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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083420
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】美容組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/68 20060101AFI20230608BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20230608BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 31/164 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 31/195 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 31/7028 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230608BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230608BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230608BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20230608BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
A61K8/68
A61K8/60
A61K8/44
A61Q19/00
A61K31/164
A61K31/195
A61K31/7028
A61K9/08
A61K9/14
A61K9/16
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/18
A61K47/26
A61P17/16
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067552
(22)【出願日】2023-04-18
(62)【分割の表示】P 2021044136の分割
【原出願日】2015-06-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載開始日:平成27年4月24日 掲載アドレス: http://www.caa.go.jp/foods/pdf/A10-ippan.pdf http://www.caa.go.jp/foods/pdf/A10-kihon.pdf http://www.caa.go.jp/foods/pdf/A10-kinou.pdf http://www.caa.go.jp/foods/pdf/A10-anzen.pdf
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】長崎 歩
(72)【発明者】
【氏名】鍔田 仁人
(72)【発明者】
【氏名】山口 和也
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
(57)【要約】
【課題】 表皮角化細胞をより効果的に活性化させることにより、皮膚のターンオーバーを促進させ、皮膚のバリア機能を高めることが可能な美容組成物を提供すること。
【解決手段】 セラミド類と、アスパルテーム、還元パラチノース、及び還元麦芽糖から選ばれる少なくとも1種の甘味料などの特定の成分とを有効成分として含有することを特徴とする美容組成物である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミド類と、還元パラチノース及びチロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを含有することを特徴とする美容組成物。
【請求項2】
肌の保湿力を高めるために用いる肌保湿用組成物であることを特徴とする請求項1記載の美容組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容組成物に係り、詳しくは、セラミド類及び特定の他の成分を有効成分とする美容組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の角質層は、皮膚の最外殻に存在しており、皮膚のバリア機能を果たしている。皮膚のバリア機能とは、経皮水分蒸散量を抑えることで肌の水分を保持したり、外部からの生体内への異物の侵入を防いだりする機能であり、この皮膚バリア機能が十分に発揮されないと、乾燥肌、肌荒れ、皮膚炎等が発生する。皮膚では、このバリア機能を発揮させるために、表皮の新陳代謝、すなわち、皮膚(表皮)のターンオーバーを行っている。
【0003】
しかしながら、皮膚が紫外線等の外的因子の影響を受けたり、加齢が進んだりすると、表皮細胞の活動や増殖能が低下し、それに伴い皮膚のターンオーバー速度が遅延する。
【0004】
したがって、皮膚バリア機能を改善・向上させることが、美容的観点からの重要な課題の一つとなっている。
【0005】
このような皮膚バリア機能を改善・向上させる医薬品や化粧品として、例えば、トウキ及びその抽出物から選ばれる1種以上を含有する皮膚バリア機能増強剤(特許文献1参照)や、ニンジン及びその抽出物から選ばれる1種以上を含有する皮膚バリア機能増強剤(特許文献2参照)や、(A)ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、セージ抽出液から選択されるいずれか1種以上と、(B)脂肪酸のメントールエステルと、(C)セバシン酸ジイソプロピル、メントキシプロパンジオール、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールから選択されるいずれか1種以上とを配合してなる皮膚バリア機能改善用化粧料(特許文献3参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-105269号公報
【特許文献2】特開2015-105268号公報
【特許文献3】特開2013-184936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、表皮角化細胞をより効果的に活性化させることにより、皮膚のターンオーバーを促進させ、皮膚のバリア機能を高めることが可能な美容組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、皮膚のバリア機能を高めるべく、表皮角化細胞の活性化について鋭意調査・研究したところ、セラミド類と特定の他の成分とを組み合わせることにより、高い表皮角化細胞活性化効果が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、セラミド類と、表皮角化細胞活性化能がほとんどないか、その能力が小さい特定の他の成分を組み合わせることにより、表皮角化細胞を相乗的に活性化させることができることを見いだした。
【0009】
すなわち、本発明は、セラミド類と、下記(a)~(d)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを有効成分として含有することを特徴とする美容組成物に関する。
(a)アスパルテーム、還元パラチノース、及び還元麦芽糖から選ばれる少なくとも1種の甘味料
(b)システイン、ロイシン、リシン、メチオニン、及びチロシンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸
(c)鉄、及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種のミネラル類
(d)コラーゲン、及びプロテオグリカンから選ばれる少なくとも1種の美容成分
【0010】
本発明の美容組成物は、皮膚バリア機能改善・向上作用を有し、皮膚のバリア機能を改善・向上させるために用いる皮膚バリア機能改善・向上剤となり得る。
【0011】
本発明の美容組成物は、セラミド類と(a)~(d)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とからなる有効成分を添加して得たものであってもよい。
【0012】
また、本発明の美容組成物は、経口用であることが好ましく、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、又は液剤であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、上記本発明の美容組成物を摂取させることを特徴とする美容方法(ただし、医療行為を除く)に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の美容組成物によれば、表皮角化細胞をより効果的に活性化させることによって、皮膚のターンオーバーを促進させ、より効果的に皮膚のバリア機能を高めることできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の美容組成物(セラミド類+甘味料)を正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に適用した場合の細胞賦活活性率を示す図であり、左図が甘味料としてアスパルテームを用いたものを示し、右図が甘味料として還元パラチノースを用いたものを示す。
図2】本発明の美容組成物(セラミド類+甘味料)を正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に適用した場合の細胞賦活活性率を示す図であり、甘味料として還元麦芽糖を用いたものを示す。
図3】本発明の美容組成物(セラミド類+アミノ酸)を正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に適用した場合の細胞賦活活性率を示す図であり、左図がアミノ酸としてシステインを用いたものを示し、右図がアミノ酸としてロイシンを用いたものを示す。
図4】本発明の美容組成物(セラミド類+アミノ酸)を正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に適用した場合の細胞賦活活性率を示す図であり、左図がアミノ酸としてリシン(リシン-塩酸塩)を用いたものを示し、右図がアミノ酸としてメチオニンを用いたものを示す。
図5】本発明の美容組成物(セラミド類+アミノ酸)を正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に適用した場合の細胞賦活活性率を示す図であり、アミノ酸としてチロシンを用いたものを示す。
図6】本発明の美容組成物(セラミド類+ミネラル類)を正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に適用した場合の細胞賦活活性率を示す図であり、左図がミネラル類として鉄(塩化鉄)を用いたものを示し、右図がミネラル類としてモリブデン(塩化モリブデン)を用いたものを示す。
図7】本発明の美容組成物(セラミド類+美容成分)を正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に適用した場合の細胞賦活活性率を示す図であり、左図が美容成分としてコラーゲンを用いたものを示し、右図が美容成分としてプロテオグリカンを用いたものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の美容組成物は、セラミド類と、下記(a)~(d)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(以下、他成分ということがある)とを有効成分として含有することを特徴とする。セラミド類と共に用いられる下記(a)~(d)の成分は、1種単独(例えば(a)成分)で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。他成分を2種以上組み合せて用いる場合、セラミド類と相乗効果の高い他成分同士を組み合わせることが好ましい。
【0017】
本発明の美容組成物は、表皮角化細胞をより効果的に活性化させることによって、皮膚のターンオーバーを促進させ、より効果的に皮膚のバリア機能を高めることできる。本発明の美容組成物は、皮膚バリア機能改善・向上作用、皮膚のターンオーバー促進作用、表皮角化細胞活性化作用等を有する。したがって、本発明の美容組成物は、皮膚バリア機能改善・向上剤、皮膚のターンオーバー促進剤、表皮角化細胞活性化剤として用いることができる。
【0018】
[セラミド類]
本発明に用いられるセラミド類としては、セラミド1、セラミド2、セラミド3等のヒト型セラミドの他、牛、馬、豚等の脳、脊髄等から抽出した動物由来のセラミド、小麦、米、大豆、ホウレンソウ等から抽出した植物由来のセラミドを用いることができる。また、本発明に用いられるセラミド類としては、糖セラミドであってもよく、具体的に例えば、ガラクトシルセラミド、グルコシルセラミド等の単糖が結合したものや、オリゴ糖が結合したものを挙げることができる。
【0019】
[他成分]
(a)甘味料
本発明の美容組成物においては、セラミド類と共に、有効成分として、アスパルテーム、還元パラチノース、及び還元麦芽糖から選ばれる少なくとも1種の甘味料を用いることが好ましい。本発明の甘味料とは、甘味を呈するものを意味し、甘味料としての使用目的に限定されない。
【0020】
(b)アミノ酸
本発明の美容組成物においては、セラミド類と共に、有効成分として、システイン、ロイシン、リシン、メチオニン、及びチロシンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸(塩を含む)を用いることが好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、塩酸塩等を挙げることができる。
【0021】
(c)ミネラル類
本発明の美容組成物においては、セラミド類と共に、有効成分として、鉄、及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種のミネラル類を用いることが好ましい。なお、本発明のミネラル類としての鉄、モリブデンは、それぞれ鉄、モリブデンを含む化合物の形態を含む。
【0022】
(d)美容成分
本発明の美容組成物においては、セラミド類と共に、有効成分として、コラーゲン、及びプロテオグリカンから選ばれる少なくとも1種の美容成分を用いることが好ましい。
【0023】
コラーゲンとしては、動物由来のコラーゲンであっても、合成コラーゲンであってもよく、コラーゲンタンパク質の他、コラーゲンタンパク質を加水分解して得られるコラーゲンペプチドや、コラーゲン分子をプロテアーゼで処理し、テロペプチド部分を取り除いたアテロコラーゲンが含まれる。動物由来のコラーゲンとしては、特に魚類由来のコラーゲンが好ましい。コラーゲンの平均分子量(重量平均分子量)としては、特に制限されるものではないが、例えば、500~100000であることが好ましく、1000~50000であることがより好ましい。
【0024】
プロテオグリカンは、タンパク質をコアとして、コンドロイチン硫酸やデルマタン硫酸等のグリコサミノグリカンが共有結合した複合多糖であり、動物組織、特に軟骨組織に多く存在する。プロテオグリカンは生体内で、コア蛋白質がさらにヒアルロン酸に結合した構造で存在することも知られており、その分子量は、数万~数千万と大きい。本発明で用いるプロテオグリカンとしては、具体的に、動物由来のプロテオグリカンを挙げることができ、市販品を使用することができる。
【0025】
本発明の美容組成物は、セラミド類及び所定の他成分を含有し、美容に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに皮膚バリア機能改善・向上効果、皮膚のターンオーバー促進効果、表皮角化細胞活性化効果等の美容効果の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、化粧品や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品等を挙げることができる。いわゆる健康食品においては、「肌をバリアする」、「肌を守る」、「肌のバリア機能を高める」、「肌の保湿力を高める」等を表示したものを例示することができる。本発明の美容組成物は、上記の効果が気になる人であれば性別や年齢に関係なく摂取することができるが、本発明の美容組成物の効果をより有効に享受することができることから、女性が摂取することが望ましく、30代以降の女性が摂取することがより望ましく、閉経後の女性が摂取することが特に望ましい。
【0026】
本発明の美容組成物は、経口用又は外用として使用することができる。外用剤としては、皮膚、頭皮等に塗布して用いるものであれば、特に制限はなく、その形態としては、軟膏剤、クリーム剤、ジェル剤、ローション剤、乳液剤、パック剤、湿布剤等の皮膚外用剤や、注射剤等の形態を挙げることができる。
【0027】
また、本発明の美容組成物を経口剤として用いる場合、その形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント粉末飲料、インスタント顆粒飲料を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0028】
本発明の美容組成物におけるセラミド類及び他成分(有効成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
【0029】
一般的には、本発明の美容組成物が医薬品やサプリメント(錠剤,カプセル剤)の場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01~100質量%含まれていることが好ましく、0.1~85質量%含まれていることがより好ましく、0.5~70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0030】
本発明の美容組成物が容器詰飲料(液剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01~15質量%含まれていることが好ましく、0.03~12.5質量%含まれていることがより好ましく、0.05~10質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0031】
また、本発明の美容組成物がインスタント粉末飲料(粉末剤)、インスタント顆粒飲料(顆粒剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.1~80質量%含まれていることが好ましく、0.5~70質量%含まれていることがより好ましく、1~60質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0032】
本発明の効果をより有効に発揮させるためには、有効成分が乾燥質量換算で本発明の美容組成物全体(水分を除く)の80質量%以上含まれていることが好ましく、90質量%以上含まれていることがより好ましく、95質量%以上含まれていることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。さらに、本発明の美容組成物が成分(a)~(d)のいずれかを含有する場合、その含有される成分は、本発明における有効成分のみで構成されることが好ましい。すなわち、本発明の美容組成物が例えば成分(a)(甘味料)を含む場合には、アスパルテーム、還元パラチノース、及び還元麦芽糖以外の甘味料を含まないように構成することが好ましい。
【0033】
本発明の美容組成物の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの有効成分の摂取量が、0.5mg/日以上となるように摂取することが好ましく、1mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、1.5mg/日以上となるように摂取することが特に好ましい。その上限は特に制限されないが、例えば、4g/日であり、好ましくは2g/日である。
【0034】
本発明の美容組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0035】
セラミド類及び他成分の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.5:1~70:1の範囲であることが好ましく、0.75:1~60:1の範囲であることがより好ましく、1:1~60:1の範囲であることがさらに好ましく、1:1~50:1の範囲であることが特に好ましい。セラミド類及び他成分の配合比が、上記範囲であることにより、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
【0036】
本発明の美容組成物は、必要に応じて、経口剤又は外用剤として許容される有効成分以外の成分を添加して、公知の製剤方法によって製造することができる。
【0037】
また、本発明の経口剤としての美容組成物としては、有効成分を含有する美容組成物の他、食品に対して有効成分を添加して得た美容組成物(美容食品)を挙げることができ、例えば、通常の食品(天然の食品を含む)に比して本発明の有効成分含有量を増加させた食品や、本発明の有効成分を通常含まない食品に対して有効成分を添加した食品を挙げることができる。有効成分の添加は、それぞれの成分を別々に添加してもよいし、同時に添加してもよく、また、有効成分以外の他の成分と共に添加してもよい。
【0038】
本発明の美容食品としては、例えば、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、スムージー、青汁等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及びその加工食品;ソース、醤油等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、牛丼、ハヤシライス、オムライス、おでん、マーボドーフ、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール、各種ソース、各種スープ等のレトルトパウチ食品などを挙げることができる。
【0039】
本発明の美容方法としては、上記説明した本発明の美容組成物を摂取させることを特徴とするが、医療行為は含まれない。本発明の美容組成物の効果をより有効に享受することができることから、女性に摂取させることが望ましく、30代以降の女性に摂取させることがより望ましく、閉経後の女性に摂取させることが特に望ましい。本発明の方法としては、例えば、レストラン等の飲食店において、本発明の美容食品を提供することにより、美容効果を得る方法を挙げることができる。また、エステティックサロン等において、施術の一つとして、本発明の美容食品を提供する方法を挙げることができる。
【実施例0040】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[実施例1]
1.細胞培養
(1)37℃、5%COインキュベーター内で、75cmフラスコを用いて、正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)を専用培地により培養した。
(2)トリプシン処理により浮遊させた細胞を、75cmフラスコから96well plateの各wellに1.0×10cells/wellの細胞密度で播種した。
(3)37℃、5%COインキュベーター内で24時間前培養した。
(4)各wellより培地を除去後、所定濃度に調製した被験物質含有培地を200μLずつ添加し、COインキュベーター内で48時間培養した。
【0041】
なお、セラミド類と他成分の併用サンプルについては、それぞれ2倍濃度の被験物質含有培地を調製し、100μLずつ添加することで目的の濃度とした。また、controlについては、被験物質をDMSOに溶解したものに対しては0.5%DMSO含有培地を用いて調製し、その他の被験物質に対しては0.25%DMSO培地を用いて調製した。
【0042】
セラミド類については、米由来のグルコシルセラミドを用いた。セラミド類と共に用いる他成分としては、表1~表4に示す物質を用いた。
【0043】
2.細胞賦活活性測定
(1)48時間培養後、培養した細胞から培地を除去し、PBS 200μL/wellで1回洗浄後、無血清DMEMで30倍に希釈したCell Counting Kit-8溶液を150μL添加した。
(2)37℃、5%COインキュベーター内に静置し適度に発色させた後、450nmにおける吸光度を測定した。
(3)得られたデータを元にcontrolに対する細胞賦活活性率(% of control)を算出した。
【0044】
% of control = (Data sample-Data blank) /(Data control-Data blank)×100
【0045】
その結果を表1~表4、及び図1図7に示す。
【0046】
各図は、左から、「コントロール(添加なし)」、「セラミド類の単独添加」、「他成分の単独添加」、「セラミド類+他成分添加」の結果を表す。また、グラフ下部の説明における数値は、サンプル濃度を示し、例えば、図1の左上のグラフの「Gcel_1000」は、セラミド類(グルコシルセラミド)1000(μg/mL)を示す。添加成分の濃度単位は、すべてのグラフにおいて、μg/mLである。縦軸は「% of control」を示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
表1~表4、及び図1図7に示すように、セラミド類と、本発明の特定の他成分を組み合わせることにより、表皮角化細胞賦活活性が相乗的に増加した。これは表皮角化細胞が増殖したことを示す。したがって、本発明の美容組成物によれば、皮膚のターンオーバーを促進させ、より効果的に皮膚のバリア機能を高めることできる。
【0052】
[実施例2](錠剤の製造)
下記成分を混合して打錠し、タブレット(300mg)を製造した。本タブレットを1日に2錠を水などと共に飲み下すことで摂取する。
【0053】
重量比
還元パラチノース 40.0
コラーゲンペプチド 25.0
米由来グルコシルセラミド 3.3
ブタプラセンタ 14.0
セルロース 10.0
ナイアシン 2.0
ステアリン酸カルシウム 3.2
二酸化ケイ素 2.0
ビタミンB2 0.3
ビタミンB6 0.2
【0054】
[実施例3](カプセル剤の製造)
下記成分の混合物をソフトカプセルに封入し、カプセル剤(600mg)を製造した。本カプセル剤は一日に1カプセルを摂取する。
【0055】
重量比
還元麦芽糖 20.0
米由来グルコシルセラミド 4.0
コラーゲンペプチド 25.0
プロテオグリカン 25.0
ビタミンC 10.0
システイン 5.0
メチオニン 5.0
塩化鉄 6.0
【0056】
[実施例4](顆粒剤の製造)
下記成分を混合して常法により顆粒剤(1200mg)を製造した。
【0057】
重量比
アスパルテーム 5.0
米由来グルコシルセラミド 0.2
セルロース 20.0
ステアリン酸カルシウム 20.0
コラーゲンペプチド 15.0
プロテオグリカン 15.0
ビタミンC 10.0
チロシン 2.8
ロイシン 2.0
【0058】
[実施例5](インスタント粉末剤の製造)
下記成分を混合して常法によりインスタント粉末(5000mg)を製造した。
【0059】
重量比
アスパルテーム 5.0
米由来グルコシルセラミド 0.05
セルロース 20.0
ステアリン酸カルシウム 20.0
コラーゲンペプチド 15.0
プロテオグリカン 15.0
ビタミンC 10.0
ビタミンB1 4.0
ビタミンB2 3.0
ビタミンE 3.0
チロシン 2.8
ロイシン 2.0
【0060】
[実施例6](液剤の製造)
下記成分からなる液剤(50mL)を製造した。
【0061】
重量比
還元麦芽糖 5.0
アスパルテーム 1.0
米由来グルコシルセラミド 0.01
コラーゲンペプチド 7.0
プロテオグリカン 5.0
ビタミンC 2.0
ビタミンB1 0.5
ビタミンB2 0.5
ビタミンE 0.2
チロシン 0.1
ロイシン 0.1
リシン-塩酸塩 1.0
水 残部
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の美容組成物は、高い美容効果を有し、経口剤又は外用剤として用いることができることから、本発明の産業上の有用性は高い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7