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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083707
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】空気殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20230609BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197550
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】520333343
【氏名又は名称】小野 留美子
(74)【代理人】
【識別番号】100115598
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 脩
(72)【発明者】
【氏名】井戸 幸吉
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
(57)【要約】
【課題】殺菌線を集中的に照射することができる囲饒空間を形成し、その囲饒空間に空気を送り込んで殺菌し、そこから排気口に誘導する方法により、構造が簡単で、殺菌効果の高い空気殺菌装置を提供する。
【解決手段】両側面に排気口が形成された箱形の本体部、及び外部から空気を取り入れる吸気口が中央に形成され、該本体部に蝶着されて開閉自在な蓋部を有する筐体と、前記吸気口への空気の流通が自在であるが前記殺菌灯の殺菌線が漏れるのを防止するフードと、を備え、前記本体部及び前記蓋部それぞれは、内側に、前記殺菌線を反射する所定の形状の反射板が設けられ、該蓋部を閉じたときに、該反射板によって前記殺菌線を封じる囲饒空間が前記吸気口の周囲に形成される空気殺菌装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の殺菌灯を用いて、空気を殺菌する空気殺菌装置において、
両側面に排気口が形成された箱形の本体部、及び外部から空気を取り入れる吸気口が中央に形成され、該本体部に蝶着されて開閉自在な蓋部を有する筐体と、
前記吸気口へ空気が流通自在で、前記殺菌灯の殺菌線の漏れを防ぐフードと、を備え、
前記本体部及び前記蓋部それぞれは、前記殺菌線を反射する反射板が設けられ、該蓋部を閉じたときに、該反射板によって該殺菌線を囲饒する囲饒空間が形成され、前記吸気口から取り入れた空気は、該囲饒空間に誘導されて殺菌されることを特徴とする空気殺菌装置。
【請求項2】
前記本体部は、前記殺菌灯と同程度の長さの長辺及び該殺菌灯相互の離間距離よりもわずかに長い短辺を有する矩形部と該長辺から延出し、直角に折り曲げられた折曲矩形部とを有する第1反射板が設置され、
前記蓋部は、前記吸気口と同寸の開口が形成され、前記殺菌灯の長さよりもわずかに長い長辺及び該殺菌灯相互の離間距離よりもわずかに長い短辺を有する矩形部と該短辺から延出し、直角に折り曲げられた折曲矩形部とを有する第2反射板が設置され、
前記囲饒空間は、前記本体部の前記折曲矩形部、並びに前記蓋部の前記矩形部及び記折曲矩形部により形成されることを特徴とする請求項1記載の空気殺菌装置。
【請求項3】
前記反射板は、研磨して鏡面が形成されたアルミニウム板、若しくはアルミニウムが蒸着されて鏡面が形成された金属板であることを特徴とする請求項1記載の空気殺菌装置。
【請求項4】
前記フードは、研磨して鏡面が形成されたアルミニウム板、若しくはアルミニウムが蒸着されて鏡面が形成された金属板を用いて、凹面をなすように成形されたことを特徴とする請求項1記載の空気殺菌装置。
【請求項5】
前記吸気口は、外気中の塵若しくは埃を除去する防塵フィルタを有し、
前記排気口は、前記本体部の空気を外部に排出するファンが設けられ、
前記フードを介して前記吸気口から取り入れた空気は、前記囲饒空間に誘導されて集中的に前記殺菌線を照射された後に、前記第1反射板と前記第2反射板との隙間から前記排気口に誘導されて排気されることを特徴とする請求項2記載の空気殺菌装置。
【請求項6】
前記本体部は、前記蓋部との対向面に、建物の壁面若しくは天井に固設するねじ穴が形成されたことを特徴とする請求項4記載の紫外線空気殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定空間に取り込んだ空気に、殺菌灯から紫外放射される殺菌線を照射して浮遊する細菌やウイルスを殺菌する空気殺菌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特定の波長域の紫外線は、殺菌効果があり、殊に、波長253.7nmの紫外放射は強い殺菌効果を有することから、その紫外放射を殺菌線と称し、その殺菌線を照射する光源を殺菌灯と呼んでいる。しかしながら、殺菌灯の紫外放射を目に受けると、数時間後に、目が充血して激しい痛みを覚え、角膜炎や結膜 炎を起こすことがあるので、点灯している殺菌ランプを短時間でも直 視することは避けなければならない。
一般に、殺菌線による殺菌効果は、殺菌線の照度と照射時間の積で決まるので、
紫外線ランプを用いて空気中の細菌やウイルスを殺菌する殺菌装置で強い殺菌力を得るには、出力の大きい紫外線ランプを用いるか、紫外線の照射時間を長くする必要がある。
【0003】
しかしながら、出力の大きい紫外線ランプを使用する場合には、電力の使用量が大きくなるという問題がある。また、照射時間を長くするには、紫外線が照射される空気の流路を長くするか、空気の流速を遅くすることが考えられるが、空気の流路を長くすると装置が大きくなるという問題があり、空気の流速を遅くすると殺菌できる空気の量が少なくなるという問題がある。
そこで、装置の大きさを変えずに、流れる空気の流路を長くする方法として、ダクトの中心部の軸方向に紫外線ランプを設け、上下2段に分割したダクトそれぞれの内部に、複数の導風板を×字を成すように連設すると共に、それら導風板の該紫外線ランプを避けた両側の空間に複数の仕切板を設け、ファンにより送られた空気が該紫外線ランプの周りを螺旋状に回転しながら流れてゆくことを特徴とする紫外線照射空気殺菌装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、この方法は、紫外線が外部に漏れる心配はないが、照射対象の空気に集中して紫外線を照射することが出来ないうえ、装置が複雑化し、コスト高になるという問題がある。
そこで、取り入れた空気を排出する手段をON・OFFの間欠的な運転・停止操作をして間欠的に滞留する空気に紫外線を照射するようにした紫外線照射空気清浄装置が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、ファンを回転駆動するモーターを間欠的にON・OFFしても、空気の流れは、それに即応しない。また、時間間隔を長くすると、殺菌できる空気の量が少なくなってしまうという問題がある。
また、一般照明器具と殺菌灯とが別体であると取り付けに手間がかかり、見た目もすっきりしないので、前面側にランプを設けた反射板の背面側の器具本体の両端に吸気口及び排気口を形成したダクト内に、空気循環手段及び殺菌灯を設け、吸気口及び排気口付近に紫外線漏れ防止用ルーバーを設けた殺菌灯内臓照明器具も提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6063424号公報
【特許文献1】特許第6807070号公報
【特許文献1】実公平05-2187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
殺菌灯から紫外放射される殺菌線を集中的に照射することができる囲饒空間を殺菌線の反射板によって形成し、その囲饒空間に空気を送り込んで殺菌し、そこから排気口に誘導する方法により、構造が簡単で、殺菌効果の高い空気殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の空気殺菌装置は、一対の殺菌灯を用いて、空気を殺菌する空気殺菌装置において、両側面に排気口が形成された箱形の本体部、及び外部から空気を取り入れる吸気口が中央に形成され、該本体部に蝶着されて開閉自在な蓋部を有する筐体と、上記吸気口へ空気が流通自在で、上記殺菌灯の殺菌線の漏れを防ぐフードと、を備え、上記本体部及び上記蓋部それぞれは、上記殺菌線を反射する反射板が設けられ、該蓋部を閉じたときに、該反射板によって該殺菌線を囲饒する囲饒空間が形成され、上記吸気口から取り入れた空気は、該囲饒空間に誘導されて殺菌されることを特徴とする。
ここで、上記本体部は、上記殺菌灯と同程度の長さの長辺及び該殺菌灯相互の離間距離よりもわずかに長い短辺を有する矩形部と該長辺から延出し、直角に折り曲げられた折曲矩形部とを有する第1反射板が設置され、上記蓋部は、上記吸気口と同寸の開口が形成され、上記殺菌灯の長さよりもわずかに長い長辺及び該殺菌灯相互の離間距離よりもわずかに長い短辺を有する矩形部と該短辺から延出し、直角に折り曲げられた折曲矩形部とを有する第2反射板が設置され、上記囲饒空間は、上記本体部の上記折曲矩形部、並びに上記蓋部の上記矩形部及び記折曲矩形部により形成される。
従って、反射板で殺菌灯から照射される殺菌線を囲饒する囲饒空間を形成し、そこに吸気口から取り入れた空気を誘導すれば、空気中の細菌やウイルスに殺菌線が四方八方から集中的に照射される。また、吸気口から取り入れた空気の大部分は、排気口に向かうことなく囲饒空間に滞留するので、殺菌効果を高めることができる。
ここで、上記反射板は、研磨して鏡面が形成されたアルミニウム板、若しくはアルミニウムが蒸着されて鏡面が形成された金属板でれば、殺菌線反射率が高いので、囲饒空間における殺菌線の照度を高めることができる。
また、上記フードは、研磨して鏡面が形成されたアルミニウム板、若しくはアルミニウムが蒸着されて鏡面が形成された金属板を用いて、凹面をなすように成形されたことが好ましい。
このようにすれば、吸気口から漏れた殺菌線をフード外に出さないようにすることが出来る。
さらに、上記吸気口は、外気中の塵若しくは埃を除去する防塵フィルタを有し、上記排気口は、上記本体部の空気を外部に排出するファンが設けられ、上記フードを介して上記吸気口から取り入れた空気は、上記囲饒空間に誘導されて集中的に上記殺菌線を照射された後に、上記第1反射板と上記第2反射板との隙間から上記排気口に誘導されて排気されるので、囲饒空間に空気が滞留する時間を延ばし、殺菌効果を強めることができる。
なお、上記本体部は、上記蓋部との対向面に、建物の壁面若しくは天井に固設するねじ穴が形成されているので、設置環境に応じて、壁面に固定したり、天井から吊り下げることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の空気殺菌装置は、吸気口から取り入れた空気は、高効率で細菌戦を反射する反射板で構成された囲饒空間に誘導されて滞留し、四方八方から集中的に照射される殺菌線によって集中的に殺菌される。そして殺菌された空気は、その囲饒空間から排気口に誘導されて排気されるので、空気中に浮遊する細菌やウイルスは、高い確率で殺菌されるという利点がある。また、殺菌灯直下にある吸気口は、反射面を有するフードで覆われているので、外部に殺菌線が漏れ出す心配がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は本実施形態の空気殺菌装置の外観を示す斜視図である。
図2図2はフードを上側にしたときの空気殺菌装置の平面図である。
図3図3は本実施形態の空気殺菌装置の蓋部を少し開けた状態を示す斜視図である。
図4図4は本体部に設置する第1反射板を示す図である。
図5図5は本体部の折曲矩形部を直角に折り曲げたときの第1反射板の斜視図である。
図6図6は蓋部に設置する第2反射板を示す平面図である。
図7図7は矩形折曲部を直角に折り曲げたときの第2反射板の斜視図である。
図8図8は防塵フィルタを示す平面図である。
図9図9は本体部及び蓋部の内部を示す平面図である。
図10図10図2のA―A切断面を示す図である。
図11図11図2のB―B切断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の空気殺菌装置の実施形態について、図に基づいて説明する。
図1及び図2は、本実施形態の空気殺菌装置の外観を示す図であり、図1は、フードを下側にしたときの斜視図、図2は、フードを上側にしたときの平面図である。
なお、図2に示した一点鎖線は、後述する断面の切断個所を及び方向を示し、A―Aは、殺菌灯が設置されている側の切断個所、B―Bは、殺菌灯よりも排気口よりの切断個所を示す。す。
図1及び図2に示すように、本実施形態の空気殺菌装置10は、両側面に排気口2が形成された箱形の本体部1と、外部から空気を取り入れる吸気口12が中央に形成され、本体部1に蝶番で蝶着されて開閉自在な蓋部11とを有する筐体17、及び蓋部11に固定され、吸気口12を蓋部11の外側から覆い、殺菌灯から照射される殺菌線が外部に漏れるのを防止するフード20で構成されている。
本体部1の排気口2には、筐体17内の空気を外部に排出するファン3が取り付けてある。また、本体部1及び蓋部11には、蓋部11が開かないようにロックするロック金具18が設置されている。
そして、フード20は、殺菌線を反射する鏡面を有する部材を用いて、断面が凹形をなすように成形され、殺菌灯4から照射される殺菌線が外部に漏れるのを防止する一方、吸気口12への空気は自在に流通する空洞が形成されている。
ここで、破線は、排気口から排出される殺菌された空気の流れ25、及び吸気口から吸入される外気の流れ23(一部には、殺菌された空気の流れ25を含む)を示している。
【0011】
図3は、本実施形態の空気殺菌装置の蓋部を少し開けた状態を示す斜視図である。
図3に示すように、本体部1の両側面には、排気口2があり、その排気口には空気を排出するファン3が設置されている。そして、蓋部11との対向面には、殺菌灯4から放射される殺菌線を反射する第1反射板5が設置してあり、その上に、一対の殺菌灯4を装着するソケット6が対向面の長手方向両側に取り付けてある。
蓋部11は、ロック金具18のロックが解除されて、少し開いている。蓋部11の中央には吸気口(図に現れない)があり、吸気口には防塵フィルタ13が設置されている。そして、蓋部11の外側には、吸気口から殺菌線が漏れるのを防ぐフード20が取り付けられている。また、蓋部11の内側には、殺菌灯4から放射される殺菌線を反射する第2反射板15が設置してある。そして、蓋部11を閉めると、第1反射板5と第2反射板15によって、殺菌灯4から放射される殺菌線を囲饒して封じ込める囲饒空間が形成される。
従って、フード20の空洞を通った空気は、防塵フィルタ13で塵や埃が除去され、吸気口12から囲饒空間に誘導されて滞留する。そして、殺菌灯4から直接照射される殺菌線や、周囲の反射板5、15で反射し、四方八方から間接照射される殺菌線によって集中的に殺菌された後、第1反射板5と第2反射板15との隙間から排気口2に誘導されて排気される。
ここで、殺菌灯4は、長さが436mm、殺菌線出力が4.9W、ランプの電力が15Wで、片反射板付きのものを用いているが、必ずしもこれに限定する必要はなく、本体部の大きさに応じて、ランプ電力が10Wのものであっても、20乃至40Wのものであってもよいし、片反射板は、必ずしも必要としない。
ファン3は、50Hz地域では、回転速度が2800r/min、最大風速が2.7立方メートル、60Hz地域では回転速度が3250r/min、最大風速が3.0立方メートルの交流電力用のものを用いているが、回転速度が1450r/minから6400r/min、最大風速が1.43立方メートルから6.35立方メートルの直流電力用の可変速タイプのものを用いて速度制御してもよい。
フード20は、アルミニウムが蒸着されて鏡面が形成された金属板で凹面をなすように成形したものを用いているが、研磨したアルミ板を成形したものでもよい。
【0012】
図4及び図5は、本体部に設置する第1反射板を示す図であり、図4は、折曲矩形部を折り曲げる前の平面図、図5は、折曲矩形部を直角に折り曲げたときの斜視図である。
図4及び図5に示すように、本体部内面に設置される第1反射板5は、ソケット6に装着された殺菌灯4の長さに等しい長辺5a及び殺菌灯4相互間の離間距離よりもわずかに長い短辺5bを有する矩形部5Aと、長辺5aから延出し、直角に折曲げられた矩形折曲部5Bとからなる。
なお、矩形部5Aには、本体部1を建物などの構造物の壁面や天井に固定するためのねじ穴7が設けてある。
ここで、矩形折曲部5Bの高さは、本体部1の高さに設定することができる。また、第1反射板5の材質は、アルミニウム板を研磨して表面を鏡面にしたもの若しくはアルミニウムが蒸着されて鏡面が形成された金属板を使用することが好ましい。なお、殺菌線反射率は、研磨したアルミ板は、60乃至85%、アルミ蒸着した金属板は、75乃至85%を見込むことができる。
【0013】
図6及び図7は、蓋部に設置する第2反射板を示す図であり、図6は、矩形折曲部を折り曲げる前の平面図、図7は、矩形折曲部を直角に折り曲げたときの斜視図である。
図6に示すように、蓋部の内側に設置される第2反射板15は、殺菌灯4の長さよりもわずかに長い長辺15a及び殺菌灯4相互の離間距離よりもわずかに長い短辺15bを有する矩形部15Aと、その短辺15bから延出し、直角に折り曲げた矩形折曲部15Bとからなる。
ここで、矩形折曲部15Bの高さは、本体部1の高さよりもわずかに短く設定しているが、蓋部11を閉じたときに、少なくとも殺菌灯4が隠れる程度の高さに設定すればよい。
また、第2反射板15は、第1反射板5と同じ材質のものを使用することができる。
【0014】
図8は、防塵フィルタを示す平面図である。
図8に示すように、防塵フィルタ13は、吸気口12よりもやや大き目の枠に網目部材が固定されたもので、蓋部11の外側から吸気口12に取り付けられ、外気中の塵や埃が囲饒空間に侵入するのを防止している。
【0015】
図9から図11は、本体部及び蓋部の内部に設置される反射板と殺菌灯との位置関係を示す図であり、図9は、本体部及び蓋部の内部を示す平面図、図10及び図11は、図2のA―A切断面及びB―B切断面を示す図である。
図9の上側に示す本体部1の内部には、殺菌灯4の長さに等しい長辺5a及び殺菌灯4相互間の離間距離よりもわずかに長い短辺5bを有する矩形部5Aと、両側の長辺5aから延出し、直角に折曲げた矩形折曲部5Bとからなる第1反射板5が設置されている。そして、第1反射板5の矩形部5Aの両側には、殺菌灯4が設置され、本体部1の両側面には、排気口2があり、排気口2にはファン3が設置されている。
また、図9の下側に示す蓋部11の内側には、第1反射板5の矩形部5Aの長辺5aよりもわずかに長い長辺15a及びその矩形部5Aの短辺5bよりもわずかに長い短辺15bを有する矩形部15Aと、その両側の短辺15bから延出し、直角に折曲げた矩形折曲部15Bとからなる第2反射板15が設置されている。
【0016】
図10及び図11に筐体17の異なる位置の切断面を示すように、第1反射板5は、本体部1の天面(図では底面)両端で折曲げた矩形折曲部5Bが、本体部1の両側面を蓋部11付近まで覆っている。そして、第2反射板15は、矩形折曲部15Bが殺菌灯4よりも排気口2側を、少なくとも殺菌灯4が隠れる位置まで覆っている。
従って、第1反射板5(矩形折曲部5B)及び第2反射板15によって殺菌灯4の周囲は囲饒されており、吸気口12から取り入れた空気は、直接排気口2に向かうことは出来ず、囲饒空間16に誘導されて滞留する。
一方、囲饒空間16は、高反射率の反射板5,15で殺菌灯4から照射された殺菌線を囲饒し、殺菌灯4から直接照射される殺菌線と反射板5,15で反射した殺菌線とにより、囲饒空間16内の空気を四方八方から集中的に殺菌するので、殺菌効果を高めることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0017】
学校、集会場、バス、電車など密閉された空間に多くの人が集まる場所に設置すれば、ウイルスなどによる感染リスクを低減できる。
【符号の説明】
【0018】
1 本体部
2 排気口
3 ファン
4 殺菌灯
5 第1反射板
5a 長辺
5b 短辺
5A 矩形部
5B 矩形折曲部
6 ソケット
7 ねじ穴
10 空気殺菌装置
11 蓋部
12 吸気口
13 防塵フィルタ
15 第2反射板
15a 長辺
15b 短辺
15A 矩形部
15B 矩形折曲部
16 囲饒空間
17 筐体
18 ロック金具
20 フード
23 外気の流れ
25 殺菌された空気の流れ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11