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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083546
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】青果物用包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 67/04 20060101AFI20230608BHJP
   B65B 25/04 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
B65B67/04
B65B25/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071083
(22)【出願日】2023-04-24
(62)【分割の表示】P 2019025609の分割
【原出願日】2019-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】391049219
【氏名又は名称】ホリアキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(74)【代理人】
【識別番号】100146503
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 証司
(57)【要約】
【課題】 様々な青果物に対応すべくホッパーの口径を異なるものと交換できるようにしつつ、袋への封入の作業効率を向上させることの可能な青果物用包装装置を提供すること。
【解決手段】上部から投入される青果物を下部に取り付けられた包装袋へ誘導するホッパー2と、ブロア5aによりホッパー2の下部へ向けて風を供給する送風部3とを備え、包装袋は、袋開口部から突出する突出部を有すると共に袋開口部より上方に易切断部を有し、突出部で複数の包装袋を接合して束ねて袋束を形成し、突出部をホッパー2の外面に取り付けて袋開口部をホッパー2の下端に位置させてある構成において、ホッパー2を口径の異なるものと着脱交換可能に構成し、ブロア5aの風力調整用の調整器5bを設けたことにある。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部から投入される青果物を下部に取り付けられた包装袋へ誘導するホッパーと、ブロアにより前記ホッパーの下部へ向けて風を供給する送風部とを備え、前記包装袋は、袋開口部から突出する突出部を有すると共に袋開口部より上方に易切断部を有し、突出部で複数の包装袋を接合して束ねて袋束を形成し、前記突出部を前記ホッパーの外面に取り付けて前記袋開口部を前記ホッパーの下端に位置させてある青果物用包装装置において、
前記ホッパーを口径の異なるものと着脱交換可能に構成し、
前記ブロアの風力調整用の調整器を設けてあり、
前記ホッパーは前記送風部からの風を受ける同送風部側の下端に通気切欠を有すると共に、前記送風部から前記通気切欠近傍に至るまで通気路を形成し、前記通気路より風を横方向にも排出する横開口部を前記通気切欠近傍に設けてある青果物用包装装置。
【請求項2】
前記通気路は、前記送風部から連続して前記ホッパーの一部と共同して筒状空間を形成する幅広垂下部と、前記通気切欠近傍以下に連続する幅狭垂下部とを備え、前記幅狭垂下部と前記ホッパーとの間に横開口部を形成してある請求項1記載の青果物用包装装置。
【請求項3】
前記複数のホッパーのうちの一部において、前記ホッパーのうち作業者側部分は略垂直であり、このホッパー上部の上部開口は前記作業者側部分に向かうに従って下降する傾斜状に形成されている請求項1または2記載の青果物用包装装置。
【請求項4】
前記ホッパーを着脱交換可能とする取付手段は、一対の取付部にそれぞれ少なくとも上下二カ所ずつ形成された通気切欠と、前記送風部近傍の少なくとも4カ所に設けられた固定手段を有し、この通気切欠は上下に沿う長孔と、その下部に通じる横切欠よりなる請求項1~3のいずれかに記載の青果物用包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物用包装装置に関する。さらに詳しくは、上部から投入される青果物を下部に取り付けられた包装袋へ誘導するホッパーと、ブロアにより前記ホッパーの下部へ向けて風を供給する送風部とを備え、前記包装袋は、袋開口部から突出する突出部を有すると共に開口部より上方にと易切断部を有し、突出部で複数の包装袋を接合して束ねて袋束を形成し、前記突出部を前記ホッパーの外面に取り付けて前記袋開口部を前記ホッパーの下端に位置させてある青果物用包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
青果物用包装装置としては、次の特許文献1、2に記載のものが知られている。同文献1の装置によれば、図4,9に示すように、保持部303の係止孔305を1本のピンに貫通させて、袋を支持している。そして、開口302から風が送られて袋が膨らみ、成果物を開口302から袋に投入して、ミシン目304で袋がちぎれて封入が完了する。特許文献2もピンの数は2本であるが同様である。
【0003】
風は強すぎると、袋が斜めに張り出すとともに風で動きが安定しないため、青果物を投入し難い。一方、風が弱すぎると、袋が十分に膨らみ難く、袋が十分に膨らんでいないときに青果物を投入すると、袋と青果物との摩擦で青果物の投入が完了しない前に袋がちぎれてしまう。したがって、作業の効率化のために、青果物の種類に応じてホッパーの口径と風量が固定された専用機とされていた。
【0004】
また、上記袋はミシン目304からちぎれて保持部303が耳として多数残り、袋の開口302に風が入りにくくなるので、上述の不都合が生じやすくなる。したがって、袋の枚数をあまり多く保持できず、作業効率の点で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-168280号公報
【特許文献2】特開2016- 88615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、様々な青果物に対応すべくホッパーの口径を異なるものと交換できるようにしつつ、袋への封入の作業効率を向上させることの可能な青果物用包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る青果物用包装装置の特徴は、上部から投入される青果物を下部に取り付けられた包装袋へ誘導するホッパーと、ブロアにより前記ホッパーの下部へ向けて風を供給する送風部とを備え、前記包装袋は、袋開口部から突出する突出部を有すると共に袋開口部より上方に易切断部を有し、突出部で複数の包装袋を接合して束ねて袋束を形成し、前記突出部を前記ホッパーの外面に取り付けて前記袋開口部を前記ホッパーの下端に位置させてある構成において、前記ホッパーを口径の異なるものと着脱交換可能に構成し、前記ブロアの風力調整用の調整器を設け、前記ホッパーは前記送風部からの風を受ける同送風部側の下端に通気切欠を有すると共に、前記送風部から前記通気切欠近傍に至るまで通気路を形成し、前記通気路より風を横方向にも排出する横開口部を前記通気切欠近傍に設けたことにある。
【0008】
同構成によれば、ホッパーを口径の異なるものと着脱交換可能に構成したので、口径に応じた袋を取り付ける。袋が大きくなると、袋の口径が大きくなって容積も増大するため、袋の開口から迅速に風を供給すべく、風量を増大させることとなる。本発明では、ブロアの風力調整用の調整器を設けたため、調整器により風量を増減させ、袋が迅速に広がるが、青果物投入完了前にちぎれてしまわないように調整することが可能となった。
【0009】
しかも、従来の装置であれば、耳が多数残ると風を供給しづらくなることから、袋の枚数に制限があったが、本発明では、袋の枚数を多くして耳による風の吹き込みが低下しても、これを補うように風量を増加させることで、袋を膨らませることができる。また、このとき、風量を多くしても、耳の遮りで袋の膨らみに余分な時間がかかるために、風量を増やしたことでも、直ちにミシン目に負担がかからないため、その間に青果物を投入して作業を完了させることができるという複合的な効果を発揮する。したがって、袋追加の回数を減らすことができ、効率化に寄与できる。
【0010】
さらに、従来の構造によれば、送風部の近傍、すなわちホッパーの中程からすでに横開口部が形成されて風が横方向に噴出していたため、袋の入り口に風を効率良く到達させることができなかった。同特徴によれば、前記送風部から前記通気切欠近傍に至るまで通気路を形成し、前記通気路より風を横方向にも排出する横開口部を前記通気切欠近傍に設けたので、遙か上部で風が横方向に逃げることなく、風が通気切欠に風が供給される。その結果、通気切欠から袋の開口部が通気切欠に近接して、効率良く風を受けることができる。
【0011】
その結果、袋のちぎれ防止のためと、耳による遮りの問題の低減という2つの観点の微妙な風の調整を行う点が緩和されて、より簡易に風量の調整を行えるようになった。
【0012】
また、前記通気路は、前記送風部から連続して前記ホッパーの一部と共同して筒状空間を形成する幅広垂下部と、前記通気切欠近傍以下に連続する幅狭垂下部とを備え、前記幅狭垂下部と前記ホッパーとの間に横開口部を形成してもよい。
【0013】
同特徴によれば、通気路がホッパーと垂下部とで構成されているため、構造が簡素であり、しかも、横開口部からホッパーの曲面に沿わせて前記通気切欠を中心に風を袋に送り込むことができる。
【0014】
また、前記複数のホッパーのうちの一部において、前記ホッパーのうち作業者側部分は略垂直であり、このホッパー上部の上部開口は前記作業者側部分に向かうに従って下降する傾斜状に形成してもよい。
【0015】
同特徴によれば、ホッパーの口径が大きくなっても、ホッパー上部の上部開口は作業者側に向かうに従って下降する傾斜状に形成されているので、手前から大型の青果物を投入しやすい。青果物は作業者側部分の略垂直な部分に沿って直立して下側に誘導されるので、青果物をより確実に袋に投入することができる。
【0016】
さらに、前記ホッパーを着脱交換可能とする取付手段は、一対の取付部にそれぞれ少なくとも上下二カ所ずつ形成された切欠部と、前記送風部近傍の少なくとも4カ所に設けられた締結手段を有し、この切欠部は上下に沿う長孔と、その下部に通じる横切欠よりなるものとするとよい。
【0017】
同特徴によれば、上下左右の少なくとも合計四カ所でホッパーは締結される。このとき、切欠部は横切欠で迅速に装着でき、長孔で自重により抜けの無い状態に安定するため、上述の傾斜等を確実に保持できて、ホッパーの着脱交換の迅速化とその機能をより確実の発揮できるようになった。
【発明の効果】
【0018】
上記本発明に係る青果物用包装装置の特徴によれば、様々な青果物に対応すべくホッパーの口径を異なるものと交換できるようにしつつ、袋への封入の作業効率を向上させることの可能な青果物用包装装置を提供し得るに至った。
【0019】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一の実施形態に係る青果物包装装置の分解斜視図である。
図2図1の側面図である。
図3】小口径ホッパーを示し、(a)は側面図、(b)は背面図、(c)は底面図である。
図4】大口径ホッパーを示し、(a)は側面図、(b)は背面図、(c)は底面図である。
図5図1の青果物包装装置に装着する包装袋を示す図であり、(a)は包装袋の部分拡大平面図、(b)は(a)のA-A線断面図、(c)は包装袋が開口した状態の(b)相当図である。
図6図1の青果物包装装置の斜視図であり、(a)は包装袋をホッパーに掛止させた状態、(b)は包装袋を支持具で押圧し風を供給した状態を示す。
図7】ホッパーの通気切欠近傍における縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図1~7を参照しながら、本発明の実施形態をさらに詳しく説明する。
本発明に係る青果物包装装置1は、図2,6に示すように、上部21から投入される青果物Vを下部22に取り付けられた包装袋10へ誘導するホッパー2と、ホッパー2の下部22へ向けて気体としての風(気流、空気)を送る送風部3とを備える。送風部3は装置本体部4と内部で連通し、装置本体部4に内蔵された送風手段5によって吸気口6から取り込んだ風が供給送風される。また、送風部3の下方には、包装袋10をホッパー2の下端近傍でホッパー2へ向けて押圧する支持具40が設けられている。
【0022】
本実施形態において、投入される青果物Vとしては、例えば、ニラ、青ネギや白ネギ等の長尺の青果物や、ほうれん草、青梗菜などの葉物が挙げられる。係る場合、青果物包装装置1は、例えば三脚100A等によって所定高さに設置されるほか、固定板7を利用してテーブル等に取り付けられる。
【0023】
包装袋10は、図5に示すように、袋開口部10aから突出する突出部11aと、本実施形態では、短冊状の第一フィルム11及び第二フィルム12をその周縁部で溶着して袋状に形成している。また、第一フィルム11を第二フィルム12よりも長く形成することで、第一フィルム11に袋開口部10aより突出する突出部11aを一体に形成する。突出部11aには、ホッパー2の取付ピン25に貫通させる一対の貫通孔14と、袋開口部10a近傍に易切断部としてのミシン目15が形成されている。なお、第一、第二フィルム11,12の材質は特に限定されるものではないが、本実施形態では、例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いる。
【0024】
各包装袋10は複数枚が突出部11aで融着されて、包装袋束10xを形成する。装袋束10xは、ミシン目15で袋がちぎれると、突出部11aは積層して耳部11axとして残り、風Bの袋開口部10aへの通風の妨げとなる。本発明はこの点の解消を目的とする。
【0025】
送風部3は、図1,2に示すように、吸気口6から空気を取り込み送風手段5のブロア5aにより放出口31から空気Bを下部に向けて放出し、この放出口31と装置本体部4とを連通させる連通部32を備えている。送風手段5の調整器5bはブロア5aのモーター等と接続される可変抵抗器であり、ノブ5b1を回動させることにより抵抗値を変更させて、ブロア5aの送風量を調整する。連通部32の側面32aには、後述の固定手段24aを螺合させるねじ孔33が形成されている。また、送風部3には、鉛直方向Zに沿って垂下する板状の垂下部34が設けられている。
【0026】
ホッパー2は、図2,3に示すように、上部21から下部22へ向かうに従い漸次窄まる円筒形状を呈する。上部21には、上開口部21a及び外周面20の一部が切り欠けられた略方形の切欠部23が形成され、その幅方向の両側には板状の取付部24が一対設けられている。この取付部24は例えばねじやボルト等の固定手段24aによって送風部3の側面32aに取り付けられ、切欠部23を介して送風部3から送風された風Bが包装袋10へ供給される。また、ホッパー2の外周面20には、包装袋10を取り付ける一対の取付ピン25が立設されている。
【0027】
ホッパー2は口径の違うものが着脱交換により適宜選択され用いられる。小口径ホッパー2Aには長尺の青果物が、大口径ホッパー2Bには葉物などが用いられ、口径に合わせて袋のサイズも変更される。
【0028】
ホッパー2(2A,2B)は、ホッパー下部のうち送風部側部分22aは前記ホッパー下部のうち作業者側部分22bよりもこの下部外側部22bに近接する側に傾斜しており、送風部3からの風を受ける送風部側部分22aの下端に通気切欠28を有する。また、同側の外側面に前記袋束の耳部を貫通支持するための2本の取り付けピンを有する。そして、送風部側部分22aの湾曲に耳部11axを沿わせ、後述の支持具により押さえることにより取り付けてある。
【0029】
風Bを送風手段5の放出口31から先の通風切欠28まで誘導する通気路Wは、ホッパー2の通風部側部分20aと垂下部34a、34bにより構成されている。幅広垂下部34aはホッパー2の通風部側部分20aと共同して筒状の通気路を形成し、さらに通気切欠28近傍に幅狭垂下部34bを備えている。幅狭垂下部34bとホッパー2の通風部側部分20aとの間に横開口部34cを形成している。横開口部34cは下方への風の供給と同時に横方向への風の供給を行い、ホッパー全体に風Bを供給する。従来は図3の範囲L1が幅広垂下部であり、それ以下の範囲L2が幅狭垂下部で、横方向への風の周りが放出口31近くから行われ、先の通風切欠28まで十分風が到達しなかった。本願では、図3の範囲L3が幅広垂下部34aであり、それ以下の範囲L2が幅狭垂下部34bで、横方向への風の周りが先の通風切欠28の近くで行われるため、通風切欠28まで十分風が到達することとなった。
【0030】
支持具40は、図1~3,6に示すように、装置本体部4にその一端が弾性部材等を介して回転固定された棒状部43に、上支持体41と下支持体42とを備えてなる。上支持体41は、ホッパー2の外周面20を迂回して、二股の先端の折り曲げられた角部に押圧部41a,41aを有する。そして、この2カ所の押圧部41a,41aで、先の耳部11axの横端近傍の2カ所P、Pをミシン目15近傍で押圧することで、上記耳部11axの密着を実現している。下支持体42の先端部も袋10の傾斜方向に沿うように押圧部42aが設けられ、押圧部42aが袋10の円弧の外側を軽く押すことで、先の耳部11axの密着を補助する。
【0031】
ホッパーを着脱交換可能とする取付手段は、一対の取付部24にそれぞれ少なくとも上下二カ所ずつ形成された切欠部24bと、送風部近傍の4カ所に設けられた先のねじ孔33に螺合されたねじ、ボルト等の固定手段24aとを有する。この切欠部24bは上下に沿う長孔24b1と、その下部に通じる横切欠24b2よりなる。
【0032】
図4に示す大口径ホッパー2Bにおいて、このホッパー上部21の上部開口21aは作業者側部分22bに向かうに従って下降する傾斜状に形成されている。図3に示す小口径ホッパー2Aはねぎ等の長尺の青果物なので、上部開口21aはほぼ水平でも投入に支障はない。大口径ホッパー2Bはほうれん草などの大型の葉物を投入するので、この上部開口21aの傾斜によって、投入が容易となり、しかも、作業者側部分22b及びその上部はほぼ垂直なので、投入物を立てて落下させることが容易となる。
【0033】
各ホッパー2には、青果物Vをホッパー2から袋10へ誘導するための1枚の大フラップ71と2枚の小フラップ72とを有している。ホッパー2には、1つの第1スリット26と、2つの第2スリット27が形成されており、それぞれのスリット26,27に大フラップ71と小フラップ72とが差し込まれている。大フラップ71は、本体71a及びウエイト71bの間に段差のあるネック71cを有している。また、小フラップ72は、本体72a及びウエイト72bの間に部分的にくびれた切込72cを有している。本体71a,72aはいずれもウエイト71b,72bで常時持ち上げられているが、青果物Vとの接触で揺動下降して袋との間の橋渡しとなる。ネック71c及び切込72cは、いずれも両フラップ71,72のスリット26,27からの脱落を防止する。
【0034】
ここで、図1~3,6、7を参照しながら青果物Vの包装工程について説明する。
まず、図6(a)に示すように、支持具40をホッパー2から離隔させた状態で、複数枚の包装袋束10xを突出部11aの貫通孔14を介してホッパー2の取付ピン25にそれぞれ掛止させて取り付ける。この時、包装袋10は第一フィルム11によって鉛直方向Zに吊り下げられ、袋開口部10aはホッパー2の下開口部の直下に位置する。ここで、包装袋10をホッパー2の外周面20のうち送風部側部分22aに密着して沿うように傾斜させて、同図(b)に示すように、支持具40をホッパー2側へ回転駆動させる。これにより、上支持体41がホッパー2の下部22で包装袋束10xの耳部11axの端に近い部分P,Pを、先の押圧部41a,41aを送風部側部分22aに押圧して保持する。P,P間の内側にもさらに押圧部を設けてもよい。
【0035】
次に、青果物包装装置1の電源を入れ、風Bを送風手段5のブロア5aにより送風部3へ供給し、放出口31からホッパー2の下部22へ向けて放出する。ホッパーの下部22、耳部11ax,袋開口部10a及びミシン目15の関係は図7のようになる。通気切欠28を設け、しかも、通気路は、送風部3の放出口31から連続してホッパーの一部と共同して筒状空間を形成する幅広垂下部34aと、通気切欠28近傍以下に連続する幅狭垂下部34bとを備え、幅狭垂下部34bとホッパー2との間に横開口部34cを形成してあるため、図7に示すように、風Bは袋開口部10aに容易に吹き込み、包装袋10は斜めに傾斜して膨らむこととなる。
【0036】
そして、図2図6(b)に示すように、作業者が青果物Vをホッパー2の上部21から投入(落下)すると、青果物Vはホッパー2によって鉛直方向Zに誘導される。ホッパー2の下部22直下では、風Bにより袋開口部10aが開口しており、先の両フラップ71,72で誘導されるので、青果物Vを包装袋10、スムースに充填することができる。そして、青果物Vの重さにより、包装袋10はミシン目15で切断されると共に風Bによって、次の包装袋10が開口される。このように、作業者はホッパー2の上部21から青果物Vを投入すれば、投入された青果物Vはほぼ自動的に包装袋10へ投入され、包装が完了する。
【0037】
図7に示すように、包装袋10を多枚数セットした状態で包装袋10が多数離脱すると、耳部11axが大きくなり、風Bが袋開口部10aに吹き込みにくくなる。この場合、調整器5bによりブロア5aの風量を増大させればよい。但し、通気切欠28を設け、しかも、先の横開口部34cが通気切欠28に近接するため、より袋開口部10aに風が入りやすくなり、調整の微妙な調整から解放される。また、包装袋10がいったん膨らみ始めると、その風力により斜めの姿勢は維持されて、上記耳部11axの密着も維持されることとなる。
【0038】
ホッパ-2の交換に際しては、図1に示す固定手段24aを緩めて小口径ホッパー2Aを離脱させる。そして、大口径ホッパー2Bの切欠部24bのうち、横切欠24b2から固定手段24aに近接させてホッパー2全体を押し込み、上下に沿う長孔24b1の上部まで自重でスライドさせ、固定手段24aを締めることで交換が迅速に完了する。その後、調整器5bの調整により、大口径ホッパー2Bの口径に適した風量に調整すればよい。
【0039】
次に、本発明の他の実施形態の可能性について言及する。
上記実施形態では、2カ所の押圧部41a,41aで、先の耳部11axの横端近傍の2カ所P、Pをミシン目15の上側で押圧した。しかし、同ミシン目15の近傍でミシン目15の切断に影響しなければ、ミシン目15の下で包装袋束10xを横端近傍の2カ所で押圧してもよい。
上記実施形態では固定手段24aをねじやボルトで構成したが、バネ機構により同部分を構成してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明の要素が種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、青果物用包装装置のほか、青果物以外の長尺物、葉状物、塊状物等の包装に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1,1':青果物包装装置、2:ホッパー、2A:小口径ホッパー、2B:大口径ホッパー、3:送風部、4:装置本体部、5:送風手段、5a:ブロア、5b:調整器、5b1:ノブ、6:吸気口、7:固定板、10,10':包装袋、10x:包装袋束、10a:袋開口部、10b:内面、11:第一フィルム、11a:突出部、11ax:耳部、12:第二フィルム、14:貫通孔、15:ミシン目、20:外周面、21:上部、21a:上開口部、22:下部、22a:送風部側部分、22b:作業者側部分、23:切欠部、24:取付部、24a:固定手段(ねじ、ボルト)、24b:切欠部、25:取付ピン、26:第1スリット、27:第2スリット、28:通気切欠、31:放出口、32:連通部、32a:側面、33:ねじ孔、34:垂下部、34a:幅広垂下部、34b:幅狭垂下部、34c:横開口部、34':突出部、40:支持具、41:上支持体、41a:押圧部、42:下支持体、42a:押圧部、43:棒状部、50:袋保持部材、51:載置部、51a:突起部、51b:切欠部、51z:直線側部、52:挟持部、52a:切欠部、52b:取付部、52c:固定手段、52z:直線側部、53:連結部、60:分散部材、60a:開口、61:本体部、62:折曲部、63:斜面、64:隙間、71:大フラップ、71a:本体、71b:ウエイト、71c:ネック、72:小フラップ、72a:本体、72b:ウエイト、72c:切込、B:風(気流)、V:青果物、W:通気路、X:水平方向、Z:鉛直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部から投入される青果物を下部に取り付けられた包装袋へ誘導するホッパーと、ブロアにより前記ホッパーの下部へ向けて風を供給する送風部とを備え、前記包装袋は、袋開口部から突出する突出部を有すると共に袋開口部より上方に易切断部を有し、突出部で複数の包装袋を接合して束ねて袋束を形成し、前記突出部を前記ホッパーの外面に取り付けて前記袋開口部を前記ホッパーの下端に位置させてある青果物用包装装置において、
前記ホッパーを口径の異なるものと着脱交換可能に構成し、
前記ホッパー下部のうち送風部側部分は前記ホッパー下部のうち作業者側部分よりもこの作業者側部分に近接する側に傾斜しており、
前記ホッパーは前記送風部からの風を受ける同送風部側の下端に通気切欠を有すると共に、前記ホッパー内に垂下部を設けることで前記送風部から前記通気切欠近傍に至るまで通気路を形成し、前記通気路より風を横方向にも排出する横開口部を前記通気切欠近傍に設けてある青果物用包装装置。
【請求項2】
前記通気路は、前記送風部から連続して前記ホッパーの一部と共同して筒状空間を形成する幅広垂下部と、前記通気切欠近傍以下に連続する幅狭垂下部とを備え、前記幅狭垂下部と前記ホッパーとの間に横開口部を形成してある請求項1記載の青果物用包装装置。
【請求項3】
前記複数のホッパーのうちの一部において、前記ホッパーのうち作業者側部分は略垂直であり、このホッパー上部の上部開口は前記作業者側部分に向かうに従って下降する傾斜状に形成されている請求項1または2記載の青果物用包装装置。
【請求項4】
前記ホッパーを着脱交換可能とする取付手段は、一対の取付部にそれぞれ少なくとも上下二カ所ずつ形成された切欠部と、前記送風部近傍の少なくとも4カ所に設けられた固定手段を有し、この切欠部は上下に沿う長孔と、その下部に通じる横切欠よりなる請求項1~3のいずれかに記載の青果物用包装装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る青果物用包装装置の特徴は、上部から投入される青果物を下部に取り付けられた包装袋へ誘導するホッパーと、ブロアにより前記ホッパーの下部へ向けて風を供給する送風部とを備え、前記包装袋は、袋開口部から突出する突出部を有すると共に袋開口部より上方に易切断部を有し、突出部で複数の包装袋を接合して束ねて袋束を形成し、前記突出部を前記ホッパーの外面に取り付けて前記袋開口部を前記ホッパーの下端に位置させてある構成において、前記ホッパーを口径の異なるものと着脱交換可能に構成し、前記ホッパー下部のうち送風部側部分は前記ホッパー下部のうち作業者側部分よりもこの作業者側部分に近接する側に傾斜しており、前記ホッパーは前記送風部からの風を受ける同送風部側の下端に通気切欠を有すると共に、前記ホッパー内に垂下部を設けることで前記送風部から前記通気切欠近傍に至るまで通気路を形成し、前記通気路より風を横方向にも排出する横開口部を前記通気切欠近傍に設けたことにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
ホッパー2(2A,2B)において、ホッパー下部のうち送風部側部分22aは前記ホッパー下部のうち作業者側部分22bよりもこの作業者側部分22bに近接する側に傾斜しており、送風部3からの風を受ける送風部側部分22aの下端に通気切欠28を有する。また、同側の外側面に前記袋束の耳部を貫通支持するための2本の取り付けピンを有する。そして、送風部側部分22aの湾曲に耳部11axを沿わせ、後述の支持具により押さえることにより取り付けてある。