(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083686
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】点灯装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/25 20200101AFI20230609BHJP
H05B 45/14 20200101ALI20230609BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20230609BHJP
H05B 45/385 20200101ALI20230609BHJP
H05B 45/34 20200101ALI20230609BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20230609BHJP
H05B 45/395 20200101ALI20230609BHJP
H05B 45/54 20200101ALI20230609BHJP
H05B 47/23 20200101ALI20230609BHJP
【FI】
H05B47/25
H05B45/14
H05B45/375
H05B45/385
H05B45/34
H05B45/345
H05B45/395
H05B45/54
H05B47/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197520
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩士
(72)【発明者】
【氏名】平本 雄也
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA34
3K273CA02
3K273CA03
3K273CA12
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA35
3K273FA06
3K273FA07
3K273FA27
3K273FA28
3K273GA12
3K273GA14
3K273GA17
3K273GA18
3K273GA25
3K273GA27
(57)【要約】
【課題】照明装置を保護できる点灯装置および照明装置を得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る点灯装置は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子と直列に接続された電流検出抵抗と、を含むレギュレータ回路と、前記光源と前記スイッチング素子と前記電流検出抵抗が形成する直列回路の両端に電圧を印加し、前記光源を点灯させる電源回路と、前記電流検出抵抗に発生する電圧が目標値と一致するように前記スイッチング素子のインピーダンスを調整する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電流検出抵抗に発生する電圧が前記目標値よりも高い予め定められた第1閾値を超えると、前記電源回路または前記スイッチング素子の動作を停止させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と、前記スイッチング素子と直列に接続された電流検出抵抗と、を含むレギュレータ回路と、
光源と前記スイッチング素子と前記電流検出抵抗が形成する直列回路の両端に電圧を印加し、前記光源を点灯させる電源回路と、
前記電流検出抵抗に発生する電圧が目標値と一致するように前記スイッチング素子のインピーダンスを調整する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電流検出抵抗に発生する電圧が前記目標値よりも高い予め定められた第1閾値を超えると、前記電源回路または前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記電流検出抵抗に発生する電圧が前記第1閾値を超えると、前記電源回路の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
スイッチング素子と、前記スイッチング素子と直列に接続された電流検出抵抗と、を含むレギュレータ回路と、
光源と前記スイッチング素子と前記電流検出抵抗が形成する直列回路の両端に電圧を印加し、前記光源を点灯させる電源回路と、
前記電流検出抵抗に発生する電圧が目標値と一致するように前記スイッチング素子のインピーダンスを調整する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記スイッチング素子に発生する電圧が予め定められた第2閾値を超えると、前記電源回路または前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記スイッチング素子に発生する電圧が前記第2閾値を超えると、前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする請求項3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記スイッチング素子に発生する電圧が前記第2閾値よりも低い目標電圧に一致するように前記電源回路を制御することを特徴とする請求項3または4に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記スイッチング素子のドレイン電圧から前記スイッチング素子に発生する電圧を検出することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記直列回路に発生する電圧から前記スイッチング素子に発生する電圧を検出することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の点灯装置と、
前記光源と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光素子に電力を供給する点灯装置が開示されている。この点灯装置は、発光素子に可変の直流電圧を供給する可変電圧源と、発光素子と直列に接続され、発光素子を流れる電流を制御するトランジスタを備える。制御回路は、発光素子の調光レベルについての指示を受け取り、受け取った指示に対応する電流が発光素子を流れるようにトランジスタを制御する。さらに制御回路は、トランジスタでの電圧降下が所定電圧となるような直流電圧が可変電圧源から出力されるように可変電圧源を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、LEDと直列に接続されるトランジスタをリニアレギュレータとして動作させ、LEDに印加される電圧を一定とすることで、LED電流のリプルを抑制している。特許文献1では、ハイサイド型のバックコンバータ回路のトランジスタと、発光素子と、リニアレギュレータ回路のトランジスタと、電流検出の為の抵抗素子とが、直列に接続されている。このような回路構成において、何らかの事象によりバックコンバータ回路のトランジスタまたはリニアレギュレータ回路のトランジスタに故障が発生すると、回路に過大な電流が流れる可能性がある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、照明装置を保護できる点灯装置および照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に係る点灯装置は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子と直列に接続された電流検出抵抗と、を含むレギュレータ回路と、前記光源と前記スイッチング素子と前記電流検出抵抗が形成する直列回路の両端に電圧を印加し、前記光源を点灯させる電源回路と、前記電流検出抵抗に発生する電圧が目標値と一致するように前記スイッチング素子のインピーダンスを調整する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電流検出抵抗に発生する電圧が前記目標値よりも高い予め定められた第1閾値を超えると、前記電源回路または前記スイッチング素子の動作を停止させる。
【0007】
第2の開示に係る点灯装置は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子と直列に接続された電流検出抵抗と、を含むレギュレータ回路と、前記光源と前記スイッチング素子と前記電流検出抵抗が形成する直列回路の両端に電圧を印加し、前記光源を点灯させる電源回路と、前記電流検出抵抗に発生する電圧が目標値と一致するように前記スイッチング素子のインピーダンスを調整する制御部と、を備え、前記制御部は、前記スイッチング素子に発生する電圧が予め定められた第2閾値を超えると、前記電源回路または前記スイッチング素子の動作を停止させる。
【発明の効果】
【0008】
第1の開示に係る点灯装置では、電流検出抵抗に発生する電圧が第1閾値を超えると、電源回路またはレギュレータ回路のスイッチング素子の動作が停止する。従って、照明装置を保護できる。
第2の開示に係る点灯装置では、スイッチング素子に発生する電圧が第2閾値を超えると、電源回路またはレギュレータ回路のスイッチング素子の動作が停止する。従って、照明装置を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置の回路ブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係るレギュレータ回路のスイッチング素子が故障した場合の照明装置の動作を説明する図である。
【
図3】実施の形態1に係るバックコンバータ回路のスイッチング素子が故障した場合の照明装置の動作を説明する図である。
【
図4】実施の形態2に係る照明装置の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各実施の形態に係る点灯装置および照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置100の回路ブロック図である。照明装置100は、点灯装置50と光源80を備える。光源80は、発光素子として直列に接続された複数のLEDを有する。
【0012】
点灯装置50において、ダイオードブリッジDB1の出力側には平滑コンデンサC1とバックコンバータ回路10が接続される。交流電源ACからの交流電圧は、ダイオードブリッジDB1により整流され、平滑コンデンサC1により脈流電圧を伴った直流電圧に変換される。変換された電圧はバックコンバータ回路10に入力される。
【0013】
バックコンバータ回路10は、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、インダクタL1および平滑コンデンサC2を有する。スイッチング素子Q1は例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子Q1はドレイン、ソース、ゲートを備えている。
【0014】
バックコンバータ回路10の出力には光源80とレギュレータ回路20が直列に接続される。レギュレータ回路20は、スイッチング素子Q2と、スイッチング素子Q2と直列に接続された電流検出抵抗R1とを含む。スイッチング素子Q2は例えばMOSFETである。バックコンバータ回路10は、光源80とスイッチング素子Q2と電流検出抵抗R1が形成する直列回路の両端に電圧を印加し、光源80を点灯させる電源回路である。
【0015】
制御IC30は例えばマイコンとドライバを含む複合ICである。制御IC30は、スイッチング素子Q1、Q2を駆動させる為のQ1DRV端子、Q2DRV端子を有する。Q1DRV端子、Q2DRV端子はそれぞれスイッチング素子Q1、Q2のゲートに接続される。また、制御IC30は、照明装置100に入力された電圧値を検出する為のVin端子を有する。抵抗R2、R3の直列回路は、平滑コンデンサC1と並列に接続される。抵抗R2、R3の接続点はVin端子に接続される。
【0016】
制御IC30は、スイッチング素子Q2に発生する電圧を検出する為のVOUT端子と、LED電流を検出するためのIFB端子を有する。VOUT端子はスイッチング素子Q2のドレインに接続される。IFB端子はスイッチング素子Q2と電流検出抵抗R1の接続点に接続される。さらに制御IC30は、スイッチング素子Q1、Q2を駆動させるドライバの電源となるVB端子と、マイコンの電源となるVDD端子を有する。VB端子には、制御電源回路40の出力電圧V1が入力される。VDD端子には、降圧回路42の出力電圧が入力される。
【0017】
制御電源回路40は例えばバックコンバータ回路である。入力電圧Vinは制御電源回路40で予め定められた電圧に降圧される。降圧された電圧は電解コンデンサC3で平滑され、電源電圧V1が生成される。電源電圧V1は例えば13Vである。制御電源回路40は、所望の電圧が得られればフライバック回路などの他の回路であっても良い。降圧回路42は、電源電圧V1から制御IC30用の電源電圧VDDを生成する。降圧回路42は例えばレギュレータ回路である。電源電圧VDDは、例えば3.3Vである。
【0018】
次に、照明装置100の定常時の動作について説明する。交流電源ACから入力電圧Vinが印加されると、制御電源回路40および降圧回路42が動作し、電源電圧V1、VDDを生成する。電源電圧VDDが制御IC30の動作可能電圧まで上昇すると、制御IC30が起動する。制御IC30は入力電圧Vinを検出し、検出した電圧が予め定められた電圧である場合、バックコンバータ回路10およびレギュレータ回路20を動作させる。
【0019】
バックコンバータ回路10は、光源80のカソード電圧、すなわち、スイッチング素子Q2のドレイン電圧が一定となるよう定電圧動作を行う。具体的には、制御IC30は、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2として、スイッチング素子Q2のドレイン電圧をVOUT端子で検出する。制御IC30は、電圧VQ2と予め制御IC30内に記憶されている目標電圧とを比較し、比較結果に基づいてQ1DRV端子から出力されるPWM(Pulse Width Modulation)信号を調整する。このように、制御IC30は、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2が目標電圧に一致するように、バックコンバータ回路10を制御する。
【0020】
この際のフィードバック周期は、力率改善の為に、商用周波数以下に設定される。よって、バックコンバータ回路10の出力には、商用成分のリプル電圧を伴った電圧が発生する。つまり、バックコンバータ回路10の出力電圧には、交流電源ACの周波数の2倍の周波数のリプル電圧が重畳する。なお、リプル電圧は平滑コンデンサC2の容量により変化する。リプル電圧をゼロにするには、大容量の平滑コンデンサC2が必要となり、常識的な容量では完全にリプル電圧を除去することはできない。
【0021】
レギュレータ回路20は、光源80に流れる電流が一定となるよう定電流動作を行う。具体的には、制御IC30は光源80と直列に接続された電流検出抵抗R1に発生する電圧VR1をIFB端子で検出する。制御IC30は、電圧VR1と、予め制御IC30内に記憶されている目標値とを比較し、比較結果に基づいてQ2DRV端子からの出力電圧のレベルを調整する。このように、制御IC30は、電流検出抵抗R1に発生する電圧VR1が目標値と一致するように、スイッチング素子Q2のインピーダンスを調整する。スイッチング素子Q2のインピーダンスがリプル電圧を受け持つことで、光源80に印加される電圧が一定に制御される。すなわちLED電流は一定に制御される。
【0022】
次に、スイッチング素子Q1またはスイッチング素子Q2が短絡故障またはハーフデッド故障した際の動作について説明する。まず、スイッチング素子Q1またはスイッチング素子Q2の故障時に、本実施の形態の保護が行われない場合の動作について説明する。
【0023】
まず、スイッチング素子Q2が故障してインピーダンスが低下した場合、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2が目標電圧を下回る。この為、制御IC30はバックコンバータ回路10の出力電圧を上げようとする。この結果、光源80およびレギュレータ回路20には、定常時と比べ過大な電流が流れる。この際、スイッチング素子Q2の故障状態と、照明装置100で使用される部品、LED、器具の放熱構造等により、照明装置100の動作は不点灯、過剰な明るさでの点灯等、様々な状態になることが想定される。特に、点灯動作が継続した場合、電子部品またはLEDが発煙または発火するおそれがある。また、器具保持部材の劣化により、照明装置100が落下するおそれがある。
【0024】
次に、スイッチング素子Q1が故障し、インピーダンスが低下した場合、制御IC30は定電流を維持しようとする。この為、制御IC30はスイッチング素子Q2のインピーダンスを増大させ、スイッチング素子Q2が受け持つ電圧を上昇させる。スイッチング素子Q2の損失はLED電流とスイッチング素子Q2に発生する電圧の積で決まる。この為、定常時に比べスイッチング素子Q2の損失が大幅に増加し、発熱故障に繋がるおそれがある。発熱故障によりスイッチング素子Q2も故障すると、主要電流経路を制限する部品が無くなる。従って、上述したスイッチング素子Q2の故障時と同様の事象に繋がるおそれがある。
【0025】
次に、本実施の形態に係る保護動作について説明する。まず、スイッチング素子Q2が故障した場合の動作について説明する。
図2は、実施の形態1に係るレギュレータ回路20のスイッチング素子Q2が故障した場合の照明装置100の動作を説明する図である。定常時には、電流検出抵抗R1に発生する電圧VR1は、目標値と一致するように一定に制御されている。スイッチング素子Q2が故障すると、スイッチング素子Q2のインピーダンスは制御不可能となり低下する。これにより、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2が低下する。このとき制御IC30は、バックコンバータ回路10の出力電圧を上げようとするため、電流検出抵抗R1に流れる電流は増大する。
【0026】
制御IC30は、目標値よりも高い予め定められた第1閾値を記憶している。制御IC30は、電流検出抵抗R1に発生する電圧VR1が第1閾値を超えると、Q1DRV端子からの出力を停止し、スイッチング素子Q1を停止させる。これにより、バックコンバータ回路10の動作が停止し、スイッチング素子Q1以降の回路に電流が供給されなくなる。従って、照明装置100を安全に停止させることができる。
【0027】
次に、スイッチング素子Q1が故障した場合の動作について説明する。
図3は、実施の形態1に係るバックコンバータ回路10のスイッチング素子Q1が故障した場合の照明装置100の動作を説明する図である。定常時には、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2は目標電圧と一致するように一定に制御されている。スイッチング素子Q1の故障によりインピーダンスが低下した場合、光源80およびレギュレータ回路20には過大な電圧が印加される。このとき、制御IC30はレギュレータ回路20を定電流制御しようとするため、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2は増大する。
【0028】
制御IC30は、目標電圧よりも高い予め定められた第2閾値を記憶している。制御IC30は、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2が第2閾値を超えると、Q2DRV端子の出力を停止して、スイッチング素子Q2の動作を停止させる。これにより、主要電流経路が遮断され、電流が流れなくなる。よって、照明装置100を安全に停止させることができる。
【0029】
このように本実施の形態では、定常時のフィードバックに使用している端子に保護閾値を持たせ、異常を検出する。電流検出抵抗R1に発生する電圧VR1が第1閾値を超えると、バックコンバータ回路10が停止する。また、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2が第2閾値を超えると、スイッチング素子Q2の動作が停止する。従って、照明装置100を保護できる。
【0030】
特に本実施の形態では、スイッチング素子Q1、Q2の一方が故障した際に、他方の正常なスイッチング素子の動作を停止させて照明装置100を停止させる。これにより、照明装置100を精度よく保護でき、安全を維持できる。これに限らず、制御IC30は、電圧VR1が第1閾値を超えた場合、または、電圧VQ2が第2閾値を超えた場合に、バックコンバータ回路10またはスイッチング素子Q2の動作を停止させれば良い。
【0031】
本実施の形態の変形例として、バックコンバータ回路10は他の種類の電源回路であっても良い。また、光源80を構成する発光素子は有機ELであっても良い。さらに、制御IC30として複合ICに限らず、フィードバック制御およびスイッチング素子の駆動が可能なあらゆる回路を採用できる。制御IC30は、独立したA/D変換器、論理回路、ゲートアレイ、D/A変換器等のハードウェアにより実現されても良い。
【0032】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0033】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る照明装置200の回路ブロック図である。照明装置200は点灯装置250と光源80を備える。実施の形態1の点灯装置50では、制御IC30は、スイッチング素子Q2のドレイン電圧からスイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2を検出した。これに対し本実施の形態の点灯装置250では、制御IC30は、光源80とスイッチング素子Q2と電流検出抵抗R1が形成する直列回路に発生する電圧から、スイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2を検出する。つまり、VOUT端子は光源80のアノード側に変更されている。
【0034】
定常時およびスイッチング素子Q1の故障時において、LED電流は一定であり、光源80に発生する電圧は一定である。このため、光源80のアノード側の電圧からもスイッチング素子Q2に発生する電圧VQ2を検出できる。従って、本実施の形態の回路構成でも、VOUT端子の電圧に基づき、バックコンバータ回路10の定電圧制御およびスイッチング素子Q1が故障した場合の保護動作が可能となる。
【0035】
本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、各種変更を各実施の形態に施したもの、および、各実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態が、本開示の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
10 バックコンバータ回路、20 レギュレータ回路、30 制御IC、40 制御電源回路、42 降圧回路、50 点灯装置、80 光源、100、200 照明装置、250 点灯装置、AC 交流電源、C1、C2 平滑コンデンサ、C3 電解コンデンサ、D1 ダイオード、DB1 ダイオードブリッジ、L1 インダクタ、Q1、Q2 スイッチング素子、R1 電流検出抵抗、R2、R3 抵抗