IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国電力株式会社の特許一覧

特開2023-83844コミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法
<>
  • 特開-コミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法 図1
  • 特開-コミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法 図2
  • 特開-コミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法 図3
  • 特開-コミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法 図4
  • 特開-コミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083844
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】コミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230609BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197782
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】柴 和成
(72)【発明者】
【氏名】時乘 勲
(72)【発明者】
【氏名】西川 康史
(72)【発明者】
【氏名】稲田 敦
(72)【発明者】
【氏名】東原 美沙
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 健大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率的に所望の相手と話をすることを可能にするコミュニケーション支援システム及びコミュニケーション支援方法を提供する。
【解決手段】方法は、各社員Mの座席位置を示す座席レイアウト図を記憶し、各社員Mが電話中であるか否かを監視するPBX2と、社員Mのユーザ端末51に画像を表示させる支援サーバ4と、を備える。支援サーバ4は、PBX2による監視結果に基づいて、座席レイアウト図上の各座席に各社員Mが電話中であるか否かが示されたレイアウト画像をユーザ端末51に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザの座席位置を示す座席レイアウト図を記憶する記憶手段と、
前記各ユーザが電話中であるか否かを監視する電話監視手段と、
前記ユーザのユーザ端末に画像を表示させる支援手段と、
を備え、前記支援手段は、前記電話監視手段による監視結果に基づいて、前記座席レイアウト図上の各座席に前記各ユーザが電話中であるか否かが示されたレイアウト画像を前記ユーザ端末に表示させる、
ことを特徴とするコミュニケーション支援システム。
【請求項2】
前記各ユーザが在席中であるか否かを監視する在席監視手段を備え、
前記支援手段は、前記在席監視手段による監視結果に基づいて、前記レイアウト画像の各座席に前記各ユーザが在席中であるか否かを示す、
ことを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記各ユーザの職歴を記憶し、
前記支援手段は、前記ユーザ端末で問い合わせ事項が入力されると、前記職歴に基づいて前記問い合わせ事項を問い合わせるのに適した問い合わせ先ユーザを選出し、該問い合わせ先ユーザの識別情報が示された画像を当該ユーザ端末に表示させる、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記各ユーザの職歴を記憶し、
前記支援手段は、前記ユーザ端末で入力された指定ユーザが話せる状態でない場合に、前記指定ユーザの職歴と他のユーザの職歴に基づいて、前記指定ユーザに代って話をすることを推奨する代替ユーザを選出し、該代替ユーザの識別情報が示された画像を当該ユーザ端末に表示させる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコミュニケーション支援システム。
【請求項5】
各ユーザの座席位置を示す座席レイアウト図を記憶し、
前記各ユーザが電話中であるか否かを監視し、
前記監視の結果に基づいて、前記座席レイアウト図上の各座席に前記各ユーザが電話中であるか否かが示されたレイアウト画像を、前記ユーザのユーザ端末に表示する、
ことを特徴とするコミュニケーション支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話などによる他者とのコミュニケーションを支援するコミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、大規模な企業・組織において、業務中に離れた場所にいる人と話をしたい場合には、まず外出中や会議中でないことをスケジュール表で確認し、その人が在席する部署まで実際に行って話をする、ということを行っていた。また、電話で話しをする場合、かけた希望相手に繋がらなければ、電話帳を調べて電話番号が近い人に電話をかけ、実際にいないのかを確認したり、折り返しの電話をお願いしたりしていた。
【0003】
しかしながら、スケジュール表を確認して、希望相手が在席する部署まで行き、部署の座席表を見ながら希望相手がいるかいなかを探さなければならず、手間と時間を要するばかりでなく、希望相手が不在の場合には、同じ行為を繰り返さなければならず、非効率的であった。また、電話で希望相手に繋がらない場合でも、電話番号が近いだけでは実際に席が近くない人にかけてしまう可能性があり、非効率的であった。
【0004】
このような事情から、各従業員の実際の座席状況をリアルタイムかつ正確に表示できる、という座席表示システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この座席表示システムは、各従業員のスケジュール、実際の座席状況に基づいて、フロアの座席レイアウト図の各座席に従業員の氏名、役職、内線番号、在席中か否か、会議中か否かを示す画面をクライアント端末に表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-55221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、希望相手に電話をかけても希望相手が電話中で繋がらない場合、時間が無駄になるばかりでなく、希望相手の電話が長い場合には、何度電話をかけても繋がらない状態が続き、業務に支障をきたすおそれがある。また、特許文献1に記載のシステムでは、座席レイアウト図の各座席に従業員の内線番号などが示された画面が表示されるため、希望相手が電話中の場合に座席が近い従業員に電話をすることはできる。しかしながら、この従業員も電話中の場合にはさらに別の従業員に電話する、ということを繰り返さなければならず、非効率的である。
【0007】
そこで本発明は、効率的に所望の相手と話をすることを可能にするコミュニケーション支援システムおよびコミュニケーション支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、各ユーザの座席位置を示す座席レイアウト図を記憶する記憶手段と、前記各ユーザが電話中であるか否かを監視する電話監視手段と、前記ユーザのユーザ端末に画像を表示させる支援手段と、を備え、前記支援手段は、前記電話監視手段による監視結果に基づいて、前記座席レイアウト図上の各座席に前記各ユーザが電話中であるか否かが示されたレイアウト画像を前記ユーザ端末に表示させる、ことを特徴とするコミュニケーション支援システムである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のコミュニケーション支援システムにおいて、前記各ユーザが在席中であるか否かを監視する在席監視手段を備え、前記支援手段は、前記在席監視手段による監視結果に基づいて、前記レイアウト画像の各座席に前記各ユーザが在席中であるか否かを示す、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のコミュニケーション支援システムにおいて、前記記憶手段は、前記各ユーザの職歴を記憶し、前記支援手段は、前記ユーザ端末で問い合わせ事項が入力されると、前記職歴に基づいて前記問い合わせ事項を問い合わせるのに適した問い合わせ先ユーザを選出し、該問い合わせ先ユーザの識別情報が示された画像を当該ユーザ端末に表示させる、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から3に記載のコミュニケーション支援システムにおいて、前記記憶手段は、前記各ユーザの職歴を記憶し、前記支援手段は、前記ユーザ端末で入力された指定ユーザが話せる状態でない場合に、前記指定ユーザの職歴と他のユーザの職歴に基づいて、前記指定ユーザに代って話をすることを推奨する代替ユーザを選出し、該代替ユーザの識別情報が示された画像を当該ユーザ端末に表示させる、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、各ユーザの座席位置を示す座席レイアウト図を記憶し、前記各ユーザが電話中であるか否かを監視し、前記監視の結果に基づいて、前記座席レイアウト図上の各座席に前記各ユーザが電話中であるか否かが示されたレイアウト画像を、前記ユーザのユーザ端末に表示する、ことを特徴とするコミュニケーション支援方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1および請求項5に記載の発明によれば、各ユーザが電話中であるか否かが示されたレイアウト画像がユーザのユーザ端末に表示されるため、所望の相手に電話をかける前に、その相手が電話中であるか否かを知ることができる。つまり、所望の相手に電話をかけても電話中で繋がらない、という無駄な時間、行為がなくなり、効率的に所望の相手と話をすることが可能となる。しかも、座席レイアウト図上の各座席に電話中であるか否かが示されるため、所望の相手が電話中の場合に、座席が近く電話中でない人に電話をして、確実に伝言などを依頼することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、レイアウト画像の各座席に各ユーザが電話中か否かだけではなく、在席中であるか否かも示されるため、所望の相手に電話をかけたり会いに行ったりする前に、その相手が在席中であるか否かを知ることができる。つまり、所望の相手に電話をかけても不在中で繋がらない、所望の相手に会いに行っても不在中で会えない、という無駄な時間、行為がなくなり、効率的に所望の相手と話をすることが可能となる。しかも、座席レイアウト図上の各座席に在席中であるか否かが示されるため、所望の相手が不在中の場合に、座席が近く在席中の人に電話をしたり会いに行ったりして、確実に伝言などを依頼することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザ端末で問い合わせ事項を入力すると、問い合わせるのに適した問い合わせ先ユーザの識別情報がユーザ端末に表示されるため、所望の相手、つまり、問い合わせ事項を聞きたい相手と効率的に話をすることが可能となる。しかも、各ユーザの職歴に基づいて問い合わせ先ユーザが選出されるため、業務に関する問い合わせ事項に適した問い合わせ先ユーザを選出することが可能となる。つまり、問い合わせ事項について、より適正な回答をもらえる相手と効率的に話をすることが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、ユーザ端末で入力された指定ユーザが話せる状態でない場合、指定ユーザに代る代替ユーザの識別情報がユーザ端末に表示されるため、所望の相手、つまり、指定ユーザに代る相手と効率的に話をすることが可能となる。しかも、指定ユーザの職歴と他のユーザの職歴に基づいて代替ユーザが選出されるため、業務に関して指定ユーザに近い代替ユーザを選出することが可能となる。この結果、指定ユーザと話せなくても代替ユーザと話すことで、指定ユーザと話したかった業務上の要件を果たすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施の形態に係るコミュニケーション支援システムを示す概略構成図である。
図2図1のコミュニケーション支援システムの支援サーバの概略構成ブロック図である。
図3図1のコミュニケーション支援システムにおいて、ユーザ端末に表示される第1の画像例を示す図である。
図4図1のコミュニケーション支援システムにおいて、ユーザ端末に表示される第2の画像例を示す図である。
図5図1のコミュニケーション支援システムにおいて、ユーザ端末に表示される第3の画像例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
図1図5は、この発明の実施の形態を示し、図1は、この実施の形態に係るコミュニケーション支援システム1を示す概略構成図である。このコミュニケーション支援システム1は、電話などによる他者とのコミュニケーションを支援するシステムであり、この実施の形態では、同じ会社内の社員(ユーザ)M同士のコミュニケーションを支援する場合について、主として説明する。ここで、各社員Mには、パーソナルコンピュータやタブレット端末などのユーザ端末51と、携帯電話機52や固定電話機などの電話機が支給されているものとする。また、社員Mには、いわゆる管理職や役員も含まれる。
【0020】
コミュニケーション支援システム1は、PBX(電話監視手段)2と、スケジュールサーバ3と、支援サーバ(支援手段)4と、を備える。
【0021】
PBX2は、電話回線を相互接続して電話網を構成するための構内交換機(Private Branch eXchange、)であり、社員Mが電話中であるか否かを検出、監視できるようになっている。すなわち、この実施の形態では、FMC(Fixed Mobile Convergence)や内線機能などを備えたクラウド型の構内交換機で、IP電話サーバにより構内交換機と内線機能を構成し、1つの携帯電話機52で内線通話と外線通話とを行えるようにするものである。そして、携帯電話機52を電話網に接続する機能を備えるため、従来の固定電話用の構内交換機と同様に、各携帯電話機52つまり各社員Mが電話中であるか否かを検出、監視でき、検出、監視した結果を逐次リアルタイムに支援サーバ4に送信するようになっている。
【0022】
このように、この実施の形態では、社員Mが携帯電話機52を使用する場合について説明するが、固定電話機を使用してもよく、また、ユーザ端末51を介して電話するようにしてもよい。さらに、ユーザ端末51と携帯電話機52を連携したものであってもよい。
【0023】
スケジュールサーバ3は、各社員Mのスケジュールを記憶、管理するサーバであり、社員Mの識別情報(社員番号、氏名等)ごとに、各年月日におけるスケジュールが記憶されている。例えば、次のようなスケジュールが記憶されている。
【0024】
「AA氏の11月10日の予定」
11:00~12:00 安全会議
15:00~16:00 外出
16:00~17:00 資料相談
【0025】
このようなスケジュールは、各社員Mのユーザ端末51から入力されたり、部課等の代表者や会議管理者などから入力されたりする。
【0026】
支援サーバ4は、ユーザ端末51に所定の画像・画面を表示させたりして社員Mを支援するためのサーバであり、図2に示すように、主として、座席データベース(記憶手段)41と、社員データベース(記憶手段)42と、監視タスク43と、第1の支援タスク44と、第2の支援タスク45と、これらを制御などする中央処理部46と、を備える。
【0027】
座席データベース41は、各社員Mの座席位置を示す座席レイアウト図Lを記憶するデータベースである。すなわち、実際にフロアに配置されている座席Sのレイアウトを示す図上に、どの座席Sに誰が(どの識別情報が)割り当てられているかを示す座席レイアウト図Lを記憶し、全社員Mの座席Sについて記憶する。この実施の形態では、後述する図3に示すように、6人の座席Sが向い合せに四角く配置されているが、実際にコ字状やL字状などに配置されている場合には、そのような座席レイアウト図Lが記憶される。これにより、そのフロアに行った際に、所望の社員Mがどこにいるかを迅速にわかるようになっている。
【0028】
社員データベース42は、各社員Mに関する情報・属性を記憶するデータベースである。すなわち、社員Mの識別情報ごとに、携帯電話機52の内線番号および外線番号(電話番号)と、職歴などを記憶する。職歴には、社員Mの年齢、役職、現在および過去の所属部署、現在および過去に担当した業務・プロジェクト、取得資格などが記憶されている。また、電話などで過去に頻繁に話をしている相手社員Mの識別情報や、当該社員Mが指定したお好みの(話やすい)話し相手の識別情報などが記憶されている。
【0029】
ここで、この実施の形態では、座席データベース41と社員データベース42を別のデータベースにしているが、一体のデータベースにしてもよく、また、それぞれを別のサーバに記憶してもよい。
【0030】
監視タスク43は、PBX2による監視結果に基づいて、座席レイアウト図L上の各座席Sにそれぞれの社員Mが電話中であるか否かが示されたレイアウト画像Gを、ユーザ端末51に表示させるタスク・プログラムである。すなわち、社員Mがユーザ端末51で支援サーバ4にアクセスして監視タスク43を起動させると、PBX2から受信、取得した監視結果に従って、各社員Mが電話中か否かを示すレイアウト画像Gを当該ユーザ端末51に送信して表示させる。ここで、この実施の形態におけるレイアウト画像Gは、図3に示すように、座席レイアウト図L上において、電話中の社員Mの座席Sにのみ「電話中」と表示し、電話中でない社員Mの座席Sには表示しない。
【0031】
また、レイアウト画像Gには、自分が在席中か離席中(不在中)かを通知するための在席ボタンG1と離席ボタンG2を備え、各社員Mが在席中であるか否かを監視する在席監視手段を構成する。すなわち、社員Mが離席に際して離席ボタンG2をクリックすると、この社員Mの識別情報を含む離席情報が支援サーバ4に送信され、社員Mが座席Sに戻った際に在席ボタンG1をクリックすると、この社員Mの識別情報を含む在席情報が支援サーバ4に送信される。
【0032】
そして、監視タスク43は、各ユーザ端末51から受信した離席情報と在席情報に基づいて(在席監視手段による監視結果に基づいて)、レイアウト画像Gの各座席Sに当該社員Mが在席中であるか否かを表示する。すなわち、この実施の形態では、図3に示すように、座席レイアウト図L上において、離席中の社員Mの座席Sにのみ「離席中」と表示し、在席中の社員Mの座席Sには表示しない。
【0033】
さらに、監視タスク43は、スケジュールサーバ3から取得した各社員Mのスケジュールに基づいて、レイアウト画像Gの各座席Sに当該社員Mの現在の予定状況を表示する。すなわち、現時刻における各社員Mのスケジュールに基づいて、現時刻において各社員Mがどのような状態(勤務状態、出勤状態等)にあるかを、座席レイアウト図L上の各座席Sに表示する。例えば、図3に示すように、AC氏が現在会議中の場合には、AC氏の座席Sに「会議中」と表示し、BA氏が本日休暇の場合には、BA氏の座席Sに「休暇」と表示し、BB氏が現在外出中の場合には、BB氏の座席Sに「外出中」と表示する。さらに、「会議中」に加えてどの会議かを表示したり、「外出中」に加えてどこに外出かを表示したりしてもよい。このような現況を逐次リアルタイムに表示するものである。
【0034】
このように、座席レイアウト図L上の各座席Sに、社員Mが電話中であること、離席中であること、予定の用件中であることが示されるため、このような表示がない社員Mが、今話ができる社員Mとなる。例えば、AB氏やBD氏などがこれに該当する。
【0035】
ここで、このようなレイアウト画像Gは、会社の規模や社員数などに応じて、すべての社員Mに関して、1つのレイアウト画像Gで表示してもよいし、フロアごとや部署ごとのレイアウト画像Gで表示してもよい。また、ユーザ端末51で指定されたフロアや部署等のみの社員Mに関するレイアウト画像Gを表示してもよい。
【0036】
第1の支援タスク44は、ユーザ端末51で入力された問い合わせ事項を問い合わせるのに適した問い合わせ先社員(問い合わせ先ユーザ)Mを選出して、その識別情報が示された画像を当該ユーザ端末51に表示させるタスク・プログラムである。すなわち、レイアウト画像G中の問い合わせ事項欄G3に問い合わせ事項が入力され、検索ボタンG4がクリックされると起動される。そして、社員データベース42に記憶された各社員Mの職歴を含む情報に基づいて、この問い合わせ事項を問い合わせるのに適した問い合わせ先社員Mを選出する。
【0037】
具体的には、問い合わせ事項に関連する部署に所属する、あるいは所属していた社員Mや、問い合わせ事項に関連する業務・プロジェクトを担当する、あるいは担当していた社員M、問い合わせ事項に関連する資格を取得している社員Mなどを選出する。この際、問い合わせた社員Mと選出される社員Mの年齢や役職を考慮して選出してもよい。例えば、問い合わせた社員Mよりも年齢や役職が大きく上の社員Mを選出しないで、問い合わせやすい社員Mを選出するようにしてもよい。さらに、電話などで過去に頻繁に話をしている相手社員Mや、話やすい社員M、問い合わせた社員Mと過去に同じ部署にいた社員Mなどを優先的に選出してもよい。
【0038】
そして、選出した問い合わせ先社員Mの識別情報が示された画像を、問い合わせた社員Mのユーザ端末51に送信して表示させる。この実施の形態では、図4に示すように、問い合わせ先社員Mの氏名(識別情報)、電話番号などが示された座席Sを、他の座席Sとは異なる色彩でマーキングして表示する。また、複数の問い合わせ先社員Mを選出してもよく、その際に優先順位を記してユーザ端末51に表示してもよい。さらに、現時刻において在席しており電話中でない社員M(今話ができる社員M)を優先的に問い合わせ先社員Mとして選出してもよい。
【0039】
第2の支援タスク45は、ユーザ端末51で入力された指定社員(指定ユーザ)Mが話せる状態でない場合に、指定社員Mに代る代替社員(代替ユーザ)Mを選出して、その識別情報が示された画像を当該ユーザ端末51に表示させるタスク・プログラムである。すなわち、この実施の形態では、レイアウト画像G中で今話しができない社員M、つまり、電話中や離席中、会議中、外出中あるいは休暇中などの指定社員Mの座席Sがクリックされると起動される。そして、指定社員Mと他の社員Mの職歴を含む情報に基づいて、指定社員Mに代って話をすることを推奨する代替社員Mを選出する。
【0040】
具体的には、指定社員Mと同じ部署に所属する、あるいは所属していた社員Mや、指定社員Mと同じ業務・プロジェクトを担当する、あるいは担当していた社員M、指定社員Mと同じ資格を取得している社員Mなどであって、今話ができる社員Mを選出する。この際、第1の支援タスク44と同様に、年齢や役職を考慮したり、第2の支援タスク45を起動した社員Mにとって過去に頻繁に話をしている相手社員Mや、話やすい社員M、過去に同じ部署にいた社員Mなどを優先的に選出したりしてもよい。
【0041】
そして、選出した代替社員Mの識別情報が示された画像を、第2の支援タスク45を起動した社員Mのユーザ端末51に送信して表示させる。この実施の形態では、図5に示すように、代替社員Mの氏名(識別情報)、電話番号などが示された座席Sを、他の座席Sとは異なる色彩でマーキングして表示する。ここで、図中矢印が付された座席Sは、指定社員Mの座席Sとする。また、複数の代替社員Mを選出してもよく、その際に優先順位を記してユーザ端末51に表示してもよい。
【0042】
このような第1の支援タスク44と第2の支援タスク45において、問い合わせ先社員Mや代替社員Mを選出する際に、機械学習を利用して選出するようにしてもよい。
【0043】
次に、このような構成のコミュニケーション支援システム1によるコミュニケーション支援方法などについて説明する。
【0044】
まず、座席データベース41に各社員Mの座席位置を示す座席レイアウト図Lを記憶するとともに、社員データベース42に各社員Mに関する情報・属性を記憶する。また、PBX2で各社員Mが電話中であるか否かを常時監視するとともに、各社員Mのユーザ端末51から離席情報や在席情報を受信することで、各社員Mが在席中であるか否かを常時監視する。
【0045】
そして、社員Mがユーザ端末51で監視タスク43を起動すると、座席レイアウト図L上の各座席Sに、それぞれの社員Mの氏名(識別情報)、電話番号、電話中であるか否か、在席中であるか否か、現在の予定状況が示されたレイアウト画像Gをこのユーザ端末51に表示する。また、上記のようにして第1の支援タスク44が起動されると、問い合わせ事項を問い合わせるのに適した問い合わせ先社員Mを選出して、その識別情報を示した画像をユーザ端末51に表示する。さらに、上記のようにして第2の支援タスク45が起動されると、話せる状態でない指定社員Mに代る代替社員Mを選出して、その識別情報を示した画像をユーザ端末51に表示する。
【0046】
以上のように、このコミュニケーション支援システム1およびコミュニケーション支援方法によれば、各社員Mが電話中であるか否かが示されたレイアウト画像Gが社員Mのユーザ端末51に表示されるため、所望の相手に電話をかける前に、その相手が電話中であるか否かを知ることができる。つまり、所望の相手に電話をかけても電話中で繋がらない、という無駄な時間、行為がなくなり、効率的に所望の相手と話をすることが可能となる。しかも、座席レイアウト図L上の各座席Sに電話中であるか否かが示されるため、所望の相手が電話中の場合に、座席Sが近く電話中でない人に電話をして、確実に伝言などを依頼することが可能となる。
【0047】
また、レイアウト画像Gの各座席Sに各社員Mが電話中か否かだけではなく、在席中であるか否かも示されるため、所望の相手に電話をかけたり会いに行ったりする前に、その相手が在席中であるか否かを知ることができる。つまり、所望の相手に電話をかけても不在中で繋がらない、所望の相手に会いに行っても不在中で会えない、という無駄な時間、行為がなくなり、効率的に所望の相手と話をすることが可能となる。しかも、座席レイアウト図L上の各座席Sに在席中であるか否かが示されるため、所望の相手が不在中の場合に、座席Sが近く在席中の人に電話をしたり会いに行ったりして、確実に伝言などを依頼することが可能となる。
【0048】
また、ユーザ端末51で問い合わせ事項を入力すると、問い合わせるのに適した問い合わせ先社員Mの識別情報がユーザ端末51に表示されるため、所望の相手、つまり、問い合わせ事項を聞きたい相手と効率的に話をすることが可能となる。しかも、各社員Mの職歴に基づいて問い合わせ先社員Mが選出されるため、業務に関する問い合わせ事項に適した問い合わせ先社員Mを選出することが可能となる。つまり、問い合わせ事項について、より適正な回答をもらえる相手と効率的に話をすることが可能となる。さらに、レイアウト画像Gにおいて問い合わせ先社員Mの座席Sがマーキングされるため、問い合わせ先社員Mへの訪問や電話中、不在中などの確認を容易かつ迅速に行うことが可能となる。
【0049】
また、ユーザ端末51で入力された指定社員Mが話せる状態でない場合、指定社員Mに代る代替社員Mの識別情報がユーザ端末51に表示されるため、所望の相手、つまり、指定社員Mに代る相手と効率的に話をすることが可能となる。しかも、指定社員Mの職歴と他の社員Mの職歴に基づいて代替社員Mが選出されるため、業務に関して指定社員Mに近い代替社員Mを選出することが可能となる。この結果、指定社員Mと話せなくても代替社員Mと話すことで、指定社員Mと話したかった業務上の要件を果たすことが可能となる。さらに、レイアウト画像Gにおいて代替社員Mの座席Sがマーキングされるため、代替社員Mへの訪問などを容易かつ迅速に行うことが可能となる。
【0050】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、在席ボタンG1と離席ボタンG2で在席監視手段を構成する場合について説明したが、その他の装置・機構などで構成してもよい。例えば、人検知センサーで在席中か否かを監視したり、ユーザ端末51であるパーソナルコンピュータがスリープ状態やロック状態になったのを検知することで、離席を検知したりしてもよい。
【0051】
また、第1の支援タスク44や第2の支援タスク45の起動方法や起動画像などは、上記の実施の形態に限らず、どのようなものであってもよい。同様に、問い合わせ先社員Mや代替社員Mの識別情報を示す画像も、上記の実施の形態に限らず、どのようなものであってもよい。
【0052】
さらに、ユーザ端末51に表示されたレイアウト画像G中の座席Sつまり社員Mを指定・クリックすることで、携帯電話機52からこの社員Mに電話をかけられるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 コミュニケーション支援システム
2 PBX(電話監視手段)
3 スケジュールサーバ
4 支援サーバ(支援手段)
41 座席データベース(記憶手段)
42 社員データベース(記憶手段)
43 監視タスク
44 第1の支援タスク
45 第2の支援タスク
51 ユーザ端末
52 携帯電話機
M 社員(ユーザ)
L 座席レイアウト図
S 座席
G レイアウト画像
G1 在席ボタン(在席監視手段)
G2 離席ボタン(在席監視手段)
図1
図2
図3
図4
図5