントローラを、3Dプリント回路基板と共に有する、冷却プレート 図1
  • 特開-埋設型のパワーデバイス、ドライバ回路、及びマイクロコントローラを、3Dプリント回路基板と共に有する、冷却プレート 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083262
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】埋設型のパワーデバイス、ドライバ回路、及びマイクロコントローラを、3Dプリント回路基板と共に有する、冷却プレート
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20230608BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022193531
(22)【出願日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】17/541,727
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】フォン チョウ
(72)【発明者】
【氏名】請川 紘嗣
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA05
5E322AA11
5E322AB11
5E322FA01
5F136CB06
5F136CB07
5F136DA17
5F136DA27
5F136DA41
5F136EA41
(57)【要約】
【課題】埋設型電子デバイス用の冷却デバイスを提供する。
【解決手段】集積パワーエレクトロニクスパッケージは、冷却プレートを含み、冷却プレートは、冷却プレートの上面に埋設されたマイクロコントローラ、ドライバ回路、及びパワーモジュールを有する。3D印刷される回路基板が、マイクロコントローラ、ドライバ回路、及びパワーモジュールの上及び周囲の少なくとも一方に印刷されることにより、それらコンポーネントの電気的接続が作り出される。追加の電気コンポーネントが、3Dプリント回路基板に実装されることにより、集積パワーエレクトロニクスパッケージが形成される。冷却プレートは、複数のフィンを有する中空の内側凹部をさらに有する。複数のフィンは、冷却プレートに埋設されたマイクロコントローラ、ドライバ回路、及びパワーモジュールの、目標としている冷却を可能にするように、異なる密度を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と、前記表面内に形成されている複数のキャビティとを含む冷却プレートと、
複数のパワーエレクトロニクスであって、該複数のパワーエレクトロニクスの各々は、前記複数のキャビティのうちの対応する1つのキャビティ内に配置される、複数のパワーエレクトロニクスと、
前記表面上に形成され、前記複数のパワーエレクトロニクスに接続された3Dプリント回路基板と、を備える、デバイス。
【請求項2】
前記複数のパワーエレクトロニクスは、少なくとも1つのマイクロコントローラ、少なくとも1つの集積回路基板、及び少なくとも1つのパワーモジュールを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記冷却プレートは、中空の内側凹部をさらに有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記冷却プレートは、前記中空の内側凹部に流体的に接続された入口及び出口をさらに有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記中空の内側凹部内には、複数のフィンが配置されている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記複数のフィンは、複数の領域において前記中空の内側凹部内に配置され、該複数の領域の各々は、異なる稠密性を有する複数のフィンを含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのパワーモジュールは、導体基板、電気絶縁層、及びパワーデバイスを有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのマイクロコントローラは、フリップチップパッケージ構造を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの集積回路は、フリップチップパッケージ構造を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項10】
前記3Dプリント回路基板に接続された1以上の電気コンポーネントをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
その上面に埋設された複数のパワーエレクトロニクスを有する冷却プレートと、
前記冷却プレートの前記上面の下に配置された中空の内側凹部と、
前記冷却プレートの前記中空の内側凹部内に配置された複数のフィンと、
前記冷却プレートの前記中空の内側凹部に流体的に接続された入口及び出口と、を備え、
前記複数のフィンの稠密性は、前記冷却プレートの前記中空の内側凹部に亘って変化する、デバイス。
【請求項12】
前記複数のパワーエレクトロニクスは、前記冷却プレートの前記上面に形成された3Dプリント回路基板を介して接続された少なくとも1つのマイクロコントローラ、少なくとも1つの集積回路、及び少なくとも1つのパワーモジュールを有する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記3Dプリント回路基板に実装された1以上の電気コンポーネントをさらに備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つのパワーモジュールは、導体基板、電気絶縁層、及びパワーデバイスを有する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つのマイクロコントローラは、フリップチップパッケージ構造を有する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つの集積回路は、フリップチップパッケージ構造を有する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項17】
その上面に複数のキャビティを有する冷却プレートを形成し、
前記複数のキャビティの少なくとも1つに、少なくとも1つのマイクロコントローラを埋設し、
前記複数のキャビティの少なくとも1つに、少なくとも1つの集積回路を埋設し、
前記複数のキャビティの少なくとも1つに、少なくとも1つのパワーモジュールを埋設し、
3Dプリンタを用いて、前記冷却プレートの前記上面に埋設された前記少なくとも1つのマイクロコントローラ、前記少なくとも1つの集積回路、及び前記少なくとも1つのパワーモジュールの上又は周囲に回路基板を印刷する、方法。
【請求項18】
前記回路基板上に電気コンポーネントを実装する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
導体基板、電気絶縁層、及びパワーデバイスを接着することによって前記パワーモジュールを形成する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのマイクロコントローラ及び前記少なくとも1つの集積回路の少なくとも一方をフリップチップパッケージ構造に形成する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、全般的に、埋設型電子デバイス用の冷却デバイスに関し、より具体的には、冷却プレート、及び冷却プレートを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動サービス用の自律運転車両などの、電化車両では、電気ドライブトレインの小型化が所望される場合がある。集積パワーエレクトロニクスが、シリコン(「Si」)デバイスから炭化ケイ素(「SiC」)デバイスに徐々に移行するにつれて、デバイスの熱流束は、それらデバイスのフットプリントの減少に起因して増大し、このことにより、積極的な冷却の必要性が生じている。これらのパワーエレクトロニクスにおいては、熱源(パワーデバイス)とヒートシンク(冷却プレート)との間の各層が、デバイスの全体的な熱抵抗に寄与している。さらには、パワーエレクトロニクスデバイスは一般に、ドライバ集積回路(「IC」)及びマイクロコントローラなどの、熱を放出し、冷却を必要とし得る、他のコンポーネントを特徴としている。したがって、埋設型のパワーデバイス及び電子コンポーネントと、そのようなパワーデバイス及び電子コンポーネントを冷却するための冷却プレートとを有する、小型の集積パワーエレクトロニクスデバイスが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0003】
実施形態では、デバイスが開示される。このデバイスは、その上面に複数のキャビティが形成された冷却プレートを備え得る。少なくとも1つのマイクロコントローラを、複数のキャビティの少なくとも1つに接着することができ、それにより、少なくとも1つのマイクロコントローラは、冷却プレートの上面に埋設される。少なくとも1つの集積回路を、複数のキャビティの少なくとも1つに接着することができ、それにより、少なくとも1つの集積回路は、冷却プレートの上面に埋設される。少なくとも1つのパワーモジュールを、複数のキャビティの少なくとも1つに接着することができ、それにより、少なくとも1つのパワーモジュールは、冷却プレートの上面に埋設される。これら少なくとも1つのマイクロコントローラ、少なくとも1つの集積回路、及び少なくとも1つのパワーモジュールは、冷却プレートの上面に形成された3Dプリント回路基板を介して接続されている。
【0004】
別の実施形態では、デバイスが開示される。このデバイスは、その上面に埋設された少なくとも1つのマイクロコントローラ、少なくとも1つの集積回路、及び少なくとも1つのパワーモジュールを有する冷却プレートを備え得る。冷却プレートはさらに、冷却プレートの上面の下に配置された中空の内側凹部を有し得るものであり、その冷却プレートの中空の内側凹部内には、複数のフィンを配置することができる。冷却プレートの中空の内側凹部に、入口及び出口を流体的に接続することができる。複数のフィンの密度は、冷却プレートの中空の内側凹部全体に亘って変化し得る。
【0005】
さらには、方法が開示される。本方法は、その上面に複数のキャビティを有する冷却プレートを形成する。本方法はさらに、複数のキャビティの少なくとも1つの中に、少なくとも1つのマイクロコントローラを埋設し、複数のキャビティの少なくとも1つの中に、少なくとも1つの集積回路を埋設し、複数のキャビティの少なくとも1つの中に、少なくとも1つのパワーモジュールを埋設する。本方法はまた、3Dプリンタを用いて、冷却プレートの上面に埋設された少なくとも1つのマイクロコントローラ、少なくとも1つの集積回路、及び少なくとも1つのパワーモジュールの、上及び周囲の少なくとも一方に、回路基板を印刷する。
【0006】
本明細書で説明される実施形態によって提供される、これらの特徴及び追加的特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することで、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面に記載される実施形態は、本質的に典型的かつ例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図するものではない。例示的実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示されている以下の図面と併せ読むことで理解することができる。
図1】本明細書で図示及び説明される1以上の実施形態による、冷却プレート上に制御基板を3D印刷することによって集積パワーエレクトロニクスパッケージを形成するための、電子コントローラを有する例示的システムを示す。
図2】本明細書で図示及び説明される1以上の実施形態による、冷却プレートを形成することによって集積パワーエレクトロニクスパッケージを形成するための、例示的方法のフロー図を示す。
図3】本明細書で図示及び説明される1以上の実施形態に従って形成された例示的な冷却プレートの斜視図を示す。
図4】本明細書で図示及び説明される1以上の実施形態による、図3の冷却プレートの部分分解図を示す。
図5】本明細書で図示及び説明される1以上の実施形態による、図3の冷却プレートの透視図を示す。
図6】本明細書で図示及び説明される1以上の実施形態による、3Dプリント回路基板を有する図3の冷却プレートの斜視図を示す。
図7】本明細書で図示及び説明される1以上の実施形態による、3Dプリント回路基板を冷却プレートと接続するために使用されている、フリップチップパッケージ構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で開示される実施形態は、冷却プレート、冷却プレートを備えるデバイス、及び冷却プレートを形成する方法に関する。より具体的には、本開示は、冷却プレートに埋設されたパワーデバイス及び電子コンポーネントを冷却するように構成されている、複数のフィンを有する、冷却プレートに関する。いくつかの実施形態では、冷却プレートは、パワーデバイス、マイクロコントローラ、ドライバIC、及び他のパワーエレクトロニクスコンポーネントの少なくとも一方を有し得る。これらの実施形態では、冷却プレートは、それらのコンポーネントが冷却プレートに少なくとも部分的に埋設されるように、パワーデバイス及び電子コンポーネントの少なくとも一部をその中に受け入れるように構成することが可能な、複数のキャビティを有し得る。冷却プレートは、従来の製作方法を用いて、又は付加製造方法を用いて形成することができる。
【0009】
本明細書でより詳細に説明されるように、プリント回路基板(PCB)の、3D印刷される誘電体層及び導体層は、電子コンポーネント及びパワーデバイスを接続するために、並びに、ドライバ、コントローラ回路、又は、PCB内の他の同様の回路をレイアウトするために、冷却プレートの上に形成することができる。いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、それらのコンポーネントを3DプリントPCBに接続するための、フリップチップパッケージ構造、ボールグリッドアレイ(BGA)構造、又はクワッドフラットパッケージ(QFP)を有し得る。抵抗器及びコンデンサなどの追加的デバイスを、3DプリントPCBに実装することができる。
【0010】
用語「付加製造」とは、一般に、材料の連続的な層が、順に重ねて提供されることにより、3次元のコンポーネントを一層ずつ構築する、製造プロセスを指す。これらの層は一般に、共に融合することにより、モノリシックコンポーネントを形成する。付加製造技術の例としては、熱溶解積層法(FDM)、選択的レーザ焼結(SLS)、インクジェット及びレーザジェットなどによる3D印刷、ステレオリソグラフィ(SLA)、直接レーザ焼結(DSLS)、電子ビーム焼結(EBS)、電子ビーム溶解(EBM)、レーザ加工ネットシェイピング(LENS)、レーザネットシェイプ製造(LNSM)、直接金属堆積(DMD)、デジタル光加工(DLP)、直接選択的レーザ溶解(DSLM)、選択的レーザ溶解(SLM)、直接金属レーザ溶解(DMLM)などが挙げられる。付加製造プロセスは、単一のコンポーネントを構築するための、複数の異なる材料の使用を可能にし得る。
【0011】
本明細書で規定される場合、用語「3D印刷」とは、プラスチック、樹脂、金属などの複数の層を積み重ねて(例えば、印刷して)、中実の3次元部品を作り出すことによって、冷却プレート又はPCBなどの所望の物体を作り出すために使用される、付加製造プロセスを指す場合がある。3D印刷プロセスは、3Dプリンタデバイスが追従するべきテンプレートを作成するために、複数の水平な層へと分解することが可能な、コンピュータ支援設計(CAD)モデルなどのデジタルモデルを生成することを含み得る。
【0012】
3D印刷は、冷却プレートの形成に関して特に有利であり得る。特に、成形、溶接などの複数の成形ステップを必要とする場合が多い、従来の成形プロセスを用いて達成することが可能なものよりも、小型かつ効率的な冷却プレートを作製する需要が高まっている。3Dプリント冷却プレートはまた、従来の製作技術を用いて達成することが不可能な、複雑な幾何学形状を利用することによって、熱性能の向上も提供し得る。例えば、3Dプリント冷却プレートは、従来の技術を用いて形成されたプレートよりも、遥かに小さい達成可能な厚さを有する。より小さい特徴部を利用することによって、より複雑なフローチャネルを冷却プレート内に作り出し、それにより、プレートの総表面積を増大させることが可能であり得る。表面積の増大は、同様に、プレートによって除去することが可能な熱の量を増大させ、それにより、プレートの熱性能を向上させることができる。
【0013】
さらには、3Dプリント冷却プレートは、従来の方式で形成された冷却プレートよりも、軽量かつ小型であり得る。例えば、3D印刷によって提供される、独特の形状及び内部特徴部を形成する能力により、より少ない材料を利用する冷却プレートが可能になり、それにより、プレートが、より軽量かつより小型になる。さらには、3Dプリント冷却プレートは、熱伝達の損失又は冷却剤(例えば、流体)の漏出を引き起こす恐れのある接合部分、開口部などをプレートが一切含まないような、モノリシック構造として形成することができる。これは、漏出が生じやすい傾向のある、いくつもの封止部及び接合部の少なくとも一方を有する少なくとも2つのシェルによって形成される場合が多い、従来の方式で形成された冷却プレートに勝る、明らかな改善である。
【0014】
最後に、3Dプリント冷却プレートは、簡略化された生産プロセスによる利益を受ける。特に、冷却プレートを3D印刷するプロセスは、成形、ろう付け、溶接などの、全てが高価で時間を要する試みの必要性を軽減して、冷却プレートの効率化された生産を可能にする。
【0015】
3DプリントPCBを利用することにより、同様の利点を提供することができる。従来の方法の、レーザ穴あけ及び電気めっきを使用する積層方法とは異なり、冷却プレート上にPCBを直接3D印刷することにより、PCBは、非対称の幾何学形状を有することが可能となる。例えば、本明細書で詳細に説明される、電子コンポーネントの上及び周囲にPCBを3D印刷するプロセスは、PCBにコンポーネントをシームレスに埋設することを可能にする。
【0016】
3D印刷デバイスは、従来の積層方法に関連付けられている様々な制限に制約されることなく、導電材料、絶縁材料、及び支持材料を堆積させてPCBを形成するように構成することができる。むしろ、3D印刷デバイスは、導電材料及び絶縁材料の双方を、単一の層内に印刷することが可能である。さらには、3D印刷デバイスは、導電部分が形成される際に、3次元空間における(例えば、X、Y、及びZ方向の少なくとも一方における)、PCBの導電部分の3つの寸法の全てを変えることが可能である。したがって、導電経路及び熱伝導経路の少なくとも一方を提供するために、積層されたPCB内の導電層間に複数の比較的小さいビアを形成する代わりに、単一の大きい導電部分を有する、3DプリントPCBを形成することができる。単一の大きい導電部分は、埋設されたパワーデバイスと、冷却プレート、又はPCBの他の熱抽出表面との間の、不必要な層を排除することによって、PCB内の電気抵抗経路及び熱抵抗経路を低減する。さらには、3D印刷プロセスを用いて形成される導電経路は、導電材料の平行な平面を相互接続するための、導電性平面及び概ね垂直な交差部(例えば、ビア)に限定されるものではない。すなわち、3DプリントPCB内に形成された3Dプリント導電経路は、X、Y、及びZ方向における任意の形状を有し得るものであり、平行な平面及び垂直な導電ビアの向きに制約されるものではない。結果として、3DプリントPCBは、積層されたPCBと比較して、より薄くすることができ、3DプリントPCBを介した熱伝達に関して、より効率的であり得る。
【0017】
本明細書で規定される場合、用語「フリップチップパッケージ」とは、マイクロコントローラ、微小電気機械システム(MEMS)、又はドライバICなどの半導体ダイが、ボンドパッド側を下にして基板又はキャリアに実装されたアセンブリを指す。フリップチップパッケージでは、ダイボンドパッド上の導電性バンプによって、電気的接続を作り出すことができる。ダイが接続されると、一般に「アンダーフィル」と称される非導電性接着剤で、ダイと基板との間のあらゆる空間を充填することができる。アンダーフィルは、ダイと基板との間の応力緩和を提供することができ、電子コンポーネントを湿気の侵入から保護することができる。
【0018】
フリップチップパッケージは、代替的な相互接続パッケージに勝る、いくつもの利点を提供し得る。例えば、フリップチップパッケージは、ダイの全領域を接続のために使用することができるため、より高い入出力(I/O)計数をもたらし得る。さらには、フリップチップパッケージによって使用される短い相互接続経路により、フリップチップパッケージを利用するデバイスの速度を改善することができる。さらには、ワイヤボンドが撤廃されていることにより、フリップチップパッケージには、より小さいフォームファクタ、及び熱伝導率の向上がもたらされる。
【0019】
従来のフリップチップパッケージは、基板とダイとの間の電気的接続を形成するために、はんだボールアレイを利用している。しかしながら、開示される集積パワーエレクトロニクスパッケージは、PCBの3Dプリントビアを用いて、冷却プレートに埋設された電子コンポーネントに基板を接続することによって、はんだボールアレイの必要性を軽減する。はんだボールアレイを排除することによって、本明細書で利用されるフリップチップパッケージは、相互接続経路をさらに最小限に抑えることができ、それにより、開示される集積パワーエレクトロニクスパッケージの速度及び熱伝導率を向上させることができる。
【0020】
次に、冷却プレートの実施形態と、集積パワーエレクトロニクスパッケージを形成するシステム及び方法の実施形態とを、本明細書でより詳細に説明する。以下では、これらのシステム、方法、及びデバイスを、図面を参照してより詳細に説明するものとし、同様の番号は同様の構造を指す。
【0021】
図1を参照すると、冷却プレート上にPCBを3D印刷することによって集積パワーエレクトロニクスパッケージを形成するための、電子コントローラ102を有する例示的システム100が示されている。いくつかの実施形態では、システム100は、3Dプリンタ105に通信可能に接続されたコンピューティングデバイスなどの電子コントローラ102を含む。電子コントローラ102は、ディスプレイ102a、処理ユニット102b、及び入力デバイス102cを含み得るものであり、これらの各々は、互いに通信可能に接続することができる。電子コントローラ102は、サーバ、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、ハンドヘルドデバイス、又は同様のコンピューティングデバイスとすることができる。電子コントローラ102は、システムに情報を提供するために、システムのユーザによって使用することができる。電子コントローラ102は、本明細書で説明されるように、電子コントローラ102に通信可能に接続された3Dプリンタ105にアクセスするために、ローカルアプリケーション、ウェブアプリケーションなどを利用することができる。このシステムはまた、冷却プレート設計、3D印刷命令など(例えば、コンピュータ支援設計(CAD)ファイルなど)が電子コントローラ102によって問い合わされ、抽出され、更新され、かつ/又は利用されることが可能な、1以上のデータベースを有する、1以上のデータサーバ(図示せず)も含み得る。
【0022】
本明細書でより詳細に説明される電子コントローラ102は、アプリケーションをホストして、本明細書で説明されるシステムに関連するプロセスを実行するように構成することができる。電子コントローラ102及び3Dプリンタ105が、図1の例示的システム100に示されているが、電子コントローラ102によって実行される機能及び動作の各々は、複数の電子コントローラ102及び複数の3Dプリンタ105を有する分散コンピューティング環境において、具現化及び展開することができる点を理解されたい。電子コントローラ102は、パーソナルコンピュータとして示されているが、これは単なる一実施例に過ぎない点もまた理解されたい。いくつかの実施形態では、任意のタイプのコンピューティングデバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス、パーソナルコンピュータ、サーバなど)を、これらのコンポーネントのいずれかに関して利用することができる。さらには、いくつかの実施形態では、電子コントローラ102は、3Dプリンタ105のコンポーネントとすることもできる。
【0023】
電子コントローラ102は、プロセッサ130と、入出力ハードウェア132と、ネットワークインタフェースハードウェア134と、PCB設計138aのデータベース、及びPCB設計138aのうちの1以上に対応している3Dプリンタ命令のデータベースを記憶することが可能な、データ記憶コンポーネント136と、メモリコンポーネント140とを含む。メモリコンポーネント140は、機械可読メモリ(非一時的プロセッサ可読メモリと称される場合もある)とすることができる。メモリコンポーネント140は、揮発性及びは不揮発性メモリの少なくとも一方として構成することができ、それゆえ、ランダムアクセスメモリ(SRAM、DRAM、及び他のタイプのランダムアクセスメモリの少なくとも一方を含む)、フラッシュメモリ、レジスタ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、及び他のタイプの記憶コンポーネントの少なくとも一方を含み得る。さらには、メモリコンポーネント140は、動作論理142、本明細書で説明される方法のうちの1以上を実施するためのシステム論理144a、及び、ユーザとシステム100との間の対話型インタフェースを実装するためのインタフェース論理144bを記憶するように構成することができる(これらの論理の各々は、一実施例として、コンピュータプログラム、ファームウェア、又はハードウェアとして具現化することができる)。電子コントローラ102のコンポーネント間の通信を容易にするために、図1には、ローカルインタフェース146もまた含まれており、バス又は他の通信インタフェースとして実装することができる。
【0024】
プロセッサ130は、(データ記憶コンポーネント136及びメモリコンポーネント140の少なくとも一方などからの)プログラミング命令を受信及び実行するように構成されている、任意の処理コンポーネントを含み得る。これらの命令は、データ記憶コンポーネント136及びメモリコンポーネント140の少なくとも一方内に記憶されている、機械可読命令セットの形態とすることができる。入出力ハードウェア132は、モニタ、キーボード102c、マウス、プリンタ、カメラ、マイクロフォン、スピーカ、並びに、データを受信、送信、及び/又は提示するための他のデバイスの少なくとも一方を含み得る。ネットワークインタフェースハードウェア134は、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、モバイル通信ハードウェア、並びに、他のネットワーク及び/又はデバイスと通信するための他のハードウェアの少なくとも一方などの、任意の有線若しくは無線ネットワークハードウェアを含み得る。
【0025】
データ記憶コンポーネント136は、電子コントローラ102に対してローカル及びリモートの少なくとも一方で存在し得るものであり、電子コントローラ102及びは他のコンポーネントの少なくとも一方によってアクセスするための、1以上のデータを記憶するように構成することができる点を理解されたい。図1に示されるように、データ記憶コンポーネント136は、冷却プレート設計138cのデータベースと、それら冷却プレート設計138cのうちの1以上に対応している3Dプリンタ命令のデータベースとを記憶することができる。データ記憶コンポーネント136はまた、PCB設計138aのうちの1以上に対応している3Dプリンタ命令のデータベースも含む。これらの3Dプリンタ命令は、電子コントローラ102又は別のコンピューティングシステムによって生成することができる。3Dプリンタ命令は、ユーザによって定義されたPCB設計138aに従って、3DプリンタがPCBを構築することができるような、所定の3Dプリンタモデルに関する特定の動作命令及び堆積命令を含む。
【0026】
システム100は、電子コントローラ102に通信可能に接続された3Dプリンタ105をさらに含む。3Dプリンタ105は、材料噴射(MJ)、結合剤噴射(BJ)、ドロップオンデマンド(DOD)、熱溶解積層法(FDM)、ステレオリソグラフィ(SLA)、デジタル光加工(DLP)、選択的レーザ焼結(SLS)、選択的レーザ溶解(SLM)、薄膜積層法.(LOM)、電子ビーム溶解(EBM)、及び同様のタイプの3Dプリンタの少なくとも一方などの、任意の高速プロトタイピング、高速製造デバイス、又は付加製造デバイスとすることができる。3Dプリンタ105は、プロセッサと、メモリと、PCB設計138aを印刷するための3Dプリンタ命令138bを受信するための他の電子コンポーネントとを含み得る。3Dプリンタ命令138bは、3Dプリンタ105にアップロードすることが可能な印刷に関する、PCB設計138aに対応している設計構成ファイルである。
【0027】
いくつかの実施形態では、システム100は、複数のデバイスの相互接続性を介して、例えば、電子コントローラ102と3Dプリンタ105とが併置されている、又は異なる場所にあるネットワークを介して、実装することができる。他の実施形態では、システム100は、3Dプリンタ105に通信可能に接続された電子コントローラ102を介して実装される。システム100の実装形態に関わりなく、電子コントローラ102は、本明細書で図示及び説明される実施形態に従って、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの少なくとも一方を利用することができる。いくつかの実施形態では、電子コントローラ102は、必要なハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの少なくとも一方を有する、汎用コンピュータとして構成することができるが、いくつかの実施形態では、電子コントローラ102は、本明細書で説明される機能を実行するために特別に設計されている、専用コンピュータとして構成することもできる。
【0028】
さらに図1を参照すると、システム100はさらに、冷却プレートを3D印刷するように構成することができる。これらの実施形態では、データ記憶コンポーネント136は、冷却プレート設計138cのデータベース、及び冷却プレート設計138cの少なくとも一方に対応している3Dプリンタ命令のデータベースをさらに含み得る。これらの3Dプリンタ命令は、電子コントローラ102又は別のコンピューティングシステムによって生成することができる。3Dプリンタ命令は、ユーザによって定義された冷却プレート設計138cに従って、3Dプリンタが冷却プレートを構築することができるような、所定の3Dプリンタモデルに関する特定の動作命令及び堆積命令を含む。
【0029】
冷却プレートが3D印刷される実施形態では、電子コントローラ102は、3Dプリンタ105を用いて冷却プレート及びPCBの双方の3D印刷を実施するように構成することができる。これらの実施形態では、3Dプリンタ105は、冷却プレートの上面にPCB層を印刷する前に、冷却プレートを3D印刷することができる。冷却プレートが形成されると、電子コントローラは、本明細書で詳細に説明されるように、冷却プレートの上にPCBを堆積させるための3Dプリンタ命令を実行することができる。
【0030】
ここで図2を参照すると、冷却プレートを含む集積パワーエレクトロニクスパッケージを形成するための、例示的な方法の例示的なフロー図が示されている。本明細書で説明される方法により、中に集積化されているパワーエレクトロニクスの熱管理の改善を提供する、集積パワーエレクトロニクスパッケージがもたらされる。最初に、パワーデバイスと、マイクロコントローラ及びドライバICなどの電子コンポーネントとを、冷却プレートの上面に埋設することにより、これらのコンポーネントの動作時の冷却が、効果的に強化される。特に、パワーデバイスと冷却プレートとの間の各層が、集積パワーエレクトロニクスパッケージの全体的な熱抵抗に寄与する。したがって、パワーデバイス及び電子コンポーネントを冷却プレートの上面に埋設することは、パワーデバイスと冷却プレートとの間に存在する層の数を最小限に抑えるように作用し、それにより、パッケージの全体的な熱抵抗を減少させる。
【0031】
冷却プレートが3D印刷される実施形態は、更なる熱管理の利益を提供し得る。例えば、3D印刷方法は、経時的に漏出が生じやすく、かつ冷却プレートの熱管理を阻害する、多数の封止部及び接合部の少なくとも一方を含まない、単一のモノリシック構造を有する冷却プレートをもたらすことができる。冷却プレートを単一の構造体として3D印刷することによって、そのような漏出の懸念を軽減することができる。さらには、冷却プレートを3D印刷する方法は、従来の製作技術を用いて達成することが不可能な場合がある、幾何学形状の利用を可能にする。これらの独特の幾何学形状は、冷却プレートの全表面積の増大を可能にし得ることにより、冷却プレートが任意の埋設型電子コンポーネントから伝達して逃すことが可能な熱の量を、増大させることができる。
【0032】
同様に、これらの利益は、熱伝導材料などの単一の材料片から冷却プレートを形成することによって、達成することもできる。これらの実施形態では、冷却プレートは、押出成形又は別の同様の製作技術を介して形成することができる。
【0033】
さらには、冷却プレート内に埋設されたパワーデバイスの上及び周囲の少なくとも一方にPCBを3D印刷する方法は、さらなる熱的利益を提供し得る。具体的には、PCBを3D印刷することにより、PCBと冷却プレートとの間の、グリース層及び他の熱界面層の少なくとも一方の必要性を排除し、外部絶縁層の必要性を軽減するように作用する。さらには、3DプリントPCBは、従来の積層されたPCBよりも薄く、熱伝達に関してより効率的であり得る。
【0034】
次に、集積パワーエレクトロニクスパッケージを形成する方法200を説明する。図2のブロック210を参照すると、本方法は、例えば、図3図4に示される冷却プレート300などの、冷却プレートを形成することを含み得る。いくつかの実施形態では、冷却プレート300は、従来の製作技術を用いて形成することができるが、他の実施形態では、冷却プレート300は、3D印刷プロセスを用いて形成することができる。
【0035】
図4で最も明確に示されるように、冷却プレート300は、冷却プレート300の上面302に配置された複数のキャビティ304を含み得る。複数のキャビティ304は、1以上のパワーモジュール330、1以上のマイクロコントローラ320、及び1以上のドライバIC340の少なくとも一方を受け入れるようにサイズ設定することができる。例えば、複数のキャビティ304は、1以上のパワーモジュール330を受け入れるようにサイズ設定されている、パワーモジュールキャビティ304aと、1以上のマイクロコントローラ320を受け入れるようにサイズ設定されている、マイクロコントローラキャビティ304bと、1以上のドライバIC340を受け入れるようにサイズ設定されている、ドライバICキャビティ304cとを含み得る。
【0036】
これらの実施形態では、複数のキャビティ304は、パワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340の少なくとも一方が、複数のキャビティ304に接着された場合に、冷却プレート300の上面302に埋設されるような、十分なサイズ及び深さとすることができる。例えば、パワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340の少なくとも一方は、各コンポーネントの上面が冷却プレート300の上面302と同一平面になるように、冷却プレート300の上面302内に埋設することができる。
【0037】
図3及び図4を参照すると、冷却プレート300は、入口360及び出口380をさらに有し得るものであり、これらの各々は、3Dプリント冷却プレート300を冷却剤などの流体及び蒸気の少なくとも一方が通過することを可能にするように、構成することができる。例えば、冷却剤は、入口360を介して冷却プレート300に入り、出口380を介して冷却プレート300から出て行くことができる。
【0038】
ここで図5を参照すると、冷却プレート300の中空の内側凹部を示す、冷却プレート300の部分透視図が示されている。図示のように、冷却プレート300は、冷却プレート300が、例えば複数のフィン312などの、様々な冷却コンポーネントを収容することが可能な、中空の内側凹部310を有するように形成することができる。図5の実施形態は、複数のフィン312を含むものとして冷却プレート300を示しているが、冷却プレート300は、複数の直線状チャネル、ピンフィン、マニホールドマイクロチャネル構造などの、他の冷却コンポーネントを含むように、さらに設計することができる点を理解されたい。
【0039】
冷却プレート300が3D印刷される実施形態では、フィン312は、フィン312と冷却プレート300とが単一のモノリシック構造となるように、冷却プレート300の一部分として3D印刷することができる。他の実施形態では、フィン312は、機械加工、鋳造、押出成形、及び他の同様のプロセスなどの、従来の製作方法を用いて別個に形成することができ、次いで、冷却プレート300に、より特定的には中空の内側凹部310内に、接着することができる。そのような実施形態では、フィン312は、熱伝導性エポキシ、ろう付け、溶接、又は同様の接着剤によって、内側凹部310に接着することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、冷却プレート300は、異なる密度を有する複数のフィン312を各領域が含むような、複数の領域を含み得る。本明細書で規定される場合、用語「密度」とは、冷却プレート300の複数の領域の各々における、複数のフィンの稠密性を指す場合がある。例えば、複数のフィン312は、冷却プレート300のいくつかの領域において、フィン312が緊密に稠密化されている、すなわち密集していることに対して、冷却プレート300の他の領域においては、複数のフィン312が緩く稠密化されている、すなわち疎らであるように、配置することができる。これらの実施形態では、複数のフィン312の表面積は、フィン312が密集して配置されている領域において最大となり得、このことは、これらの領域からの熱伝達の増大をもたらし得る。
【0041】
これらの実施形態では、冷却プレート300は、複数の領域の各々において、異なる熱交換特性を有するように構成することができ、このことは、複数の領域の各々において、異なる埋設型電子コンポーネントを冷却するために望ましい場合がある。例えば、図5は、マイクロコントローラ320及びドライバIC340に隣接して配置された複数の疎らに配置されたフィン312aと、パワーモジュール330に隣接して配置された複数の密集して配置されたフィン312bとを示す。この実施形態では、パワーモジュール330は、マイクロコントローラ320及びドライバIC340の少なくとも一方よりも著しく多くの熱を生成し得るものであり、このことは、パワーモジュール330からの熱伝達の必要性を増大させる。流体が、冷却プレート300の内側凹部310を通って流れる際、複数のフィン312と接触する流体の表面積は、複数の密集したフィン312bに対応している領域(例えば、パワーモジュール330に隣接する領域)において最大となり、このことにより、その領域における熱伝達の量を増大させることができる。これらの実施形態では、冷却プレート300を通る流体の流れは、各領域における複数のフィン312の密度を制御することによって最適化することができ、このことは、熱伝達と、内側凹部310内で生じ得る、あらゆる潜在的な圧力降下との、バランスをとるために役立ち得る。
【0042】
さらに図5を参照すると、複数の領域の各々における複数のフィン312は、冷却プレート300が必要とされている冷却用途に応じて、単相冷却及び二相冷却の双方で熱伝達を強化するように構成することができる。例えば、1以上のパワーモジュール330の冷却などの、高度の冷却が必要とされる領域では、フィン312は、二相冷却構造として構成することができる。そのような構成では、フィン312は、冷却プレート300に埋設された1以上のパワーモジュール330に隣接して配置することができる。したがって、1以上のパワーモジュール330によって生成される熱は、中空の内側凹部310内の流体の相変化を引き起こし得る(例えば、流体を沸騰させて蒸気へと変化させる)。流体は、中空の内側凹部310内の表面上で別の相変化を経る場合(例えば、蒸気が凝縮する場合)、又は、冷却プレート300の外部環境に内側凹部310を流体的に接続した出口380を通って、内側凹部310から出て行く場合もある。
【0043】
他の実施形態では、フィン312は、冷却プレート300の単相冷却を提供するように構成することができる。これらの実施形態では、フィン312は、用途に応じて、多孔性又は中実とすることができる。フィン312は、冷却プレート300に埋設されたパワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340の少なくとも一方からの、流体を介した熱伝達が生じるように、冷却プレート300の内側凹部310内で流体が比較的制限されずに流れることを可能にし得る。単相構成では、フィン312を通って流れる流体、及びフィン312の周囲を流れる流体の少なくとも一方は、温度が上昇する可能性があるが、一般に液体形態に留まることになる。流体がフィン312を通って流れる流体、及びフィン312の周囲を流れる流体の少なくとも一方は、出口380を通って冷却プレート300の内側凹部310から出て行くことができる。
【0044】
ここで図2のブロック220を参照すると、パワーモジュール330を組み立てるサブプロセスが完了し、それにより、パワーモジュール330を冷却プレート300のキャビティ304内の凹陥面に接着することができる。本明細書で規定される場合、凹陥面は、冷却プレート300の上面302内の表面とすることができ、その凹陥面に接着されたパワーモジュール330が冷却プレート300の上面302と同一平面になるような、十分な深さを有し得る。いくつかの実施形態では、パワーモジュール330は、図4で最も明確に示されるように、パワーデバイス332、導体基板334、及び電気絶縁層336を有し得る。いくつかの実施形態では、導体基板334は、バルク銅コンポーネント、又は、Sセルなどの任意の他の好適な導体を含み得る。
【0045】
電気絶縁層336は、ダイレクトボンディング銅(DBC)層とすることができる。これらの実施形態では、DBC層は、それらの優れた電気絶縁特性及び良好な熱拡散特性のために実装されている点を理解されたい。それゆえ、DBC層と同様である、若しくはより良好な電気絶縁特性及び熱拡散特性を有する他のデバイスを、本明細書で想到されているDBC層の代わりに実装することもできる。
【0046】
さらには、パワーデバイス332は、例えば、限定するものではないが、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、逆導通IGBT(RC-IGBT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、パワーMOSFET、ダイオード、トランジスタ、及びこれらの組み合わせの少なくとも一方などの、1以上の半導体デバイスを含み得る。パワーデバイス332は、微細加工技術を用いて、小型化された機械デバイス及び電気機械デバイス(例えば、センサ、アクチュエータ、電子機器など)の少なくとも一方並びに構造を作り出すことを含む、微小電気機械システム(MEMS)技術を用いて形成することができる。
【0047】
パワーモジュール330を形成するために、パワーデバイス332、導体基板334、及び電気絶縁層336を、全て共に接着することができる。いくつかの実施形態では、導体基板334は、パワーデバイス332を受け入れるための開口部を有する。これらの実施形態では、パワーデバイス332は、銀焼結、又は液相拡散(TLP)接合などの他の接合技術を用いて、導体基板334の開口部に接着することができる。次いで、同様の接合技術を用いて、導体基板334及びパワーデバイス332を、電気絶縁層336に接着することができる。他の実施形態では、パワーデバイス332が導体基板の開口部内に接着される前に、導体基板334と電気絶縁層336とを共に接着することができる点に留意されたい。
【0048】
ここで図2のブロック230を参照すると、本方法は、マイクロコントローラ320及びドライバIC340を製作する。マイクロコントローラ320は、複数のトランジスタを単一のコントローラへと組み合わせることを含み得る、超大規模集積回路(VLSI)製作などの、従来の方法を用いて形成することができる。ドライバIC340もまた、リソグラフィ、エッチング、堆積などの、従来の製作技術を用いて形成することができる。
【0049】
パワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340が製作されると、それらのコンポーネントは、図2のブロック240で規定されているように、冷却プレートの上面302内にコンポーネントの各々が埋設されるように、冷却プレート300のキャビティ304の凹陥面に接着することができる。いくつかの実施形態では、パワーモジュール330は、パワーモジュール330の電気絶縁層336をキャビティ304内に接着することによって、冷却プレート300のキャビティ304の凹陥面に接着することができる。これらの実施形態では、パワーモジュール330は、冷却プレートに、焼結、はんだ付け、TLP接合、又は同様の方式で接着することができる。
【0050】
ここで図3及び図4を参照すると、いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ320及びドライバIC340は、フリップチップパッケージ構造を有し得る。これらの実施形態では、マイクロコントローラ320の底面は、複数のI/O接続部を含むことが可能な、複数の信号経路を含み得る一方で、マイクロコントローラ320の上面は、複数の熱経路を含み得る。同様に、ドライバIC340の底面は、複数のI/O接続部を含むことが可能な、複数の信号経路を含み得る一方で、ドライバICの上面は、複数の熱経路を含み得る。
【0051】
マイクロコントローラ320及びドライバIC340が、冷却プレート300のキャビティ304の凹陥面に接着される場合、それらのコンポーネントは、各コンポーネントの上面(例えば、複数の熱経路を含む表面)がキャビティ304の凹陥面と接触するように、反転させることができる。この構成では、各コンポーネントの底面(例えば、複数のI/O接続部を含む表面)が、冷却プレート300の上面302を向いている。これらの実施形態では、マイクロコントローラ320及びドライバIC340の底面は、冷却プレート300の上面302と同一平面になり得る。マイクロコントローラ320及びドライバICが、冷却プレート300に接着されると、マイクロコントローラ320及びドライバIC340の双方の底面上の、複数のI/O接続部が露出し得る。この構成では、複数のI/O接続部は、複数の3Dプリントビアによって、パワーモジュール330及び3DプリントPCBに接続することができる。
【0052】
本明細書で説明されるフリップチップパッケージ構造は、従来のQFP又はBGAパッケージなどの、従来の相互接続パッケージに勝る、いくつもの利益を提供する。特に、これらの従来のパッケージは、熱経路及び信号経路を、パッケージの同じ表面上に含む。これらのパッケージでは、回路基板に信号経路を接続するために、電気配線を必要とし得る。さらには、熱経路から熱を効果的に伝達するために、さらなる冷却を必要とし得る。追加的な配線は、パッケージのインダクタンスを大幅に増大させる恐れがあり、このことにより、パッケージから熱を効率的に放散させることが可能な程度が低減される。これらの問題は、マイクロコントローラ320及びドライバIC340を、フリップチップパッケージで提供することによって軽減され、このことは、本明細書で説明されるように、熱経路と信号経路とを別個の表面上に分離することを含む。別個の表面上に経路を分離することによって、マイクロコントローラ320及びドライバIC340の熱経路は、冷却プレートの内側凹部310を通って流れる流体によって提供される熱伝達の利益を受けることが可能となり得るが、このことにより、更なる冷却の必要性を低減することができる。同時に、マイクロコントローラ320及びドライバIC340の信号経路は、それらの経路が、3Dプリントビアを介してパワーモジュール330及び3DプリントPCBに接続することができるように、露出させたままにすることができ、それにより、あらゆる追加の電気配線の必要性が排除される。
【0053】
マイクロコントローラ320及びドライバIC340のフリップチップパッケージはさらに、制御回路及びパワーデバイスの少なくとも一方とパッケージの信号経路との間に電気的接続を作り出すために、従来のフリップチップパッケージで一般に使用されている、はんだボールアレイの必要性を排除するために役立つ。冷却プレート300の上面302上に、PCBを直接3D印刷することによって、マイクロコントローラ320及びドライバIC340の双方上の複数のI/O接続部との間に、シームレスな電気的接続を作り出すことができる。従来のはんだボールアレイを、3Dプリントビアと交換することによって、本明細書で説明されるフリップチップパッケージはさらに、パッケージのインダクタンスを低減することができ、このことにより、パッケージ全体に亘って熱伝達効率を向上させることができる。
【0054】
マイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330が、冷却プレート300に埋設された後、図2によって示されている方法は、ブロック250及び図6に示されるように、冷却プレート300内に埋設されたパワーモジュール330の上及び周囲の少なくとも一方に、PCB400を3D印刷すること。PCB400は、マイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330の上及び周囲の少なくとも一方に3D印刷されている、複数の導電部分及び絶縁部分を含み得る。導電部分は、冷却プレート300のマイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330を共に相互接続するように構成されている、複数の導電経路を含み得る。さらには、導電部分は、複数の導電パッドをさらに含み得るものであり、それらの導電パッドは、導電経路と組み合わせて、冷却プレート300上に実装されたコンポーネントから、冷却プレート300内に埋設されたマイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330への電気的接続を可能にする。
【0055】
PCB400は、3D印刷されているため、プリントPCB400の導電パッドは、介在する絶縁層も、あるいは、レーザ穴あけ若しくは他の機械加工及び電気めっき技術を用いて形成されるビアの形成も、含まない点を理解されたい。それゆえ、PCB400は、冷却プレート300上に直接に、かつ、埋設されたマイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330の上及び周囲の少なくとも一方に、形成することができる。このことにより、パワーモジュール330を受け入れるための、積層されたPCB内のキャビティの機械加工、並びに、導電ビア及び/又は熱伝導ビアの少なくとも一方を形成するための、レーザ穴あけと電気めっきとの少なくとも一方の、追加処理ステップを効果的に排除することができる。
【0056】
さらには、3Dプリンタで導電部分を印刷することによって、導電材料を印刷するプロセスは、マイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330の電気的接続部上に直接印刷することを含み、それにより、それらのコンポーネントから、プリントPCB400内に形成された導電経路への、シームレスな電気的接続を形成することができる。PCBを形成する従来の方法は、積層に関連付けられている一層ずつのプロセスに制限されており、このプロセスは、導電経路及び熱伝導経路の少なくとも一方を提供するために、PCB内の導電層間に複数の比較的小さいビアを配置する。対照的に、3DプリントPCB400は、単一の大きい導電部分で形成することができ、このことにより、PCB400内の電気抵抗経路及び熱抵抗経路が低減され、本明細書で説明されるシームレスな電気的接続が可能となる。
【0057】
図2の方法は、パワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340を、冷却プレート300内に接着し(ブロック240)、次いで、パワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340の上及び周囲の少なくとも一方に、PCB400を3D印刷すること(ブロック250)とを想到しているが、これらのステップは、いずれの順序でも完了することができる点を理解されたい。例えば、PCB400を最初に、パワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340の少なくとも一方の一部分の周囲に形成することができ、その後、それらのコンポーネントが冷却プレート300に接着される。
【0058】
PCB400が、冷却プレート上に3Dプリントされた後、図2の方法は、ブロック260に示されるように、PCB400に追加の電気コンポーネント500を実装し得るいくつかの実施形態では、1以上の受動電気コンポーネント及び能動電気コンポーネント500の少なくとも一方が、3DプリントPCB400上に実装する。電気コンポーネント500は、ピックアンドプレース動作を用いてPCB400上に実装することができる、又は手作業でPCB上にはんだ付けすることもできる。電気コンポーネント500はさらに、冷却プレート300内に埋設されたパワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340との間で、論理制御及びスイッチング機能の少なくとも一方を提供することができる。
【0059】
図7は、本明細書で説明される方法に従って形成された冷却プレート300の側面図を示す。冷却プレート300は、冷却プレート300の上面302に埋設されたパワーモジュール330、マイクロコントローラ320、及びドライバIC340を含む。この実施形態では、マイクロコントローラ320及びドライバIC340は、本明細書で説明されるような、フリップチップパッケージ構造を有する。冷却プレート300は、マイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330の上及び周囲の少なくとも一方に印刷されている、3DプリントPCB400をさらに含む。図7に見ることができるように、3Dプリントビアは、マイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330との間の電気的接続を提供するために役立ち、それにより、従来のはんだボールアレイなどの、追加の相互接続コンポーネントは必要とされない。電気コンポーネント500が、3DプリントPCB400に実装され、このことはさらに、電気コンポーネント500と、マイクロコントローラ320、ドライバIC340、及びパワーモジュール330との間の、電気的接続を提供するように作用する。
【0060】
上記を考慮して理解されるべきであるように、冷却プレートを備えるデバイス積み重ね体が本明細書で説明される。冷却プレートは、電子コンポーネントを受け入れるための複数のキャビティを有する、上面を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のキャビティは、パワーモジュール、マイクロコントローラ、及びドライバICの少なくとも一方を受け入れるように構成することができる。これらの実施形態では、複数のキャビティは、パワーモジュール、マイクロコントローラ、及びドライバICの少なくとも一方を、それらのコンポーネントが複数のキャビティ内に接着される際に、冷却プレートの上面に埋設することができるような、可変的なサイズ及び深さとすることができる。パワーモジュールは、導体基板、電気絶縁層、及びパワーデバイスを有し得るものであり、これらは各々、冷却プレートの上面の複数のキャビティ内にパワーモジュールを接着する前に、パワーモジュールを形成するように共に接着することができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ及びドライバICは、フリップチップパッケージ構造を有し得る。これらの実施形態では、マイクロコントローラ及びドライバICの底面は、複数のI/O接続部を有することが可能な、複数の信号経路を含み得る。マイクロコントローラ及びドライバICの上面は、複数の熱経路を含み得る。マイクロコントローラ及びドライバICは、マイクロコントローラ及びドライバICの上面が、複数のキャビティと接触し、その一方で、マイクロコントローラ及びドライバICの底面が冷却プレートの上面と同一平面になるように、冷却プレートに接着することができる。いくつかの実施形態では、冷却プレートは、複数の領域を含み得るものであり、それら複数の領域の各々に隣接する中空の内側凹部内に、異なる密度を有する複数のフィンを設けることができる。これらの実施形態では、より少ない熱伝達を必要とする電気コンポーネントを含む複数の領域は、複数の疎らなフィンを含むことができ、より多くの熱伝達を必要とする電気コンポーネントを含む領域は、複数の密集したフィンを含むことができる。冷却プレートはさらに、入口及び出口を有し得るものであり、それらの双方を、冷却プレートの中空の内側凹部に流体的に接続することができる。流体は、入口に流れ込み、内側凹部内に配置された複数のフィンを通って、冷却プレートに埋設された電気コンポーネントから熱を奪った後に、出口を介して内側凹部から出て行くことができる。3DプリントPCBを、冷却プレートの上面に設けることができ、その3DプリントPCB上に、追加の電気コンポーネントを実装することができる。冷却プレートはさらに、複数のフィンを含むことが可能な、中空の内側凹部を有し得る。集積パワーエレクトロニクスパッケージを形成する方法もまた想到されている。本方法は、電子コンポーネントを受け入れるための複数のキャビティを有する、冷却プレートを製作し得る。本方法はさらに、パワーモジュールを別個に製作し得るものであり、このことは、導体基板、電気絶縁層、及びパワーデバイスを共に接着することを含み得る。さらには、本方法は、マイクロコントローラ及びドライバICを別個に製作し得る。これらのコンポーネントが製作されると、それらのコンポーネントが冷却プレートに埋設されるように、複数のキャビティ内に、パワーモジュール、マイクロコントローラ、及びドライバICを接着することができる。次いで、冷却プレートの上面に、3D印刷されるPCBを、パワーモジュール、マイクロコントローラ、及びドライバICの上及び周囲の少なくとも一方に印刷することができる。本方法は、最後に、3DプリントPCB上に、追加の電気コンポーネントを実装し得る。
【0061】
本明細書で使用される用語法は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容がそうではないことを明確に示さない限り、「少なくとも1つ」を含めた、複数形を含むことが意図されている。「又は」は、「及び~の少なくとも一方」を意味する。本明細書で使用される場合、用語「及び~の少なくとも一方」は、関連付けられている列挙された項目のうちの1以上の、任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含む。用語「備える(comprises)」及び「備えている(comprising)」の少なくとも一方、あるいは「含む(includes)」及び「含んでいる(including)」の少なくとも一方は、本明細書で使用されるとき、記述されている特徴、領域、整数、ステップ、動作、要素、及びコンポーネントの少なくとも一方の存在を明示するものであるが、1以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及びそれらの群の少なくとも一方の存在若しくは追加を排除するものではない点が、さらに理解されるであろう。用語「又はそれらの組み合わせ」は、前述の要素のうちの少なくとも1つを含む、組み合わせを意味する。
【0062】
用語「実質的に」及び「約」は、本明細書では、任意の定量的比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る、不確実性の固有の程度を表すために利用される場合がある点に留意されたい。これらの用語はまた、本明細書では、定量的表現が、問題とされている主題の基本的機能に変化をもたらすことなく、記載されている基準から変動し得る程度を表すためにも利用される。
【0063】
特定の実施形態が本明細書で図示及び説明されてきたが、特許請求される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正を加えることができる点を理解されたい。さらには、特許請求される主題の様々な態様が本明細書で説明されてきたが、そのような態様を組み合わせて利用する必要はない。それゆえ、添付の特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内にある、全てのそのような変更及び修正を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】