(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083930
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】電力供給システム、制御方法および制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20230609BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20230609BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02J7/35 K
H02J3/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197942
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】牧 尚子
(72)【発明者】
【氏名】黒田 和宏
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA05
5G503FA06
5G503GA15
5G503GB03
5G503GB06
(57)【要約】
【課題】出力を抑制することなく太陽電池を活用可能な電力供給システムを実現する。
【解決手段】電力供給システム(1)は、直流負荷(110)に電力を供給する直流給配電系統(10)と、交流負荷(120)に電力を供給する交流給配電系統(20)と、電力変換装置(40)とを備え、電力変換装置は、直流給配電系統が備える太陽電池(11)、および交流負荷に接続され、太陽電池が発電した直流電力を交流電力に変換する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源と連系可能であり、直流負荷および交流負荷に電力を供給可能な電力供給システムであって、
前記直流負荷に電力を供給する直流給配電系統と、前記交流負荷に電力を供給する交流給配電系統と、電力変換装置とを備え、
前記直流給配電系統は、
前記商用電源が接続されるAC(Alternating Current)-DC(Direct Current)コンバータと、
太陽電池と、
前記太陽電池が接続される第1のDC-DCコンバータと、
蓄電池と、
前記蓄電池が接続される第2のDC-DCコンバータと、
前記AC-DCコンバータ、前記第1のDC-DCコンバータ、および前記第2のDC-DCコンバータを前記直流負荷に接続する直流母線と、を備え、
前記交流給配電系統は、前記商用電源を前記交流負荷に接続する交流母線を備え、
前記電力変換装置は、前記太陽電池および前記交流負荷に接続され、前記太陽電池が発電した直流電力を交流電力に変換する電力供給システム。
【請求項2】
前記蓄電池の充電率が所定の充電上限閾値よりも大きく、かつ、前記太陽電池による発電量が前記直流負荷における消費電力よりも大きい場合、前記太陽電池が発電した電力を、前記電力変換装置および前記交流母線を介して前記交流負荷に供給する請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記蓄電池の充電率が前記充電上限閾値よりも大きく、かつ、前記太陽電池による発電量が前記直流負荷における消費電力よりも大きい場合、前記太陽電池が発電した電力の、前記直流負荷への供給を停止する請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記蓄電池の充電率が前記充電上限閾値以下であるか、または、前記太陽電池による発電量が前記直流負荷における消費電力以下である場合、前記太陽電池が発電した電力を前記直流母線に供給する請求項2または3に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記電力供給システムが前記商用電源と連系している場合における前記充電上限閾値と、前記電力供給システムが前記商用電源から解列している場合における前記充電上限閾値とは、互いに異なる請求項2から4のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記電力供給システムが前記商用電源と連系している場合における前記充電上限閾値は、前記電力供給システムが前記商用電源から解列している場合における前記充電上限閾値よりも小さい請求項5に記載の電力供給システム。
【請求項7】
請求項1に記載の電力供給システムを制御する制御方法であって、
前記蓄電池の充電率が所定の充電上限閾値よりも大きいか否かを判定する充電率判定ステップと、
前記太陽電池による発電量が前記直流負荷における消費電力よりも大きいか否かを判定する発電量判定ステップと、
前記充電率判定ステップにおいて前記蓄電池の充電率が前記充電上限閾値以上であると判定され、かつ、前記発電量判定ステップにおいて前記太陽電池による発電量が前記直流負荷における消費電力よりも大きいと判定された場合に、前記太陽電池が発電した電力を、前記電力変換装置および前記交流母線を介して前記交流負荷に供給する交流負荷給電ステップと、を含む制御方法。
【請求項8】
請求項1に記載の電力供給システムを制御する制御装置であって、
前記蓄電池の充電率が所定の充電上限閾値よりも大きいか否かを判定する充電率判定部と、
前記太陽電池による発電量が前記直流負荷における消費電力よりも大きいか否かを判定する発電量判定部と、
前記蓄電池の充電率が前記充電上限閾値よりも大きいと前記充電率判定部が判定し、かつ、前記太陽電池による発電量が前記直流負荷における消費電力よりも大きいと前記発電量判定部が判定した場合に、前記太陽電池が発電した電力を、前記電力変換装置および前記交流母線を介して前記交流負荷に供給する交流負荷給電制御部と、を備える制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システム、並びに当該電力供給システムを制御するための制御方法および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の再生可能エネルギーの利用拡大により、直流電力を直流負荷に供給して効率的な運用を目指した直流配電システムが普及すると考えられている。このような直流配電システムの一例が、特許文献1に開示されている。当該直流配電システムにおいては、太陽光発電装置(太陽電池)の発電量が負荷装置の消費電力よりも多い場合、余った発電電力を蓄電池に充電し、さらに発電電力が余った場合には交流系統に供給して売電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている直流配電システムにおいては、予め売電についての契約を行っていない場合、かつ太陽電池における発電電力を蓄電池に充電してもさらに発電電力が余る場合には、太陽電池の出力を抑制することとなる。その場合、太陽電池の発電効率が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、出力を抑制することなく太陽電池を活用可能な電力供給システムなどを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電力供給システムは、商用電源と連系可能であり、直流負荷および交流負荷に電力を供給可能な電力供給システムであって、前記直流負荷に電力を供給する直流給配電系統と、前記交流負荷に電力を供給する交流給配電系統と、電力変換装置とを備え、前記直流給配電系統は、前記商用電源が接続されるAC(Alternating Current)-DC(Direct Current)コンバータと、太陽電池と、前記太陽電池が接続される第1のDC-DCコンバータと、蓄電池と、前記蓄電池が接続される第2のDC-DCコンバータと、前記AC-DCコンバータ、前記第1のDC-DCコンバータ、および前記第2のDC-DCコンバータを前記直流負荷に接続する直流母線と、を備え、前記交流給配電系統は、前記商用電源を前記交流負荷に接続する交流母線を備え、前記電力変換装置は、前記太陽電池および前記交流負荷に接続され、前記太陽電池が発電した直流電力を交流電力に変換する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、出力を抑制することなく太陽電池を活用可能な電力供給システムなどを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る電力供給システムの要部の構成を示す図である。
【
図2】連系モードにおける、制御装置による電力供給システムの制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図2における「連系かつSOC>25%時の処理」を示すフローチャートである。
【
図4】
図3における「連系かつSOC>75%時の処理」を示すフローチャートである。
【
図5】解列モードにおける、制御装置による電力供給システムの制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図5における「解列かつSOC≠0%時の処理」を示すフローチャートである。
【
図7】
図6における「解列かつSOC>90%時の処理」を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0010】
(電力供給システム1の構成)
図1は、本実施形態に係る電力供給システム1の要部の構成を示す図である。電力供給システム1は、商用電源100と連系可能である。電力供給システム1は、直流負荷110および交流負荷120に電力を供給可能である。
図1に示すように、電力供給システム1は、直流給配電系統10、交流給配電系統20、および電力変換装置40を備える。直流給配電系統10は、遮断器31を介して商用電源100に接続され、直流負荷110に電力を供給する。交流給配電系統20は、遮断器32を介して商用電源100に接続され、交流負荷120に電力を供給する。遮断器31,32は、電力供給システム1を自立運転させる場合に、電力供給システム1を商用電源100から解列させる。
【0011】
直流給配電系統10は、太陽電池11、第1のDC-DCコンバータ11a、蓄電池12、第2のDC-DCコンバータ12a、AC-DCコンバータ14、直流母線15、および直流遮断器11b,12bを備える。
【0012】
直流母線15は、AC-DCコンバータ14、第1のDC-DCコンバータ11a、および第2のDC-DCコンバータ12aを直流負荷110に接続する。直流母線15は、太陽電池11、蓄電池12、および/または商用電源100から直流負荷110に電力を供給する電力線として機能する。簡単のため、
図1においては直流負荷110として単一の負荷が示されている。しかし、直流負荷110は、2以上の負荷を含んでいてもよい。また、直流母線15は、太陽電池11および/または商用電源100から蓄電池12に電力を供給する電力線としても機能する。
【0013】
太陽電池11は、受光した光量に応じた直流電力を発生させる。太陽電池11は、第1のDC-DCコンバータ11aおよび直流遮断器11bを介して直流母線15に接続される。DC-DCコンバータ11aは、太陽電池11から直流負荷110に供給される電力を、直流負荷110の定格に応じた電圧に変換する。DC-DCコンバータ11aは、単方向コンバータである。直流遮断器11bは、太陽電池11から直流負荷110への電力の供給を必要に応じて遮断する。直流遮断器11bは、例えば半導体スイッチである。
【0014】
蓄電池12は、電力を内部にエネルギーとして保持し、保持したエネルギーを必要に応じて直流により直流母線15へ供給する。蓄電池12は、DC-DCコンバータ12aおよび直流遮断器12bを介して直流母線15に接続される。DC-DCコンバータ12aは、蓄電池12から直流負荷110に供給される電力を、直流負荷110の定格に応じた電圧に変換する。DC-DCコンバータ12aは、双方向コンバータである。直流遮断器12bは、蓄電池12から直流負荷110への電力の供給を必要に応じて遮断する。直流遮断器12bは、例えば半導体スイッチである。
【0015】
AC-DCコンバータ14は、商用電源100から供給される交流電力を、直流負荷110の定格に応じた電圧の直流電力に変換する。電力供給システム1においては、AC-DCコンバータ14は、商用電源100から直流負荷110へ向かう方向の電力のみ変換する。電力供給システム1は、直流負荷110から商用電源100へ流れる電流を遮断するためのダイオード(不図示)を備える。すなわち、電力供給システム1と商用電源100との連系は、電力供給システム1が商用電源100から電力の供給を受けるだけの、いわゆる片方向連系である。したがって、電力供給システム1においては、AC-DCコンバータ14を介しての、太陽電池11または蓄電池12から交流負荷120への電力の供給は行われない。
【0016】
また、電力供給システム1は、第3のDC-DCコンバータ13aおよび直流遮断器13bを介して、移動式蓄電池13を直流母線15に接続可能であるように構成されている。移動式蓄電池13は、電力を内部にエネルギーとして保持し、保持したエネルギーを必要に応じて直流により直流母線15へ供給する。第3のDC-DCコンバータ13aは、移動式蓄電池13から直流負荷110に供給される電力を、直流負荷110の定格に応じた電圧に変換する。第3のDC-DCコンバータ13aは、双方向コンバータである。直流遮断器13bは、蓄電池12から直流負荷110への電力の供給を必要に応じて遮断する。直流遮断器13bは、例えば半導体スイッチである。
【0017】
電力供給システム1においては、蓄電池12から直流負荷110へ電力を供給する場合に、移動式蓄電池13からも直流負荷110へ電力を供給してよい。また、電力供給システム1においては、蓄電池12が充電される場合に、移動式蓄電池13も併せて充電されてよい。移動式蓄電池13は、例えば電気自動車に搭載されている蓄電池である。このため、移動式蓄電池13、第3のDC-DCコンバータ13aおよび直流遮断器13bを電力供給システム1の構成要素として捉える必要はない。
【0018】
電力変換装置40は、太陽電池11および交流負荷120に接続される。電力変換装置40は、太陽電池11が発電した直流電力を交流電力に変換する。太陽電池11は、DC-DCコンバータ11aおよび電力変換装置40のいずれに電力を供給するかを切替可能である。ただし、太陽電池11は、DC-DCコンバータ11aおよび電力変換装置40の両方に、同時には電力を供給しない。
【0019】
交流給配電系統20は、交流母線21と、交流遮断器22とを備える。交流母線21は、商用電源100および電力変換装置40と、交流負荷120とを接続する。電力供給システム1においては、商用電源100および/または電力変換装置40から交流負荷120へ電力が供給される。交流遮断器22は、交流母線21の、電力変換装置40と交流負荷120との間に設けられ、必要に応じて電力変換装置40と交流負荷120との間を遮断する。交流遮断器22は、例えば半導体スイッチと機械式スイッチとを組み合わせた、所謂ハイブリッドスイッチ等の交流遮断器である。
【0020】
交流負荷120における消費電力は、太陽電池11の容量よりも大きいものとする。すなわち、太陽電池11が発電した電力を、電力変換装置40を介して交流負荷120に供給する場合には、余剰電力が生じることはないものとする。
【0021】
(制御装置50の構成)
制御装置50は、電力供給システム1の動作を制御する。制御装置50は、電力供給システム1の制御に必要な情報を記憶する記憶装置60と通信可能に接続されている。制御装置50は、SOC(State Of Charge、充電率)判定部51(充電率判定部)、充電制御部52、発電量判定部53、および給電制御部54(交流負荷給電制御部)を備える。
【0022】
制御装置50は、連系モードおよび解列モードの2種類の動作モードを備える。連系モードは、電力供給システム1が商用電源100と連系している場合における動作モードである。解列モードは、電力供給システム1が商用電源100から解列している場合における動作モードである。
【0023】
制御装置50は、例えば動作モードを切り替えるための、ユーザによる操作を受け付けるスイッチと接続されていてもよい。また、制御装置50は、遮断器31,32の状態と連動して動作モードを切り替えることが可能であってもよい。
【0024】
SOC判定部51は、蓄電池12におけるSOCについて判定する。SOC判定部51は、移動式蓄電池13におけるSOCについては判定しない。以下の説明では、蓄電池12におけるSOCについて、単にSOCと称する。
【0025】
SOC判定部51は、連系モードでは、SOCが所定の要充電閾値以下であるか否かを判定する。要充電閾値は、商用電源100からの電力により蓄電池12を充電するSOCの上限値である。電力供給システム1が商用電源100と連系している状態は、電力供給システム1にとって通常の状態であると言える。この状態では、蓄電池12は、長寿命化のために、SOCが要充電閾値よりも大きい状態を維持するように充電される。換言すれば、SOCが要充電閾値よりも大きい場合には、蓄電池12は商用電源100からの電力によっては充電されない。要充電閾値は、例えば10%であってよいがこれに限られず、蓄電池12の製造者等に応じて適宜設定されてよい。
【0026】
また、SOC判定部51は、SOCが所定の給電停止閾値以下であるか否かを判定する。給電停止閾値は、蓄電池12から直流負荷110へ電力の供給を停止するSOCの上限値である。換言すれば、SOCが給電停止閾値よりも大きい場合には、後述する太陽電池11による発電量に応じて蓄電池12から直流負荷110へ電力の供給を行う場合がある。連系モードにおける給電停止閾値は、要充電閾値よりも大きいことが好ましく、例えば25%である。また、解列モードにおける給電停止閾値は、要充電閾値よりも小さいことが好ましく、例えば0%である。ただし、それぞれの動作モードにおける給電停止閾値はこれに限られず、蓄電池12の製造者等に応じて適宜設定されてよい。
【0027】
上述したように、要充電閾値は、蓄電池12の長寿命化のために維持することが好ましいSOCの下限値である。しかし、SOCが要充電閾値よりも大きい場合に蓄電池12からの電力の供給を可能とした場合、太陽電池11による発電量によっては、SOCが要充電閾値の近傍である状態で、蓄電池12の充電と放電とが繰り返されることとなる。蓄電池12をこのように動作させると、蓄電池12の寿命が短くなる。このため、連系モードでは、SOCが要充電閾値よりも大きい場合であっても、給電停止閾値以下であれば蓄電池12から直流負荷110へ電力の供給を停止する。これにより、SOCが要充電閾値よりも大きい状態を安定して維持することができる。
【0028】
一方、電力供給システム1が商用電源100と解列している状態(自立運転時)は、電力供給システム1にとって非常の状態であると言える。このため、解列モードでは、上述した蓄電池12の長寿命化を考慮せず、SOCが要充電閾値以下になっても必要に応じて蓄電池12から直流負荷110へ電力が供給されてよい。
【0029】
連系モードにおける給電停止閾値が上記のとおり設定される場合、制御装置50が連系モードで動作している間は、SOCが要充電閾値以下になることはない。ただし、例えば制御装置50が一時的に解列モードで動作し、SOCが要充電閾値以下になるまで蓄電池12から直流負荷110へ電力が供給された後に制御装置50が連系モードに移行した場合には、連系モードでSOCが要充電閾値以下になる。
【0030】
また、SOC判定部51は、SOCが所定の充電上限閾値以下であるか否かを判定する。充電上限閾値は、太陽電池11による発電量が直流負荷110における消費電力よりも大きい場合に、太陽電池が発電した電力を直流負荷110に供給し、余剰電力を蓄電池12に充電するSOCの上限値である。換言すれば、SOCが充電上限閾値よりも大きい場合には、太陽電池11が発電した電力は蓄電池12に充電されない。
【0031】
連系モードにおける充電上限閾値と、解列モードにおける充電上限閾値とは、互いに異なっていてよい。具体的には、連系モードにおける充電上限閾値は、解列モードにおける充電上限閾値よりも小さいことが好ましい。より具体的には、連系モードにおける充電上限閾値は、例えば75%である。また、解列モードにおける充電上限閾値は、例えば90%である。ただし、それぞれの動作モードにおける充電上限閾値はこれらに限られず、蓄電池12の製造者等に応じて適宜設定されてよい。
【0032】
直流負荷110への電力の供給を安定させる観点からは、気象条件などにより太陽電池11による発電量が減少する可能性に備えて、より多くの電力を蓄電池12から直流負荷110に供給できるよう、SOCを高くしておくことが好ましい。一方で、蓄電池を長寿命化する観点からは、SOCを過大にしないことが好ましい。充電上限閾値が上述したような値をとることで、電力供給システム1にとって通常の状態における動作モードである連系モードにおいては、比較的低いSOCで蓄電池12が充電されなくなる。したがって、SOCが過大にならず、蓄電池12を長寿命化できる。また、電力供給システム1にとって非常の状態における動作モードである解列モードにおいては、連系モードと比較して高いSOCまで蓄電池12に電力が保持される。したがって、気象条件などにより太陽電池11による発電量が減少する可能性に備えて、SOCを高くしておくことができる。
【0033】
発電量判定部53は、太陽電池11による発電量が直流負荷110における消費電力よりも大きいか否かを判定する。例えば、直流負荷110は、自身の消費電力を示す情報を記録した記録媒体を備える。この場合、発電量判定部53は、当該記録媒体から情報を読み取るリーダ(不図示)と接続されている。発電量判定部53は、当該リーダにより読み取った情報が示す直流負荷110の消費電力を、太陽電池11による発電量と比較する。
【0034】
充電制御部52は、DC-DCコンバータ11a、直流遮断器11b、DC-DCコンバータ12a、直流遮断器12bおよびAC-DCコンバータ14を制御することで、蓄電池12の充電を制御する。充電制御部52は、連系モードにおいてSOCが要充電閾値以下である場合に、商用電源100からの電力により蓄電池12を充電する。また、充電制御部52は、SOCが充電上限閾値以下であり、かつ太陽電池11による発電量が直流負荷110における消費電力よりも大きい場合に、余剰電力を蓄電池12に充電する。また、充電制御部52は、さらに第3のDC-DCコンバータ13aおよび直流遮断器13bを制御することで、移動式蓄電池13の充電を制御してもよい。
【0035】
給電制御部54は、DC-DCコンバータ11a、直流遮断器11b、DC-DCコンバータ12a、直流遮断器12bおよび/またはAC-DCコンバータ14を制御することで、太陽電池11、蓄電池12および/または商用電源100から直流負荷110への電力の供給を制御する。また、充電制御部52は、さらに第3のDC-DCコンバータ13aおよび直流遮断器13bを制御することで、移動式蓄電池13から直流負荷110への電力の供給を制御してもよい。また、給電制御部54は、電力変換装置40を制御することで、太陽電池11から交流負荷120への電力の供給を制御する。
【0036】
具体的には、給電制御部54は、(i)蓄電池12の充電率が充電上限閾値よりも大きく、かつ、(ii)太陽電池11による発電量が直流負荷110における消費電力よりも大きい場合、太陽電池11が発電した電力を、電力変換装置40および交流母線21を介して交流負荷120に供給する。この場合、給電制御部54は、蓄電池12および/または商用電源100から直流負荷110へ電力を供給する。
【0037】
また、この場合、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力の、直流負荷110への供給を停止する。このため、太陽電池11が発電した電力を直流負荷110および交流負荷120の両方に同時に供給する場合と比較して、直流負荷110および交流負荷120のそれぞれに供給する電力の比率を制御する必要がない。したがって、給電制御部54による制御を簡略化できる。
【0038】
また、給電制御部54は、蓄電池12の充電率が充電上限閾値以下であるか、または、太陽電池11による発電量が直流負荷110における消費電力以下である場合、太陽電池11が発電した電力を直流負荷110に供給する。この場合、給電制御部54は、必要に応じて蓄電池12および/または商用電源100からも直流負荷へ電力を供給する。
【0039】
(制御装置50による処理)
図2は、連系モードにおける、制御装置50による電力供給システム1の制御方法の一例を示すフローチャートである。制御装置50は、連系モードにおいては、
図2に示す処理を所定の間隔、例えば10秒~1分間隔で繰り返す。それぞれの制御方法において、判定の結果に応じて行われる充電または電力の供給は、次回の処理まで継続する。次回の処理時に充電または電力の供給を行うとの判定にならなければ、その時点で充電または電力の供給は停止する。
【0040】
連系モードにおいて、SOC判定部51は、SOCが25%(連系モードにおける給電停止閾値)以下であるか判定する(S11)。SOCが25%以下でない場合(S11で「NO」)、制御装置50は、後述する「連系かつSOC>25%時の処理」を実行する(S2)。
【0041】
SOCが25%以下である場合(S11で「YES」)、SOC判定部51は、SOCが10%(要充電閾値)以下であるか判定する(S12)。SOCが10%以下である場合(S12で「YES」)、充電制御部52は、商用電源100から蓄電池12へ充電する(S13)。SOCが10%以下でない場合(S12で「NO」)、制御装置50は、ステップS13をスキップする。
【0042】
ステップS13またはステップS12の後、発電量判定部53は、太陽電池11の発電量について判定する(S14)。太陽電池11の発電量が0Wである(すなわち太陽電池11が発電していない)場合(S14で「=0」)、給電制御部54は、商用電源100から直流負荷110へ電力を供給する(S15)。太陽電池11の発電量が0Wよりも大きく、かつ直流負荷110の消費電力以下である場合(S14で「≦直流負荷」)、給電制御部54は、(1)太陽電池11、(2)商用電源100、の優先度で直流負荷110へ電力を供給する(S16)。すなわち、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力を直流負荷110へ供給する。また、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力では不足する分の電力を、商用電源100からの電力により補う。
【0043】
太陽電池11の発電量が直流負荷の消費電力よりも大きい場合(S14で「>直流負荷」)、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力を直流負荷110へ供給する(S17)。ステップS17と並行して、充電制御部52は、太陽電池11が発電した電力のうち、直流負荷110における消費電力を超える余剰電力を蓄電池12へ充電する(S18)。ステップS15、ステップ16、またはステップS17,S18の後、制御装置50は一連の処理を終了する。
【0044】
図3は、
図2における「連系かつSOC>25%時の処理」を示すフローチャートである。「連系かつSOC>25%時の処理」において、SOC判定部51は、SOCが75%(連系モードにおける充電上限閾値)以下であるか判定する(S21)。ステップS21は、SOCが75%よりも大きいか否かを判定するステップ(充電率判定ステップ)であるとも表現できる。SOCが75%以下でない場合(S21で「NO」)、制御装置50は、後述する「連系かつSOC>75%時の処理」を実行する(S3)。
【0045】
SOCが75%以下である場合(S21で「YES」)、発電量判定部53は、太陽電池11の発電量について判定する(S22)。太陽電池11の発電量が0Wである場合(S22で「=0」)、給電制御部54は、(1)蓄電池12、(2)商用電源100、の優先度で直流負荷へ電力を供給する(S23)。すなわち、給電制御部54は、蓄電池12から直流負荷110へ電力を供給する。また、給電制御部54は、蓄電池12から供給する電力が直流負荷110での消費電力に対して不足する場合には、商用電源100から直流負荷110へ電力を供給することで不足分を補う。
【0046】
太陽電池11の発電量が0Wよりも大きく、かつ直流負荷110の消費電力以下である場合(S22で「≦直流負荷」)、給電制御部54は、(1)太陽電池11、(2)蓄電池12、(3)商用電源100、の優先度で直流負荷へ電力を供給する(S24)。すなわち、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力を直流負荷110へ供給する。また、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力の、直流負荷110での消費電力に対する不足分を、蓄電池12から直流負荷110へ電力を供給することにより補う。さらに、給電制御部54は、蓄電池12から直流負荷110へ電力を供給することによっても直流負荷110での消費電力に対する不足分が生じる場合には、商用電源100から直流負荷110へ電力を供給することで不足分を補う。
【0047】
太陽電池11の発電量が直流負荷110の消費電力よりも大きい場合(S22で「>直流負荷」)、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力を直流負荷110へ供給する(S25)。ステップS25と並行して、充電制御部52は、余剰電力を蓄電池12へ充電する(S26)。ステップS23、ステップS24、またはステップS25,S26の後、制御装置50は一連の処理を終了する。
【0048】
図4は、
図3における「連系かつSOC>75%時の処理」を示すフローチャートである。「連系かつSOC>75%時の処理」において、発電量判定部53は、太陽電池11の発電量について判定する(S31、発電量判定ステップ)。太陽電池11の発電量が0Wである場合(S31で「=0」)、給電制御部54は、ステップS23と同様に、(1)蓄電池12、(2)商用電源100、の優先度で直流負荷へ電力を供給する(S32)。太陽電池11の発電量が0Wよりも大きく、かつ直流負荷110の消費電力以下である場合(S31で「≦直流負荷」)、給電制御部54は、ステップS24と同様に、(1)太陽電池11、(2)蓄電池12、(3)商用電源100、の優先度で直流負荷へ電力を供給する(S33)。
【0049】
太陽電池11の発電量が直流負荷110の消費電力よりも大きい場合(S31で「>直流負荷」)、給電制御部54は、ステップS32と同様に、(1)蓄電池12、(2)商用電源100、の優先度で直流負荷へ電力を供給する(S34)。ステップS34と並行して、充電制御部52は、太陽電池11が発電した電力を交流負荷120へ供給する(S35、交流負荷給電ステップ)。ステップS32、ステップS33、またはステップS34,S35の後、制御装置50は一連の処理を終了する。
【0050】
図5は、解列モードにおける、制御装置50による電力供給システム1の制御方法の一例を示すフローチャートである。制御装置50は、解列モードにおいては、
図5に示す処理を所定の間隔、例えば10秒~1分間隔で繰り返す。
【0051】
解列モードにおいて、SOC判定部51は、SOCが0%(解列モードにおける給電停止閾値以下)であるか判定する(S41)。SOCが0%でない場合(S41で「NO」)、制御装置50は、後述する「解列かつSOC≠0%時の処理」を実行する(S5)。
【0052】
SOCが0%である場合(S41で「YES」)、発電量判定部53は、太陽電池11の発電量について判定する(S42)。太陽電池11の発電量が0Wである場合(S42で「=0」)、直流負荷110に供給できる電力がないため、制御装置50は電力供給システム1を停止させる(S43)。
【0053】
太陽電池11の発電量が0Wよりも大きく、かつ直流負荷110の消費電力以下である場合(S42で「≦直流負荷」)、制御装置50は、直流負荷110の消費電力が太陽電池11の発電量よりも小さくなるように直流負荷110への電力の供給を遮断する(S44)。このような電力の供給の遮断を可能とするため、直流給配電系統10は、制御装置50により制御可能な直流遮断器16を備える。直流遮断器16は、直流負荷110に含まれる複数の負荷を個別に遮断することが可能な遮断器である。直流負荷110は、直流遮断器16を介して直流母線15に接続されている。その後、給電制御部54は、直流遮断器16によって遮断されていない直流負荷110へ、太陽電池11から電力を供給する(S45)。ただし、例えば直流負荷110が単一の負荷である場合などには、制御装置50は、ステップS44,S45を実行する代わりに、ステップS43と同様に電力供給システム1を停止させてもよい。
【0054】
太陽電池11の発電量が直流負荷110の消費電力よりも大きい場合(S42で「>直流負荷」)、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力を直流負荷110へ供給する(S46)。ステップS45と並行して、充電制御部52は、余剰電力を蓄電池12へ充電する(S47)。ステップS43、ステップS45、またはステップS46,S47の後、制御装置50は一連の処理を終了する。
【0055】
上述したとおり、制御装置50は、解列モードにおいては、
図5に示す処理を所定の間隔で繰り返す。ある回のステップS42における判定結果が「≦直流負荷」であり、直流負荷110の一部への電力の供給を遮断した場合、次回以降の処理は直流負荷110の当該一部への電力の供給を遮断した状態で行われる。この場合において発電量判定部53は、ステップS42で「>直流負荷」と判定した場合、電力の供給を遮断した直流負荷110への電力の供給を再開できるか否かをさらに判定してもよい。
【0056】
図6は、
図5における「解列かつSOC≠0%時の処理」を示すフローチャートである。「解列かつSOC≠0%時の処理」において、SOC判定部51は、SOCが90%(解列モードにおける充電上限閾値)以下であるか判定する(S51)。ステップS51は、SOCが90%よりも大きいか否かを判定するステップ(充電率判定ステップ)であるとも表現できる。SOCが90%以下でない場合(S51で「NO」)、制御装置50は、後述する「解列かつSOC>90%時の処理」を実行する(S6)。
【0057】
SOCが90%以下である場合(S51で「YES」)、発電量判定部53は、太陽電池11の発電量について判定する(S52)。太陽電池11の発電量が0Wである場合(S52で「=0」)、給電制御部54は、蓄電池12から直流負荷110へ電力を供給する(S53)。太陽電池11の発電量が0Wよりも大きく、かつ直流負荷110の消費電力以下である場合(S52で「≦直流負荷」)、給電制御部54は、(1)太陽電池11、(2)蓄電池12、の優先度で直流負荷110へ電力を供給する(S54)。太陽電池11の発電量が直流負荷110の消費電力よりも大きい場合(S52で「>直流負荷」)、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力を直流負荷110へ供給する(S55)。ステップS55と並行して、充電制御部52は、余剰電力を蓄電池12へ充電する(S56)。ステップS53、ステップS54、またはステップS55,S56の後、制御装置50は一連の処理を終了する。
【0058】
図7は、
図6における「解列かつSOC>90%時の処理」を示すフローチャートである。「解列かつSOC>90%時の処理」において、発電量判定部53は、太陽電池11の発電量について判定する(S61、発電量判定ステップ)。太陽電池11の発電量が0Wである場合(S61で「=0」)、給電制御部54は、蓄電池12から直流負荷110へ電力を供給する(S62)。太陽電池11の発電量が0Wよりも大きく、かつ直流負荷110の消費電力以下である場合(S61で「≦直流負荷」)給電制御部54は、(1)太陽電池11、(2)蓄電池12、の優先度で直流負荷110へ電力を供給する(S63)。太陽電池11の発電量が直流負荷110の消費電力よりも大きい場合(S61で「>直流負荷」)、給電制御部54は、蓄電池12から直流負荷110へ電力を供給する(S64)。ステップS64と並行して、給電制御部54は、太陽電池11が発電した電力を交流負荷120へ供給する(S65、交流負荷給電ステップ)。ステップS62、ステップS63、またはステップS64,S65の後、制御装置50は一連の処理を終了する。
【0059】
以上のとおり、電力供給システム1においては、太陽電池11で発電された電力は優先的に直流負荷110に供給され、余剰電力は蓄電池12に充電される。太陽電池11で発電された電力が直流負荷110に供給され、余剰電力が蓄電池12に充電されてもなお余剰電力が生じる場合には、太陽電池11で発電された電力は交流負荷120へ供給される。これにより、余剰電力が生じる場合であっても、太陽電池11における出力の抑制が不要となる。したがって、太陽電池11の出力を抑制することに起因する、発電効率の低下を防止できる。
【0060】
また、電力供給システム1においては、太陽電池11で発電された電力を交流負荷120へ供給する場合に、電力変換装置40を介して供給する。このため、例えばAC-DCコンバータ14の代わりに双方向AC-DCコンバータを採用し、第1のDC-DCコンバータ11aおよび双方向AC-DCコンバータを介して交流負荷120へ電力を供給する場合と比較して、電力を変換する過程における電力の損失が小さくなる。したがって、太陽電池11から交流負荷120への電力の供給の効率を向上させることができる。
【0061】
また、電力供給システム1においては、太陽電池11で発電された電力を、SOC、および太陽電池11の発電量に応じて、直流負荷110または交流負荷120へ供給できる。換言すれば、直流給配電系統10および交流給配電系統20が、太陽電池11を共有していると言える。したがって、例えば直流給配電系統10および交流給配電系統20が別個に太陽電池を備えるシステムと比較して、設備数(すなわちコスト)を低減できる。
【0062】
また、上述したとおり、電力供給システム1は、直流負荷110から商用電源100へ流れる電流を遮断するためのダイオードを備え、商用電源100との連系を片方向連系としている。ダイオードのコストは、AC-DCコンバータ14を双方向コンバータとするコストと比較して安価である。したがって、上記の構成によれば、商用電源100との連系を双方向連系とする場合と比較して、電力供給システム1のコストを低減できる。
【0063】
また、電力供給システム1においては、蓄電池12を小容量とした場合には、蓄電池12を大容量とした場合と比較して余剰電力が生じやすくなる。しかし、上記のとおり、電力供給システム1においては、余剰電力が生じた場合には、太陽電池11で発電された電力を交流負荷120へ供給できる。このため、余剰電力が生じても電力供給システム1の運用には支障が生じない。したがって、蓄電池12を小容量とすることで、電力供給システム1のコストを低減できる。
【0064】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置50(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御装置50に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0065】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0066】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0067】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0068】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0069】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1 電力供給システム
10 直流給配電系統
11 太陽電池
11a 第1のDC-DCコンバータ
12 蓄電池
12a 第2のDC-DCコンバータ
14 AC-DCコンバータ
15 直流母線
20 交流給配電系統
21 交流母線
40 電力変換装置
50 制御装置
51 SOC判定部(充電率判定部)
53 発電量判定部
54 給電制御部(交流負荷給電制御部)