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  • 特開-護岸ブロック及び護岸構造 図1
  • 特開-護岸ブロック及び護岸構造 図2
  • 特開-護岸ブロック及び護岸構造 図3
  • 特開-護岸ブロック及び護岸構造 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008383
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】護岸ブロック及び護岸構造
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/14 20060101AFI20230112BHJP
   E02D 29/02 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
E02B3/14 301
E02D29/02 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111909
(22)【出願日】2021-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】521297738
【氏名又は名称】イーグル設計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】柳原 智
【テーマコード(参考)】
2D048
2D118
【Fターム(参考)】
2D048AA01
2D118AA01
2D118BA03
2D118CA02
2D118CA07
2D118CA08
2D118DA01
2D118FA06
2D118HA16
2D118HD03
(57)【要約】
【課題】 池や河川などの堤防を構成する斜面に設置することが出来る護岸ブロックの提供。
【解決手段】 護岸ブロック1はポーラスコンクリート等の排水機能に優れた材料を用いて成型され、僅かに傾斜した平坦な上面7を有し、該上面7の正面側縁部には上方に突出した凸条9を設けている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
池や河川などの堤防を構成する斜面に設置される護岸ブロックにおいて、該護岸ブロックはポーラスコンクリート等の排水機能に優れた材料を用いて成型され、僅かに傾斜した平坦な上面を有し、該上面の正面側縁部には上方に突出した凸条を設けたことを特徴とする護岸ブロック。
【請求項2】
上記凸条は手で掴むことが出来る大きさとしている請求項1記載の護岸ブロック。
【請求項3】
池や河川などの堤防を構成する斜面に複数の護岸ブロックを設置した護岸構造において、上記護岸ブロックの上面は正面側に僅かに傾斜した上面を有し、上面の正面側縁部には上方へ突出する凸条を設けて階段状にしたことを特徴とする護岸ブロック構造。
【請求項4】
上記凸条は手で掴むことが出来る大きさとしている請求項3記載の護岸ブロック構造。













【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、池や河川、海岸などの擁壁として用いられる護岸ブロック、及び複数の護岸ブロックを設置して構成される護岸構造に関するものである
【背景技術】
【0002】
池や河川、池、海岸には擁壁が構成され、該擁壁は複数のコンクリートブロック(護岸ブロック)を設置・配列した構造と成っている。
護岸用擁壁は、一般に多数の護岸ブロックを上下方向並びに左右方向に組付けて構築される。幅が狭い小さな河川では、生コンクリートを現場打ちして擁壁を構築する場合もあるが、大きな河川や池の堤防には護岸ブロックが設置されている。
【0003】
図4は護岸ブロック(イ)、(イ)・・・を配列して構成した擁壁(ロ)の断面構造を示している。該擁壁(ロ)は池(ハ)の周囲、河川の両側に構築され、斜めに傾斜している。池(ハ)の周囲に構築される擁壁(ロ)の傾斜角度は比較的緩やかであり、該擁壁(ロ)に沿って歩いたり、擁壁の護岸ブロック(イ)に座って釣りを楽しんだりすることが出来る。
その為に、不注意で池(ハ)に転落する場合もあるが、この場合、緩やかな傾斜の擁壁(ロ)であっても、這い上がることが容易でない。
【0004】
コンクリート製の護岸ブロック(イ)の表面(ニ)にはコケや藻が形成されて滑りやすく、その為に水面(ホ)から這い上がっても、再び滑り落ちてしまう。
従来、池(ハ)に落ちた場合、這い上がることが出来るようにしたコンクリート製の護岸ブロックが知られ、該護岸ブロック(イ)の表面は平らな平坦面ではなく、凹部を設けている。その為に、池(ハ)から這い上がる際に、凹部に手や足を掛けて擁壁(ロ)を這い上がることが出来るように成っている。
【0005】
登録実用新案第3053325号に係る「護岸ブロック」は、護岸ブロックで覆った池などの岸辺で水深の大きな場所に誤って落ち込んだ場合、たとえ泳げない者でも、水辺から安全に脱出することを可能としている。
そこで、ブロックの前面に手先や足先を掛け入れるための穴を設けている。
【0006】
特開2006-125103号に係る「護岸用擁壁ブロック及び護岸用擁壁」は、岸壁付近で落水したときに、擁壁前面に落水者が手指を掛け、溺れる危険を回避できるようにしている。
コンクリート成型品からなる護岸用擁壁ブロックであって、擁壁ブロックの前面に落水者が手指を掛け得る凹入部を形成して、岸壁付近に落水したときに、落水者が凹入部に手指を掛けて擁壁前面に掴まり得るようにしている。
【特許文献1】登録実用新案第3053325号に係る「護岸ブロック」
【特許文献2】特開2006-125103号に係る「護岸用擁壁ブロック及び護岸用擁壁」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、池や川に落ちた際に、擁壁の表面に沿って這い上がることが出来るようにした護岸ブロックは知られている。しかし、従来の護岸ブロックは表面の一部に凹部を設け、該凹部に手足を掛けることが出来るように成っている。
しかし、護岸ブロック表面に形成した凹部に手や足は嵌るが、掴りにくい。
本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、池や川から這い上がる際に、手で掴み易く、また足を掛け易い形状とした護岸ブロック、及び該護岸ブロックを設置して構成される護岸構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る護岸ブロックはコンクリートを成型したものであって、池や河川の堤防の傾斜面に設置される。護岸ブロックは、設置された場合の上面がほぼ水平な平坦面を有し、手前側(水側)の正面は該上面に対してほぼ垂直を成している。
そして、両側面は互いに平行な垂直面とし、上記上面の手前側(水側)縁部には凸条を設けている。凸条は手で掴むことが出来る大きさで、その断面形状は、四角形、半円形、又は三角形などとし、特に限定はしないことにする。
【0009】
すなわち、凸条は上面の縁部に設けられ、上方に突出して手で掴むことが出来るように構成している。
そして、該護岸ブロックを構成する材料は一般に無数の空隙が形成されているポーラスコンクリート等を用いて排水機能を向上させることにより、表面に発生するコケの生育を抑制している。
ところで、本発明の護岸ブロックを配列して構成される護岸構造は、ほぼ水平な上面を有した階段状となり、縁部には滑り止めと成る凸条が設けられている為に、池や川に滑り落ちることも抑制出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る護岸ブロックは、池や河川の斜面に設置されて水の浸食から堤防を守ることが出来る。この点は、従来から存在している護岸ブロックと同じであるが、本発明の護岸ブロックは池や川に落ちた場合、擁壁を駆け上がり易く成っている。
すなわち、該護岸ブロックは上面の手前側縁部に凸条が設けられ、その為に、人はこの凸条に手を掛けて掴むことで這い上がることが出来る。
【0011】
該護岸ブロックはほぼ水平な上面を有していることで、凸条を掴んで這い上がり、立ち上がることが出来る。立ち上がった後は階段を上がるように堤防の頂部に上がることが出来る。
ポーラスコンクリート等の排水機能が良い材料を成型した本発明の護岸ブロックの表面には,コケが発生し難く、護岸ブロックを歩いても滑りにくい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】池の堤防斜面に護岸ブロックを設置した護岸構造を示す具体例である。
図2】本発明に係る護岸ブロックを示す断面図。
図3】本発明に係る護岸ブロックを示す正面図。
図4】池の堤防斜面に護岸ブロックを設置した従来の護岸構造を示す具体例。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明に係る護岸構造を表している断面図を示す実施例である。同図の1,1・・・は護岸ブロック、2は堤防、3は池を表し、該池3には水4が満たされ、周囲には上記堤防2が設けられている。堤防2は土砂を盛り上げて構築されているが、内側斜面が水によって浸食されないように上記護岸ブロック1,1・・・が設置されている。その為に、内側斜面が崩れ落ちることはなく、堤防2は保護される。
【0014】
護岸ブロック1,1・・・は砂利を固めて構成した基礎5の上に設置され、これら護岸ブロック1,1・・・によって構成される護岸構造は階段状を成している。したがって、人は該護岸ブロック1,1・・・を歩くことが出来、堤防2の頂部6から池3に降りることが出来る。そして、適当な位置の護岸ブロック1に腰を掛けて釣りを楽しむことも可能である。
階段状に配置した護岸ブロック1の上面7は僅かに傾斜した平坦な面となっている為に椅子に腰掛けるように座ることが出来る。
【0015】
図2は上記護岸ブロック1の断面図である。該護岸ブロック1はポーラスコンクリート等を材料として成型され、僅かに傾斜してほぼ水平で平坦な上面7を有し、池3の水側に位置している正面8は垂直を成している。
上面7は池3の側に僅かに傾斜することで、雨水は上面7に溜まることがないようにしている。そして、頂部6から流れ落ちる雨水に交じって流れ落ちる泥が上面7に堆積しないように考慮されている。
【0016】
そして、上面7の先端側(正面側)の縁部には凸条9を設けている。該凸条9は手で掴むことが出来る大きさとし、その断面形状は同図に示す四角形に限定はしない。半円形状でもよく、又は三角形とすることも出来る。
該凸条9の第1の使用目的は、池3に落ちた際に、該凸条9を掴んで池3から這い上がることが出来るようにしている。
また、護岸ブロック1に沿って歩いている人が、不注意で滑って池3に落ちないようにしている。雨で濡れている上面7を歩くならば滑り易く、その為に凸条9は滑り止めとして機能する。
【0017】
図3は護岸ブロック1の正面図を表している。同図の7は上面、8は正面を表し、そして、9は凸条を示し、該凸条9は左右側面10,10まで延びている。勿論、凸条9は連続しているが、途中に切欠き溝を形成して上面7に溜まるかもしれない水が流れるようにすることも出来る。
図1は池3の堤防2の斜面に構成している護岸構造を実施例として表しているが、池3の堤防に限定はしない。河川の堤防や海岸に設置することもある。
【0018】
ところで、上記図2に示す護岸ブロック1の形状はあくまでも1具体例である。ほぼ水平な平坦面で構成する上面7を有し、上面7の正面側には上方へ突出する凸条9を設けていて、擁壁は階段状を構成して安全に上り下りし易くしている。
そこで、正面8は垂直に限らず、また両側面10,10は互いに平行な垂直面でなくてもよい。
また、護岸ブロック1を軽量化する為に、底面に凹部を設けたり、両側面にも凹部を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0019】
1 護岸ブロック
2 堤防
3 池
4 水
5 基礎
6 頂部
7 上面
8 正面
9 凸条
10 側面























図1
図2
図3
図4