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特開2023-84076土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置
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  • 特開-土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084076
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/04 20060101AFI20230609BHJP
【FI】
E02D1/04
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096909
(22)【出願日】2022-06-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】202111477426.2
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】姜登登
(72)【発明者】
【氏名】周艶
(72)【発明者】
【氏名】丁達
(72)【発明者】
【氏名】陳雲
(72)【発明者】
【氏名】陽昆樺
(72)【発明者】
【氏名】夏菲洋
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043BA08
2D043BB09
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】本発明は、取付板を含み、取付板に左から右へ順次、土壌採集装置、輸送ベルト、コントローラー、支持フレームが取り付けられ、支持フレームに対応する多数の土壌コラムとドレンチャーが設けられ、土壌コラムとドレンチャーはパイプラインを介して連通し、支持フレームに水平レールが架設され、水平レールに土壌分配装置が摺動可能に配置され、水平レールに多数の位置センサーが設けられ、土壌コラムの上端開口に材料レベルセンサーが設けられ、コントローラーは、それぞれ土壌採集装置、輸送ベルト、土壌分配装置、ドレンチャー、位置センサー、材料レベルセンサーに電気的に接続され、土壌採集装置の土壌採集、輸送ベルトの回転、土壌分配装置の水平レールでの移動、土壌分配装置による対応の土壌コラムへの土壌充填、土壌コラム内への有機汚染物質の注入を制御する。
【効果】人為的な介入要因を低減して、実験データの信頼性を向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に走行輪が取り付けられた取付板(1)を含み、
前記取付板(1)に左から右へ順次、土壌採集装置(2)、輸送ベルト(3)、コントロ
ーラー(4)、支持フレーム(5)が取り付けられ、
前記支持フレーム(5)に水平方向に順次、多数の土壌コラム(6)と多数のドレンチャ
ー(7)が配列され、前記土壌コラム(6)とドレンチャー(7)とは1対1で対応しパ
イプラインを介して連通し、溶液が土壌コラム(6)の上方から流れ込み、前記支持フレ
ーム(5)に土壌コラム(6)とドレンチャー(7)を亘る水平レール(8)が架設され
、前記水平レール(8)に土壌分配装置(9)が摺動可能に接続され、前記水平レール(
8)に各土壌コラム(6)の位置と1対1で対応する多数の位置センサーが設けられ、前
記土壌コラム(6)の上端開口に材料レベルセンサーが設けられ、
前記コントローラー(4)は、それぞれ土壌採集装置(2)、輸送ベルト(3)、土壌分
配装置(9)、ドレンチャー(7)、位置センサー、材料レベルセンサーに電気的に接続
され、コントローラー(4)を介して土壌採集装置(2)の土壌採集、輸送ベルト(3)
の回転、土壌分配装置(9)の水平レール(8)上での移動、土壌分配装置(9)による
対応の土壌コラム(6)への土壌充填、ドレンチャー(7)による対応の土壌コラム(6
)内への有機汚染物質の注入をそれぞれ制御し、
前記土壌分配装置(9)が対応位置の位置センサーまで走行すると、位置センサーは信号
をコントローラー(4)に転送し、前記コントローラー(4)は土壌分配装置(9)を動
作させ、土壌分配装置(9)を対応する土壌コラム(6)内に土壌を充填させるように駆
動し、土壌が材料レベルセンサーを超えると、材料レベルセンサーから信号をコントロー
ラー(4)に送信し、前記コントローラー(4)は土壌分配装置(9)を制御して土壌充
填を停止させ、
前記土壌採集装置(2)の底部は着脱可能である、
ことを特徴とする土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置。
【請求項2】
前記土壌採集装置(2)は、取付板(1)に設けられ取付板(1)に回転可能に接続され
た回転盤(10)を含み、前記回転盤(10)内に第1駆動モータが設けられ、前記回転
盤(10)に油圧昇降機(11)が固定され、前記油圧昇降機(11)の末端に土壌掘削
収集器(12)が設けられ、前記土壌掘削収集器(12)に第2駆動モータ(33)が設
けられ、前記コントローラー(4)はそれぞれ第1駆動モータ、油圧昇降機(11)、第
2駆動モータ(33)に電気的に接続され、コントローラー(4)によって回転盤(10
)を制御して油圧昇降機(11)を回転させ、油圧昇降機(11)を昇降させ、土壌掘削
収集器(12)が回転して土壌を掘削および収集する、ことを特徴とする請求項1に記載
の土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置。
【請求項3】
前記土壌掘削収集器(12)は、中空柱状オーガ(12‐1)と、柱状オーガ(12‐1
)の軸方向に円周に沿って配列されたらせん状オーガ刃(12‐2)とを含み、前記柱状
オーガ(12‐1)とらせん状オーガ刃(12‐2)は溶接され、前記らせん状オーガ刃
(12‐2)の刃口が溶接点から離間され、前記柱状オーガ(12‐1)に軸方向に沿っ
て長方形の土壌通過溝(12‐1‐1)が設けられ、前記土壌通過溝(12‐1‐1)は
柱状オーガ(12‐1)の軸方向の両辺に沿って第1バッフル(37)と第2バッフル(
38)がそれぞれ固定的に接続され、前記第2駆動モータ(33)の出力軸は柱状オーガ
(12‐1)に固定的に接続され、前記油圧昇降機(11)の末端に固定フレーム(13
)が接続され、前記第2駆動モータ(33)は固定フレーム(13)に嵌設される、こと
を特徴とする請求項2に記載の土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置。
【請求項4】
前記ドレンチャー(7)は、パイプラインを介して順次接続された貯蔵タンク(15)、
ポンプ(16)、弁(17)を含み、前記弁(17)はパイプラインを介して土壌コラム
(6)と連通し、前記コントローラー(4)はポンプ(16)に電気的に接続されてポン
プ(16)の動作を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の土壌中の有機汚染物質
の遷移および変質を模擬する装置。
【請求項5】
前記土壌分配装置(9)は、上下に開口した殻体(9‐1)を含み、殻体(9‐1)の下
端開口に開閉装置(18)が設けられ、前記殻体(9‐1)の外面に水平レール(8)内
に嵌設されたブーリーが設けられ、前記ブーリーに第3駆動モータ(36)が設けられ、
前記開閉装置(18)に第4駆動モータ(19)が設けられ、前記コントローラー(4)
はそれぞれ第3駆動モータ(36)、第4駆動モータ(19)に電気的に接続され、コン
トローラー(4)によってブーリーを水平レール(8)に沿って移動させ、開閉装置(1
8)の開閉を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の土壌中の有機汚染物質の遷移
および変質を模擬する装置。
【請求項6】
前記開閉装置(18)は、殻体(9‐1)の下開口の内壁の一側に固定されたストッパー
(20)、ストッパー(20)に向かって水平方向に運動できる押し板(21)を含み、
前記押し板(21)のストッパー(20)から離れた一端に水平方向プッシュロッド(2
2)が取り付けられ、前記水平方向プッシュロッド(22)は殻体(9‐1)の外面から
延伸し延伸端の端部に接触ボールが設けられ、前記第4駆動モータ(19)の出力軸にカ
ム(23)が固定的に接続され、前記接触ボールとカム(23)は点接触し、前記押し板
(21)と殻体(9‐1)の間にスプリング(24)が設けられ、前記スプリング(24
)は、水平方向プッシュロッド(22)に嵌設される、ことを特徴とする請求項5に記載
の土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置。
【請求項7】
前記押し板(21)と殻体(9‐1)の内壁の間に弾性遮断布が固定的に取り付けられ、
スプリング(24)及び殻体(9‐1)の内部にある水平方向プッシュロッド(22)は
いずれも弾性遮断布により被覆される、ことを特徴とする請求項6に記載の土壌中の有機
汚染物質の遷移および変質を模擬する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生態学環境の技術分野に属し、具体的には土壌中の有機汚染物質の遷移および
変質を模擬する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌中の有機汚染物質の遷移および変質の性能をより容易に研究するために、通常浸出実
験により土壌コラム内の土壌をサンプリングして研究するが、従来の浸出土壌コラムは一
般に収集された土壌を実験室に運んで、実験室の浸出土壌コラムを使用してサンプリング
および研究を行うことが多い。しかしながら、土壌採集作業は通常しゃべるを使って手動
で取集するため、このような収集方法はより深い土壌を収集できず、表層の土壌のサンプ
リングおよび研究にとどまって、より深い土壌遷移および変質の効果を模擬することがで
きないため、最終的な実験データは実際の土壌の移動を直観的に反映していないことが多
く、実験精度の要件を満たしていない。
【発明の概要】
【0003】
土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置は、
底部に走行輪が取り付けられた取付板を含み、
前記取付板に左から右へ順次、土壌採集装置、輸送ベルト、コントローラー、支持フレー
ムが取り付けられ、
前記支持フレームに水平方向に順次、多数の土壌コラムと多数のドレンチャーが配列され
、前記土壌コラムとドレンチャーとは1対1で対応しパイプラインを介して連通し、溶液
が土壌コラムの上方から流れ込み、前記支持フレームに土壌コラムとドレンチャーを亘る
水平レールが架設され、前記水平レールに土壌分配装置が摺動可能に接続され、前記水平
レールに各土壌コラムの位置と1対1で対応する多数の位置センサーが設けられ、前記土
壌コラムの上端開口に材料レベルセンサーが設けられ、
前記コントローラーは、それぞれ土壌採集装置、輸送ベルト、土壌分配装置、ドレンチャ
ー、位置センサー、材料レベルセンサーに電気的に接続され、コントローラーを介して土
壌採集装置の土壌採集、輸送ベルトの回転、土壌分配装置の水平レール上での移動、土壌
分配装置による対応の土壌コラムへの土壌充填、ドレンチャーによる対応の土壌コラム内
への有機汚染物質の注入をそれぞれ制御し、
前記土壌分配装置が対応位置の位置センサーまで走行すると、位置センサーは信号をコン
トローラーに転送し、前記コントローラーは土壌分配装置を動作させ、土壌分配装置を対
応の土壌コラム内に土壌を充填させるように駆動し、土壌が材料レベルセンサーを超える
と、材料レベルセンサーから信号をコントローラーに送信し、前記コントローラーは土壌
分配装置を制御して土壌充填を停止させ、
前記土壌採集装置の底部は着脱可能である。
本発明の一側面として、土壌採集装置は、取付板に設けられ取付板に回転可能に接続され
た回転盤を含み、前記回転盤内に第1駆動モータが設けられ、前記回転盤に油圧昇降機が
固定され、前記油圧昇降機の末端に土壌掘削収集器が設けられ、前記土壌掘削収集器に第
2駆動モータが設けられ、前記コントローラーはそれぞれ第1駆動モータ、油圧昇降機、
第2駆動モータに電気的に接続され、コントローラーによって回転盤を制御して油圧昇降
機を回転させ、油圧昇降機を昇降させ、土壌掘削収集器が回転して土壌を掘削および収集
する。
本発明の一側面として、土壌掘削収集器は、中空柱状オーガと、柱状オーガの軸方向にの
円周に沿って配列されたらせん状オーガ刃とを含み、前記柱状オーガとらせん状オーガ刃
は溶接され、前記らせん状オーガ刃の刃口が溶接点から離間され、前記柱状オーガに軸方
向に沿って長方形の土壌通過溝が設けられ、前記土壌通過溝は柱状オーガの軸方向の両辺
に沿って第1バッフルと第2バッフルがそれぞれ固定的に接続され、前記第2駆動モータ
の出力軸は柱状オーガに固定的に接続され、前記油圧昇降機の末端に固定フレームが接続
され、前記第2駆動モータは固定フレームに嵌設される。
本発明の一側面として、ドレンチャーは、パイプラインを介して順次接続された貯蔵タン
ク、ポンプ、弁を含み、前記弁はパイプラインを介して土壌コラムと連通し、前記コント
ローラーはポンプに電気的に接続されてポンプの動作を制御する。
本発明の一側面として、土壌分配装置は、上下に開口した殻体を含み、殻体の下端開口に
開閉装置が設けられ、前記殻体の外面に水平レール内に嵌設されたブーリーが設けられ、
前記ブーリーに第3駆動モータが設けられ、前記開閉装置に第4駆動モータが設けられ、
前記コントローラーはそれぞれ第3駆動モータ、第4駆動モータに電気的に接続され、コ
ントローラーによってブーリーを水平レールに沿って移動させ、開閉装置の開閉を制御す
る。
本発明の一側面として、開閉装置は、殻体の下開口の内壁の一側に固定されたストッパー
、ストッパーに向かって水平方向に運動できる押し板を含み、前記押し板のストッパーか
ら離れた一端に水平方向プッシュロッドが取り付けられ、前記水平方向プッシュロッドは
殻体の外面から延伸し延伸端の端部に接触ボールが設けられ、前記第4駆動モータの出力
軸にカムが固定的に接続され、前記接触ボールとカムは点接触し、前記押し板と殻体の間
にスプリングが設けられ、前記スプリングは、水平方向プッシュロッドに嵌設される。
本発明の一側面として、押し板と殻体の内壁の間に弾性遮断布が固定的に取り付けられ、
スプリング及び殻体の内部にある水平方向プッシュロッドはいずれも弾性遮断布で被覆さ
れる。
本発明の一側面として、殻体の下開口にクッションスリーブが固定的に接続され、クッシ
ョンスリーブに多数の通過穴が配列される。
本発明の一側面として、土壌コラムに軸方向に沿って多数のサンプリング穴が均一に配列
され、サンプリング穴にプラグがねじ込まれ、土壌コラムの下端にスクリーンフィルタが
設けられ、スクリーンフィルタの底部に弁体が設けられる。
本発明の一側面として、開口した材料収集装置をさらに含み、支持フレームの内側の両端
に摺動レールが対称に設けられ、材料収集装置は摺動レールに設けられ摺動レールに摺動
可能に接続され、材料収集装置の開口は弁体に対応する。
【0004】
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。本発明は、土壌採集装置、
輸送ベルト、ドレンチャー、土壌分配装置、土壌コラムをそれぞれコントローラーに接続
させ、自動的な土壌採集、輸送、土壌分配注入、浸出の全工程を実現し、人為的な関与を
減らし、実験データの信頼性を向上させることができる。そのうちに、コントローラーは
土壌採集装置を制御して輸送ベルトの上方まで回転させると、手動で土壌を充填した土壌
採集装置の底部を開き、土壌が輸送ベルトに落下し、輸送ベルトにより土壌を土壌分配装
置に進入させ、土壌分配装置はコントローラーの駆動下で水平レールに沿って水平方向に
移動し、土壌分配装置が土壌コラムに対応する位置センサーまで移動すると、位置センサ
ーから信号をコントローラーに送信させ、コントローラーは信号を受信して土壌分配装置
の動作を駆動する同時に、コントローラーは土壌分配装置に信号を送信して土壌分配装置
の底部を開き、土壌が土壌コラム内に落下して土壌コラム内への土壌充填を実現し、土壌
コラムが満たされると、つまり土壌が材料レベルセンサーを超えると、材料レベルセンサ
ーから信号をコントローラーに送信させ、コントローラーは土壌分配装置の底部を閉じ、
土壌分配装置の底部が閉じられた後コントローラーは土壌分配装置を次の位置センサーの
位置に移動させるように制御する。浸出必要があると、コントローラーは電気信号をドレ
ンチャーに送信し、ドレンチャーはパイプラインを介して土壌コラムの頂部に有機汚染物
質をドレンチする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置の構造概略図である。
図2】土壌掘削収集器の構造概略図である。
図3】土壌分配装置の構造概略図である。
図4】クッションスリーブの構造概略図である。
図5図1のA‐Aの部分拡大図である。
図6】土壌コラムとドレンチャーの組立図である。
図7】実施例5の構造概略図である。
図8】柱状オーガの断面図である。
【0006】
[符号の説明]
1 取付板
2 土壌採集装置
3 輸送ベルト
4 コントローラー
5 支持フレーム
6 土壌コラム
6‐1 第1土壌コラム
6‐2 第2土壌コラム
6‐3 第3土壌コラム
7 ドレンチャー
7‐1 第1ドレンチャー
7‐2 第2ドレンチャー
7‐3 第3ドレンチャー
8 水平レール
9 土壌分配装置
9‐1 殻体
10 回転盤
11 油圧昇降機
12 土壌掘削収集器
12‐1 柱状オーガ
12‐2 らせん状オーガ刃
12‐1‐1 土壌通過溝
13 固定フレーム
15 貯蔵タンク
16 ポンプ
17 弁
18 開閉装置
19 第4駆動モータ
20 ストッパー
21 押し板
22 水平方向プッシュロッド
23 カム
24 スプリング
26 クッションスリーブ
27 通過穴
28 サンプリング穴
29 スクリーンフィルタ
30 弁体
31 材料収集装置
32 摺動レール
33 第2駆動モータ
34 水管
35 水ポンプ
36 第3駆動モータ
37 第1バッフル
38 第2バッフル
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明するが、本発明の保護範囲
は具体的な実施形態によって制限されない。
実施例1
図1に示すように、土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置は、底部に走
行輪が取り付けられた取付板1を含み、
取付板1に左から右へ順次、土壌採集装置2、輸送ベルト3、コントローラー4、支持フ
レーム5が取り付けられ、
支持フレーム5に水平方向に順次、多数の土壌コラム6と多数のドレンチャー7が配列さ
れ、土壌コラム6とドレンチャー7とは1対1で対応しパイプラインを介して連通し、溶
液が土壌コラム6の上方から流れ込み、支持フレーム5に土壌コラム6とドレンチャー7
を亘る水平レール8が架設され、水平レール8に土壌分配装置9が摺動可能に接続され、
水平レール8に各土壌コラム6の位置と1対1で対応する多数の位置センサーが設けられ
、土壌コラム6の上端開口に材料レベルセンサーが設けられ、
コントローラー4は、それぞれ土壌採集装置2、輸送ベルト3、土壌分配装置9、ドレン
チャー7、位置センサー、材料レベルセンサーに電気的に接続され、コントローラー4を
介して土壌採集装置2の土壌採集、輸送ベルト3の回転、土壌分配装置9の水平レール8
上での移動、土壌分配装置9による対応の土壌コラム6への土壌充填、ドレンチャー7に
よる対応の土壌コラム6内への有機汚染物質の注入をそれぞれ制御し、
土壌分配装置9が対応位置の位置センサーまで走行すると、位置センサーは信号をコント
ローラー4に転送し、コントローラー4は土壌分配装置9を動作させ、土壌分配装置9を
対応の土壌コラム6内に土壌を充填させるように駆動し、土壌が材料レベルセンサーを超
えると、材料レベルセンサーから信号をコントローラー4に送信し、コントローラー4は
土壌分配装置9を制御して土壌充填を停止させ、
土壌採集装置2の底部は着脱可能である。
図6を参照すると、土壌コラム6は、1番目土壌コラム6‐1、2番目土壌コラム6‐2
、3番目土壌コラム6‐3を含み、ドレンチャー7は、1番目ドレンチャー7‐1、2番
目ドレンチャー7‐2、3番目ドレンチャー7‐3を含み、1番目土壌コラム6‐1と1
番目ドレンチャー7‐1は互いに連通し、2番目土壌コラム6‐2と2番目ドレンチャー
7‐2は互いに連通し、3番目土壌コラム6‐3と3番目ドレンチャー7‐3は互いに連
通する。
材料レベルセンサーはShenzhen BEYD Technology Co., Lt
d.製の測距精度1mmの材料レベルセンサーを採用し、検出土壌の位置に応じてデータ
信号をコントローラーに送信することができる。
コントローラー4は土壌採集装置2を制御して輸送ベルト3の上方まで回転させると、手
動で土壌を充填した土壌採集装置2の底部を開き、土壌が輸送ベルト3に落下し、輸送ベ
ルト3により土壌を土壌分配装置9に進入させ、土壌分配装置9はコントローラー4の駆
動下で水平レール8に沿って水平方向に移動し、土壌分配装置9が土壌コラム6に対応す
る位置センサーまで移動すると、位置センサーから信号をコントローラー4に送信させ、
コントローラー4は信号を受信して土壌分配装置9の動作を駆動する同時に、コントロー
ラー4は土壌分配装置9に信号を送信して土壌分配装置9の底部を開き、土壌が土壌コラ
ム6内に落下して土壌コラム内6への土壌充填を実現し、土壌コラム6が満たされると、
つまり土壌が材料レベルセンサーを超えると、材料レベルセンサーから信号をコントロー
ラー4に送信させ、コントローラー4は土壌分配装置9の底部を閉じ、土壌分配装置9の
底部が閉じられた後コントローラー4は土壌分配装置9を次の位置センサーの位置に移動
させるように制御する。浸出必要があると、コントローラー4は電気信号をドレンチャー
7に送信し、ドレンチャー7はパイプラインを介して土壌コラム6の頂部に有機汚染物質
をドレンチする。コントローラー4はLoudi Janshi Industrial
Control Co.,Ltd.製のモデルSF‐1616A2MTの自動化運動コント
ローラーを採用し、このコントローラー4は様々なセンサーに接続され得、対応の機能を
実現することができる。有機汚染物質は多環芳香族炭化水素、トルエン、トリクロロメタ
ンのいずれか1つであり得る。
そのうちに、図1を参照して、土壌採集装置2は、取付板1に設けられ取付板1に回転可
能に接続された回転盤10を含み、回転盤10内に第1駆動モータが設けられ、回転盤1
0に油圧昇降機11が固定され、油圧昇降機11の末端に土壌掘削収集器12が設けられ
、土壌掘削収集器12に第2駆動モータ33が設けられ、コントローラー4はそれぞれ第
1駆動モータ、油圧昇降機11、第2駆動モータ33に電気的に接続され、コントローラ
ー4によって回転盤10を制御して油圧昇降機11を回転させ、油圧昇降機11を昇降さ
せ、土壌掘削収集器12が回転して土壌を掘削および収集する。まずコントローラー4に
よって油圧昇降機11を制御して土壌掘削収集器12を上向きに上昇させ、次にコントロ
ーラー4によって第1駆動モータを制御して回転盤10を回転させ、そして油圧昇降機1
1を回転させ、最終的に土壌掘削収集器12のオーガヘッドが土壌方向に向かい、その後
コントローラー4によって土壌掘削収集器12を回転させ、油圧昇降機11を降下させ、
オーガヘッドの頂部円錐状であるため、オーガヘッドの下向きの回転力により土壌掘削収
集器12がより深い土壌層に達し、回転して土壌を採集した後、コントローラー4によっ
て土壌掘削収集器12を輸送ベルトに近接させるように回転盤10を回転させ油圧昇降機
11を上昇させ、続いてコントローラー4は輸送ベルト3を回転させ、オーガヘッドの底
部の円錐部分がオーガ本体から分離できるため、土壌掘削収集器12が輸送ベルト3の上
方まで移動すると、作業者はオーガヘッドの円錐を取り外して、土壌掘削収集器12内の
土壌を輸送ベルト3に捨て、輸送ベルト3によって、土壌が土壌分配装置9内に運び込ま
れる。手動収集土壌工程を土壌採集装置2に置き換えることにより、各機器構造の相互協
働で自動的に土壌を採集し、収集された土壌を土壌分配装置9内に輸送することを自動的
に実現し、手動土壌採集の不正確さを低減し、さらに実験データの信頼性を向上させるこ
とができる。
【0008】
図2および図8を参照すると、土壌掘削収集器12は、中空柱状オーガ12‐1と、柱状
オーガ12‐1の軸方向にの円周に沿って配列されたらせん状オーガ刃12‐2とを含み
、柱状オーガ12‐1とらせん状オーガ刃12‐2は溶接され、らせん状オーガ刃12‐
2の刃口が溶接点から離間され、柱状オーガ12‐1に軸方向に沿って長方形の土壌通過
溝12‐1‐1が設けられ、土壌通過溝12‐1‐1は柱状オーガ12‐1の軸方向の両
辺に沿って第1バッフル37と第2バッフル38がそれぞれ固定的に接続され、第1バッ
フル37と第2バッフル38の間に隙間があり、土壌通過溝12‐1‐1上の第1バッフ
ル37の位置は柱状オーガ12‐1の軸中心から離れ、第2バッフル38の位置は柱状オ
ーガ12‐1の軸中心に近接し、第2駆動モータ33の出力軸は柱状オーガ12‐1に固
定的に接続され、油圧昇降機11の末端に固定フレーム13が接続され、第2駆動モータ
33は固定フレーム13に嵌設される。上記のオーガヘッドは柱状オーガ12‐1であり
、柱状オーガ12‐1の底部は円錐状である。らせん状オーガ刃を設けることで、柱状オ
ーガ12‐1は回転しながら土壌に進入過程中土壌に回転切削力を発生させ、このような
回転切削力により柱状オーガ12‐1は、土が硬すぎて掘削できないことがなく、スムー
ズに土壌に掘削でき、第1バッフル37と第2バッフル38を設けることは、中空柱状オ
ーガ12‐1が回転中回転切削力により土壌が柱状オーガ12‐1の周りに集中し、土壌
通過溝12‐1‐1は縁の第1バッフル37は柱状オーガ12‐1の軸中心から離れ、第
2バッフル38は柱状オーガ12‐1の軸中心に近接し、柱状オーガ12‐1の周りに集
中した土壌を間隙を介してより速く中空柱状オーガ12‐1の内部に進入させ、同時に土
壌通過溝12‐1‐1の縁の第1バッフル37と第2バッフル38間に距離差があり、中
空柱状オーガ12‐1内部の土壌は回転力の作用下で投げ出されることなく、土壌の収集
を実現するできるからである。
【0009】
図1図5および図6を参照すると、ドレンチャー7は、ドレンチャー7は、パイプライ
ンを介して順次接続された貯蔵タンク15、ポンプ16、弁17を含み、弁17はパイプ
ラインを介して土壌コラム6と連通し、コントローラー4はポンプ16に電気的に接続さ
れてポンプ16の動作を制御する。コントローラー4はポンプ16の電源供給を制御し、
弁17を開いてコントローラー4によってポンプ16の電源を投入すると、ポンプ16は
動作し、ポンプ16は貯蔵タンク15内の溶液を吸い上げ土壌コラム6に噴射して浸出を
実現する。そのうちに、貯蔵タンク15内の溶液は有機汚染物質である。ドレンチャー7
と土壌コラム3はそれぞれ3つあり、同時に土壌中の3つの異なる有機物の遷移および変
質作用を研究でき、3つの実験データの収集を達成できる。土壌コラム6に軸方向に沿っ
て多数のサンプリング穴28が均一に配列され、サンプリング穴28にプラグがねじ込ま
れ、土壌コラム6の下端にスクリーンフィルタ29が設けられ、スクリーンフィルタ29
の底部に弁体30が設けられる。サンプリング穴28は土壌コラム6の軸方向に沿って垂
直に配列され、土壌の異なる層から対応の土壌を検出でき、サンプリング穴28に捩じ込
み式プラグが設けられ、サンプリング必要があるときプラグをねじ込んでサンプリングし
、サンプリングプロセスが簡単になり、サンプリング必要がないとき、プラグにより土壌
がサンプリング穴28から流出するのを防ぐ。実験終了後土壌コラム6内の土壌を捨てる
必要があるとき、弁体30を開き土壌を流出すればよい。そのうちに、スクリーンフィル
タ29内に挿入可能なフィルタを設けてもよく、フィルタを挿入すると、一部の土壌がフ
ィルタの上層に存在し、フィルタの弁体30に近い下層に少量の土壌粒子が存在し、土壌
を排出する必要があるとき、まず弁体30を開き、フィルタを取り出すと、土壌が直接排
出し、フィルタにより一部の土壌が弁体30の上面に滞在し、弁体30の開き旬がん、大
量の土壌が弁体30を通過して弁体30を塞ぐ減少を防止することができる。
【0010】
図1および図3を参照すると、土壌分配装置9は上下に開口した殻体9‐1を含み、殻体
9‐1の下端開口に開閉装置18が設けられ、殻体9‐1の外面に水平レール8内に嵌設
されたブーリーが設けられ、ブーリーに第3駆動モータ36が取り付けられ、図中の第3
駆動モータ36は殻体9‐1の背面に配置されてブーリーに駆動可能に接続され、その外
縁を破線で示すことを容易にする。開閉装置18に第4駆動モータ19が取り付けられ、
コントローラー4はそれぞれ第3駆動モータ36、第4駆動モータ19に電気的に接続さ
れ、コントローラー4によってブーリーを水平レール8に沿って移動させて、開閉装置1
8の開閉を制御する。開閉装置18は土壌分配装置9内部の土壌を対応位置の土壌コラム
6内に分配し、土壌コラム6が土壌で満たされると、開閉装置18は閉じ、土壌分配装置
9の対応の土壌コラム6への土壌供給を停止し、手動土壌充填を自動化装置に置き換える
ことにより、土壌充填効率を向上させる同時に土壌の飛びを防止し、さらに実験装置の清
浄度を確保する。そのうちに、開閉装置18は殻体9‐1の下開口の内壁一側に固定され
たストッパー20、ストッパー20の水平方向に向かって運動する押し板21を含み、押
し板21のストッパー20から離れた一端に水平方向プッシュロッド22が取り付けられ
、水平方向プッシュロッド22は殻体9‐1外面から延伸し延伸端の端部に接触ボールが
設けられ、第4駆動モータ19の出力軸にカム23が固定的に接続され、接触ボールとカ
ム23は点接触し、押し板21と殻体9‐1間にスプリング24が設けられ、スプリング
24は水平方向プッシュロッド22に嵌設される。カム23により水平方向プッシュロッ
ド22の間欠的な水平方向運動を実現し、スプリング24により水平方向プッシュロッド
22を元の位置に戻すことができ、水平方向プッシュロッド22はスプリング24及びカ
ム23の共同作用下で、水平方向プッシュロッド22の間欠的な往復運動を実現する。水
平方向プッシュロッド22の接触ボールとカム23の突起面が接触する場合、水平方向プ
ッシュロッド22の一端がちょうどストッパー20にフィットされ、開閉装置18は閉じ
状態になり、このとき土壌が対応の土壌コラム6内に落下することなく、水平方向プッシ
ュロッド22の接触ボールがカム23の突起面を超えると、水平方向プッシュロッド22
の一端がストッパー20から徐々に離れ、開閉装置18は開き状態になり、このとき土壌
は対応の土壌コラム6内に進入する。コントローラー4によって第4駆動モータ19を制
御してカム23を回転させ、開閉装置18の自動開閉を実現し、土壌が精度よく土壌コラ
ム6内に注入され、同時に土壌コラム6が満たされると、開閉装置18が閉じられ、自動
的な土壌充填を実現し、土壌充填精度を向上させ、さらに実験データの信頼性を向上させ
る。
【0011】
実施例2
実施例1の基に、押し板21と殻体9‐1内壁の間に弾性遮断布が固定的に取り付けられ
、スプリング24及び殻体9‐1内部にある水平方向プッシュロッド22はいずれも弾性
遮断布で被覆される。弾性遮断布によって土壌と開閉装置18内部の機器部材との接触を
防止し、土壌の不純物がスプリング24に悪影響を与えることを防ぎ、さらにスプリング
24のカイルに土壌粒子が混入することによるスプリング24の故障を防止することがで
きる。
【0012】
実施例3
実施例2の基に、殻体9‐1の下開口にクッションスリーブ26が固定的に接続され、ク
ッションスリーブ26に多数の通過穴27が配列される。クッションスリーブによって、
通過穴27を使用して土壌の土壌コラム6に対する衝撃を効果的に低減し、そのうちに、
通過穴27の形状は長方形であり、長方形の穴によって土壌がスムーズに通過でき、丸穴
による通過穴の塞ぎ現象を回避することができる。
【0013】
実施例4
実施例1の基に、土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置は、開口した材
料収集装置31をさらに含み、支持フレーム5の内側の両端に摺動レール32が対称に設
けられ、材料収集装置31は摺動レール32に設けられ摺動レール32に摺動可能に接続
され、材料収集装置31の開口は弁体30に対応する。材料収集装置31は実験で使用し
た廃棄土壌をすべて収集して次の工程によって集中的に処理し、環境汚染を防止すること
ができる。そのうちに、摺動レール32を設けることで、材料収集装置31を支持フレー
ム5から摺動させ、材料収集装置31の着脱を容易にすることができる。
【0014】
実施例5
実施例1の基に、土壌中の有機汚染物質の遷移および変質を模擬する装置は、支持フレー
ム5の下面に架設された水平方向水管34をさらに含み、水管34の両端がすべて水箱と
連通し、水管34の一端が水入口端であり、水管34の他端が水出口端であり、水管34
の水入口端に水輸送ポンプが接続され、水輸送ポンプは外部電源に接続され、水管34は
各スクリーンフィルタ29に水ポンプ35を介して互いに接続される。地下水による土壌
コラム6内の土壌の遷移変質の影響を模擬する必要があるとき、外部電源を投入して水輸
送ポンプを動作させ、水管34内部が水で満たされる。このとき、単独または同時に水ポ
ンプ35を開き、水がスクリーンフィルタ29を介して土壌コラム6内に注入され、水が
注入された後電源及び水ポンプ35を閉じ、そしてサンプリング操作を行う。
【0015】
以上の実施例は本発明の技術的解決策を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限する
ものではなく、前記の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、前記実施
例に記載ン技術的解決策を修正し、または一部の技術的特徴を同等置換することができ、
それらの修正や同等置換に対応する技術的解決策の本質は本発明の実施例の技術的解決策
の精神および範囲に属するものであることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8