(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083798
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】折り畳み式テーブルになるリアキャリア
(51)【国際特許分類】
B62J 7/04 20060101AFI20230609BHJP
A47B 3/00 20060101ALI20230609BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
B62J7/04 B
B62J7/04 Z
A47B3/00 A
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197702
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】521534448
【氏名又は名称】樋口 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】樋口 篤
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP07
3B053NQ01
3B053NQ08
(57)【要約】
【課題】自動二輪車の少ない積載スペースに、折り畳み式テーブルと他の荷物を積み込むことのできるリアキャリアを提供する。
【解決手段】本開示の自動二輪車用のリアキャリア1は、折り畳み式のテーブル2と、テーブル2をリアキャリア1として着脱可能に取り付ける取付ベース3を備える。取付ベース3は、天板4を取り付けるためのブラケット31を有し、テーブル2は、ブラケット31に取り付けられるブラケット21を有する。ブラケット21,31には、固定用のバー6を挿通する挿通穴21a,31aが設けられ、挿通穴21a,31aは、略同軸、略同径に設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車用のリアキャリアであって、
折り畳み式のテーブルと、前記テーブルをリアキャリアとして着脱可能に取り付ける取付ベースと、を備え、
前記テーブルが、天板と、前記天板に折りたたまれる脚部と、を含む、リアキャリア。
【請求項2】
前記取付ベースが、前記天板を取り付けるための取付ベース側ブラケットを含み、
前記テーブルが、前記取付ベース側ブラケットに取り付けられるテーブル側ブラケットを含む、請求項1に記載のリアキャリア。
【請求項3】
前記取付ベースに、前記天板の縁部を受け入れる折り返し部が形成され、
前記天板の縁部に、前記折り返し部が差し込まれるフレームと、前記フレームと前記天板により形成される面を仕切る仕切りが設けられ、
前記折り返し部の縁部に、仕切りと係合する切欠きが形成された請求項1または2に記載のリアキャリア。
【請求項4】
前記天板に、調理器具ハンガーを保持するためのホルダを設けた、請求項1~3のいずれか一項に記載のリアキャリア。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動二輪車用のリアキャリアであって、取付ベースから取り外すと折り畳み式テーブルになるリアキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車用のリアキャリアは、自動二輪車のシートの後部に設けられ、旅行用の荷物などを積載可能に設けられている。例えば、特許文献1には、強度を確保しつつリアキャリアの荷台面積を増大できるリアキャリアが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、人口が密集する観光地を避け、森林に囲まれたキャンプサイトでバーベキューを楽しんだり、湖のほとりや川辺で焚火し、暖かい飲み物を淹れたりするなど、大自然の中で楽しむアウトドア活動に人気が集まっている。
【0005】
自然を楽しみつつ文化的にアウトドア活動を楽しむには、食料を調理する調理台や、料理を置くテーブルを持参することが好ましい。しかし、バイクなどの自動二輪車で移動する場合、積載スペースが限られ、テーブルを持参することが難しいという問題があった。また、テーブルを積み込むと、他の荷物を積むことができなくなるという問題もあった。
【0006】
そこで、本開示の目的は、自動二輪車にテーブルを積み込むことができ、かつ、他の荷物も積むことのできる自動二輪車用のリアキャリアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のリアキャリアは、折り畳み式のテーブルと、テーブルをリアキャリアとして取り付ける取付ベースと、を備え、テーブルが、天板と、天板に折りたたまれる脚部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示のリアキャリアによれば、リアキャリアを折り畳み式テーブルで構成したため、折り畳み式テーブルに他の荷物を積み込むことができ、テーブルと他の荷物を無理なく運搬できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態を示すリアキャリアの概略図である。
【
図2】
図1のリアキャリアの、(a)取付ベース、(b)テーブルを示す平面図である。
【
図3】リアキャリアの組み立て方法を示す(a)分解斜視図、(b)斜視図である。
【
図4】テーブルの脚部を展開する様子を示す説明図である。
【
図5】テーブルを、(a)調理台、(b)焚火台として使用する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を自動二輪車用のリアキャリアに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1,2に示すリアキャリア1は、自動二輪車の車体、特にシート後部にネジなどにより取り付けられる取付ベース3と、天板4と脚部5からなる折り畳み式のテーブル2を備える。テーブル2は、熱伝導性の良い金属材からなり、天板4にはグリル用の網41が設けられている。リアキャリア1には、他のキャンプ用品などの荷物55を積載することができる。
【0012】
図2,3に示すように、天板4は、本体22と、本体22の周縁に周設された立壁23から構成され、立壁23には、脚部5の枢支軸5aを挿通する軸穴23aが設けられている。軸穴23aは、天板4の互いに対向する長辺の両端部に設けられている。脚部5は、短辺に沿う枢支軸5aを軸として天板4に向けて折り畳まれ、折り畳み状態において、立壁23の内側に収容される。
【0013】
立壁23の外周部には、取付ベース3に天板4を取り付けるためのブラケット21と、取付ベース3の折り返し部32が差し込まれるフレーム24と、フレーム24と天板4により画定される面を仕切る仕切り25が設けられている。ブラケット21とフレーム24は、天板4の長辺において、互いに対向する位置に設けられている。また、立壁23の外周部には、調理器具ハンガー53(
図5参照)を保持するためのホルダ26が設けられている。
【0014】
取付ベース3の一辺には、天板4を取付ベース3に取り付けるためのブラケット31が設けられ、該一辺の対向辺には、該一辺側に向けて折り返された折り返し部32が形成されている。折り返し部32の厚みdは、立壁23の高さh1よりも大きく、フレーム24の高さh2よりも小さくなるように設けられ、折り返し部32は、フレーム24の内側に差し込み可能に設けられている。折り返し部32の縁部には、仕切り25と係合する切欠き33が形成されている。折り返し部32をフレーム24の内側に差し込み、仕切り25を切欠き33と係合させることにより、テーブル2が取付ベース3に、より安定的に固定され、自動二輪車51で移動する際のガタつきを低減させることができる。
【0015】
テーブル2のブラケット21と取付ベース3のブラケット31には、各々、固定用のバー6を挿通するための挿通穴21a,31aが設けられている。挿通穴21a,31aは略同径に形成されている。天板4を取付ベース3に配置すると、挿通穴21a,31aは略同軸上に配置され、この状態において、固定用のバー6を挿通穴21a,31aに挿通してキャップ7を取り付けると、天板4が取付ベース3に確実に固定される。
【0016】
次に、上記のように構成されたテーブル2を取付ベース3に固定する方法を、
図3に基づいて説明する。
【0017】
図3(a)に示すように、まず、テーブル2のフレーム24の内側に取付ベース3の折り返し部32を差し込み、切欠き33と仕切り25を係合させると、
図3(b)に示すように、テーブル2が取付ベース3の正しい固定位置に配置される。このとき、テーブル2のブラケット21の挿通穴21aと、取付ベース3のブラケット31の挿通穴31aは、略同軸上に配置される。固定用のバー6を挿通し、キャップ7を締めると、テーブル2が取付ベース3に安定的に固定される。
【0018】
続いて、テーブル2の使用例を、
図4,5に基づいて説明する。
【0019】
図4に示すように、テーブル2は、脚部5を展開することによって自立する。
図5(a)の例では、テーブル2を調理台として使用している。フレーム24を利用して、まな板52を設置したり、サイドテーブル(図示なし)を設置したりすることが可能である。調理器具ハンガー53をホルダ26に差し込み、おたまや調理箸を掛けて、快適に調理を行うことができる。
【0020】
図5(b)の例では、テーブル2を焚火台として使用している。網41の下で焚火し、ケトル54をかければ、湯を沸かしてコーヒーなどの暖かい飲み物を作ることができる。また、網41の上に食材を乗せて、バーベキューをすることもできる。
【0021】
したがって、この実施形態のリアキャリア1によれば、リアキャリア1の一部を折り畳み式のテーブル2で構成したため、自動二輪車51の後部に、アウトドアで利用するテーブル2と、その他の荷物とを無理なく積み込むことができる。また、取付ベース3およびテーブル2に各々ブラケット21,31を設け、各ブラケット21,31に略同軸・略同径の各々挿通穴21a,31aを設けたため、固定用のバー6を挿通したり、抜き取ったりして、テーブル2と取付ベース3とを容易に着脱できる。
【0022】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状や構成を適宜に変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0023】
1 リアキャリア
2 テーブル
3 取付ベース
4 天板
5 脚部(a:枢支軸)
6 固定用のバー
7 キャップ
21 ブラケット(a:挿通穴)
22 本体
23 立壁(a:軸穴)
24 フレーム
25 仕切り
26 ホルダ
31 ブラケット(a:挿通穴)
32 折り返し部
33 切欠き
51 自動二輪車
52 まな板
53 調理器具ハンガー
54 ケトル
d 折り返し部の厚み
h1 立壁の高さ
h2 フレームの高さ