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特開2023-83441角膜移植における組織切開のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083441
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】角膜移植における組織切開のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20230608BHJP
【FI】
A61F9/007 130H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023068446
(22)【出願日】2023-04-19
(62)【分割の表示】P 2020505336の分割
【原出願日】2018-08-03
(31)【優先権主張番号】62/541,233
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518200916
【氏名又は名称】コーニアジェン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CorneaGen Inc.
【住所又は居所原語表記】1200 6th Avenue, Suite 300, Seattle, Washington 98101 United States
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー ダブリュー. バーカー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス シー. ドラッブル
(72)【発明者】
【氏名】ピーター アール. アンドリュース
(57)【要約】
【課題】角膜移植のための切開システムを提供すること。
【解決手段】角膜移植のための切開システムは、角膜に対して位置付けられるべき接触側を含む、筐体を含む。筐体は、接触側に開口部を伴う内部通路を含む。切開システムは、内部通路内に配置されたブレードアセンブリを含む。ブレードアセンブリは、第1のブレードと、第2のブレードとを含む。第1のブレードは、第1の切断縁を含み、第2のブレードは、第2の切断縁を含む。第1のブレードおよび第2のブレードは、第1の切断縁および第2の切断縁が筐体の開口部を通して、内部通路から外に延びるように、筐体に対して移動可能である。第1の切断縁は、角膜内に第1の切断を生成する。第2の切断縁は、角膜内に第2の切断を生成する。第1の切断および第2の切断は、角膜からの除去のための組織の体積を画定する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その内容が参照することによって完全に本明細書に組み込まれる2017年8月4日に出願された米国仮特許出願第62/541,233号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、眼の障害を処置するために角膜を移植するためのシステムおよび方法に関し、より具体的には、角膜移植のために組織を切開するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
眼の種々の障害が、罹患/損傷した角膜組織から生じ得る。罹患/損傷した角膜組織は、光を散乱し、および/または歪ませ、眩輝および/または霧視を引き起こすことによって、視覚に影響を及ぼし得る。ある場合、適切な視覚が、罹患/損傷した角膜組織を臓器ドナーからの健康な組織に置換する角膜移植によってのみ回復され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のシステムおよび方法は、角膜インプラントに合致する寸法に従って、角膜から罹患/損傷した組織を除去するための手動の切開システムを採用する。例えば、全層移植における内皮の除去を最小化するために、手動の切開システムは、キノコ形状に従って罹患/損傷した組織の体積を除去し得る。
【0005】
例示的実施形態によると、角膜移植のための切開システムは、角膜に対して位置付けられるように構成された接触側を含む筐体を含む。筐体は、接触側に開口部を伴う内部通路を含む。切開システムは、筐体の内部通路内に配置されたブレードアセンブリを含む。ブレードアセンブリは、第1のブレードと、第2のブレードとを含む。第1のブレードは、第1の切断縁を含み、第2のブレードは、第2の切断縁を含む。第1のブレードおよび第2のブレードは、第1の切断縁および第2の切断縁が筐体の開口部を通して、内部通路から外に延びるように、筐体に対して移動可能である。第1の切断縁は、接触側に配置された角膜内に第1の切断を生成するように構成され、第2の切断縁は、角膜内に第2の切断を生成するように構成されている。第1の切断および第2の切断は、角膜からの除去のための組織の体積を画定する。切開システムは、筐体に対して第1のブレードおよび第2のブレードを移動させるように構成された1つ以上のマニピュレータを含む。システムは、第1の切断または第2の切断のうちの少なくとも1つに対して横方向のさらなる切断を作製するように構成された1つ以上の切断機構をさらに含み得る。1つ以上の切断機構は、1つ以上のワイヤを含み得、1つ以上のマニピュレータは、ワイヤを移動させ、横方向の切断を作製するように構成され得る。
【0006】
別の例示的実施形態によると、方法は、角膜移植のための切開システムを動作させる。切開システムは、角膜に対して位置付けられるように構成された接触側を含む筐体を含み、筐体は、接触側に開口部を伴う内部通路を含む。切開システムは、筐体の内部通路内に配置されたブレードアセンブリを含む。ブレードアセンブリは、第1のブレードと、第2のブレードとを含み、第1のブレードは、第1の切断縁を含み、第2のブレードは、第2の切断縁を含み、第1のブレードおよび第2のブレードは、筐体に対して移動可能である。切開システムは、1つ以上のマニピュレータを含む。方法は、角膜に対して筐体の接触側を位置付けることを含む。方法は、第1の切断縁および第2の切断縁が、筐体の開口部を越え、内部通路から外に延びるように、1つ以上のマニピュレータを動作させ、筐体に
対して第1のブレードおよび第2のブレードを移動させることを含む。第1の切断縁は、接触側に配置された角膜内に第1の切断を生成し、第2の切断縁は、角膜内に第2の切断を生成し、第1の切断および第2の切断は、角膜からの除去のための組織の体積を画定する。方法は、1つ以上の切断機構を用いて、第1の切断もしくは第2の切断のうちの少なくとも1つに対して横方向のさらなる切断を作製することをさらに含み得る。1つ以上の切断機構は、1つ以上のワイヤを含み得、方法は、1つ以上のマニピュレータを動作させ、ワイヤを移動させ、横方向の切断を作製することをさらに含み得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
角膜移植のための切開システムであって、前記切開システムは、
角膜に対して位置付けられるように構成された接触側を含む筐体であって、前記筐体は、前記接触側に開口部を伴う内部通路を含む、筐体と、
前記筐体の前記内部通路内に配置されたブレードアセンブリであって、前記ブレードアセンブリは、第1のブレードと、第2のブレードとを含み、前記第1のブレードは、第1の切断縁を含み、前記第2のブレードは、第2の切断縁を含み、前記第1のブレードおよび前記第2のブレードは、前記第1の切断縁および前記第2の切断縁が前記筐体の前記開口部を越え、前記内部通路から外に延びるように、前記筐体に対して移動可能であり、前記第1の切断縁は、前記接触側に配置された前記角膜内に第1の切断を生成するように構成され、前記第2の切断縁は、前記角膜内に第2の切断を生成するように構成され、前記第1の切断および前記第2の切断は、前記角膜からの除去のための組織の体積を画定する、ブレードアセンブリと、
前記筐体に対して前記第1のブレードおよび前記第2のブレードを移動させるように構成された1つ以上のマニピュレータと
を備えている、切開システム。
(項目2)
前記第1の切断縁および前記第2の切断縁は、実質的に円形である、項目1に記載の切開システム。
(項目3)
前記実質的に円形の第1の切断縁は、前記実質的に円形の第2の切断縁と同心である、項目2に記載の切開システム。
(項目4)
前記実質的に円形の第1の切断縁は、前記第2の切断縁の第2の直径より大きい第1の直径を有する、項目2に記載の切開システム。
(項目5)
前記第2の切断縁は、前記第1の切断縁より大きい距離だけ前記筐体の前記開口部を越えて延びるように構成され、前記第2の切断は、前記角膜の中への第2の深度まで延び、前記第2の深度は、前記より大きい距離に基づいて、前記角膜の中への前記第1の切断の第1の深度より大きい、項目1に記載の切開システム。
(項目6)
前記第1の切断縁および前記第2の切断縁は、実質的に円形であり、前記第1の切断縁は、前記第2の切断縁の第2の直径より大きい第1の直径を有する、項目5に記載の切開システム。
(項目7)
前記組織の体積は、(i)前記第1の切断によって画定され、前記角膜の上皮表面から前記角膜の実質内の第1の深度まで延びている前方部分と、(ii)前記第1の深度から第2の深度まで延びている前記第2の切断によって画定される後方部分とを含む、項目1に記載の切開システム。
(項目8)
前記第2の深度は、前記角膜の内皮を通して延びている、項目7に記載の切開システム。
(項目9)
前記第1の切断および前記第2の切断は、実質的に円形であり、前記第1の切断は、前記第2の切断の第2の直径より大きい第1の直径を有し、前記前方部分は、前記第1の直径を伴う実質的に円形の外形を有し、前記後方部分は、前記第2の直径を伴う実質的に円形の外形を有する、項目7に記載の切開システム。
(項目10)
前記ブレードアセンブリは、前記角膜の中への前記第1の切断によって生成される第1の深度を決定するように構成された第1のブレード深度コントローラと、前記角膜の中への前記第2の切断によって生成される前記第2の深度を決定するように構成された第2のブレード深度コントローラとを含む、項目1に記載の切開システム。
(項目11)
前記第1のブレード深度コントローラは、前記第1の切断縁が前記筐体の前記開口部を越え、第1の距離だけ前記内部通路から外に延びたときに前記第1の切断縁の移動を停止させるための1つ以上の第1の停止部の位置を設定する、項目10に記載の切開システム。
(項目12)
前記第2のブレード深度コントローラは、第2の距離に従って、前記第1の切断縁に対して前記第2の切断縁の位置を設定する、項目11に記載の切開システム。
(項目13)
前記第2のブレード深度コントローラは、前記第2の切断縁が前記筐体の前記開口部を越え、第2の距離だけ前記内部通路から外に延びたときに前記第2の切断縁の移動を停止させるための1つ以上の第2の停止部の位置を設定する、項目11に記載の切開システム。
(項目14)
前記第1のブレード深度コントローラおよび前記第2のブレード深度コントローラは、回転可能なマーキングされたダイヤルである、項目10に記載の切開システム。
(項目15)
前記第1のブレードおよび前記第2のブレードは、前記筐体に対する移動において一緒に結合されており、前記ブレードアセンブリは、前記第1の切断縁および前記第2の切断縁が前記筐体の前記開口部を越え、それぞれ、第1の固定された距離および第2の固定された距離だけ前記内部通路から外に延びたときに前記第1のブレードおよび前記第2のブレードの移動を停止させるための1つ以上の固定された停止部を含む、項目1に記載の切開システム。
(項目16)
前記第1のブレードおよび前記第2のブレードは、前記筐体に対する移動において一緒に結合されており、前記1つ以上のマニピュレータは、前記第1のブレードおよび前記第2のブレードの両方を移動させるように構成された単一のマニピュレータを含む、項目1に記載の切開システム。
(項目17)
前記1つ以上のマニピュレータは、前記筐体に対して前記第1のブレードを移動させるように構成された第1のマニピュレータと、前記筐体に対して前記第2のブレードを移動させるように構成された第2のマニピュレータとを含む、項目1に記載の切開システム。
(項目18)
前記1つ以上のマニピュレータは、前記ブレードアセンブリと前記筐体との間の1つ以上のねじ山付き結合具を介して前記第1のブレードおよび前記第2のブレードを移動させるように構成されている、項目1に記載の切開システム。
(項目19)
前記1つ以上のマニピュレータは、前記筐体に対して回転可能である、項目1に記載の切開システム。
(項目20)
負圧源をさらに備え、前記筐体は、接触端部に1つ以上の真空開口部を伴う1つ以上の真空チャネルを含み、前記1つ以上の真空チャネルは、前記負圧源に結合され、前記真空開口部は、前記負圧源から前記角膜に吸引を加え、前記角膜に対して前記筐体を固定するように構成されている、項目1に記載の切開システム。
(項目21)
前記第1の切断または前記第2の切断のうちの少なくとも1つに対して横方向のさらなる切断を作製するように構成された1つ以上の切断機構をさらに備えている、項目1に記載の切開システム。
(項目22)
前記1つ以上の切断機構は、1つ以上のワイヤを含む、項目21に記載の切開システム。
(項目23)
前記1つ以上のマニピュレータは、前記第1のブレードおよび前記第2のブレードが、それぞれ、前記第1の切断および前記第2の切断を作製した後、前記横方向の切断を作製するために前記ワイヤを移動させるようにさらに構成されている、項目22に記載の切開システム。
(項目24)
第1のワイヤは、前記第1の切断縁と前記第2の切断縁との間に延び、第2のワイヤは、前記第2の切断縁を横断して延びている、項目22に記載の切開システム。
(項目25)
前記1つ以上のワイヤを支持するように構成された1つ以上の支持構造をさらに備え、前記1つ以上のワイヤは、前記第1の切断縁が移動し、前記角膜内に前記第1の切断を生成し、前記第2の切断縁が移動し、前記角膜内に前記第2の切断を生成しているとき、前記角膜を通して移動する、項目22に記載の切開システム。
(項目26)
角膜移植のための切開システムを動作させる方法であって、
前記切開システムは、
角膜に対して位置付けられるように構成された接触側を含む筐体であって、前記筐体は、前記接触側に開口部を伴う内部通路を含む、筐体と、
前記筐体の前記内部通路内に配置されたブレードアセンブリであって、前記ブレードアセンブリは、第1のブレードと、第2のブレードとを含み、前記第1のブレードは、第1の切断縁を含み、前記第2のブレードは、第2の切断縁を含み、前記第1のブレードおよび前記第2のブレードは、前記筐体に対して移動可能である、ブレードアセンブリと、
前記ブレードアセンブリに結合された1つ以上のマニピュレータと
を含み、
前記方法は、
角膜に対して前記筐体の接触側を位置付けることと、
前記第1の切断縁および前記第2の切断縁が前記筐体の前記開口部を越え、前記内部通路から外に延びるように、前記1つ以上のマニピュレータを動作させ、前記筐体に対して前記第1のブレードおよび前記第2のブレードを移動させることと
を含み、
前記第1の切断縁は、前記接触側に配置された前記角膜内に第1の切断を生成し、前記第2の切断縁は、前記角膜内に第2の切断を生成し、前記第1の切断および前記第2の切断は、前記角膜からの除去のための組織の体積を画定する、方法。
(項目27)
前記第1の切断縁および前記第2の切断縁は、実質的に円形である、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記実質的に円形の第1の切断縁は、前記実質的に円形の第2の切断縁と同心である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記実質的に円形の第1の切断縁は、前記第2の切断縁の第2の直径より大きい第1の直径を有する、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記第2の切断縁は、前記第1の切断縁より大きい距離だけ前記筐体の前記開口部を越えて延びるように構成され、前記第2の切断は、前記より大きい距離に基づいて、前記角膜の中への前記第1の切断の第1の深度より大きい、前記角膜の中への第2の深度まで延びている、項目26に記載の方法。
(項目31)
前記第1の切断縁および前記第2の切断縁は、実質的に円形であり、前記第1の切断縁は、前記第2の切断縁の第2の直径より大きい第1の直径を有する、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記組織の体積は、(i)前記第1の切断によって画定され、前記角膜の上皮表面から前記角膜の実質内の第1の深度まで延びている前方部分と、(ii)前記第1の深度から第2の深度まで延びている前記第2の切断によって画定される後方部分とを含む、項目26に記載の方法。
(項目33)
前記第2の深度は、前記角膜の内皮を通して延びている、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記第1の切断および前記第2の切断は、実質的に円形であり、前記第1の切断は、前記第2の切断の第2の直径より大きい第1の直径を有し、前記前方部分は、前記第1の直径を伴う実質的に円形の外形を有し、前記後方部分は、前記第2の直径を伴う実質的に円形の外形を有する、項目32に記載の方法。
(項目35)
第1のブレード深度コントローラを用いて、前記角膜の中への前記第1の切断によって生成される第1の深度を決定することと、第2のブレード深度コントローラを用いて、前記角膜の中への前記第2の切断によって生成される第2の深度を決定することとをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目36)
前記第1の深度を決定することは、前記第1のブレード深度コントローラを用いて、前記第1の切断縁が前記筐体の前記開口部を越え、第1の距離だけ前記内部通路から外に延びたときに前記第1の切断縁の移動を停止させるための1つ以上の第1の停止部の位置を設定することを含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記第2の深度を決定することは、前記第2のブレード深度コントローラを用いて、第2の距離に従って、前記第1の切断縁に対して前記第2の切断縁の位置を設定することを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記第2の深度を決定することは、前記第2のブレード深度コントローラを用いて、前記第2の切断縁が前記筐体の前記開口部を越え、第2の距離だけ前記内部通路から外に延びたときに前記第2の切断縁の移動を停止させるための1つ以上の第2の停止部の位置を設定することを含む、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記第1の深度を決定することは、前記第1のブレード深度コントローラの第1のマーキングされたダイヤルを回転させることを含み、前記第2の深度を決定することは、前記第2のブレード深度コントローラの第2のマーキングされたダイヤルを回転させることを含む、項目35に記載の方法。
(項目40)
前記第1のブレードおよび前記第2のブレードは、前記筐体に対する移動において一緒に結合されており、前記ブレードアセンブリは、前記第1の切断縁および前記第2の切断縁が前記筐体の前記開口部を越え、それぞれ、第1の固定された距離および第2の固定された距離だけ前記内部通路から外に延びたときに前記第1のブレードおよび前記第2のブレードの移動を停止させるための1つ以上の固定された停止部を含む、項目26に記載の方法。
(項目41)
前記第1のブレードおよび前記第2のブレードは、前記筐体に対する移動において一緒に結合されており、前記1つ以上のマニピュレータを動作させることは、前記第1のブレードおよび前記第2のブレードの両方を移動させるために単一のマニピュレータを動作させることを含む、項目26に記載の方法。
(項目42)
前記1つ以上のマニピュレータを動作させることは、前記筐体に対して前記第1のブレードを移動させるために第1のマニピュレータを動作させることと、前記筐体に対して前記第2のブレードを移動させるために第2のマニピュレータを動作させることとを含む、項目26に記載の方法。
(項目43)
前記1つ以上のマニピュレータは、前記ブレードアセンブリと前記筐体との間の1つ以上のねじ山付き結合具を介して前記第1のブレードおよび前記第2のブレードを移動させるように構成されている、項目26に記載の方法。
(項目44)
前記1つ以上のマニピュレータを動作させることは、前記筐体に対して前記1つ以上のマニピュレータを回転させることを含む、項目26に記載の方法。
(項目45)
負圧源をさらに備え、前記筐体は、前記接触端部に1つ以上の真空開口部を伴う1つ以上の真空チャネルを含み、前記1つ以上の真空チャネルは、前記負圧源に結合され、前記筐体を位置付けることは、前記1つ以上の真空チャネルおよび前記1つ以上の開口部を介して、前記負圧源から前記角膜に吸引を加えるように、前記負圧源を動作させることを含む、項目26に記載の方法。
(項目46)
1つ以上の切断機構を用いて、前記第1の切断または前記第2の切断のうちの少なくとも1つに対して横方向のさらなる切断を作製することをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目47)
前記1つ以上の切断機構は、1つ以上のワイヤを含む、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記第1のブレードおよび前記第2のブレードが、それぞれ、前記第1の切断および前記第2の切断を作製した後、前記横方向の切断を作製するために前記ワイヤを移動させるように、前記1つ以上のマニピュレータを動作させることをさらに含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
第1のワイヤは、前記第1の切断縁と前記第2の切断縁との間に延び、第2のワイヤは、前記第2の切断縁を横断して延びている、項目47に記載の方法。
(項目50)
1つ以上の支持構造が、前記第1の切断縁が移動させられ、前記角膜内に前記第1の切断を生成し、前記第2の切断縁が移動させられ、前記角膜内に前記第2の切断を生成するとき、前記角膜を通して移動させるように前記1つ以上のワイヤを支持している、項目47に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、キノコ形状に従った角膜からの組織の例示的除去、および組織の除去によって形成された角膜内の床によって受け取られた対応して成形された角膜インプラントを図示する。
【0008】
図2A図2Aは、本開示の側面による角膜移植における角膜組織の精密な手動除去のための例示的切開システムを図示する。
【0009】
図2B図2Bは、図2Aの例示的切開システムの上面図を図示する。
【0010】
図2C図2Cは、図2Aの例示的切開システムの部分的斜視図を図示する。
【0011】
図2D図2Dは、図2Aの例示的切開システムの例示的実装を図示する。
【0012】
図3図3は、本開示の側面による角膜移植における角膜組織の精密な手動除去のための別の例示的切開システムを図示する。
【0013】
図4図4は、本開示の側面による角膜移植における角膜組織の精密な手動除去のためのさらに別の例示的切開システムを図示する。
【0014】
図5A図5Aは、本開示の側面による角膜の中への外側/内側ブレードの穿通の後に切断を作製するための追加の切断機構を含む角膜移植における角膜組織の精密な手動除去のためのさらなる例示的切開システムを図示する。
【0015】
図5B図5Bは、図5Aの例示的切開システムの底面図を図示する。
【0016】
図5C図5Cは、図5Aの例示的切開システムの部分的斜視図を図示する。
【0017】
図5D図5Dは、図5Aの例示的切開システムのためのマニピュレータと外側/内側ブレードとの間の例示的結合具を図示する。
【0018】
図5E図5Eは、図5Aの例示的切開システムのためのマニピュレータと外側/内側ブレードとの間の別の例示的結合具を図示する。
【0019】
図6A図6Aは、本開示の側面による切開システムを用いた角膜の中への外側/内側ブレードの穿通の後に切断を作製するための代替切断機構の側面を図示する。
【0020】
図6B図6Bは、図6Aの代替切断機構のさらなる側面を図示する。
【0021】
図7A図7Aは、本開示の側面による切開システムを用いた角膜の中への外側/内側ブレードの穿通の後に切断を作製するための代替切断機構の側面を図示する。
【0022】
図7B図7Bは、図7Aの代替切断機構のさらなる側面の断面図を図示する。
【0023】
図7C図7Cは、図7Aの代替切断機構のさらなる側面をさらに図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
眼の種々の障害が、罹患/損傷した角膜組織から生じ得る。罹患/損傷した角膜組織は、光を散乱し、および/または歪ませ、眩輝および/または霧視を引き起こすことによって、視覚に影響を及ぼし得る。ある場合、適切な視覚が、罹患/損傷した角膜組織を臓器ドナーからの健康な組織に置換する角膜移植によってのみ回復され得る。
【0025】
眼の外側(前方)表面から内側(後方)部分まで、角膜の構造は、5つの層を含む:(1)上皮、(2)ボーマン層、(3)実質、(4)デスメ膜、(5)内皮。全層角膜移植術(PK)は、上皮から内皮までの角膜の層全体が除去され、角膜インプラントに置換される全層移植を伴う。PKでは、トレフィンとして公知である手動の切開デバイスが、既存の角膜組織の全厚を除去するために採用され得る。トレフィンは、除去された角膜組織と寸法的に合致する角膜インプラントを提供するために、ドナー角膜を切断するためにも使用され得る。角膜インプラントは、次いで、除去された角膜組織の代わりに位置付けられ、定位置内に縫合される。
【0026】
前方層状角膜移植術(ALK)は、角膜の前方部分における罹患/損傷した組織を選択的に置換する代替処置である。ALK手技のあるタイプは、上皮、ボーマン層、および実質を除去するが、生来のデスメ膜および内皮を定位置に残す深層層状角膜移植術(DALK)である。ALKでは、外科医は、角膜を切開し、角膜の前方部分を除去する。ドナー角膜からの寸法的に合致する角膜インプラントが、次いで、角膜組織の除去によって形成された床に位置付けられ、定位置内に縫合される。
【0027】
ALKは、PKより低侵襲性であり、内皮が健康であるとき、好ましい。上皮および実質の細胞と対照的に、内皮の細胞は、再生することができない。ALKを用いることで、患者は、自身の内皮を保持し、それによって、免疫系による拒絶のリスクが、劇的に低減させられ得る。
【0028】
PKは、全層移植を伴うが、PKのためのあるアプローチが、内皮の除去を最小化するように試みる。例えば、患者は、健康な内皮を有し得るが、中心角膜の瘢痕および全層混濁は、全層移植を要求する。図1に示されるように、PKのための例示的アプローチは、角膜2から組織の前方部分2aおよび後方部分2bを除去する。図1に図示されるアプローチは、より効果的かつより急速な治癒を提供することができる。前方部分2aは、角膜2の上皮表面2cから実質2d内のある深度まで延び、(示されるようなz軸に沿った)第1の厚さtを画定する。前方部分2aは、第1の直径dを伴うx-y平面に沿った実質的に円形の外形を有する。例えば、第1の厚さtは、約175μm~約200μmであり得、第1の直径dは、約9mmであり得る。後方部分2bは、前方部分2aから内皮2eまで延び、(z軸に沿った)第2の厚さtを画定する。t1+は、上皮表面2cから内皮までの厚さである。後方部分2bは、第2の直径dを伴うx-y平面に沿った実質的に円形の外形を有する。例えば、第2の厚さtは、約350μmであり得、第2の直径dは、約6.5mm(またはより大きい)であり得る。前方部分2aの第1の直径dは、後方部分2bの第2の直径dを上回る。第1の直径dと第2の直径dとの間の差異は、約0.5mm~約1mmであり得る。したがって、部分2a、bは、一緒に、キノコ形状を有する組織のある体積を画定する。後方部分2bの除去は、後方部分2bが(一様な直径dを有する角膜組織の除去に対応する)前方部分2aと同一の直径dを有した場合に当てはまるであろうものより小さい内皮の区分の除去をもたらす。
【0029】
図1にも示されるように、部分2a、bの除去は、角膜10内に床2Fを形成する。床2fも、キノコ形状を有する。角膜インプラント4が、床2f内に受け取られるように対応して成形される。部分2a、bを手動で除去するためにマイクロケラトームまたは他の従来の切開デバイスを使用することは、角膜インプラント4と床2fとの間の寸法合致を確実にするための十分な精度を提供しないこともある。実際、角膜インプラント4および床2fのキノコ形状は、合致を達成することをより大きい難題にしている。フェムト秒レーザは、角膜2から部分2a、bを精密に切断するために採用され得るが、施術者は、合致寸法に従って角膜2を切断するためにフェムト秒レーザシステムを都合よく装備しないこともある。
【0030】
有利には、本開示の側面は、角膜インプラントの寸法に合致するために必要な精度および一貫性を伴って角膜組織を手動で除去するためのアプローチを提供する。そのようなアプローチは、フェムト秒レーザより便利かつコスト効率のよいデバイスを採用する。そのようなデバイスを用いることで、供給元が、フェムト秒レーザまたは類似する高精度切断システムを用いて角膜インプラントを成形し、施術者が、手動で組織のある体積を除去し、供給元によって提供される角膜インプラントの形状に正確に合致する床を形成することが、実行可能である。
【0031】
図2A-Dは、角膜組織を手動で除去するための例示的切開システム10を図示する。図2Aに示されるように、切開システム10は、筐体100と、ブレードアセンブリ200と、シリンジ300とを含む。筐体100は、角膜2に対して設置され得る接触側100aを有する。接触側100aは、角膜2の一般的な前方形状に適応するように輪郭を形成され得る。筐体100は、接触側100aから上向き(正のz方向)に延びている実質的に円筒形の外壁102を含む。筐体100は、接触側100aに開口部110を伴う内部通路108を含む。
【0032】
筐体100は、管302を介してシリンジ300または他の負圧源に結合され得る1つ以上の真空チャンバ104を含む。(真空チャンバ104は、図2Aに破線で選択的に示される。)シリンジ300のプランジャが、管302を介して真空チャンバ104内に負圧を提供するように、引き戻され、または動作させられ得る。真空チャンバ104のための1つ以上の真空開口部106が、接触側100aにおける開口部110の周囲に沿って配列される。真空開口部106は、角膜10の上皮表面2cに係合することができる。真空チャンバ104内の負圧が、真空開口部106において、上皮表面2cと筐体100との間に吸引を発生させ、それによって、角膜2に筐体100をしっかりと固定する。角膜2から筐体100を結合解除するために、シリンジ300は、反対の様式で動作させられ、真空チャンバ104内に正圧を生じさせ、真空開口部106における吸引を解放することができる。
【0033】
筐体100は、外壁102から半径方向に外向きに延びている位置付け要素110を含む。位置付け要素110は、施術者が、例えば、その指の間に筐体100を保持し、位置付けるために使用し得る十分な表面積を提供する。
【0034】
ブレードアセンブリ200は、筐体100の内部通路108内に配置される。ブレードアセンブリ200は、ブレードアセンブリ200を用いて角膜2を切断するために動作させられ得るマニピュレータ202を含む。例えば、ねじ山付き結合具が、筐体100とブレードアセンブリ200との間に提供され得る。マニピュレータ202は、筐体100に対するブレードアセンブリ200の回転を生じさせるためにz軸周りに回転させられ得る。それが回転するにつれて、ブレードアセンブリ200も、結合具のねじ山に沿って進み、それは、したがって、ブレードアセンブリ200を筐体100および角膜2に対して軸
方向に(z軸に沿って)移動させる。図2Bの上面図に示されるように、マニピュレータ202は、施術者が、例えば、その指を用いてマニピュレータ202を回転させるために使用し得る複数の半径方向に延びているロッド204を含む。施術者は、位置付け要素110を同時に使用し、マニピュレータ202を回転させながら、筐体100を定位置にしっかりと保持し得る。
【0035】
故に、マニピュレータ202は、ブレードアセンブリ200が、筐体100の接触側100aに対して位置付けられる角膜2を穿通するまで、ブレードアセンブリ200を通路開口部110を通して負のz方向に移動させることができる。筐体100は、ブレードアセンブリ200が、z軸に沿った角膜2の中への予測可能かつ精密な移動に制限されるように、角膜2にしっかりと結合される。
【0036】
ブレードアセンブリ200は、外側ブレード210と、内側ブレード220とを含む。(外側ブレード210および内側ブレード220は、図2A、Cに破線で選択的に示される。)図2Cの切開システム10の部分図に示されるように、外側ブレード210および内側ブレード220は、実質的に管状である。外側ブレード210は、実質的に円形の切断縁214を伴う中心通路212を含む。内側ブレード220は、外側ブレード210の中心通路212内に配置され、外側ブレード210の切断縁214を越えて延びている。内側ブレード220も、実質的に円形の切断縁224を伴う中心通路222を含む。
【0037】
外側切断縁214および内側切断縁224は、実質的に同心である。対応して、外側ブレード210および内側ブレード220は、角膜2の中に実質的に同心の円形の切断を作成する。ブレードアセンブリ200が、角膜10を穿通すると、外側切断縁214によって作製される円形の切断は、内側切断縁224によって作製される円形の切断部より大きい直径を有する。例えば、図2Dに示されるように、外側切断縁214は、角膜2から除去される前方部分2aに対応する第1の直径dを伴う実質的に円形の外側切断を作製する直径を有し得る。加えて、内側切断縁224は、角膜2から除去される後方部分2bに対応する第2の直径dを伴う実質的に円形の内部切断を作製する直径を有し得る。
【0038】
マニピュレータ202は、外側ブレード210および内側ブレード220を同時に移動させる。図2Bの上面図に示されるように、マニピュレータ202は、内側ブレード220の中心通路222と整列した開口206を含む。したがって、角膜2は、開口206および中心通路222を通して見られることができる。十字線208または他の位置付けガイドが、開口206および/または中心通路222内に配置され、外側ブレード210および内側ブレード220の中心をマーキングし得る。施術者は、十字線208を採用し、角膜2に筐体100を固定し、所望される場所、例えば、角膜2の中心の上にブレード210、220の中心を置き得る。したがって、外側切断縁214および内側切断縁224によって作製される切断の場所は、制御されることができる。
【0039】
図2Cに示されるように、内側ブレード220は、負のz方向に下向きに、外側ブレード210より先に延びている。したがって、ブレードアセンブリ200が、角膜10を穿通するとき、内側ブレード220は、外側ブレード210より大きい深度まで角膜10を穿通する。ブレードアセンブリ200は、外側ブレード210の穿通深度を制御するための外側ブレード深度コントローラ216と、内側ブレード220の穿通深度を制御するための内側ブレード深度コントローラ226とを含む。例えば、外側ブレード深度コントローラ216および内側ブレード深度コントローラ226は、それぞれの穿通深度を設定するための手動のダイヤルとして、z軸周りに別個に回転させられ得る。
【0040】
図2Dに示されるように、外側ブレード深度コントローラ216は、外側ブレード210が、tの深度を伴う角膜2内の外側切断を作製する距離だけ、筐体100の接触側1
00aを越えて移動するように動作させられ得る。これは、前方部分2aの第1の厚さtを提供する。加えて、内側ブレード深度コントローラ226は、内側ブレード220が、t+tの深度を伴う角膜2内の内側切断を作製する距離だけ、筐体100の接触側100aを越えて移動するように動作させられ得る。これは、後方部分2bの第2の厚さtを提供する。
【0041】
例示的実施形態によると、外側ブレード深度コントローラ216は、筐体100の内部通路108に沿って、1つ以上の調節可能な停止部112をある位置まで移動させることができる。1つ以上の対応する停止部218が、外側ブレード210に結合される。(停止部112、218は、図2Aに破線によって選択的に図示される。)したがって、マニピュレータ202が、動作させられると、外側ブレード210は、外側ブレード210の停止部218が、設定された位置において停止部112に到達するまで、負のz方向に下向きに移動し、角膜2を穿通することができる。外側ブレード深度コントローラ216は、数値マーカを提供することにより、施術者が外側ブレード210のための所望される穿通深度tに対応する停止部112のための位置をダイヤルで選ぶことを可能にし得る。
【0042】
一方、内側ブレード深度コントローラ226は、内側切断縁224と外側切断縁214との間の距離を調節することができる。例えば、内側ブレード220は、例えば、ねじ山付き結合具によって、外側ブレード210に調節可能に結合され得、内側ブレード深度コントローラ226は、結合具を調節し、距離を設定するように動作させられ得る。内側ブレード深度コントローラ226は、数値マーカを提供し、施術者が、後方部分2bのために所望される厚さtをダイヤルで選ぶことを可能にし得る。この厚さは、切断縁214と224との間の距離と同等である。
【0043】
切断縁214と224との間の距離が内側ブレード深度コントローラ226を用いて設定されると、マニピュレータ202は、上で説明されるように、外側ブレード210を移動させるように動作させられ得る。対応して、内側ブレード220は、外側ブレード210が設定された距離にある状態で移動する。図2Dに図示されるように、外側ブレード210が、停止部112によってさらに移動することを停止されると、外側切断縁214は、所望される穿通深度tにおいてその切断を停止し、内側切断縁224は、外側切断縁214から設定された距離tにおいてその切断を停止する。故に、外側ブレード210は、前方部分2aを除去するための深度と直径とを伴う外側切断を作成し、内側ブレード220は、後方部分2bを除去するための深度とより小さい直径とを伴う内側切断を作成する。(内側ブレード220の内側切断も、前方部分2aを通過するが、外側ブレード210の外側切断に影響を及ぼさない。)
【0044】
所望される外側および内側切断を作製した後、筐体100およびブレードアセンブリ200は、マニピュレータ202およびシリンジ300の動作によって、角膜2から取り外されることができる。精密な外側切断と、内側切断とを伴う別個の切開デバイスまたは他の手動器具が、採用され、前方部分2aおよび後方部分2bを除去し得る。特に、前方部分2aを除去するために、環状の切断が、実質的に外側切断と内側切断との間に、外側ブレードのためのtの穿通深度において作製される。加えて、後方部分2bを除去するために、内側切断の円周によって画定される円形の切断が、実質的に内側ブレードのためのt+tの穿通深度において作製される。上で説明されるように、部分2a、bの除去は、角膜インプラント4を受け取るための床2fを生成する。切開システム10による切断の精度を伴って、床2fは、角膜インプラント4との寸法合致を提供する。
【0045】
本開示の側面は、図2A-Dに説明される実施形態に限定されない。例えば、図3は、外側ブレード410と、内側ブレード420とを伴う代替ブレードアセンブリ400を含む別の例示的切開システム20を図示する。上で説明される外側ブレード210および内
側ブレード220と対照的に、内側ブレード420の移動は、外側ブレード410の移動に結合されない。したがって、ブレードアセンブリ400は、z軸に沿って外側ブレード410を移動させるための第1のマニピュレータ402aと、z軸に沿って内側ブレード420を別個に移動させるための第2のマニピュレータ402bとを含む。
【0046】
ブレードアセンブリ400は、筐体100の内部通路108に沿って、1つ以上の調節可能な停止部432をある位置まで移動させ得る外側ブレード深度コントローラ416を含む。1つ以上の対応する停止部418が、外側ブレード410に結合される。マニピュレータ202と同様に、マニピュレータ402aが、動作させられると、外側ブレード410は、外側ブレード410の停止部418が、設定された位置において停止部432に到達するまで、負のz方向に下向きに移動し、角膜2を穿通することができる。外側ブレード深度コントローラ416は、数値マーカを提供することにより、施術者が外側ブレード410のための所望される穿通深度tに対応する停止部432のための位置をダイヤルで選ぶことを可能にし得る。
【0047】
しかしながら、マニピュレータ402aの動作は、内側ブレード420を移動させない。したがって、ブレードアセンブリ400は、外側ブレード410の中心通路412に沿って1つ以上の調節可能な停止部442をある位置まで移動させ得る内側ブレード深度コントローラ426を含む。1つ以上の対応する停止部428が、内側ブレード420に結合される。マニピュレータ402bが、動作させられると、内側ブレード420は、内側ブレード420の停止部428が、設定された位置において停止部442に到達するまで、負のz方向に移動し、角膜2を穿通することができる。内側ブレード深度コントローラ426は、数値マーカを提供することにより、施術者が内側ブレード420のための所望される穿通深度t+tに対応する停止部442のための位置をダイヤルで選ぶことを可能にし得る。故に、施術者は、マニピュレータ402a、bの各々を別個に動作させ、それぞれの外側および内側切断を作製する。
【0048】
図4は、代替ブレードアセンブリ500、筐体100、およびシリンジ300を含む別の例示的切開システム30を図示する。上で説明されるブレードアセンブリ200、400と対照的に、ブレードアセンブリ500は、一定のそれぞれの穿通深度を伴う外側ブレード510と内側ブレード520とを含む。言い換えると、ブレードアセンブリ500は、それぞれの穿通深度が調節されることを可能にする深度コントローラを採用しない。例えば、1つ以上の停止部532が、筐体100の内部通路108に沿って固定して位置付けられる。1つ以上の対応する停止部518が、外側ブレード510に結合される。ブレードアセンブリ500は、外側ブレード510の停止部518が、設定された位置において停止部532に到達するまで、外側ブレード510を負のz方向に移動させ、角膜2を穿通するように動作させられ得るマニピュレータ502を含む。停止部532の位置は、外側ブレード510のための所望される穿通深度tに対応する。
【0049】
加えて、外側ブレード510に対する内側ブレード520の位置は、調節されることができない。内側ブレード520は、外側ブレード510の外側切断縁514から距離tに固定して位置付けられる内側切断縁524を有する。したがって、外側ブレード510が、所望される穿通深度tに到達すると、内側ブレード520は、所望される穿通深度t+tに到達する。故に、施術者は、マニピュレータ502を動作させ、同一の外側および内側切断を作製する。
【0050】
上で説明されるように、ブレードアセンブリ200、400、500が、操作され、外側ブレードおよび内側ブレードを用いて角膜内に切断を作製した後、別個の切開デバイスまたは他の手動器具が、前方部分2aならびに後方部分2bを除去するために採用され得る。しかしながら、代替実施形態では、ブレードアセンブリは、前方部分2aおよび後方
部分2bを除去するためにさらなる切断を作製するように構成され得る。そのようなブレードアセンブリは、別個の切開デバイスまたは他の手動器具の必要性を排除する。特に、前方部分2aを除去するために、ブレードアセンブリは、外側切断と内側切断との間に、tの穿通深度において切断(例えば、環状の切断)を作製することができる。加えて、後方部分2bを除去するために、ブレードアセンブリは、t+tの穿通深度における内側切断によって画定される切断(例えば、円形の切断)を作製することができる。環状および円形の切断は、それぞれ、外側および内側切断に対して略横向きである。
【0051】
図5A-Cは、ブレードアセンブリ600を採用する例示的システム40を図示する。上で説明されるブレードアセンブリ500のように、ブレードアセンブリ600は、一定のそれぞれの穿通深度を伴う外側ブレード610と、内側ブレード620とを含む。内側ブレード620は、外側ブレード610の外側切断縁614から距離tに固定して位置付けられる内側切断縁624を有する。したがって、外側ブレード610が、所望される穿通深度tに到達すると、内側ブレード620は、所望される穿通深度t+tに到達する。
【0052】
切開システム40は、筐体100と、シリンジ300とを含む。上で説明されるように、筐体100は、シリンジ300によって提供される負圧の使用により、角膜2に対してしっかりと位置付けられることができる。ブレードアセンブリ600は、筐体100の内部通路108内に配置される。したがって、筐体100は、角膜2に対してブレードアセンブリ600を位置付ける。
【0053】
ブレードアセンブリ600は、z軸周りに回転させられ、外側ブレード610を筐体100および角膜2に対して移動させ得るマニピュレータ602を含む。外側ブレード610のそのような移動は、外側ブレード610に対して固定される、内側ブレード620の対応する移動をもたらす。マニピュレータ602は、所望される深度tへの外側ブレード610の穿通および所望される深度t+tへの内側ブレード620の穿通を引き起こすために回転させられることができる。マニピュレータ602は、施術者が、例えば、その指を用いてマニピュレータ602を回転させるために使用し得る複数の半径方向に延びているロッド604を含む。施術者は、位置付け要素110を同時に使用し、マニピュレータ602を回転させながら、筐体100を定位置にしっかり保持し得る。
【0054】
ブレードアセンブリ600は、外側ブレード610および内側ブレード620によって作製される切断の間、穿通深度tにおける環状の切断を作製することができる。加えて、穿通深度t+tにおいて、ブレードアセンブリ600は、内側ブレード620によって画定される円周を伴う円形の切断を作製することができる。環状の切断および円形の切断は、一緒に、前方部分2aおよび後方部分2bが除去されることを可能にする。
【0055】
図5B-Cに示されるように、ブレードアセンブリ600は、外側ブレード610と外側ブレード610の中心通路612内の内側ブレード620との間に延びているワイヤ651(または類似する切断構造)を含む。ワイヤ651は、外側ブレード610の外側切断縁614と(すなわち、概して、z軸上の外側切断縁614と同一の位置に)整列させられている。加えて、ブレードアセンブリ600は、内側ブレード620の中心通路222を横断して延びているワイヤ652(または類似する切断構造)を含む。ワイヤ652は、内側ブレード610の内側切断縁612と(すなわち、概して、z軸上の内側切断縁612と同一の位置に)整列させられている。
【0056】
外側ブレード610の外側切断縁614が、所望される深度tまで角膜2を穿通すると、ワイヤ651も、所望される深度tまで角膜2を穿通する。一方、内側ブレード620の内側切断縁624が、対応して所望される深度t+tまで角膜2を穿通すると
、ワイヤ652も、所望される深度t+tまで角膜を穿通する。ワイヤ651、652は、角膜2を通して切断するために十分な張力および鋭利性を有し、外側ブレード610および内側ブレード610の移動に対する大きな抵抗を発生させない。図5B-Cは、2つのワイヤ651および1つのワイヤ652をある例として図示するが、実施形態は、異なる数のワイヤ651および/またはワイヤ652を採用し得る。ワイヤ651、652は、外側ブレード610および内側ブレード620が、角膜2を穿通するとき、筐体100および角膜2に対して回転しないので、角膜2を穿通することができる。
【0057】
図5Dは、外側ブレード610および内側ブレード620にマニピュレータ602を結合するための例示的構成を図示する。例示的構成は、外側ブレード610および内側ブレード620が、z軸周りに回転することなく、角膜2を穿通するためにz軸に沿って軸方向に移動するように、マニピュレータ602が動作させられることを可能にする。
【0058】
図5Dに示されるように、マニピュレータ602は、筐体100に結合される。マニピュレータ602は、筐体100に対してz軸周りに回転することができるが、筐体100に対して他の自由度に従って移動することはできない。例えば、マニピュレータ602は、筐体100の表面(例えば、上面)に沿って延びている環状軌道105内にスナップ嵌めされ得る係合構造605を含み得、係合構造605は、環状軌道105内で移動し、マニピュレータ602の回転を可能にし得る。
【0059】
マニピュレータ602は、中心通路603を含む。外側ブレード610は、中心通路603内に配置される。外側ブレード610は、中心通路603内のマニピュレータ602の内側表面607に面する、外部表面617を含む。マニピュレータ602は、内側表面607に沿って螺旋状に巻かれたねじ山662を含む。外側ブレード610は、外部表面617から半径方向に外向きに延び、ねじ山662に係合するように付勢されたタブ664を含む。マニピュレータ602が、z軸周りに第1の方向に回転させられると、ねじ山662は、負のz方向に、タブ664に対して力を加える。この力は、外側ブレード610および外側ブレード610に固定された内側ブレード620に負のz方向に移動させ、角膜2を穿通させる。外側ブレード610および内側ブレード620の移動は、筐体100および角膜2に対するz軸周りの回転を伴わない。ある場合、筐体100は、1つ以上のガイド構造を含み、外側ブレード610に係合し、z軸に沿った移動を可能にしながら、そのような回転を防止し得る。マニピュレータ602の第1の方向への回転は、外側ブレード610および内側ブレード620が、それぞれ、それらのそれぞれの所望される穿通深度tおよびt+tに到達すると、停止する。
【0060】
外側ブレード610および内側ブレード620が、所望される穿通深度に到達すると、マニピュレータ602は、前方部分2aおよび後方部分2bが除去されることを可能にするための追加の切断(例えば、横方向の切断)を作製するようにも動作させられることができる。特に、マニピュレータ602は、z軸周りに第2の方向に回転させられ、ワイヤ651、652をz軸周りに回転させることができる。この第2の方向は、マニピュレータ602が、外側ブレード610および内側ブレード620を負のz方向に移動させるために回転させられる第1の方向と反対である。ワイヤ651の回転が、外側切断と内側切断との間に、穿通深度tにおける環状の切断を作製する。一方、ワイヤ652の回転が、t+tの穿通深度において円形の切断を作製する。
【0061】
図5Dに示されるように、マニピュレータ602が、z軸周りに第2の方向に回転させられると、外側ブレード610および内側ブレード620は、正のz方向に移動しない。ねじ山662は、正のz方向に、タブ664に対して力を加え得るが、タブ664は、そのような力が、タブ664を半径方向に内向きにも押すように(例えば、角度付けられた表面を用いて)成形される。力は、タブ664の半径方向に外向きの付勢を克服し、タブ
を半径方向に内向きに移動させる。タブ664のこの内向きの移動は、正のz方向の力が、外側ブレード610および内側ブレード620を正のz方向に押すことを防止する。
【0062】
マニピュレータ602は、マニピュレータが、第2の方向に回転させられているとき、外側ブレード610のタブ664と係合するタブ663を含む。タブ663と664との間の係合は、外側ブレード610および内側ブレード620にマニピュレータ602と一緒に第2の方向に回転させる。ワイヤ651、652は、対応して、外側ブレード610および内側ブレード620と対応して回転する。ねじ山662は、外側ブレード610および内側ブレード620をz軸に沿って移動させないので、ワイヤ651、652は、それぞれ、深度tおよびt+tにおけるx-y平面上で回転し、所望される切断を生成する。
【0063】
ワイヤ651、652を用いた切断が完了すると、前方部分2aおよび後方部分2bが、角膜2から除去されることができる。ある場合、角膜2からの切開システム40の引き抜きも、切開された組織を除去する。
【0064】
外側ブレード610および内側ブレード620は、後続の切開手技のために、マニピュレータ602および筐体100に対してリセットされることができる。図5Dに示されるように、各タブ664は、外側ブレード610内に位置付けられる付勢構造666の一端上に配置される。付勢構造666は、外側ブレード610の外部表面617を通して半径方向に外向きにタブ664を押す。ボタン668が、付勢構造666の他端の近傍に配置され、外部表面617を通して半径方向に外向きに延びている。ボタン668が、半径方向に内向きに押されると、付勢構造666の結果として生じる移動が、タブ664にも半径方向に内向きに移動させ、マニピュレータ602の軌道662を係合解除させる。故に、ボタン668は、指を用いて一緒に圧搾されることにより、外側ブレード610および内側ブレード620が、後続の切開手技のための始動位置まで戻るように、正のz方向に移動させられることを可能にすることができる。
【0065】
図5Eは、外側ブレード610および内側ブレード620にマニピュレータ602を結合するための代替構造を図示する。図5Dの構成と同様に、マニピュレータ602は、筐体100(図示せず)に結合される。マニピュレータ602は、筐体100に対してz軸周りに回転することができるが、筐体100に対して他の自由度に従って移動することはできない。加えて、マニピュレータ602は、中心通路603を含む。外側ブレード610は、中心通路603内に配置される。外側ブレード610の外部表面617は、マニピュレータ602の内側表面607に面する。
【0066】
図5Eに示されるように、マニピュレータ602は、内側表面607に沿って螺旋状に巻かれたねじ山662を含む。外側ブレード610は、外部表面617から半径方向に外向きに延び、ねじ山672に係合するように付勢されたタブ674を含む。マニピュレータ602が、z軸周りに第1の方向に回転させられると、ねじ山672は、負のz方向にタブ674に対して力を加える。この力は、外側ブレード610および外側ブレード610に固定された内側ブレード620を負のz方向に移動させ、角膜2を穿通させる。外側ブレード610および内側ブレード620の移動は、筐体100および角膜2に対するz軸周りの回転を伴わない。ある場合、筐体100は、外側ブレード610に係合し、z軸に沿った移動を可能にしながら、そのような回転を防止するための1つ以上のガイド構造を含み得る。
【0067】
図5Dの構成とは異なり、タブ674は、タブ674がねじ山672の端部における溝676に進入するまで、ねじ山672に沿って移動し続ける。この時点において、外側ブレード610および内側ブレード620は、それぞれ、それらの所望される穿通深度t
およびt+tに到達している。タブ674が溝676の中に位置付けられている状態で、ねじ山672は、もはやタブ674に力を加えることができず、マニピュレータ602は、z軸周りに同一の第1の方向にさらに回転させられ、追加の切断を作製し、前方部分2aおよび後方部分2bが除去されることを可能にすることができる。
【0068】
マニピュレータ602は、マニピュレータが、第1に方向に回転し続けるにつれて、外側ブレード610のタブ664に係合するタブ673を含む。タブ663と664との間の係合は、外側ブレード610および内側ブレード620にマニピュレータ602とともに第1の方向に回転させる。ワイヤ651、652は、対応して、外側ブレード610および内側ブレード620と対応して回転する。ねじ山672は、外側ブレード610および内側ブレード620をz軸に沿って移動させないので、ワイヤ651、652は、それぞれ、深度tおよびt+tにおけるx-y平面上で回転し、所望される切断を生成する。上で説明されるように、ワイヤ651の回転は、外側切断と内側切断との間に、穿通深度tにおいて環状の切断を作製する。一方、ワイヤ652の回転は、t+tの穿通深度において円形の切断を作製する。
【0069】
外側ブレード610および内側ブレード620は、後続の切開手技のために、マニピュレータ602および筐体100に対してリセットされることができる。図5Eに示されるように、各タブ674は、外側ブレード610内に位置付けられる付勢構造666の一端上に配置される。付勢構造666は、外側ブレード610の外部表面617を通して半径方向に外向きにタブ674を押す。ボタン668が、付勢構造666の他端の近傍に配置され、外部表面617を通して半径方向に外向きに延びている。ボタン668が、半径方向に内向きに押されると、付勢構造666の結果として生じる移動が、タブ674も半径方向に内向きに移動させ、タブ674がマニピュレータ602の軌道672を係合解除させることを可能にする。故に、ボタン668は、指を用いて一緒に圧搾され、外側ブレード610および内側ブレード620が、後続の切開手技のための始動位置まで戻るように、正のz方向に移動させられることを可能にすることができる。
【0070】
図5A-Cに示されるように、例示的切開システム40内のワイヤ651、652は、外側ブレード610および内側ブレード620が、角膜2を穿通するにつれて角膜2を通して切断するために十分な張力および鋭利性を有する。ワイヤ651、652を回転させるためのマニピュレータ602の動作も、ワイヤ651、652内の張力を増大させることができる。しかしながら、代替実施形態は、ワイヤ651、652の負のz方向の移動のための追加の支持を提供し得る。例えば、図6A-Bは、外側ブレード610、内側ブレード620、および上で説明されるワイヤ651、652を図示する。図6Aは、外側ブレード610と内側ブレード620との間で、外側ブレード610の切断縁614まで延びている支持構造653を示す。ワイヤ651のうちの1つが、支持構造653の端部に配置され、切断縁614と整列させられる。支持構造653の端部は、ワイヤ651にさらに係合するように、凹所を設けられるか、または別様に成形され得る。追加の支持構造653(図示せず)が、他のワイヤ651を伴って実装され得る。一方、図6Bは、内側ブレード620の中心通路622内で、切断縁624まで延びている支持構造655を示す。ワイヤ652は、支持構造655の端部に配置され、切断縁624と整列させられる。支持構造655の端部は、ワイヤ652にさらに係合するように、凹所を設けられるか、または別様に成形され得る。支持構造653、655は、それらが角膜2を穿通するとき、外側ブレード610および内側ブレード620とともに移動する。有利には、支持構造653、655は、ワイヤ651、652が角膜2を通して移動することに役立つ。外側ブレード610および内側ブレード620が、それらのそれぞれの所望される穿通深度に到達すると、マニピュレータ602は、上で説明されるように動作させられ、ワイヤ651、652を用いて追加の切断を作製し得る。この場合、ワイヤ651、652は、それぞれの支持構造653、655から係合解除し、マニピュレータ602とともに回転
する。
【0071】
図6A-Bに示されるように、支持構造653、655は、それぞれ、実質的に外側ブレード610および内側ブレード620の長さに沿って延びている楔状またはブレード状の形状を有し得る。しかしながら、他の実施形態では、支持構造653、655は、代替形状を有し得る。例えば、支持構造653、655は、支持を提供するために、ワイヤ653、655を横断して、その上方に延びたより短いクロスバーであり得る。
【0072】
図7A-Cは、ワイヤの負のz方向の移動のために支持するための代替アプローチを図示する。例えば、図7Aは、ワイヤ651のための支持構造683を図示する。(上記の例と対照的に、ここでは、単一のワイヤ651が、採用される。)支持構造683の端部683aは、外側ブレード610および内側ブレード620が角膜2を穿通するとき、前縁を提供する。図7Aでは、支持構造683は、支持構造683の端部683aの上方でワイヤ651を受け取る陥凹683bを含む。対照的に、図6A-Cのワイヤ651は、支持構造653の下方に位置付けられ、前縁を提供する。有利には、端部683aは、ワイヤ651より鋭利であり得、より容易に角膜2を通して切断することができる一方、ワイヤ251は、陥凹683b内に留まる。
【0073】
外側ブレード610および内側ブレード620が、それぞれの所望される穿通深度に到達すると、マニピュレータ602は、支持構造683内の陥凹683bからワイヤ651を係合解除させ、ワイヤ651をz軸周りに回転させ、切断を生成し、前方部分2aを除去することに役立つように動作させられ得る。ワイヤ651は、支持構造683の端部683aの上方に配置される陥凹内に受け取られるが、支持構造683は、ワイヤ251が穿通深度tの近傍に(例えば、約5μm以内)効果的な切断を提供し得る深度までワイヤ651を送達する。
【0074】
穿通深度t+tまたはその近傍に円形の切断を作製するために、図7B-Cの図に示されるようなワイヤ652’が、採用され得る。ワイヤ652’のための支持構造685が、支持構造683に類似する様式で、陥凹685b内にワイヤ652’を受け取るように構成され得る。内側ブレード620の直径全体を横断して延びている支持構造655およびワイヤ652と対照的に、ワイヤ652’は、内側ブレード620の半径を横断して延びている。ワイヤ652’は、中心支持体657から内側ブレード620の内壁まで延びている。ワイヤ652’は、中心支持体657の周りに回転し、所望される円形の切断を作製することができる。
【0075】
図7A-Cでは、ワイヤ651、652’の回転は、それぞれ、支持構造683、685の片側から(すなわち、陥凹683b、685bから外に)開始し、支持構造683、685の他側上で終了する。したがって、ワイヤ651、652’は、それぞれ、支持構造683、685によって、完全な環状および円形の切断を作製することを妨げられる。しかしながら、ワイヤ651、652’による切断は、それぞれ、前方部分2aおよび後方部分2bの除去を可能にするために十分である。
【0076】
上記の例示的実施形態の内側および外側ブレードは、実質的に円形の外径を有し得るが、他の実施形態は、他の外径を採用し、異なる形状の切断、例えば、楕円形の切断を作製し得ることを理解されたい。加えて、他の実施形態におけるブレードアセンブリは、非同心の内側および外側切断を作製するように構成され得ることを理解されたい。さらに、他の実施形態におけるブレードアセンブリは、3つ以上のブレードを含み得ることを理解されたい。
【0077】
上記の例示的実装における内側ブレードによって作製される内側切断は、内皮を通して
延びている穿通深度を有し得るが、他の実装は、完全には内皮まで延びない穿通深度を採用し得ることを理解されたい。さらに、上記例示的実施形態のブレードアセンブリは、キノコ形状を有する角膜組織のある体積を除去し得るが、他の実施形態におけるブレードアセンブリは、角膜組織が他の形状に従って除去されることを可能にする切断を作製するように構成され得ることが想定される。
【0078】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態を参照して説明されているが、当業者は、多くの変更が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、それに成され得ることを認識するであろう。これらの実施形態およびそれらの明白な変形例はそれぞれ、本発明の精神および範囲に該当するものと想定される。本開示の側面による追加の実施形態が、本明細書に説明される実施形態のいずれかのものからの任意の数の特徴を組み合わせ得ることも、想定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
【外国語明細書】