(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083564
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】ゲームシステムおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230608BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20230608BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20230608BHJP
A63F 13/803 20140101ALN20230608BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/58
A63F13/85
A63F13/803
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071541
(22)【出願日】2023-04-25
(62)【分割の表示】P 2018206845の分割
【原出願日】2018-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】菅野 衛
(57)【要約】
【課題】ゲーム内における立場が変わったプレイヤのゲーム継続意欲を維持させやすくすること。
【解決手段】ゲームシステムは、ゲームの進捗にともなって更新される1以上のパラメータがプレイヤに対応づけられるゲームを実行するゲーム制御部と、ゲームの継続中においてプレイ条件が変更されたとき、プレイヤに優遇を与える優遇部を備える。複数のパラメータには、プレイ条件の変更後も引き継がれる第1パラメータと、プレイ条件の変更後には引き継がれない第2パラメータが含まれており、優遇部は、プレイヤに第2パラメータが対応づけられている場合には、プレイ条件の変更にともなってプレイヤに優遇を与える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進捗にともなって更新される1以上のパラメータがプレイヤに対応づけられるゲームを実行するゲーム制御部と、
ゲームの継続中においてプレイ条件が変更されたとき、プレイヤに優遇を与える優遇部と、を備え、
複数のパラメータには、前記プレイ条件の変更後も引き継がれる第1パラメータと、前記プレイ条件の変更後には引き継がれない第2パラメータが含まれており、
前記優遇部は、プレイヤに前記第2パラメータが対応づけられている場合には、前記プレイ条件の変更にともなって前記プレイヤに優遇を与える、ゲームシステム。
【請求項2】
ゲームの進捗にともなって更新される1以上のパラメータがプレイヤに対応づけられるゲームを実行するゲーム制御部と、
ゲームの継続中においてプレイ条件が変更されたとき、プレイヤに優遇を与える優遇部と、を備え、
複数のパラメータには、前記プレイ条件の変更後も引き継がれる第1パラメータと、前記プレイ条件の変更後には引き継がれない第2パラメータが含まれており、
前記優遇部は、プレイヤに前記第1パラメータが対応づけられている場合には、前記プレイ条件の変更にともなって前記プレイヤに優遇を与える、ゲームシステム。
【請求項3】
前記優遇部は、前記第2パラメータが前記プレイヤに対応づけられているとき、前記プレイヤに対応づけられた第2パラメータの種類に応じて前記プレイヤへの優遇を変化させる、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記優遇部は、前記第1パラメータが前記プレイヤに対応づけられているとき、前記プレイヤに対応づけられた第1パラメータの種類に応じて前記プレイヤへの優遇を変化させる、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記優遇部は、前記プレイ条件の変更が前記プレイヤの所属グループの変更に該当する場合に優遇を行う、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記優遇部は、前記プレイ条件の変更が前記プレイヤの所属グループの消滅に該当する場合に優遇を行う、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項7】
ゲームの進捗にともなって更新される1以上のパラメータがプレイヤに対応づけられるゲームを実行する機能と、
ゲームの継続中においてプレイ条件が変更されたとき、プレイヤに優遇を与える機能と、を発揮させ、
複数のパラメータには、前記プレイ条件の変更後も引き継がれる第1パラメータと、前記プレイ条件の変更後には引き継がれない第2パラメータが含まれており、
プレイヤに前記第2パラメータが対応づけられている場合には、前記プレイ条件の変更にともなって前記プレイヤに優遇を与える、コンピュータプログラム。
【請求項8】
ゲームの進捗にともなって更新される1以上のパラメータがプレイヤに対応づけられるゲームを実行する機能と、
ゲームの継続中においてプレイ条件が変更されたとき、プレイヤに優遇を与える機能と、を発揮させ、
複数のパラメータには、前記プレイ条件の変更後も引き継がれる第1パラメータと、前記プレイ条件の変更後には引き継がれない第2パラメータが含まれており、
プレイヤに前記第1パラメータが対応づけられている場合には、前記プレイ条件の変更にともなって前記プレイヤに優遇を与える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムおよびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば従来のゲーム成績評価方法では、ゲームを行うプレイヤについての複数のランクを設定し、ランク毎に1以上のプレイヤからなる複数のチームを編成し、チーム対抗の団体戦を行うものがある。そして、団体戦の結果に基づき、チーム及びプレイヤのランクが更新される。団体戦の結果を決める元となるチーム成績は、チーム内プレイヤのゲーム成績の累積である。チーム成績の決定及びランクの更新は、所定期間T、例えば1月毎に行う。所定期間Tが経過すると、全プレイヤのランクが更新され、全てのチームが再編成される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のチームのように、複数のグループ(チーム)のいずれかにプレイヤが所属してゲームをプレイするゲームシステムは一般的である。このようなゲームシステムにおいては、プレイヤの所属グループが変わる場合がある。たとえば、プレイヤが今後のゲーム展開を考え、より優勢な立場に立つために所属グループを変える場合や、何らかの理由で所属グループが消滅したため、プレイヤが所属グループを変えざるを得ない場合などがある。
【0005】
このように何らかの形で所属グループが変わる場合、今までの所属グループにおけるプレイヤの立場はリセットされる。言い換えれば、特定のグループに所属することで蓄積したプレイヤの資産は失われる。このようにしてプレイヤの資産が失われる場合、プレイヤのゲームの継続意欲を維持するための措置を行うことが望ましい。
【0006】
本発明は、上記背景に鑑みて完成された発明であり、その主たる目的は、プレイヤがゲーム内における立場を変更するときであっても、プレイヤのゲームの継続意欲を維持するための技術、を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様におけるゲームシステムは、ゲームの進捗にともなって更新される1以上のパラメータがプレイヤに対応づけられるゲームを実行するゲーム制御部と、ゲームの継続中においてプレイ条件が変更されたとき、プレイヤに優遇を与える優遇部と、を備え、複数のパラメータには、プレイ条件の変更後も引き継がれる第1パラメータと、プレイ条件の変更後には引き継がれない第2パラメータが含まれており、優遇部は、プレイヤに第2パラメータが対応づけられている場合には、プレイ条件の変更にともなってプレイヤに優遇を与える。
【0008】
本発明のある態様におけるゲームシステムは、ゲームの進捗にともなって更新される1以上のパラメータがプレイヤに対応づけられるゲームを実行するゲーム制御部と、ゲームの継続中においてプレイ条件が変更されたとき、プレイヤに優遇を与える優遇部と、を備え、複数のパラメータには、プレイ条件の変更後も引き継がれる第1パラメータと、プレイ条件の変更後には引き継がれない第2パラメータが含まれており、優遇部は、プレイヤに第1パラメータが対応づけられている場合には、プレイ条件の変更にともなってプレイヤに優遇を与える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ゲーム内における立場が変わったプレイヤのゲーム継続意欲を維持させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係るゲーム装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係るゲームシステムの一例の処理ブロック図である。
【
図5】チーム情報記憶部に記憶されたチーム情報の一例の構成図である。
【
図6】プレイヤ情報記憶部に記憶されたプレイヤ情報の一例の構成図である。
【
図7】本実施形態に係る所属チームの引き継ぎ処理を実行するゲームシステムの一例のフローチャートである。
【
図8】同一チームへの引き継ぎ処理の一例のフローチャートである。
【
図9】引き継ぎ告知画面の一例のイメージ図である。
【
図10】マシンパフォーマンス画面の一例のイメージ図である。
【
図11】追加チームへの引き継ぎ処理の一例のフローチャートである。
【
図12】引き継ぎ告知画面の一例のイメージ図である。
【
図13】マシンパフォーマンス画面の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態ではプレイヤがパラメータを引き継ぎながらプレイするゲームの一例として、複数のチームの何れかにプレイヤがドライバとして所属するドライビングレースゲームを例に説明する。また、プレイヤが所属可能な複数のチームは、シーズン終了後に入れ替えの対象となる可能性があるものとする。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの一例の構成図である。ゲームシステム1はサーバ装置10がインターネット等のネットワーク20を介して、例えばアミューズメント施設など、各地の店舗14のLANなどのネットワーク22に接続されている。各地の店舗14には1台以上のゲーム装置12が設置されている。ゲーム装置12は店舗14のネットワーク22に接続されている。なお、
図1のゲームシステム1は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えばサーバ装置10は複数のコンピュータに分散して構成してもよい。
【0012】
サーバ装置10はゲーム装置12においてゲームを行うプレイヤの情報、プレイヤによるゲームのリザルト情報、プレイヤが所属可能なチームの情報等を管理する。サーバ装置10は管理している情報に基づき、シーズン終了後の次シーズン(次年度)のチームの情報への更新や、プレイヤの次シーズンのチームへの引き継ぎ処理なども行う。
【0013】
ゲーム装置12はプレイヤがドライビングレースゲームを行う装置(ドライブ筐体)である。ゲーム装置12は、例えば操作ユニット、座席ユニット、画像表示ユニットなどを備えている。なお、ゲーム装置12は店舗14などに設置される業務用のゲーム専用機器に限定されるものではなく、PC、スマートフォン、タブレット、家庭用のゲーム専用機器などであってもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
図1のサーバ装置10は、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
図2は、本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0015】
図2のコンピュータは、入力装置501、出力装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、及びHDD508などを備えており、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び出力装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0016】
入力装置501はプレイヤが各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどである。出力装置502は、画面を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ、音声や音楽などの音データを出力するスピーカ等で構成されている。通信I/F507はコンピュータをネットワーク20に接続するインターフェースである。これによりコンピュータは通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0017】
また、HDD508はプログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータにはコンピュータ全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。
【0018】
なお、コンピュータはHDD508に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0019】
外部I/F503は、外部装置とのインターフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0020】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータの起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0021】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理(出力装置502に出力する画像や音声などを生成する処理も含む)を実行することで、コンピュータ全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0022】
本実施形態に係るサーバ装置10は上記したハードウェア構成のコンピュータにおいてプログラムを実行することにより後述するような各種処理を実現できる。
【0023】
また、
図1のゲーム装置12は、例えば
図3に示すようなハードウェア構成により実現される。
図3は、本実施形態に係るゲーム装置の一例のハードウェア構成図である。
【0024】
ゲーム装置12は装置全体を制御するコンピュータ650を含む。また、ゲーム装置12はコンピュータ650に接続される操作ユニット600、画像表示ユニット610、サウンドユニット620、及びIOボード640を含む。さらに、ゲーム装置12は、コンピュータ650に接続されるICカードユニット660、コイン投入ユニット670及び通信ユニット680を含む。
【0025】
操作ユニット600はプレイヤがゲーム操作を行うためのものである。操作ユニット600は例えばステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバーなどの操作部を備えており、その操作部の操作内容や操作量を例えばセンサーなどにより検出する。画像表示ユニット610はゲーム画面を表示するためのものである。サウンドユニット620は例えばアンプ及びスピーカを含む構成である。サウンドユニット620はゲームサウンドを出力するためのものである。
【0026】
IOボード640には、例えば冷陰極管631、蛍光灯632及びLEDなどのランプ633等の各種の照明630が接続される。例えば照明630は、ゲームの場面に応じた演出として所定の点灯・点滅動作を行うように制御される。
【0027】
また、ゲーム装置12は、ICカードユニット660およびコイン投入ユニット670を有する。ICカードユニット660は、情報記憶媒体であるICカードの情報を読み書きするICカードリーダライタ661を含む。プレイヤがICカードユニット660にICカードをかざす等してICカード情報を読み込ませると、ゲーム装置12は、そのICカード情報に紐付くプレイヤ情報をサーバ装置10から取得する。このように、ゲーム装置12はゲームを行うプレイヤを特定できる。
【0028】
コイン投入ユニット670は、ゲームプレイ料金の投入機構である。通信ユニット680はゲーム装置12をネットワーク22に接続するインターフェースである。これによりゲーム装置12は通信ユニット680を介してデータ通信を行うことができる。
【0029】
<ソフトウェア構成>
《処理ブロック》
本実施形態に係るゲームシステム1のソフトウェア構成について説明する。
図4は本実施形態に係るゲームシステムの一例の処理ブロック図である。サーバ装置10はサーバプログラムを実行することにより、プレイヤ管理部30、引き継ぎ部32、チーム管理部34、チーム情報記憶部36及びプレイヤ情報記憶部38を実現する。また、ゲーム装置12はクライアントプログラムを実行することにより、ゲーム制御部40、モード選択受付部42、チーム選択受付部44及びゲーム実行部46を実現する。
【0030】
プレイヤ管理部30はプレイヤ情報記憶部38に記憶されているプレイヤに関する情報の管理を行う。チーム管理部34はチーム情報記憶部36に記憶されているチームに関する情報の管理を行う。引き継ぎ部32はシーズン終了後にプレイヤの所属チームを前年度のチームから次年度のチームに変更する引き継ぎ処理を行う。
【0031】
引き継ぎ部32は判定部50及び変更部52を有する。判定部50はプレイヤの前年度の所属チームが入れ替えの対象(次年度から消失する消失チーム)であるか否かを判定する。変更部52は、後述するように、前年度の所属チームが消失チームであるプレイヤと消失チームでないプレイヤとで異なる引き継ぎ処理を行う。なお、チームが消失するとは、例えば、一定期間チーム間で対戦を行った結果、成績に応じて解散するチームをゲームシステムが選出する場合や、現実の世界に存在するチームのスポンサーが撤退することによってチームが解散(消滅)し、対応するゲーム内のチームも解散(消滅)する場合等が考えられる。
【0032】
ゲーム制御部40はプレイヤのICカードから読み取ったICカードの情報であるICカード情報と、コイン投入ユニット670に投入されたコインの情報であるクレジット情報と、が通知される。ゲーム制御部40はゲームプレイ料金が投入されたことを示すクレジット情報が通知されるとゲームを開始する。また、ゲーム制御部40はICカード情報が通知されると、そのICカード情報に紐付くプレイヤ情報をサーバ装置10から取得することで、ゲームを行うプレイヤを特定する。
【0033】
モード選択受付部42は、一人用、対戦又はチーム変更のモードなど、ゲームのモードの選択をプレイヤから受け付ける。チーム変更のモードは、プレイヤがドライバとして所属したい上位クラスのチームを変更先として指定し、そのチームへの変更を実現するための試験を必要に応じて受けるモードである。試験と言う呼び名は一例であって、トライアウトなどの他の呼び方であってもよい。
【0034】
チーム選択受付部44はプレイヤから変更先のチームの選択を受け付ける。ゲーム実行部46はゲーム画面の表示、ゲームサウンドの出力、照明630の点灯・点滅動作を制御してプレイヤにドライビングレースゲームを実行させ、リザルト情報としてコースの走破時間(ラップ)及びレース順位を取得する。
【0035】
図5はチーム情報記憶部に記憶されたチーム情報の一例の構成図である。
図5のチーム情報は、チーム名、クラス、車両、クラス内でさらに細分化されたサブクラス、シーズンなどの項目を有する。
【0036】
チーム名はチームの名称である。クラスは、そのチームが分類されている階級を表すものである。例えば項目「クラス」には、一定以上に高性能に設定された車種が参加する速いクラスと、一定以下に性能が制限された車種が参加する遅いクラスとが登録される。車両は、そのチームに所属したプレイヤが使用できる車種を表す。シーズンは、そのチーム情報を使用するシーズン(年度)を表している。
【0037】
図6はプレイヤ情報記憶部に記憶されたプレイヤ情報の一例の構成図である。
図6のプレイヤ情報はICカード情報、ドライバレベル、所属チーム名、継続所属回数、サポータ数、チームレベル、マシンパフォーマンス、リザルト情報、最高記録(ベストタイムや順位等)などの項目を有する。
【0038】
ICカード情報はプレイヤのICカードから読み取り可能な一意な情報である。このICカード情報により、
図6のプレイヤ情報とICカードから読み取り可能なICカード情報とが紐付けられている。
【0039】
ドライバレベルは、プレイヤが行ったゲームのリザルトにより上昇するプレイヤのドライバとしてのレベルを表している。所属チーム名は、プレイヤが現在所属しているチームのチーム名である。継続所属回数はプレイヤが現在所属しているチームに何シーズン継続して所属しているかを示している。なお、継続所属回数は所属するチームが変わった時点でリセットされる。
【0040】
サポータ数はチームを応援するサポータの人数であり、例えばプレイヤが実行したドライビングレースゲームのリザルトによって増加する。チームレベルはチームの成熟度を表す値であって、例えばプレイヤが実行したドライビングレースゲームのリザルトによって上昇する。また、マシンパフォーマンスは車両の性能(エンジン、空力、サスペンション等)を表す値であって、例えばプレイヤが実行したドライビングレースゲームのリザルトによって上昇する。サポータ数、チームレベル及びマシンパフォーマンスはプレイヤ毎の値であって、同一チームであってもプレイヤが異なれば値が異なる。
【0041】
リザルト情報は、シーズン中にプレイヤが実行したドライビングレースゲームのリザルトを記録している。最高記録は、これまでのシーズンにおいてプレイヤが実行したドライビングレースゲームのリザルトとしてベストの走破時間及びレース順位を記録している。
【0042】
なお、
図5に示したチーム情報はグループのパラメータの一例である。
図6のプレイヤ情報に含まれるICカード情報、ドライバレベル、リザルト情報、最高記録(ベストタイムや順位等)は、グループに関係しないプレイヤのパラメータの一例である。
図6のプレイヤ情報に含まれる所属チーム名、継続所属回数、サポータ数、チームレベル、マシンパフォーマンスは、グループに関係するプレイヤのパラメータの一例である。また、マシンパフォーマンスはゲームのパフォーマンスに係るパラメータの一例である。
【0043】
<処理>
《所属チームの引き継ぎ処理》
図7は本実施形態に係る所属チームの引き継ぎ処理を実行するゲームシステムの一例のフローチャートである。所属チームの引き継ぎ処理は、例えばシーズン終了後、プレイヤが最初に行うゲームで実行される。
【0044】
ゲーム装置12のゲーム制御部40はゲームの開始時、ゲームを行うプレイヤのプレイヤ情報を参照し、今回のゲームが、そのプレイヤによるシーズン終了後の初めてのゲームであるか否かをステップS11で判定する。そのプレイヤによるシーズン終了後の初めてのゲームでなければステップS15に進み、ゲーム制御部40はプレイヤから選択されたモードのゲームを行う通常ゲームに進む。
【0045】
一方、そのプレイヤによるシーズン終了後の初めてのゲームであれば、ゲーム制御部40は所属チームの引き継ぎ処理をサーバ装置10に要求する。サーバ装置10の引き継ぎ部32は所属チームの引き継ぎ処理の要求を受信する。ステップS12において引き継ぎ部32の判定部50はゲームを行うプレイヤの前年度の所属チームが消失チームであるか否かを、新年度のチーム情報と
図6のプレイヤ情報の「所属チーム名」とを比較して判定する。例えば判定部50は新年度のチーム情報にプレイヤ情報の「所属チーム名」が含まれていれば、前年度の所属チームが消失チームでないと判定する。また、判定部50は新年度のチーム情報にプレイヤ情報の「所属チーム名」が含まれていなければ、前年度の所属チームが消失チームであると判定する。
【0046】
ゲームを行うプレイヤの前年度の所属チームが消失チームでなければ、引き継ぎ部32の変更部52はステップS13において前年度の所属チーム(同一チーム)への引き継ぎ処理を行ったあと、ステップS15の通常ゲームに進む。なお、同一チームへの引き継ぎ処理の詳細は後述する。
【0047】
ゲームを行うプレイヤの前年度の所属チームが消失チームであれば、引き継ぎ部32の変更部52はステップS14において次年度から追加する追加チーム(消失チームの代わりに追加されたチーム)への引き継ぎ処理を行ったあと、ステップS15の通常ゲームに進む。なお、追加チームへの引き継ぎ処理の詳細は後述する。なお、消失チームと新たな追加チームの数は必ずしも一致している必要はなく、消失チームAのプレイヤ1は追加チームXに引き継ぎを行い、同じく消失チームAのプレイヤ2は追加チームYに引き継ぎを行うことも考えられる。
【0048】
《S13:同一チームへの引き継ぎ処理》
図8は同一チームへの引き継ぎ処理の一例のフローチャートである。引き継ぎ部32の変更部52はステップS21においてプレイヤ情報のチームレベル、マシンパフォーマンスを前年度(旧年度)のマシンパフォーマンスに応じて更新する。ステップS22において変更部52は新年度が開始されたため、旧年度のリザルトであるプレイヤ情報のリザルト情報をリセットする。
【0049】
ここまでの処理が、引き継ぎ部32による前年度の所属チーム(同一チーム)への引き継ぎ処理である。引き継ぎ部32は所属チームの引き継ぎ処理の結果をゲーム装置12に応答する。ステップS23においてゲーム制御部40は
図9のような引き継ぎ告知画面を例えば画像表示ユニット610に表示させる。
図9は引き継ぎ告知画面の一例のイメージ図である。
図9のイメージ図に示したように、同一チームへの引き継ぎ処理ではシーズン継続数(
図6の継続所属回数)とサポータ数とは新年度のチームに引き継がれる。
【0050】
また、ステップS24においてゲーム制御部40は
図10のようなマシンパフォーマンス画面を例えば画像表示ユニット610に表示させる。
図10はマシンパフォーマンス画面の一例のイメージ図である。
図10のマシンパフォーマンス画面では新年度のマシンパフォーマンスの一例であるエンジン、空力、サスペンションの値を表すゲージが表示されている。
【0051】
《S14:追加チームへの引き継ぎ処理》
図11は追加チームへの引き継ぎ処理の一例のフローチャートである。引き継ぎ部32の変更部52はステップS31においてプレイヤ情報のチームレベル、マシンパフォーマンスを旧年度のマシンパフォーマンスに応じて、同一チームへの引き継ぎ処理よりも優遇もしくは一定量だけ上昇させて更新する。この理由は、同一チームへの引き継ぎ処理で引き継ぎが可能なプレイヤ情報の項目「継続所属回数」及び「サポータ数」等を、追加チームへの引き継ぎ処理で引き継げない為である。
【0052】
そこで、本実施形態に係るゲームシステム1では、消失チームに所属していたというプレイヤに起因しない理由で旧年度から新年度に引き継げない項目のあるプレイヤのチームレベル及びマシンパフォーマンスを、通常よりも有利に更新することで、旧年度から新年度に引き継げない項目のあるプレイヤの不公平感を緩和する。
【0053】
ステップS32において変更部52はプレイヤ情報の「所属チーム名」を追加チーム名に変更する。ステップS33において変更部52は新年度が開始されたため、旧年度のリザルトであるプレイヤ情報のリザルト情報をリセットすると共に、追加チームに引き継ぐことのできない継続所属回数及びサポータ数をリセットする。
【0054】
ここまでの処理が、引き継ぎ部32による追加チームへの引き継ぎ処理である。引き継ぎ部32は所属チームの引き継ぎ処理の結果をゲーム装置12に応答する。ステップS34においてゲーム制御部40は
図12のような引き継ぎ告知画面を表示させる。
図12は引き継ぎ告知画面の一例のイメージ図である。
図12のイメージ図に示したように、追加チームへの引き継ぎ処理ではシーズン継続数(
図6の継続所属回数)とサポータ数とは新年度のチームに引き継がれない。
【0055】
また、ステップS35においてゲーム制御部40は
図13のようなマシンパフォーマンス画面を表示させる。
図13はマシンパフォーマンス画面の一例のイメージ図である。
図13のマシンパフォーマンス画面では、同一チームへの引き継ぎ処理よりも優遇された、もしくは一定量だけ上昇させたエンジン、空力、サスペンションの値を表すゲージが表示されている。
【0056】
なお、追加チームへの引き継ぎ処理において、どのような優遇を行うかは、ゲームバランスを崩さなければ、マシンパフォーマンスの優遇に限らない。また、追加チームへの引き継ぎ処理において、どの程度の優遇を行うかは、所定量としてもよいし、引き継ぎ不可能な項目の情報に応じて行うようにしてもよい。例えば本実施形態に係るゲームが同一チームに継続して所属することに価値があるのであれば、項目「継続所属回数」を新年度に引き継げないプレイヤへの優遇を大きくすることも考えられる。または、引き継ぎ可能な項目の情報に応じて優遇するようにしてもよい。
【0057】
(まとめ)
本実施形態によれば、旧年度から新年度への所属チームの引き継ぎ処理において、消失チームから追加チームへ強制的に所属チームを変更させられるプレイヤへの補填を行うことにより、プレイヤの不公平感を緩和できる。
【0058】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば本発明は、プレイヤがパラメータを引き継ぎながらプレイするゲームの一例として、複数のチームの何れかにプレイヤがドライバとして所属するドライビングレースゲームを例に説明したが、プレイヤがチームに所属してプレイするスポーツゲームや、プレイヤがギルドや同盟などに所属してプレイするロールプレイングゲーム等、所属しているグループが消滅する可能性のある様々なゲームに適用可能である。
【0059】
また、グループへの所属に限らず、例えばプレイヤが複数のキャラクタの何れかを使用してゲームをプレイすることでプレイヤのパラメータが更新され、あるタイミングで複数のキャラクタから少なくとも1つのキャラクタが入れ替えられるゲームへの適用も可能である。
【0060】
このようなゲームにおいて入れ替え対象のキャラクタから追加キャラクタへ強制的に使用キャラクタを変更させられるプレイヤのパラメータに引き継ぎを行えない(ゲームシステム1が引き継ぎを行わない)パラメータが含まれていれば、そのプレイヤのゲームのパフォーマンスに係るパラメータの優遇などの補填を行えばよい。
【符号の説明】
【0061】
1 ゲームシステム
10 サーバ装置
12 ゲーム装置
14 店舗
20、22 ネットワーク
30 プレイヤ管理部
32 引き継ぎ部
34 チーム管理部
36 チーム情報記憶部
38 プレイヤ情報記憶部
40 ゲーム制御部
42 モード選択受付部
44 チーム選択受付部
46 ゲーム実行部
50 判定部
52 変更部