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特開2023-84058非鉄金属を用いて二酸化炭素又は一酸化炭素から炭素を分離する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084058
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】非鉄金属を用いて二酸化炭素又は一酸化炭素から炭素を分離する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/05 20170101AFI20230609BHJP
   C01G 9/02 20060101ALI20230609BHJP
   C01F 5/04 20060101ALI20230609BHJP
   C01F 7/422 20220101ALI20230609BHJP
【FI】
C01B32/05
C01G9/02 A
C01F5/04
C01F7/422
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021208725
(22)【出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】521558503
【氏名又は名称】ハルノ資源技術株式会社
(72)【発明者】
【氏名】細井 明
【テーマコード(参考)】
4G047
4G076
4G146
【Fターム(参考)】
4G047AA02
4G047AB01
4G076AA02
4G076AB16
4G076BA01
4G076BA09
4G076BA17
4G076BC01
4G076BC08
4G076BD02
4G146AA01
4G146AB01
4G146BA09
4G146BA48
4G146BC03
4G146BC08
4G146BC33B
4G146BC34B
4G146BC43
4G146JB09
(57)【要約】
【課題】この発明の課題は、
1.〔請求項1〕及び〔請求項2〕における金属酸化物と粉体カーボンの分分離装置が必要であるが、遠心力を利用する方式を選択したい。
2.〔請求項3~5〕それぞれの溶体中で分解される炭酸ガスとの反応において生成される粉状の金属酸化物と粉状のカーボンを反応容器外への反応後のガスと共に炉外に随伴できることの確認が未完である。
【解決手段】1.〔請求項1~2〕に対しては、カーボンの分離回収装置の設置が必要
2.〔請求項3~5〕については、反応効率が高く、反応生成物の分離回収に困難の少ない底吹き炉もしくは上吹き炉の選択が適切と考える。
3.請求項の反応における制御の要点として、一酸化炭素のガス分析技術又は装置を用いた反応系の監視と空気供給割合や量の制御が可能であり、一酸化炭素の発生防止等に特に重要なことである。
【選択図】図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜鉛蒸気と酸素もしくは酸素含有ガスを用いた炭酸ガスとの反応による炭素の分離回収と酸化亜鉛(亜鉛華)の回収の方法;
最も優位な反応を(1)式に記述した。
Zn(g)+1/4CO(g)+1/4O(g)=ZnO+1/4C・・・(1)
反応温度 800℃~1000℃ の範囲で,亜鉛蒸気と酸素もしくは酸素含有ガスを供給し、炭酸ガスと反応させてカーボン(粉体炭素;C)と酸化亜鉛;ZnO)を回収する反応である。この反応は発熱反応である。
反応データを図1に示す。
上記の反応以外に、生成物としてカーボンだけではなく、一酸化炭素が生成物となる反応も記述している。
(1)式の反応優位性を比較するためのその他の反応式と反応データを以下に示す。
まず、(1)式に類似した反応で、亜鉛蒸気と酸素富化比率変更時の炭酸ガスとの反応を(2)式に示す。
Zn(g)+1/3CO(g)+1/6O(g)=ZnO+1/3C・・・(2)
この反応データを図2に示す。
酸素を供給しない時の反応を(3)式に示す。
Zn(g)+1/2CO(g)=ZnO+1/2C・・・(3)
この反応データを図3に示す。
(3)式は、(1)式に酸素を供給しない時の一般的な反応式である。
次に、一酸化炭素の発生のある反応を(4)式に示す。
Zn(g)+CO(g)=ZnO+CO(g)・・・(4)
この反応データを図4に示す。
(4)式の反応は、亜鉛の揮発温度付近もしくはそれ以上の高温側の反応領域において亜鉛蒸気と炭酸ガスが反応し、酸化亜鉛(亜鉛華)と一酸化炭素を生成するものである。
(3)、(4)式の反応データを比較すると、800℃以上の反応平衡定数KのLog(K)値は(4)式の方が大きいため、一酸化炭酸発生型の反応が平衡状態からやや優位と判断され、(3)式の反応では、亜鉛華とカーボンの回収は難しい。
また、以下の(5)式には、酸化亜鉛に加え、一酸化炭素とカーボンが生成する反応を示す。
この反応データを図5に示す。
(5)の反応は、(1)式よりも炭酸ガス量の供給割合が大きく、酸素の供給量が少ない時の反応である
(1)、(2)、(5)式の反応データを比較すると、以下の結論が得られる。
(2)式と(5)式の反応データを比較すると、(2)式の反応平衡定数KのLog(K)値の比較から、(2)式の反応が優位であるが、950℃で考察すれば供給さした炭酸ガスに対して比較的高い濃度の一酸化炭素が反応後の排ガスに存在できると思われる。
(1)式のように炭酸ガスに対しての酸素使用比率を高めた時の反応データと(5)式の反応データを950℃にて比較すると、(1)式の反応平衡定数K値が(5)式K値の値よりも100倍近く大きいことが分かる。
このように、一酸化炭素の生成量をより少ない状態に維持できる条件として、酸素の供給を加え、亜鉛蒸気による効率の良い炭酸ガス分解プロセスを成立させた。
(1)式の反応で示したように酸素供給を行うことや、さらに供給率を高めることで、反応平衡定数K値を大きくすることができることを見出した。
反応温度については、沸点よりも低い温度では、亜鉛蒸気圧も低いため、亜鉛華及びカーボンの生成速度が低下することは明らかなので、温度別の亜鉛蒸気圧を確認するため、亜鉛蒸気圧表(温度と標準気圧)を図6に示す。
亜鉛の蒸気圧の比較的高くなる温度が反応上で望ましい温度と考えて、特許請求温度範囲を、「800℃~1,000℃」 とする。
(1)式で示したように酸素含有ガス(空気等を含む)の供給(以降、酸素富化時と記述する)を行なって、一酸化炭素の生成を抑えることが、炭酸ガスのカーボン分離と回収効率を高めるには最も重要な点である。
次に(1)式の熱バランスについて記述する。
(1)式の反応モル数を使用し、1,000℃での反応とした。
反応熱 Δ―80.6 Kcal/mol、顕熱等を含む熱バランスの計算例を図7に示す。酸素の供給を空気で行った際でも安定した反応が維持できる熱バランンスである。
空気を酸素供給ガスとする場合、窒素N(g)が含まれるが、主目的の亜鉛蒸気と炭酸ガス反応において窒素酸化物の生成はなく、問題のない安定した反応を維持することが可能である。
また、詳細は記載しないが、酸素の代替えとしてNO(g)やNO(g)なども酸化剤としての利用も可能である。
特許請求温度範囲は、900℃から975℃とする。
【請求項2】
マグネシウム蒸気を用いた炭酸ガスからの炭素の分離回収と酸化マグネシウムの回収方法;
Zn以外で炭酸ガスを利用することのできる非鉄金属元素としてのマグネシウムの選択も可能であることが分かる。
マグネシウム蒸気と酸素富化時の炭酸ガスとの反応を(6)式に示す。
Mg(g)+1/3CO(g)+1/6O(g)=MgO+1/3C・・・(6)
反応データを図8に示す。
また、マグネシウム蒸気と酸素富化割合アップ時の炭酸ガスとの反応を(7)式に示す。
Mg(g)+1/4CO(g)+1/4O(g)=MgO+1/4C・・・(7)
反応データを図9に示す。
マグネシウム蒸気と炭酸ガスの反応を(8)式に示す。
Mg(g)+1/2CO(g)=MgO+1/2C・・・(8)
反応データを図10に示す。
マグネシウム蒸気と炭酸ガスとの反応において、一酸化炭素生成時の反応を(9)式に示す
Mg(g)+CO(g)=MgO+CO(g)・・・(9)
反応データを図11に示す。
(8)式と(9)式の反応において反応定数のLog(K)値を比較すると、(9)式の値が大きいことから、一酸化炭素の生成する反応が優位と認められる。
(6)及び(7)式の反応定数のLog(K)値は、一酸化炭素の発生する(9)式の値と比較して大きい値であることから炭酸ガスの分解とカーボンの生成がより優位であると判断される。
また、(6)式及び(7)式の酸素富化時の反応による炭酸ガスの分解は、マグネシウムの沸点1,091℃から1,110℃程度の範囲にて反応を継続させることが望ましい。ただ、(7)式に示したような酸素富化の割合を増加させた反応では、1,200℃程度まで一酸化炭素の生成を抑えることが可能である。
MgOの増産など、特別な理由がなければ、1,110℃程度までの範囲で反応を継続することが、炭酸ガスの分解数量の低減を防止するに有効である。
特許請求温度範囲は、酸素富化割合の増加の式も考慮して1,070℃から1,200℃とする。
【請求項3】
亜鉛溶体を用いた酸素富化時の炭酸ガスとの反応による炭素の分離回収と亜鉛酸化物の回収方法;
亜鉛溶体と炭酸ガスの酸素富化時の反応を(10)式に示す。
Zn+1/3CO(g)+1/6O(g)=ZnO+1/3C・・・(10)
反応データを図12に示す。
亜鉛溶体と炭酸ガスとの反応を(11)式に示す。
Zn+1/2CO(g)=ZnO+1/2C・・・(11)
反応データを図13に示す。
亜鉛溶体と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素発生時の反応を(12)式に示す。
Zn+CO(g)=ZnO+CO(g)・・・(12)
反応データを図14に示す。
亜鉛溶体と炭酸ガスとの反応において一酸化炭素とカーボン生成時の反応を(13)式に示す。
Zn+2/3CO(g)=ZnO+1/3CO(g)+1/3C・・・(13)
反応データを図15に示す。
(10)式の反応データと、(11)、(12)、(13)式の反応データを比較すると、(10)式の反応平衡定数KのLog(K)値が、(11)式、(12)式、(13)式のそれぞれのLog(K)値よりもかなり大きい値を示していることが分かる。
(10)式の反応が、亜鉛の溶融温度420℃から沸点に達する前までの温度領域で一酸化炭素の発生をおさえた反応が可能である。
特許請求温度範囲を溶融温度420℃から850℃の亜鉛蒸気圧の低い温度域とする。
【請求項4】
マグネシウム溶体を用いた酸素富化時の炭酸ガスとの反応による炭素の分離回収とマグネシウム酸化物の回収方法;
マグネシウム溶体と酸素富化時の炭酸ガスとの反応を(14)式に示す。
Mg+1/3CO+1/6O(g)=MgO+1/3C・・・(14)
反応データを図16に示す。
マグネシウム溶体と炭酸ガスの反応を(15)式に示す。
Mg+1/2CO(g)=MgO+1/2C・・・(15)
反応データを図17に示す。(Mg融点:650℃、沸点:1091℃)
反応式(14)と(15)の反応データを比較すると、(14)式のマグネシウム溶体と酸素富化時の炭酸ガスとの反応が大きく優位であることが分かる。
さらに、一酸化炭素の生成時の(16)式と一酸化炭素及びカーボン生成時の反応を(17)式に示す。
Mg+CO(g)=MgO+CO(g)・・・(16)
反応データを図18に示す
Mg+2/3CO(g)=MgO+1/3CO(g)+1/3C・・・(17)
反応データを図19に示す
マグネシウム溶体と酸素富化時の反応式(14)式の反応平衡定数KのLog(K)値が、(15),(16)式の値よりも大きい。(14)式の酸素富化をした反応を行えば、溶体化する650℃℃以上から1,050℃程度の範囲内で一酸化炭素の発生を抑えて反応が可能なことが分かる。
マグネシウム酸化物及びカーボンの生成と回収の特許請求温度範囲は、溶融温度650℃から1,050℃程度までとする。
【請求項5】
アルミニウム溶体を用いた酸素富化時の炭酸ガスとの反応による炭素の分離回収とアルミニウム酸化物の回収方法;
アルミニウム溶体と酸素富化した炭酸ガとの反応にてアルミニウム酸化物及びカーボンの生成と回収は、アルミニウムの溶融温度の660.3℃以上の溶融範囲で一酸化炭素の発生及び窒素化合物の生成を抑えて、アルミニウム酸化粉とカーボン粉の回収が可能である。
その反応を(18)式に示す。
反応データを図20に示す。
アルミニウム溶体と炭酸ガスとの反応を(19)式に示す。
Al+3/4CO(g)=1/2Al+3/4C・・・(19)
反応データを図21に示す。
アルミニウム溶体と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素及びカーボンの生成時の反応を(20)式に示す。
Al+CO(g)=1/2Al+1/2CO(g)+1/2C・・・(20)
反応データを図22に示す。
(18)式の酸素富化時の反応を空気で行った場合に、アルミニウム溶体と随伴される窒素との反応について(21)式に示す。
反応データを図23に示す。
(18)式の酸素供給を空気で行った際の随伴する窒素のモル数を計算して、直接全量がアルミニウムと反応したと仮定して反応平衡定数KのLog(K)の値の大小を確認する。
随伴窒素の全てが反応すると仮に置いて算出した反応式平衡定数KのLog(K)値を算出して(18)式のLog(K)の数値と比較した。
随伴した窒素は、(5/12*878/21)=65/63 モルであり、この数量がアルミニウム溶体との反応について(22)式に示す。
130/63Al+65/63N(g)=130/63AlN・・・(22)
反応データを図24に示す。
随伴窒素がアルミニウムと直接反応したと仮定したとしても(18)式に示した酸素富化時の炭酸ガスとの反応でアルミナとカーボンを回収する反応データのLog(K)の値が680℃~980℃の範囲で最も高いことから(18)式で安定した酸化物の回収が可能であると確認される。
特許請求温度範囲を680℃から980℃とする。
【請求項6】
亜鉛蒸気と酸素富化時(空気による酸素供給を含む)の一酸化炭素との反応による炭素の分離回収と亜鉛酸化物(亜鉛華)の回収方法;
亜鉛蒸気と一酸化炭素の反応を(23)式に示す。
Zn(g)+CO(g)=ZnO+C・・・(23)
反応データを図25に示す。
この反応は、単位時間当たりに反応生成物を形成する量が少ない反応であり、特許請求には該当しない。
亜鉛蒸気と酸素富化時の一酸化炭素との反応を(24)式に示す。
Zn(g)+1/3CO(g)+1/3O(g)=ZnO+1/3C・・・(24)
反応データを図26に示す。
さらに、亜鉛蒸気と酸素富化比率を変えた一酸化炭素との反応を(25)に示す。
Zn(g)+1/2CO(g)+1/O(g)=ZnO+1/2C・・・(25)
反応データを図27に示す。
(24)式、(25)式の反応データを比較すると、一酸化炭素と酸素富化比率とカーボンの生成量に違いは出るものの、反応平衡定数K値等に問題はない。(24)式、(25)式の反応での製造することを請求項とする。
特許請求温度範囲は、900℃から975℃とする。
【請求項7】
マグネシウム蒸気と酸素素富化時(空気による酸素供給を含む)の一酸化炭素との反応による炭素の分離回収とマグネシウム酸化物の回収方法;
マグネシウム蒸気と一酸化炭素の反応を(26)式に示す。
Zn(g)+CO(g)=MnO+C・・・(26)
反応データを図28に示す。
この反応は、反応後の冷却等に空気を使用することが考えられるが、一酸化炭素からのカーボンの分離回収可能である。
マグネシウム蒸気と酸素富化時の一酸化炭素との反応を(27式に示す。
Mg(g)+1/3CO(g)+1/3O(g)=ZnO+1/3C・・・(27)
反応データを図29に示す。
さらに、マグネシウム蒸気と酸素富化比率を変えた一酸化炭素との反応を(28)に示す。
Mg(g)+1/2(g)+1/O(g)=MgO+1/2C・・・(28)
反応データを図30に示す。
(27)式、(28)式の反応データを比較すると、一酸化炭素と酸素富化比率とカーボンの生成量に違いは出るものの、反応平衡定数K値等に問題はない。(27)式、(25)式の反応での製造することを請求項とする。
特許請求温度範囲は、1,070℃から1,200℃とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冶金反応における熱力学分野の応用技術
【背景技術】
【0002】
亜鉛華製造技術の存在と、炭酸ガスの回収に関する技術の進歩にて高濃の炭酸ガスが得られることが発明の背景にある。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【特許文献】特になし
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】河岡 豊:日本ゴム協会誌,26-3,147-159,(昭28)
【非特許文献2】大谷 杉郎:炭素,215,221-224(2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
近年、多くの炭酸ガスの回収技術ついて報告され、回収される炭酸ガスの純度も高濃度化されてきた中、その利用に関した報告も多くなっている。
炭酸ガスを減少させる方法の一つとして地下埋蔵の方法などの国家的実験も進められているなか、更なる地球温暖化防策が求められている。
【課題を解決するための手段】
1.亜鉛蒸気と酸素含有ガスを用いて炭酸ガスから酸化亜鉛(亜鉛華)とカーボンを回収する方法においては、空気等の酸素含有ガスを供給することによって、一酸化炭素(COガス)の生成を抑えた炭酸ガスとの反応が可能となり、亜鉛酸化物(亜鉛華)と粉状カーボンが製造さされる。
2.マグネシウム蒸気と酸素含有ガスを用いて炭酸ガスから酸化マグネシシウムとカーボンとを回収する方法においては、空気等の酸素含有ガスを供給することによって、一酸化炭素の生成を抑えた炭酸ガスとの反応が可能となり、マグネシウム酸化物(粉状)と粉状カーボンが製造される。
3.溶融亜鉛、溶融マグネシウム及び溶融アルミニウムへの炭酸ガス及び空気等の酸素含有ガスを供給することによって、一酸化炭素の生成を抑えて酸化亜鉛、マグネシウム酸化物及びアルミナとカーボンが製造・回収される。
4.亜鉛蒸気及びマグネシウム蒸気を用いて一酸化炭素から酸化亜鉛及び酸化マグネシウムとカーボンがそれぞれ製造・回収される。
【発明の効果】
1.炭酸ガスと空気等の酸素含有ガスの供給によって、亜鉛蒸気及びマグネシウム蒸気、また亜鉛溶体、マグネシウム溶体及びアルミニウム溶体と反応させることで、それぞれの金属酸化物とカーボンが回収できるため地球温暖化防止策としても有効あり、経済性のある反応生成物の販売も可能である。
2.一酸化炭素と空気等の酸素含有ガスの供給によって、亜鉛蒸気及びマグネシウム蒸気と反応させ、一酸化炭素を分解してそれぞれの金属酸化物とカーボンが回収できる。これも地球温暖化防止の一助となる。
【図面の簡単な説明】
図1】亜鉛蒸気と酸素富化時の炭酸ガスとの反応データ
図2】亜鉛蒸気と酸素富化比率変更時の炭酸ガスとの反応データ
図3】亜鉛蒸気と炭酸ガスとの反応データ
図4】亜鉛蒸気と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素生成時の反応データ
図5】亜鉛蒸気と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素とカーボン生成時の反応データ
図6】亜鉛蒸気圧表(温度と標準気圧)
図7】1,000℃での蒸気亜鉛と酸素富化時の炭酸ガスとの反応における熱バランスの計算例
図8】マグネシウム蒸気と酸素富化時の炭酸ガスとの反応データ
図9】マグネシウム蒸気と酸素富化比率アップ時の炭酸ガスとの反応データ
図10】マグネシウム蒸気と炭酸ガスとの反応データ
図11】マグネシウム蒸気と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素生成時の反応データ
図12】亜鉛溶体と酸素富化時の炭酸ガスとの反応データ
図13】亜鉛溶体と炭酸ガスとの反応データ
図14】亜鉛溶体と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素生成時の反応データ
図15】亜鉛溶体と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素及びカーボン生成時の反応データ
図16】マグネシウム溶体と酸素富化時の炭酸ガスとの反応データ
図17】マグネシウム溶体と炭酸ガスとの反応データ
図18】マグネシウム溶体と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素発生時の反応データ
図19】マグネシウム溶体と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素及びカーボン生成時の反応データ
図20】アルミニウム溶体と酸素富化時の炭酸ガスとの反応データ
図21】アルミニウム溶体と炭酸ガスとの反応データ
図22】アルミニウム溶体と炭酸ガスとの反応における一酸化炭素及びカーボン生成時の反応データ
図23】アルミニウム溶体と反応性が比較的高い窒素を含む酸素富化時の炭酸ガスとの反応データ
図24】(18)式のアルミニウム溶体との反応で酸素を空気にて供給時の随伴窒素によるアルミニウム溶体との反応データ(随伴窒素の全モル数がアルミニウム溶体と反応した時の反応データ)
図25】亜鉛蒸気と一酸化炭素の反応データ
図26】亜鉛蒸気と酸素富化時の一酸化炭素との反応データ
図27】亜鉛蒸気と酸素富化比率を変えた一酸化炭素との反応データ
図28】マグネシウム蒸気と一酸化炭素の反応データ
図29】マグネシウム蒸気と酸素富化時の一酸化炭素との反応データ
図30】マグネシウム蒸気と酸素富化比率を変えた一酸化炭素との反応データ
図31】亜鉛溶体、マグネシウム溶体及びアルミニウム溶体と酸素富化時の炭酸ガスとの反応容器として候補に挙げたい底吹き型炉の概略図
【0005】
図表の作成上参照した各種データ及び計算ソフト等による支援など
1)亜鉛蒸気圧表は、AIST:Network Databaseを参照して計算を実施
2)顕熱等データは、東所沢-31-12 HOMWPAGE,「熱力学と流体」;表-1低圧比熱Cp及び早稲田 嘉夫,大倉隆彦,森芳秋,岡部徹,宇田哲也:矢沢彬の熱力学問題集を参照
3)熱力学データは、秋田大学大学院国際資源学研究科資源開発環境学専攻 製錬プロセス工学研究室の御支援(HSC Chemistry 5.11計算)による
【発明を実施するための形態】
1.発明の使用権を有償で付与又は発明の使用権の売却。
【実施例
実施例はないが亜鉛蒸留電熱炉による亜鉛蒸気からの亜鉛華の生産技術による応用には期待が持てる。
【産業上の利用可能性】
反応生成物の製品化による収益の確保が可能である。
炭酸ガス処理費の収益が見込まれる。(現状では未定)
図1
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