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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083918
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】接続構造及び変成器
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/62 20060101AFI20230609BHJP
   H01R 4/18 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
H01R4/62 A
H01R4/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197919
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】篠永 雄治
(72)【発明者】
【氏名】濱内 仁之
【テーマコード(参考)】
5E085
【Fターム(参考)】
5E085BB02
5E085BB27
5E085CC03
5E085CC09
5E085DD16
5E085EE06
5E085EE11
5E085JJ50
(57)【要約】
【課題】異種金属製の導線同士を特段の問題なく互いに接続することができる接続構造及び変成器を提供する。
【解決手段】本開示に係る接続構造は、第1金属製の出力線21(第1導線)と、前記第1金属とは異なる第2金属製の出力線22(第2導線)とが互いに接続される接続構造において、前記第1金属製の筒状の圧着接続部材23と、前記第1金属製の筒状のセレーション部材24とを備え、前記出力線21は前記圧着接続部材23の一端側から直接的に前記圧着接続部材23に挿入されて前記圧着接続部材23に圧着され、前記出力線22は前記圧着接続部材23の他端側から前記セレーション部材24に覆われた状態で前記圧着接続部材23に挿入されて前記圧着接続部材23に圧着されることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属製の第1導線と、前記第1金属とは異なる第2金属製の第2導線とが互いに接続される接続構造において、
前記第1金属製の筒状の圧着接続部材と、前記第1金属製の筒状のセレーション部材とを備え、
前記第1導線は前記圧着接続部材の一端側から直接的に前記圧着接続部材に挿入されて前記圧着接続部材に圧着され、
前記第2導線は前記圧着接続部材の他端側から前記セレーション部材に覆われた状態で前記圧着接続部材に挿入されて前記圧着接続部材に圧着されることを特徴とする接続構造。
【請求項2】
前記第1金属は銅又は銅合金であり、前記第2金属はアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記セレーション部材の一部は前記圧着接続部材の内側に位置し、
前記セレーション部材の残部は前記圧着接続部材の外側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記セレーション部材は、複数の貫通孔が設けられており、筒状に湾曲している金属片であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の接続構造。
【請求項5】
第1金属製の第1導線と、
前記第1金属とは異なる第2金属製のコイルと、
該コイルから延びる前記第2金属製の第2導線と、
前記第1金属製の筒状の圧着接続部材と、
前記第1金属製の筒状のセレーション部材と
を備え、
前記第1導線は前記圧着接続部材の一端側から直接的に前記圧着接続部材に挿入されて前記圧着接続部材に圧着され、
前記第2導線は前記圧着接続部材の他端側から前記セレーション部材に覆われた状態で前記圧着接続部材に挿入されて前記圧着接続部材に圧着されることを特徴とする変成器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接続構造及び変成器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アルミニウム電線の端部に接続される銅製の圧着接続部材が記載されている。圧着接続部材は、貫通孔が設けられた舌部と、一面に多数の突起が設けられた板状のセレーション部とを一体に備える。セレーション部は、突起がアルミニウム電線の周面に向くようにして筒状に折り曲げられ、アルミニウム電線に圧着される。圧着によりセレーション部の突起がアルミニウム電線に食い込むので、アルミニウム電線と圧着接続部材とが互いに密着し、確実に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6440277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の圧着接続部材は、アルミニウム電線を銅製の接続端子に接続する場合に用いられる。例えば圧着接続部材の舌部の貫通孔を貫通するボルトが、接続端子に設けられたナットに螺合することによって、アルミニウム電線が接続端子に接続される。
換言すれば、特許文献1に記載の圧着接続部材はアルミニウム電線と銅線との接続には不向きである。故に、アルミニウム電線と銅線との接続、更には異種金属製の導線同士の接続に適した接続構造が求められている。
【0005】
本開示の目的は、異種金属製の導線同士を特段の問題なく互いに接続することができる接続構造及び変成器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る接続構造は、第1金属製の第1導線と、前記第1金属とは異なる第2金属製の第2導線とが互いに接続される接続構造において、前記第1金属製の筒状の圧着接続部材と、前記第1金属製の筒状のセレーション部材とを備え、前記第1導線は前記圧着接続部材の一端側から直接的に前記圧着接続部材に挿入されて前記圧着接続部材に圧着され、前記第2導線は前記圧着接続部材の他端側から前記セレーション部材に覆われた状態で前記圧着接続部材に挿入されて前記圧着接続部材に圧着されることを特徴とする。
【0007】
本開示にあっては、第1金属製の第1導線と第2金属製の第2導線とが第1金属製の圧着接続部材を介して互いに接続される。
圧着接続部材は筒状をなす。圧着接続部材には一端側から第1導線が挿入され、他端側から第2導線が挿入される。第1導線及び第2導線夫々と圧着接続部材とは互いに圧着される。ただし、第2導線と圧着接続部材との間には第1金属製の筒状のセレーション部材が介在する。
【0008】
第2導線とセレーション部材とは互いに異種金属製である。しかしながら、圧着によってセレーション部材の凸部が第2導線に食い込むか、又は圧着によって第2導線が変形し、第2導線を構成する金属がセレーション部材の凹部に進入するので、第2導線とセレーション部材とが互いに密着する。故に、第2導線とセレーション部材とが確実に互いに接続される。また、第2導線とセレーション部材との間に水分が浸入しにくいので、これらの間で電食が起きることを抑制することができる。
【0009】
圧着接続部材とセレーション部材とは互いに同種の金属製なので、これらの間で電食が起きる虞はない。
同様に、第1導線と圧着接続部材との間で電食が起きる虞はない。故に、第1導線と圧着接続部材との間にセレーション部材を介在させる必要がないので、部品点数を削減することができる。
以上の結果、異種金属製の導線同士を特段の問題なく互いに接続することができる。
【0010】
本開示に係る接続構造は、前記第1金属は銅又は銅合金であり、前記第2金属はアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする。
【0011】
本開示にあっては、銅製又は銅合金製の導線と、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の導線とを特段の問題なく互いに接続することができる。故に、本開示に係る接続構造は、例えば軽量化のためにアルミニウム製のコイルを備える変成器において、コイルから延びるアルミニウム製の導線を銅製の導線に接続する場合に好適である。
【0012】
本開示に係る接続構造は、前記セレーション部材の一部は前記圧着接続部材の内側に位置し、前記セレーション部材の残部は前記圧着接続部材の外側に位置することを特徴とする。
【0013】
本開示にあっては、セレーション部材の一部が圧着接続部材の内側に位置し、圧着接続部材と第2導線との接続に貢献する。
圧着接続部材を介して互いに接続されている2種類の導線の内、圧着接続部材との間にセレーション部材が介在している方が第2導線であり、介在していない方が第1導線である。セレーション部材の残部が圧着接続部材の外側に位置しているので、作業者が視覚又は触覚によって第1導線と第2導線とを容易に区別することができる。
【0014】
本開示に係る接続構造は、前記セレーション部材は、複数の貫通孔が設けられており、筒状に湾曲している金属片であることを特徴とする。
【0015】
本開示にあっては、セレーション部材が筒状に湾曲している金属片であり、金属片には複数の貫通孔が設けられている。このようなセレーション部材を用いた場合、圧着によって第2導線が変形し、第2導線を構成する金属がセレーション部材の貫通孔に進入するので、第2導線とセレーション部材とが互いに密着する。
例えば平坦な金属片に貫通孔を設けてから第2導線の外寸に応じた内寸又は圧着接続部材の内寸に応じた外寸を有する筒状に成形することによって、セレーション部材を容易に得ることができる。貫通孔は金属片の両面に開口しているので、金属片を筒状に成形する際に、金属片の両面の何れが筒の内側に向けられてもよい。
【0016】
本開示に係る変成器は、第1金属製の第1導線と、前記第1金属とは異なる第2金属製のコイルと、該コイルから延びる前記第2金属製の第2導線と、前記第1金属製の筒状の圧着接続部材と、前記第1金属製の筒状のセレーション部材とを備え、前記第1導線は前記圧着接続部材の一端側から直接的に前記圧着接続部材に挿入されて前記圧着接続部材に圧着され、前記第2導線は前記圧着接続部材の他端側から前記セレーション部材に覆われた状態で前記圧着接続部材に挿入されて前記圧着接続部材に圧着されることを特徴とする。
【0017】
本開示にあっては、第1金属製の第1導線と、第2金属製のコイルから延びる第2金属製の第2導線とが、本開示に係る接続構造により互いに接続される。第1金属製の第1導線は第1金属製の接続端子に特段の問題なく接続することができる。故に、第2金属製のコイルを、第1導線及び第2導線を介して、変成器が備える第1金属製の接続端子(又は変成器の外部に存在する第1金属製の接続端子)に接続することができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示の接続構造及び変成器によれば、異種金属製の導線同士を特段の問題なく互いに接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態1に係る変成器の正面図である。
図2】変成器に設けられた接続構造の模式的な断面図である。
図3】接続構造の分解斜視図である。
図4】出力線の接続手順の説明図である。
図5】実施の形態2に係る接続構造の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施の形態について説明する。
【0021】
実施の形態 1.
図1は実施の形態1に係る変成器の正面図である。
図中1は変成器であり、変成器1は変圧器である。変成器1は鉄心11及びコイル12を備える。
【0022】
例えば鉄心11は矩形環状をなし、コイル12は鉄心11の長辺部に巻回されている。図示はしないが、鉄心11の2つの長辺部に1つずつコイル12が巻回されている。鉄心11の長辺部は上下に向く。
鉄心11の上側の短辺部は、下向きに開口する箱状の支持台13に覆われている。支持台13は、変圧比を変更するためのタップ切替器14を支持している。タップ切替器14は連結具15によって支持台13に連結されている。
【0023】
タップ切替器14に設けられている複数のタップ端子14a夫々は第1金属製である。第1金属は、例えば銅又は銅合金であるが、これに限定されるものではない。各タップ端子14aには第1金属製の出力線21(第1導線)の一端部が接続されている。
【0024】
コイル12は、第1金属とは異なる第2金属製である。第2金属は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金であるが、これに限定されるものではない。
図示はしないが、各コイル12には一次側の巻線及び二次側の巻線が互いに重なるようにして含まれており、一次側の巻線の内側に二次側の巻線が配されている。一次側の巻線同士、及び二次側の巻線同士は渡り線を介して互いに接続されている。
二次側の巻線からは複数本の出力線22(第2導線)が延びている。各出力線22は第2金属製であり、出力線22の先端部は圧着接続部材23を介して出力線21の他端部に接続されている。
圧着接続部材23は第1金属製であり、筒状をなす(後述する図2及び図3参照)。
【0025】
一次側の巻線には、第1金属製の接続端子を有する外部の電力供給部(各不図示)から入力線25,26を介して電力が供給される。入力線25(第1導線)は第1金属製であり、入力線25の一端部は前述した外部の電力供給部が有する第1金属製の接続端子に接続されている。入力線26(第2導線)は第2金属製であり、一次側の巻線から延びている。入力線26の先端部は、圧着接続部材23を介して入力線25の他端部に接続されている。
出力線22及び入力線26夫々は、コイル12を構成する導線に連続している導線でもよく、コイル12を構成する導線とは別体の導線でもよい。
【0026】
以下では出力線21,22が互いに接続される接続構造について説明するが、入力線25,26が互いに接続される接続構造も同様の構成である。
図2は変成器1に設けられた接続構造の模式的な断面図である。
図3は接続構造の分解斜視図である。
【0027】
図2及び図3に示すように、出力線21は2本の導体211である。各導体211は第1金属製であり、帯板状をなす。2本の導体211は厚さ方向に互いに重ね合わされる。個々の導体211は、導体211の2倍の厚さを有する帯板状の導体よりも撓みやすく、作業者が手作業で容易に湾曲させることができる。故に、出力線21は配線しやすい。
出力線22は2本の導体221である。各導体221は第2金属製であり、薄い帯板状をなす。2本の導体221は厚さ方向に互いに重ね合わされる。個々の導体221は導体221と同様に撓みやすいので、出力線22は出力線21と同様に配線しやすい。
なお、出力線21,22夫々は2本の帯板状の導体に限定されず、例えば1本の帯板状の導体でもよく、円形断面を有する導体でもよい。
【0028】
本実施の形態の接続構造は圧着接続部材23及びセレーション部材24を備える。
圧着接続部材23には出力線21を挿入することが可能である。
セレーション部材24は第1金属製であり、筒状をなす。セレーション部材24の周面には複数の貫通孔241が設けられている。セレーション部材24には出力線22を挿入することが可能である。圧着接続部材23にはセレーション部材24を同軸に挿入することが可能である。
【0029】
セレーション部材24は多数の貫通孔241が設けられた金属片240からなる。例えば金属片240としてパンチングメタルを用い、金属片240を出力線21の外寸に応じた内寸及び圧着接続部材23の内寸に応じた外寸を有する筒状に成形することによって、セレーション部材24を容易に得ることができる。貫通孔241は金属片240の両面に開口しているので、金属片240を筒状に成形する際に、金属片240の両面の何れが筒の内面側に向けられてもよい。
なお、金属片240を出力線22に巻き付けることによってセレーション部材24が形成されてもよい。
図2に示すセレーション部材24の厚さ及び貫通孔241の内径は誇張されている。
【0030】
図4は出力線21,22の接続手順の説明図である。
出力線21は圧着接続部材23の一端側から直接的に圧着接続部材23に挿入される。出力線22は圧着接続部材23の他端側からセレーション部材24に覆われた状態で圧着接続部材23に挿入される。
出力線21,22の挿入は、出力線21,22夫々の先端が圧着接続部材23の軸長方向の中央部に位置し、且つ、出力線21,22が圧着接続部材23の内側にて互いに接触しないように行なわれる。また、出力線22の挿入は、セレーション部材24の一部が圧着接続部材23の内側に位置し、セレーション部材24の残部が圧着接続部材23の外側に位置するように行なわれる。
【0031】
出力線21,22の挿入後、圧着接続部材23に圧力が加えられる。例えば軸長方向を前後に向けた圧着接続部材23が、上下から加圧される。この結果、出力線21が圧着接続部材23に圧着されると共に、出力線22がセレーション部材24を介して圧着接続部材23に圧着される(図2参照)。なお、出力線21の圧着と出力線22の圧着とが個別に行なわれてもよい。
【0032】
図2に示すように、圧着によって圧着接続部材23の内面に出力線21の外周面が密着するので、出力線21と圧着接続部材23とが確実に互いに接続される。出力線21と圧着接続部材23とは何れも第1金属製なので、これらの間で電食が起きる虞はない。
また、圧着によって圧着接続部材23の内面にセレーション部材24の外面が密着するので、圧着接続部材23とセレーション部材24とが確実に互いに接続される。圧着接続部材23とセレーション部材24とは何れも第1金属製なので、これらの間で電食が起きる虞はない。
【0033】
更に、圧着によってセレーション部材24の内面に出力線22の外周面が密着する。しかも、圧着によって出力線22が変形し、出力線22を構成する金属がセレーション部材24の貫通孔241に進入するので、出力線22とセレーション部材24との密着性が増す。故に、出力線22と圧着接続部材23とが確実に互いに接続される。
たとえ出力線22が合成樹脂製の厚い絶縁被膜に覆われていたとしても、貫通孔241に進入しようとする金属部分が絶縁被膜を内側から破壊するので、出力線22の絶縁被膜を予め除去する必要がない。
【0034】
出力線22とセレーション部材24とは互いに異種金属製である。しかしながら、両者の密着により、出力線22とセレーション部材24との間に水分が浸入しにくいので、これらの間で電食が起きることを抑制することができる。
以上の結果、異種金属製の出力線21,22を特段の問題なく互いに接続することができる。
前述したように、出力線21と圧着接続部材23との間で電食は起きない。故に、出力線21と圧着接続部材23との間にセレーション部材24を介在させる必要がないので、部品点数を削減することができる。
【0035】
本実施の形態に係る変成器1は、例えば油入変圧器である。鉄心11及びコイル12が絶縁油と共に収容される図示しないタンクに本実施の形態に係る接続構造を収容することにより、出力線22とセレーション部材24との間で電食が起きることを防止することができる。
【0036】
出力線21と出力線22との外見が類似している場合、出力線21,22自体を見比べただけでは両者を区別することができない虞がある。しかしながら、圧着接続部材23との間にセレーション部材24が介在している方が出力線22であり、介在していない方が出力線21である。セレーション部材24は部分的に圧着接続部材23の外側に位置しているので、作業者が視覚又は触覚によって出力線21と出力線22とを容易に区別することができる。
【0037】
なお、セレーション部材24は貫通孔241が設けられている構成に限定されず、例えば内周面に凹凸が設けられている構成でもよい。圧着によってセレーション部材24の凸部が出力線22に食い込むか、又は圧着によって出力線22が変形し、出力線22を構成する金属がセレーション部材24の凹部に進入するので、出力線22とセレーション部材24とが互いに密着する。
変成器1は変流器でもよく、電力用でも計器用でもよい。
【0038】
実施の形態 2.
図5は実施の形態2に係る接続構造の模式的な断面図である。
本実施の形態の接続構造は、後述する熱圧着チューブ27を除き、実施の形態1の接続構造と略同様である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0039】
本実施の形態に係る変成器1は、例えばモールド変圧器である。
図5に示すように、圧着接続部材23とセレーション部材24との境界部分、及び圧着接続部材23の外側に位置しているセレーション部材24と出力線22との境界部分は、外側から熱圧着チューブ27に被覆されている。熱圧着チューブ27は出力線22、圧着接続部材23、及びセレーション部材24夫々に外側から密着する。故に、出力線22とセレーション部材24との間に水分が浸入することを防止することができるので、これらの間で電食は起きない。
なお、熱圧着チューブ27は出力線21と圧着接続部材23との境界部分もまとめて被覆してもよい。
【0040】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0041】
1 変成器; 12 コイル; 21 出力線(第1導線); 22 出力線(第2導線); 23 圧着接続部材; 24 セレーション部材; 240 金属片; 25 入力線(第1導線); 26 入力線(第2導線)
図1
図2
図3
図4
図5