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  • 特開-気管コネクタ 図1
  • 特開-気管コネクタ 図2
  • 特開-気管コネクタ 図3
  • 特開-気管コネクタ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083800
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】気管コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/08 20060101AFI20230609BHJP
【FI】
A61M16/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197705
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健史
(72)【発明者】
【氏名】和田 成生
(72)【発明者】
【氏名】武石 直樹
(72)【発明者】
【氏名】安村 聡
(72)【発明者】
【氏名】松原 功
(57)【要約】
【課題】被検者の動的PEEPの値を飛躍的に向上させつつ、被検者の呼気が大気中に十分に排出されなくなってしまう状況を好適に防止可能な気管コネクタを提供する。
【解決手段】気管コネクタ1は、呼吸ガス供給器と気管チューブ7とにそれぞれ接続されている。気管コネクタ1は、気管チューブ7に接続される気管コネクタ本体部2と、気管コネクタ本体部2と呼吸ガス供給器とに接続されるコネクタチューブ3と、呼吸ガス流路Pを狭窄するように構成された流路狭窄機構33と、を備える。気管コネクタ本体部2は、気管チューブ7に接続される気管ポート20と、気管ポート20に対向すると共に、少なくとも被検者の呼気が排出される排気ポート21と、コネクタチューブ3に接続される吸気ポート22と、を有する。流路狭窄機構33は、吸気ポート22と気管ポート20との間の呼吸ガス流路P上に設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に呼吸ガスを供給するように構成された呼吸ガス供給器と当該被検者の気管内に挿入される気管チューブとにそれぞれ接続される気管コネクタであって、
前記気管コネクタは、
前記気管チューブに接続される気管コネクタ本体部と、
前記気管コネクタ本体部と前記呼吸ガス供給器とに接続されるコネクタチューブと、
前記呼吸ガスが流れる呼吸ガス流路を狭窄するように構成された流路狭窄機構と、
を備え、
前記気管コネクタ本体部は、
前記気管チューブに接続される気管ポートと、
前記気管ポートに対向すると共に、少なくとも前記被検者の呼気が排出される排気ポートと、
前記コネクタチューブに接続される吸気ポートと、
を有し、
前記流路狭窄機構は、前記吸気ポートと前記気管ポートとの間の前記呼吸ガス流路上に設けられている、
気管コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタチューブは、
前記吸気ポートに接続される第1接続端部と、
前記第1接続端部とは反対側に位置すると共に、前記呼吸ガス供給器に接続される第2接続端部と、
を有し、
前記流路狭窄機構は、前記第1接続端部に設けられている、
請求項1に記載の気管コネクタ。
【請求項3】
前記流路狭窄機構は、
前記第1接続端部の開口部の一部を塞ぐように構成された閉塞プレートと、
前記閉塞プレートに形成された少なくとも一つの貫通オリフィスと、
を有する、
請求項2に記載の気管コネクタ。
【請求項4】
前記流路狭窄機構によって達成される前記呼吸ガス流路の狭窄率は、75%から90%の範囲内である、
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の気管コネクタ。
【請求項5】
前記第1接続端部における前記コネクタチューブの流路断面積に対する前記閉塞プレートの表面積の割合は、75%から90%の範囲内である、
請求項3に記載の気管コネクタ。
【請求項6】
前記気管コネクタ本体部は、
前記気管ポートと前記排気ポートとの間を延びる排気側管部と、
前記排気側管部に接続され、前記吸気ポートを含む吸気側管部と、
を有し、
前記吸気側管部の軸方向は、前記排気側管部の軸方向に対して斜めに延びており、
前記吸気側管部の軸方向と前記排気側管部の軸方向との間の角度は、35°から55°の範囲内となる、
請求項1から5のうちいずれか一項に記載の気管コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、気管コネクタに関する。特に、本開示は、呼吸ガス供給器と気管チューブとに接続される気管コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
挿管後14日から21日以上の人工呼吸管理が必要な患者のほとんど(約90%)は気管切開を行い、その後人工呼吸器からの離脱を試みている。気管切開後に人工呼吸器から離脱できた患者は、気管切開後に人工呼吸器に依存した患者に比べて長期予後が改善していることが判明している。具体的には、気管切開をした後に人工呼吸器から離脱できた患者の3年後の生存率は、60%である一方、人工呼吸器に依存した患者の3年後の生存率は30%といったデータも存在する。また、人工呼吸器から早期離脱できることで医療費用の大幅な削減(約1/6)にも寄与している。このように、気管切開後の患者が人工呼吸器から早期に離脱できることが好ましい。人工呼吸器の装着が長期化する主な原因は、不適切なガス交換と、呼吸仕事量増大への耐久性の低下の二点となる。また、呼吸ガス供給器と患者の気管内に挿入される気管チューブとを接続する従来の気管コネクタでは、患者の呼気時における気道内の陽圧(以下、動的呼気終末気道陽圧(PEEP)という。)が低くなってしまう。この結果、患者の肺胞が虚脱してしまい、患者の人工呼吸器の装着期間が長期化してしまう可能性がある。従って、現状の気管コネクタに改良を加えることで呼気陽圧を発生させることができれば、肺胞の虚脱が減少し、ガス交換が改善することが期待される。この結果、呼気終末肺容量が増加し、呼吸仕事量(呼吸努力)が減少することで、患者の人工呼吸器からの早期離脱を促進できる可能性がある。
【0003】
一方、特許文献1に開示されている気管コネクタでは、ある一定の値の動的PEEPを発生させるために、気管コネクタの一部の構造が工夫されている。具体的には、気管コネクタの排気ポート側に貫通オリフィスを有する流路狭窄機構が形成されている。当該流路狭窄機構によって、患者の呼気の空気流(呼気流)がスムーズに大気中に排気されにくくなるため、患者の動的PEEPの値が上昇し易くなる傾向がある。このように、患者の動的PEEPの値の上昇に伴い患者の肺胞の虚脱が好適に防止されるため、患者の人工呼吸器の装着期間が短縮される可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9539401号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された気管コネクタでは、気管コネクタの排気ポート側に流路狭窄機構が形成されているため、患者の呼気に混じった痰等が貫通オリフィスの一部を塞いでしまう状況が想定される。かかる状況では、呼気流が大気中に排出されにくくなってしまうため、動的PEEPの値が飛躍的に上昇する一方で、患者の呼吸管理に問題が生じる可能性がある。上記観点より、気管コネクタをさらに改良する余地がある。
【0006】
本開示は、被検者の動的PEEPの値を飛躍的に向上させつつ、被検者の呼気が大気中に十分に排出されなくなってしまう状況を好適に防止可能な気管コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る気管コネクタは、被検者に呼吸ガスを供給するように構成された呼吸ガス供給器と当該被検者の気管内に挿入される気管チューブとにそれぞれ接続され、
前記気管チューブに接続される気管コネクタ本体部と、
前記気管コネクタ本体部と前記呼吸ガス供給器とに接続されるコネクタチューブと、
前記呼吸ガスが流れる呼吸ガス流路を狭窄するように構成された流路狭窄機構と、
を備える。
前記気管コネクタ本体部は、
前記気管チューブに接続される気管ポートと、
前記気管ポートに対向すると共に、少なくとも前記被検者の呼気が排出される排気ポートと、
前記コネクタチューブに接続される吸気ポートと、
を有する。
前記流路狭窄機構は、前記吸気ポートと前記気管ポートとの間の前記呼吸ガス流路上に設けられている。
【0008】
上記構成によれば、呼吸ガス流路を狭窄するように構成された流路狭窄機構が吸気ポートと気管ポートとの間の呼吸ガス流路上に配置されているため、呼吸ガス供給器から供給される呼吸ガスの流れ(以下、吸気流)が流路狭窄機構によって絞られる。さらに、流路狭窄機構を通過した吸気流が気管ポートを通過した被検者の呼気の流れ(以下、呼気流)と衝突することで、乱流領域が気管ポート周辺に形成される。このため、呼気流が排気ポート側に向かってスムーズに流れにくくなるため、気管ポート周辺における圧力が上昇する。この結果、動的PEEP(呼気終末気道陽圧)の値が飛躍的に上昇する。さらに、流路狭窄機構が排気ポート側に設けられていないため、流路狭窄機構によって被検者の呼気が大気中に十分に排出されなくなってしまう状況が好適に防止される。したがって、被検者の動的PEEPの値を飛躍的に向上させつつ、被検者の呼気が大気中に十分に排出されなくなってしまう状況を好適に防止可能な気管コネクタを提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、被検者の動的PEEPの値を飛躍的に向上させつつ、被検者の呼気が大気中に十分に排出されなくなってしまう状況を好適に防止可能な気管コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る気管コネクタが患者に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図2】気管コネクタの斜視図である。
図3】気管コネクタ本体部の縦断面を示す図である。
図4】コネクタチューブに設けられた流路狭窄機構の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照することで本開示の実施形態(以下、本実施形態)に係る気管コネクタ1について以下に説明する。図1は、本実施形態に係る気管コネクタ1が患者U(被検者)に取り付けられた状態を示す斜視図である。図2は、気管コネクタ1の斜視図である。図1に示すように、患者Uは、気管切開後に呼吸サポートが必要な患者となる。特に、患者Uの気管が切開されており、気管内に気管チューブ7(図2参照)が挿入されている。呼吸ガス供給器5から供給された呼吸ガス(例えば、酸素ガス)は、気管コネクタ1及び気管チューブ7を介して患者Uの気管内に送り込まれる。一方、患者Uの肺から排出された二酸化炭素を含む呼気は、気管チューブ7及び呼気ポート21を介して大気中に排出される。
【0012】
図1に示すように、呼吸ガス供給器5は、気管コネクタ1に接続されている。呼吸ガス供給器5は、患者Uに呼吸ガスを供給するように構成されている。呼吸ガス供給器5は、気管コネクタ1を介して呼吸ガスを患者Uに供給するように構成されたガス供給器本体8と、ガス供給器本体8に接続されたガスチューブ6とを有する。
【0013】
図1及び図2に示すように、気管コネクタ1は、呼吸ガス供給器5のガスチューブ6と気管チューブ7とにそれぞれ接続されている。気管コネクタ1は、気管コネクタ本体部2と、コネクタチューブ3とを有する。気管コネクタ本体部2は、気管チューブ7に接続されており、気管ポート20と、排気ポート21と、吸気ポート22とを有する。気管ポート20は、気管チューブ7に接続されている。排気ポート21は、気管ポート20に対向している。患者Uから排出され、気管チューブ7を通過した呼気は、気管ポート20を介して排気ポート21から外部に放出される。吸気ポート22は、コネクタチューブ3に接続されている。呼吸ガス供給器5から出力された呼吸ガスは、吸気ポート22及び気管ポート20を通過した後に、気管チューブ7を介して患者Uの気管内に送出される。また、呼吸ガスの一部は、排気ポート21から外部に放出される。
【0014】
気管コネクタ本体部2は、排気側管部26と、吸気側管部27とをさらに有する。排気側管部26は、気管ポート20と排気ポート21との間を延びている。吸気側管部27は、排気側管部26に接続され、吸気ポート22を有する。吸気側管部27と排気側管部26は、一体的に形成されていてもよい。
【0015】
吸気側管部27は、排気側管部26に斜めに接続されている。具体的には、図3に示すように、排気側管部26の軸方向A1は、吸気側管部27の軸方向A2に対して斜めに延びている。軸方向A1と軸方向A2との間の角度θは、例えば、35°~55°の範囲内となる。また、吸気側管部27の内部空間と排気側管部26の内部空間は互いに連通しており、互いに連通した2つの内部空間によって呼吸ガスが流れる呼吸ガス流路Pが形成されている。
【0016】
コネクタチューブ3は、気管コネクタ本体部2と呼吸ガス供給器5のガスチューブ6にそれぞれ接続されている。図2に示すように、コネクタチューブ3は、第1接続端部31と、第2接続端部32と、チューブ本体部36とを有する。第1接続端部31は、吸気ポート22に接続されている。第2接続端部32は、第1接続端部31とは反対側に位置すると共に、呼吸ガス供給器5のガスチューブ6に接続される(図1参照)。チューブ本体部36は、第1接続端部31と第2接続端部32との間を延びており、蛇腹状に形成されている。
【0017】
図3に示すように、第1接続端部31には流路狭窄機構33が設けられている。流路狭窄機構33は、呼吸ガスが流れる呼吸ガス流路Pを狭窄するように構成されている。流路狭窄機構33は、第1接続端部31の開口部の一部を塞ぐように構成された閉塞プレート34と、閉塞プレート34に形成された貫通オリフィス35とを有する。閉塞プレート34は、第1接続端部31と一体的に形成されていてもよい。閉塞プレート34が呼吸ガス供給器5から供給される呼吸ガスの流れ(以下、吸気流F2)の通過を阻止する一方、貫通オリフィス35が吸気流F2を通過させる。このように、閉塞プレート34と貫通オリフィス35によって呼吸ガス流路Pを狭窄することができる。
【0018】
図4に示すように、平面視において、閉塞プレート34及び貫通オリフィス35は、円形状に形成されている。閉塞プレート34の中心点O1と貫通オリフィス35の中心点O2は略一致していてもよい。第1接続端部31におけるコネクタチューブ3の流路断面積に対する閉塞プレート34の表面積の割合は、例えば、75%~90%の範囲内であってもよい。例えば、流路断面積に対する閉塞プレート34の表面積の割合が75%である場合、流路断面積に対する貫通オリフィスの開口面積の割合が25%となる。この場合、流路断面積が貫通オリフィスの開口面積の四倍となるため、貫通オリフィス35の半径r1は、流路断面半径rの1/2となる。
【0019】
また、流路断面積に対する閉塞プレート34の表面積の割合が75%~90%である場合、流路狭窄機構33によって達成される呼吸ガス流路Pの狭窄率も75%~90%の範囲内となる。即ち、流路断面積に対する閉塞プレート34の表面積の割合がN%である場合、流路狭窄機構33によって達成される呼吸ガス流路Pの狭窄率も同様にN%の範囲内となる。尚、本例では、流路狭窄機構33が第1接続端部31に設けられているが、流路狭窄機構33が形成される場所は特に限定されるものではない。例えば、流路狭窄機構33は、吸気側管部27と一体的に形成されてもよい。この場合も同様に、流路狭窄機構33は、吸気ポート22と気管ポート20との間の呼吸ガス流路P上に形成される。
【0020】
本実施形態によれば、呼吸ガス流路Pを狭窄するように構成された流路狭窄機構33が吸気ポート22と気管ポート20との間の呼吸ガス流路P上(具体的には、コネクタチューブ3の第1接続端部31)に設けられているため、吸気流F2が流路狭窄機構33によって絞られる。さらに、流路狭窄機構33を通過した吸気流F2が気管ポート20を通過した患者Uの呼気の流れ(以下、呼気流F1)と衝突することで乱流領域が気管ポート20の周辺に形成される。このため、呼気流F1が排気ポート21側に向かってスムーズに流れにくくなるため、気管ポート20の周辺における圧力が上昇する。
【0021】
この結果、動的PEEP(呼気終末気道陽圧)の値が飛躍的に上昇する。さらに、流路狭窄機構33が排気ポート21側に設けられていないため、流路狭窄機構33によって患者Uの呼気が大気中に十分に排出されなくなってしまう状況が好適に防止される。例えば、流路狭窄機構33が排気ポート21側に設けられている場合、呼気に含まれる患者Uの痰等が流路狭窄機構33の貫通オリフィス35を塞いでしまう状況が想定されるが、本実施形態ではかかる状況が好適に防止されうる。したがって、患者Uの動的PEEPの値を飛躍的に向上させつつ、患者Uの呼気が大気中に十分に排出されなくなってしまう状況を好適に防止可能な気管コネクタ1を提供することができる。さらに、患者Uの動的PEEPが飛躍的に向上することで、患者Uの人工呼吸器の装着期間が短縮されうる。
【0022】
また、本実施形態では、流路狭窄機構33によって達成される呼吸ガス流路Pの狭窄率が75%~90%の範囲内に設定されている。このため、呼吸ガス供給器5から供給される呼吸ガスを患者Uの気道内に確実に送出することができると共に、動的PEEPの値を飛躍的に上昇させることが可能となる。この点において、呼吸ガス流路Pの狭窄率が90%を超える場合には、動的PEEPの値が大きくなる一方で、流路狭窄機構33の周辺の圧力が過度に上昇してしまう。その一方で、呼吸ガス流路Pの狭窄率が75%未満の場合には、動的PEEPの値を飛躍的に上昇させることが難しくなる。
【0023】
また、本実施形態では、排気側管部26の軸方向A1と吸気側管部27の軸方向A2との間の角度θは、例えば、35°~55°の範囲内となっている。このため、様々な呼吸障害を有する患者Uの動的PEEPの値のバラツキ具合を解消しつつ、動的PEEPの値を飛躍的に上昇させることが可能となる。この点において、軸方向A1と軸方向A2との間の角度θが小さい程、呼気流F1が排気ポート21側に向かってスムーズに流れにくくなるため、動的PEEPの値が上昇する傾向がある。その一方で、角度θが小さい程、患者毎の動的PEEPの値のバラツキ具合が大きくなる。このように、患者毎の動的PEEP値のバラツキ具合を考慮すると、角度θは35°~55°の範囲内であることが好ましい。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0025】
例えば、本実施形態に係る流路狭窄機構33では、同心円状の単一の貫通オリフィス35が閉塞プレート34に形成されているが、貫通オリフィス35の形成位置、数、形状は特に限定されるものではない。例えば、2以上の貫通オリフィスが閉塞プレート34上の任意の位置に形成されていてもよい。また、貫通オリフィス35の形状は、多角形(例えば、三角形や四角形)であってもよい。このように、本実施形態で示された流路狭窄機構33の構成は特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0026】
1:気管コネクタ
2:気管コネクタ本体部
3:コネクタチューブ
5:呼吸ガス供給器
6:ガスチューブ
7:気管チューブ
8:ガス供給器本体
20:気管ポート
21:排気ポート
22:吸気ポート
26:排気側管部
27:吸気側管部
31:第1接続端部
32:第2接続端部
33:流路狭窄機構
34:閉塞プレート
35:貫通オリフィス
36:チューブ本体部
図1
図2
図3
図4