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特開2023-83625紐形要素、特にカテーテルを患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083625
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】紐形要素、特にカテーテルを患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20230608BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20230608BHJP
   A61M 39/16 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61M39/10 110
A61M39/10 120
A61M39/16
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072819
(22)【出願日】2023-04-27
(62)【分割の表示】P 2020120719の分割
【原出願日】2013-12-20
(31)【優先権主張番号】12199220.0
(32)【優先日】2012-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】61/740,597
(32)【優先日】2012-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515170724
【氏名又は名称】エーツェーペー エントヴィッケルングゲゼルシャフト エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハ ヨルグ
(72)【発明者】
【氏名】ブレーデンブロイカー ラース
(72)【発明者】
【氏名】デッケ ロバート
(57)【要約】
【課題】紐形要素を患者の身体へ少なくとも部分的に挿入するためのシースアセンブリを提供する。
【解決手段】紐形要素(32,105)の挿入のためのシースアセンブリであって、導入シース(101)と、紐形要素(32,105)とともに導入シース(101)へ挿入するための補助シース(104)とを包含し、補助シースを導入シースに着脱可能に締結するための第1締結手段(106)と、紐形要素を補助シースに着脱可能に締結するための第2締結手段(107)とを備え、導入シース(101)が、第1シースハウジング(13,114)と、第1シースハウジングを終端とする遠位管形区分(11,41a)と、第1洗浄装置(108)とを有し、補助シース(104)が、第2シース内室(111)と遠位管形部(112)と第2洗浄装置(109)とを有する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル(32,105)を患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリであって、患者の身体への挿入のために設けられた遠位端部(102)を有して、前記患者の身体へのアセンブリの前記遠位端部の挿入中に前記患者の前記身体から突出する近位端部(103)を有する導入シース(101)を包含するとともに、前記カテーテル(32,105)とともに前記導入シース(101)へ挿入するための補助シース(104)を包含し、補助シースを前記導入シースに締結するための第1締結手段(106)と、前記カテーテルを前記補助シースに締結するための第2締結手段(107)とを備え、前記導入シース(101)が、第1シースハウジング(13,114)と、前記カテーテル(32,105)のための第1収容通路と前記第1シースハウジングを終端とする遠位管形区分(11,41a)とを有する第1シース内室(110)を有し、前記補助シース(104)が、前記カテーテル(32,105)のための第2収容通路を有する第2シース内室(111)と、管形遠位部(112)とを有し、前記第1シースハウジング(13,114)が、前記補助シース(104)の前記管形遠位部(112)の遠位端部を前記第1シースハウジング(13,114)内において前記遠位管形区分(11,41a)の近位端部よりも近位側に位置決めするための停止部(63)を有し、
前記管形遠位部(112)は、当該管形遠位部(112)の遠位端部が前記停止部(63)に当接し位置決めされている配置において前記第1シースハウジング(13,114)内に開口する開口部(119)を備え、
無菌管(130)が液密接続で前記導入シース(101)に接続され、前記無菌管が、前記導入シース(101)の近位延出部を形成するとともに前記補助シース(104)の少なくとも一部を包囲し、前記無菌管が液密接続で前記補助シース(104)に接続されることを特徴とする、シースアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のシースアセンブリにおいて、
前記無菌管は前記導入シースの端面に液密状態で装着され、
前記無菌管は前記補助シースのハウジングを液密状態の終端とし、
前記無菌管は軸方向に圧縮されて、これにより前記補助シースの管形部が前記導入シースに押圧され、前記カテーテルが前記導入シースへ挿入されてしまうと、前記管形部が前記導入シースに残される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項3】
カテーテル(32,105)を患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリであって、患者の身体への挿入のために設けられた遠位端部(102)を有して、前記患者の身体へのアセンブリの前記遠位端部の挿入中に前記患者の前記身体から突出する近位端部(103)を有する導入シース(101)を包含するとともに、前記カテーテル(32,105)とともに前記導入シース(101)へ挿入するための補助シース(104)を包含し、補助シースを前記導入シースに締結するための第1締結手段(106)と、前記カテーテルを前記補助シースに締結するための第2締結手段(107)とを備え、前記導入シース(101)が、第1シースハウジング(13,114)と、前記カテーテル(32,105)のための第1収容通路と前記第1シースハウジングを終端とする遠位管形区分(11,41a)とを有する第1シース内室(110)を有し、前記補助シース(104)が、前記カテーテル(32,105)のための第2収容通路を有する第2シース内室(111)と、管形遠位部(112)とを有し、前記第1シースハウジング(13,114)が、前記補助シース(104)の前記管形遠位部(112)の遠位端部を前記第1シースハウジング(13,114)内において前記遠位管形区分(11,41a)の近位端部よりも近位側に位置決めするための停止部(63)を有し、
前記管形遠位部(112)は、当該管形遠位部(112)の遠位端部が前記停止部(63)に当接し位置決めされている配置において前記第1シースハウジング(13,114)内に開口する開口部(119)を備える、
ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシースアセンブリであって、
前記停止部(63)は、前記管形遠位部(112)及び前記遠位管形区分(11,41a)と同じ内径のフランジ形状であって、前記管形遠位部(112)の遠位端部及び前記遠位管形区分(11,41a)の近位端部と当接する、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は構造の分野に関し、医療技術の分野で特に有利に使用されうる。詳しく述べると、紐形要素、特にカテーテルを患者の身体へ少なくとも部分的に挿入するためのシースアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルを患者の身体へ、例えば血管へ挿入する目的で導入シースを使用することは原則として知られており、シースの近位端部が患者の身体から突出するのに対して遠位端部は患者の身体の内側に残っている。このような導入シースは、例えば一体的なものとして設計されうるが、皮膚を通して、または患者の身体の孔を通して無菌状態で簡単に挿入されてもよい。例えば、カテーテルが患者の血管へ挿入され、またここから取り外される時に、このようなシースは有利である。このようなカテーテルの一つの特定用途は、機能的要素を有するカテーテル、例えば一端部に血液ポンプが設置される中空カテーテルを伴い、この血液ポンプは心室または太い血管まで血管内を移送され、任意であるがここで拡張される。拡張とその後の再圧縮が可能である適当な血液ポンプは、文献では多くの形で知られている。
【0003】
しかし、他の装置、例えば血管その他の内の沈殿物を除去するための外科用切除装置も、機能的要素としてカテーテルに装着されうる。
【0004】
特許文献1において、カテーテル導入システムは、カテーテルに摩擦嵌めを設けるためのバルブを有するカテーテルシースを備える。
【0005】
特許文献2は、内部ボアを備える近位ハブ部分と、ハブ部分から遠位側へ延在して、ハブ部分の内部ボアと連通状態の内腔を備える長形シースと、ハブ部分のボア内に設置される止血バルブとを含む脈管導入器を開示している。止血バルブは、中に延在する通路を有し、通路に対する開位置と通路に対する閉位置との間で移動可能な密閉フラップを含む。
【0006】
特許文献3は、本体、本体から突出する導入シース、そして導入器内に支持される第1シールを有する導入器と、本体、本体から突出する外側シース、カテーテル内に支持される第2シール、そして本体と第2シールと外側シースとを軸方向に前進するように構成された内側コアを有するカテーテルとを包含するカテーテルシステムに関する。カテーテルが選択的かつ着脱可能に導入器と軸方向に連結されうるように、導入器はカテーテルと選択的嵌合可能に構成されうる。カテーテルシステムは、導入器とカテーテルとが連結された時に、カテーテルが導入器に対して回転可能であるようにも構成されうる。導入器は、腔内人工装具を径方向に拘束するように構成されうる。
【0007】
カテーテルポンプの挿入については特に、導入シースに加えて補助シースを使用し、圧縮ポンプを有するカテーテルが補助シースへ挿入され、補助シースがカテーテルの端部分と圧縮ポンプとを一時的に保持してポンプとともに導入シースへ挿入されることが、特許文献4などですでに提案されている。
【0008】
物品がシースへ挿入されるところであるシース内室にシース内洗浄装置を設けることが知られており、この装置は、細菌および/または空気が患者の身体へ侵入するのを防止するため挿入前または挿入中に、挿入される要素および/またはシース入口を洗浄するのに使用されうる。一方では、シースを通した要素の挿入前に血液または他の体液がシースから流出するのを防止し、他方では、シースへの要素の挿入中に、シースへ要素が挿入される際の開口部を開口部の外側のエリアから可能な最大程度まで密閉するために、このタイプのシースに密閉装置を設けることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第2004/0147877A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2008/0097386A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2010/0004730A1号明細書
【特許文献4】欧州特許第2399639A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の先行技術を考慮すると、本発明の目的は、導入シースと補助シースとを包含し、紐形要素、特にカテーテルを補助シースによって導入シースへ挿入することを可能な限り最も快適な手法で可能にすることにより、細菌または他の不要な物体および物質が患者の身体へ侵入することを可能な最大程度まで概ね防止するシースアセンブリを案出することである。シースアセンブリは、体液の流出についても可能な最大程度まで保護される。さらに、患者に対する外傷が可能な限り最小にされ、そのため導入シースの外径は、(任意で圧縮された)機能的要素および/またはカテーテルの外径を可能な限りわずかに超えるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この問題は、本出願に明記される特徴によって解決される。
【0012】
この解決法は、患者の身体への挿入のために設けられた遠位端部と、遠位端部が患者の身体へ挿入される時に患者の身体から突出する近位端部とを有する導入シースを包含し、紐形要素/カテーテルとともに導入シースへ挿入するための補助シースを包含し、補助シースを導入シースに特に着脱可能に締結するための第1締結手段と、紐形要素を補助シースに特に着脱可能に締結するための第2締結手段とを備える、紐形要素、特にカテーテルを患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリを必要とし、導入シースは、紐形要素のための第1収容通路を有する第1内室とシース内室を洗浄するための第1洗浄装置とを有し、補助シースは、紐形要素のための第2収容通路を有する第2シース内室と第2シース内室のための第2洗浄装置とを有する。例えば、この解決法は、患者の身体への挿入のために設けられる遠位端部と、遠位端部が患者の身体へ挿入される時に患者の身体から突出する近位端部とを含む導入シースを包含し、紐形要素/カテーテルとともに導入シースへ挿入するための補助シースを包含し、補助シースを導入シースに特に着脱可能に締結するための第1締結手段と、紐形要素を補助シースに特に着脱可能に締結するための第2締結手段とを備える、紐形要素、特にカテーテルを患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリを必要とし、導入シースが第1シースハウジングを有して、紐形要素のための第1収容通路を有する第1シース内室と、第1シースハウジングを終端とする遠位管形区分と、シース内室を洗浄するための第1洗浄装置がハウジングに設置され、補助シースが、紐形要素のための第2収容通路を有する第2シース内室と、遠位管形部と、第2シース内室のための第2洗浄装置とを有し、第1シースハウジングが、補助シースの管形部の遠位端部を第1シースハウジングに、そして管形区分の近位端部の近位前方に位置決めするための手段を有する。
【0013】
本発明によるシースアセンブリは、補助シースが導入シースに永続的かつ確実に装着されうることと、導入シースと補助シースとがこうして洗浄可能であって清潔な無菌状態に保たれることとを保証する。導入シースの内部では、補助シースと導入シースとの間、および/または補助シースの遠位部と導入シースとの間の内室が洗浄されることで無菌状態に保たれる。補助シースの内側では、この領域に設置されるかこれから突出する紐形要素、特にカテーテルに沿った補助シースの内側領域が洗浄されることで無菌状態に保たれる。この結果、導入シースと補助シースとの間の接続が故意に解除されるまでは少なくとも、永続的かつ機械的に一緒に保持され、導入シースから補助シースへの移行部と、補助シースからこれに設置された紐形要素への移行部での簡単な手法での洗浄を可能にする全体アセンブリが得られる。このようにして、一方では、外部から導入シースへ侵入する病原菌および/または他の汚染菌の数が最小となるのと同時に、導入シースおよび補助シースからの血液の流出が防止されることが保証されうる。
【0014】
補助シースの管形部を導入シースの内側に位置決めするための手段が、導入シースの内側の円筒形通路を包含すると有利であり、その直径は補助シースの管形部の直径に対応するか、この直径から実質的な偏差が見られず、つまり30%以下、特に15%以下である。補助シースの管形部のための通路の縮径部の形で径方向内向きに突出する環状ランド部であり、軸方向停止部または異なる構成の軸方向停止部を形成するランド部も設けられうる。対応ランド部は丸い開口部を残し、その直径は補助シースの管形部の内径に対応するか、この直径から実質的な偏差は見られない、つまり30%以下、特に15%以下である。このような軸方向停止部はオフセットしていてもよく、そのため導入シースの管形区分の中に設置されうる。補助シースそのものが患者の皮膚の開口部の近位に残るのに十分な距離でのみ補助シースが導入シースの管形区分へ挿入されるようにシステムを設計することが可能である。こうして、導入シースの直径が、圧縮されたカテーテルの機能的要素の直径を最小限にのみ超えることで、患者に対する外傷および出血リスクを最小にすることができる。
【0015】
別のさらなる展開では、補助シースの管形区部の内径も導入シースの管形区分の内径より大きく、その結果、機能的要素は二段階で圧縮される。最初に、第1ステップでは、カテーテルが補助シースへ前進するにつれて、機能的要素が補助シースの内径まで圧縮される。導入シースまで移送されると、機能的要素の直径は導入シースの内径に対応するまでさらに圧縮される。この二段階圧縮は、機能的要素を圧縮するための力が、カテーテルへの機能的要素の接続が例えば破断される臨界値を超えないことを保証する。非円形の断面を有するシース、例えば長円形または楕円形の断面を有するシースにも、同じことが同様に当てはまる。
【0016】
本発明の一つの有利な実施形態では、補助シースが管形遠位部と近位シースハウジングとを有することと、管形部のみが特に着脱可能に導入シースに接続されることとが提供される。
【0017】
この事例では、補助シースの管形部が導入シースの内側に簡単な手法で挟持され、そのため着脱可能に締結され、挟持領域でのシースの管形区分の相互に対する同心度の差は大きい方の内側シース直径の30%以下、特に有利にはシースの直径の差を上回らないように、有利なアセンブリが構成される。これは、直径の差により生じて、補助シースから導入シースへの移送中に紐形要素/カテーテルを破損しうるエッジを紐形要素/カテーテルが越える必要を回避するのに役立つ。補助シースの内側では、補助シースの管形部の外部が洗浄装置によって無菌状態に保たれ、導入シースの内部は洗浄装置によって無菌状態に保たれる。例えば圧縮血液ポンプを備える紐形要素/カテーテルが、補助シースの管形部が導入シースへ挿入される間にこの部分の内側に格納されうる。補助シースの管形部が導入シースへ挿入されると、補助シースから導入シースへ、例えば導入シースの管形部へ、血液ポンプが移送されうる。このプロセスでは、導入シースの内部を洗浄することにより、囲繞エリアの無菌状態が移送プロセス中に同時に保証される。
【0018】
補助シースの管形部が配設される無菌管は、導入シースの端面に液密状態で装着されうる。無菌管は補助シース、特にそのハウジングを液密状態の終端とする。無菌管は軸方向に圧縮されて、補助シース、特にその管形部が導入シースに押圧され、紐形要素が導入シースへ挿入されてしまうとここに載置される。無菌管は、例えば波形管として具現されうる。
【0019】
本発明のさらに有利な実施形態では、補助シースが管形遠位部とシースハウジングとを有することと、補助シースのシースハウジングが導入シース、特に導入シースのシースハウジングに、特に着脱可能に接続されることとが提供される。
【0020】
補助シースのシースハウジングが導入シースのシースハウジングに固定接続される場合には、全体として中実で非変形のユニットが結果的に得られ、これは患者の身体での取り扱いが特に容易である。そして、紐形要素を補助シースから導入シースへ挿入することも特に容易である。補助シースが導入シースへ接続されてしまうと、シースアセンブリは単一の多段シースとして作用する。
【0021】
着脱可能な力被覆または摩擦被覆による挟持接続、ダブルコーン接続、ネジ接続、バヨネット接続、圧入接続、または他の着脱可能な係合接続の形で、補助シースが導入シースに接続されることで、本発明がさらに有利に具現されうる。このタイプの着脱可能接続は容易に製造され、そして手術条件の下で再び解除される。簡単な機械的機能のため、化学作用結合剤は必要とされず、そのため生存患者に使用される時に汚染のリスクが生じない。関連の接続は、生産時と全く同じで容易に解除されうる。
【0022】
対応の着脱可能接続の個々の例が、実施形態例に関して以下でさらに詳細に明記される。
【0023】
第2洗浄装置が第1洗浄装置に接続されることで、本発明がさらに有利に実施されうる。この事例では、特に、第1および第2洗浄装置の間で流体が交換されるため同じ流体が両方の洗浄装置で使用されることが考えられる。これはコストを下げ、無菌状態の確実性を高める。例えば洗浄流体を移動させるため、第1および第2洗浄装置に同じポンプが使用されてもよい。
【0024】
この事例では、補助シースのシースハウジングの内室が補助洗浄通路によって第1洗浄装置に直接的に接続されることが考えられ、有利である。一つの実行例では、例えば、補助シースのハウジングの外周部に装着されるホースまたはチューブの形の管路に、補助洗浄通路が延在しうる。この事例では、補助シースの洗浄装置と導入シースの洗浄装置とは同じ設計を有し、二つの洗浄通路のみが相互に接続されている。
【0025】
しかし、特に補助シースの管形部の外面にある開口部を通して補助洗浄通路が導入シースのシースハウジングから補助シースの管形部の内部まで直接的に延在することも考えられ、有利である。そのため、補助シースの管形部が外面に開口部を有し、これを通して洗浄流体が流入することで、導入シースのシースハウジングの内室では、補助シースの内部、特に補助シースの管形部の内部が、導入シースの内側に設置された補助シースの外部領域とともに洗浄されうる。この時、洗浄流体が補助シースの管形部に沿って軸方向に流れて補助シースがユニット全体として洗浄されると有利である。
【0026】
この事例において、洗浄流体は導入シースから補助シースのシースハウジングへ移動可能であり、原則としてここに設置された補助シースと紐形要素/カテーテルの間を動くことができるため、そのようなカテーテル/紐形要素も無菌状態に保たれる。このカテーテル/紐形要素は患者の身体へ挿入され、そのため、紐形体そのもの/カテーテルは無菌状態に保たれなければならない。
【0027】
本発明のさらに有利な実施形態において、補助シースのシースハウジングと導入シースのシースハウジングとの間の直接接続の事例で、特に導入シース内に設置される補助シースのシースハウジングの壁領域を通って、または補助シースの一部に包囲される導入シースのハウジングの壁の一部を通って、補助洗浄通路が接続領域内に延在する。この実施形態では、導入シースの内室と補助シースのハウジングの内室との間に固定状態の通路状接続が形成され、こうして二つのシースのハウジングの内室の間で洗浄流体が確実に移送される。加えて、補助シースのハウジングの外面に少なくとも一つの開口部が設けられ、これが洗浄流体の吐出と通気のいずれかのために機能しうる。
【0028】
代替的または付加的に、皮下注射針が補助シースの遠位端部に装着され、例えば、補助シースが導入シースへ挿入される際に、導入シースのゴム製ガスケット、例えばドームガスケットまたはプレートガスケットを貫通し、導入シースの洗浄室の内部へ突出する。この結果、導入シースのハウジングの内室と補助シースのハウジングとの間には、注射針の中空室により連通通路が形成される。
【0029】
本発明の一つの有利な実施形態では、導入シースと補助シースとが環状領域で接続相手として相互に当接することと、環状領域で、周方向に延在する環状または円弧状の周溝が二つの接続相手の少なくとも一方に設けられることと、導入シースのシースハウジングと補助シースのシースハウジングの両方に、当該シースの内部を接続状態で周溝に接続する通路状凹部が設けられることとが考えられる。この事例では、導入シースのハウジング部が接続領域で補助シースのハウジング部を包囲するか、逆に補助シースのハウジング部がこの領域で導入シースのハウジング部を包囲する。
【0030】
導入シースのハウジング、特にハウジング壁と、補助シースのハウジング、特にハウジング壁との通路状凹部は、環状または円弧状通路によって相互に接続されるため、導入シースに対する補助シースの回転でも通路状凹部の間の接続の確立を妨げないだろう。この結果、部品相互の回転と関係なく、二つのハウジングが相互に接続されるとすぐに、導入シースおよび補助シースの洗浄室の間に接続を確立する際にも、高い信頼性が得られる。これに関して、通路状凹部および/または周方向通路は、少なくとも導入シースのハウジングに設けられる通路、特に両方の通路が、二つのシースハウジングが相互に分離されるとすぐに摺動要素により閉じられるように、構成されうる。
【0031】
以下では、一組の図面に図示された実施形態例を参照して本発明が明記され、以下でより詳しく説明される。第一に、補助シースを導入シースに、またはカテーテルを補助シースに固定するための可能な方法が説明され、その後で洗浄装置の組み合わせと二つのシースの相互締結とがより詳しく明記される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】シースが挿入された心臓血管系の概略図である。
図2図1の一区分の詳細図である。
図3】第1シース(導入シース)と第2シース(補助シース)とを有する本発明の実施形態を示す図である。
図4】ポンプの実施形態を示す図である。
図5】ポンプが抜かれた第2シース(補助シース)を示す図である。
図6】第2シース(補助シース)へのポンプの格納を示す図である。
図7】第2シース(補助シース)へのポンプの格納を示す図である。
図8】第2シースから第1シース(導入シース)へのポンプの移送を示す図である。
図9】第2シースから第1シース(導入シース)へのポンプの移送を示す図である。
図10】管形区分を有するシースハウジングを示す縦断面である。
図11】切断装置を有するシースハウジングの一部を示す縦断面である。
図12】管形区分のための挟持装置と追加挟持装置とを有するシースハウジングを示す縦断面である。
図13a】円錐形挟持パッドを有する代替的な挟持リングを示す縦断面である。
図13b】各々が外面に縦溝およびビードを有する挟持接続部を示す縦断面である。
図13c】ネジ付き接続部の形の挟持接続部を有する挟持接続部を示す縦断面である。
図13d】バヨネットシースを含む円錐形接続部の形の挟持接続部を示す縦断面である。
図13e】90°回転された図13dの円錐体の図である。
図13f】ネジ付き接続部を有するルアー円錐体接続部を示す縦断面である。
図13g】シースハウジング内で案内されて横方向に変位されるとともに径方向に拡張しうるバネクリップを有する挟持接続部を示す縦断面である。
図13h】挟持点の領域で挟持される要素について可能な実施形態を示す図である。
図13i図13gに対して90°回転された、側面図による図13gのバネクリップを示す図である。
図14】近位側に挿入される紐形要素のための挟持装置を有するシースハウジングを示す縦断面である。
図15】導入シースとこれに結合された補助シースとを示し、二つのシースの洗浄装置が結合されていることを示す図である。
図16】導入シースとこれに結合された補助シースとを示し、補助シースの内部への接続部が導入シースの内部に配置されていることを示す図である。
図17】補助シースおよび導入シースのシースハウジングが固定接続されたシースアセンブリを示す図である。
図18】無菌管に収容されうる、補助シースを含む導入シースを示す図である。
図19a】補助シースと、補助シースの内側の紐形要素/カテーテルとを含む導入シースの軸方向断面図を示し、補助シースは導入シースの内側に延在していることを示す図である。
図19b】補助シースの内側に紐形要素/カテーテルを含む補助シースを示す軸方向断面図である。
図19c】導入シースの内側に紐形要素/カテーテルを含む導入シースを示す軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、人体心臓血管系1の概略図を示す。鼠径部の範囲にあるのは1本の大腿動脈2であり、この大腿動脈は主幹動脈を介して大動脈弓3に接続されてから心腔4に通じている。例えばセルディンガー法を使用して、最初に導入シース10が大腿動脈2へ挿入される。このプロセスでは、最初に大腿動脈または他の何らかの血管が、例えば刃先を備えるスチールカニューレを使用して穿孔される。そしてガイドワイヤ12が、穿孔開口部から挿入されたスチールカニューレへ押入され、大動脈弓3を介して左心室4へ逆行性挿入される。穿孔カニューレが取り出されると、導入シースとして具現されて管形区分11と任意であるが不図示の拡張器とを包含する第1シース10がガイドワイヤへネジ結合され、穿孔部位を通って心臓血管系へ挿入され、シースは心臓血管系の内腔へ短い距離だけ、または挿入される要素が配置される部位まで挿入される。それから流体ポンプが、導入シース10から心臓血管系へ挿入される。
【0034】
第1シース10の管形区分11は、第1シース10の近位端部が大腿動脈の外側に位置して患者の身体から突出するように動脈へ挿入され、そのため、例えば血液ポンプを挿入するのに使用されうる。そのため、ガイドワイヤ12へポンプをネジ結合して、ガイドワイヤの補助で左心室までポンプが案内される。
【0035】
ガイドワイヤによって案内される第1シース/導入シース10の管形部/区分11を左心室まで案内し、それからガイドワイヤ12を第1シースから取り出すことも可能である。するとポンプユニットが、第1シース内腔を左心室4の近傍または左心室の中まで案内されうる。
【0036】
上記には、心臓機能をサポートするための左心室へのポンプの挿入についてのみ方法が説明された。しかし、ポンプまたは他の何らかの機能的要素が身体の心臓血管系の他の箇所に位置決めされて挿入されうることが、当業者には容易に明らかとなるだろう。
【0037】
血液ポンプ/心臓サポートポンプではなく、他の何らかの機能的要素、特に圧縮および伸張可能な要素が、カテーテルを用いシースを介して挿入されうることは言うまでもない。
【0038】
図2は、第1シース10が外部から身体の組織を通って大腿動脈2の内腔Lへ案内される、図1の領域を示す。この事例の第1シースは、シースハウジング13の近位側に接続される管形区分11を包含する。管形区分11は、内径d11を有する内腔Lを画定する。この内腔は、領域14では管形区分11の近位端部に向かってトランペット形に拡開する。
【0039】
シースハウジング13は、当該技術では周知の止血バルブを含む。このバルブは、内腔Lの内側に保持される流体が内腔Lを通って外側へ流出するのを防止する。
【0040】
図3の図例では、図2の第1シース10が第2シース20に結合されている。第2シース20(補助シース)の管形区分21のみが示され、これは内径d21を有する内腔Lを画定する。第2シース20の遠位端部は、シースハウジング13へ端部が挿入されうるような外径を有する。しかし、内径d21は内径d11より大きい。
【0041】
内腔Lの内側に設置されて同図には示されていないポンプが、圧力を印加することにより、第2シース内腔Lから第1シース内腔Lへ移送される。ポンプは第1シース内腔Lを通って心臓血管系内の部位まで輸送され、ここにポンプが配置される。このステップで、ポンプは、ガイドワイヤ上を案内されるか、ガイドワイヤなしで第1シース内腔へ挿入されうる。ポンプおよび脈管壁とともにシャフトカテーテルを保護するため、ポンプが押し出される前に、第1シースはポンプの配置部位まで遠位前方へ送られる。
【0042】
考えられるポンプ30の一実施形態が、図4を参照してより詳しく明記される。ポンプ30は、遠位ポンプユニット31と、遠位ポンプユニット31の近位端部に装着されるシャフトカテーテル32とを包含する。シャフトカテーテル32は、図示されていない近位端部に、シャフトカテーテル32を駆動ユニットに結合するための結合部を有する。駆動ユニットは患者の身体の外側に設置されて、シャフトカテーテル32の内側に延在する可撓性シャフトを回転させ、こうして可撓性シャフトが遠位ポンプユニット31を駆動する。しかし、本発明は、異なるやり方で(ポンプに位置する電動モータによって、またはポンプに配設された空気タービンによって)操作されるポンプを挿入するのにも適している。
【0043】
遠位ポンプユニットは、交差させたニチノール製ブレースから製造されるポンプハウジング33を包含する。ニチノール製ハウジングの一部は、ハウジング33の内側に配設されるロータ35まで遠位側および近位側に延在するコーティング34を備える。ロータは、シャフトカテーテル32に延在することで回転時にここに載置されるシャフト36に接続される。ハウジングとロータとは圧縮性である、つまりポンプは自動減圧ポンプである。遠位ポンプユニットがシースの遠位端部から押し出されると、ポンプが拡張される。実行例の準備時にポンプを圧縮するため、遠位ポンプユニットが第2シース(補助シース)のシース内腔の遠位端部に格納される。このシース内腔は、シャフトカテーテルの外径より大きい内径を有する。
【0044】
特に駆動シャフトの軸方向変位によって、ロータがポンプハウジングに対して軸方向に変位可能でありうる。逆に、ロータはポンプハウジングに対して軸方向に固定されうる。
【0045】
ポンプは任意で、供給される流体のための、ロータ35の近位側に設置される流路を画定する吐出管37を有する。吐出管37の近位端部に設置されるのは、詳細には説明されない出口開口部である。
【0046】
当然であるが、ポンプは供給動作から吸引動作へも切り換えられるため、ポンプは、遠位端部から近位端部へ、またその逆に流体を伝導することはない。
【0047】
さらに適当なポンプについてのより詳細な説明は、例えば文献EP 2 047 872 A1に見られる。
【0048】
さて、図5乃至9を参照してシステムの機能がより詳細に明記される。
【0049】
図5は、図4によるポンプ30に実質的に対応するポンプ30′を示す。単純化を目的として、ポンプの詳細は示されていない。球根状ハウジングと、球根状ハウジングの遠位側に設置されて心臓ポンプが心臓壁に吸引されるのを防止する「ピグテール」とが示されている。シャフトカテーテル32′は、遠位ポンプユニット31′に対して近位側に延在する。第2シース20′はシャフトカテーテル32′の領域38′を包囲するように配設され、このシースは内腔Lを有し、その内径d21は拡張状態で遠位ポンプユニット31′の直径より小さい。
【0050】
図5に示されたポンプ30′は圧縮性ポンプである、言い換えると、圧縮されうるように、つまり直径が縮小されうるように、ポンプハウジングとここに載置されたロータなどを包含する遠位ポンプユニット31′が具現される。品質保証検査者、例えば医師が、試験操作中に遠位ポンプユニット31′に載置されたロータユニットの回転運動を観察することなどにより、ポンプ30′の適切な機能を確認すると、シャフトカテーテル32′を近位方向に引っ張ることにより、遠位ポンプユニット31′が第2シース20′の内腔Lへ格納される。ポンプを第2シース20′へ格納することにより、シャフトカテーテルおよび/または中に載置されるシャフトに対する曲げおよび/または破損が回避される。ポンプ30′と、図5に示されたシャフトカテーテル32′の領域38′を包囲する第2シース20′とはシステム200を形成し、これは、操作前の適時にポンプ30′の機能試験を行うことと、遠位ポンプユニット31′を第2シース20′の遠位端部へ引っ張ることでポンプを圧縮することによりシャフトへの破損を回避することとを可能にする。
【0051】
能動的減圧ポンプと自動減圧ポンプの両方をシステムが具備しうるが、自動減圧ポンプ、つまり遠位ポンプユニットがシースの外側の最初の寸法まで自動的に戻るポンプに、特に適している。
【0052】
図6は、第2シース20′の内腔への遠位ポンプユニット30′の格納中の中間ステップを示す。遠位ポンプユニット30′は圧縮性であって小径になりうるため、遠位ポンプユニット30′が第2シース30′の内腔に収容されうることは明白である。
【0053】
やはり図6に示されているのは、シャフトカテーテル32′に装着された結合部39′であり、この結合部により、シャフトカテーテル内に延在するシャフトが駆動ユニットに結合されうる。結合部39′の外径は内腔Lの内径より大きいことが頻繁にあり、ほとんどの事例では、結合部39′の取り付けに先立って第2シース20′がシャフトカテーテル32′の近位端部から遠位方向に押圧されるため、システム200ではポンプが送達される、つまり遠位ポンプユニット31′の近位側に載置された第2シース20′と、事前に取り付けられた結合部39′とともにポンプが送達されるのである。図6は、第2シース20′の遠位端部の若干の拡開も示している。トランペット形延出部24′は、第2シース20′の内腔Lへの遠位ポンプユニット31′の挿入を容易にする。
【0054】
最後に、図7では、遠位ポンプユニット31′の全体が、第2シース20″の内腔Lの内側に設置されている。第2シース20″は、ポンプユニット31′が内腔Lへ格納される際の第2シース20″の良好な保持および/または取り外し、および/またはその後の良好な引き剥がしを可能にする、二つの事前取り付けグリップユニット22″を有する。しかし本発明によれば、導入シースに永続的に接続されたままであるかここに保持される補助シースが使用されても有利である。「ピグテール」が設けられる場合には、これも同様に内腔Lへ格納されるため、遠位ポンプユニット31′に対して遠位側に設置されるポンプのコンポーネントとともに、遠位ポンプユニット31′が内腔Lの内側に設置される。
【0055】
図8は、ポンプ30′および第2シース20″によるシステム200が第1シース10と能動的接続状態で組み合わされてシステム100を形成する様子を図示している。第一に、第2シース20″(補助シース)が、その遠位端部で第1シース10(導入シース)のシースハウジングへ挿入される。第2シース20″の遠位先端が第1シース10の管形区分の開口部に達するとすぐに、ポンプを遠位方向に押圧することにより第2シース20′から第1シース10′へポンプが移送され、シャフトカテーテル32′へ圧力を印加することにより押圧が達成される。このプロセスでは、遠位ポンプユニット31′の直径が内腔Lの内径d11までさらに縮小される。
【0056】
図9は、第1シース10の内腔Lの内側に遠位ポンプユニット31′の全体が設置された次のステップを示す。遠位ポンプユニット31′全体が第1シース10の内腔Lの内側に設置されているという事実は、例えばシャフトカテーテル32′の外側に印加されるカラーマーキング50によって指示されうる。
【0057】
第2シース20″が「剥離」シースとして具現されると仮定すると、剥離シースを近位端部から遠位端部へ引き剥がしてシャフトカテーテル32′から引き離すことにより第2シースが任意でシャフトカテーテル32′から取り除かれる。近位端部から遠位端部への定方向の引き剥がしは、切欠きAにより補助されうるが、主に、近位から遠位方向への使用プラスチックの分子鎖の配向に基づきうる。
【0058】
シースが取り除かれてしまうと、適宜、ポンプ30′がさらに、第1シース10の内腔Lの内側で所望の箇所まで案内される。
【0059】
任意であるが、第1シースは、ポンプが挿入される前後に配置部位の直近の遠位シース開口部とともに前方へ押圧されうる。第1シースの長さはこの目的に充分なものである。
【0060】
引っ張り動作中にシャフトが破損するリスクが実質的に低減されるので、遠位ポンプユニット31′が第2シース内腔Lの遠位端部に格納される時には特に、第2シース20″の補強は必要ない。
【0061】
図7から9に示されているように、ポンプは第2シースから第1シースへ移送されるので、第2シースは、挿入ワイヤの形の補強構造を包含しうるか、シース20″の管形区分21″が可撓性プラスチックではなく剛性プラスチックまたは金属で製作されうる。
【0062】
ポンプおよび第2シースを安定化させるためのさらなるオプションは、ポンプ30′が遠位方向前方に押圧される際に、つまり特にポンプ30′が第2シースから第1シースへ移送される際に、安定的外側スリーブの形で、および/または導入シースの収容通路としての支持装置40によって、第2シース20″を保持することを伴う。
【0063】
以下では、心臓の左心室へポンプを挿入するための方法の別の可能な変形例が説明される。準備措置として、最初に、殺菌された生理的食塩水がポンプに充填され、こうして空気が完全に排出される。それから、遠位ポンプユニットに近接して設置される補助シースが、設けられている場合には吐出管へと前方に押される。補助シースは例えば10Frの直径を有する。補助シースが吐出管まで前進すると、補助シースはスリーブ状の支持装置に包囲される。それから、シャフトカテーテルの近位方向に引っ張り動作を加えることにより、任意で若干の回転動作により、遠位ポンプユニットが補助シースに格納される。存在しているピグテールが同様に補助シースの内側に隠蔽されるのに充分なほどポンプが補助シースへさらに押入される。これらのステップにより、外科手術の前にポンプの適切な機能の試験が行われるとともに、時間の制約を受けてこのような動作を実施する必要なく、試験後すぐにポンプがシースへ挿入されうる。例えば試験後すぐに第1シースを挿入するため、脈管系が穿孔される。しかし、時間を節約するため、こうして助手がポンプを準備し、その間に外科医が平行して穿孔を実施することが可能である。
【0064】
9Frの導入シースが心臓の左心室へ挿入されてしまうと、例えば、設けられている場合には拡張器が任意で導入シースから引き出されて取り除かれる。
【0065】
それから、補助シースの内側に保持されて最初は例えばスリーブにより包囲されるポンプが、補助シースの先端が機械的停止部に当たるまで導入シースのシースハウジングへ押入される。そして、シャフトカテーテルに圧力を印加することにより、ポンプが補助シースから導入シースの管形区分へ移送される。例えばシャフトカテーテルシャフトの任意のマーキングに基づいて確認されうるように、遠位ポンプユニットの全体が導入シースへ移送されてしまうと、補助シースが導入シースの内側に残されるか、任意で剥離シースが引き剥がされてシャフトカテーテルから取り除かれる。そしてポンプが第1シース(導入シース)の内側で左心室まで前方へ押される。それから、第1シースが左心室から下行大動脈の始点まで引き戻される。
【0066】
左心室での遠位ポンプユニットの位置決めは、例えばX線撮像により確認されうる。この目的のため、X線により検出可能なマーキングがポンプハウジングまたはその近傍、例えばカテーテルに設置されるか、またはポンプハウジング自体がX線により検出可能である。ポンプの出口領域、つまり吐出管の流出開口部も同様に、上行大動脈の領域に位置すべきである。これは、X線により検出可能なマーキングによっても確認されうる。ピグテールカテーテル先端が存在する場合には、左心室の先端に接触すべきである。
【0067】
ポンプを心室から取り出すため、シャフトカテーテルへ牽引力を印加することによりポンプが導入シースへ引き戻され、動脈血管系から取り出されて圧縮される。第1シースがすでに短縮されている場合には、ポンプを圧縮するため、ポンプが最初にシャフトカテーテルへ短距離だけ引き戻される。この目的のため、シャフトカテーテルは、引っ張りによりポンプが格納される格納漏斗を駆動シャフトに有しうる。それから第1シースと他の残りのコンポーネントとが心臓血管系から取り出される。
【0068】
本発明により、ポンプの移植および外移植に長尺シースを特に導入シースとして使用すると、特に有利である。長尺シースは、先行技術で通例であるように、身体内側の内腔へポンプを挿入することばかりでなく、シースの内腔を通って配置部位のエリアへポンプを案内するのにも役立つ。これに関して、医療分野では、40と120cmの間の長さをシースが有すると有利である。この長さは、後で行われるポンプの配置部位と患者の体格とにより決定される。
【0069】
ポンプが長尺シースとともに身体の内腔から取り出されると、圧迫包帯を使用して大腿動脈からの出血が止められる。代替的に、長尺シースの内腔からポンプが取り出されうる。それから追加のガイドワイヤがシースの内腔を通って位置決めされ、シースが取り出されると、このワイヤを介して、穴を閉じるための装置が案内されうる。これにより結果的に止血が改善される。
【0070】
図10から13は、管形区分41をシースハウジング43に固定するための一つ以上の挟持装置を有する本発明による第1シースの変形例を明示する。
【0071】
図10は、圧力ネジ45によって、患者の身体と反対向きの遠位端部44で少なくとも閉じられる円筒形スリーブの形を実質的に有するシースハウジング43の縦断面も示す。シースハウジング43は、シースの管形区分41のための連続収容通路46を有する。図10の図において、管形区分41は収容通路46の洗浄室47まで実線で記され、そこから近位側は点線で記されている。これは、収容通路46内のシースハウジング43に対して管形区分41が軸方向に変位されること、または言い換えると、シースハウジング43が管形区分41では変位可能であることを表す。
【0072】
ここに示されたシースは、例えば導入シース(第1シース)として使用されうる。
【0073】
機能的要素、例えばポンプを第1シースへ挿入するため、管形区分41がほぼ第1停止部材48の高さを終端とするように、管形区分41が概ねシースハウジング43から遠位方向に充分に引き出されるか、第1シースの製造中に位置決めされ、そして例えば圧力ネジ45を操作することにより定位置に挟持される。それから、第2シースから第1シースへポンプを移動させるため、上述した格納ポンプを含む第2シースがこの点まで前方に押される。
【0074】
第1挟持装置は、第1圧力ネジ45と、エラストマ材料製の第1挟持リング50と、締結手段としての第1停止部材48とを包含する。挟持リング50と圧力ネジ45との間には、摺動層または回転シールリング69が設けられうる。
【0075】
圧力ネジは、重複領域においてシースハウジング43の遠位端部44の外ネジによりネジ接続される。そのため、圧力ネジ45の手動回転により、圧力ネジが軸方向に移動して、結果的に挟持リング50の軸方向圧縮または拡張が行われる。軸方向圧縮の事例において、近位側では挟持リング50が第1停止部材48の抵抗を受けるので、挟持リング50は、径方向内側には容積を維持するとともに外側に拡張することで管形区分41を挟持する傾向を持つ。
【0076】
こうして、管形区分41はシースハウジング43に対して軸方向に固定される。この固定は圧力ネジ45を解除することにより簡単に解除されうるため、シースハウジング43の内側で管形区分41が軸方向に短い距離だけ変位しうる。このため、弛緩状態において挟持リングは、第1シースの直径と等しいかこれより大きい内径を有しうる。
【0077】
ゆえに、ポンプが、シースに保護された状態で配置部位、例えば心臓の心室まで挿入されるように管形区分41が最初に患者の身体内へできる限り深く前進する場合には、ポンプが送達されてしまうと、管形区分41が引き出され、そしてシース全体が患者の身体から比較的長い距離だけ突出する。それから挟持装置48,45,50が解除され、管形区分41では患者の身体の近くまでシースハウジング43が前進されうる。このステップで、管形区分41はシースハウジング43までずっと延在し、任意で近位方向にハウジングから突出する。以下でさらに詳細に説明される手段を使用して、余分な長さを除去するため管形区分41が部分的に取り除かれうる。
【0078】
良好なシールを生成するため、ドームバルブ51とバルブプレート52とで構成されるいわゆる複合止血バルブが、シースハウジング43の内側に設けられる。管形区分41とシャフトカテーテルのいずれもシースハウジング43の箇所で収容通路46に延在していない時には、バルブプレートがシースハウジング43を閉鎖するのに対して、紐形要素、例えば管形区分またはカテーテルの周囲に密着シールを生成するように、ドームバルブ51が最適化される。
【0079】
シースハウジング43の近位端部53には、原則として第1圧力ネジ45と同じように機能するとともに、第2機械的停止部57に対する第2挟持リング56の圧縮に挟持パッド55を介して影響する追加圧力ネジ54が設けられる。こうしてカテーテル、または挿入された補助シースが、導入シースへ挟持されうる。固有の特徴として、第2挟持リング56が遠位端部で円錐の形で延在し、これは圧力ネジ54によって軸方向圧力が加えられる時の径方向内側への変形に有利であることに、ここで言及すべきである。第2停止部57は適宜、反対の円錐形状として設計される。しかし、非円錐形であるか、代わりに矩形や丸い断面を有する挟持リング56も同様に、この箇所で使用されうる。
【0080】
図10には、シースハウジングの内部にある洗浄室47を、第1シースから患者の身体へ細菌が侵入するのを防止する流体で洗浄するための洗浄装置58が、概略的に示されている。洗浄流体が管形区分41の外部と内部の両方に達するように管形区分41が洗浄室47またはその遠位端部を終端とする場合に、この洗浄は特に有効である。
【0081】
図11は、本発明による切断装置の構成および機能モードを例として図示する。
【0082】
所定の破壊点が用意されないか、予め切断されないか、他の手法で、例えば所定の分子構造、または管形区分21の壁厚の局所的な脆弱化により用意されない場合には、第1シースの使用中に切断装置によってこれらが適切に導入されうる。図11では、ブレード59,60を備える切断装置がシースハウジング43の洗浄室47の領域に設けられ、このブレードは例えば管形区分に対してシースハウジングが回転される時にハウジングを周方向に切断する。切断は軸方向に行われてもよい。
【0083】
この目的のため、ブレード59,60は、矢印61で記されているように管形区分41が軸方向に動かされた時に縦方向に切断を行うように配設されうる。周方向に切断するためのブレードと、縦方向に切断するための一つのブレードとを用意することも可能である。
【0084】
図11はさらに、シースハウジング43の外側からブレードを操作することによりブレード59,60が管形区分41へ径方向に移動されることを示している。この箇所には、一つ以上のブレードホルダのため径方向に延在するガイドと、対応のシールと、バネマウントとが用意されるため、ブレード用の変位装置へ細菌が侵入することが防止され、また非操作状態では、ブレードは管形区分41から径方向の距離に設置される。第1シースが使用されてしまうと、手によってブレードに圧力が加えられ、もう必要のない管形区分41の一部が切断されうる。図示されていない停止部は、切断深さが臨界レベルを超えることによりシースの内側に設置されうるカテーテルを破損するのを防止する。
【0085】
図示されたブレードは、第2シースのための切断装置も形成する。
【0086】
図12は、管形区分41が短縮されて、シャフトカテーテル61が管形区分41の近位端部とシースハウジング43から出て、ポンプの駆動シャフトのための不図示の結合装置につながっている時の、シースハウジング43の近位端部での第2挟持装置の有利な使用を図示している。シャフトカテーテルは上述のドームシール51に密閉され、第2圧力ネジ54の要素を包含する挟持装置と、挟持パッド55によって第2停止部57に対して軸方向に圧縮される第2挟持リング56とが、管形区分41、または特にカテーテルも密閉する第2シースよりも実質的に小さい外径を有するシャフトカテーテル61を挟持するのに充分なほど径方向内向きに拡張する。しかし、この挟持は、中で回転可能であるシャフトの回転を防止しない。このようにして、管形区分41と、これから突出するシャフトカテーテル61の両方がシースハウジング43の内側に固定されうる。
【0087】
第2シースがシースハウジング43に対して、特に管形区分41に対して適切に固定されてシャフトカテーテル61が中に押入されるように、第2挟持装置も同様に、シースハウジング43への第2シースの挿入中に第2シースを第2挟持リング56と固定するのに適している。
【0088】
第1および第2挟持リング50,56はエラストマ、例えばゴムまたはシリコンエラストマで製作され、そのため完全に可撓性であるが、容積は非圧縮のまま変形可能である。しかし、容積について部分的に圧縮性である可撓性フォームも、この箇所に使用されうる。挟持リング56の代わりに、径方向変位可能なバネクリップが、図13g,13h,13iに図示されているように挟持接続を生成するために設けられ、さらにより詳しく以下で明記されるだろう。対応のバネクリップは、挟持リングに加えて、またはその代わりに設けられうる。バネクリップは図12の点線70の領域に設けられうる。しかし、点線70′の領域はシール51の近位側にあるので、バネクリップも点線70′の領域に設けられると有利であり、そのため、バネクリップの摺動機構のシールに特に高い応力を加えることが必要ではない。
【0089】
図13aから13iは、シースの挟持装置および/または固定装置を示し、これらは導入シースおよび/または補助シースに、単独で、または組み合わせとして使用されうる。
【0090】
図13aは、例えばプラスチックまたは金属で製作され、特にスロット形成され、そのため径方向に圧縮されうるタイプの挟持リング62の概略図を示す。スロット形成挟持リング62は円錐形の外側輪郭を有し、例えば上述した圧力ネジによって、矢印65の方向に軸方向圧縮力が挟持パッド63に加えられるとすぐに挟持リングを径方向に圧縮するため、挟持パッド63の円錐形輪郭がこの外側輪郭に押圧される。スロット形成挟持リング62は、停止部材64によって軸方向に固定される。
【0091】
図13bは、貫通通路72を有するシースハウジング43の内側のアダプタ部材71を示し、貫通通路72の円筒形外面には連続的な縦溝およびビード73が設けられ、これは挟持される要素76の係合アダプタ部材75にある縦溝およびビード74と係合する。係合アダプタ部材75はアダプタ部材71へ挿入されて可撓性によりここにスナップ固定され、定位置に保持されてシールを有利に形成する。停止部材77は要素76が深く挿入され過ぎるのを防止し、こうしてスナップ接続が触覚で検知されうる。
【0092】
図13cは、図13bのものと類似した構成を示し、アダプタ部材71′と係合アダプタ部材75′の各々が、同心の連続的な縦溝およびビードではなく、ネジを備える。係合アダプタ部材75′は、これを回転させることによりアダプタ部材71′へ動かされるが、ネジを越えてこのアダプタを軸方向に挿入することも考えられる。挟持される要素76に視認マーキング78が設けられ、目標位置の特定を可能にする。しかし、形状マーキングが設けられることで目標位置が触覚により、または音響により検知されるか、目標位置に達するかこれを離れた時に、電気接点を操作して信号を発するための機構が設けられてもよい。
【0093】
図13dは、挟持される要素76の上の円錐体79を示し、この円錐体はシールを形成するアダプタ部材71′の円錐形凹部80に嵌着する。円錐体79は一つ以上の周方向ピン81を有し、このピンは、凹部80の内周面にあるゲート82内を案内され、バヨネットタイプのシースを形成するのに役立つ。逆に、ピンが外側円錐体に、ゲートが内側円錐体に設けられてもよい。密閉円錐体とシースとの接続において対応の基準を維持しながら、いわゆるルアーシースが形成されてもよい。バヨネットシースではなく、ネジ付き接続も円錐体システムとともに設けられうる。
【0094】
図13eは、2本のピン81を含む円錐体79の回転側面図を示す。
【0095】
図13fは、円錐体79′と、この円錐体を包囲するネジ付きナット83とを有する円錐体システムを示す。ネジ付きナット83は、アダプタ部材85に接続されるパイプソケット84のネジにネジ結合されうる。アダプタ部材85は導入シースのシースハウジング43に固定状態で組み込まれ、内側円錐体を有する。ネジ付きナット83は、円錐体79′に対して自由回転可能であるキャップナットとしても具現されうる。
【0096】
図13gは、押しボタン87によって操作されうる径方向変位可能なバネクリップを有するシースハウジングを示す。押しボタン87を目標位置で停止させる停止部88が設けられる。加えて、光検出可能なマーキングもバネクリップに設けられうる。バネクリップ86がシースハウジングへ動かされると反対のガイド89へ入る。その前に、バネクリップは、挟持される要素76に衝突すると弾性的に拡張される。バネクリップはこの目的のため、図13iに示されているように入口開口部90を有する。挿入が続くと、挟持される要素の周囲に保持領域91が支承される。図13hから明らかであるように、この要素は、連続的な溝や縦溝92、またはこのような縦溝92を有するカラー93を有しうる。この変形例では、挟持される要素を挟持および密閉する機能は別々である。
【0097】
説明した機能方法と反対に、バネクリップをシースハウジング43までずっと前進させてから、挟持される要素を例えばカテーテルまたは第2シースを軸方向に挿入することによって、挟持が行われてもよい。この事例では、円錐形ガイドベベル94により、要素とともに挿入されるカラー93がバネクリップ86に挟持され、ここで定位置に保持される。
【0098】
原則として、挟持される要素/第2シースも、可撓性で自己被覆式のベーン、フィン、または歯により第1シースに保持され、要素がシースから引き出される時に、要素を被覆するか、この引き出しを著しく困難にする。このようなベーンは図13dの左側に概略的に図示され、参照符号95で特定されている。
【0099】
図14は、シースおよび/またはカテーテルのための収容通路46を内部に有する導入シースのシースハウジング43′を示す。遠位端部44において、シースハウジング43′は端部に締結された管形区分41を有し、この管形区分は、例えばシースハウジングの開口部に接合、鋳造、その他の方法で締結されうる。管形区分41は、機械的停止部63までシースハウジング43′の開口部へ挿入される。
【0100】
第2シース20″(補助シース)は、機械的停止部63を遠位側の終端とするのに充分なほど、シースハウジング43′の近位端部53から収容通路46へ挿入される。一実施形態では、第2シース20″がちょうど管形区分41を終端とするように、システムが設計されてもよい。中空カテーテルを備えるポンプの形の機能的要素は、例えば、第2シース20″′に格納されるが、これについてはこれ以上説明しない。
【0101】
ポンプを含むカテーテルを第2シース20″′から第1シース43′,41の管形区分41へ移送するため、二つのシースは収容通路46内で互いに同軸に整合され、第2シース20″′は、挟持装置によって定位置に固定される。挟持装置は、遠位端部では円錐形状として具現され機械的停止部57′に押圧される可撓性挟持リング56′を有する。この目的のため、外ネジ64を有する圧力ネジ54′によって軸方向圧力が挟持リング56′に加えられる。この目的のため、圧力ネジ54′がシースハウジング43′の管形部の開口部にネジ結合されるため、矢印65の方向で軸方向に移動する。
【0102】
回転圧力ネジ54′と挟持リング56′との間の摩擦を低減させるため、例えばPTFEまたは良好な摺動特性を有する他のプラスチックで製作される回転シールリング69が設けられると有利である。
【0103】
挟持リング56′は例えばエラストマで製作され、軸方向圧力を受けて径方向に拡張することにより、収容通路46に設置された紐形要素を挟持する。挟持領域では、例えば挟持作用を向上させるため、挟持される要素は一つ以上の連続ビード、ランド、溝や縦溝、またはエッジを有しうる。この目的のため、要素にカラーが設けられてもよい。第2シース20″′は0.3と0.7mmの間の壁厚を有し、径方向圧力を受けるのに充分なほど安定した材料で製作され、第2シースは、中に延在するカテーテルが同時に挟持されることなく挟持されうる。こうして、カテーテルは第2シース20″′の近位端部から管形区分41へ容易に押し出される。第2シース20″′は、洗浄室47でプレートとドームの組み合わせシール51,52により密閉される。
【0104】
機能的要素、例えばポンプがカテーテルとともに第2シース20″′から管形区分41へ移送されると、手動タブ67,68を使用して第2シースが引き剥がされて取り除かれる。この目的のため、第2シースの遠位端部まで縦方向に破断されて第2シースが適宜取り除かれるように、第2シースは、軸方向の脆弱エリアまたは切欠き、あるいは対応の既定分子構造を有する。シースを破断するには、挟持装置54′,56′,57′を解除すると好都合であろう。
【0105】
第2シースが取り除かれるか部分的に取り除かれると、挟持リング56′の付加的な径方向圧縮の結果として小径を有するカテーテルが収容空間46に挟持されるのに充分なほど、挟持装置54′,56′,57′が密着状態で挟持される。カテーテル、そのため移植されるポンプもこうして、第1シースに対して、ゆえに患者の身体に対して、カテーテルの遠位端部に軸方向に固定される。
【0106】
しかし、導入シースに残るように、第2シース(補助シース)が具現されてもよい。この事例では、以下でより詳細に明記されるように、適切な密閉および洗浄性能も保証されるべきである。
【0107】
挟持される異なる直径に対応する圧力ネジの異なる端部位置の各々について、シースハウジングの不図示の形態によって認知可能な停止部が設けられるため、それぞれの挟持位置に達した時にユーザはネジの操作に対する明らかな回転抵抗の上昇を検知する。
【0108】
アセンブリが機械的に安定して患者の体温まで温まる初期段階に続いて、挟持装置が解除され、カテーテルが再調節されてから再締結される。二つの円筒形要素の一方が他方へ挿入されてシールを形成する記載の構造のあらゆる場所で、数度の円錐角度を有する円錐形シールが、周知のように原則として医療分野で使用されると有利である。
【0109】
説明されたシースの実施形態では、例えば移植可能な心臓ポンプが、初期検査の後で準備状態にある第2シースから、患者の身体に通じている第1シースへ、問題なく、そして低い複雑性と高い信頼性を伴って移送されうる。
【0110】
図15は、図の右側の導入シース101と左側の補助シース104とを示し、補助シースの管形部112が導入シース101へ挿入されて定位置に挟持されている。
【0111】
導入シース101は、補助シース104と同様、図14に図示されて本文で説明されるシースに実質的に対応する。
【0112】
図15に図示されたシースアセンブリ全体は、導入シースと補助シースとを包含し、補助シース104から導入シース101へ、そして導入シースから患者の身体へ紐形要素/カテーテル105を挿入するのに適している。
【0113】
導入シース101はさらに、シースハウジング114を形成する近位部103にシールを形成するように固定される管形部41aを、遠位端部102に有する。補助シース104の遠位端部の管形部112は、導入シース101へ挿入され、導入シースの管形部の前の停止部63まで押入される。停止部63は、補助シースの管形部112のためと、導入シースの管形部41aの近位端部のための軸方向停止部を同時に形成し、管形部112,41aは、フランジタイプの停止部63と同じ内径を有しうる。停止部63は、シースハウジングのハウジング壁に形成される。導入シースは、例えば補助シース104の第2締結手段107と類似の設計であるとともに、挟持装置として図14を参照して詳しく説明された第1締結手段108を有する。しかし、原則として、第1および第2締結手段は、図13aから13jに例として示されたタイプの締結手段の各々を包含しうる。
【0114】
補助シースと導入シースのハウジング114の内室110にある導入シースの管形部との間の移行エリアを無菌状態に保ち、この目的でこのエリアを洗浄するために、洗浄装置108は、対応の洗浄管と、ハウジング114の壁に設けられる開口部とを備える。洗浄装置は、例えばポンプ121と容器122とを包含する洗浄媒体供給源120に接続される。補助シース104も同様に、洗浄管とハウジング113の壁の開口部とを包含する洗浄装置109を有する。この洗浄装置109を介して、補助シースのハウジング内部111、ゆえにカテーテル105から補助シースの管形部112への移行エリアが洗浄されて無菌状態に保たれる。
【0115】
第1洗浄装置108は、洗浄媒体供給源120を介して、例えば第2洗浄装置109に接続される。こうして、ポンプ121は第1洗浄装置108と第2洗浄装置109の両方に洗浄媒体を運搬して、この媒体をハウジング113,114の内室に運搬するように設けられうる。
【0116】
図16は、洗浄媒体供給源120が、第1洗浄装置108を介して導入シース101のハウジング114の内部110へ洗浄媒体を供給する変形例を示し、導入シースの内側に固定された補助シースの管形部112は、洗浄媒体が管形部112へ流入してハウジング113のハウジング内部111へ軸方向に流れる、内室110の少なくとも一つの外面開口部119、例えば多数開口部で構成される外面穿孔を有する。そのため、洗浄媒体は、洗浄媒体供給源120から導入シース101を通って補助シース104へ能動的に移動できる。このような事例では、洗浄流体を収集タンク123に収集するため、第2洗浄装置109の構造装置が、補助シースからの排出を行う、例えば中の洗浄流体を吐出するように機能しうる。この事例では、補助シースの管形部112の内部は、二つのシースを接続するための補助洗浄通路115′の一部を形成する。図15に示された変形例では、洗浄装置108,109の送入管および/またはその接続部により補助洗浄通路115が設けられる。
【0117】
補助シースの管形部112の外面開口部/凹部119は、例えば患者の身体へカテーテルが挿入された後で初めて部分112へ導入されうる。例えば図11に図示された切断アセンブリがこの目的のために使用されうる。
【0118】
最後に、図17は、導入シースのシースハウジング114が補助シース104のシースハウジング113に確実に接続される設計を示している。二つのシースハウジングは、円筒形またはいくらか円錐形の下位領域で、一方が他方の内側に確実に挿入される。ネジ接続またはバヨネット接続も設けられうる。
【0119】
例えば図の態様では、片側では補助シースのハウジング113に、反対側では導入シースのハウジング114にある周溝によって形成される周溝116が設けられる。しかし、ハウジングの一方のみに周溝を設けても充分である。周溝または両方の周溝は各々が一つの通路状凹部117,118を介して接続され、凹部は、当該のハウジング114,113の壁を通って第1洗浄装置108および/または当該のシースハウジング114,113の内部に延在する。その結果、図の変形例では、ハウジング114の内部とハウジング113の内部とが第1洗浄装置108を介して洗浄されうる。この事例で、第2洗浄装置109は、図16により、排出のためと洗浄流体を吐出するために使用される。しかし、逆に、第2洗浄装置によっても、両方のハウジングの洗浄が行われうる。設けられた周溝116のため、二つのシースハウジングを接続する際に正確な角度位置に接着する必要はなく、むしろ、二つのシースハウジング101,104の軸方向位置が相対的に維持されることのみが必要である。これは、例えば二つのシースハウジングの一方の固定停止部によって保証されうる。
【0120】
加えて、各事例で周溝の領域にあるハウジング114の内周側のバネマウント摺動要素とハウジング113の外側のこのような一要素とは、二つのハウジングへの接続の前に、対応の周溝および/または通路状凹部が被覆されることを保証するのに役立ちうる。二つのハウジングの結合中に、当該の周溝または凹部が被覆されないように、摺動要素はバネ付勢され格納可能である。
【0121】
図17の構成の事例では、通路状凹部117,118および/または周溝116は、補助洗浄通路115″を形成する。
【0122】
上述した変形例では、補助シース104が導入シース101に永続的に接続され、これに接続されたままであるとともに、シースの領域で細菌が患者の身体へ侵入することが確実に防止されるように、この二つが一緒に洗浄される。
【0123】
図18は、無菌管130が液密接続で導入シース101に接続されたシースアセンブリの実施形態を示す。原則として、導入シース101から、または補助シース104′(図18には部分的かつ概略的にのみ図示)から、この管が洗浄されうる。
【0124】
無菌管130は、それ自体が液密状態で、また波形管として具現される。フランジ接続または接着剤接続131によって、または概して図13aから13iに示された接続タイプの一つによって、導入シース114のハウジングへ、および/または補助シースのハウジングへ、および/またはカテーテルグリップへ接続され、また、導入シースに部分的に挿入された補助シースを少なくとも部分的に包囲する。無菌管はまた、カテーテルシャフトの直近で挟持されうる。
【0125】
カテーテルが患者の身体へ挿入されてしまうと、補助シース全体が無菌管130の内側に収容されうる。近位端部材132はカテーテルのための貫通通路を有し、これはシールを形成する通路から送られる。
【0126】
挿入プロセスに続いて、無菌管は軸方向に圧縮され、端部材132が例えばフランジ131に接続されうる。補助シースは剥離シースとして引き剥がされ、導入シースから無菌管へ引き抜かれ、ここに残る。それから導入シースが無菌管に対して密閉されうる。
【0127】
図19aは、シースアセンブリの軸方向断面図を示し、紐形要素/カテーテル105は補助シース21の管形部の中に延在し、補助シース21は導入シース41aの管形部の内側に設置される。この例では中空カテーテルとして示された紐形要素/カテーテル105は、外径dを有する。補助シース21の管形部は、外径dと、紐形要素/カテーテル105の外径dに対応する内径とを有する。導入シース41aの管形部は、補助シースの管形部の外径dに対応する内径と、外径d3aとを有する。概して、当該コンポーネントの壁厚が材料特性に基づいてランダムに減少されることはありえない。
【0128】
このタイプのシースアセンブリでは、システム全体の外径d3aは、一方が他方の周囲にあるという補助シースおよび導入シースの管形区分の構成のため比較的大きく、また患者の皮膚を通過する点では、対応して高い程度の外傷および出血リスクという結果を生じることは明白である。
【0129】
図19bは、紐形要素/カテーテル105が補助シース21の管形部に延在し、補助シースが導入シースの管形区分に対して近位側で軸方向に設置され、ゆえに同図には示されていないシースアセンブリの軸方向断面図を示す。この領域でのシステムの外径が補助シースの管形部の外径dに対応するのは、明白である。
【0130】
図19cは、紐形要素/カテーテル105が導入シース41aの管形部に延在する平面における図19bの断面図の遠位側に位置する、図19bのシースアセンブリの別の軸方向断面図を示す。補助シースの管形部はこの平面上には設けられない。この区分に補助シースが存在しないことで、導入シース41aの管形区分の外径d3bは実質的に小さく設計され、例えば、これは補助シース21の管形区分の外径に対応するか、これよりもさらに小さい。
【0131】
このようなシースアセンブリでは、システム全体の外径d3bは、一方が他方の軸方向前方にある補助シースおよび導入シースの管形区分の位置決めのため実質的に小さく、これに応じて、患者の皮膚を通過する点での外傷および出血リスクの減少を生じる結果となる。
なお、以下に説明する態様も本発明の具体例に含まれる。
<態様1>紐形要素(32,105)であるカテーテルを患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリであって、患者の身体への挿入のために設けられた遠位端部(102)を有して、前記患者の身体へのアセンブリの前記遠位端部の挿入中に前記患者の前記身体から突出する近位端部(103)を有する導入シース(101)を包含するとともに、前記紐形要素/カテーテル(32,105)とともに前記導入シース(101)へ挿入するための補助シース(104)を包含し、補助シースを前記導入シースに着脱可能に締結するための第1締結手段(106)と、前記紐形要素を前記補助シースに着脱可能に締結するための第2締結手段(107)とを備え、前記導入シース(101)が、第1シースハウジング(13,114)と、紐形要素(32,105)のための第1収容通路と前記第1シースハウジングを終端とする遠位管形区分(11,41a)とを有する第1シース内室(110)と、前記シース内室(110)を洗浄するための第1洗浄装置(108)とを有し、前記補助シース(104)が、紐形要素(32,105)のための第2収容通路を有する第2シース内室(111)と、管形遠位部(112)と、前記第2シース内室(111)のための第2洗浄装置(109)とを有し、前記第1シースハウジング(13,114)が、前記補助シース(104)の前記管形遠位部(112)の遠位端部を前記第1シースハウジング(13,114)において前記管形区分(11,41a)の近位端部の近位前方に位置決めするための手段(63)を有し、前記第2洗浄装置(109)が前記第1洗浄装置(108)に接続され、前記第1洗浄装置(108)と前記第2洗浄装置(109)との間で洗浄流体の交換を可能にする、シースアセンブリ。
<態様2>前記補助シース(104)が、管形遠位部(112)とシースハウジング(113)とを有することと、前記管形遠位部(112)が前記導入シース(101)へ挿入され、前記補助シース(104)が前記導入シース(101)に着脱可能に接続されることとを特徴とする、態様1に記載のシースアセンブリ。
<態様3>前記補助シース(104)が管形遠位部(112)とシースハウジング(113)とを有することと、前記補助シースの前記シースハウジング(113)が、前記導入シース(101)のシースハウジング(114)に、着脱可能に接続されることとを特徴とする、態様1に記載のシースアセンブリ。
<態様4>補助シース(104)と導入シース(101)との間の接続が、圧力嵌め接続または摩擦接続を含む着脱可能な挟持接続として、ダブルコーン接続、ネジ接続、バヨネット接続、圧入接続として、または他の着脱可能な係合接続として具現されることを特徴とする、態様1乃至3のいずれかに記載のシースアセンブリ。
<態様5>前記補助シースの前記シースハウジング(113)の内室が、補助洗浄通路(115,115′,115″)によって前記第1洗浄装置(108)に直接的に接続されることを特徴とする、態様2または3に記載のシースアセンブリ。
<態様6>前記補助洗浄通路(115,115′,115″)が、前記補助シース(104)の前記ハウジングの外周部に装着されるホースまたはチューブの形の管路に延在することを特徴とする、態様5に記載のシースアセンブリ。
<態様7>前記補助洗浄通路(115,115′,115″)が、前記補助シースの前記管形遠位部(112)の外面開口部(119)を通って、前記導入シース(101)の前記シースハウジング(114)から前記補助シース(14)の前記管形遠位部(112)の内部まで直接的に延在することを特徴とする、態様5に記載のシースアセンブリ。
<態様8>前記補助シースの前記シースハウジング(113)と前記導入シースの前記シースハウジング(114)との間の直接接続の事例で、前記補助洗浄通路(115,115′,115″)が、前記導入シース(101)の内側に配置される前記補助シースの前記シースハウジング(113)の壁の領域を通って、前記接続領域の内側に延在することを特徴とする、態様5に記載のシースアセンブリ。
<態様9>前記導入シース(101)と前記補助シース(104)とが環状領域で接続相手として相互に当接することと、前記環状領域で、前記周方向に延在する環状または円弧状の周溝(116)が前記二つの接続相手の少なくとも一方に設けられることと、前記導入シースの前記シースハウジング(114)と前記補助シースの前記シースハウジング(113)の両方において接続状態で当該シースの前記内室を前記周溝(116)に接続する通路状凹部(117,118)が設けられることとを特徴とする、態様8に記載のシースアセンブリ。
<態様10>無菌管(130)が液密接続で前記導入シース(101)に接続され、前記管が、前記導入シース(101)の近位延出部を形成するとともに補助シース(104)の少なくとも一部を包囲し、前記無菌管が液密接続で前記補助シース(104)に接続されることを特徴とする、態様1乃至9のいずれかに記載のシースアセンブリ。
<態様11>前記無菌管(130)が前記導入シース(101)の端面に装着される、態様10に記載のシースアセンブリ。
<態様12>前記無菌管(130)が前記補助シース(104)の前記ハウジングを液密状態の終端とする、態様10に記載のシースアセンブリ。
<態様13>前記無菌管(130)が軸方向に圧縮可能であって、前記紐形要素(32,105)が前記導入シース(101)へ挿入されてしまうと、前記補助シース(104)、前記補助シースの前記管形遠位部(112)が前記導入シースへ押入されて前記導入シースに載置される、態様10に記載のシースアセンブリ。
<態様14>前記補助シースの前記管形遠位部(112)の内径が前記導入シースの前記管形区分(11,41a)の内径より大きいこと、または、前記管形遠位部(112)および前記管形区分(11,41a)の各々が、前記管形遠位部(112)の前記遠位端部を前記第1シースハウジング(114)で位置決めするための手段(63)と同じ直径を有することを特徴とする、態様1乃至13のいずれかに記載のシースアセンブリ。
<態様15>前記導入シース(101)の前記管形区分(11,41a)の外径が前記補助シースの前記管形遠位部(112)の前記外径と等しいか前記外径より小さいことを特徴とする、態様1に記載のシースアセンブリ。
<態様16>紐形要素と、態様1乃至15の少なくとも一つに記載の、紐形要素を患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリとを包含し、前記紐形要素がポンプである、システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図13f
図13g
図13h
図13i
図14
図15
図16
図17
図18
図19a
図19b
図19c
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル患者の身体へ挿入するためのシースアセンブリであって、
近位端部と遠位端部とを有する導入シースであって、前記導入シースの前記遠位端部が前記患者の前記身体に挿入されるように構成され、前記遠位端部の挿入時に前記近位端部が前記患者の前記身体から突出する、導入シースと、
前記導入シースの前記近位端部に結合された導入シースハウジングと、
近位端部と遠位端部とを有する補助シースであって、前記補助シースの前記遠位端部が前記導入シースハウジング内に挿入されるように構成される、補助シースと、
前記補助シースの前記近位端部に結合された補助シースハウジングと、を含み、
前記補助シースハウジングは、前記補助シースの前記遠位端が、前記導入シースの前記近位端部に接近したときに前記導入シースハウジングと着脱可能に結合し、当該補助シースハウジングに対して前記カテーテルを固定するように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
第1接触面及び第2接触面を有する機械的停止部を更に含み、
前記第1接触面は、前記補助シースの前記遠位端部が前記機械的停止部を超えて遠位方向に移動することを防ぐように構成され、
前記第2接触面は、前記導入シースの前記近位端部が前記機械的停止部を超えて近位方向に移動することを防ぐように構成され、
前記補助シースハウジングは、更に、前記補助シースの前記遠位端部が前記機械的停止部の前記第1接触面と接触し、且つ、前記導入シースの前記近位端部が前記機械的停止部の前記第2接触面と接触するときに、前記導入シースハウジングと着脱可能に結合するように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースが、内径及び外径を有する管形部を更に含み、
前記導入シースが、内径及び外径を有する管形部を更に含む、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項4】
請求項に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースハウジングは、前記補助シースの前記管形部が前記導入シースの前記管形部の近位に位置するときに、前記導入シースハウジングに着脱可能に接続されるように更に構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シース及び前記導入シースは、前記カテーテルが前記補助シースの前記管形部と前記導入シースの前記管形部とを通って延在できるように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースの前記管形部の前記外径が、前記導入シースの前記管形部の前記外径と実質的に等しい、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項7】
請求項5に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースの前記管形部の前記外径が、前記導入シースハウジングの前記管形部の前記外径よりも大きい、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項8】
請求項4に記載のシースアセンブリであって、
前記導入シースの前記管形部の前記内径が、前記カテーテルの外径と実質的に等しい、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項9】
請求項4に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースの前記管形部の前記内径が、前記カテーテルの外径と実質的に等しい、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項10】
請求項4に記載のシースアセンブリであって、
前記導入シースの前記管形部は、前記患者の前記身体に挿入されるように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースは、圧入接続によって前記導入シースハウジングに着脱可能に接続されるように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースは、ネジ接続によって前記導入シースハウジングに着脱可能に接続されるように構成されることを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースは、バヨネット接続によって前記導入シースハウジングに着脱可能に接続されるように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースは、変形可能なリング又はカラーを用いて、当該補助シースに対して着脱可能に前記カテーテルを固定するように構成され、前記リング又は前記カラーは、自身が変形したときに前記カテーテルの一部を挟持するように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項15】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースは、スナップ嵌めアダプタを用いて、当該補助シースに対して着脱可能に前記カテーテルを固定するように構成され、前記スナップ嵌めアダプタは、前記補助シースの一部とのスナップ接続を形成するように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項16】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースは、当該補助シースの一部とネジ結合するように構成されたネジ式アダプタを用いて、当該補助シースに対して着脱可能に前記カテーテルを固定するように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。
【請求項17】
請求項1に記載のシースアセンブリであって、
前記補助シースは、前記カテーテルの一部を挟持するように構成されたバネクリップを用いて、当該補助シースに対して着脱可能に前記カテーテルを固定するように構成される、ことを特徴とするシースアセンブリ。