(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083874
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】更新システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20230609BHJP
A61B 1/24 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
A61B1/045 621
A61B1/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197832
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】518197638
【氏名又は名称】塩澤 繁
(71)【出願人】
【識別番号】520258552
【氏名又は名称】メディホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 繁
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA08
4C161WW03
4C161WW04
4C161WW10
4C161WW13
4C161WW15
(57)【要約】
【課題】画像に対して歯の状態を容易に認識しやすいように出力することが可能な出力装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】歯を被写体として含む口腔画像と歯に対応する表とを出力する出力装置1であって、口腔画像を取得する画像取得部11と、取得した口腔画像に含まれる歯の状況を示す表を作成する表作成部14と、口腔画像に予め特定された歯の領域と歯の領域に含まれる歯に対応する歯式とを重ねて出力画像を作成する画像作成部15と、取得した口腔画像と作成された表とを出力する出力部16と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯を被写体として含む口腔画像と歯に対応する表とを出力する出力装置であって、
前記口腔画像を取得する画像取得部と、
取得した前記口腔画像に含まれる口腔内の状況を示す表を作成する表作成部と、
予め特定された歯の領域と前記歯の領域に含まれる歯に対応する歯式とを前記口腔画像に重ねて出力画像を作成する画像作成部と、
作成された前記出力画像と作成された前記表とを出力する出力部と、
を備える出力装置。
【請求項2】
前記表作成部は、予め特定された疾病の存在する歯式と疾病の種類とを識別する前記表を作成し、
前記画像作成部は、予め特定された歯の疾病の領域を前記口腔画像に重ねて前記出力画像を作成する請求項1に記載の出力装置。
【請求項3】
前記画像作成部は、前記歯の疾病の領域を囲繞する多角形を前記口腔画像に重ねて前記出力画像を作成する請求項2に記載の出力装置。
【請求項4】
出力される前記表に含まれる前記歯式と前記歯の領域とを紐づける紐付部と、
前記歯式及び前記歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する選択入力取得部と、
をさらに備え、
前記出力部は、選択された一方に対して紐づけされた他方を識別可能に出力する請求項1から3のいずれかに記載の出力装置。
【請求項5】
出力される前記表に含まれる疾病と前記歯の領域とを紐づける紐付部と、
前記疾病及び前記歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する選択入力取得部と、
をさらに備え、
前記出力部は、選択された一方に対して紐づけされた他方を識別可能に出力する請求項1から4のいずれかに記載の出力装置。
【請求項6】
編集対象となる前記歯の領域及び前記歯の疾病の領域の入力を編集入力として取得する編集入力取得部と、
取得した編集入力に基づいて、前記歯の領域及び前記歯の疾病の領域を編集する編集実行部と、
をさらに備える請求項1から5のいずれかに記載の出力装置。
【請求項7】
前記編集入力取得部は、表の編集内容を編集入力として取得し、
前記編集実行部は、取得した編集入力に基づいて、前記表の内容を編集する請求項6に記載の出力装置。
【請求項8】
前記画像取得部は、複数の口腔画像を取得し、
前記編集入力取得部は、編集対象の領域として、1の口腔画像の一部の領域を指定する入力を取得し、
前記編集実行部は、指定された1つの口腔画像の領域に対して、他の口腔画像の対応する領域の範囲を特定するとともに、他の口腔画像に特定された領域に対して編集を実行する請求項6又は7に記載の出力装置。
【請求項9】
歯を被写体として含む口腔画像と歯に対応する表とを出力する出力装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記口腔画像を取得する画像取得部、
取得した前記口腔画像に含まれる口腔内の状況を示す表を作成する表作成部、
予め特定された歯の領域と前記歯の領域に含まれる歯に対応する歯式とを前記口腔画像に重ねて出力画像を作成する画像作成部、
作成された前記出力画像と作成された前記表とを出力する出力部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生物(身体)を撮像した撮像画像を用いた身体状態の状態を検査することが実施されている。例えば、CT画像、MRI画像、又はX線画像等で身体を撮像した撮像画像を用いることにより、身体状態を検査することが実施されている。このように、画像を用いて検査を実施するシステムとして、画像を用いて歯肉炎を検査するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、歯肉の領域の画像データに対して、ピクセルごとに歯肉炎計数に応じた色を付して表示することによって、歯肉炎の状態を表示することができる。このように、画像に対して歯の状態を容易に認識しやすいように出力することができれば好適である。
【0005】
本発明は、画像に対して歯の状態を容易に認識しやすいように出力することが可能な出力装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、歯を被写体として含む口腔画像と歯に対応する表とを出力する出力装置であって、前記口腔画像を取得する画像取得部と、取得した前記口腔画像に含まれる口腔内の状況を示す表を作成する表作成部と、予め特定された歯の領域と前記歯の領域に含まれる歯に対応する歯式とを前記口腔画像に重ねて出力画像を作成する画像作成部と、作成された前記出力画像と作成された前記表とを出力する出力部と、を備える出力装置に関する。
【0007】
また、前記表作成部は、予め特定された疾病の存在する歯式と疾病の種類とを識別する前記表を作成し、前記画像作成部は、予め特定された歯の疾病の領域を前記口腔画像に重ねて前記出力画像を作成するのが好ましい。
【0008】
また、前記画像作成部は、前記歯の疾病の領域を囲繞する多角形を前記口腔画像に重ねて前記出力画像を作成するのが好ましい。
【0009】
また、出力装置は、出力される前記表に含まれる前記歯式と前記歯の領域とを紐づける紐付部と、前記歯式及び前記歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する選択入力取得部と、をさらに備え、前記出力部は、選択された一方に対して紐づけされた他方を識別可能に出力するのが好ましい。
【0010】
また、出力装置は、出力される前記表に含まれる疾病と前記歯の領域とを紐づける紐付部と、前記疾病及び前記歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する選択入力取得部と、をさらに備え、前記出力部は、選択された一方に対して紐づけされた他方を識別可能に出力するのが好ましい。
【0011】
また、出力装置は、編集対象となる前記歯の領域及び前記歯の疾病の領域の入力を編集入力として取得する編集入力取得部と、取得した編集入力に基づいて、前記歯の領域及び前記歯の疾病の領域を編集する編集実行部と、を備えるのが好ましい。
【0012】
また、前記編集入力取得部は、表の編集内容を編集入力として取得し、前記編集実行部は、取得した編集入力に基づいて、前記表の内容を編集するのが好ましい。
【0013】
また、前記画像取得部は、複数の口腔画像を取得し、前記編集入力取得部は、編集対象の領域として、1の口腔画像の一部の領域を指定する入力を取得し、前記編集実行部は、指定された1つの口腔画像の領域に対して、他の口腔画像の対応する領域の範囲を特定するとともに、他の口腔画像に特定された領域に対して編集を実行するのが好ましい。
【0014】
また、本発明は、歯を被写体として含む口腔画像と歯に対応する表とを出力する出力装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記口腔画像を取得する画像取得部、取得した前記口腔画像に含まれる口腔内の状況を示す表を作成する表作成部、予め特定された歯の領域と前記歯の領域に含まれる歯に対応する歯式とを前記口腔画像に重ねて出力画像を作成する画像作成部、作成された前記出力画像と作成された前記表とを出力する出力部、として機能させるプログラムに関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像に対して歯の状態を容易に認識しやすいように出力することが可能な出力装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態に係る出力装置を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態の出力装置の出力内容を示す画面図である。
【
図3】一実施形態の出力装置の出力内容を示す画面図である。
【
図5】一実施形態の出力装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】変形例に係る出力装置の出力内容を示す画面図である。
【
図7】変形例に係る出力装置の出力内容を示す他の画面図である。
【
図8】変形例に係る出力装置の出力内容を示すさらに他の画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の一実施形態に係る出力装置1及びプログラムについて、
図1から
図5を参照して説明する。
まず、本実施形態の出力装置1の概要を説明する。
【0018】
出力装置1は、歯を被写体として含む口腔画像を出力可能な装置である。出力装置1は、例えば、口腔画像として、歯を被写体として含む可視画像又はレントゲン画像を出力可能な装置である。出力装置1は、例えば、可視画像又はレントゲン画像を画面上に表示することができる。また、出力装置1は、口腔画像に被写体として含まれる歯の歯式及び疾病の状態を表として出力する。これにより、出力装置1は、口腔画像及び表を用いて電子カルテと連動できるデータを出力することができる。
【0019】
ここで、出力装置1は、例えば、口腔画像を取得するとともに、口腔画像に含まれる歯の状態を特定することにより、歯の位置、歯式、及び疾病の状態を特定することができる。出力装置1は、特定結果を表として作成するとともに、取得した口腔画像に特定結果を重ねて出力することにより、歯の状態を容易に認識することを可能にする。また、出力装置1は、特定結果を編集及び新たに情報の追加を可能になっている。これにより、出力装置1は、特定の誤り及び特定できなかった情報を任意に追加することができる。したがって、出力装置1は、出力の柔軟性を向上することができる。
【0020】
次に、本実施形態に係る出力装置1及びプログラムについて、
図1から
図5を参照して説明する。
出力装置1は、歯を被写体として含む口腔画像と歯に対応する表とを出力する出力装置1である。出力装置1は、例えば、患者の歯を撮像した口腔画像を取得して、取得した口腔画像とともに、歯を特定した結果を示す表を出力する装置である。出力装置1は、
図1に示すように、画像取得部11と、特定内容格納部12と、特定部13と、表作成部14と、画像作成部15と、出力部16と、選択入力取得部17と、紐付部18と、編集入力取得部19と、編集実行部20と、を備える。
【0021】
画像取得部11は、例えば、CPUが動作することにより実現される。画像取得部11は、口腔画像を取得する。画像取得部11は、例えば、表示装置に接続される撮像装置(図示せず)によって撮像された口腔画像を取得する。本実施形態において、画像取得部11は、例えば、口腔を上方、下方、右方、左方、及び正面から撮像した複数の口腔画像を取得する。
【0022】
特定内容格納部12は、例えば、ハードディスク等の記憶媒体である。特定内容格納部12は、口腔画像に含まれる歯の状態を検出するためのデータ等を格納する。特定内容格納部12は、例えば、歯の形状、位置から、歯式を特定するためのデータ等を格納する。特定内容格納部12は、例えば、口腔画像に含まれる疾病の形状、位置、又は色等から、疾病を検出するためのデータ等を格納する。
【0023】
特定部13は、例えば、CPUが動作することにより実現される。特定部13は、取得された口腔画像に含まれる歯の位置(歯の角度を含む)、歯式、疾病の位置、及び疾病の種類を特定する。特定部13は、例えば、特定内容格納部12に格納されているデータを用いて、取得した口腔画像に含まれる内容を特定する。また、特定部13は、歯の補綴物、インプラント部材、及び歯の色を示すシェードを特定する。特定部13は、例えば、歯の補綴物として、充填、クラウン、ブリッジ、又は義歯であることを特定する。特定部13は、充填として、例えば、アマルガム充填(水銀入り)、レジン充填、グラスアイオノマーセメント充填、インレー、ゴールドインレー、又はセラミックであることを特定する。また、特定部13は、クラウンとして、例えば、フルメタルクラウン、前装冠、レジンジャケット、コア、メタルボンド、セラミック、又はジルコニアであることを特定する。特定部13は、ブリッジとして、例えば、ポンティック、メタルボンド、又はゴールドであることを特定する。
【0024】
特定部13は、インプラント部材として、例えば、上部構造体(人工歯)、-支台(アバットメント)、人工歯根、インプラント部(フィクスチャー)、及びスクリュー(アンカー)を特定する。
【0025】
表作成部14は、例えば、CPUが動作することにより実現される。表作成部14は、取得した口腔画像に含まれる歯の状況を示す表を作成する。表作成部14は、予め特定された疾病の存在する歯式と疾病の種類とを識別する表を作成する。表作成部14は、例えば、
図2に示すように、歯式、歯冠の状態、及び歯肉の状態を含む表を作成する。具体的には、表作成部14は、歯式の番号、歯冠の疾病の有無、及び歯冠の疾病の有無を含む表を作成する。また、表作成部14は、歯を正面から見た際の並びに合わせて歯式を示した表を作成する。本実施形態において、表作成部14は、上側の歯の表と、下側の歯の表とを歯の並びに合わせて分けて作成する。
【0026】
画像作成部15は、例えば、CPUが動作することにより実現される。画像作成部15は、口腔画像に予め特定された歯の領域と歯の領域に含まれる歯に対応する歯式とを重ねて出力画像を作成する。また、画像作成部15は、予め特定された歯の疾病の領域を口腔画像に重ねて出力画像を作成する。画像作成部15は、例えば、口腔画像に対して、口腔画像に含まれる特定された歯の位置に、歯を囲繞する枠を重ねた出力画像を作成する。また、画像作成部15は、例えば、口腔画像に対して、口腔画像に含まれる特定された歯の位置に近接する位置であって、歯に重ならない位置に歯式を重ねた出力画像を作成する。また、画像作成部15は、口腔画像に対して、特定された疾病の位置を囲繞する枠を重ねた出力画像を作成する。画像作成部15は、例えば、歯の疾病の領域を囲繞する多角形を口腔画像に重ねて出力画像を作成する。さらには、画像作成部15は、例えば、疾病の領域に透過色を重ねた出力画像を作成する。
【0027】
出力部16は、例えば、CPUが動作することにより実現される。出力部16は、取得した口腔画像と作成された表とを出力する。出力部16は、例えば、
図2に示すように、5枚の口腔画像を出力する。具体的には、出力部16は、歯を正面から撮像した口腔画像を中心に、上側の歯を撮像した口腔画像、下側の歯を撮像した口腔画像、左側の歯を撮像した口腔画像、及び右側の歯を配置した口腔画像を配置する。具体的には、出力部16は、正面から撮像した口腔画像に対して、
図2に示される画面図において、
図2の紙面上方に対応する位置に上側の歯を撮像した口腔画像を配置する。出力部16は、正面から撮像した口腔画像に対して、
図2に示される画面図において、
図2の紙面下方に対応する位置に下側の歯を撮像した口腔画像を配置する。出力部16は、正面から撮像した口腔画像に対して、
図2に示される画面図において、
図2の紙面左方に対応する位置に左側の歯を撮像した口腔画像を配置する。出力部16は、正面から撮像した口腔画像に対して、
図2に示される画面図において、
図2の紙面右方に対応する位置に右側の歯を撮像した口腔画像を配置する。
【0028】
また、出力部16は、
図2に示すように、口腔画像に対して、
図2の紙面上方に歯式、歯冠の状態、及び歯肉の状態を含む表を出力する。また、出力部16は、上側の歯の表と、下側の歯の表とをそれぞれ出力する。
【0029】
選択入力取得部17は、例えば、CPUが動作することにより実現される。選択入力取得部17は、歯式及び歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する。選択入力取得部17は、例えば、マウス、タッチパネル等の入力装置を用いて選択された歯式及び歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する。また、疾病及び歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する。選択入力取得部17は、例えば、疾病の内容及び疾病の領域のいずれか一方の選択入力を取得する。選択入力取得部17は、例えば、マウス等の入力装置を用いて選択された疾病の内容及び疾病の領域のいずれか一方の選択入力を取得する。
【0030】
紐付部18は、例えば、CPUが動作することにより実現される。紐付部18は、出力される表に含まれる歯式と歯の領域とを紐づける。また、紐付部18は、出力される表に含まれる疾病と歯の領域とを紐づける。紐付部18は、例えば、表に含まれる歯式と、口腔画像に含まれる歯の位置及び領域とを紐付けて対応させる。また、紐付部18は、例えば、表に含まれる歯冠の状態及び歯肉の状態と、口腔画像に含まれる疾患の位置及び領域とを紐づけて対応させる。
【0031】
以上の選択入力取得部17、紐付部18、及び出力部16によれば、出力部16は、選択された一方に対して紐付された他方を識別可能に出力する。出力部16は、例えば、選択された一方に対して、他方の領域、歯番、歯冠の状態、又は歯肉の状態を対応することを明示して出力する。出力部16は、例えば、点滅、反転、及び強調の少なくとも1つを用いて出力する。また、出力部16は、
図3に示すように、選択されている領域(例えば、マウスカーソル等を合わせて選択入力がなされた領域)を拡大して出力してもよい。また、出力部16は、歯冠の状態及び歯肉の状態について(疾病について)、内容の詳細を拡大して出力してもよい。そして、出力部16は、選択されている領域に関連する表の位置を強調表示してもよい。これにより、出力部16は、選択されている領域と、関連する表の位置との関連性を容易に認識可能となるように出力画像及び表を出力する。
【0032】
編集入力取得部19は、例えば、CPUが動作することにより実現される。編集入力取得部19は、編集対象となる歯の領域及び歯の疾病の領域の入力を編集入力として取得する。編集入力取得部19は、例えば、
図4に示すように、編集対象となる口腔画像の歯の領域又は歯の疾病の領域を編集入力として取得する。編集入力取得部19は、例えば、マウス等の入力装置を用いて編集対象となる歯の領域又は歯の疾病の領域を編集入力として取得する。また、編集入力取得部19は、例えば、歯の領域又は疾病の領域の拡大又は縮小、疾病の状態の変更等を編集入力として取得する。また、編集入力取得部19は、歯番の変更、特定されていない疾病の領域及び内容の追加を編集入力として取得する。
【0033】
また、編集入力取得部19は、表の編集内容を編集入力として取得する。編集入力取得部19は、例えば、編集対象となる表の位置の選択と、修正又は追加される内容の入力とを編集入力として取得する。また、編集入力取得部19は、例えば、多角形で表現される枠の頂点の位置を変更する入力について、領域を変更する編集入力として取得する。さらには、編集入力取得部19は、新たに追加される領域について、複数の頂点の入力を取得することにより、複数の頂点を結んだ多角形で囲繞される領域を指定する編集入力として取得する。
【0034】
編集実行部20は、例えば、CPUが動作することにより実現される。編集実行部20は、取得した編集入力に基づいて、歯の領域及び歯の疾病の領域を編集する。また、編集実行部20は、取得した編集入力に基づいて、表の内容を編集する。編集実行部20は、例えば、口腔画像に重ねて表示される疾病の領域について、編集入力に基づいて領域を囲繞する線の位置を変更することにより編集を実行する、また、編集実行部20は、編集入力に基づいて、疾病の内容又は歯番を変更することにより編集を実行する。編集実行部20は、例えば、紐付部18によって紐付された歯の領域又は疾病の領域と、表の歯番、歯冠の状態、又は歯肉の状態とを合わせて編集を実行する。編集実行部20は、例えば、任意の歯番の疾病の領域の変更と状態の変更とが実施された場合に、口腔画像に重ねる特定結果と、表に含める疾病の状態との両者の編集を実行する。編集実行部20は、例えば、歯式番号、歯冠上の病変、歯冠上の状態、歯肉の病変、歯肉の状態、及びシェードレベルの編集を実行する。編集実行部20は、例えば、歯の領域及び歯の疾病の領域を指定する多角形の頂点の入力又は領域の境界をなぞる入力に基づいて、歯の領域及び歯の疾病の領域を編集する。
【0035】
次に、出力装置1の動作について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、画像取得部11は、口腔画像を取得する(ステップS1)。次いで、特定部13は、口腔画像に含まれる歯の位置及び疾病の状態を特定する(ステップS2)。
【0036】
次いで、表作成部14は、特定結果に基づいて、口腔画像に含まれる歯の状態を示す表を作成する(ステップS3)。次いで、画像作成部15は、特定結果に基づいて、口腔画像に含まれる歯の領域及び疾病の領域を示す枠と、歯番とを口腔画像に重ねた出力画像を作成する(ステップS4)。次いで、出力部16は、作成された表と、出力画像とを出力する(ステップS5)。
【0037】
次いで、選択入力が有るか否かが判断される(ステップS6)。選択入力が有る場合(ステップS6:YES)、処理は、ステップS7に進む。一方、選択入力が無い場合(ステップS6:NO)、処理は、ステップS8に進む。
【0038】
ステップS7において、出力部16は、選択された内容に対応する内容を識別可能に出力する。次いで、処理は、ステップS8に進む。
【0039】
ステップS8において、編集入力が有るか否かが判断される。編集入力が有る場合(ステップS8:YES)、処理は、ステップS9に進む。一方、編集入力が無い場合(ステップS8:NO)、処理は、ステップS10に進む。
【0040】
ステップS9において、編集実行部20は、編集入力に基づいて編集を実行する。次いで、処理は、ステップS10に進む。
【0041】
ステップS10において、出力を終了するか否かが判断される。終了する場合(ステップS10:YES)、本フローによる処理は、終了する。一方、終了しない場合(ステップS10:NO)、処理は、ステップS6に戻る。
【0042】
次に、プログラムについて説明する。
出力装置1に含まれる各構成は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせによりそれぞれ実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0043】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、表示プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0044】
以上の本実施形態に係る出力装置1によれば、以下の効果を奏する。
(1)歯を被写体として含む口腔画像と歯に対応する表とを出力する出力装置1であって、口腔画像を取得する画像取得部11と、取得した口腔画像に含まれる歯の状況を示す表を作成する表作成部14と、口腔画像に予め特定された歯の領域と歯の領域に含まれる歯に対応する歯式とを重ねて出力画像を作成する画像作成部15と、取得した口腔画像と作成された表とを出力する出力部16と、を備える。
これにより、口腔画像に対して歯の状態を容易に認識しやすいように出力することができる。
【0045】
(2)表作成部14は、予め特定された疾病の存在する歯式と疾病の種類とを識別する表を作成し、画像作成部15は、予め特定された歯の疾病の領域を口腔画像に重ねて出力画像を作成する。これにより、全体の歯の状態をまとめて表として出力するとともに、口腔画像において歯の状態を容易に認識できるように出力することができる。
【0046】
(3)画像作成部15は、歯の疾病の領域を囲繞する多角形を口腔画像に重ねて出力画像を作成する。これにより、疾病の形状に合わせて柔軟に領域を表現することができる。
【0047】
(4)出力装置1は、出力される表に含まれる歯式と歯の領域とを紐づける紐付部18と、歯式及び歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する選択入力取得部17と、をさらに備え、出力部16は、選択された一方に対して紐づけされた他方を識別可能に出力してもよい。これにより、口腔画像と表との対応関係を容易に識別可能に出力することができる。
【0048】
(5)出力装置1は、出力される表に含まれる疾病と歯の領域とを紐づける紐付部18と、疾病及び歯の領域のいずれか一方の選択入力を取得する選択入力取得部17と、をさらに備え、出力部16は、選択された一方に対して紐づけされた他方を識別可能に出力する。これにより、口腔画像と表との対応関係を容易に識別可能に出力することができる。
【0049】
(6)出力装置1は、編集対象となる歯の領域及び歯の疾病の領域の入力を編集入力として取得する編集入力取得部19と、取得した編集入力に基づいて、歯の領域及び歯の疾病の領域を編集する編集実行部20と、を備える。これにより、歯の領域、疾病の領域、及び疾病の内容について容易に編集することができる。したがって、出力装置1の柔軟性を向上することができる。
【0050】
(7)編集入力取得部19は、表の編集内容を編集入力として取得し、編集実行部20は、取得した編集入力に基づいて、表の内容を編集する。これにより、出力装置1の柔軟性を向上することができる。
【0051】
以上、本開示の出力装置の好ましい一実施形態につき説明したが、本開示は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態において、出力部16は、表及び口腔画像を画面上に表示するだけでなく、紙等に印刷する態様であってもよい。
【0053】
また、上記実施形態において、出力部16は、5つの口腔画像に限定されず、9枚、12枚等の複数の口腔画像を出力するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、出力部16は、編集入力を取得した口腔画像の領域に対して、対応する歯番、歯冠、及び歯肉を示す表の位置を認識可能に表示してもよい。例えば、出力部16は、編集入力に対応する表について、枠線等を用いて強調表示してもよい。
【0055】
また、上記実施形態において、出力部16は、口腔画像を挟んで上側の歯の表を上側の歯の位置の側に表示するとともに、下側の歯の表を下側の歯の位置の側に表示するとしたが、これに制限されない。出力部16は、上下の歯の表を並べて表示するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態において、特定部13は、複数の口腔画像の表示位置を特定してもよい。特定部13は、例えば、口腔画像の撮像方向を認識して、口腔画像の出力位置を特定してもよい。編集入力取得部19は、口腔画像の出力位置について、変更する入力を取得してもよい。
【0057】
また、上記実施形態において、編集入力取得部19は、新たに追加される領域について、複数の頂点の入力を取得することにより、複数の頂点を結んだ多角形で囲繞される領域を指定する編集入力として取得した。また、編集実行部20は、任意の歯番の疾病の領域の変更と状態の変更とが実施された場合に、口腔画像に重ねる特定結果と、表に含める疾病の状態との両者の編集を実行した。これに加え、編集入力取得部19は、編集対象の領域として、1の口腔画像の一部の領域を指定する入力を取得して良い。編集実行部20は、
図6に示すように、指定された1つの口腔画像の領域に対して、他の口腔画像の対応する領域の範囲を特定するとともに、他の口腔画像に特定された領域に対して編集を実行してもよい。編集実行部20は、例えば、特定された歯の位置に対して入力された相対位置を特定することにより、他の画像において、特定された歯の位置に対して編集を実行する領域の相対位置を特定してもよい。また、編集実行部20は、2本の歯に跨る歯肉患部について、表における2本の歯肉の状態の両方に同じ内容を反映するようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態において、表作成部14は、歯式、歯冠、及びシェード以外の口腔内の状況をさらに示してもよい。画像作成部15は、歯式、歯冠、及びシェード以外の口腔内の状況に該当する箇所を示す領域を口腔画像に重ねて出力画像を作成してもよい。表作成部14は、例えば、
図6に示すように、その他の欄に歯式、歯冠、及びシェード以外の口腔内の状況(例えば、舌下癌)をさらに示してもよい。画像作成部15は、例えば、舌下癌の箇所を示す領域を口腔画像に重ねて出力画像を作成してもよい。
【0059】
また、上記実施形態において、出力装置1は、歯の矯正に資するデータを出力してもよい。具体的には、特定部13は、
図7及び
図8に示すように、口腔画像に含まれる歯の咬合の状態について特定してもよい。特定部13は、例えば、咬合の状態として、理想的な咬合に対するずれの大きさを特定してもよい。特定部13は、例えば、理想的な歯の位置に対して、特定された歯を囲んだ矩形の上下のずれ、歯の中心点の位置のずれ、及び歯の外周線の位置のずれ等を複数の画像から抽出することにより、咬合の状態のずれを特定してもよい。画像作成部15は、理想的な咬合の位置に対して、歯の位置のずれを示してもよい。また、表作成部14は、咬合のずれの大きさを数値で示した表を作成してもよい。また、表作成部14は、咬合のずれの大きさが所定以上大きい場合に、該当する咬合のずれを示す箇所を強調表示するようにしてもよい。また。画像作成部15は、
図8に示すように、歯の位置に関する基準線を表示するようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態において、編集入力取得部19は、新たに追加される領域について、複数の頂点の入力を取得することにより、複数の頂点を結んだ多角形で囲繞される領域を指定する編集入力として取得するとしたが、これに制限されない。編集入力取得部19は、2点の入力を編集入力として取得してもよい。編集実行部20は、2点を結ぶ線を対角線とする矩形の領域を指定された領域としてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 出力装置
11 画像取得部
12 特定内容格納部
13 特定部
14 表作成部
15 画像作成部
16 出力部
17 選択入力取得部
18 紐付部
19 編集入力取得部
20 編集実行部