(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083370
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】配薬支援システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20230608BHJP
A61J 3/00 20060101ALN20230608BHJP
【FI】
G16H20/10
A61J3/00 310D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063438
(22)【出願日】2023-04-10
(62)【分割の表示】P 2022015473の分割
【原出願日】2014-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2013219686
(32)【優先日】2013-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2014050034
(32)【優先日】2014-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】森 和明
(72)【発明者】
【氏名】安岡 啓太
(57)【要約】
【課題】複数の服用者の分包容器を服用時期ごとに纏めて配送容器に収容して配送先に配送する配薬作業における人為的ミスを抑制することが可能な配薬支援システムを提供すること。
【解決手段】一の服用者が服用する薬品を服用時期ごとに分包する際に用いられる薬包81に、前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第1配薬情報を記録すると共に、予め定められた配薬グループに属する複数の服用者の前記薬包81を同一服用時期ごとに収容する際に用いられる薬袋82に、前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第2配薬情報を記録し、前記薬包81から読み取られる前記第1配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報と前記薬袋82から読み取られる前記第2配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報とが一致するか否かを判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の服用者が服用する薬品を服用時期ごとに分包する際に用いられる分包容器又は前記分包容器に付される第1記録媒体に、前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第1配薬情報を記録する第1記録手段を備える薬品分包装置。
【請求項2】
前記第1配薬情報は、
予め定められた配薬グループに属する複数の服用者の前記分包容器を同一服用時期ごとに収容する際に用いられる配送容器又は前記配送容器に付される第2記録媒体に記録され前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第2配薬情報との照合に用いられるものである、
請求項1に記載の薬品分包装置。
【請求項3】
前記薬品分包装置は、
前記薬品分包装置と、予め定められた配薬グループに属する複数の服用者の前記分包容器を同一服用時期ごとに収容する際に用いられる配送容器又は前記配送容器に付される第2記録媒体に、前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第2配薬情報を記録する第2記録手段と、前記分包容器又は前記第1記録媒体から読み取られる前記第1配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報と前記配送容器又は前記第2記録媒体から読み取られる前記第2配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報とが一致するか否かを判定する判定手段と、を備える配薬支援システムに用いられるものであって、
一の服用者が服用する薬品を服用時期ごとに前記分包容器で分包する分包手段を更に備える、
請求項1又は2に記載の薬品分包装置。
【請求項4】
一の服用者が服用する薬品を服用時期ごとに分包容器で分包するステップと、
前記分包容器又は前記分包容器に付される第1記録媒体に、前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第1配薬情報を記録するステップと、
を薬品分包装置のプロセッサーに実行させるためのプログラム。
【請求項5】
前記第1配薬情報は、
予め定められた配薬グループに属する複数の服用者の前記分包容器を同一服用時期ごとに収容する際に用いられる配送容器又は前記配送容器に付される第2記録媒体に記録され前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第2配薬情報との照合に用いられるものである、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記薬品分包装置は、前記薬品分包装置と、予め定められた配薬グループに属する複数の服用者の前記分包容器を同一服用時期ごとに収容する際に用いられる配送容器又は前記配送容器に付される第2記録媒体に、前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第2配薬情報を記録する第2記録手段と、前記分包容器又は前記第1記録媒体から読み取られる前記第1配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報と前記配送容器又は前記第2記録媒体から読み取られる前記第2配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報とが一致するか否かを判定する判定手段と、を備える配薬支援システムに用いられるものであって、
一の服用者が服用する薬品を服用時期ごとに前記分包容器で分包する分包ステップを前記プロセッサーに実行させる、
請求項4又は5に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配薬作業を支援するための配薬支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、服用時期ごとに薬品を分包した薬包などの分包容器を、予め定められた配薬グループに属する複数の服用者ごとに纏めて薬袋などの配送容器に収容し、その配送容器を介護老人保健施設(以下「老健施設」と称する)などの配送先に配送する運用が望まれることがある。このような運用によれば、配送先において、服用時期ごとに配送容器から同一の配薬グループに属する複数の服用者の分包容器を取り出して服用者各々に容易に投薬することが可能になる。ここで、複数の分包容器を配送容器に収容する際には、分包容器と配送容器との対応関係が正しいことを厳重にチェックする必要がある。なお、従来技術として、薬包及び薬袋に薬袋識別情報を印刷することにより、薬袋への薬包の入れ間違いを抑制する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の従来技術では、複数の服用者の薬包を服用時期ごとに纏めて薬袋に収容して配送先に配送するという配薬作業の実施が考慮されていないため、薬包及び薬袋の両方に印刷される情報に配送先及び服用時期の情報が含まれていない。
【0005】
本発明の目的は、複数の服用者の分包容器を服用時期ごとに纏めて配送容器に収容して配送先に配送する配薬作業における人為的ミスを抑制することが可能な配薬支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る配薬支援システムは、第1記録手段、第2記録手段、及び判定手段を備える。前記第1記録手段は、一の服用者が服用する薬品を服用時期ごとに分包する際に用いられる分包容器又は前記分包容器に付される第1記録媒体に、前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第1配薬情報を記録する。前記第2記録手段は、予め定められた配薬グループに属する複数の服用者の前記分包容器を同一服用時期ごとに収容する際に用いられる配送容器又は前記配送容器に付される第2記録媒体に、前記服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第2配薬情報を記録する。前記判定手段は、前記分包容器又は前記第1記録媒体から読み取られる前記第1配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報と前記配送容器又は前記第2記録媒体から読み取られる前記第2配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報とが一致するか否かを判定する。
【0007】
本発明によれば、分包容器及び配送容器の服用時期及び配送先が一致するか否かが判定されるため、複数の服用者の分包容器を服用時期ごとに纏めて配送容器に収容して配送先に配送する配薬作業における人為的ミスを抑制することが可能になる。
【0008】
より具体的には、前記配薬支援システムが、前記判定手段の判定結果を報知する報知手段を更に備える構成が考えられる。これにより、ユーザーは、前記判定手段の判定結果を認識することができる。
【0009】
さらに、前記判定手段は、同一の前記配送容器に収容される前記分包容器として予め定められた全ての前記分包容器又は前記分包容器の前記第1記録媒体から前記第1配薬情報が読み取られたか否かを判定することが考えられる。これにより、前記配送容器への前記分包容器の収容漏れを抑制することが可能となる。
【0010】
また、前記判定手段が、同一の前記配送先識別情報に対応する配送先に同時に配送される前記配送容器として予め定められた全ての前記配送容器又は前記配送容器の前記第2記録媒体から前記第2配薬情報が読み取られたか否かを更に判定することも考えられる。これにより、同一の前記配送先識別情報に対応する配送先への前記配送容器の配送漏れを抑制することが可能となる。
【0011】
さらに、前記第1配薬情報に、前記服用者の服用者識別情報が含まれていることが考えられる。この場合、前記配薬支援システムは、前記服用者識別情報に対応する前記服用者各々の顔画像が記憶される記憶手段と、前記分包容器から前記第1配薬情報が読み取られた場合に前記第1配薬情報の前記服用者識別情報に対応する前記服用者の顔画像を前記記憶手段から読み出して表示する表示制御手段と、を更に備えることが考えられる。これにより、前記分包容器を服用者に提供する際に、前記分包容器に対応する服用者の顔画像を確認することができ、投薬ミスを抑制することが可能となる。
【0012】
ところで、前記配薬支援システムが、前記配送先において前記配送容器から読み取られる前記第2配薬情報の前記配送先識別情報と前記配送先に対応する前記配送先識別情報とが一致するか否かを判定する配送先判定手段を更に備えることも考えられる。これにより、前記配送先への前記配送容器の誤配送を抑制することが可能となる。
【0013】
さらに、前記配薬支援システムが、薬品を服用時期ごとに分包容器に分包する際に用いられる処方データに基づいて、前記分包容器に分包された薬品の服用時期及び服用者の情報を含む配薬データを出力可能な配薬データ出力手段を有する薬局側端末と、複数の服用者に対応する複数の前記分包容器が配送される配送先に設けられ、前記薬局側端末から出力された前記配薬データを入力可能な配薬データ入力手段を有する施設側端末と、を備えることが考えられる。これにより、前記配送先において、前記配薬データを配薬作業の効率化及び配薬作業における投薬ミスの抑制に利用することが可能となる。
【0014】
また、本発明の他の局面に係る配薬支援システムは、薬品を服用時期ごとに分包容器に分包する際に用いられる処方データに基づいて、前記分包容器に分包された薬品の服用時期及び服用者の情報を含む配薬データを出力可能な配薬データ出力手段を有する薬局側端末と、複数の服用者に対応する複数の前記分包容器が配送される配送先に設けられ、前記薬局側端末から出力された前記配薬データを入力可能な配薬データ入力手段を有する施設側端末と、を備える。これにより、前記配送先において、前記配薬データを配薬作業の効率化及び配薬作業における投薬ミスの抑制に利用することが可能となる。
【0015】
また、前記施設側端末が、前記配薬データ入力手段により入力された前記配薬データに基づいて前記服用者各々と前記服用時期各々との関係を表示させる処方表示手段を更に備えることが考えられる。これにより、配薬担当者が前記服用者各々と前記服用時期各々との関係を容易に把握することができ、配薬作業の効率化及び配薬作業における投薬ミスの抑制が図られる。
【0016】
具体的に、前記処方表示手段は、前記服用時期を選択するための第1表示画面を前記配薬データに基づいて表示する第1表示処理手段と、前記第1選択画面における前記服用時期の選択に応じて前記服用時期における前記服用者各々の配薬の要否を表示する第2表示画面を表示する第2表示処理手段と、を含むことが考えられる。これにより、前記服用時期ごとにおいて配薬が必要な服用者を容易に把握することができる。
【0017】
さらに、前記第2表示処理手段が、予め定められた複数の服用者を含む配薬グループごとに前記第2表示画面を表示可能であることも考えられる。これにより、前記服用者全員の情報が1つの前記第2表示画面に表示される場合に比べて、前記配薬グループごとの前記服用者について前記服用時期ごとにおける配薬の要否を容易に確認することができる。
【0018】
また、前記第1表示処理手段は、前記第1表示画面において前記服用時期各々の配薬の要否を表示することが考えられる。これにより、配薬作業者は、前記服用時期ごとについて配薬の要否を容易に確認することができ、配薬作業が効率化される。
【0019】
一方、前記第2表示処理手段は、前記服薬者の服薬の状況を予め設定された表示形態で表示することが考えられる。これにより、配薬作業者は、前記服薬者の服薬の状況を容易に把握することができ、配薬作業が効率化される。
【0020】
また、前記施設側端末が、前記第2表示画面に表示された前記服用者ごとの服薬完了の入力操作を受け付ける服薬完了入力手段を更に備えることが考えられる。これにより、前記服用者ごとの服薬完了の有無を容易に確認することが可能になる。
【0021】
また、前記施設側端末が、前記服用者が服用しなかった残薬に関する残薬情報の入力操作を受け付けると共に、前記残薬情報を出力可能な残薬情報出力手段を更に備えることが考えられる。これにより、前記残薬情報を参照することにより前記服用者ごとの残薬の有無などを容易に把握することができ、例えば次の薬品の処方時に薬品に無駄が生じないように考慮することが可能である。
【0022】
例えば、前記薬局側端末が、前記残薬情報出力手段から出力された前記残薬情報を入力可能な残薬情報入力手段と、前記残薬情報入力手段により入力された前記残薬情報と前記配薬データとに基づいて使用可能な残薬の情報を通知可能な残薬通知手段と、を更に備えることが考えられる。これにより、前記残薬情報に示された残薬を利用することで、次の調剤における薬品の無駄を抑制することが可能になる。
【0023】
また、前記薬局側端末が、前記配薬データを予め定められた複数の服用者を含む配薬グループの単位で出力可能であることが考えられる。さらに、前記薬局側端末が、前記処方データのうち予め設定された一又は複数の項目を抽出して前記配薬データとして出力可能であることが考えられる。これにより、前記処方データのうち必要な処方データだけを容易に利用することが可能である。
【0024】
ところで、前記配薬データに、前記薬品の副作用に関する情報が含まれることが考えられる。これにより、前記薬品が配送される施設側で、前記薬品副作用に関する情報を容易に参照することが可能である。
【0025】
前記施設側端末が、前記服用時期各々について予め設定されたアラーム時刻に報知を行うアラーム報知処理を実行するアラーム報知手段を更に備えることが考えられる。これにより、前記服用時期各々における服用漏れが抑制される。
【0026】
前記施設側端末が、前記服用時期各々について前記アラーム時刻を予め定められたアラーム条件に従って自動的に設定するアラーム設定処理を実行するアラーム設定手段を更に備えることが考えられる。これにより、前記服用時期各々についての前記アラーム時刻が自動的に設定されるため前記アラーム時刻の設定の手間が軽減される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、複数の服用者の分包容器を服用時期ごとに纏めて配送容器に収容して配送先に配送する配薬作業における人為的ミスを抑制することが可能な配薬支援システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで使用される配薬管理情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムが設置された薬局及び配送先で実行される配薬作業のフローの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムが設置された薬局及び配送先で実行される配薬作業のフローの一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される処方データ発行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される処方データ発行処理で生成される分包データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される処方データ発行処理で生成される分包データの他の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される薬品分包処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される薬品分包処理の分包結果の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される収容時照合処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される配送時照合処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される受取時照合処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される配薬時照合処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで使用される施設マスター及び入居者マスターの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで使用される施設登録画面の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで使用される入居者登録画面の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される処方データ発行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで使用される配薬データの一例を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される配薬時照合処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される初期画面の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される初期画面の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される入居者一覧画面の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される入居者一覧画面の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される入居者確認画面の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される未服薬入力画面の一例を示す図である。
【
図27】
図27は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される予定入力画面の一例を示す図である。
【
図28】
図28は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される副作用情報入力画面の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される入居者状態画面の一例を示す図である。
【
図30】
図30は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される履歴画面の一例を示す図である。
【
図31】
図31は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される履歴画面の一例を示す図である。
【
図32】
図32は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される履歴画面の一例を示す図である。
【
図33】
図33は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される履歴画面の一例を示す図である。
【
図34】
図34は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される履歴画面の一例を示す図である。
【
図35】
図35は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで表示される履歴画面の一例を示す図である。
【
図36】
図36は、本発明の他の実施の形態に係る配薬支援システムで実行される薬品分包処理の分包結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1実施形態]
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0030】
[配薬支援システム10]
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る配薬支援システム10は、調剤支援装置1、読取端末2、薬品分包装置3、プリンタ4、配薬支援装置5、携帯端末6、及び読取端末7などを備える。前記調剤支援装置1、前記読取端末2、前記薬品分包装置3、及び前記プリンタ4は、ネットワークN1を介して無線又は有線で通信可能に接続されている。また、前記配薬支援装置5、前記携帯端末6、及び前記読取端末7は、ネットワークN2を介して無線又は有線で通信可能に接続されている。なお、前記ネットワークN1及び前記ネットワークN2は、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネットなどである。
【0031】
前記調剤支援装置1、前記読取端末2、前記薬品分包装置3、及び前記プリンタ4は、薬品の調剤が行われる薬局Aに配置される。なお、前記調剤支援装置1は薬局側端末の一例であるが、その配置場所は、前記ネットワークN1に接続可能であれば前記薬局Aの外部であってもよい。一方、前記配薬支援装置5、前記携帯端末6、及び前記読取端末7は、前記薬局Aで調剤された薬品の配送先となる老健施設B各々に配置される。前記老健施設Bには、前記薬局Aで調剤された薬品を服用する複数の服用者が入居する施設である。なお、前記老健施設Bは、予め定められた配薬グループの一例に過ぎず、例えば予め定められた複数の服用者の自宅を含む地域又は配送ルートも前記配薬グループの一例である。また、前記配薬支援装置5は、施設側端末の一例であるが、その配置場所は、前記ネットワークN2に接続されて前記老健施設Bで使用可能であれば前記老健施設Bの外部であってもよい。さらに、前記調剤支援装置1が前記配薬支援装置5の機能を兼ねることも考えられる。
【0032】
[薬品分包装置3]
前記薬品分包装置3は、前記調剤支援装置1から入力される処方データに基づいて薬品を服用時期ごとに薬包81(
図4参照)で分包することが可能な調剤機器である。例えば、前記薬品分包装置3は、錠剤を分包する錠剤分包機又は散薬を分包する散薬分包機である。具体的に、前記錠剤分包機は、複数種類の錠剤が収容された複数の薬剤カセットを有し、処方データに従って前記薬剤カセットから錠剤を払い出して服用時期ごとに前記薬包81で包装する分包動作を実行する。また、前記散薬分包機は、投入された散薬を処方データに従って服用時期ごとに前記薬包81で包装する分包動作を実行する。これらの分包動作に用いられる前記薬包81が分包容器の一例である。さらに、前記錠剤分包機又は前記散薬分包機が、錠剤及び散薬を服用時期ごとに一包化することが可能な構成も考えられる。なお、前記薬品分包装置3では、前記薬品分包装置3に設けられた連続する長尺状の薬包シートの一部の加熱溶融により前記薬包81が形成され、前記薬包81各々の間には切り離しを容易に行うためのミシン目が形成される。
【0033】
前記薬品分包装置3は、前記薬品分包装置3を制御する制御部31、及び前記薬包81に情報を印刷する分包プリンタ32を備える。前記制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどを備える。前記分包プリンタ32は、前記制御部31からの制御指示に従って、前記薬包81に、前記薬包81に収容される薬品を服用する服用者を示す服用者ID(服用者識別情報の一例)、前記薬包81に収容される薬品の服用時期、及び予め定められた配送先識別情報を含む第1配薬情報を印刷する。前記配送先識別情報は、前記薬包81の薬品の服用者が入居している前記老健施設Bを示す配送先ID又は配送先名などの情報であって、後述の服用者マスターに登録されている。なお、前記服用時期を示す文字に代えて、又は前記服用時期を示す文字と共に、前記服用時期ごとに予め定められた服用時期コードの数字(例えば2桁の数字)又は前記服用時期を示すピクトグラムなどの画像が前記薬袋81に印刷されることも考えられる。ここで、前記服用時期コードの数字は文字として印刷されてもよいが、前記薬品分包装置3が前記ピクトグラムを印刷する機能を有する場合には、前記制御部31がその機能を利用して、前記服用時期コードの数字の画像として予め登録された画像を前記ピクトグラムに代えて印刷することも考えられる。これにより、既存のシステムにおいて前記薬包81に前記服用時期コードの数字を印刷させることが可能である。
【0034】
特に、前記薬品分包装置3では、前記分包プリンタ32により、前記第1配薬情報を示す一次元コード又は二次元コード等のコード811(
図4参照)が前記薬包81に印刷される。ここに、前記分包プリンタ32を用いて前記薬包81に前記第1配薬情報を印刷するときの前記制御部31が第1記録手段の一例である。なお、前記薬包81に貼付されるラベルなどの第1記録媒体に前記第1配薬情報が印刷されることも他の実施形態として考えられる。また、前記薬包81にICタグのような第1記録媒体が付されることも考えられる。この場合、前記薬品分包装置3が、前記第1記録媒体に前記第1配薬情報を記録するICリーダーライタのような記録手段を備える構成が考えられる。
【0035】
また、前記薬品分包装置3は、一の服用者が服用する薬品を服用時期ごとに一連の前記薬包81に連続して分包する服用者別分包処理と、予め定められた配薬グループに属する複数の服用者が服用する薬品を服用時期ごとに並べて一連の前記薬包81に連続して分包する時期別分包処理とを実行可能である。前記薬品分包装置3では、前記服用者別分包処理及び前記時期別分包処理のいずれが実行される場合でも、前記分包プリンタ32によって前記薬包81各々に前記コード811が印刷される。
【0036】
なお、前記時期別分包処理が実行される場合には、前記一連の薬包81を切り離すことなく配送することも考えられるため、前記分包プリンタ32により最初又は最後の前記薬包81のみに前記コード811が印刷されることも他の実施形態として考えられる。この場合、後述の収容時照合処理(
図10参照)において、前記服用時期ごとに連なった前記薬包81のうち最初又は最後の前記薬包81に印刷された前記第1配薬情報が照合の対象となる。
【0037】
[プリンタ4]
前記プリンタ4は、予め定められた配薬グループに属する複数の服用者の前記薬包81を同一服用時期ごとに纏めて収容する際に使用される薬袋82(配送容器の一例:
図4参照)に貼付されるラベル821(第2記録媒体の一例:
図4参照)に情報を印刷するために用いられる。具体的に、前記プリンタ4は、前記調剤支援装置1からの制御指示に従って、前記ラベル821に、前記薬袋82に収容される前記薬包81に対応する服用時期及び予め定められた配送先識別情報を含む第2配薬情報を印刷(記録)する。特に、前記プリンタ4は、前記ラベル821に、前記第2配薬情報を示す一次元コード又は二次元コード等のコード822(
図4参照)を印刷する。そして、前記ラベル821は、前記薬袋82に貼付して用いられる。なお、前記配送先識別情報は、前記薬包81の薬品の服用者が入居している前記老健施設Bを示す情報であって、後述の服用者マスターに予め登録されている。
【0038】
前記ラベル821は、前記薬袋82に前記第2配薬情報を記録するための手段の一例であり、前記プリンタ4によって前記薬袋82に前記第2配薬情報が直接印刷されることも他の実施形態として考えられる。また、前記薬袋82にICタグのような第2記録媒体が付されることも考えられる。この場合、前記調剤支援装置1が、前記第2記録媒体に前記第2配薬情報を記録するICリーダーライタのような記録手段を備える構成が考えられる。なお、前記プリンタ4は、前記調剤支援装置1から受信するプリントデータに従って、前記処方データに対応する処方箋を印刷するためにも利用される。
【0039】
[調剤支援装置1]
前記調剤支援装置1は、制御部11、データ記憶部12、通信インターフェース13、表示装置14、操作装置15、及びドライブ装置16などを備えるパーソナルコンピュータである。前記調剤支援装置1の単体を本発明に係る配薬支援システムとして捉えてもよい。また、前記調剤支援装置1には、前記調剤支援装置1に処方データを入力する電子カルテシステム又は処方入力端末などの上位システム(不図示)が前記ネットワークN1を介して接続されている。なお、前記調剤支援装置1において前記操作装置15を用いて処方データが入力可能な構成も考えられる。
【0040】
前記制御部11は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。前記CPUは、各種の制御プログラムに従って処理を実行することにより前記調剤支援装置1を制御するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAMは、前記CPUによる各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
【0041】
前記データ記憶部12は、前記制御部11によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶手段である。具体的に、前記データ記憶部12には、後述の処方データ発行処理(
図5参照)、収容時照合処理(
図10参照)及び配送時照合処理(
図11参照)などを前記制御部11に実行させるための調剤支援プログラムが記憶されている。
【0042】
例えば、前記制御部11は、前記調剤支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、第2記録部111、判定部112、及び第1報知部113として機能する。ここに、前記第2記録部111、前記判定部112、及び前記第1報知部113として機能するときの前記制御部11が第2記録手段、判定手段、及び第1報知手段の一例である。
【0043】
前記第2記録部111は、前記プリンタ4を用いて、予め定められた前記老健施設B(配薬グループ)に属する複数の服用者の前記薬包81を同一服用時期ごとに収容する際に用いられる前記薬袋82に付される前記ラベル821に、前記服用時期及び前記老健施設Bの配送先識別情報を含む前記第2配薬情報である前記コード822を印刷(記録)する。
【0044】
前記判定部112は、前記薬包81から読み取られる前記第1配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報と前記薬袋82から読み取られる前記第2配薬情報の前記服用時期及び前記配送先識別情報とが一致するか否かを判定する。なお、前記第1配薬情報及び前記第2配薬情報の読み取りは前記読取端末2によって行われる。
【0045】
前記第1報知部113は、前記判定部112の判定結果を報知する。例えば、前記第1報知部113は、前記判定部112の判定結果が一致であるか否かを、前記読取端末2又は前記表示装置14に表示させる。なお、前記第1報知部113は、前記判定部112の判定結果が一致でない場合にのみエラーメッセージを表示させることも考えられる。
【0046】
また、前記データ記憶部12には、薬品マスター、服用者マスター、薬剤師マスター、処方箋区分マスター、診療科マスター、及び病棟マスターなどの各種データベースも記憶されている。例えば、前記薬品マスターには、薬品コード、薬品名、JANコード(又はRSS)、薬瓶コード、区分(剤形:散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、比重、薬品種(普通薬、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬など)、配合変化、賦形薬品、注意事項などの情報が含まれる。さらに、前記薬品マスターには、薬品ごとに発現するおそれのある副作用に関する副作用関連情報も含まれる。これにより、前記調剤支援装置1において、前記制御部11は、例えば副作用の内容が選択された場合に、その副作用の原因となっている可能性の高い薬品を前記副作用関連情報と前記処方データとに基づいて特定する被疑薬特定処理を実行することも可能である。また、前記服用者マスターには、服用者各々の服用者ID、氏名、性別、年齢、住所、既往歴、家族情報、診療科、及び入院病棟と共に、入居先の前記老健施設Bに対応する前記配送先識別情報などの情報が含まれる。なお、前記服用者とは、前記老健施設Bに入居している入居者、及び医療機関で診療を受けている患者を含む概念である。
【0047】
また、前記データ記憶部12は、処方データ記憶部121及び配薬管理情報記憶部122を有する。前記処方データ記憶部121は、前記上位システム(不図示)から取得する前記処方データをデータベース形式で記憶する。前記処方データには、例えば処方箋交付年月日、オーダーナンバー、処方区分、BCD、服用者ID、服用者名、服用者生年月日、薬品情報(薬品コード、薬品名、用量など)、剤形情報(内服、外用など)、用法情報(服用時期を含む)、診療種別(外来、入院など)、診療科などの情報が含まれる。
【0048】
前記配薬管理情報記憶部122は、配送先識別情報と服用時期と服用者識別情報とが対応付けられた配薬管理情報D1を記憶する。ここに、
図2は、前記配薬管理情報D1の一例を示す図である。
図2に示すように、前記配薬管理情報D1では、配送日と、配送先識別情報である前記老健施設Bの配送先ID及び老健施設名と、服用時期と、前記服用者識別情報である前記服用者ID及び氏名とが対応付けて記憶されている。
【0049】
具体的に、前記制御部11は、前記上位システム(不図示)から入力される複数の服用者の処方データ及び前記服用者マスターに基づいて、前記配薬管理情報D1を生成する。なお、
図2に示す前記配薬管理情報D1では、1日分の服用時期に対応する情報が示されているが、これに限定されない。例えば、前記制御部11は、複数日分又は1週間分など、前記薬局Aから前記老健施設Bに同時に配送される予め定められた任意の服用期間に対応する前記配薬管理情報D1を生成する。
【0050】
また、
図2に示す前記配薬管理情報D1では、前記老健施設Bとして二つの老健施設B1及び老健施設B2が登録されている場合を例に挙げて説明するが、一つ又は三つ以上の前記老健施設Bが配送先として予め登録されていてもよい。さらに、本実施の形態では、前記老健施設Bが一つの配薬グループとして設定されている場合について説明するが、例えば前記老健施設Bにおいて複数の服用者が入居している部屋又はフロアを前記配薬グループとして設定することも可能である。
【0051】
前記通信インターフェース13は、前記ネットワークN1を介して前記読取端末2、前記薬品分包装置3、及び前記プリンタ4との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する。前記表示装置14は、前記制御部11からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示手段である。前記操作装置15は、前記調剤支援装置1に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作手段である。具体的に、前記操作装置15は、前記表示装置14の表示画面に従った各種の情報の入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含む。
【0052】
前記ドライブ装置16は、前記調剤支援プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体17から前記調剤支援プログラムを読み取ることが可能である。前記記録媒体17は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどである。そして、前記調剤支援装置1では、前記制御部11により、前記記録媒体17から前記ドライブ装置16で読み取られた前記調剤支援プログラムが前記データ記憶部12にインストールされる。
【0053】
[読取端末2]
前記読取端末2は、前記薬包81及び前記薬袋82に付されている前記コード811及び前記コード822から前記第1配薬情報及び前記第2配薬情報を読み取るバーコードリーダーなどの読取手段である。前記読取端末2により読み取られる前記第1配薬情報及び前記第2配薬情報は、前記調剤支援装置1に入力される。なお、前記薬包81又は前記薬袋82に前記第1配薬情報又は前記第2配薬情報が記録されるICタグなどの第1記録媒体又は第2記録媒体が付される場合、前記読取端末2は、前記第1記録媒体又は前記第2記録媒体から情報を読み取るICリーダーライタのような読取手段である。また、前記読取端末2は、前記コード811及び前記コード822から情報を読み取ることができるものであれば、携帯電話、スマートフォン、PDA、メディアプレーヤー、又はタブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0054】
[配薬支援装置5]
一方、前記配薬支援装置5は、制御部51、データ記憶部52、通信インターフェース53、表示装置54、操作装置55、及びドライブ装置56などを備えるパーソナルコンピュータである。
【0055】
前記制御部51は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。前記CPUは、各種の制御プログラムに従って処理を実行することにより前記配薬支援装置5を制御するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAMは、前記CPUによる各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
【0056】
前記データ記憶部52は、前記制御部51によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶手段である。具体的に、前記データ記憶部52には、後述の受取時照合処理(
図12参照)及び配薬時照合処理(
図13参照)などを前記制御部51に実行させるための配薬支援プログラムが記憶されている。
【0057】
例えば、前記制御部51は、前記配薬支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、表示制御部511、配送先判定部512、及び第2報知部513として機能する。ここに、前記表示制御部511、前記配送先判定部512、及び前記第2報知部513として機能するときの前記制御部51が表示制御手段、配送先判定手段、及び第2報知手段の一例である。
【0058】
前記表示制御部511は、前記薬包81から前記第1配薬情報が読み取られた場合に前記第1配薬情報の前記服用者IDに対応する前記服用者の顔画像を前記データ記憶部52から読み出して表示する。具体的に、前記表示制御部511は、前記携帯端末6によって前記第1配薬情報が読み取られた場合に、前記マスター記憶部521に記憶されている後述の入居者マスターに基づいて前記服用者の顔画像を前記携帯端末6に表示させる。
【0059】
前記配送先判定部512は、前記配送先において前記薬袋82から読み取られる前記第2配薬情報の前記配送先識別情報と前記配送先に対応する前記配送先識別情報とが一致するか否かを判定する。即ち、前記配送先判定部512は、前記配送先が前記薬袋82を配送するべき配送先として正しいか否かを判定する。
【0060】
前記第2報知部513は、前記配送先判定部512による判定結果を報知する。例えば、前記第2報知部513は、前記配送先判定部512の判定結果が一致であるか否かを、前記表示装置54又は前記読取端末7に表示させることが考えられる。なお、前記第2報知部513は、前記配送先判定部512の判定結果が一致でない場合にのみエラーメッセージを表示させることも考えられる。
【0061】
また、前記データ記憶部52は、マスター記憶部521及び変換情報記憶部522を有する。前記マスター記憶部521には、前記老健施設Bに入居している入居者について、入居者ID、入居者名、顔画像、病歴、又は薬歴などの情報を含む入居者マスターが記憶される。なお、前記顔画像は、入居者の外観を示す顔写真又は似顔絵などの画像として予め登録される。
【0062】
前記変換情報記憶部522には、前記薬局Aで管理されている前記服用者マスターと前記老健施設Bで管理されている前記入居者マスターとの互換を実現するために予め定められた変換情報が記憶されている。例えば、前記変換情報は、前記服用者IDと前記入居者IDとの対応関係を示す情報である。なお、前記服用者マスターにおける前記服用者IDが、前記老健施設Bに対応する前記配送先識別情報及び前記入居者IDを結合したものであることも考えられる。
【0063】
これにより、前記配薬支援装置5では、前記制御部51が、前記薬局Aで管理されている前記服用者マスターにおける前記服用者IDを前記変換情報に基づいて前記入居者IDに変換することが可能である。従って、前記配薬支援システム10では、前記薬局A側のシステムと前記老健施設B側のシステムとを切り離して構成することが可能であり、前記老健施設B側の前記入居者マスターの情報を前記薬局A側に伝える必要がない。
【0064】
前記通信インターフェース53は、前記ネットワークN1を介して前記調剤支援装置1等との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する。前記表示装置54は、前記制御部51からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示手段、及び前記制御部51からの制御指示に従って音声を出力するスピーカー等を備える端末表示手段の一例である。前記操作装置55は、前記配薬支援装置5に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作手段である。具体的に、前記操作装置55は、前記表示装置54の表示画面に従った各種の情報の入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含む。
【0065】
前記ドライブ装置56は、前記配薬支援プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体57から前記配薬支援プログラムを読み取ることが可能である。前記記録媒体57は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどである。そして、前記配薬支援装置5では、前記制御部51により、前記記録媒体57から前記ドライブ装置56で読み取られた前記配薬支援プログラムが前記データ記憶部52にインストールされる。
【0066】
[携帯端末6]
前記携帯端末6は、例えば携帯電話、スマートフォン、PDA、メディアプレーヤー、又はタブレット端末などであって、前記老健施設Bにおいて、前記薬袋82に収容された前記薬包81を服用者に配薬する配薬担当者によって持ち運ばれる。前記携帯端末6は、制御部61及びカメラ62を備える。
【0067】
前記制御部61は、CPU、RAM、及びROMなどを備え、前記携帯端末6を制御する。なお、前記携帯端末6では、前記制御部61により、予めインストールされたアプリケーションプログラムに従って各種の処理が実行される。前記カメラ62は、画像又は映像を撮影する撮影手段である。そして、前記制御部61は、前記カメラ62で撮影される画像又は映像に含まれる一次元コード又は二次元コードを読み取るコード読取機能を有する。具体的に、前記携帯端末6では、前記コード読取機能を用いて、前記薬包81及び前記薬袋82に印刷されている一次元コード又は二次元コードから情報を読み取ることが可能である。そして、前記制御部61は、前記カメラ62を用いて読み取った情報を前記配薬支援装置5に送信する。なお、前記携帯端末6は、各種の情報を表示する表示部及び各種の操作を受け付ける操作部なども備えている。
【0068】
[読取端末7]
前記読取端末7は、前記読取端末2と同様に、前記薬包81又は前記薬袋82などに印刷されている一次元コード又は二次元コードから情報を読み取るバーコードリーダーなどの読取手段である。そして、前記読取端末7により読み取られる情報は、前記配薬支援装置5に入力される。なお、前記薬包81又は前記薬袋82にICタグなどの記録媒体が付される場合、前記読取端末7は、前記記録媒体から情報を読み取るICリーダーライタのような読取手段である。なお、前記携帯端末6を前記読取端末7として利用し、前記読取端末7を省略することも可能である。
【0069】
[配薬作業の一例]
続いて、
図3及び
図4を参照しつつ、前記配薬支援システム10が使用される前記薬局A及び前記老健施設Bにおいて実行される配薬作業のフローについて説明する。具体的に、
図3に示すステップS1~S5は前記薬局Aで実行され、ステップS6~S7は前記老健施設Bで実行される。なお、
図4は、前記薬局Aから前記老健施設Bの一例である前記老健施設B1及び前記老健施設B2に薬品が配送される場合の前記配薬作業のフローを模式的に示す図である。
【0070】
<ステップS1>
まず、前記調剤支援装置1では、前記制御部11が、前記操作装置15のユーザー操作に応じて、薬品を配送する前記老健施設Bを選択し、前記老健施設Bに対応する処方データを発行する処方データ発行処理を実行する(S1)。
【0071】
<ステップS2>
そして、前記調剤支援装置1では、前記制御部11が、前記ステップS1で発行された前記処方データ各々に基づいて分包データを生成し、その分包データを前記薬品分包装置3に入力することにより、前記薬品分包装置3による自動調剤が開始される(S2)。これにより、
図4に示すように、前記老健施設B各々に属する服用者が服用する薬品が収容された前記薬包81各々が得られる。
【0072】
また、前記ステップS2において、前記薬品分包装置3では、前記制御部31が、前記分包プリンタ32を用いて、
図4に示すように、前記第1配薬情報を示す前記コード811を前記薬包81に印刷させる。前記第1配薬情報には、前記服用者ID、前記服用時期及び前記配送先識別情報が含まれる。なお、前記薬包81には、服用者名、服用日時、及び服用時期なども印刷される。
【0073】
さらに、前記ステップS2において、前記制御部11は、前記プリンタ4を用いて、
図4に示すように、前記第2配薬情報を示す前記コード822を、前記薬袋82に貼付される前記ラベル821に印刷させる。前記第2配薬情報には、前記服用時期及び前記配送先識別情報が含まれる。なお、前記薬袋82には、老健施設名、服用日時、及び服用時期なども印刷される。
【0074】
<ステップS3>
前記薬品分包装置3による調剤作業が完了すると、続いて、鑑査担当の薬剤師は、前記薬品分包装置3で調剤された薬品の鑑査を行う(S3)。なお、前記鑑査には、前記薬品分包装置3により調剤された薬品を撮像し、その撮像された画像に基づいて自動的に鑑査を行う画像鑑査システムが利用されることも考えられる。例えば、前記薬品分包処理において前記時期別分包処理が実行された場合、前記画像鑑査システムでは、老健施設単位で前記服用時期ごとに並べられた前記薬包81各々の画像が分割され、前記服用者単位で前記服用時期ごとに並べた鑑査用画像が生成される。そして、前記画像鑑査システムは、前記鑑査用画像に基づいて前記薬品分包装置3により調剤された薬品を鑑査する。
【0075】
<ステップS4>
次に、配送担当者は、
図4に示すように、前記老健施設B各々に配送するべき前記薬包81各々を前記薬包81の服用時期及び配送先に対応する前記薬袋82に収容する(S4)。このとき、配送担当者は、前記読取端末2を用いて、前記薬包81及び前記薬袋82各々から前記第1配薬情報及び前記第2配薬情報を読み取る。これにより、前記調剤管理装置1の制御部11は、後述の収容時照合処理において前記第1配薬情報と前記第2配薬情報とが一致するか否かを判定する。
【0076】
<ステップS5>
その後、配送担当者は、前記薬袋82各々を前記配送先に配送する(S5)。このとき、配送担当者は、前記読取端末2を用いて、前記薬袋82各々から前記第2配薬情報を読み取る。これにより、前記調剤管理装置1の制御部11は、後述の配送時照合処理において前記配送先に配送するべき前記薬袋82に漏れがあるか否かを判定する。
【0077】
<ステップS6>
次に、前記老健施設B各々では、前記薬局Aから前記薬袋82各々を受け取ると、配薬担当者が、前記読取端末7を用いて前記薬袋82のコード822から前記第2配薬情報を読み取る(S6)。これにより、前記配薬支援装置51の制御部51は、後述の薬品受取処理において、前記第2配薬情報に含まれる配送先識別情報と前記読取端末7が配置された前記老健施設Bの配送先識別情報とが一致するか否かを判定する。
【0078】
<ステップS7>
その後、前記老健施設Bの配薬担当者は、服用時期ごとに、その服用時期に対応する前記薬袋82に収容されている前記薬包81各々を入居者に配薬する(S7)。このとき、前記配薬作業では、複数の服用者の前記薬包81が前記服用時期ごとに纏めて前記薬袋82に収容されているため、配送先である前記老健施設Bでは、服用時期ごとに前記薬袋82から複数の服用者の前記薬包81を取り出して服用者各々に容易に投薬することが可能である。また、前記ステップS7において、配薬担当者は、前記携帯端末6を用いて前記薬包81各々から前記第1配薬情報を読み取る。これにより、前記配薬支援装置51の制御部51は、後述の配薬時照合処理において、前記第1配薬情報に含まれる前記服用者IDに基づいて前記服用者IDに対応する入居者の顔画像63を前記データ記憶部52の前記服用者情報記憶部521から読み出して前記携帯端末6に表示させる。
【0079】
[配薬支援システム10で実行される各種の処理]
以下、
図5~
図13を参照しつつ、前記配薬作業(
図3参照)が実行される場合に、前記配薬支援システム10において実行される各種の処理の一例について説明する。なお、前記配薬支援システム10において実行される各種の処理の実行主体はここで説明するものに限らず、前記配薬支援システム10を構成する各種の装置の制御部により実行されればよい。
【0080】
[処方データ発行処理]
まず、
図5を参照しつつ、前記ステップS1において前記調剤支援装置1の制御部11によって実行される処方データ発行処理について説明する。
【0081】
<ステップS11>
ステップS11において、前記制御部11は、一又は複数の前記老健施設Bについて処方データの発行操作が行われたか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記調剤支援装置1における前記操作装置15のユーザー操作に応じて、一又は複数の前記老健施設Bを選択し、前記老健施設B各々の処方データの発行操作を受け付ける。そして、前記処方データの発行操作が行われると(S11:Yes)、処理がステップS12に移行する。なお、前記処方データの発行操作が行われるまでの間は(S11:No)、処理が前記ステップS11で待機する。
【0082】
<ステップS12>
ステップS12において、前記制御部11は、前記老健施設B各々に属する前記服用者各々の前記処方データを、当該服用者が属する老健施設単位で同一服用時期ごとに分解して並べた分包データを生成する。
【0083】
例えば、前記制御部11は、
図6に示すように、「老健施設B1」及び「老健施設B2」ごとに属する複数の服用者の処方データをグループ化したグループ処方データを生成する。その後、前記制御部11は、
図7に示すように、前記グループ処方データに基づいて、「老健施設B1」及び「老健施設B2」に属する服用者各々に対応する処方データを服用時期ごとに並び替えた分包データを生成する。また、前記分包データには、服用時期に対応する薬品が存在しない服用者についてもその旨を示すデータ(空データ)が含まれている。
【0084】
<ステップS13>
そして、ステップS13において、前記制御部11は、前記薬品分包装置3に前記分包データを出力する。これにより、前記薬品分包装置3では、前記分包データに従って後述の薬品分包処理(
図8参照)が実行される。なお、前記調剤支援装置1が接続された前記プリンタ4等により前記分包データを示す一次元コード又は二次元コードなどを印刷出力することも他の実施形態として考えられる。これにより、前記薬品分包装置3では、前記印刷された用紙から前記分包データをハーコードリーダー等によって読み取ることにより、前記分包データに従った分包動作を行うことが可能である。
【0085】
[薬品分包処理]
次に、
図8を参照しつつ、前記ステップS2において前記薬品分包装置3の制御部31によって実行される薬品分包処理について説明する。なお、本実施の形態では、前記薬品分包処理として前記時期別分包処理が実行される場合を例に挙げて説明するが、前記服用者別分包処理が実行されてもよい。
【0086】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、前記制御部31は、前記調剤支援装置1からの前記分包データの入力を待ち受ける(S21:No)。そして、前記分包データが入力されたと判断すると(S21:Yes)、前記制御部31は、処理をステップS22に移行させる。
【0087】
<ステップS22>
ステップS22において、前記制御部31は、前記分包データのうち一つ目の前記老健施設B1を分包対象として設定する。具体的に、
図7に示した前記分包データが入力された場合、前記制御部11は、初めの前記ステップS22において、「老健施設B1」を分包対象として設定する。そして、二回目以降に前記ステップS22が実行された場合、前記制御部11は二つ目以降の前記病室を順に分包対象として設定する。即ち、
図7に示した前記分包データが入力された場合、前記制御部31は、二回目の前記ステップS22において、「老健施設B2」を分包対象として設定する。
【0088】
<ステップS23>
ステップS23において、前記制御部31は、前記分包データのうち前記ステップS22で分包対象として選択された前記老健施設Bに対応する一つ目の服用時期を分包対象として分包を開始する。
【0089】
具体的に、
図7に示した前記分包データが入力されている場合、前記制御部31は、初めの前記ステップS23において、「老健施設B1」の「△月△日朝食後」の服用時期を分包対象として分包を開始する。そして、二回目以降に前記ステップS23が実行された場合、前記制御部31は、二つ目以降の前記服用時期について順に分包対象として分包を開始する。即ち、
図7に示した前記分包データが入力されている場合、前記制御部31は、二回目の前記ステップS23において、「老健施設B1」の「△月△日昼食後」の服用時期を分包対象として分包を開始する。
【0090】
ここに、
図9(A)は、
図7に示した前記分包データに基づいて前記薬品分包処理が実行された場合の分包結果の一例を示す図である。
図9(A)に示す分包結果では、同一の前記老健施設Bに属する複数の服用者が服用する薬品が服用時期ごとに連続して分包されている。具体的に、前記老健施設B1の服用者「湯山一郎」、「湯山二郎」、「湯山三郎」に対応する前記薬包81が、△月△日の朝食後、昼食後、夕食後ごとに連続して形成されている。なお、△月△日の後には、次の日である△月□日についても同様の形態で分包される。
【0091】
また、前記処方データに、前記薬包81に分包されない目薬、水剤、又は外用薬などの分包外薬品の情報(種類、使用時期など)が含まれる場合には、前記分包データに、前記薬品分包装置3で分包される薬品のデータに加えて前記分包外薬品の情報が含まれることが考えられる。この場合、前記制御部31は、前記分包外薬品の使用時期に対応する前記薬包81に、前記分包外薬品が存在する旨及び前記分包外薬品の内容などの情報を文字又はピクトグラム(画像)で印刷することが考えられる。これにより、前記薬包81の配薬時に前記分包外薬品の存在を容易に把握することができ、前記分包外薬品の使用忘れを抑制することができる。また、前記分包外薬品の使用時期に対応する前記薬包81が存在しない場合でも、前記制御部31が、空の前記薬包81を出力してその薬包81に前記分包外薬品が存在する旨及び前記分包外薬品の内容などの情報を文字又はピクトグラム(画像)で印刷することが考えられる。これにより、前記薬包81の服用時期と異なる時期に使用するべき前記分包外薬品が存在する場合でも、前記薬包81を参照することにより前記分包外薬品の存在を容易に把握することができ、前記分包外薬品の使用忘れを抑制することができる。
【0092】
<ステップS24>
次に、ステップS24において、前記制御部31は、前記分包データに含まれた前記服用者各々のデータについて当該服用時期に服用するべき薬品が存在するか否かを順に判断する。そして、前記制御部31は、当該データに服用時期に服用するべき薬品が存在しない場合、即ち当該データが空データである場合(S24:No)、処理をステップS241に移行させる。一方、当該データに服用時期に服用するべき薬品が存在している場合、即ち当該データが空データではない場合(S24:Yes)、処理をステップS25に移行させる。
【0093】
<ステップS25>
ステップS25において、前記制御部31は、前記分包データに含まれた当該データについて分包動作を実行する。具体的に、前記制御部31は、前記分包プリンタ32により、服用者の氏名及び服用時期と前記第1配薬情報を示す前記コード811とを前記薬包81に印刷すると共に、当該データに対応する薬品を前記薬包81に分包する。
【0094】
<ステップS241>
一方、ステップS241において、前記制御部31は、当該服用時期に服用するべき薬品が存在しない旨が前記分包プリンタ32により印刷された空の前記薬包81を作成する。具体的に、空の前記薬包81には、服用者の氏名及び服用時期と、前記コード811と、薬がない旨を示す情報(お薬はありません)とが印刷される。
【0095】
<ステップS26>
そして、ステップS26において、前記制御部31は、前記ステップS23で開始された同一服用時期についての分包が終了したか否かを判断する。ここで、前記同一服用時期の分包が終了したと判断すると(S26:Yes)、前記制御部31は処理をステップS27に移行させる。一方、前記同一服用時期の分包が終了していないと判断すると(S26:No)、前記制御部31は処理を前記ステップS24に戻す。
【0096】
<ステップS27>
ステップS27において、前記制御部31は、前記ステップS22で分包対象として設定された同一の前記老健施設Bについての全服用時期の分包が終了したか否かを判断する。ここで、前記全服用時期の分包が終了したと判断すると(S27:Yes)、前記制御部31は処理をステップS28に移行させる。一方、前記全服用時期の分包が終了していないと判断すると(S27:No)、前記制御部31は処理をステップS271に移行させる。
【0097】
<ステップS271>
ステップS271において、前記制御部31は、前記服用時期が切り替わるタイミングを明示するための分包の区切り処理を実行し、処理を前記ステップS23に戻す。例えば、前記区切り処理は、空の前記薬包81を一つ設けることである。これにより、当該薬品分包処理による分包結果として得られる前記薬包81が連続して形成された薬包シートにおいて服用時期の切り替わりのタイミングを容易に把握することができる。なお、空の前記薬包81には、その前に連なっている各薬包81の内容に関する検薬用、鑑査用の各種情報が印字されてもよい。また、前記区切り処理は、前記薬包81が連続して形成された薬包シートを一度切断することであってもよい。これにより、前記薬品分包装置3において、自動的に服用時期ごとの前記薬包81の連続体を得ることができる。なお、前記区切り処理を省略することも他の実施形態として考えられる。
【0098】
<ステップS28>
そして、ステップS28では、前記分包データに含まれた全ての前記老健施設Bについての分包が終了したか否かを判断する。ここで、前記老健施設B各々の分包が終了したと判断すると(S28:Yes)、前記制御部31は一連の当該薬品分包処理を終了して処理を前記ステップS21に戻す。一方、前記老健施設B各々の分包が終了していないと判断すると(S28:No)、前記制御部31は処理を前記ステップS22に移行させ、次の前記老健施設Bについての分包動作を開始する。
【0099】
なお、本実施の形態では、前記薬品分包処理において前記時期別分包処理が実行される場合を例に挙げて説明したが、前記薬品分包処理において前記服用者別分包処理が実行されてもよい。ここに、
図9(B)は、
図6に示した前記グループ処方データに従って「老健施設B1」を対象に前記服用者別分包処理が実行された場合の分包結果を示す図である。
図9(B)に示す分包結果では、一の服用者が服用する薬品が服用時期ごとに連続して分包されている。具体的に、
図9(B)に示す例では、服用者「湯山一郎」の△月△日の朝食後、昼食後、夕食後、△月□日の朝食後、昼食後、夕食後のそれぞれに対応する前記薬包81が連続して形成されている。そして、服用者「湯山一郎」の後は、同一の前記老健施設B1に属する服用者「湯山二郎」についても同様に、服用時期ごとに対応する前記薬包81が連続して形成される。
【0100】
[収容時照合処理]
続いて、
図10のフローチャートを参照しつつ、前記ステップS3において前記調剤支援装置1の前記制御部11によって実行される収容時照合処理について説明する。
【0101】
なお、前記服用者別分包処理が実行された場合には、前記ステップS3における前記薬包81の前記薬袋82への収容時に、前記薬包81各々が切り離されて前記薬袋82各々に収容される。一方、前記時期別分包処理が実行された場合には、前記ステップS3における前記薬包81の前記薬袋82への収容時に、前記薬包81各々を切り離して前記薬袋82各々に収容してもよいが、服用時期ごとに連なった複数の前記薬包81を切り離さずに前記薬袋82に収容してもよい。このような収容作業により、前記薬局Aでは、前記服用時期ごとに対応する複数の服薬者の前記薬包81が纏めて収容された前記薬袋82が複数準備される。
【0102】
<ステップS31>
ステップS31において、前記制御部11は、前記読取端末2によって、前記薬袋82の前記コード822から前記第2配薬情報が読み取られたか否かを判断する。ここで、前記制御部11は、前記第2配薬情報が読み取られたと判断すると(S31:Yes)、処理をステップS32に移行させる。一方、前記第2配薬情報が読み取られるまでの間は(S31:No)、処理が前記ステップS31で待機する。なお、前記制御部11は、前記薬包81の第1配薬情報と前記薬袋82の第2配薬情報との違いを、例えば前記第1配薬情報にのみ存在する前記服用者IDの有無に応じて判断可能である。もちろん、前記第1配薬情報及び前記第2配薬情報にその識別が可能な情報が含まれていてもよい。
【0103】
<ステップS32>
ステップS32において、前記制御部11は、前記ステップS31で読み取られた前記薬袋82の第2配薬情報と前記配薬管理情報D1とに基づいて、同一の前記薬袋82に収容される薬包81として予め定められた一又は複数の前記薬包81を特定する。具体的に、前記制御部11は、前記配薬管理情報D1において前記配送先識別情報及び前記服用時期が前記第2配薬情報と同一である前記服用者IDの薬品が収容される前記薬包81を前記薬袋82に収容するべき前記薬包81として特定する。
【0104】
<ステップS33>
そして、ステップS33において、前記制御部11は、前記読取端末2によって、前記薬包81の前記コード811から前記第1配薬情報が読み取られたか否かを判断する。ここで、前記制御部11は、前記第1配薬情報が読み取られたと判断すると(S33:Yes)、処理をステップS34に移行させ、前記第1配薬情報が読み取られるまでの間は(S33:No)、前記ステップS33の判断を繰り返す。
【0105】
<ステップS34>
ステップS34において、前記制御部11は、前記ステップS31で読み取られた前記第2配薬情報の前記配送先識別情報及び前記服用時期と前記ステップS33で読み取られた前記第1配薬情報の前記配送先識別情報及び前記服用時期とが一致するか否かを判定する。ここに、前記ステップS34は、前記制御部11の前記判定部112によって実行される処理である。また、前記ステップS34において、前記制御部11は、前記ステップS33で読み取られた前記第1配薬情報と、前記ステップS34における判定結果とを読取履歴として前記データ記憶部12に記憶させる。これにより、前記調剤支援装置1では、前記読取履歴を参照及び出力することが可能である。
【0106】
<ステップS35>
そして、ステップS35において、前記制御部11は、前記ステップS34における判定結果を報知する。ここに、前記ステップS35は、前記制御部11の前記第1報知部113によって実行される処理である。具体的に、前記制御部11は、前記判定結果を前記表示装置14又は前記読取端末2に表示させることにより、前記判定結果をユーザーに報知する。これにより、ユーザーが前記判定結果を認識することができる。従って、複数の服用者の前記薬包81を服用時期ごとに纏めて前記薬袋82に収容して配送先に配送する配薬作業における人為的ミスが抑制される。なお、前記判定結果の報知方法は表示に限らず、音声又は発光態様などによって前記判定結果の報知が行われてもよい。
【0107】
<ステップS36>
その後、ステップS36において、前記制御部11は、前記読取端末2による前記薬袋82に収容する前記薬包81からの前記第1配薬情報の読取作業を終了するか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記読取端末2に対するユーザーの継続操作、又は次の前記薬包81からの前記第1配薬情報の読取作業が行われた場合に、前記読取作業を終了しないと判断し(S36:No)、処理を前記ステップS33に移行させる。これにより、前記薬袋82に収容する前記薬包81各々からの前記第1配薬情報の読み取りが順に実行される。一方、前記制御部11は、前記読取端末2に対するユーザーの終了操作に応じて前記読取端末2から終了信号が入力された場合、又は前記ステップS31で読み取られた前記薬袋82と異なる前記薬袋82から前記第2配薬情報が読み取られた場合に、前記読取作業を終了すると判断し(S36:Yes)、処理をステップS37に移行させる。
【0108】
<ステップS37>
ステップS37において、前記制御部11は、前記配薬管理情報D1に基づいて、同一の前記薬袋82に収容するべき全ての前記薬包81から前記第1配薬情報が読み取られたか否かを判定する。ここに、前記ステップS37は、前記制御部11の前記判定部112によって実行される処理である。ここで、前記制御部11は、前記薬袋82に収容するべき全ての前記薬包81から前記第1配薬情報が読み取られたと判定すると(S37:Yes)、当該収容時照合処理を終了させて処理を前記ステップS31に戻す。なお、異なる前記薬袋82から前記第2配薬情報が読み取られることにより読取終了と判断した場合には、続く前記ステップS31以降において当該第2配薬情報に基づいて同様の処理が実行される。一方、前記制御部11は、前記薬袋82に収容するべき全ての前記薬包81から前記第1配薬情報が読み取られていないと判定すると(S37:No)、処理をステップS38に移行させる。
【0109】
<ステップS38>
ステップS38において、前記制御部11は、前記ステップS37における判定結果を報知し、処理を前記ステップS33に戻す。具体的に、前記制御部11は、前記配薬管理情報D1に基づいて、前記薬袋82に収容するべき前記薬包81のうち前記ステップS33で読み取られていない前記薬包81が存在する旨、及びその未読取の前記薬包81の情報を前記表示装置14又は前記読取端末2に表示させる。これにより、前記薬袋82への前記薬包81の収容漏れが抑制される。例えば、前記制御部11は、前記薬袋82に収容するべき前記薬包81のうち前記ステップS33で読み取られていない前記薬包81に対応する服用者のID又は氏名などを前記服用時期と共に表示させる。
【0110】
[配送時照合処理]
続いて、
図11のフローチャートを参照しつつ、前記ステップS5において前記調剤支援装置1の前記制御部11によって実行される配送時照合処理について説明する。
【0111】
<ステップS41>
ステップS41において、前記制御部11は、前記読取端末2によって、前記配送先識別情報が入力されたか否かを判断する。具体的に、配送担当者は、前記読取端末2に対して、これから出荷する前記薬袋82の配送先である前記老健施設Bを示す前記配送先識別情報を入力する。また、配送担当者は、前記読取端末2を用いて、これから出荷する前記薬袋82が配送する際に収容されるコンテナなどの容器に予め付された前記配送先識別情報を読み取ることにより前記配送先識別情報を入力することも考えられる。ここで、前記制御部11は、前記配送先識別情報が入力されたと判断すると(S41:Yes)、処理をステップS42に移行させる。一方、前記配送先識別情報が入力されるまでの間は(S41:No)、処理が前記ステップS41で待機する。
【0112】
<ステップS42>
ステップS42において、前記制御部11は、前記ステップS41で入力された前記配送先識別情報と前記配薬管理情報D1とに基づいて、前記配送先識別情報が示す同一の前記老健施設Bに同時に配送するべき一又は複数の前記薬袋82を特定する。具体的に、前記制御部11は、前記配送先識別情報及び前記配送日が同一である前記薬袋82を前記老健施設Bに同時に配送するべき前記薬袋82として特定する。
【0113】
<ステップS43>
そして、ステップS43において、前記制御部11は、前記読取端末2によって、前記薬袋82の前記コード822から前記第2配薬情報が読み取られたか否かを判断する。ここで、前記制御部11は、前記第2配薬情報が読み取られたと判断すると(S43:Yes)、処理をステップS44に移行させ、前記第2配薬情報が読み取られるまでの間は(S43:No)、前記ステップS43の判断を繰り返す。
【0114】
<ステップS44>
ステップS44において、前記制御部11は、前記ステップS41で入力された前記配送先識別情報と前記ステップS43で読み取られた前記第2配薬情報の前記配送先識別情報とが一致するか否かを判定する。ここに、前記ステップS44は、前記制御部11の前記判定部112によって実行される処理である。また、前記ステップS44において、前記制御部11は、前記ステップS43で読み取られた前記第2配薬情報と、前記ステップS44における判定結果とを読取履歴として前記データ記憶部12に記憶させる。これにより、前記調剤支援装置1では、前記読取履歴を参照及び出力することが可能である。
【0115】
<ステップS45>
そして、ステップS45において、前記制御部11は、前記ステップS44における判定結果を報知する。ここに、前記ステップS45は、前記制御部11の前記第1報知部113によって実行される処理である。具体的に、前記制御部11は、前記判定結果を前記表示装置14又は前記読取端末2に表示させることにより、前記判定結果をユーザーに報知する。これにより、ユーザーが前記判定結果を認識することができる。従って、複数の服用者の前記薬包81を服用時期ごとに纏めて前記薬袋82に収容して配送先に配送する配薬作業における人為的ミスが抑制される。なお、前記判定結果の報知方法は表示に限らず、音声又は発光態様などによって前記判定結果の報知が行われてもよい。
【0116】
<ステップS46>
その後、ステップS46において、前記制御部11は、前記読取端末2による同一の前記老健施設Bに配送する前記薬袋82からの前記第2配薬情報の読取作業を終了するか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記読取端末2に対するユーザーの継続操作、又は次の前記薬袋82からの前記第2配薬情報の読取作業が行われた場合に、前記読取作業を終了しないと判断し(S46:No)、処理を前記ステップS43に移行させる。これにより、同一の前記老健施設Bに配送する前記薬袋82各々からの前記第2配薬情報の読み取りが順に実行される。一方、前記制御部11は、前記読取端末2に対するユーザーの終了操作に応じて前記読取端末2から終了信号が入力された場合、又は前記ステップS41で入力された前記配送先識別情報とは異なる前記配送先識別情報が入力された場合に、前記読取作業を終了すると判断し(S46:Yes)、処理をステップS47に移行させる。
【0117】
<ステップS47>
ステップS47において、前記制御部11は、前記配薬管理情報D1に基づいて、前記配送先識別情報に対応する同一の前記老健施設Bに同時に配送するべき全ての前記薬袋82から前記第2配薬情報が読み取られたか否かを判定する。ここに、前記ステップS47は、前記制御部11の前記判定部112によって実行される処理である。ここで、前記制御部11は、前記老健施設Bに同時に配送するべき全ての前記薬袋82から前記第2配薬情報が読み取られたと判定すると(S47:Yes)、当該配送時照合処理を終了させて処理を前記ステップS41に移行させる。なお、異なる前記配送先識別情報の入力により読取終了と判断した場合には、続く前記ステップS41以降において当該配送先識別情報に基づいて同様の処理が実行される。一方、前記制御部11は、前記老健施設Bに同時に配送するべき全ての前記薬袋82から前記第2配薬情報が読み取られていないと判定すると(S47:No)、処理をステップS48に移行させる。
【0118】
<ステップS48>
ステップS48において、前記制御部11は、前記ステップS47における判定結果を報知し、処理を前記ステップS43に戻す。具体的に、前記制御部11は、前記配薬管理情報D1に基づいて、前記配送先識別情報に対応する前記老健施設Bに同時に配送するべき前記薬袋82のうち前記ステップS43で読み取られていない前記薬袋82が存在する旨、及びその未読取の前記薬袋82の情報を前記表示装置14又は前記読取端末2に表示させる。これにより、前記老健施設Bへの前記薬袋82の配送漏れが抑制される。例えば、前記制御部11は、前記配送先識別情報に対応する前記老健施設Bに同時に配送するべき前記薬袋82のうち前記ステップS43で読み取られていない前記薬袋82に対応する服用時期などを前記配送先識別情報と共に表示させる。
【0119】
[受取時処理]
次に、
図12のフローチャートを参照しつつ、前記ステップS6において前記配薬支援装置5の制御部51によって実行される受取時処理の手順の一例について説明する。
【0120】
<ステップS51>
ステップS51において、前記制御部51は、前記薬袋82から前記第2配薬情報が読み取られたか否かを判断する。ここで、前記薬袋82から前記第2配薬情報が読み取られるまでの間は(S51:No)、処理が前記ステップS51で待機する。一方、前記薬袋82から前記第2配薬情報が読み取られたと判断すると(S51:Yes)、処理はステップS52に移行する。
【0121】
<ステップS52>
ステップS52において、前記制御部51は、前記ステップS51で読み取られた前記第2配薬情報に含まれる前記配送先識別情報と、前記配薬支援装置5が設置されている前記老健施設Bを示す情報として前記配薬支援装置5に予め登録された配送先識別情報とが一致するか否かを判定する。ここに、前記ステップS52は、前記制御部51の前記配送先判定部512によって実行される処理である。また、前記ステップS52において、前記制御部51は、前記ステップS51で読み取られた前記第2配薬情報と、前記ステップS52における判定結果とを読取履歴として前記データ記憶部52に記憶させる。これにより、前記配薬支援装置5では、前記読取履歴を参照及び出力することが可能である。
【0122】
<ステップS53>
そして、ステップS53において、前記制御部51は、前記ステップS52における前記判定結果を報知する。具体的に、前記制御部51は、前記判定結果を前記表示装置54又は前記読取端末7に表示させる。ここに、前記ステップS53は、前記制御部51の前記第2報知部513によって実行される処理である。これにより、配薬担当者は、前記判定結果を確認することにより、前記老健施設Bが前記薬袋82の配送先として正しい旨を容易かつ確実に認識することができる。従って、前記薬袋82の誤配送が抑制される。
【0123】
[配薬時照合処理]
次に、
図13のフローチャートを参照しつつ、前記ステップS7において前記配薬支援装置5の制御部51によって実行される配薬時照合処理の手順の一例について説明する。
【0124】
<ステップS61>
ステップS61において、前記制御部51は、前記薬包81から前記第1配薬情報が読み取られたか否かを判断する。ここで、前記薬包81から前記第1配薬情報が読み取られるまでの間は(S61:No)、処理が前記ステップS61で待機する。一方、前記薬包81から前記第1配薬情報が読み取られたと判断すると(S61:Yes)、処理はステップS62に移行する。
【0125】
<ステップS62>
ステップS62において、前記制御部51は、前記ステップS61で読み取られた前記第1配薬情報に含まれる前記服用者IDと前記変換情報と前記入居者マスターとに基づいて前記服用者に対応する入居者を特定する。また、前記ステップS62において、前記制御部51は、前記ステップS61で読み取られた前記第1配薬情報と、前記ステップS62における特定結果とを読取履歴として前記データ記憶部52に記憶させる。これにより、前記配薬支援装置5では、前記読取履歴を参照及び出力することが可能である。
【0126】
<ステップS63>
そして、ステップS63において、前記制御部51は、前記薬包81の服用時期と、前記ステップS62で特定された前記服用者に対応する入居者の氏名及び顔画像63と、を前記携帯端末6に表示させる(
図4参照)。ここに、前記ステップS63は、前記制御部51の前記表示制御部511によって実行される処理である。これにより、配薬担当者は、前記入居者の顔画像63を確認することにより、前記入居者が前記薬包81の薬品を服用する服用者として正しい旨を容易かつ確実に認識することができるため、配薬担当者による配薬ミスが抑制される。また、前記配薬支援システム10の構成によれば、前記顔画像63を表示されることにより、前記入居者各々が当該入居者を識別するためのリストバンドなどを装着する必要がないため、前記老健施設Bの運営に好適である。なお、前記入居者マスターに、1人の前記入居者について表情又は撮影角度の異なる複数の前記顔画像63が予め登録されていることも他の実施形態として考えられる。これにより、配薬担当者が前記顔画像63各々に基づいて前記入居者をより正確に判断することができる。
【0127】
[第2実施形態]
前述したように、前記老健施設Bで実行される前記ステップS7の配薬作業では、配薬担当者により薬品と入居者とが照合されながら配薬が行われる。以下、本実施形態では、配薬担当者による薬品の配薬作業を支援することにより配薬時における人為的ミスの抑制を図る構成について説明する。
【0128】
まず、
図14を参照しつつ、本実施形態に係る配薬支援システム100の構成について説明する。なお、前記配薬支援システム100について、前記配薬支援システム10(
図1参照)と同様の構成には同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0129】
図14に示すように、前記調剤支援装置1は、USBポート18を備える。前記USBポート18は、USBメモリ19を着脱可能であって、前記USBメモリ19に対するデータの書き込み及び前記USBメモリ19からのデータの読み出しが可能である。なお、前記USBメモリ19に限らず、CD、DVD、BDなどの他の記録メディアを利用することも考えられる。
【0130】
また、前記調剤支援装置1では、前記制御部11が、前記調剤支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより配薬データ出力部114、残薬情報入力部115、及び残薬通知部116として機能する。なお、前記配薬データ出力部114が配薬データ出力手段の一例、前記残薬情報入力部115が残薬情報入力手段の一例、前記残薬通知部116が残薬通知手段の一例である。
【0131】
前記配薬データ出力部114は、前記薬包81各々に薬品を分包する際に用いられ、前記処方データ記憶部121に記憶されている処方データに基づく配薬データを前記USBポート18に出力し、前記USBポート18から前記USBメモリ19に記録させることが可能である。特に、前記配薬データ出力部114は、前記配薬データを前記配薬グループの単位で出力することが可能である。具体的に、前記配薬データ出力部114は、前記操作装置15に対するユーザー操作により前記老健施設Bが指定された場合に、その老健施設Bに入居している入居者各々に対応する処方データを抽出し、その処方データに基づく配薬データを出力可能である。これにより、前記処方データのうち必要な処方データだけを容易に利用することが可能である。
【0132】
そのため、前記調剤支援装置1の前記データ記憶部12には、施設マスター及び入居者マスターが記憶されており、前記配薬データ出力部114は、前記施設マスター及び前記入居者マスターに基づいて必要な前記処方データを抽出する。なお、前記配薬データ出力部114は、前記配薬データに前記施設マスター及び前記入居者マスターの情報の一部又は全部を付加して出力することも可能である。
【0133】
ここに、
図15は、前記施設マスター及び前記入居者マスターの一例を示す図である。なお、前記施設マスター及び前記入居者マスター各々の登録作業は、例えば前記調剤支援装置1の初期設定又はマスターメンテナンスなどにおいて、前記調剤支援装置1の前記表示装置14及び前記操作装置15などを用いて行われる。
【0134】
図15に示すように、前記施設マスターには、前記老健施設Bごとに対応する施設コード、施設名称、及び印字フォーマットが関連付けて記憶されている。前記施設コード及び前記施設名称は、前記老健施設Bを識別するための識別情報の一例であって、前記印字フォーマットは、前記薬品分包装置3において前記薬包81に印刷する項目のフォーマットの種類を識別するための情報である。なお、前記施設コードは、例えば前記配送先ID(
図2参照)と同一である。
【0135】
また、
図15に示すように、前記入居者マスター各々は、前記施設マスターに登録されている前記老健施設B各々に関連付けて記憶される。具体的に、前記入居者マスターには、入居者ごとに対応する服用者ID、服用者名、入居者ID、グループ、及び印字フォーマットが記憶されている。前記服用者ID、前記服用者名、及び前記入居者IDは前記老健施設Bに入居する入居者を識別するための識別情報の一例である。特に、前記服用者IDは、前記薬局A側の前記調剤支援装置1などにおいて前記入居者(服用者)を識別するために予め登録される識別情報であり、前記入居者IDは、前記老健施設B側の前記配薬支援装置5などにおいて前記入居者を識別するために予め登録される識別情報である。例えば、前記マスター記憶部521に記憶されている前記入居者マスターが前記老健施設B側から前記薬局A側に提供されることにより、前記薬局A側で前記調剤支援装置1の前記入居者マスターに前記入居者IDが登録される。なお、前記入居者マスターにおける前記服用者IDと前記入居者IDとの対応関係は、前記配薬支援装置5で用いられる前記変換情報における前記服用者IDと前記入居者IDとの対応関係と同じである。
【0136】
また、前記グループは、前記老健施設Bにおける病棟、病室、又はフロアなどにより一連の配薬グループとして分類されたグループを識別するための識別情報である。なお、前記老健施設Bでは、入居者への配薬作業が前記グループごとに行われる。さらに、前記印字フォーマットは、前記薬品分包装置3において前記薬包81及び前記薬袋82などに印刷する項目及び配置などのフォーマットの種類を識別するための情報である。なお、前記入居者マスターに登録された前記印字フォーマットは、例えば前記施設マスターにおいて前記印字フォーマットが登録されている場合でも優先的に採用される。
【0137】
このように構成された前記配薬支援システム100では、前記調剤支援装置1において、前記服用者IDと前記入居者IDとの対応関係を把握することが可能である。そのため、前記制御部11が、前記第1配薬情報に含まれる前記服薬者IDに代えて又は前記服薬者IDと共に、前記入居者IDを前記薬品分包装置3によって前記薬包81に印刷させることが考えられる。
【0138】
また、前記残薬情報入力部115は、前記配薬支援装置5において後述の残薬情報出力部516によって出力される残薬情報を入力可能である。例えば、前記残薬情報入力部115は、前記ネットワークN1及び前記ネットワークN2などを介して、前記残薬情報の送信を前記配薬支援装置5に要求し、前記配薬支援装置5から送信される前記残薬情報を取得する。また、前記残薬情報入力部115は、前記USBメモリ19などの記録媒体から前記残薬情報を読み取って入力することも可能であり、前記配薬支援装置5からメールなどによって送信された前記残薬情報を入力することも可能である。
【0139】
前記残薬通知部116は、前記残薬情報入力部115により入力された前記残薬情報と前記処方データとに基づいて、前記処方データに含まれる処方薬として使用可能な残薬の情報を通知可能である。例えば、前記残薬通知部116は、前記処方データの発行処理(
図4のステップS1)において、調剤対象の前記処方データで使用可能な残薬が存在する旨の注意喚起を表示することが可能である。なお、前記調剤支援装置1では、前記制御部11が、前記操作装置15のユーザー操作に応じて任意のタイミングで前記表示装置14などに前記残薬情報を表示させることも可能である。また、前記残薬通知部116は、前記残薬情報を前記調剤支援装置1に通信可能に接続された前記電子カルテシステム又は前記処方入力端末などの上位システム(不図示)に送信することも可能である。これにより、前記上位システムを使用する医師に前記残薬情報を通知して前記処方データの修正などを促すことができ、薬品の無駄を抑制することが可能である。なお、前記薬局A側の薬剤師が、前記調剤支援装置1で表示される前記残薬情報を参照し、残薬の量を医師に連絡して、新たな処方入力時に残薬を除いた処方入力を促すこと、又は入力済みの処方から残薬を除く修正(再発行)を促すことが可能である。
【0140】
一方、
図14に示すように、前記配薬支援装置5は、USBポート58を備える。前記USBポート58は、前記USBメモリ19が着脱可能であり、前記USBメモリ19に対するデータの書き込み及び前記USBメモリ19からのデータの読み出しが可能である。
【0141】
また、前記配薬支援装置5では、前記データ記憶部52に配薬データ記憶部523が含まれる。前記配薬データ記憶部523には、前記調剤支援装置1から出力され、前記USBポート58によって前記USBメモリ19から読み出される前記配薬データが記憶される。
【0142】
また、前記配薬支援装置5では、前記制御部51が、前記配薬支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより配薬データ入力部514、服薬完了入力部515、及び残薬情報出力部516として機能する。なお、前記配薬データ入力部514が配薬データ入力手段の一例、前記服薬完了入力部515が服薬完了入力手段の一例、前記残薬情報出力部516が残薬情報出力手段の一例である。
【0143】
前記配薬データ入力部514は、前記調剤支援装置1により出力された前記配薬データを、薬品の配送先である前記老健施設Bに設けられた前記配薬支援装置5に入力することが可能である。具体的に、前記配薬データ入力部514は、前記操作装置55のユーザー操作に応じて、前記USBポート58に接続される前記USBメモリ19から前記配薬データを読み出すことにより前記配薬データを前記配薬支援装置5に入力する。
【0144】
前記服薬完了入力部515は、前記表示装置54又は前記携帯端末6により後述の入居者一覧画面211(
図23参照)に表示された服用者ごとの服薬完了の入力操作を受け付ける。具体的に、前記服薬完了入力部515は、前記操作装置55又は前記携帯端末6に対する前記服用者の服薬完了の入力操作を受け付ける。
【0145】
前記残薬情報出力部516は、前記服用者が服用しなかった残薬に関する残薬情報の入力操作を受け付けると共に、前記残薬情報を出力可能である。具体的に、前記残薬情報出力部516は、前記操作装置55又は前記携帯端末6に対する前記残薬情報の入力操作を受け付ける。そして、前記残薬情報出力部516は、前記残薬情報を前記データ記憶部52に記憶すると共に、前記ネットワークN1及び前記ネットワークN2などを介して前記調剤支援装置1に送信出力する。
【0146】
また、前記配薬支援装置5では、前記制御部11が前記操作装置55又は前記携帯端末6のユーザー操作に応じて初期設定情報として前記老健施設B及び入居者の情報を登録可能である。ここに、
図16は施設登録画面の一例を示す図、
図17は入居者登録画面の一例を示す図である。
【0147】
図16に示すように、前記制御部11は、前記操作装置55のユーザー操作に応じて、施設コード及び施設名称を登録するための施設登録画面を表示させる。前記施設登録画面では、前記施設コード及び前記施設名称が入力された後、登録キーが操作されることにより、それらの情報が施設マスターとして前記マスター記憶部521に記憶される。なお、前記施設コード及び前記施設名称は、前記調剤支援装置1の前記施設マスター(
図15参照)に登録される施設コード及び施設名称と同じである。
【0148】
また、
図17に示すように、前記制御部11は、前記操作装置55のユーザー操作に応じて、入居者の情報を登録するための入居者登録画面を表示させる。具体的に、前記入居者登録画面では、入居者ID、入居者の名前、仮名、生年月日、性別、管理区分、グループ、部屋コード、コメント、及び顔画像(写真)の入力が可能である。前記管理区分では、例えば、薬品の服用を自己で管理する自己管理であるか否かなどが選択される。前記管理区分には、服薬時の配薬及び服薬の有無の確認が必要である「服薬確認要」、所定期間の薬品が服用者に預けられ、服薬時の配薬は不要であるが服薬の有無の確認が必要である「服薬確認要(自己管理)」、及び所定期間の薬品が服用者に預けられ、服薬時の配薬及び服用の確認が共に不要である「服薬確認不要(自己管理)」などが含まれる。前記コメントには、入居者について注意すべき事項などが任意に記載可能であり、前記コメントは後述の入居者確認画面213(
図25参照)に表示可能である。また、顔画像(写真)の入力手法としては、予め撮影された写真を一覧から選択して取り込む取込入力、及び入居者の情報を登録する際に前記携帯端末6の前記カメラ62を用いて撮影する撮影入力がある。そして、前記入居者登録画面では、入居者の情報が入力された後、登録キーが操作されることによりそれらの情報が前記入居者マスターとして前記マスター記憶部521に記憶される。なお、入居者の情報に含まれる入居者ID、入居者の名前(仮名)、及びグループなどは、前記調剤支援装置1の前記入居者マスター(
図15参照)に登録される入居者ID、服用者名、及びグループと同じである。また、前記入居者登録画面において、データキーが操作された場合には、前記制御部11は、その後の操作に応じて入居者の情報のインポート又はエクスポートを実行する。
【0149】
以下、このように構成された前記配薬支援システム100において実行される各種の処理について説明する。なお、前記配薬支援システム100においても、前記薬品分包処理(
図8参照)、前記収容時照合処理(
図10参照)、前記配送時照合処理(
図11参照)、及び前記受取時処理(
図12参照)などが実行される。
【0150】
[処方データの発行処理]
まず、
図18を参照しつつ、前記配薬支援システム100で実行される前記処方データ発行処理について説明する。なお、前記処方データの発行処理について、
図5で説明した処理手順と同様の処理手順については同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0151】
<ステップS111>
図18に示すように、前記ステップS11において前記処方データの発行操作が行われると、続くステップS111において、前記制御部11は、前記残薬情報を入力するための残薬情報入力処理を実行する。ここに、前記ステップS111は、前記制御部11の前記残薬情報入力部115によって実行される。
【0152】
例えば、前記ステップS111では、前記制御部11が、前記ネットワークN1及び前記ネットワークN2などを介して前記配薬支援装置5に前記残薬情報の送信を要求する。そして、前記制御部11は、前記配薬支援装置5から前記ネットワークN1及び前記ネットワークN2などを介して送信される前記残薬情報を受信する。なお、前記配薬支援装置5から予め設定された期間ごと又は予め定められたタイミングで自動的に前記残薬情報が前記ネットワークN1及び前記ネットワークN2などを介して送信され、前記残薬情報入力部115が前記残薬情報を取得することも考えられる。また、前記配薬支援装置5において前記USBメモリ19などの記録媒体に前記残薬情報が記録され、前記調剤支援装置1において前記USBメモリ19などの記録媒体から前記残薬情報が読み出されることも考えられる。これにより、前記ネットワークN1及び前記ネットワークN2を介した連携を伴うことなく前記残薬情報を前記調剤支援装置1で活用することが可能となる。
【0153】
<ステップS112>
次に、ステップS112において、前記制御部11は、前記ステップS111で取得した前記残薬情報と前記処方データとに基づいて、前記処方データに含まれる処方薬として使用可能な残薬の情報を通知する。ここに、前記ステップ112は、前記制御部11の前記残薬通知部116によって実行される。また、前記制御部11は、前記ステップS112において、前記処方データにおける処方日が、前記残薬情報に含まれる残薬の有効期限内であるか否かを判断し、前記有効期限内であるか否かを前記表示装置14などに表示させることも考えられる。
【0154】
例えば、前記ステップS112では、前記制御部11が、前記残薬情報と前記処方データとに基づいて、前記処方データのうち前記残薬情報において残薬として存在するため分包が不要な薬品を判断する。そして、前記残薬として存在する薬品の情報を前記表示装置14などに表示させる。これにより、前記表示装置14を参照する薬剤師などが、前記残薬を利用可能である旨を容易に認識することが可能であり、例えば医師への前記処方データの修正照会を行うことにより薬品の無駄を抑制することが可能になる。具体的には、前記残薬情報を確認した上で服用日数又は服用回数などが調整されることが考えられる。
【0155】
なお、このとき医師が、前記処方データから前記残薬を使用可能な服用時期又は薬品を除いた場合には、前記残薬を使用することが前提になるため、前記老健施設Bに配送される薬品が不足した状態となる。そこで、例えば前記ステップS12における前記分包データの生成時に、前記残薬の存在により分包対象から除かれた薬品についても空の前記薬包81が発行されるように前記分包データが生成されることが考えられる。具体的には、前記分包データのうち前記残薬の存在により分包対象から除かれた薬品に対応する分包データに、その服用時期と、その服用時期に使用する残薬を特定するための残薬特定情報(例えば、服用時期など)とが含まれることが考えられる。
【0156】
そして、前記薬品分包装置3では、残薬を使用する前記服用時期及び前記残薬特定情報が空の前記薬包81に印刷される。例えば、空の前記薬包81には、「△月△日夕食後は、○月○日夕食後の薬品を服用して下さい」などのメッセージが表示されることが考えられる。これにより、前記老健施設Bでは、空の前記薬包81を参照することにより前記服用時期ごとに使用するべき残薬を判断することが可能である。なお、前記残薬が使用可能であるか否かの判断は、前記服用時期ごとに行われること、即ち前記薬包81の単位で行われることが考えられる。これにより、前記薬包81内の薬品と残薬として残っている薬品とを合わせて服用する必要がなく、配薬ミスの発生を抑制することができる。また、前記分包データの生成時に、分包対象から除かれた薬品に関する情報が前記操作装置15の操作入力によって入力されることが考えられる。さらに、前記調剤支援装置1の前記制御部11が、前記残薬を使用する旨の修正が医師によって行われた場合に、その修正前後の前記処方データに基づいて、分包対象から除かれた薬品の服用時期などを判断することも考えられる。
【0157】
<ステップS14>
その後、ステップS14において、前記制御部11は、前記老健施設B側で利用される配薬データの出力操作を待ち受ける(S14:No側)。具体的に、前記制御部11は、前記操作装置15に対するユーザー操作によって前記配薬データの出力操作が実行されたか否かを判断する。ここで、前記配薬データの出力操作が行われたと判断すると(S14:Yes側)、処理はステップS15に移行する。
【0158】
<ステップS15>
ステップS15において、前記制御部11は、前記ステップS11で発行操作が行われた前記処方データに基づいて前記配薬データを生成し、前記配薬データを前記USBポート18に出力して前記USBメモリ19に記録する。即ち、前記制御部11は、前記処方データ及び前記分包データと同様に、前記配薬グループである前記老健施設B又は前記グループなどの単位で前記配薬データを出力する。これにより、前記薬包81及び前記薬袋82等と共に前記USBメモリ19を前記配薬支援装置5に配送することにより、前記USBメモリ19に記憶されている前記配薬データを前記配薬支援装置5で利用し、配薬担当者による配薬作業の効率化及び配薬ミスの抑制を図ることが可能となる。また、前記ステップS11で発行操作が行われた前記処方データを対象として前記配薬データが生成されるため、前記配薬データを生成するための抽出条件などを再度設定する手間が軽減され、また、調剤対象であって前記処方データと異なる前記配薬データが生成されることが防止される。
【0159】
前記配薬データには、入居者ID、入居者(服用者)名、グループ、仮名、薬品コード(YJコード)、薬品名、服用日、服用時期(用法)、用量、剤形、一包化区分、副作用関連情報、及び頓服の1日最大用量(最大回数)などが含まれる。ここに、前記一包化区分は、同じ前記薬包81内に分包される薬品を識別するための区分である。前記副作用関連情報は、薬品の添付文書に記載されている副作用に関する情報、又は前記薬局Aなどにおいて予め薬品に対応付けて任意に登録された副作用に関する情報などである。なお、前記配薬支援システム100では、前記薬局A側の前記調剤支援装置1においても前記配薬支援装置5側で管理される入居者ID及びグループなどの情報が前記入居者マスターに登録される。そのため、前記制御部11は、前記入居者マスターを参照して前記入居者ID及び前記グループなどの情報を前記配薬データに付加して出力することが可能である。これにより、複数の前記薬局Aと複数の前記老健施設Bとの間で薬品の授受が行われる場合でも、前記配薬支援装置5が、前記配薬データに基づいて入居者を特定することが可能である。なお、前記配薬データに前記服用者IDが含まれており、前記老健施設B各々において前記配薬支援装置5が前記服用者IDと前記入居者IDとの対応関係(前記変換情報)に基づいて前記服用者IDに対応する入居者を判断することも他の実施形態として考えられる。
【0160】
ここに、
図19は、前記老健施設B1で利用される配薬データの一例を示す図である。
図19に示すように、前記配薬データには、前記分包データ(
図6参照)に加えて、入居者ID、入居者(服用者)名、グループ、剤形、一包化区分が含まれている。なお、前記一包化区分について、
図19に示す例では、「湯山一郎」の医薬品M1と医薬品M3とは共に一包化区分が「1」であり同じ前記薬包81に分包されることが示されており、「湯山三郎」の医薬品M7と医薬品M8とは一包化区分が「1」、「2」であって異なる前記薬包81に分包されることを示している。また、
図19では省略しているが、前述したように、前記配薬データには、副作用関連情報及び頓服の1日最大用量(最大回数)なども含まれる。
【0161】
なお、前記USBメモリ19は、前記配薬データの移動に利用される記録媒体の一例であって、前記USBメモリ19に代えて他のフラッシュメモリ又はハードディスクドライブなどの各種の記録媒体を用いることが可能である。また、本実施形態では、前記USBメモリ19のような記録媒体を用いて前記配薬データを移動可能な構成について説明するが、前記配薬データを前記配薬支援装置5に伝達することができればその手法はこれに限らない。例えば、前記配薬データ出力部114が、前記配薬データを前記通信インターフェース13に出力し、前記通信インターフェース13からインターネット等の前記ネットワークN1を通じて前記配薬支援装置5に送信出力な構成も考えられる。なお、前記配薬データ出力部114は、前記配薬データに対応する前記処方データを前記配薬支援装置5に送信出力することが可能な構成も考えられる。
【0162】
さらに、前記制御部11は、前記調剤支援装置1及び前記配薬支援装置5が前記ネットワークN1及び前記ネットワークN2などを介して通信可能に接続されたサーバーなどの記憶部に前記配薬データを出力して記憶させることも考えられる。即ち、前記調剤支援装置1及び前記配薬支援装置5がクラウド上で前記配薬データを共有する構成が考えられる。これにより、前記配薬支援装置5の前記制御部51は、前記サーバーなどの記憶部から前記配薬データを読み出して入力することが可能となる。また、前記薬品分包装置3において服用時期各々に対応する前記薬包81が連続する前記薬包シートが服用者ごとに出力され、その薬包シートに検薬用の情報が印刷される前記薬包81が付加される場合などには、その薬包81に当該服用者に関する前記配薬データを示す一次元コード又は二次元コードなどのコードが印刷出力されることが考えられる。これにより、前記配薬支援装置5において、前記制御部51が、前記検薬用の前記薬包81から前記コードを読み取ることにより、服用者ごとに前記配薬データを入力することが可能となる。なお、前記コードは、前記薬包81に限らず、例えば前記薬包81と共に配送される紙媒体に印刷されることも考えられる。前記コードに含まれる前記配薬データには、当該服用者に対応する今回の前記配薬データにおける最初の服用時期である服用開始時期及び最後の服用時期を示す服用終了時期も含まれる。また、前記配薬データに代えて当該服用者に対応する前記処方データ(例えば、薬品名、用法、用量、服用開始日、服用終了日など)が前記検薬用の前記薬包81に印刷出力される前記コードに含まれることも考えられる。
【0163】
また、前記調剤支援装置1では、前述したように残薬の使用を前提とする前記処方データに基づいて前記分包データが生成された場合には、前記制御部11が、その残薬の服用時期と新たな服用時期との関係を示す前記残薬特定情報を含む前記配薬データを出力することが考えられる。そして、前記配薬支援装置5では、前記制御部51が、残薬に対応する前記薬包81に付されている前記コード811が読み取られた場合に、前記残薬特定情報を参照して前記薬包81に対応する服用時期を新たな服用時期として認識する。これにより、残薬を使用する場合にも、前記配薬支援システム100において、前記薬包81に対応する服用時期及び入居者などを照合すること、又は前記入居者の服用の有無などを管理することが可能となる。
【0164】
なお、ここでは、
図18に示した処方データ発行処理において前記分包データが出力されるタイミングで前記配薬データが出力可能な構成について説明したが、前記制御部11は、前記配薬データを、任意のタイミングで前記操作装置15の操作などに応じて出力することも可能である。具体的に、前記制御部11は、前記処方データ記憶部121に記憶されている前記処方データのうち出力対象となる処方データを抽出するための抽出条件の設定操作を待ち受ける。例えば、前記調剤支援装置1では、前記制御部11が、前記操作装置15に対する設定開始操作に応じて、前記表示装置14に前記抽出条件を設定するための設定画面を表示する。そして、前記制御部11は、前記設定画面に従った前記操作装置15の操作に応じて前記抽出条件を設定する。例えば、前記施設コード、前記施設名称、前記グループ、前記服用者ID、前記服用者名、及び前記入居者IDのうち一又は複数の条件が設定可能である。ここで、前記抽出条件が設定されたと判断すると、前記制御部11は、前記処方データ記憶部121に記憶されている前記処方データに基づいて前記抽出条件に対応する前記配薬データを生成する。
【0165】
具体的に、前記施設コードが選択された場合には、前記処方データ記憶部121に記憶されている前記処方データから、前記施設コードに対応する前記老健施設Bに入居している服用者各々の処方データが抽出される。また、前記抽出条件として前記グループが選択された場合には、前記処方データ記憶部121に記憶されている前記処方データから、前記グループに属する服用者各々の処方データが抽出される。そして、前記制御部11は、前記処方データのうち予め定められた一部又は全部の項目を前記配薬データとして抽出する。これにより、前記処方データのうち前記配薬データとして不要な情報を省略することによりデータ量を減少させ、又は前記服用者の個人情報の利用を最小限に抑制しつつ前記処方データを利用することが可能である。その後、前記制御部11は、前記ステップS15と同様に前記配薬データを出力する。これにより、前記調剤支援装置1では、前記処方データの発行タイミングに限らず任意のタイミングで前記配薬データを出力することが可能である。
【0166】
[配薬時照合処理]
次に、
図20のフローチャートを参照しつつ、前記配薬支援システム100において前記配薬支援装置5の制御部51によって実行される配薬時照合処理について説明する。
【0167】
<ステップS81>
ステップS81において、前記制御部51は、前記操作装置55又は前記携帯端末6に対して予め定められた配薬開始操作が行われたか否かを判断する。ここで、前記配薬開始操作が行われたと判断すると、処理がステップS82に移行し、前記配薬開始操作が行われていない場合には、処理がステップS811に移行する。
【0168】
ところで、前記配薬開始操作では、予め定めた職員などの配薬担当者のログイン操作が行われることが考えられる。この場合、前記データ記憶部52には、前記配薬担当者各々の識別コード及びパスワードなどが設定されていることが考えられる。例えば、前記制御部51は、前記配薬開始操作が行われた後、前記読取端末7によって前記配薬担当者が有する名札などに記載された一次元コード又は二次元コード等のコードが読み取られ、そのコードの情報が前記配薬担当者の識別コードと一致する場合に、その配薬担当者をログインさせることが考えられる。さらに、前記制御部51は、前記識別コードが読み取られた後、その識別コードに対応する前記パスワードが入力された場合に、そのパスワードを照合してから前記配薬担当者をログインさせることも考えられる。これにより、前記制御部51は、前記配薬担当者ごとに当該配薬時照合処理で表示させる情報を制限すること、又は前記配薬担当者ごとに当該配薬時照合処理で表示させる入居者の範囲(例えば自己担当の入居者のみ)を変更することなどが可能になる。
【0169】
<ステップS811~S812>
ステップS811~ステップS812では、前記調剤支援装置1から出力された前記配薬データを入力するための入力処理が実行される。ここに、前記ステップS811~S812は、前記配薬データ入力部514によって実行される。
【0170】
具体的に、まずステップS811において、前記制御部51は、前記配薬データの入力タイミングを待ち受ける(S811:No側)。例えば、前記制御部51は、前記USBメモリ19が前記USBポート58に装着され、前記操作装置55に対するユーザー操作が行われた場合に、前記配薬データの入力タイミングであると判断する。また、前記制御部51は、前記通信インターフェース53により前記ネットワークN2などを介して前記配薬データが受信された場合にも、前記配薬データの入力タイミングであると判断する。そして、前記配薬データの入力タイミングが到来したと判断すると(S811:Yes側)、処理はステップS812に移行する。
【0171】
ステップS812において、前記制御部51は、前記配薬データを前記調剤支援装置1に入力する。例えば、前記制御部51は、当該配薬時照合処理を実行するために必要な情報を予め定められたデータベース形式に従って前記配薬データ記憶部523に記憶する。これにより、前記配薬支援装置5では、前記調剤支援装置1における調剤時に用いられていた前記配薬データを利用して各種の処理を実行することが可能となる。
【0172】
<ステップS82>
一方、前記ステップS81において、前記操作装置55又は前記携帯端末6に対して予め定められた配薬開始操作が行われたと判断した場合、続くステップS82において、前記制御部51は配薬担当者が配薬時に参照する初期画面210(第1表示画面の一例)を表示させる。具体的に、前記制御部51は、前記操作装置55により前記配薬開始操作が行われた場合には、前記表示装置54に前記初期画面210を表示させる。また、前記制御部51は、前記携帯端末6により前記配薬開始操作が行われた場合には、前記携帯端末6の表示部に前記初期画面210を表示させる。なお、これ以降の処理についても同様に、前記操作装置55による操作は前記表示装置54の表示に反映され、前記携帯端末6における操作は前記携帯端末6の表示部の表示に反映される。
【0173】
ここに、
図21は、前記初期画面210の一例である。
図21に示すように、前記制御部51は、前記配薬データに基づいて、これから服用する服用時期を選択するための選択キーが表示される。具体的に、
図21に示す例では、前記制御部51が、本日に対応する服用時期が選択候補として前記初期画面210に表示される。前記初期画面210では、朝食、昼食、夕食ごとに「前」、「後」、「間」がツリー表示されており、配薬担当者が目的の服用時期を見つけやすい。なお、前記初期画面210の前段で服用日時が選択可能な構成も他の実施形態として考えられる。
【0174】
また、
図21に示すように、前記制御部51は、前記初期画面210において、服用すべき薬品が存在する服用時期と、服用すべき薬品が存在しない服用時期とを異なる表示態様で表示させる。これにより、配薬担当者は、服用時期ごとにおける服用すべき薬品の存在の有無を容易に判断することが可能である。なお、
図21における服用時期の背景模様の違いが表示態様に差があることを示している。例えば、服用すべき薬品が存在する服用時期(
図21の夕食後、夕食間など)はハイライト表示し、服用すべき薬品が存在しない服用時期(
図21の朝食前、朝食後、朝食間など)はハイライト表示しないことが考えられる。また、服用すべき薬品が存在する服用時期の表示色と、服用すべき薬品が存在しない服用時期の表示色とが異なることも考えられる。さらに、服用すべき薬品が存在する服用時期の表示サイズが大きく、服用すべき薬品が存在しない服用時期の表示サイズが小さいことも考えられる。
【0175】
さらに、
図21に示すように、前記制御部51は、前記初期画面210において、現在時刻に最も近い服用時期を他の服用時期とは異なる表示態様で表示させることが考えられる。これにより、配薬担当者による服用時期の選択ミスを抑制すると共に、選択する服用時期を探す手間を軽減することができる。なお、このような表示処理を実現するため、前記配薬支援装置5では、前記データ記憶部52に、服用時期ごとに対応する服用時期名、服用時刻、服用時期コード、及び服用区分などの服用時期情報が予め記憶されている。これにより、前記制御部51は、前記服用時期情報に基づいて、現時点で服用するべき服用時期を判断することが可能である。前記服用時期コードは、前記薬包81に印刷される前記服用時期コードと同じ内容を示す情報であり、前記調剤支援装置1及び前記配薬支援装置5において共通で用いられる統一された情報である。なお、前記制御部51は、前記配薬支援装置5の初期設定などにおいてユーザー操作に応じて前記服用時期情報を変更可能である。
【0176】
ところで、
図21では、服用時期がツリー表示された初期画面210が示されているが、服用時期を選択するための初期画面210の他の例として、例えば
図22に示すように、服用時期各々が個別に配列して表示されることも考えられる。さらに、前記制御部51が、前記操作装置55又は前記携帯端末6の操作に応じて、前記初期画面210における前記服用時期各々の表示位置、表示サイズ、及び表示色を予め任意に設定可能な構成が考えられる。また、前記制御部51が、前記操作装置55又は前記携帯端末6の操作に応じて、前記初期画面210に表示される前記服用時期の種類を予め任意に設定可能な構成も考えられる。これにより、例えばユーザーが前記初期画面210を任意にカスタマイズして自己にとって見やすい画面構成にすること、又は前記初期画面210における不要な情報の表示を排除することが可能である。
【0177】
また、前記老健施設Bでは、特定の前記薬局Aのみならず他の薬局からも薬品が持ち込まれ、その薬品の配薬の管理が行われることが考えられる。そのため、前記配薬支援装置5では、前記制御部51が、複数の前記薬局Aから取得する前記配薬データを合成することも可能である。また、前記配薬支援装置5では、前記制御部51が、前記操作装置55又は前記携帯端末6の操作に応じて前記配薬データを任意に入力可能な構成が考えられる。具体的に、前記制御部51は、前記操作装置55の操作に応じて、入居者、医療機関、医師、用法(服用時期)、薬品の種類、用量、及びコメントなどの情報を登録するための登録画面を表示させ、その登録画面に入力された情報を前記配薬データとして入力する。
【0178】
<ステップS83>
そして、ステップS83において、前記制御部51は、服用対象となる服用時期の選択を待ち受ける(S83:No側)。ここで、服用時期が選択されたと判断すると(S83:Yes側)、処理がステップS84に移行する。
【0179】
具体的に、前記制御部51は、前記初期画面210における服用時期を選択するための操作が前記操作装置55又は前記携帯端末6の操作部によって行われた場合に服用時期が選択されたと判断する。また、前記制御部51は、前記携帯端末6又は前記読取端末7により、服用時期ごとに対応する前記薬包81が収容された配薬ボックスに予め付されている服用時期を示す一次元コード又は二次元コード等のコードが読み取られた場合に、その服用時期が選択されたと判断することが考えられる。
【0180】
ところで、前記配薬支援システム100が、複数の服用者の各服用時期に対応する前記薬包81などの薬品を各服用時期に対応する前記配薬ボックスに自動的に収容する自動収容装置を備える構成も考えられる。これにより、複数の服用者に処方される薬品が服用時期ごとに纏めて前記配薬ボックスに自動的に収容されるため、前記薬局A又は前記老健施設Bで前記薬包81を前記配薬ボックスに収容する手間が省略される。なお、前記自動収容装置は、前記薬品分包装置3に搭載されるものであってもよい。ところで、前記配薬ボックスは、例えば区画された複数の収容部を備えるボックスであるが、所謂ブリスターパックであってもよい。前記ブリスターパックとは、一面が開放された包装領域を複数有する包装部材を平板状の部材に接合することにより閉鎖された複数の包装部が形成される収容部材である。また、前記ブリスターパックでは、前記包装部各々を容易に切り離すための切り取り点線(ミシン目)が形成されている。
【0181】
ここで、前記制御部51は、前記ステップS83で選択された服用時期が、前記配薬支援装置5で計時される現在日時に対応する適正な服用時期であるか否かを判断し、適正でない場合にその旨を報知可能である。具体的に、前記配薬支援装置5では、前記服用時期ごとに対応する服用時刻又は服用時間帯が予め設定されて前記データ記憶部52に記憶されている。例えば、服用時期「昼食後」に対応する服用時刻が「13時」に設定され、服用時期「昼食間」に対応する服用時刻が「15時」に設定され、服用時期「夕食前」に対応する服用時間帯が「18時」に設定されていることが考えられる。この場合、前記制御部51は、現在時刻が、前記ステップS83で選択された前記服用時期に対応する前記服用時刻から前後30分のような所定の許容範囲内であるか否かを判断することが考えられる。なお、現在時刻には、例えば前記配薬支援装置5のシステムクロックとして計時されている時刻、又は前記ネットワークN2などを介して所定の時刻報知機関から取得可能な時刻が用いられる。また、服用時期「昼食後」に対応する服用時間帯が「12時30分~13時」に設定され、服用時期「昼食間」に対応する服用時間帯が「15時~16時」に設定され、服用時期「夕食前」に対応する服用時間帯が「18時30分~19時」に設定されていることが考えられる。この場合、前記制御部51は、現在時刻が、前記ステップS83で選択された前記服用時期に対応する前記服用時間帯であるか否かを判断することが考えられる。
【0182】
さらに、前記制御部51が、前記初期画面210において選択される服用時期と、前記携帯端末6又は前記読取端末7で読み取られた前記配薬ボックスに付された一次元コード又は二次元コード等のコードの服用時期とを照合可能であり、照合結果が不一致である場合にその旨を報知可能な構成も考えられる。この場合、前記配薬支援装置5では、前記制御部51が、前記操作装置55の操作に応じて、例えば服用日時、服用時期、及びグループなどの前記配薬ボックスに貼付する情報を含む一次元コード又は二次元コード等のコードを任意のプリンタによってラベルなどに印刷可能であることが考えられる。また、前記制御部51が、前記初期画面210の表示前に選択される服用日時と、前記携帯端末6又は前記読取端末7で読み取られた前記配薬ボックスに付された前記コードの服用日時とを照合可能であり、照合結果が不一致である場合にその旨を報知可能な構成も考えられる。同じく、前記制御部51が、前記初期画面210に表示されるグループと、前記携帯端末6又は前記読取端末7で読み取られた前記配薬ボックスに付された前記コードのグループとを照合可能であり、照合結果が不一致である場合にその旨を報知可能な構成も考えられる。
【0183】
<ステップS84>
ステップS84において、前記制御部51は、入居者の一覧が表示される入居者一覧画面211(第2表示画面の一例)を前記表示装置54又は前記携帯端末6の表示部に表示させる。ここに、
図23は、前記入居者一覧画面211の一例を示す図である。具体的に、前記制御部51は、前記マスター記憶部521に記憶されている前記入居者マスターと前記配薬データ記憶部523に記憶されている前記配薬データとに基づいて前記入居者一覧画面211を表示させる。
【0184】
特に、
図23に示すように、前記制御部51は、前記入居者一覧画面211において、前記ステップS83で選択されたと判断した服用時期に服用する薬品が存在する入居者と、その服用時期に服用する薬品が存在しない入居者とを異なる表示態様で表示させる。即ち、前記制御部51は、前記ステップS81~S84を実行することにより、前記入居者各々と前記服用時期各々との関係を表示させることが可能である。ここに、係る表示処理は前記表示制御部511によって実行され、前記表示制御部511が処方表示手段の一例である。特に、前記ステップS81~S82において前記服用時期を選択するための前記初期画面210を表示させるときの前記表示制御部511が第1表示処理手段の一例であり、前記ステップS83~S84において前記初期画面210における前記服用時期の選択に応じて前記服用時期における前記入居者各々の配薬の要否を表示する前記入居者一覧画面211を表示するときの前記表示制御部511が第2表示処理手段の一例である。
【0185】
これにより、配薬担当者は、前記初期画面210及び前記入居者一覧画面211を用いて、服用時期各々において服用すべき薬品が存在する入居者を容易に判断することが可能である。なお、
図23における入居者の背景模様の違いが表示態様に差があることを示している。例えば、服用すべき薬品が存在する入居者(「湯山一郎」など)はハイライト表示し、服用すべき薬品が存在しない入居者(「湯山三郎」など)はハイライト表示しないことが考えられる。また、服用すべき薬品が存在する入居者の表示色と、服用すべき薬品が存在しない入居者の表示色とが異なることも考えられる。さらに、服用すべき薬品が存在する入居者の表示サイズが大きく、服用すべき薬品が存在しない入居者の表示サイズが小さいことも考えられる。
【0186】
また、前記入居者一覧画面211では、入居者の服薬の状況に関するステータス情報として、前述した前記服用時期に服用すべき薬品の有無の他に、「未服薬」、「服薬済」、「外出」、「未服薬完了」、「自己管理確認無」、「自己管理未確認」、「自己管理確認済」、「仕事中」、「服薬不能」、「入院中」などの情報が表示されることも考えられる。即ち、前記入居者一覧画面211では、これらの複数のステータス情報が、異なる配色又は表示サイズなどの異なる表示態様で表示可能である。
【0187】
例えば、
図23に示す例では、「湯山八郎」が「服薬完了」に対応する表示態様で表示されており、「湯山九郎」などの入居者は「未服薬」に対応する表示態様で表示されている。これにより、配薬担当者が、選択した服用時期における配薬の要否を入居者ごとに容易に判断することが可能である。また、
図23に示す例では、「湯山七太」が「外出」に対応する表示態様で表示されており、配薬担当者は、「湯山七太」が外出中又は外泊中などであるために配薬が不要である旨を容易に判断することが可能である。ここで、入居者各々の外出の有無などのステータス情報は、前記制御部51により、前記操作装置55又は前記携帯端末6の操作部などの操作に応じて予め前記マスター記憶部521の前記入居者マスターの一部として記憶されることが考えられる。
【0188】
なお、「仕事中」は、前記入居者が仕事に出ていることを示し、「服薬不能」は、前記入居者が服用困難な健康状態であることを示し、「入院中」は、前記入居者が病院に入院中であることを示す。また、「未服薬完了」は、服用者が薬品を服薬していないがその薬品が残薬として処理されて服薬が完了状態になっていることを示す。さらに「自己管理確認無」は、服用者に所定期間の薬品を予め預けて服用者を自己管理する場合であってその服薬の有無の確認の必要がないことを示す。一方、「自己管理未確認」、「自己管理確認済」は、服用者に所定期間の薬品を予め預けて服用者を自己管理するがその服薬の有無の確認の必要があることを示し、「自己管理未確認」は、まだ服薬が確認されていないことを示し、「自己管理確認済」は、既に服薬が確認されてその旨の入力操作が行われていることを示す。
【0189】
図23に示す前記入居者一覧画面211では、同一画面に表示されない入居者はスクロールによって表示可能であり、前記入居者一覧画面211における入居者の表示順は例えば五十音順又はアルファベット順などである。また、前記制御部51は、前記入居者一覧画面211における「全員」の操作キーの選択に応じて、前記入居者一覧画面211における入居者の表示を、未服用の入居者のみが表示される状態と入居者全員が表示される状態とに交互に切換可能である。さらに、前記制御部51は、前記入居者一覧画面211における「完了」の操作キーの選択に応じて前記入居者一覧画面211に表示中の入居者についてステータス情報を「未服薬完了」の状態に変更し、その服用時期に対応する未服用の薬品(薬包81)を残薬情報として前記データ記憶部52に記憶することが考えられる。また、前記制御部51は、前記残薬情報を前記データ記憶部52に蓄積して記憶する際、前記残薬情報の合計を算出することなく、前記薬包81に収容された錠剤の状態をそのままの情報として記憶する。例えば、ある入居者の薬品として1錠及び0.5錠(半錠)の薬品が薬包81に分包されており、その薬包81が3回分残っている場合、前記データ記憶部52では、4.5錠ではなく、1.5錠×3の情報が前記残薬情報として記憶される。
【0190】
ところで、前記配薬支援システム100では、前記入居者マスター(
図15参照)及び前記入居者登録画面(
図17参照)に示したように、前記入居者を複数のグループに分類することも可能である。この場合、前記制御部51は、前記入居者一覧画面211を前記グループごとに表示させることが他の実施形態として考えられる。ここに、
図24は、前記入居者各々をグループごとに表示させる場合の入居者一覧画面211の一例を示す図である。
【0191】
図24に示す前記入居者一覧画面211では、各グループに対応するタブが表示されており、前記タブが選択された場合にそのタブのグループに属する入居者の一覧が表示される。なお、この場合も
図23に示した前記入居者の表示態様は、前記入居者一覧画面211と同様であるため説明を省略する。また、前述したように、前記配薬ボックスに付された前記コードが前記グループを示す情報を含む場合、前記制御部51は前記携帯端末6又は前記読取端末7によって読み取られた前記コードが示す前記グループに対応する前記入居者一覧画面211を表示させることが考えられる。また、前記制御部51が、前記
図24における前記入居者一覧画面211で選択された前記タブのグループと、前記携帯端末6又は前記読取端末7によって前記配薬ボックスから読み取られる前記コードが示すグループとが一致しているか否かを照合可能であり、照合結果が不一致である場合にその旨を報知可能な構成も考えられる。
【0192】
<ステップS85>
次に、ステップS85において、前記制御部51は、服用対象となる入居者の選択を待ち受ける(S85:No側)。ここで、入居者が選択されたと判断すると(S85:Yes側)、処理がステップS86に移行する。
【0193】
具体的に、前記制御部51は、前記入居者一覧画面211における入居者を選択するための操作が前記操作装置55又は前記携帯端末6の操作部によって行われた場合に入居者が選択されたと判断する。また、前記制御部51は、前記携帯端末6又は前記読取端末7により、例えば入居者が所有する名札、リストバンド、又は前記薬包81に付された一次元コード又は二次元コード等のコードが読み取られた場合に、そのコードが示す入居者IDに対応する入居者が選択されたと判断することが考えられる。さらに、前記制御部51が、前記入居者一覧画面211において選択される入居者と、前記携帯端末6又は前記読取端末7で読み取られた前記コードが示す入居者とを照合可能であり、照合結果が不一致である場合にその旨を報知可能な構成も考えられる。
【0194】
なお、前記ステップS85において、前記制御部51は、前記入居者一覧画面211におけるメニューキーが操作された場合には、前記表示装置54又は前記携帯端末6の表示を前記配薬開始操作が行われる前のメニュー画面などに戻す。また、前記制御部51は、戻るキーが操作された場合には、前記表示装置54又は前記携帯端末6の表示を前記初期画面210に戻す。
【0195】
<ステップS86>
ステップS86において、前記制御部51は、前記ステップS85で選択されたと判断した入居者を確認するための入居者確認画面213を前記表示装置54又は前記携帯端末6の表示部に表示させる。具体的に、前記制御部51は、前記マスター記憶部521に記憶されている前記入居者マスター及び前記配薬データに基づいて入居者の情報及び服薬する薬品の情報などを前記入居者確認画面213に表示させる。ここに、
図25は、前記入居者確認画面213の一例を示す図である。
【0196】
図25に示すように、前記入居者確認画面213では、入居者の情報として、入居者の名前、顔画像(写真)、及びコメントが表示されている。また、前記入居者確認画面213では、配薬データのうち用法及び薬品情報が表示されている。これにより、配薬担当者は、配薬対象となる入居者及び薬品などの適否を容易に把握することが可能である。また、前記入居者確認画面213には、確認キー、取消キー、未服用キーが表示される。前記確認キーは、入居者が適切であることを確認したことを入力するための操作キーである。前記取消キーは、前記入居者の選択を解除して前記表示装置54又は前記携帯端末6の表示部の表示を前記入居者一覧画面211に戻すための操作キーである。前記未服用キーは、前記入居者が薬品を服用しなかった場合の未服薬理由を入力して未服薬のまま完了させるための操作キーである。なお、前記配薬確認データが前記処方データそのものの一部又は全部である場合には、実際に調剤された後の薬品の内容(例えば分包状態など)が把握できないことも考えられ、この場合、前記制御部51は、前記入居者確認画面213における薬品情報の表示を省略することが考えられる。
【0197】
さらに、前記データ記憶部52に薬品各々について注意すべき副作用に関する前記副作用関連情報を含む薬品マスターなどが記憶されており、前記入居者確認画面213では、前記入居者が服用する薬品の前記副作用関連情報が表示されることが考えられる。また、前記制御部51が、前記ネットワークN1を通じて前記調剤支援装置1にアクセスし、前記調剤支援装置1に記憶されている前記薬品マスターを参照して前記薬品の前記副作用関連情報を表示することも考えられる。これにより、配薬担当者は、前記入居者への配薬時に前記副作用関連情報を参照して前記入居者の状態について注意すべき事項を容易に把握することができ、例えば前記入居者の異常などを早期発見することが可能となる。また、前記入居者確認画面213では、前記服用時期を識別するための情報として、前記服用時期を示す文字に代えて、又は前記服用時期と共に前記服用時期コードが表示されることも考えられる。これにより、配薬担当者は、前記薬包81にも前記服用時期コードが印刷されている場合にその服用時期コードを参照して服用時期を容易に確認することが可能となる。さらに、前記入居者確認画面213では、前記入居者の服薬に関する前記ステータス情報(「未服薬」、「服薬済」、「外出」、「未服薬完了」、「自己管理確認無」、「自己管理未確認」、「自己管理確認済」、「仕事中」、「服薬不能」、又は「入院中」など)が表示されることも考えられる。なお、前記薬品マスターに薬品各々の写真などの薬品画像データが含まれている場合には、前記制御部51は、前記薬品画像データを前記入居者確認画面213で表示させることも可能である。
【0198】
<ステップS87>
続いて、ステップS87において、前記制御部51は確認操作を待ち受ける(S87:No側)。ここで、前記確認操作が行われたと判断すると、処理はステップS871に移行し、前記確認操作が行われていない場合には、処理がステップS88に移行する。
【0199】
具体的に、前記制御部51は、前記入居者確認画面213の前記確認キーが操作された場合に前記確認操作が行われたと判断する。このとき、前記制御部51は、前記確認キーの操作に応じて入居者IDを入力するための入力画面を表示させ、その入力画面において入力される入居者IDを前記入居者確認画面213に表示されている入居者に対応する入居者IDと照合し、照合結果が不一致である場合にその旨を報知可能な構成も考えられる。例えば、前記照合結果が不一致である場合、前記制御部51は、前記表示装置54又は前記携帯端末6にエラーメッセージを表示させた後、表示画面を前記入居者一覧画面211に戻す。
【0200】
さらに、前記制御部51は、前記ステップS86で前記入居者確認画面213を表示する前に、前記確認キーの操作に応じて入居者IDを入力するための入力画面を表示させ、その入力画面において入力される入居者IDを前記ステップS85で選択された入居者に対応する入居者IDと照合することも考えられる。この場合、前記制御部51は、照合結果が一致である場合は処理を前記ステップS86に移行させて前記入居者確認画面213を表示させ、照合結果が不一致である場合にその旨を報知することが考えられる。なお、前記制御部51が、前記入居者一覧画面211において選択される入居者と、前記携帯端末6又は前記読取端末7で読み取られた前記コードが示す入居者とを照合する構成でも同様に、照合結果が一致であることが確認された後に前記入居者確認画面213を表示させることが考えられる。
【0201】
また、前記制御部51は、前記薬包81に付された前記コード811が前記携帯端末6又は前記読取端末7によって読み取られ、そのコード811が示す入居者が、前記入居者確認画面213に表示されている入居者と一致する場合に前記確認操作が行われたと判断することも考えられる。なお、前記入居者が一致しない場合、前記制御部51は、前記表示装置54又は前記携帯端末6にエラーメッセージを表示させた後、表示画面を前記入居者一覧画面211に戻す。ところで、前記携帯端末6又は前記読取端末7による前記薬包81の読取確認を徹底するため、前記入居者確認画面213における前記確認キーの表示を省略することも他の実施形態として考えられる。
【0202】
<ステップS871>
ステップS871において、前記制御部51は、入居者への投薬開始を促すメッセージを前記表示装置54又は前記携帯端末6に表示させる。そして、配薬担当者は、入居者に対して前記薬包81を配薬する。なお、前記入居者確認画面213に、入居者の管理区分として自己管理であるか否かの情報が表示されることも考えられる。これにより、配薬担当者は、前記薬包81の配薬時に入居者の管理区分を容易に判断することができる。
【0203】
<ステップS872>
また、ステップS872において、前記制御部51は、前記配薬データ記憶部523に記憶されている前記配薬データに関連付けて、前記入居者確認画面213に表示された前記入居者への配薬結果として「服薬完了」を記録し、処理を前記ステップS81に戻す。これにより、次に前記入居者一覧画面211が表示される場合、既に服用が完了した服用時期については服薬が不要であることを示す表示態様で入居者の名前が表示されることになる。ここに、前記ステップS87、S871、S872において、前記確認操作を前記入居者各々の服薬完了の入力操作として受け付ける処理は、前記服薬完了入力部515によって実行される。なお、前記ステップS87が省略されることも考えられる。即ち、前記薬包81に付された前記コードが読み取られて入居者が選択された場合に(S85:Yes側)、前記入居者確認画面213が表示されると共に(S86)、前記コードによって識別される前記入居者の前記薬包81の服用時期の服用完了が自動的に記録されることも考えられる(S872)。
【0204】
<ステップS88>
また、ステップS88において、前記制御部51は、前記未服用キーの操作を待ち受ける(S88:No側)。ここで、前記未服用キーが操作されたと判断すると、処理はステップS881に移行し、前記未服用キーが操作されていない場合には、処理がステップS89に移行する。なお、前記制御部51は、前記未服用キーが操作された場合には、「未服用で良いか?」などの確認メッセージを表示させることも考えられる。
【0205】
<ステップS881>
ステップS881において、前記制御部51は、
図26に示すように、前記入居者が薬品を服用しなかった未服薬理由を入力するための未服薬入力画面214を前記入居者確認画面213上にポップアップで表示させた後、前記未服薬入力に入力される未服薬理由を、前記配薬データ記憶部523に記憶されている前記配薬データに関連付けて記憶させる。例えば、前記未服薬理由の入力は、
図26に示すように、予め登録された未服薬理由の一覧が表示され、その未服薬理由を選択することによって行われる。ここで、前記未服薬理由は、プルダウン形式で表示される予め定められた複数の候補から選択によって入力可能であることも考えられる。なお、前記未服薬理由としては、例えば外出中、就寝、又は服用拒否などが考えられる。また、前記制御部51は、前記配薬データ記憶部523に記憶されている前記配薬データに関連付けて、前記入居者確認画面213に表示された前記入居者への配薬結果として「未服薬完了」を記録する。これにより、次に前記入居者一覧画面211が表示される場合、既に服薬しなかった未服薬理由が入力された服用時期については服薬が不要であることを示す表示態様で入居者の名前が表示されることになる。
【0206】
ところで、入居者が外出(仕事、外泊、入院など)する予定が予め決まっていることも考えられる。そのため、前記配薬支援装置5では、入居者の未服薬の予定を入力可能な構成が考えられる。具体的に、
図27は、入居者の未服薬の予定を入力するための予定入力画面215の一例を示す図である。
図27に示すように、前記予定入力画面215では、前記操作装置55又は前記携帯端末6の操作によって、任意の日程が選択され、予め登録された服用時期が選択されると共に、未服薬理由が入力される。なお、
図27には、前記予定入力画面215上で2014年3月12日~14日が選択された状態が示されている。このようにして未服薬の予定が入力されている場合、前記制御部51は、前記未服薬キーが操作されたときに(S88:Yes側)、前記ステップS881における未服薬理由の入力処理を省略して、既登録である未服用の予定の情報を表示させることが考えられる。また、前記制御部51は、未服用の予定が入力されている場合には、前記入居者一覧画面211において未服薬完了である旨を表示させることにより、その入居者の服薬の確認作業を省略させることも考えられる。
【0207】
<ステップS882>
そして、ステップS882において、前記制御部51は、前記入居者確認画面213に表示された前記入居者が服薬しなかった残薬に関する残薬情報として、前記入居者が服薬するべきであった薬品の情報を前記入居者の情報(配薬データなど)と共に出力する。ここに、係る処理は前記残薬情報出力部516によって実行される。
【0208】
具体的に、前記ステップS882において、前記制御部51は、前記残薬情報を前記通信インターフェース53に出力し、前記通信インターフェース53からインターネット等の前記ネットワークN2を通じて前記調剤支援装置1に送信出力することが考えられる。また、前記残薬情報を前記調剤支援装置1に伝達することができればその手法はこれに限らず、例えば前記制御部51が、前記USBポート58を介して前記USBメモリ19に記録出力することも考えられる。これにより、前記調剤支援装置1では、次の薬品の処方時に医師又は薬剤師などが前記残薬情報を参照することが可能となり、例えば処方する薬品の無駄を防止することができる。なお、前記残薬情報は、前記データ記憶部52にも記憶される。これにより、前記配薬支援装置5又は前記携帯端末6においても前記残薬情報を参照することが可能になる。
【0209】
<ステップS89>
なお、ステップS89において、前記制御部51は、前記取消キーの操作を待ち受ける(S89:No側)。ここで、前記取消キーが操作されたと判断すると(S89:Yes側)、処理は前記ステップS84に移行して前記入居者一覧画面211が再表示される。なお、前記取消キーが操作されていない場合には(S89:No側)、処理が前記ステップS87に移行する。
【0210】
以上、説明したように、前記配薬支援システム100では、前記配薬データが前記調剤支援装置1から前記配薬支援装置5に提供されることにより、前記配薬支援装置5において実行される前記配薬時照合処理などにおいて前記配薬データを考慮した表示及び操作を実現することが可能になる。これにより、配薬担当者による入居者への配薬作業を効率的に実行することが可能になると共に、配薬担当者の配薬ミスを抑制することができる。
【0211】
[その他の機能]
なお、前記配薬支援システム100では、前記配薬データが前記配薬支援装置5に提供されることにより、下記のような他の機能も実現可能である。
【0212】
[副作用情報入力機能]
例えば、前記制御部51は、前記入居者確認画面213に、前記入居者の健康状態又は副作用の状態などを任意に入力可能であることが考えられる。この場合、前記制御部51は、前記入居者確認画面213の表示スペースを考慮して、予め定められた複数の項目をプルダウン形式で入力可能であることが考えられる。特に、前記制御部51は、前記副作用関連情報と前記配薬データとに基づいて当該入居者が服用する薬品に対応する副作用の候補を絞り込んで表示させることも考えられる。これにより、前記老健施設B側では、前記候補から選択することにより前記副作用の入力を容易に行うことが可能である。また、前記制御部51は、前記入居者の健康状態又は副作用の状態などの入力開始キーを前記入居者確認画面213に表示させ、その入力開始キーの操作に応じて前記入居者確認画面213から副作用情報入力画面216をポップアップで表示させることも考えられる。ここに、
図28は、前記副作用情報入力画面216の一例を示す図である。また、前記制御部51は、前記入居者確認画面213とは別のメニュー画面などにおいて、副作用情報を入力する所定の操作が行われた場合に、
図29に示すように、入居者名、写真、副作用情報、及びコメントなどが表示される入居者状態画面217を表示させ、前記入居者状態画面217における副作用情報の入力操作が行われた場合に前記副作用情報入力画面216をポップアップで表示させることも考えられる。なお、前記副作用情報入力画面216は、入居者ごとに予め任意のコメント情報を入力するためにも用いられる。
【0213】
そして、前記制御部51は、前記副作用情報入力画面216で前記入居者の健康状態又は副作用の状態などに関する副作用情報が入力された場合には、その副作用情報を前記データ記憶部52に記憶させると共に、前記通信インターフェース53により前記調剤支援装置1に送信することが考えられる。なお、前記副作用情報が前記USBメモリ19などの記録媒体に記録され、前記USBメモリ19が前記調剤支援装置1又は前記上位システム(不図示)などに接続されることによって前記調剤支援装置1又は前記上位システム(不図示)などに前記副作用情報が入力されることも考えられる。これらの構成によれば、例えば医師が前記入居者の診察を行う際に、前記入居者の健康状態又は副作用の状態などの副作用情報を前記配薬支援装置5又は前記携帯端末6などで参照することが可能となる。
【0214】
また、前記制御部51が、前記副作用情報と前記副作用関連情報とに基づいて発現している副作用の原因となっている可能性の高い被疑薬を特定して表示可能であることも考えられる。ここで、前記薬品マスターに薬品各々の写真などの薬品画像データが含まれている場合には、前記制御部51は、前記被疑薬の前記薬品画像データを前記入居者確認画面213で表示させることも可能である。これにより、例えば複数の薬品が一包化されている前記薬包81から前記被疑薬を抜き出す際の人為的ミスが抑制される。
【0215】
さらに、前記調剤支援装置1に送信されることにより、薬局側でも前記入居者の健康状態又は副作用の状態などの情報を容易に把握することができる。特に、前記調剤支援装置1では、前記制御部11によって前記副作用情報を前記上位システム(不図示)に送信可能であることが考えられる。これにより、前記入居者の薬品を処方する医師も前記上位システム(不図示)において前記副作用情報を参照することが可能であり、病院(医師)、薬局(薬剤師)、及び老健施設(配薬担当者)が密接に連携した医療システムが実現される。
【0216】
さらに、前記調剤支援装置1又は前記上位システム(不図示)などで前記副作用情報を参照することが可能であるため、例えば前記入居者の次の処方データに基づく調剤時に、薬剤師が前記副作用情報に基づいて特定の薬品の調剤を省略することが可能である。また、前記調剤支援装置1において、前記制御部11が、自動的に前記副作用情報の対象となっている薬品を調剤対象から除外して前記分包データなどを生成することも考えられる。なお、前記副作用情報として、前記副作用の発現により服用が中止された日時又は未服用の薬品量などが含まれている場合には、前記調剤支援装置1において、前記制御部11が、前記副作用情報に基づいて未服用の薬品及び残量を特定し、次の前記分包データの生成時に前記未服用の薬品の処方量から前記残量を除いて前記分包データを生成することも考えられる。なお、前記薬局A側の薬剤師が、前記調剤支援装置1で表示される前記副作用情報を参照し、副作用の原因となっている可能性のある被疑薬を医師に連絡して、新たな処方入力時に前記被疑薬を除いた処方入力を促すこと、又は入力済みの処方から前記被疑薬を除く修正(再発行)を促すことが可能である。また、未服用の薬品量を医師に連絡して、新たな処方入力時に前記未服用の薬品量を除いた処方入力を促すこと、又は入力済みの処方から前記未服用の薬品量を除く修正(再発行)を促すことも可能である。
【0217】
[配薬ボックス開閉機能]
また、服用時期ごとに対応する前記薬包81が収容される収容部を備え、前記収容部ごとに開閉制御が可能な配薬ボックスが前記配薬支援装置5と通信可能に接続されて用いられることが考えられる。この場合、前記制御部51は、前記配薬データに基づいて、服用時期が到来しないとその服用時期に対応する薬品を取り出すことができないように前記配薬ボックスにおける前記収容部各々の開閉を制御することが考えられる。これにより、前記入居者に対する配薬ミスを抑制することができる。
【0218】
[服薬履歴表示機能]
また、前記制御部51は、前記配薬データ記憶部523に記憶される前記配薬データ及び服薬結果の履歴を表示させる服薬履歴表示機能を有することが考えられる。ここに、
図30~
図33は、前記服薬履歴表示機能によって表示可能な履歴画面の一例を示す図である。
【0219】
まず、前記制御部51は、前記表示装置54などにメニュー画面が表示された状態で、服薬履歴を表示する所定の操作が行われた場合に、
図30に示す履歴画面218を表示させる。前記履歴画面218では、入居者各々の服薬結果が1日単位で表示される。前記履歴画面218では、「○」のマークが服薬、「△」のマークが一部未服薬、「×」のマークが未服薬を示している。なお、前記一部未服薬とは、1日に含まれる複数の服用時期に服薬及び未服薬が含まれている状態を示す。例えば、前記一部未服薬とは、1日に朝、昼、晩の3回の服用時期が含まれている場合に、朝、昼、晩のいずれか一つ又は二つの服用時期が未服用である場合である。また、前記履歴画面218では、服薬有無などに関する情報を除く例えば残薬の情報又は副作用の情報などの情報が記録されている日に対応するマークの背景色又は形状が通常とは異なる背景色又は形状で表示される。
【0220】
ところで、服用開始日、服用終了日、及び服用時期(朝食前、昼食後など)などを含む前記配薬データ又は前記処方データが前記配薬支援装置5に入力されている場合、前記制御部51は、前記履歴画面218において、患者各々に対応する服用の要否予定を表示することが考えられる。なお、前述したように、前記配薬データ又は前記処方データは、例えば前記調剤支援装置1から入力され、前記USBメモリ19から読み取られ、又は前記薬包81から読み取られる。具体的に、前記制御部51は、服用の必要がある日付に対応する欄に、服用の必要がある旨を示すために予め定められた菱形のマークなどを表示させることが考えられる。また、前記制御部51は、前記履歴画面218において、入居者の外出予定又は外泊予定などのように服用の必要がない予定が先に入力されている場合には、前記履歴画面218において、その予定日に対応する欄に、服用の必要がない予定である旨を示すために予め定められた「外」のマークなどを表示させることが考えられる。
【0221】
そして、前記履歴画面218で入居者を選択するための操作が行われると、前記制御部51は、前記履歴画面218に代えて
図31に示す履歴画面219を表示させる。
図31に示す前記履歴画面219では、選択された入居者が服薬した薬品各々の履歴が1日単位で表示される。また、前記履歴画面219では、最下段に「その他の情報」の表示欄が設けられており、その表示欄では、残薬の情報又は副作用の情報などの情報が記録されている日に「○」が記載される。そして、前記制御部51は、「その他の情報」の表示欄のうち「○」が記載されている領域が選択された場合、又はその領域に前記操作装置55又は前記携帯端末6の操作ポインターが存在する場合などに、その表示欄に対応する残薬の情報又は副作用の情報などの情報をポップアップで表示させることが考えられる。
【0222】
また、前記履歴画面219で日付が選択されると、前記制御部51は、前記履歴画面219に代えて
図32に示す履歴画面220を表示させる。
図32に示す前記履歴画面220では、選択された入居者が服薬した薬品各々の履歴が服用時期単位で表示される。なお、前記履歴画面220でも前記履歴画面219と同様に「その他の情報」の表示欄が表示されている。
【0223】
なお、前記履歴画面219又は前記履歴画面220で、「その他の情報」の表示欄において残薬の情報が記録されている箇所が選択された場合、前記制御部51は、前記残薬の情報を前記配薬データ記憶部523から読み出して
図33に示す履歴画面221に表示させることが考えられる。
図33に示す前記履歴画面221では、薬品M1の残薬状況として「2錠」が示されており、薬品M2の残薬状況として「1.5錠×3」が示されている。ここで、前記薬品M2の残薬状況として1.5錠×3の算出結果である「4.5錠」と表示することも考えられるが、前記制御部51は、前記薬品M2の剤形を考慮して「1.5錠×3」と表示する。これにより、前記薬品M2の残薬が4錠及び0.5錠の合計5粒ではなく、1錠及び0.5錠が3組で合計6粒であることが明示され、例えば次の処方データに含まれる処方薬として使用するか否かの判断を容易に行うことが可能である。このため、前記配薬支援装置5において、前記制御部51は、入居者の薬品各々の残薬情報における薬品の残量を調剤時の状態で管理しており、前記調剤支援装置1にも同様の前記残薬情報を送信する。
【0224】
[アラーム機能]
ところで、前記制御部51は、前記配薬データ記憶部523に記憶される前記配薬データに基づいてアラームを自動的に設定するアラーム機能を有することが考えられる。ここに、
図34~
図35は、前記配薬データが入力された場合に表示される服薬予定画面の一例を示す図である。
【0225】
ここでは、前記薬品分包装置3において前記服用者別分包処理が実行され、一の服用者が服用する薬品が服用時期ごとに一連の前記薬包81に分包された場合に、その最初又は最後の前記薬包81に一次元コード又は二次元コードによって検薬コードが印刷される場合について説明する。ここに、
図36は、最初の前記薬包81に検薬コードが印刷された一連の前記薬包81の一例を示す図である。
図36に示す例では、最初の前記薬包81に前記検薬コードとして二次元コードが印刷されており、二つ目以後の前記薬包81には、前記第1配薬情報を示す前記コード811として一次元コードが印刷されている。前記検薬コードには、前記薬包81の検薬に必要な予め定められた情報と共に、入居者ID、入居者名称、服用開始日、服用終了日、及び服用時期コードなどの配薬データが含まれる。前記服用時期コードは、前記服用開始日から前記服用終了日の間に服用する必要がある服用時期(朝食前、朝食後、昼食前など)を示す数字又は記号などである。即ち、ここでは、入居者各々に対応する一連の前記薬包81の最初又は最後の前記薬包81の前記検薬コードが読み取られることによって前記入居者各々に対応する前記配薬データが順に前記配薬管理装置5に入力されるものとする。なお、一連の前記薬包81は、そのままの状態で前記薬局A側から前記老健施設B側に配送され、又は、前記薬包81が個別に切り離された状態で前記薬局A側から前記老健施設B側に配送される。
【0226】
そして、前記配薬管理装置5において、前記制御部51は、前記薬包81の前記検薬コードから前記配薬データが読み取られた場合に、前記配薬データに基づいて、前記薬包81に対応する入居者の服薬予定を前記データ記憶部52に登録させる。ここで、前記制御部51は、前記配薬データが読み取られたことを確認するための服用予定画面222を、前記配薬データを読み取った前記読取端末7又は前記表示装置54に表示させることが考えられる。また、前記服用予定画面222は、前記携帯端末6及び前記読取端末7などにおいて、服薬予定を確認するための所定のユーザー操作が行われた場合にも前記携帯端末6及び前記読取端末7などに表示される。
【0227】
ここに、
図34は、前記服用予定画面222の一例を示す図である。
図34に示されているように、前記服用予定画面222の上段には、最後に前記薬包81から読み取られた前記配薬データに対応する入居者の入居者ID、入居者名称、服用開始日、服用終了日などが表示されている。また、前記服用予定画面222には、下段に、既に読み取られて前記データ記憶部52に記憶されている一又は複数の入居者に対応する前記配薬データの一覧が表示されている。なお、前記服用予定画面222において、特定の前記配薬データが選択され、詳細キーが操作されると、前記配薬データに対応する服用予定の詳細が表示される服用詳細画面223が表示される。なお、前記制御部51は、特定の前記配薬データが選択され、削除キーが操作されると、前記配薬データに対応する服薬予定を削除することも可能である。また、前記服用予定画面222の上段に表示される情報は、前記服用予定画面222の下段における前記配薬データの選択に応じてその選択された配薬データに対応する情報に切り換えられてもよい。
【0228】
ここに、
図35は、前記服用詳細画面223の一例を示す図である。
図35に示されているように、前記服用詳細画面223には、上段に、読み取られた前記配薬データに対応する入居者の入居者ID、入居者名称、服用開始日、服用終了日などが表示されている。また、前記服用詳細画面223には、下段に、1人の入居者に対応する前記配薬データに対応する服用開始日から服用終了日までの服用予定日及び服用時期が表示される。
【0229】
そして、前記制御部51は、前記配薬データが入力されると、前記配薬データに基づいて、前記配薬データに対応する前記入居者の服用時期各々について予め定められたアラーム条件に従って自動的にアラーム時刻を設定するアラーム設定処理を実行する。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部51がアラーム設定手段の一例である。具体的に、前記アラーム条件として、服用時期「昼食後」に対応するアラーム時刻が「13時」、服用時期「昼食間」に対応するアラーム時刻が「15時」、服用時期「夕食前」に対応するアラーム時刻が「18時」であることが考えられる。また、前記アラーム条件として、服用時期「昼食後」に対応するアラーム時刻が「12時30分」、服用時期「昼食間」に対応するアラーム時刻が「15時」、服用時期「夕食前」に対応するアラーム時刻が「18時30分」であることが考えられる。
【0230】
その後、前記制御部51は、前記アラーム設定処理によって設定された前記服用時期各々の前記アラーム時刻に、当該服用時期に対応する服用完了が入力されていない場合、当該服用時期の服用を促すメッセージ等を前記携帯端末6、前記読取端末7、又は前記配薬支援装置5の表示装置54などに表示させるアラーム報知処理を実行する。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部51がアラーム報知手段の一例である。これにより、前記入居者各々について前記服用時期各々における服用漏れが抑制される。なお、前記アラーム報知処理の内容は表示に限らず、例えば音声などによる報知であってもよい。また、前記制御部51は、前記メッセージ等を表示する際、前記服用完了が入力されていない患者の一覧を表示させること、又は前記服用完了が入力されていない患者ごとに順にメッセージ等を表示させることが考えられる。
【0231】
そして、前記制御部51は、前記アラーム時刻に前記アラーム報知処理を実行した後、その報知の対象であった前記服用時期の服用が行われなかったと判断した場合、前記服用時期の服用を未服用として前記データ記憶部52に記録する。これにより、前記制御部51は、前記服用予定画面222が表示される場合、前記未服用の服用時期に該当する欄に「×」のマークを表示させる。例えば、前記制御部51は、前記アラーム報知処理の実行後、予め設定された所定時間内に前記服用時期に対応する前記コード情報811が読み取られなかった場合、又は前記服用時期における服用が不要である旨の操作が行われた場合に、前記服用時期の服用が行われなかったと判断する。また、前記制御部51が、前記服用完了が入力されていない患者の一覧が表示された状態で配薬対象を順に移動させる場合には、現在の配薬対象の患者とは異なる患者に対応する前記コード情報811が読み取られた場合に、現在の配薬対象の患者の服用が行われなかったと判断することも考えられる。なお、前記制御部51は、患者の一覧が表示された状態で配薬対象を順に移動させる場合、現在の配薬対象の患者に対応する前記コード情報811が読み取られた場合に、当該患者の服用が行われたと判断し、次の患者を配薬対象として選択する。同じく、前記制御部51が、前記服用完了が入力されていない患者ごとに順にメッセージ等を表示させる場合には、現在表示中のメッセージ等に対応する患者とは異なる患者に対応する前記コード情報811が読み取られた場合に、表示中のメッセージ等に対応する患者の服用が行われなかったと判断することも考えられる。なお、前記制御部51は、患者ごとに対応するメッセージ等を順に表示させる場合、現在表示中のメッセージ等に対応する患者の前記コード情報811が読み取られた場合に、当該患者の服用が行われたと判断し、次の患者に対応する前記メッセージ等を表示させる。
【符号の説明】
【0232】
1 :調剤支援装置
11:制御部
12:データ記憶部
2 :読取端末
3 :薬品分包装置
31:制御部
32:分包プリンタ
4 :プリンタ
5 :配薬支援装置
51:制御部
52:データ記憶部
6 :携帯端末
61:制御部
62:カメラ
7 :読取端末
81:薬包(分包容器の一例)
82:薬袋(配送容器の一例)
10:配薬支援システム
100:配薬支援システム