(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083683
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】外装箱およびバッグインボックス
(51)【国際特許分類】
B65D 5/74 20060101AFI20230609BHJP
B65D 77/06 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
B65D5/74 020Z
B65D77/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197517
(22)【出願日】2021-12-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年8月17日に双日食料株式会社に販売
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】長峯 道代
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA04
3E060AB05
3E060BA05
3E060BA08
3E060BB07
3E060BC02
3E060CA01
3E060CA13
3E060CA27
3E060CA42
3E060CD02
3E060CD12
3E060CF06
3E060DA30
3E060EA03
3E067AA03
3E067AA05
3E067AC01
3E067BA06C
3E067BA12B
3E067BB02C
3E067BB11B
3E067BB14B
3E067BB26B
3E067BC07B
3E067EB27
3E067EE12
3E067EE59
3E067FB15
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】注出口を開口部から露出させた状態に保持することができる外装箱を提供する。
【解決手段】
外装箱3は、注出口2Aを有する内袋2を収納する。外装箱3は、傾斜壁16に穿設され、注出口2Aを露出させる開口部30と、開口部30から傾斜壁16に切り込まれた一対の切目線の間に形成され、一対の切目線の先端の間を結ぶヒンジ線L12を中心に開閉可能に設けられ、開口部30から注出口2Aを露出させる際に開かれ、開口部30から注出口2Aを露出させた後に閉じられる第1側片32と、第1側片32よりも大きく形成され、傾斜壁16に積層折線L14を介して連設され、積層折線L14に沿って内側に折り曲げられ、閉じられた第1側片32と傾斜壁16とに積層された状態に保持される第2側片33と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出口(2A)を有する内袋(2)を収納する外装箱(3,4,5)であって、
前記外箱体を構成する壁部(11,16)に穿設され、前記注出口を露出させる開口部(30)と、
前記開口部から前記壁部に切り込まれた一対の切目線(31)の間に形成され、一対の前記切目線の先端の間を結ぶヒンジ線(L12)を中心に開閉可能に設けられ、前記開口部から前記注出口を露出させる際に開かれ、前記開口部から前記注出口を露出させた後に閉じられる第1側片(32)と、
前記第1側片よりも大きく形成され、前記壁部に積層折線(L14,L17)を介して連設され、前記積層折線に沿って内側または外側に折り曲げられ、閉じられた前記第1側片と前記壁部とに積層された状態に保持される第2側片(33,34,35)と、を備えていることを特徴とする外装箱。
【請求項2】
前記第1側片には、前記ヒンジ線と平行に補助線(L13)が形成され、
前記第1側片が閉じられる過程において前記補助線で外側に突き出すように屈曲されることで、前記第1側片の先端は前記注出口の基端部に向けられ、
前記補助線で屈曲された前記第1側片が広げられ閉じられた状態になると、前記第1側片の先端は前記注出口の基端部に係合することを特徴とする請求項1に記載の外装箱。
【請求項3】
前記第2側片は、その先端を前記注出口の基端部に係合させた状態で前記第1側片と前記壁部とに積層されることを特徴とする請求項1または2に記載の外装箱。
【請求項4】
一対の第1側壁(10)と一対の第2側壁(11)とを交互に連設して筒状に形成された周壁(W)と、
前記周壁の下面開口を閉塞する底部(12,13,14)と、
一対の前記第1側壁の上端に連設され、前記周壁の上面開口を閉塞し、ユーザによって把持される把手部(26)を有する一対の天壁(15)と、
一対の前記第2側壁の上端に連設され、互いに内側に傾倒した姿勢で一対の前記天壁に連結される一対の傾斜壁(16)と、を備え、
前記開口部は、前記壁部としての一方の前記傾斜壁または一方の前記第2側壁の上部に形成され、
前記第1側片は、前記開口部の上側に隣接し、一方の前記傾斜壁または一方の前記第2側壁から一方の前記傾斜壁に亘って形成され、
前記第2側片は、一方の前記傾斜壁の上端に連設され、
前記第1側片、前記第2側片および他方の前記傾斜壁には、それぞれ係止穴(36)が穿設され、
前記把手部には、重なり合った前記第1側片と前記第2側片との前記係止穴と、他方の前記傾斜壁の前記係止穴と、に係止される一対のフック部(27)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の外装箱。
【請求項5】
一対の第1側壁(10)と一対の第2側壁(11)とを交互に連設して筒状に形成された周壁(W)と、
前記周壁の上面開口を閉塞する天部(15)と、
一対の前記第2側壁の下端に連設され、前記周壁の下面開口の少なくとも一部を閉塞する一対の下内フラップ(40)と、
一対の前記第1側壁の下端に連設され、前記下面開口の少なくとも一部を閉塞した一対の前記下内フラップの表面に積層される一対の下外フラップ(41)と、を備え、
前記開口部は、前記壁部としての一方の前記第2側壁の下部に形成され、
前記第1側片は、前記開口部の下方に隣接し、前記壁部としての一方の前記第2側壁または一方の前記第2側壁から一方の前記下内フラップに亘って形成され、
前記第2側片は、一方の前記下内フラップの少なくとも一部として形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の外装箱。
【請求項6】
注出口(2A)を有する内袋(2)と、
前記内袋を収納する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の外装箱(3,4,5)と、を備えていることを特徴とするバッグインボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内袋を収納する外装箱およびバッグインボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内容物を充填した口栓付き内袋と、内袋を収納する外装箱とからなるバッグインボックスが開示されている。外装箱の蓋部には、内袋の口栓の基部(付け根部分)を嵌合させる口栓取出部が形成されている。また、口栓取出部のまわりには、蓋部に切り込みを入れて一対の片部が形成されている。一対の片部は、口栓を外部に引き出す際に観音開きにされ、閉じられることで口栓取出部に嵌合した口栓の基部に係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した外装箱では、各々の片部が1枚の板であるため、折れたり撓んだりし易かった。このため、口栓(注出口)の開閉操作の繰り返しや、バッグインボックスの移動時の振動等によって一対の片部が開いてしまうことがあった。一対の片部が開くことで、口栓取出部(開口部)から口栓が外れてしまうことがあった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、注出口を開口部から露出させた状態に保持することができる外装箱およびバッグインボックスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、注出口を有する内袋を収納する外装箱であって、前記外箱体を構成する壁部に穿設され、前記注出口を露出させる開口部と、前記開口部から前記壁部に切り込まれた一対の切目線の間に形成され、一対の前記切目線の先端の間を結ぶヒンジ線を中心に開閉可能に設けられ、前記開口部から前記注出口を露出させる際に開かれ、前記開口部から前記注出口を露出させた後に閉じられる第1側片と、前記第1側片よりも大きく形成され、前記壁部に積層折線を介して連設され、前記積層折線に沿って内側または外側に折り曲げられ、閉じられた前記第1側片と前記壁部とに積層された状態に保持される第2側片と、を備えている。
【0007】
この場合、前記第1側片には、前記ヒンジ線と平行に補助線が形成され、前記第1側片が閉じられる過程において前記補助線で外側に突き出すように屈曲されることで、前記第1側片の先端は前記注出口の基端部に向けられ、前記補助線で屈曲された前記第1側片が広げられ閉じられた状態になると、前記第1側片の先端は前記注出口の基端部に係合してもよい。
【0008】
この場合、前記第2側片は、その先端を前記注出口の基端部に係合させた状態で前記第1側片と前記壁部とに積層されてもよい。
【0009】
この場合、一対の第1側壁と一対の第2側壁とを交互に連設して筒状に形成された周壁と、前記周壁の下面開口を閉塞する底部と、一対の前記第1側壁の上端に連設され、前記周壁の上面開口を閉塞し、ユーザによって把持される把手部を有する一対の天壁と、一対の前記第2側壁の上端に連設され、互いに内側に傾倒した姿勢で一対の前記天壁に連結される一対の傾斜壁と、を備え、前記開口部は、前記壁部としての一方の前記傾斜壁または一方の前記第2側壁の上部に形成され、前記第1側片は、前記開口部の上側に隣接し、一方の前記傾斜壁または一方の前記第2側壁から一方の前記傾斜壁に亘って形成され、前記第2側片は、一方の前記傾斜壁の上端に連設され、前記第1側片、前記第2側片および他方の前記傾斜壁には、それぞれ係止穴が穿設され、前記把手部には、重なり合った前記第1側片と前記第2側片との前記係止穴と、他方の前記傾斜壁の前記係止穴と、に係止される一対のフック部が形成されてもよい。
【0010】
この場合、一対の第1側壁と一対の第2側壁とを交互に連設して筒状に形成された周壁と、前記周壁の上面開口を閉塞する天部と、一対の前記第2側壁の下端に連設され、前記周壁の下面開口の少なくとも一部を閉塞する一対の下内フラップと、一対の前記第1側壁の下端に連設され、前記下面開口の少なくとも一部を閉塞した一対の前記下内フラップの表面に積層される一対の下外フラップと、を備え、前記開口部は、前記壁部としての一方の前記第2側壁の下部に形成され、前記第1側片は、前記開口部の下方に隣接し、前記壁部としての一方の前記第2側壁または一方の前記第2側壁から一方の前記下内フラップに亘って形成され、前記第2側片は、一方の前記下内フラップの少なくとも一部として形成されてもよい。
【0011】
本発明に係るバッグインボックスは、注出口を有する内袋と、前記内袋を収納する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の外装箱と、を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、注出口を開口部から露出させた状態に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るバッグインボックスを示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るバッグインボックスを示す側方断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る外装箱のブランクを示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るバッグインボックスの組立手順(外装箱の封緘手順)を説明する斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る外装箱の第2側片を第1側片の裏面に積層した状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る外装箱のフック部を係止穴に係止させた状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る外装箱のブランクを示す平面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係るバッグインボックスを示す側方断面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る外装箱のブランクを示す平面図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係るバッグインボックスを示す側方断面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態の変形例に係る外装箱のブランクを示す平面図である。
【
図12】本発明の第3実施形態の他の変形例に係る外装箱のブランクを示す平面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態の変形例に係るバッグインボックスを示す側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向、左右方向および上下方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、主に、バッグインボックスの使用時における方向や位置を基準にしている。
【0015】
[バッグインボックスの概要]
図1ないし
図3を参照して、バッグインボックス1の構成について説明する。
図1はバッグインボックス1を示す斜視図である。
図2はバッグインボックス1を示す側方断面図である。
図3は外装箱3のブランク3Aを示す平面図である。
【0016】
図1および
図2に示すように、バッグインボックス1は、注出口2Aを有する内袋2と、内袋2を収納する外装箱3と、を備えている。内袋2には、液体や粉体等(内容物(図示せず))が充填されている。外装箱3は概ね直方体状に形成されており、その上部にはユーザによって把持される把手部26が設けられている。
【0017】
[内袋]
内袋2は、例えば、合成樹脂製のフィルム(または合成樹脂層と金属被膜とを積層した複合フィルムでもよい。)によって形成された袋である。内袋2には、内容物を外部に流出させるための注出口2Aが固定されている。注出口2Aには、回動式のキャップ2Bが設けられている。注出口2Aの基端部(根本部分)には、段ボールシートが嵌合可能な隙間を挟んで2枚のフランジ部2Cが設けられている。
【0018】
[第1実施形態:外装箱]
外装箱3は、
図3に示すブランク3Aを組み立てることで形成される。ブランク3Aは、例えば、波状の中しん9Aの表裏に表ライナ9Bと裏ライナ9C(
図2参照)とを貼り付けた紙製の両面段ボールシートから形成されている。ブランク3Aは、例えば、一枚の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。なお、
図3は、表ライナ9B側(外装箱3の外面側)を示している。本明細書では、段ボールの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向(中しん9A)に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。また、本明細書では、方向や位置を示す用語は、バッグインボックス1を使用する状態での方向や位置を指している。
【0019】
[ブランク]
図3に示すように、ブランク3Aは、一対の第1側壁10と、一対の第2側壁11と、第1閉塞片12と、一対の第2閉塞片13と、第3閉塞片14と、一対の天壁15と、一対の傾斜壁16と、を備えている。
【0020】
<第1側壁、第2側壁>
一対の第1側壁10と一対の第2側壁11とは、第1折曲線L1を介して流れ方向の一方から他方に向かって交互に連設されている。各第1側壁10は、1つの上角部を斜めに切り欠かれているが、概ね四角形状に形成されている。各第2側壁11は、略長方形状に形成されている。一対の第1側壁10の間に挟まれた一方(前方)の第2側壁11は、切り欠き部分(傾斜辺)よりも下側で一対の第1側壁10に連設され、他方(後方)の第2側壁11よりも段方向に短く(低く)形成されている。各第1側壁10の傾斜辺には、概ね三角形状の支持片17が第2折曲線L2を介して連設されている。第1側壁10の流れ方向の一端には、第1折曲線L1を介して継代片18が連設されている。
【0021】
<第1~第3閉塞片>
第1閉塞片12は、第3折曲線L3を介して一対の第2側壁11の間に挟まれた第1側壁10の段方向の一端(下端)に連設されている。第1閉塞片12は、先端側の流れ方向の中央部を略長方形状に切り欠かれているが、概ね略長方形状に形成されている。一対の第2閉塞片13は、第3折曲線L3を介して一対の第2側壁11の下端に連設されている。各第2閉塞片13は、第1閉塞片12側に略台形状の切り欠きを有する複雑な形状を成している。第3閉塞片14は、第3折曲線L3を介して継代片18側の第1側壁10の下端に連設されている。第3閉塞片14は、概ね略台形状に形成されている。
【0022】
<天壁>
一対の天壁15は、一対の第1側壁10の段方向の他端(上端)に連設されている。各天壁15は、蓋壁20と、把手片21と、を有している。
【0023】
(蓋壁)
各蓋壁20は、概ね四角形状に形成され、第4折曲線L4を介して第1側壁10の上端に連設されている。各把手片21は、把手穴24を跨ぐようにアーチ状に形成されており、各蓋壁20の先端側には、把手穴24を埋めるように延出片22が延設されている。右方の蓋壁20の延出片22は、把手穴24を全て埋めるように形成され、左方の蓋壁20の延出片22は、把手穴24の下側を埋めるように形成されている。
【0024】
(把手片)
各把手片21は、略台形状の外形を成し、アーチ状(略U字状)に形成されている。各把手片21は、第5折曲線L5を介して蓋壁20(延出片22を除く)の先端に連設されている。各把手片21の流れ方向の両側には、一対のフック片23が形成されている。一対のフック片23は、各把手片21から流れ方向の両側に突き出した後、屈曲して上方に延設されている。左方の把手片21の把手穴24の上縁には、2本の手提折線L11を介して手提片25が連設されている。手提片25の先端は、延出片22の先端に突き合わされている。
【0025】
<傾斜壁>
各傾斜壁16は、第4折曲線L4を介して第2側壁11の上端に連設されている。後方の傾斜壁16は、先端に向かって幅狭くなる略台形状に形成されている。前方の傾斜壁16は、下部を第2側壁11と略同一幅の略長方形状とし、上部を先端に向かって幅狭くなる略台形状とし、全体として略六角形状に形成されている。前方の傾斜壁16(外装箱3を構成する壁部)には、内袋2の注出口2Aを露出させるための開口部30が穿設されている。開口部30は、略八角形状に形成された穴であり、傾斜壁16の下部で流れ方向の中央部に開口している。
【0026】
(第1側片)
前方の傾斜壁16には、開口部30から上方に向かって平行(または左右対称)に一対の切目線31が切り込まれ、一対の切目線31の先端(上端)の間を結ぶようにヒンジ線L12が形成されている。一対の切目線31の間には、開口部30よりも幅広い概ね四角形状の第1側片32が形成されている。第1側片32は開口部30の上側に隣接し、第1側片32の下端は開口部30の上縁を成している。第1側片32は、ヒンジ線L12を中心に開閉(回動)可能に設けられている。詳細は後述するが、第1側片32は、開口部30から注出口2Aを露出させる際に開かれ、開口部30から注出口2Aを露出させた後に閉じられる。また、第1側片32の段方向(上下方向)の略中央には、ヒンジ線L12と平行に補助線L13が形成されている。なお、本明細書において、「平行」との用語は、厳密に平行であることを要求する意味ではなく、僅かな傾きを許容する意味である。
【0027】
(第2側片)
各傾斜壁16の先端(上端)には、2本の積層折線L14を介して第2側片33が連設されている。各第2側片33は、第1側片32よりも大きく形成されている。具体的には、各第2側片33は、基端側を第1側片32と略同一幅の略長方形状とし、先端側を先端に向かって幅広くなる略台形状とした多角形状に形成されている。つまり、各第2側片33の先端側は、第1側片32よりも幅広く形成されている。
【0028】
(係止穴)
第1側片32、各第2側片33および後方(他方)の傾斜壁16には、それぞれ係止穴36が穿設されている。各係止穴36は、傾斜壁16等の流れ方向の中央部で、段方向に延びた略長方形状の穴(スリット)である。第1側片32では、補助線L13からヒンジ線L12を越えた辺りまでの範囲に係止穴36が形成されている。つまり、この係止穴36は、第1側片32から傾斜壁16に亘って形成されている。後方の傾斜壁16では、第4折曲線L4から積層折線L14の近くまでの範囲に係止穴36が形成されている。各第2側片33では、先端側に寄った位置に係止穴36が形成されている。各第2側片33に開口した係止穴36は、第2側片33を2本の積層折線L14で折り返した状態で、第1側片32や傾斜壁16に開口した係止穴36に略一致する。
【0029】
なお、第1~第4折曲線L1~L4、手提折線L11、ヒンジ線L12、補助線L13および積層折線L14は、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に潰した汎用罫線である。汎用罫線は、主に裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(正折りする)機能を有している。第5折曲線L5は、段ボールシートを表ライナ9B側から厚み方向に潰した逆罫線である。また、第5折曲線L5上には、切目が入れられている。逆罫線は、主に表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(逆折りする)機能を有している。上記した第1折曲線L1等は、汎用罫線や逆罫線に限らず、ミシン刃線等、段ボールシートを所望の向きに折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0030】
[バッグインボックスの組立]
次に、
図1、
図2、
図4ないし
図6を参照して、バッグインボックス1の組立手順について説明する。
図4はバッグインボックス1の組立手順(外装箱3の封緘手順)を説明する斜視図である。
図5は第2側片33を第1側片32の裏面に積層した状態を示す斜視図である。
図6はフック部27を係止穴36に係止させた状態を示す斜視図である。なお、組立前の初期状態として、ブランク3Aの流れ方向の両外側に位置する第1側壁10と第2側壁11とが第1折曲線L1で折り曲げられ、継代片18が第2側壁11の内面に接着され、外装箱3は二重に折り畳まれていることとする(図示せず)。
【0031】
作業者は、一対の第1側壁10と一対の第2側壁11とを第1折曲線L1に沿って略直角に折り曲げる。これにより、一対の第1側壁10と一対の第2側壁11とが周方向に交互に連設され、上面と下面とを開口させた角筒状の周壁Wが形成される(
図4参照)。一対の第1側壁10は左右方向に対向し、一対の第2側壁11は前後方向に対向し、開口部30が開口した側が正面(前方)となる。
【0032】
作業者は、第1閉塞片12、一対の第2閉塞片13、第3閉塞片14を、この順に第3折曲線L3に沿って内側に折り曲げる。第3閉塞片14の先端側は、一対の第2閉塞片13を挟んで第1閉塞片12を押し込みながら第1閉塞片12の切り欠きに差し込まれる。第1~第3閉塞片12~14は、いわゆる地獄底(またはアメリカンロック)と呼ばれる組み上げ式の底部であり、周壁Wの下面開口を閉塞する(
図2参照)。
【0033】
図4に示すように、作業者は、第1側片32をヒンジ線L12に沿って逆折りして手前に跳ね上げる(開く)。傾斜壁16の第1側片32があった位置には、開口部30に連通する装着穴37が開口する。作業者は、注出口2Aを上方かつ前方に向けた内袋2を周壁Wの上面開口から内部に挿入する。作業者は、内袋2の注出口2Aを装着穴37から外部に露出させた後、下方にスライドさせて開口部30に移動させる。開口部30の左右両縁部は、注出口2Aの2枚のフランジ部2Cの間に嵌り込む。
【0034】
作業者は、跳ね上げた第1側片32をヒンジ線L12に沿って正折りして元に戻す(閉じる)。第1側片32が閉じられる過程において、作業者は、第1側片32を補助線L13で外側に突き出すように屈曲(正折り)させ、、第1側片32の先端(下端)を注出口2Aの基端部に向ける(
図2に示す二点鎖線を参照)。具体的には、第1側片32の先端は、2枚のフランジ部2Cの間に向けられる。補助線L13で屈曲された第1側片32が広げられて閉じられた状態になると、第1側片32の先端は2枚のフランジ部2Cの間に嵌り込む(注出口2Aの基端部に係合する)。以上によって、装着穴37が閉塞され、注出口2Aが開口部30から露出した状態になる(
図2参照)。
【0035】
次に、
図2および
図5に示すように、作業者は、一対の第2側片33を2本の積層折線L14に沿って内側に折り返す。前方の第2側片33は、第1側片32よりも大きいため、閉じられた第1側片32と傾斜壁16との裏面(裏ライナ9C)に重なる。前方の第2側片33の先端(下端)は、開口部30に嵌合した注出口2Aの基端部(フランジ部2C)に近接している(接触はしていない(
図2参照))。また、前方の第2側片33と第1側片32との係止穴36同士は略一致している(
図2および
図5参照)。後方の第2側片33は傾斜壁16の裏面に重なり、後方の第2側片33と傾斜壁16との係止穴36同士は略一致している(
図2参照)。
【0036】
作業者は、一対の蓋壁20を第4折曲線L4に沿って内側に折り曲げ(正折りし)、一対の把手片21を第5折曲線L5に沿って上向きに折り曲げる(逆折りする)。
図1および
図5に示すように、各把手片21を逆折りすると、各延出片22が相対的に突出し、各把手片21には把手穴24が開口する。一対の把手片21は、左右方向の中央で重なり合った状態で立設されて把手部26を形成する。把手部26には、一対の把手片21の各フック片23が重なり合って前後一対のフック部27が形成されている。一対の蓋壁20は、一対の延出片22を上下に重ねながら折り曲げられ、周壁Wの上面開口を閉塞する。なお、一対の延出片22の重ね方はどちらを上にしてもよいが、右方の延出片22の方が長いため、左方の延出片22が右方の延出片22の上面に重ねることが好ましい(
図1参照)。
【0037】
作業者は、一対の支持片17を第2折曲線L2に沿って内側に折り曲げた後、一対の傾斜壁16を第4折曲線L4に沿って内側に折り曲げる。そして、作業者は、把手部26の一対のフック部27を、重なり合った第1側片32と第2側片33との係止穴36と、重なり合った傾斜壁16と第2側片33との係止穴36と、に係止させる(差し込む)(
図5および
図6参照)。把手部26が僅かに引き上げられると、一対のフック部27は各係止穴36の上縁に確りと噛み合い、一対の傾斜壁16は、互いに内側に傾倒した姿勢で一対の天壁15(把手部26)に連結される。また、フック部27が各係止穴36の上縁に噛み合うことで、前方の第2側片33は、閉じられた第1側片32と傾斜壁16との裏面に積層された状態に保持される(
図2および
図6参照)。同様に、後方の第2側片33は、傾斜壁16の裏面に積層された状態に保持される(
図1および
図2参照)。
【0038】
以上によって、バッグインボックス1が完成する(外装箱3が封緘される(
図1参照))。なお、バッグインボックス1を移動させたり、内容物を流出させたりする際には、ユーザは、把手部26を把持することになる。この際、把手穴24の上縁がユーザの手に食い込むことを抑制するために、左方の把手片21に連設された手提片25は、把手穴24を挿通するように2本の手提折線L11で折り曲げられ、把手穴24の上縁を覆う。
【0039】
以上説明した第1実施形態に係る外装箱3(バッグインボックス1)では、第2側片33が、閉じられた第1側片32と傾斜壁16との裏面に積層された状態に保持される構成とした。この構成によれば、第1側片32と第2側片33とから成る二重壁によって注出口2Aを押さえることができる。また、仮に、注出口2A(キャップ2B)の開閉操作の繰り返しや、バッグインボックス1の移動時の振動等によって第1側片32が開いてしまったとしても、第2側片33によって注出口2Aを押さえることができる。これにより、注出口2Aが開口部30から外れることが抑制され、注出口2Aを開口部30から露出させた状態に保持することができる。また、仮に、第1側片32が開いてしまったとしても、第1側片32が開いてできた装着穴37は第2側片33によって塞がれているため、装着穴37から内袋2の一部が外部に露出することを防止することもできる。また、第2側片33は、第1側片32(装着穴37)よりも大きい(幅広い)ため、装着穴37から飛び出すこともない。また、第2側片33は内側に折り曲げられて外観に現れないため、外装箱3の外観を良好なものにすることができる。
【0040】
また、第1実施形態に係る外装箱3によれば、第1側片32を補助線L13で屈曲させることができるため(
図2の二点鎖線参照)、第1側片32を閉じる際に、第1側片32の先端が注出口2Aに干渉することを抑制することができる。これにより、第1側片32の先端を注出口2Aの基端部に向けながら、第1側片32を円滑に閉じることができる。また、屈曲した第1側片32が広げられながら閉じられることで、第1側片32の先端が注出口2Aの基端部に確りと係合するため、意図しない第1側片32の開放を抑制することができる。
【0041】
また、第1実施形態に係る外装箱3では、把手部26の前方のフック部27が、重なり合った第1側片32と第2側片33との係止穴36に係止される(差し込まれる)構成とした。この構成によれば、接着剤や粘着テープを用いることなく、把手部26を形成して外装箱3を封緘することができると同時に、第2側片33を第1側片32等に重ねて保持することができる。
【0042】
なお、第1実施形態に係る外装箱3では、折り返された第2側片33の先端が、注出口2Aの基端部(フランジ部2C)から離間していた(接触していなかった)が、本発明はこれに限定されない。第2側片33は、その先端を注出口2Aの基端部に接触(係合)させた状態で第1側片32と第2側壁11との裏面に積層されてもよい。この構成によれば、第2側片33の先端が注出口2Aの基端部に係合しているため、接着剤や粘着テープを用いることなく、第2側片33を第1側片32等の裏面に重ねた状態に仮保持することができる。
【0043】
[第2実施形態:外装箱]
図7および
図8を参照して、第2実施形態に係る外装箱4について説明する。
図7は外装箱4のブランク4Aを示す平面図である。
図8はバッグインボックス1を示す側方断面図である。なお、第1実施形態に係る外装箱3と同一または対応する構成には同一の符号を付し、同一または対応する説明は省略する。
【0044】
第1実施形態に係る外装箱3では、前方の第2側壁11が後方の第2側壁11よりも低く形成されていたが、第2実施形態に係る外装箱4(ブランク4A)では、前後一対の第2側壁11(壁部の一例)が同一の高さに形成され、一対の支持片17(第2折曲線L2)が省略されている点で相違する。また、第1実施形態に係る外装箱3では、開口部30や第1側片32が前方の傾斜壁16に形成されていたが、第2実施形態に係る外装箱4では、開口部30が前方の第2側壁11の上部に形成され、第1側片32が前方の第2側壁11から前方の傾斜壁16に亘って形成されている点で相違する。さらに、第2実施形態に係る外装箱4では、前方の第2側片34が、第1実施形態に係る外装箱3の第2側片33と異なっている。
【0045】
図7に示すように、前方の傾斜壁16は、後方の傾斜壁16と同様に、略台形状に形成されている。一対の切目線31は、開口部30から第4折曲線L4を越えて傾斜壁16の上下方向の略中央まで切り込まれている。第1側片32を横切る第4折曲線L4の一部が、補助線L13として兼用される。なお、第1側片32に開口する係止穴36の下縁は、補助線L13(第4折曲線L4の一部)よりも上方に離間している。
【0046】
前方の第2側片34は、本体部34Aと、延長部34Bと、を有している。本体部34Aは、後方の第2側片33と略同一形状に形成されている。延長部34Bは、延長折線L15を介して本体部34Aの先端に連設されている。延長部34Bは長方形状に形成されており、その延出寸法は第1側片32の先端から補助線L13(第4折曲線L4の一部)までの長さと略同一である。なお、延長折線L15は、逆罫線であるが、これに限らず、例えばミシン刃線等であってもよい。
【0047】
[外装箱の封緘]
第2実施形態に係る外装箱4は、第1実施形態に係る外装箱3と同様の手順で封緘される。作業者は、周壁Wを形成し、周壁Wの下面開口を閉塞し、内袋2を収容し、第1側片32を開いて開口部30から注出口2Aを露出させ、第1側片32を閉じる(
図8参照)。
【0048】
続いて、作業者は、一対の第2側片33,34を内側に折り返す。
図8に示すように、前方の第2側片34において、本体部34Aは2本の積層折線L14に沿って内側に折り返され、延長部34Bは延長折線L15に沿って逆折りされる。本体部34Aは第1側片32と傾斜壁16との裏面に重なり、延長部34Bは第1側片32と第2側壁11との裏面に重なる。また、延長部34Bの先端は、注出口2Aの基端部(フランジ部2C)に接触(係合)し、本体部34Aが第1側片32等に積層され、且つ延長部34Bが第2側壁11に積層された状態に仮保持される。なお、延長部34Bの先端は、注出口2Aの基端部から離間していてもよい。
【0049】
作業者は、一対の天壁15を折り曲げて、周壁Wの上面開口を閉塞し、把手部26を形成し、一対の傾斜壁16を内側に折り曲げ、把手部26の一対のフック部27を各係止穴36に差し込む。以上によって、バッグインボックス1が完成する(外装箱4が封緘される)。
【0050】
以上説明した第2実施形態に係る外装箱4(バッグインボックス1)によれば、注出口2Aが開口部30から外れることが抑制され、注出口2Aを開口部30から露出させた状態に保持することができる等、第1実施形態に係る外装箱3と同様の効果を得ることができる。
【0051】
なお、第1および第2実施形態に係る外装箱3,4では、後方の傾斜壁16にも係止穴36が穿設された第2側片33が連設されていたが、これに限らず、後方の第2側片33は省略されてもよい(図示せず)。この場合、把手部26の後方のフック部27は、後方の傾斜壁16の係止穴36のみに係止される。
【0052】
また、第1および第2実施形態に係る外装箱3,4では、第1側片32に補助線L13が形成されていたが、これに限らず、補助線L13は省略されてもよい(図示せず)。
【0053】
また、第1および第2実施形態に係る外装箱3,4は、第2側片33,34が2本の積層折線L14を介して傾斜壁16の上端に連設されていたが、これに限らず、積層折線L14は1本であってもよい(図示せず)。
【0054】
[第3実施形態:外装箱]
図9および
図10を参照して、第3実施形態に係る外装箱5について説明する。
図9は外装箱5のブランク5Aを示す平面図である。
図10はバッグインボックス1を示す側方断面図である。なお、第1または第2実施形態に係る外装箱3,4と同一または対応する構成には同一の符号を付し、同一または対応する説明は省略する。
【0055】
第1および第2実施形態に係る外装箱3,4では、開口部30や第1側片32等が上方に設けられていたが、第3実施形態に係る外装箱5では、開口部30や第1側片32等が下方に設けられている点で相違する。なお、第3実施形態に係る外装箱5(ブランク5A)では、第2実施形態に係る外装箱4(ブランク4A)と同様に、前後一対の第2側壁11(壁部の一例)が同一の高さに形成されている。また、第3実施形態に係る外装箱5(ブランク5A)では、第1実施形態に係る外装箱3と同様となる前後一対の第2側片33を備えている。
【0056】
図9に示すように、外装箱5のブランク5Aでは、第1~第3閉塞片12~14に代えて、第3折曲線L3を介して一対の第2側壁11の下端に連設された一対の下内フラップ40と、第3折曲線L3を介して一対の第1側壁10の下端に連設された一対の下外フラップ41と、を備えている。各下内フラップ40および各下外フラップ41は、それぞれ略長方形状に形成されている。
【0057】
開口部30は、前方の第2側壁11(壁部の一例)の下部に形成されている。一対の切目線31は、開口部30から第3折曲線L3まで切り込まれている。第1側片32は、開口部30の下方に隣接し、一対の切目線31の間(前方の第2側壁11)に形成されている。なお、外装箱5では、第3折曲線L3の一部がヒンジ線L12として兼用され、補助線L13は省略されている。
【0058】
前方の下内フラップ40の一部が、第1側片32の裏面に積層される第2側片35として形成されている。前方の下内フラップ40(壁部の一例)は、外延出部40Aと、内延出部40Bと、を有している。外延出部40Aは、第3折曲線L3を介して第2側壁11の下端に連設され、内延出部40Bは、折返し線L16を介して外延出部40Aの先端に連設されている。第2側片35は、積層折線L17を介して内延出部40Bの先端に連設されている。第2側片35は長方形状に形成されており、その延出寸法は第1側片32の高さと略同一である。なお、折返し線L16および積層折線L17は、逆罫線上に複数の切目を入れたリード罫であるが、これに限らず、例えばミシン刃線等であってもよい。
【0059】
[外装箱の封緘]
作業者は、周壁Wを形成し、第1側片32を開き、注出口2Aを下方かつ前方に向けた内袋2を周壁Wの上面開口または下面開口から内部に挿入する。作業者は、内袋2の注出口2Aを開口部30から露出させ、第1側片32を閉じる(
図10参照)。
【0060】
作業者は、前方の下内フラップ40の外延出部40Aを第3折曲線L3に沿って内側に折り曲げ(正折り)、内延出部40Bを折返し線L16に沿って内側に折り返し(正折り)、第2側片35を積層折線L17に沿って逆折りする。
図10に示すように、内延出部40Bは、外延出部40Aの裏面に重なり、第2側片35は、閉じられた第1側片32と第2側壁11の裏面に重なる。第2側片35の先端は、開口部30に嵌合した注出口2Aの基端部(フランジ部2C)に接触(係合)している。また、作業者は、後方の下内フラップ40を第3折曲線L3に沿って内側に折り曲げる。外延出部40A(内延出部40B)と後方の下内フラップ40とは、先端同士を離間させ、周壁Wの下面開口の一部を閉塞する。なお、第2側片35の先端は、注出口2Aの基端部から離間していてもよい。
【0061】
作業者は、一対の下外フラップ41を第3折曲線L3に沿って内側に折り曲げる。一対の下外フラップ41は、周壁Wの下面開口の一部を閉塞した一対の下内フラップ40の表面に積層され、一対の下外フラップ41の先端同士は突き合わされている。作業者は、一対の下外フラップ41の突き合わせ部に沿って粘着テープを貼り、周壁Wの底部を形成する。下外フラップ41が下内フラップ40を押さえ込むため、第2側片33は、その先端を注出口2Aの基端部に係合させ、且つ第1側片32等の裏面に積層された状態に保持される。なお、下外フラップ41は、接着剤を介して下内フラップ40に固定されてもよい。
【0062】
作業者は、一対の第2側片33を内側に折り返し、一対の天壁15を折り曲げ、把手部26を形成し、一対の傾斜壁16を内側に折り曲げ、把手部26の一対のフック部27を各係止穴36に差し込む。以上によって、周壁Wの上面開口を閉塞する天部が構成され、バッグインボックス1が完成する(外装箱5が封緘される)。
【0063】
以上説明した第3実施形態に係る外装箱5(バッグインボックス1)によれば、注出口2Aが開口部30から外れることが抑制され、注出口2Aを開口部30から露出させた状態に保持することができる等、第1実施形態に係る外装箱3と同様の効果を得ることができる。
【0064】
なお、第3実施形態に係る外装箱5(バッグインボックス1)では、一対の天壁15によって把手部26を有する天部が構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図11に示すように、変形例に係る外装箱5として、天壁15に代えて、下内フラップ40と同様となる上内フラップ42が第2側壁11の上端に連設されてもよい。また、傾斜壁16等に代えて、下外フラップ41と同様となる上外フラップ43が、第1側壁10の上端に連設されてもよい。また、
図11に示す変形例に係る外装箱5は、上下逆さまにされ、開口部30、第1側片32および第2側片35等を上方に向けて使用されてもよい。この場合には、外装箱5の底部は、第1および第2実施形態に係る外装箱3,4のように地獄底(第1~第3閉塞片12~14)であってもよい(図示せず)。
【0065】
また、第3実施形態(各変形例を含む。以下同じ。)に係る外装箱5では、第1側片32が第2側壁11に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。第2実施形態に係る外装箱4と同様に、第1側片32は、前方の第2側壁11から前方の下内フラップ40に亘って形成されてもよい(図示せず)。
【0066】
また、第3実施形態に係る外装箱5では、第2側片35が前方の下内フラップ40の一部として形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、外延出部40Aおよび内延出部40Bが省略され、前方の下内フラップ40の全部が第2側片35とされてもよい(図示せず)。この場合、第3折曲線L3が積層折線L17として兼用され、第2側片35は、第3折曲線L3に沿って折り返される。
【0067】
また、第3実施形態に係る外装箱5では、第2側片35が下内フラップ40の先端部に設けられ、外延出部40Aや内延出部40Bと同一幅で形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図12に示すように、下内フラップ40の中央部を含む領域を刳り貫くように内延出部40Bと第2側片35とが形成されてもよい。この場合、内延出部40Bと第2側片35とを刳り貫いた後に残る矩形環状の部分が外延出部40Aとなる。
【0068】
また、第3実施形態に係る外装箱5では、一対の下内フラップ40が、その先端同士を離間させ、周壁Wの下面開口の一部を閉塞していたが(
図10参照)、これに限らず、一対の下内フラップ40が、その先端同士を突き合わせ、周壁Wの下面開口の全部を閉塞してもよい(図示せず)。また、一対の下外フラップ41が、その先端同士を突き合わせていたが、離間させてもよい(図示せず)。なお、先に説明した変形例に係る上内フラップ42や上外フラップ43も上記と同様である(図示せず)。
【0069】
また、第3実施形態に係る外装箱5では、一対の傾斜壁16の上端に一対の第2側片33が連設されていたが、これに限らず、一対の第2側片33は省略されてもよい(図示せず)。この場合、把手部26の一対のフック部27は、一対の傾斜壁16の係止穴36のみに係止される。
【0070】
また、第3実施形態に係る外装箱5では、第1側片32に補助線L13が形成されていなかったが、これに限らず、補助線L13が第1側片32に形成されてもよい(図示せず)。
【0071】
なお、第1~第3実施形態に係る外装箱3~5では、第2側片33~35が積層折線L14,L17に沿って内側に折り曲げられ、閉じられた第1側片等の裏面に積層された状態に保持されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図13に示すように、(前方の)第2側片33が積層折線L14に沿って外側に折り曲げられ、閉じられた第1側片等の表面に積層された状態に保持されてもよい(変形例)。この場合、第2側片33の先端は、外側のフランジ部2Cに接触するとよいが、接触しなくてもよい。また、積層折線L14は、汎用罫線に代えて、逆罫線にするとよい。この構成によれば、第1側片32と第2側片33とから成る二重壁によって注出口2Aを押さえることができ、注出口2Aが開口部30から外れることが抑制され、注出口2Aを開口部30から露出させた状態に保持することができる等、第1~第3実施形態に係る外装箱3~5と同様の効果を得ることができる。なお、後方の第2側片33は、前方の第2側片33に合わせて外側に折り曲げられてもいが、内側に折り曲げられてもよい。また、
図13では、第1実施形態に係る外装箱3に対して変形例を適用していたが、これに限らず、第2~第3実施形態に係る外装箱4,5に、この変形例を適用し、第2側片34,35が積層折線L14,L17で外側に折り曲げられてもよい(図示せず)。
【0072】
また、第1~第3実施形態(変形例を含む。以下同じ。)に係る外装箱3~5では、第2側片33~35が略四角形状に形成されていたが、その形状は自由に変更してもよい。また、第2側片33~35は、第1側片32を開いた際に装着穴37から飛び出さない程度の大きさ(横幅)に形成されていればよい。
【0073】
また、第1~第3実施形態に係る外装箱3~5では、第2側片33~35が、把手部26のフック部27を係止穴36に係止させたり、下外フラップ41を下内フラップ40上に積層したりすることで、第1側片32等の裏面に積層された状態に保持されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、余計な手間がかかるが、第2側片33~35が、第1側片32、傾斜壁16および第2側壁11の少なくとも1つに対し、接着剤や粘着テープで固定されてもよい(図示せず)。
【0074】
また、第1~第3実施形態に係る外装箱3~5(周壁W)は、略直方体に形成されていたが、例えば、直方体の四面の角を面取りして略八角柱状に形成されてもよい(図示せず)。また、外装箱の型式は、上記に限らず、例えば、四角形状の底壁の四辺に各側壁10,11を連設したトレイ状に形成されてもよい(図示せず)。
【0075】
また、第1~第3実施形態に係る外装箱3~5は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、段ボールシートは、中しん9Aの片面にライナを貼り付けた片面段ボールシートでもよいし、片面段ボールシートと両面段ボールシートを積層した複両面段ボールシートであってもよい。また、例えば、外装箱3~5は、紙製の段ボールシートに代えて、厚紙や樹脂製の板等で形成されていてもよい。
【0076】
また、第1~第3実施形態に係る外装箱3~5は、開口部30等が前方(第2側壁11等)に形成されていたが、これに限らず、左方または右方(第1側壁10等)に形成されてもよい(図示せず)。
【0077】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る外装箱およびバッグインボックスにおける一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0078】
1 バッグインボックス
2 内袋
2A 注出口
3,4,5 外装箱
10 第1側壁
11 第2側壁(壁部)
12 第1閉塞片(底部)
13 第2閉塞片(底部)
14 第3閉塞片(底部)
15 天壁(天部)
16 傾斜壁(壁部)
26 把手部
27 フック部
30 開口部
31 切目線
32 第1側片
33,34,35 第2側片
36 係止穴
40 下内フラップ(壁部)
41 下外フラップ
L12 ヒンジ線
L13 補助線
L14,L17 積層折線