(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083917
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】再封ラベル
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20230609BHJP
B65D 83/08 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
B65D77/20 J
B65D83/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197917
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野原 梨沙
(72)【発明者】
【氏名】青木 聡司
【テーマコード(参考)】
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E014LB01
3E014LB08
3E067AA12
3E067AB01
3E067BA12A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067CA10
3E067EA13
3E067EA32
3E067EB07
3E067EB11
3E067EB17
3E067EB29
3E067EE38
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
3E067GA21
3E067GD06
(57)【要約】
【課題】台紙からの剥離を抑制することが可能な再封ラベルを提供すること。
【解決手段】再封ラベル3は、包装袋2のうち開口2aの周囲の部位を補強するための下基材10と、下基材10の裏面に設けられており、下基材10を包装袋2に貼着することが可能な下側接着層と、下基材10上に配置された上基材30と、上基材30の裏面に設けられており、上基材30の下基材10への貼着及び上基材30の下基材10からの剥離を繰り返すことが可能な接着力を有する上側接着層40と、を備える。上側接着層40は、平面視において下基材10から張り出す形状を有するとともに包装袋2に貼着することが可能な張出し貼着部42を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋に貼着される再封ラベルであって、
前記包装袋のうち当該包装袋の開口の周囲の部位を補強するための下基材と、
前記下基材の裏面に設けられており、前記下基材を前記包装袋に貼着することが可能な下側接着層と、
前記下基材上に配置された上基材と、
前記上基材の裏面に設けられており、前記上基材の前記下基材への貼着及び前記上基材の前記下基材からの剥離を繰り返すことが可能な接着力を有する上側接着層と、を備え、
前記上側接着層は、平面視において前記下基材から張り出す形状を有するとともに前記包装袋に貼着することが可能な張出し貼着部を有する、再封ラベル。
【請求項2】
前記下基材の厚みは、前記上基材の厚みより大きい、請求項1に記載の再封ラベル。
【請求項3】
前記張出し貼着部の面積は、前記下側接着層の面積の10%以上である、請求項1又は2に記載の再封ラベル。
【請求項4】
前記上基材は、
第1方向における一方側の端部に形成された摘まみ部と、
前記第1方向における他方側の端部に形成された基端部と、を有し、
前記下基材は、前記第1方向において前記摘まみ部が形成されている側の端部で、かつ、当該下基材の厚み方向及び前記第1方向の双方に直交する第2方向における外側の端部に形成された湾曲部を有し、
前記張出し貼着部は、前記第1方向における前記湾曲部の外側に形成された外側貼着部を含む、請求項1から3のいずれかに記載の再封ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、再封ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装袋の開口を再封可能な再封ラベルが知られている。例えば、特開2013-249127号公報には、被覆シートと、リシールラベルと、を備える再封ラベルが開示されている。被覆シートは、収容体の取出口を覆うように収容体に固着されている。リシールラベルは、被覆シートの取出口を覆うように被覆シートに貼付されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2013-249127号公報に記載されるような再封ラベルは、台紙(剥離紙)に貼着された状態で搬送ローラで搬送され、その後、台紙から剥離されて貼着対象である包装袋に貼着されることがある。この場合、再封ラベルが台紙に貼着された状態で搬送される際に台紙が曲げられることがあり、そのときに再封ラベルが台紙から剥離する懸念がある。
【0005】
本発明の目的は、台紙からの剥離を抑制することが可能な再封ラベルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一局面に従った再封ラベルは、包装袋に貼着される再封ラベルであって、前記包装袋のうち当該包装袋の開口の周囲の部位を補強するための下基材と、前記下基材の裏面に設けられており、前記下基材を前記包装袋に貼着することが可能な下側接着層と、前記下基材上に配置された上基材と、前記上基材の裏面に設けられており、前記上基材の前記下基材への貼着及び前記上基材の前記下基材からの剥離を繰り返すことが可能な接着力を有する上側接着層と、を備え、前記上側接着層は、平面視において前記下基材から張り出す形状を有するとともに前記包装袋に貼着することが可能な張出し貼着部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、台紙からの剥離を抑制することが可能な再封ラベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態における再封ラベルを含む包装容器を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1に示される包装容器において再封ラベルが開封された状態を概略的に示す斜視図である。
【
図6】
図3におけるVI-VI線での断面図である。
【
図7】台紙に複数の再封ラベルが貼着された状態を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態における再封ラベルを含む包装容器を概略的に示す斜視図である。
図2は、
図1に示される包装容器において再封ラベルが開封された状態を概略的に示す斜視図である。
【0011】
図1及び
図2に示されるように、包装容器1は、包装袋2と、再封ラベル3と、を備えている。
【0012】
包装袋2は、例えば、食品やウェットティッシュ等の湿潤シートの包装に好適に用いられる。包装袋2は、例えば、気密性、不透液性及び可撓性を有する材料(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等)からなる。
【0013】
再封ラベル3は、包装袋2に貼着されている。再封ラベル3は、包装袋2の開口2a(
図2を参照)の再封が可能である。
【0014】
図3は、再封ラベルの平面図である。
図4は、再封ラベルの底面図である。
図5は、
図3におけるV-V線での断面図である。
図6は、
図3におけるVI-VI線での断面図である。
図3から
図6に示されるように、再封ラベル3は、下基材10と、下側接着層20と、上基材30と、上側接着層40と、を有している。
【0015】
下基材10は、包装袋2のうち開口2aの周囲の部位を補強するための部材である。下基材10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる。下基材10の厚みは、例えば、50μm以上100μm以下である。
【0016】
下側接着層20は、下基材10の裏面に設けられている。より詳細には、下側接着層20は、下基材10の裏面の全域に設けられている。下側接着層20は、下基材10を包装袋2に貼着することが可能である。下側接着層20の厚みは、例えば、15μm~20μm程度である。
【0017】
図3、
図4及び
図6に示されるように、下基材10及び下側接着層20には、スリットSが形成されている。このスリットSの外形は、包装袋2の開口2aと同じかそれよりも一回り大きく形成される。なお、再封ラベル3が包装袋2に貼着される前に包装袋2の開口2aを塞ぐ部位が事前に除去されている場合、下基材10及び下側接着層20のうちスリットSで囲まれる部位は、除去されていてもよい。あるいは、下側接着層20のうちスリットSで囲まれる部位は、除去されていてもよい。また、下側接着層20のうちスリットSで囲まれる部位が除去されない場合、当該部位の裏面には、その接着力をなくす又は低下させるマスキングが施されていてもよい。さらに、
図4においてドット模様で示される範囲にも、マスキングが施されてもよい。このようにすれば、再封ラベル3の開封時に、包装袋2のうち開口2aを塞ぐ部位が下側接着層20により剥離されやすくなる。
【0018】
上基材30は、下基材10上に配置されている。上基材30は、下基材10の外形よりも大きな外形を有している。上基材30は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる。上基材30の厚みは、例えば、50μmである。上基材30の厚みは、下基材10の厚み以下である。換言すれば、下基材10の厚みは、上基材30の厚み以上である。包装袋2のうち開口2aの周囲の部位を補強する観点から、下基材10の厚みは、上基材30の厚みよりも大きいことが好ましい。上基材30の表面は、ラミネート加工されてもよい。このラミネートの厚みは、例えば、20μm程度である。
【0019】
図1及び
図3に示されるように、上基材30は、摘まみ部32と、基端部34と、を有している。
【0020】
摘まみ部32は、上基材30のうち第1方向(
図3における上下方向)における一方側(
図3における下側)の端部に形成されている。摘まみ部32は、上基材30の厚み方向及び第1方向の双方と直交する第2方向(
図3における左右方向)における中央部に形成されている。
【0021】
基端部34は、上基材30のうち第1方向における他方側(
図3における上側)の端部に形成されている。基端部34は、第2方向に延びる形状を有している。本実施形態では、第1方向における基端部34の寸法は、第2方向の全域にわたって一定に形成されている。
【0022】
図3及び
図4に示されるように、下基材10は、一対の湾曲部12を有している。各湾曲部12は、第1方向における摘まみ部32が形成されている側(
図3における下側)の端部で、かつ、第2方向における外側の端部に形成されている。各湾曲部12は、下基材10の厚み方向と直交する面内において、第1方向及び第2方向の双方と交差する方向における外向きに凸となるように湾曲する形状を有している。
【0023】
上側接着層40は、上基材30の裏面に設けられている。より詳細には、上側接着層40は、上基材30の裏面の全域に設けられている。ただし、上側接着層40のうち摘まみ部32の裏側の部位には、その接着力をなくす又は低下させるマスキングが施されている。あるいは、上側接着層40のうち摘まみ部32の裏側の部位は、省略されてもよい。上側接着層40は、上基材30の下基材10への貼着及び上基材30の下基材10からの剥離を繰り返すことが可能な接着力を有している。上側接着層40の厚みは、例えば、15μm~20μm程度である。
【0024】
図3及び
図4に示されるように、上側接着層40は、張出し貼着部42を有している。張出し貼着部42は、平面視において下基材10から張り出す形状を有している。張出し貼着部42は、包装袋2に貼着することが可能である。張出し貼着部42は、平面視において、下基材10の外縁の少なくとも一部から張り出している。張出し貼着部42の面積は、下側接着層20の面積の10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましい。
【0025】
図3及び
図4に示されるように、張出し貼着部42は、基端部側貼着部42aと、一対の側部貼着部42bと、一対の外側貼着部42cと、を有している。なお、
図3及び
図4では、外側貼着部42cに斜線が施されている。
【0026】
基端部側貼着部42aは、上基材30の基端部34の裏面に形成されている。基端部側貼着部42aは、第2方向に延びる形状を有している。第1方向における基端部側貼着部42aの寸法La(
図4を参照)は、第2方向における全域にわたって一定に形成されている。本実施形態では、前記寸法Laは、5mmである。
【0027】
各側部貼着部42bは、下基材10から第2方向おける外向きに張り出す形状を有している。第2方向における各側部貼着部42bの寸法Lb(
図4を参照)は、第1方向の全域にわたって一定に形成されている。本実施形態では、前記寸法Lbは、2.5mmである。
【0028】
各外側貼着部42cは、第1方向における湾曲部12の外側に形成されている。
【0029】
以上に説明した再封ラベル3は、長尺の台紙5の長手方向に沿って並ぶように台紙5に貼着された状態で、搬送ローラ(図示略)によって搬送される。
図7は、長尺の台紙5及びそこに貼着された複数の再封ラベル3がロール状に形成されたものを示している。
図7に示されるように、本実施形態では、複数の再封ラベル3は、摘まみ部32と基端部34とを結ぶ方向に沿って間隔を置いて並ぶように配置されている。
【0030】
本実施形態では、台紙5及び再封ラベル3が搬送ローラによって搬送される際、再封ラベル3のうち特に摘まみ部32や基端部34には、台紙5からの剥離する方向の力が作用する。ただし、本実施形態の再封ラベル3では、下側接着層20に加えて上側接着層40の張出し貼着部42が台紙5に貼着しているため、台紙5及び再封ラベル3が搬送ローラで搬送される際における再封ラベル3の台紙5からの剥離が抑制される。
【0031】
また、再封ラベル3が包装袋2に貼着された場合も、下側接着層20に加えて張出し貼着部42が包装袋2に貼着されるため、包装容器1の搬送時等における再封ラベル3の包装袋2からの剥離が抑制される。
【0032】
なお、上記実施形態では、張出し貼着部42が、基端部側貼着部42a、一対の側部貼着部42b及び一対の外側貼着部42cを有する例が示されたが、張出し貼着部42の形状は、これに限られない。例えば、上記実施形態では、複数の再封ラベル3が摘まみ部32と基端部34とを結ぶ方向に沿って並ぶように台紙5に貼着されているため、張出し貼着部42は、特に基端部側貼着部42a及び外側貼着部42cを有していることが好ましく、一対の側部貼着部42bは、省略されてもよい。ただし、複数の再封ラベル3が摘まみ部32と基端部34とを結ぶ方向と直交する方向に沿って並ぶように台紙5に貼着されている場合、張出し貼着部42は、特に一対の側部貼着部42bを有していることが好ましく、この場合、基端部側貼着部42a及び外側貼着部42cは、省略されてもよい。
【0033】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0034】
この開示の一局面に従った再封ラベルは、包装袋に貼着される再封ラベルであって、前記包装袋のうち当該包装袋の開口の周囲の部位を補強するための下基材と、前記下基材の裏面に設けられており、前記下基材を前記包装袋に貼着することが可能な下側接着層と、前記下基材上に配置された上基材と、前記上基材の裏面に設けられており、前記上基材の前記下基材への貼着及び前記上基材の前記下基材からの剥離を繰り返すことが可能な接着力を有する上側接着層と、を備え、前記上側接着層は、平面視において前記下基材から張り出す形状を有するとともに前記包装袋に貼着することが可能な張出し貼着部を有する。
【0035】
この再封ラベルでは、当該再封ラベルが台紙に貼着された状態で搬送ローラで搬送される際、下側接着層に加えて上側接着層の張り出し貼着部が台紙に貼着しているため、再封ラベルの台紙からの剥離が抑制される。
【0036】
また、再封ラベルが包装袋に貼着された場合、下側接着層に加えて張り出し貼着部が包装袋に貼着されるため、包装袋の搬送時等における再封ラベルの包装袋からの剥離が抑制される。
【0037】
また、前記下基材の厚みは、前記上基材の厚みより大きいことが好ましい。
【0038】
このようにすれば、下基材の曲げ剛性が高まることによって包装袋のうち開口の近傍の部位が有効に補強されるため、当該部位へのしわの形成が抑制される。よって、この再封ラベルが包装袋に貼着された際における包装袋の開口の再封操作性と密閉性が向上する。
【0039】
また、前記張出し貼着部の面積は、前記下側接着層の面積の10%以上であることが好ましい。
【0040】
下基材の厚み(曲げ剛性)が上基材のそれよりも高いため、再封ラベルが搬送ローラで搬送される際、下側接着剤層には台紙から離れる方向の力が作用するが、張出し貼着部の面積が下側接着層の面積の10%以上であることで、張出し貼着部が台紙に貼着された状態が有効に保持されるため、再封ラベルの台紙からの剥離が抑制される。
【0041】
また、再封ラベルの包装袋への貼り付け時には、下側接着層の面積の10%以上の面積を有する張出し貼着部が先に包装袋に接することにより、下側接着層が先に包装袋に接する場合に比べ、下基材の剛性による影響を受け難く、再封ラベルが包装袋の外形に追従しやすくなり、貼り付けが容易となる。
【0042】
また、前記上基材は、第1方向における一方側の端部に形成された摘まみ部と、前記第1方向における他方側の端部に形成された基端部と、を有していてもよく、前記下基材は、前記第1方向において前記摘まみ部が形成されている側の端部で、かつ、当該下基材の厚み方向及び前記第1方向の双方に直交する第2方向における外側の端部に形成された湾曲部を有していてもよい。この場合において、前記張出し貼着部は、前記第1方向における前記湾曲部の外側に形成された外側貼着部を含むことが好ましい。
【0043】
この態様では、例えば再封ラベルが台紙に貼着された状態で搬送される場合において、再封ラベルのうち第1方向における摘まみ部と基端部との間の部位が湾曲するように再封ラベルが曲げられたとしても、外側貼着部が台紙に貼着しているため、再封ラベルの台紙からの剥離が抑制される。
【0044】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 包装容器、2 包装袋、2a 開口、3 再封ラベル、5 台紙、10 下基材、20 下側接着層、30 上基材、32 摘まみ部、34 基端部、40 上側接着層、42 張出し貼着部、42a 基端部側貼着部、42b 側部貼着部、42c 外側貼着部、S スリット。