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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023083985
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】非接触型データ受送信体
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230609BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20230609BHJP
   H01Q 19/02 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
G06K19/077 156
G06K19/077 296
G06K19/077 280
H01Q9/16
H01Q19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198025
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】梅津 駿
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 仁
(72)【発明者】
【氏名】水沼 義博
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020BC10
5J020BD03
5J020DA02
(57)【要約】
【課題】アンテナに外力が加えられてもアンテナに破損が生じにくい非接触型データ受送信体を提供する。
【解決手段】RFIDタグ10は、基板と、第2アンテナと、外装体3とを備える。外装体3は、主面31aを有する本体部31と、対向面32aを有する蓋部32とを備える。主面31aと対向面32aとの間に、本体部31および蓋部32に接近および離間する方向に傾動する第2アンテナを受け入れる受容空間50が形成されている。受容空間50は、側端縁31b,32bに向かって本体部31の内面35aと、蓋部32の内面45aとの離間距離が大きくなる形状である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDチップ、および前記RFIDチップに接続された第1アンテナが設けられた基板と、
前記基板とは別体とされた第2アンテナと、
前記基板を保持する基板保持部、および前記第2アンテナを保持するアンテナ保持溝が形成された外装体と、
を備え、
前記第2アンテナは、
前記アンテナ保持溝に保持され、前記第1アンテナに電磁界結合される電磁界結合部と、
前記電磁界結合部の端部から延び、前記外装体の側端縁から外に延出する延出部と、を備え、
前記外装体は、
前記基板保持部および前記アンテナ保持溝が形成された主面を有する本体部と、
前記主面に対向する対向面を有し、前記主面を覆う蓋部と、を備え、
前記主面と前記対向面との間に、前記本体部および前記蓋部に接近および離間する方向に傾動する前記第2アンテナを受け入れる受容空間が形成され、
前記受容空間は、前記側端縁に向かって前記本体部の内面と前記蓋部の内面との離間距離が大きくなる形状である、
非接触型データ受送信体。
【請求項2】
前記受容空間は、前記第2アンテナが傾動する際の最大可動角度が4度~12度になるように形成されている、請求項1記載の非接触型データ受送信体。
【請求項3】
前記受容空間の前記内面は、前記側端縁に向かって傾斜角度が大きくなるように湾曲している、請求項1または2に記載の非接触型データ受送信体。
【請求項4】
前記受容空間は、前記外装体の一方および他方の前記側端縁を通る第1方向に直交する断面が閉図形をなす、請求項1~3のうちいずれか1項に記載の非接触型データ受送信体。
【請求項5】
前記本体部および前記蓋部に、前記本体部および前記蓋部に接近および離間する方向に傾動する前記第2アンテナを受け入れる切欠きが形成されている、請求項1~4のうちいずれか1項に記載の非接触型データ受送信体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型データ受送信体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、流通管理などを目的として、RFID(Radio Frequency IDentification)タグが用いられている。RFIDタグは、例えば、RFIDチップと、アンテナとを備える(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6399313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のRFIDタグは、設置対象となる物品に変形が生じることなどにより、アンテナに外力が加えられる可能性がある。そのため、アンテナに外力が加えられてもアンテナが破損しにくい非接触型データ受送信体が求められている。
【0005】
本発明の一態様は、アンテナに外力が加えられてもアンテナに破損が生じにくい非接触型データ受送信体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、RFIDチップ、および前記RFIDチップに接続された第1アンテナが設けられた基板と、前記基板とは別体とされた第2アンテナと、前記基板を保持する基板保持部、および前記第2アンテナを保持するアンテナ保持溝が形成された外装体と、を備え、前記第2アンテナは、前記アンテナ保持溝に保持され、前記第1アンテナに電磁界結合される電磁界結合部と、前記電磁界結合部の端部から延び、前記外装体の側端縁から外に延出する延出部と、を備え、前記外装体は、前記基板保持部および前記アンテナ保持溝が形成された主面を有する本体部と、前記主面に対向する対向面を有し、前記主面を覆う蓋部と、を備え、前記主面と前記対向面との間に、前記本体部および前記蓋部に接近および離間する方向に傾動する前記第2アンテナを受け入れる受容空間が形成され、前記受容空間は、前記側端縁に向かって前記本体部の内面と前記蓋部の内面との離間距離が大きくなる形状である、非接触型データ受送信体を提供する。
【0007】
前記受容空間は、前記第2アンテナが傾動する際の最大可動角度が4度~12度になるように形成されていることが好ましい。
【0008】
前記受容空間の前記内面は、前記側端縁に向かって傾斜角度が大きくなるように湾曲していることが好ましい。
【0009】
前記受容空間は、前記外装体の一方および他方の前記側端縁を通る第1方向に直交する断面が閉図形をなすことが好ましい。
【0010】
前記非接触型データ受送信体では、前記本体部および前記蓋部に、前記本体部および前記蓋部に接近および離間する方向に傾動する前記第2アンテナを受け入れる切欠きが形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、アンテナに外力が加えられてもアンテナに破損が生じにくい非接触型データ受送信体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(A)第1実施形態に係るRFIDタグの平面図である。(B)第1実施形態に係るRFIDタグの正面図である。
図2】第1実施形態に係るRFIDタグの斜視図である。
図3】外装体の蓋部を開いた状態のRFIDタグの斜視図である。
図4】第1実施形態に係るRFIDタグの分解斜視図である。
図5】第1実施形態に係るRFIDタグの一部断面図である。
図6】(A)第1実施形態に係るRFIDタグを模式的に示す平面図である。(B)第1実施形態に係るRFIDタグを模式的に示す正面図である。(C)第1実施形態に係るRFIDタグを模式的に示す側面図である。
図7】(A)第1実施形態に係るRFIDタグにおける第2アンテナの第1傾斜姿勢を説明する図である。(B)第1実施形態に係るRFIDタグにおける第2アンテナの第2傾斜姿勢を説明する図である。
図8】(A)第2実施形態に係るRFIDタグを模式的に示す平面図である。(B)第2実施形態に係るRFIDタグを模式的に示す正面図である。
図9】(A)第2実施形態に係るRFIDタグにおける第2アンテナの第1傾斜姿勢を説明する図である。(B)第2実施形態に係るRFIDタグにおける第2アンテナの第2傾斜姿勢を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[非接触型データ受送信体](第1実施形態)
図1(A)は、第1実施形態に係る非接触型データ受送信体10の平面図である。非接触型データ受送信体は「RFIDタグ」ということがある。図1(B)は、RFIDタグ10の正面図である。図2は、RFIDタグ10の斜視図である。図3は、外装体3の蓋部32を開いた状態のRFIDタグ10の斜視図である。図4は、RFIDタグ10の分解斜視図である。図5は、RFIDタグ10の一部断面図である。図5は、図2のI-I断面図である。
【0014】
図1(A)、図1(B)および図2に示すように、RFIDタグ10は、基板1と、第2アンテナ2と、外装体3とを備える。
外装体3の主面31a(図3参照)の長手方向(図1(A)における左右方向)をX方向という。X方向のうち一方向(図1(A)における右方向)を+X方向という。X方向のうち他方向(図1(A)における左方向)を-X方向という。外装体3の主面31a(図3参照)の短手方向をY方向という。Y方向は、主面31aに沿う面内においてX方向に直交する。Y方向のうち一方向(図1(A)における上方向)を+Y方向という。Y方向のうち他方向(図1(A)における下方向)を-Y方向という。外装体3の主面31aに直交する方向をZ方向という。Z方向は、X方向およびY方向に直交する。
【0015】
「X方向の外方」は本体部31の一方の側端縁31bと他方の側端縁31bとが互いに離れる方向(例えば、X方向の中央から側端縁31b,31bに向かう方向)である。 「X方向の内方」は本体部31の一方の側端縁31bと他方の側端縁31bとが互いに近づく方向(例えば、側端縁31b,31bからX方向の中央に向かう方向)である。Z方向から見ることを平面視という。X方向から見ることを側面視という。Z軸とは、Z方向に沿う中心軸である。X方向およびY方向に沿う平面をXY平面という。Y方向およびZ方向に沿う平面をYZ平面という。X方向およびZ方向に沿う平面をXZ平面という。X方向は、外装体3の一方の側端縁31b,32bと、他方の側端縁31b,32bとを結ぶ第1方向である。Z方向は、主面31aに直交する第2方向である。
【0016】
図3に示すように、基板1は、RFIDチップ11と、第1アンテナ12と、基材13とを備える。
【0017】
基材13は、板状に形成されている。平面視における基材13の形状は、特に限定されないが、少なくとも外周縁13aの一部が湾曲形状であることが好ましい。湾曲形状は、例えば、楕円弧状、円弧状、高次曲線状(例えば二次曲線状)などである。高次曲線状は、放物線状、双曲線状などである。平面視における基材13の外形は、例えば、楕円形状、円形状、長円形状(レーストラック形状)などであってよい。平面視における基材13の外形は、非円形状が望ましい。
本実施形態では、基材13は、楕円形状とされている。基材13は、長径方向をX方向に向けた姿勢とされている。基材13としては、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミックス基板、プラスチックフィルムなどが使用できる。
【0018】
RFIDチップ11は、第1アンテナ12および第2アンテナ2を介して非接触にて情報の書き込みおよび読み出しが可能である。RFIDチップ11は、基材13に実装されている。
【0019】
第1アンテナ12は、例えば、基材13の一方の面に形成された導電層である。導電層は、例えば、導電性箔、メッキ層、導電インク層などで構成される。導電性箔は、例えば、銅、銀、金、白金、アルミニウムなどで構成される金属箔である。導電性箔は、エッチングなどによって所定の形状に形成される。メッキ層は、例えば、銅、銀、金、白金、アルミニウムなどの金属で構成される。導電インク層は、導電インクを用いて印刷などにより形成される。導電インクは、金属、カーボン材料などで形成される導電性粒子を含む。
【0020】
第1アンテナ12は、ループ状に形成されている。第1アンテナ12は、例えば、基材13の外周縁13aに沿う湾曲形状を有する。本実施形態では、第1アンテナ12は、楕円形状のループ状に形成されている。第1アンテナ12は、RFIDチップ11に電気的に接続されている。
【0021】
第2アンテナ2は、ブースター用のアンテナである。第2アンテナ2は、例えば、線状体である。第2アンテナ2は、例えば、スチール、ステンレス鋼、銅、銅合金などの金属で形成されている。第2アンテナ2は、例えば、真鍮メッキ鋼線で形成することができる。第2アンテナ2は、基板1とは別体とされている。
なお、本実施形態における第2アンテナ2は線状体であるが、第2アンテナの形状は特に限定されない。第2アンテナは、例えば、板状体であってもよい。
【0022】
第2アンテナ2は、電磁界結合部21と、一対の延出部22とを備える。
電磁界結合部21は、湾曲形状を有する。「湾曲形状」とは、急峻な屈曲部がなく、滑らかに曲がる形状である。湾曲形状としては、例えば、楕円弧状、円弧状、高次曲線状(例えば二次曲線状)などがある。「高次曲線状」としては、放物線状、双曲線状などがある。本実施形態では、電磁界結合部21は、半楕円形状とされている。詳しくは、電磁界結合部21は、楕円形の一方の頂点(長軸上の頂点)から他方の頂点(長軸上の頂点)に至る半楕円形状である。
【0023】
電磁界結合部21は、平面視において、基板1の少なくとも一部を囲む形状とされる。本実施形態では、電磁界結合部21は、楕円形状の基板1の一方の頂点(長軸上の頂点)から他方の頂点(長軸上の頂点)に至る範囲(+Y方向側の半周範囲)を囲む。
【0024】
電磁界結合部21は、平面視において、第1アンテナ12の外周縁12aに沿う湾曲形状(例えば、楕円弧状)とされている。電磁界結合部21と外周縁12aとの離間距離は、ほぼ一定である。電磁界結合部21は、平面視において、基板1の外周縁13aの外側に、外周縁13aに近接して位置する。電磁界結合部21は、平面視において、外周縁13aに沿う形状とされる。電磁界結合部21と外周縁13aとの離間距離は、ほぼ一定である。
【0025】
電磁界結合部21は、非接触で第1アンテナ12と電磁界結合する。電磁界結合とは、例えば、電界結合と磁界結合のうち一方である。電磁界結合部21の長さ方向に直交する断面の形状は、例えば、円形状である(図5参照)。
【0026】
一対の延出部22は、電磁界結合部21の一方および他方の端部21aからそれぞれ延出する。
一対の延出部22のうち一方である第1延出部22A(図1(A)参照)は、電磁界結合部21の-X方向の端部21aから、蛇行しつつ-X方向に延出する。一対の延出部22のうち他方である第2延出部22B(図1(A)参照)は、電磁界結合部21の+X方向の端部21aから、蛇行しつつ+X方向に延出する。
【0027】
延出部22の平面視形状は、メアンダ(蛇行)形状である。
図4に示すように、延出部22は、複数の直線部23と、複数の折り返し部24とを備える。直線部23は、Y方向に沿う直線状とされている。複数の直線部23は、X方向に間隔をおいて並行して配置されている。複数の直線部23は、互いに同じ長さである。
折り返し部24は、隣り合う直線部23の端部どうしを連結する。詳しくは、折り返し部24は、隣り合う直線部23の一方および他方の端部どうしを交互に連結する。折り返し部24は、湾曲形状(例えば、円弧形状)を有する。
【0028】
複数の直線部23のうち最も電磁界結合部21に近い直線部23を「第1直線部23A」という。複数の直線部23のうち2番目に電磁界結合部21に近い直線部23を「第2直線部23B」という。複数の直線部23のうち3番目に電磁界結合部21に近い直線部23を「第3直線部23C」という。複数の直線部23のうちn番目(nは1以上の整数)に電磁界結合部21に近い直線部23を「第n直線部23」という。
【0029】
第1直線部23Aと第2直線部23Bとを連結する折り返し部24を「第1折り返し部24A」という。第2直線部23Bと第3直線部23Cとを連結する折り返し部24を「第2折り返し部24B」という。第m直線部23(mは1以上の整数)と第m+1直線部23とを連結する折り返し部24を「第m折り返し部24」という。
【0030】
第1直線部23Aは、電磁界結合部21の端部21aから-Y方向に延出する。第1折り返し部24Aは、第1直線部23Aの-Y方向の端部から湾曲して延び、第2直線部23Bの-Y方向の端部に達する。第1折り返し部24Aは、第1直線部23Aと第2直線部23Bとの一方の端部(-Y方向の端部)どうしを連結する。第2折り返し部24Bは、第2直線部23Bと第3直線部23Cとの他方の端部(+Y方向の端部)どうしを連結する。第p折り返し部24(pは奇数)は、第p直線部23と第p+1直線部23との一方の端部(-Y方向の端部)どうしを連結する。第q折り返し部24(qは偶数)は、第q直線部23と第q+1直線部23との他方の端部(+Y方向の端部)どうしを連結する。
【0031】
延出部22のうち、例えば、第1直線部23Aと、第1折り返し部24Aと、第2直線部23Bと、第2折り返し部24Bの一部とは外装体3内にあるが、延出部22のそれ以外の部分は、外装体3の側端縁31b,32bから外装体3の外に延出している(図3図4参照)。
なお、延出部22は、一部が外装体3の内部に配置されればよい。
【0032】
図2に示すように、外装体3は、板状の本体部31と、板状の蓋部32と、連結部41と、を備える。外装体3は、全体として板状とされている。本体部31、蓋部32および連結部41は、例えば、樹脂で形成される。樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニルなどのポリフッ化エチレン系樹脂;ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂等が挙げられる。
【0033】
本体部31、蓋部32および連結部41は、一体に形成されている。そのため、蓋部32は、連結部41を介して本体部31に一体に形成されている。外装体3は、圧縮成形、射出成形などで作製することができる。
【0034】
図4に示すように、本体部31は、平面視において矩形状とされている。本体部31の一方の面である主面31aには、基板保持凹部37(基板保持部)と、アンテナ保持溝34と、一対の収容凹所35とが形成されている。基板保持凹部37は、基板保持凸部33によって形成される。基板保持凹部37は、基板保持凸部33によって囲まれた凹部である。
【0035】
基板保持凸部33は、環状のリブ状突起である。基板保持凸部33は、基板1の外周縁13aに沿う湾曲形状(例えば、楕円形状)とされている。基板保持凸部33は、主面31aから+Z方向に突出する。基板保持凸部33の長さ方向に直交する断面の形状は、例えば矩形状である。基板保持凸部33は、平面視において、第1アンテナ12の外周縁12aに沿う湾曲形状(例えば、楕円形状)とされている。
【0036】
基板保持凹部37は、基板1を保持する。基板保持凹部37は、基板1の外周縁13aに沿う形状(例えば、楕円形状)とされている。基板保持凹部37の内形寸法(内径)は、基板1の外形寸法(外径)とほぼ同じ、または基板1の外形寸法(外径)よりわずかに大きい。基板保持凹部37は、平面視において基板1と相似形である。
【0037】
基板1および基板保持凹部37は、非円形状(例えば、楕円形状)であると、基板1がZ軸周りに傾斜するのを規制し、基板1の正しい姿勢を保つことができる。そのため、第1アンテナ12と電磁界結合部21との電磁界結合を維持することができる。
【0038】
アンテナ保持溝34は、第2アンテナ2の電磁界結合部21を収容する(図3および図5参照)。
アンテナ保持溝34は、基板保持凸部33の外側に、基板保持凸部33に近接して形成されている。アンテナ保持溝34は、平面視において、基板保持凸部33に沿う形状とされる。アンテナ保持溝34は、平面視において、第1アンテナ12の外周縁12aに沿う湾曲形状(例えば、楕円弧状)とされている。アンテナ保持溝34は、平面視において、基板1の外周縁13aに沿う湾曲形状(例えば、楕円弧状)とされている。
アンテナ保持溝34は、平面視において、半楕円形状とされている。詳しくは、アンテナ保持溝34は、楕円形の一方の頂点(長軸上の頂点)から他方の頂点(長軸上の頂点)に至る半楕円形状である。
【0039】
アンテナ保持溝34は、平面視において、基板1の少なくとも一部を囲む形状とされる。本実施形態では、アンテナ保持溝34は、楕円形状の基板1の一方の頂点(長軸上の頂点)から他方の頂点(長軸上の頂点)に至る範囲(+Y方向側の半周範囲)を囲む。
【0040】
図5に示すように、アンテナ保持溝34の長さ方向に直交する断面は、例えば、矩形状である。アンテナ保持溝34の幅(内形寸法)W1は、電磁界結合部21の外径(外形寸法)D1より大である。幅W1と外径D1との差は、例えば、0.01mm~1mm(好ましくは0.05mm~0.2mm)とすることができる。
アンテナ保持溝34の幅W1が電磁界結合部21の外径D1より大であるため、電磁界結合部21は、線径方向(例えば、Y方向)に変位可能な状態でアンテナ保持溝34に収容される。「線径方向」は、電磁界結合部21の長さ方向に直交する方向である。電磁界結合部21は、アンテナ保持溝34に対して長さ方向にも変位可能である。
【0041】
アンテナ保持溝34の深さは、アンテナ保持溝34の底面34aから蓋部32(天面38a)までの高さ(内形寸法)H1が、電磁界結合部21の外径D1より大となるように定められる。高さH1と外径D1との差は、例えば、0.01mm~1mm(好ましくは0.05mm~0.2mm)とすることができる。
アンテナ保持溝34の高さH1が電磁界結合部21の外径D1より大であるため、電磁界結合部21は、線径方向(例えば、Z方向)に変位可能な状態でアンテナ保持溝34に収容される。
【0042】
図4に示すように、一対の収容凹所35は、それぞれ、主面31aの一方および他方の側部に形成されている。収容凹所35は、アンテナ保持溝34に連通して(すなわち、アンテナ保持溝34に連なって)形成されている。収容凹所35は、平面視において本体部31の側端縁31bの少なくとも一部を含む領域に形成されている。側端縁31bは、平面視において、延出部22が外装体3から外に出る端縁である。言い換えれば、延出部22は、側端縁31bから外装体3の外に延出する。
【0043】
図6(A)は、RFIDタグ10を模式的に示す平面図である。図6(B)は、RFIDタグ10を模式的に示す正面図である。図6(C)は、RFIDタグ10を模式的に示す側面図である。
【0044】
図4および図6(B)に示すように、収容凹所35は、側端縁31bに近づくほど主面31aからの深さを増す凹部である。すなわち、収容凹所35は、X方向の外方に徐々に深さを増す凹部である。この形状の収容凹所35により、第2アンテナ2は、傾斜姿勢をとりやすくなる(図7(A)および図7(B)参照)。収容凹所35の内面35aは、側端縁31bに向かって蓋部32の対向面32aに対する離間距離が大きくなる。
【0045】
図6(B)に示すように、収容凹所35の内面35a(底面)は、X方向の外方に行くほど主面31aに対する傾きを増す湾曲形状(湾曲凸状)であってよい。収容凹所35のXZ平面に沿う断面の形状は、例えば、楕円弧状、円弧状などである。なお、内面35a(底面)のXZ平面に沿う断面の形状は湾曲凸状に限らず、直線状であってもよい。
【0046】
図6(A)に示すように、平面視における収容凹所35の形状は、例えば、X方向の外方に徐々に幅(Y方向の寸法)を増す拡張形状であってよい。なお、平面視における収容凹所35の形状は拡張形状に限らず、幅(Y方向の寸法)が一定でもよい。
図6(C)に示すように、側面視における収容凹所35の形状は、例えば、湾曲形状(湾曲凹状)であってよい。側面視における収容凹所35の形状は、例えば、半長円形状、楕円弧状、円弧状などであってよい。なお、側面視における収容凹所の形状は湾曲凹状に限らず、矩形状であってもよい。
【0047】
図4に示すように、本体部31の+Y方向の端縁31cには、X方向に位置を違えて2つの係止凹部39が形成されている。
【0048】
図2に示すように、蓋部32は、平面視において矩形状とされている。蓋部32は、平面視において本体部31と同形とされている。蓋部32は、閉じた状態にあるとき、本体部31の主面31aに対向する。蓋部32は、閉じた状態にあるとき、平面視において本体部31の主面31aに重なる。
【0049】
図5に示すように、蓋部32の対向面32aは、閉じた状態において本体部31の主面31aに対向する面である。
対向面32aには、位置決め溝38と、一対の収容凹所45(図4参照)が形成されている。位置決め溝38は、例えば、環状の溝である。位置決め溝38の長さ方向に直交する断面の形状は、例えば矩形状である。
【0050】
位置決め溝38は、基板保持凸部33およびアンテナ保持溝34に応じた湾曲形状(例えば、楕円形状)とされている。位置決め溝38は、平面視において、基板保持凸部33およびアンテナ保持溝34を一括して包含する幅を有する。位置決め溝38の天面38aの一部は、アンテナ保持溝34の底面34aに対向する。
【0051】
図4に示すように、収容凹所45は、それぞれ、対向面32aの一方および他方の側部に形成されている。収容凹所45は、位置決め溝38(図5参照)に連通して(すなわち、位置決め溝38に連なって)形成されている。収容凹所45は、平面視において蓋部32の側端縁32bの少なくとも一部を含む領域に形成されている。側端縁32bは、平面視において、延出部22が外装体3から外に出る端縁である。すなわち、延出部22は、側端縁32bから外装体3の外に延出する。
【0052】
図4および図6(B)に示すように、収容凹所45は、側端縁32bに近づくほど対向面32aからの深さを増す凹部である。すなわち、収容凹所45は、X方向の外方に徐々に深さを増す凹部である。この形状の収容凹所45により、第2アンテナ2は、傾斜姿勢をとりやすくなる(図7(A)および図7(B)参照)。収容凹所45の内面45aは、側端縁32bに向かって本体部31の主面31aに対する離間距離が大きくなる。
【0053】
図6(B)に示すように、収容凹所45の内面45a(底面)は、X方向の外方に行くほど対向面32aに対する傾きを増す湾曲形状(湾曲凸状)であってよい。収容凹所45のXZ平面に沿う断面の形状は、例えば、楕円弧状、円弧状などである。
なお、内面45a(底面)のXZ平面に沿う断面の形状は湾曲凸状に限らず、直線状であってもよい。
【0054】
図6(A)に示すように、平面視における収容凹所45の形状は、例えば、X方向の外方に徐々に幅(Y方向の寸法)を増す拡張形状であってよい。なお、平面視における収容凹所45の形状は拡張形状に限らず、幅(Y方向の寸法)が一定でもよい。
図6(C)に示すように、側面視における収容凹所45の形状は、例えば、湾曲形状(湾曲凹状)であってよい。側面視における収容凹所45の形状は、例えば、半長円形状、楕円弧状、円弧状などであってよい。なお、側面視における収容凹所45の形状は湾曲凹状に限らず、矩形状であってもよい。
【0055】
本体部31の収容凹所35と、蓋部32の収容凹所45とは向かい合っている。収容凹所35と収容凹所45とは、受容空間50を形成する。受容空間50は、側端縁31b,32bに向かって内面35aと内面45aとの離間距離が徐々に大きくなる空間である。受容空間50は、本体部31および蓋部32に接近および離間する方向に傾動する第2アンテナ2を受け入れることができる(図7(A)および図7(B)参照)。
【0056】
受容空間50の、X方向(第1方向)に直交する断面(YZ断面)は閉図形をなす。本実施形態では、受容空間50のYZ断面は、2つの湾曲凹形を向かい合わせて形成された閉図形をなす。受容空間50のYZ断面形状は、例えば、長円形状、楕円形状などであってよい。受容空間50のYZ断面形状は、矩形状であってもよい。
【0057】
受容空間50のYZ断面が閉図形をなすことによって、XY平面内の第2アンテナ2の傾動を規制することができる。そのため、基板1に対する第2アンテナ2の姿勢を安定させることができる。よって、電磁界結合部21と第1アンテナ12との距離を適正にすることができる。
【0058】
収容凹所35,45はY方向に十分な距離があるため、側端縁31b,32bには、Y方向に延びるスリット状の側端開口36(図2参照)が形成される。側端開口36は、側端縁31b,32bに形成された受容空間50の開口である。側端開口36の厚さ方向(Z方向)の寸法は、延出部22の線径より大きいことが好ましい。第2アンテナ2(詳しくは、延出部22)は、側端開口36を通して外装体3の外に延出している。
【0059】
図6(B)に示すように、アンテナ保持溝34の内面は、収容凹所35と滑らかに連続する湾曲凸形状(例えば、楕円弧状)であることが好ましい。位置決め溝38の内面は、収容凹所45と滑らかに連続する湾曲凸形状(例えば、楕円弧状)であることが好ましい。
【0060】
収容凹所35は側端縁31bに近づくほど深さを増す形状であるため、本体部31の主面31aは、側端縁31bに向かって対向面32aとの離間距離が大きくなる領域(内面35a)を有する。収容凹所45は側端縁32bに近づくほど深さを増す形状であるため、蓋部32の対向面32aは、側端縁32bに向かって主面31aとの離間距離が大きくなる領域(内面45a)を有する。
【0061】
本実施形態では、主面と対向面の両方が、側端縁に向かって互いの離間距離が大きくなる領域を有するが、前記領域の構成はこれに限定されない。前記領域は、主面と対向面のうち少なくとも一方にあればよい。例えば、主面と対向面のうち一方のみに、側端縁に向かって互いの離間距離が大きくなる領域が形成されていてもよい。詳しくは、外装体は、本体部の主面に収容凹所が形成され、かつ蓋部の対向面に収容凹所が形成されていない構成も可能である。外装体は、本体部の主面に収容凹所が形成されておらず、かつ蓋部の対向面に収容凹所が形成されている構成も可能である。
【0062】
図2および図3に示すように、蓋部32の+Y方向の端縁32cには、X方向に位置を違えて2つの係止凸部40が形成されている。
係止凸部40は、先端に係止爪部(図示略)が形成されている。係止凸部40は、本体部31の係止凹部39(図3参照)に挿入される。係止凸部40の係止爪部は、本体部31に係止する。これにより、蓋部32は、本体部31に結合される。
【0063】
連結部41は、シート状または板状に形成されている。連結部41は、本体部31の-Y方向の端縁31dと、蓋部32の-Y方向の端縁32dとを連結する。連結部41は、厚さ方向の曲げ弾性を有する。蓋部32は、連結部41の弾性的な曲げによって主面31aを開閉自在に覆う(図2および図3参照)。連結部41は、曲げ弾性によって、主面31aを開放する方向の大きな弾性反発力を本体部31および蓋部32に加える。連結部41は、例えば、本体部31および蓋部32より薄く形成されている。
【0064】
蓋部32が開いた状態(図3参照)にあるときには、本体部31の主面31aは開放される。
蓋部32が閉じた状態(図2参照)にあるときには、蓋部32は本体部31の主面31aに重ねられ、Z方向から見て主面31aを覆う。図2に示す状態では、連結部41は、折り曲げられている。蓋部32の係止凸部40が本体部31の係止凹部39に係止することによって、外装体3は、蓋部32が閉じた状態に維持される。
【0065】
外装体3は、第2アンテナ2に対して固定されていない。すなわち、外装体3は、第2アンテナ2に対して非固定である。
【0066】
図1(A)および図1(B)に示すように、第2アンテナ2について、基準線L1を規定する。基準線L1は、複数の直線部23の長さ方向の中点を通る線である。
図1(B)に示すように、第2アンテナ2は、外装体3に対して変位可能である。第2アンテナ2は、基本姿勢P1と、第1傾斜姿勢P2と、第2傾斜姿勢P3とをとり得る。第2アンテナ2は、基本姿勢P1と第1傾斜姿勢P2との中間の姿勢をとることもできる。第2アンテナ2は、基本姿勢P1と第2傾斜姿勢P3との中間の姿勢をとることもできる。
【0067】
基本姿勢P1は、基準線L1がX方向に沿う姿勢である。
第1傾斜姿勢P2は、第2アンテナ2が基本姿勢P1に対してXZ面内で左回りに回動し、図1(B)において基準線L1が左下がりとなるように傾斜した姿勢である。第1傾斜姿勢P2は、第2アンテナ2が最も左回り変位した姿勢である。
【0068】
図7(A)に示すように、第1傾斜姿勢P2をとる第2アンテナ2の一部は、受容空間50に受け入れられる。第1傾斜姿勢P2においては、第2アンテナ2の一部が外装体3の一部に当接し、左回り回動が規制される。基本姿勢P1から第1傾斜姿勢P2への姿勢変化は、本体部31および蓋部32に接近および離間する方向の第2アンテナ2の傾動である。
【0069】
第1傾斜姿勢P2は、例えば、延出部22の一部が収容凹所35,45の内面に当接して、左回り回動が規制された姿勢である。第1傾斜姿勢P2は、電磁界結合部21がアンテナ保持溝34および位置決め溝38の内面に当接して左回り回動が規制された姿勢であってもよい。
【0070】
第2傾斜姿勢P3は、第2アンテナ2が基本姿勢P1に対して右回りに回動し、図1(B)において基準線L1が右下がりとなるように傾斜した姿勢である。第2傾斜姿勢P3は、第2アンテナ2が最も右回り変位した姿勢である。
【0071】
図7(B)に示すように、第2傾斜姿勢P3をとる第2アンテナ2の一部は、受容空間50に受け入れられる。第2傾斜姿勢P3においては、第2アンテナ2の一部が外装体3の一部に当接し、右回り回動が規制される。基本姿勢P1から第2傾斜姿勢P3への姿勢変化は、本体部31および蓋部32に接近および離間する方向の第2アンテナ2の傾動である。
【0072】
第2傾斜姿勢P3は、例えば、延出部22の一部が収容凹所35,45の内面に当接して、右回り回動が規制された姿勢である。第2傾斜姿勢P3は、電磁界結合部21がアンテナ保持溝34および位置決め溝38の内面に当接して右回り回動が規制された姿勢であってもよい。
【0073】
基本姿勢P1から第1傾斜姿勢P2に移行する第2アンテナ2の動作は、Y方向に沿う回動軸A1(図1(B)参照)の周りに回動する動作といえる。基本姿勢P1から第2傾斜姿勢P3に移行する第2アンテナ2の動作も、回動軸A1の周りに回動する動作といえる。回動軸A1は、例えば、平面視において、基板1の中心を通る。回動軸A1は、例えば、平面視において外装体3のX方向中央を通る。
【0074】
基本姿勢P1における基準線L1に対する第1傾斜姿勢P2における基準線L1の傾斜角度、および、基本姿勢P1における基準線L1に対する第2傾斜姿勢P3における基準線L1の傾斜角度を「θ」という。θは、例えば、2度~6度であってよい。そのため、第2アンテナ2が回動軸A1の周りに回動する際の最大の可動角度(最大可動角度)は、傾斜角度θの2倍、すなわち、4度~12度が好ましい。
【0075】
最大可動角度(2θ)が4度以上であると、第2アンテナ2に外力が作用した場合に、第2アンテナ2はその外力に応じて変位可能となる。そのため、延出部22の基端部分における応力集中を抑制できる。よって、例えば、延出部22の基端部分の破損は起こりにくい。
最大可動角度(2θ)が12度以下であると、基板1に対する第2アンテナ2の姿勢を安定させることができるため、電磁界結合部21と第1アンテナ12との距離は適正となる。よって、電磁界結合部21と第1アンテナ12との電磁界結合は良好となる。
【0076】
RFIDタグ10は、設置対象となる物品に設置することができる。RFIDタグ10は、物品の表面に設置してもよいし、物品に埋設してもよい。例えば、物品に変形が生じた場合、第2アンテナ2に、外力が作用する可能性がある。例えば、延出部22に、回動軸A1の周りに回動する方向の外力が作用することが考えられる。延出部22に、X方向に沿って外装体3から離れる方向の引張力が作用することも考えられる。延出部22には、X方向に沿って外装体3に近づく方向の外力が作用することも考えられる。
【0077】
[第1実施形態のRFIDタグが奏する効果]
RFIDタグ10では、外装体3の主面31aと対向面32aとの間に、傾動する第2アンテナ2を受け入れる受容空間50(図6(B)参照)が形成されているため、延出部22に外力が作用した場合に、第2アンテナ2はその外力に応じて傾動可能となる。そのため、延出部22の基端部分における応力集中を抑制できる。よって、第2アンテナ2(例えば、延出部22の基端部分)の破損は起こりにくい。
これに対し、第2アンテナ2が外装体3に固定されている場合には、第2アンテナ2に外力が作用すると、延出部22の基端部分に応力が集中し、この箇所で第2アンテナ2に破損が起こりやすくなる可能性がある。
【0078】
受容空間50の内面35a,45aは、側端縁31b,32bに向けて傾斜角度が大きくなるように傾斜する湾曲面である。そのため、第2アンテナ2が当接する箇所における応力集中を抑制できる。よって、第2アンテナ2の破損は起こりにくい。
【0079】
第2アンテナ2の電磁界結合部21は、第1アンテナ12の外周縁12aに沿う形状を有するため、電磁界結合部21を第1アンテナ12に十分に電磁界結合させることができる。
アンテナ保持溝34は、第1アンテナ12の外周縁12aに沿って形成されているため、第2アンテナ2の電磁界結合部21を、第1アンテナ12に沿って配置することができる。よって、電磁界結合部21を第1アンテナ12に十分に電磁界結合させることができる。
【0080】
第2アンテナ2の電磁界結合部21は、湾曲形状(例えば、半楕円形状)を有するため、第2アンテナ2に外力が作用した場合でも、矩形状の場合に比べ、応力集中が生じにくい。よって、第2アンテナ2の破損を起こりにくくすることができる。
【0081】
[非接触型データ受送信体](第2実施形態)
図8(A)は、第2実施形態に係るRFIDタグ110を模式的に示す平面図である。図8(B)は、RFIDタグ110を模式的に示す正面図である。図6(A)および図6(B)に示す第1実施形態のRFIDタグ10との共通構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0082】
図8(A)および図8(B)に示すように、RFIDタグ110は、本体部31に一対の本体切欠き61が形成されている点、および、蓋部32に一対の蓋切欠き62が形成されている点で、図6(A)および図6(B)に示す第1実施形態のRFIDタグ10と異なる。本体切欠き61および蓋切欠き62は「切欠き」の例である。
【0083】
一対の本体切欠き61は、それぞれ、本体部31の一方および他方の側部に形成されている。本体切欠き61は、平面視において本体部31の側端縁31bの一部を含む領域に形成されている。本体切欠き61は、側端縁31bの一部に、X方向の内方に向かう凹状に形成されている。
本体切欠き61は、例えば、平面視において、X方向の内方に向けて幅が狭くなる台形状とされている。なお、平面視における本体切欠きの形状は特に限定されず、半円状、V字状、U字状などであってよい。
【0084】
図9(A)および図9(B)に示すように、本体切欠き61は、本体部31および蓋部32に接近および離間する方向に傾動する第2アンテナ2を受け入れることができる。
【0085】
図8(A)および図8(B)に示すように、一対の蓋切欠き62は、それぞれ、蓋切欠き62の一方および他方の側部に形成されている。蓋切欠き62は、平面視において蓋部32の側端縁32bの一部を含む領域に形成されている。蓋切欠き62は、側端縁32bの一部に、X方向の内方に向かう凹状に形成されている。
蓋切欠き62は、例えば、平面視において、X方向の内方に向けて幅が狭くなる台形状とされている。なお、平面視における蓋切欠きの形状は特に限定されず、半円状、V字状、U字状などであってよい。
本体切欠き61と蓋切欠き62とは同形とされている。本体切欠き61と蓋切欠き62とは平面視において重なる位置に形成されている。
【0086】
図9(A)および図9(B)に示すように、蓋切欠き62は、本体部31および蓋部32に接近および離間する方向に傾動する第2アンテナ2を受け入れることができる。
【0087】
[第2実施形態のRFIDタグが奏する効果]
RFIDタグ110では、外装体3の主面31aと対向面32aとの間に受容空間50(図8(B)参照)が形成されているため、延出部22に外力が作用した場合に、第2アンテナ2はその外力に応じて傾動可能となる。そのため、延出部22の基端部分における応力集中を抑制できる。よって、第2アンテナ2の破損は起こりにくい。
【0088】
RFIDタグ110では、本体部31に本体切欠き61が形成され、蓋部32に蓋切欠き62が形成されている。本体切欠き61および蓋切欠き62は、傾動する第2アンテナ2を受け入れ可能である。そのため、第2アンテナ2は、より大きく傾動可能となる。そのため、延出部22における応力集中を抑制できる。よって、第2アンテナ2の破損をさらに起こりにくくすることができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されない。
例えば、図3に示すように、実施形態のRFIDタグ10では、外装体3の本体部31と蓋部32とは連結されているが、本体部と蓋部とは別体であってもよい。
RFIDタグ10では、外装体3は、本体部31と蓋部32とを備えるが、外装体の構成は特に限定されない。例えば、外装体は、蓋部を備えていなくてもよい。
RFIDタグ10では、延出部22はメアンダ形状であるが、延出部の形状は特に限定されない。延出部は、例えば、直線状、矩形板状、矩形枠状などであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…基板、2…第2アンテナ、3…外装体、10,110…RFIDタグ(非接触型データ受送信体)、11…RFIDチップ、12…第1アンテナ、12a…外周縁、21…電磁界結合部、21a…端部、22…延出部、31…本体部、31a…主面、31b…側端縁、32…蓋部、32a…対向面、32b…側端縁、34…アンテナ保持溝、35,45…収容凹所、35a,45a…内面、37…基板保持凹部(基板保持部)、50…受容空間、61…本体切欠き(切欠き)、62…蓋切欠き(切欠き)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9