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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084077
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】水中油型紫外線防御化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20230609BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20230609BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/86
A61K8/87
A61Q17/04
A61K8/84
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107252
(22)【出願日】2022-07-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2021197851
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591119750
【氏名又は名称】岩瀬コスファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100145104
【弁理士】
【氏名又は名称】膝舘 祥治
(72)【発明者】
【氏名】金子 智洋
(72)【発明者】
【氏名】田中 一平
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB242
4C083AB372
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC342
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC552
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD212
4C083AD352
4C083AD662
4C083BB46
4C083CC19
4C083DD33
4C083EE07
4C083EE17
(57)【要約】
【課題】耐水性に優れ尚且つ水に濡れることにより紫外線防御効果が向上する水中油型紫外線防御化粧料を提供する。
【解決手段】(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む(A)紫外線防御剤と、(B)疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種と、(C)ポリオキシアルキレングリセリルエーテルと、を含み、前記(C)成分に対する(B)成分の含有比が0.16以上1.4以下である水中油型紫外線防御化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む(A)紫外線防御剤と、疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む(B)成分と、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを含む(C)成分と、を含み、
前記(C)成分に対する(B)成分の含有比が0.16以上1.4以下である水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項2】
(A1)紫外線吸収剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.15以上0.7以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項3】
(A2)紫外線散乱剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.15以上0.65以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項4】
(A1)紫外線吸収剤の含有量が20質量%以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項5】
(A2)紫外線散乱剤の含有量が20質量%以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項6】
前記疎水性変性ポリウレタンは、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー及びポリウレタン-62からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項7】
前記アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体が、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項8】
前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルが、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型紫外線防御化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料に関する技術として、特許文献1には、疎水変性ポリエーテルポリウレタンを含む水中油型乳化化粧料が記載されている。また、特許文献2には、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルを含む皮膚外用剤が記載されている。特許文献3には、ポリアクリルアミド化合物を含む水中油型乳化化粧料が記載されている。特許文献4には、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体を含む水中油型乳化化粧料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-094280号公報
【特許文献2】特開2014-108934号公報
【特許文献3】特開2020-164458号公報
【特許文献4】特開2021―017426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、耐水性に優れ尚且つ水に濡れることにより紫外線防御効果が向上する水中油型紫外線防御化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りであり、本発明は以下の態様を包含する。第一態様は、(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む(A)紫外線防御剤と、疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む(B)成分と、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを含む(C)成分と、を含み、前記(C)成分に対する(B)成分の含有比が0.16以上1.4以下である水中油型紫外線防御化粧料である。
【0006】
一態様において、(A1)紫外線吸収剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.18以上0.68以下であってよく、(A2)紫外線散乱剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.2以上0.63以下であってよい。また、一態様において、(A1)紫外線吸収剤の含有量が8質量%以上16質量%以下であってよく、(A2)紫外線散乱剤の含有量が8質量%以上20質量%以下であってよい。
【0007】
一態様において、前記疎水性変性ポリウレタンは、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー及びポリウレタン-62からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。また、一態様において、前記アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体は、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。さらに一態様において、前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルが、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐水性に優れ尚且つ水に濡れることにより紫外線防御効果が向上する水中油型紫外線防御化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに本明細書に記載される数値範囲の上限及び下限は、数値範囲として例示された数値をそれぞれ任意に選択して組み合わせることが可能である。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、水中油型紫外線防御化粧料を例示するものであって、本発明は、以下に示す水中油型紫外線防御化粧料に限定されない。
【0010】
水中油型紫外線防御化粧料
水中油型紫外線防御化粧料は、(A)成分として(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む紫外線防御剤の少なくとも1種と、(B)成分として疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種と、(C)成分としてポリオキシアルキレングリセリルエーテルの少なくとも1種と、を含む。水中油型紫外線防御化粧料では、(C)成分に対する(B)成分の含有比(B/C)が0.16以上1.4以下である。(A)成分である紫外線防御剤に加えて、(B)成分及び(C)成分を特定の含有比で含むことで、耐水性に優れ、且つ水に濡れることにより紫外線防御剤の効果をより向上させることができる。具体的には、水中油型紫外線防御化粧料の耐水性が向上し、浸水処理後における紫外線防御効果がより向上する。
【0011】
(A)紫外線防御剤
(A)成分である紫外線防御剤には、(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤からなる群から選択される少なくとも1種が含まれる。紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、熱、赤外線などのエネルギーとして放出することができる物質である。また紫外線散乱剤は、紫外線を吸収・反射・散乱させて皮膚等を紫外線から防御することができる物質である。
【0012】
(A1)紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シリコーン系紫外線吸収剤等が挙げられる。紫外線吸収剤は、紫外線防御効果、溶解性等の観点から、好ましくは桂皮酸系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤及び安息香酸系紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。また、紫外線吸収剤は、油溶性有機紫外線吸収剤であってもよい。紫外線吸収剤は、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0013】
安息香酸系紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸(PABA)、グリセリルパラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、N-エトキシレートパラアミノ安息香酸エチルエステル、N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N-ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、N-ジメチルパラアミノ安息香酸アミルエステル、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等が挙げられる。アントラニル酸系紫外線吸収剤としては、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等が挙げられる。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、アミルサリチレート、メンチルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、フェニルサリチレート、ベンジルサリチレート、p-イソプロパノールフェニルサリチレート等が挙げられる。
【0014】
桂皮酸系紫外線吸収剤としては、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイルジパラメトキシシンナメート等が挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニルベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジオクチルブタミドトリアゾン、2,4-ビス-[{4-(2-エチルへキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。シリコーン系紫外線吸収剤としては、ジメチコジエチルベンザルマロネート等が挙げられる。
【0015】
その他の有機紫外線吸収剤としては、3-(4’-メチルベンジリデン)-dl-カンファー、3-ベンジリデン-dl-カンファー、ウロカニン酸エチルエステル、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボニリデン)-3-ペンタン-2-オン、特開平2-212579号公報記載のベンゼン・ビス-1,3-ジケトン誘導体、特開平3-220153号公報記載のベンゾイルピナコロン誘導体等が挙げられる。
【0016】
(A2)紫外線散乱剤としては、金属酸化物微粒子を挙げることができる。金属酸化物としては酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化クロム等が挙げられる。これらのなかでも酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、酸化亜鉛及び酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、酸化亜鉛が特に好ましい。金属酸化物微粒子の表面は、無機化合物及び有機化合物の少なくとも1種で表面処理されていてもよい。表面処理に用いられる無機化合物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等が挙げられる。また表面処理に用いられる有機化合物としては、脂肪酸金属石鹸、オクチルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン、ハイドロゲンジメチコンなどのシリコーン、パルミチン酸デキストリンなどのデキストリン脂肪酸等が挙げられる。
【0017】
金属酸化物微粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、板状、棒状、紡錘状、針状、不定形状等が挙げられる。金属酸化物微粒子の平均粒子径は、例えば0.01μm以上であってよく、好ましくは0.012μm以上、0.015μm以上、0.02μm以上、又は0.03μm以上であってよい。また、金属酸化物微粒子の平均粒子径は、例えば1μm以下であってよく、好ましくは0.8μm以下、0.5μm以下、0.2μm以下、0.1μm以下、0.08μm以下、又は0.04μm以下であってよい。平均粒子径の具体的な範囲としては、例えば0.01μm以上1μm以下の範囲であってよく、好ましくは0.012μm以上0.8μm以下、0.015μm以上0.5μm以下、又は0.015μm以上0.2μm以下であってよい。なお、金属酸化物微粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定される体積平均粒子径を意味する。紫外線散乱剤は、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0018】
(A)成分である紫外線防御剤は、少なくとも1種の紫外線吸収剤のみを含んでいてもよいし、少なくとも1種の紫外線散乱剤のみを含んでいてもよいし、少なくとも1種の紫外線吸収剤及び少なくとも1種の紫外線散乱剤の両方を含んでいてもよい。
【0019】
水中油型紫外線防御化粧料における(A)成分の含有量は、例えば5質量%以上40質量%以下であってよい。(A)成分の含有量は、好ましくは6質量%以上、12質量%以上、又は15質量%以上であってよい。また(A)成分の含有量は、好ましくは30質量%以下、又は20質量%であってよい。(A)成分の含有量が前記範囲内であると、十分な紫外線防御効果が得られ、安定性、使用感に優れる。
【0020】
水中油型紫外線防御化粧料における(A1)紫外線吸収剤の含有量は、例えば30質量%以下であってよい。(A1)紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは20質量%以下、18質量%以下、又は16質量%以下であってよく、また好ましくは4質量%以上、6質量%以上、又は8質量%以上であってよい。(A1)紫外線吸収剤の含有量が前記範囲内であると、十分な紫外線防御効果が得られ、安定性、使用感に優れる。水中油型紫外線防御化粧料は、(A1)紫外線吸収剤を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0021】
水中油型紫外線防御化粧料における(A2)紫外線散乱剤の含有量は、例えば30質量%以下であってよい。(A2)紫外線散乱剤の含有量は、好ましくは20質量%以下、18質量%以下、又は16質量%以下であってよく、また好ましくは4質量%以上、6質量%以上、又は8質量%以上であってよい。(A2)紫外線散乱剤の含有量が前記範囲内であると、十分な紫外線防御効果が得られ、安定性、使用感に優れる。水中油型紫外線防御化粧料は、(A2)紫外線散乱剤を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0022】
水中油型紫外線防御化粧料が(A1)紫外線吸収剤と(A2)紫外線散乱剤とを含む場合、(A2)紫外線散乱剤に対する(A1)紫外線吸収剤の含有量の質量比(A1/A2)は、例えば0.01以上30以下であってよい。質量比(A1/A2)は、好ましくは0.2以上、又は0.5以上であってよく、また好ましくは20以下、10以下、5以下、又は2以下であってよい。
【0023】
(B)疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体
水中油型紫外線防御化粧料は、疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーを(B)成分として含む。(B)成分は、例えば高分子乳化剤、増粘剤として機能し、水中油型紫外線防御化粧料の安定性、分散性、耐水性等に寄与する。水中油型紫外線防御化粧料は、(B)成分を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0024】
疎水性変性ポリウレタンとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等のアルキレンジイソシアネートから形成されるポリウレタンを、デシルテトラデカノールのポリエチレングリコールエーテル等で疎水性変性したもの、ヘキサメチレンジイソシアネート、PEG-200、メチルグルセス―10及びトリデセス―6の共重合体の末端を炭素数16以上20以下の脂肪族アルコールでブロックしたもの等が挙げられる。具体的には、例えば(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ポリウレタン―62等が挙げられる。疎水性変性ポリウレタンは、少なくとも(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー及びポリウレタン―62からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、少なくとも(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーを含んでいてよい。
【0025】
アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体としては、ポリアクリルアミド、アクリルアミド及びアクリロイルジメチルタウリンの少なくとも1種を構成単位として含むコポリマー等が挙げられる。アクリルアミド及びアクリロイルジメチルタウリンの少なくとも1種を構成単位として含むコポリマーとしては、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体、アクリルアミドとアクリル酸塩との共重合体、アクリル酸とアクリルアミドとアクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩の共重合体、ビニルピロリドンとアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体等を挙げることができる。これらの中でも、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体が好ましい。ここで、アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体は、アクリル酸エステルに由来する構成単位を含まないことが好ましい。
【0026】
アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体としてより具体的には、ポリアクリルアミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、(アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、アクリル酸/アクリルアミド/アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス-25)クロスコポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス-25)クロスポリマー等が挙げられる。アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体は、ポリアクリルアミド及び(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
【0027】
水中油型紫外線防御化粧料における(B)成分は、疎水性変性ポリウレタン、ポリアクリルアミド及びアクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0028】
水中油型紫外線防御化粧料における(B)成分の含有量は、例えば0.1質量%以上10質量%以下であってよい。水中油型紫外線防御化粧料における(B)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、又は0.9質量%以上であってよく、また好ましくは5質量%以下、又は2.0質量%以下であってよい。また、水中油型紫外線防御化粧料における(B)成分の含有量は、(B)成分が疎水性変性ポリウレタンを含む場合、例えば0.1質量%以上10質量%以下であってよい。水中油型紫外線防御化粧料における(B)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、又は0.9質量%以上であってよく、また好ましくは5質量%以下、又は2質量%以下であってよい。さらに、水中油型紫外線防御化粧料における(B)成分の含有量は、(B)成分がアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体を含む場合、例えば0.1質量%以上10質量%以下であってよい。水中油型紫外線防御化粧料における(B)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、又は0.9質量%以上であってよく、また好ましくは5質量%以下、又は2.0質量%以下であってよい。
【0029】
水中油型紫外線防御化粧料における(A)成分に対する(B)成分の含有比(B/A)は、例えば0.01以上0.5以下であってよい。含有比(B/A)は、好ましくは0.02以上、0.03以上、又は0.04以上であってよく、また好ましくは0.2以下、0.1以下、0.08以下、又は0.06以下であってよい。
【0030】
(C)ポリオキシアルキレングリセリルエーテル
水中油型紫外線防御化粧料は、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの少なくとも1種を(C)成分として含む。(C)成分は、例えば保湿剤、乳化助剤、感触改良剤等として機能し、水中油型紫外線防御化粧料の使用性や安定性が向上する。水中油型紫外線防御化粧料は、(C)成分を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0031】
ポリオキシアルキレングリセリルエーテルは、ポリアルキレングリコールとグリセリンとから構成されるエーテル化合物である。ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを構成するポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)及びポリブチレングリコール(PBG)等のポリアルキレングリコールを含んでいてよい。また、ポリアルキレングリコールグリセリルエーテルは、下記式(1)で表される水溶性アルキレンオキシド誘導体を含んでいてもよい。
Gly-[O―(PO)(EO)(BO)―H] (1)
【0032】
式(1)中、Glyは、グリセリンから水酸基を除いた残基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基である。m及びnはそれぞれ、前記オキシプロピレン基POおよび前記オキシエチレン基EOの平均付加モル数であって、0≦m≦50、0≦n≦50であってよい。pは前記オキシアルキレン基BOの平均付加モル数であって、1≦p≦5の値であってよい。ただし、mおよびnは同時に0ではない。m、nがいずれも0ではないとき、POとEOとの質量比(PO/EO)は、例えば1/5以上5/1以下であってよい。またEOとPOとBOはランダム状に付加してもブロック状に付加してもよく、またランダム部位とブロック部位とが混在していてもよい。
【0033】
ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを構成するポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリブチレングリコール(PBG)及び炭素数3又は4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基とから構成されるポリアルキレングリコールからなる群から選択少なくとも1種を含んでいてよい。
【0034】
具体的に、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルは、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0035】
水中油型紫外線防御化粧料における(C)成分の含有量は、例えば0.1質量%以上9質量%以下であってよい。水中油型紫外線防御化粧料における(C)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、又は2質量%以上であってよく、また好ましくは7質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
【0036】
水中油型紫外線防御化粧料における(C)成分に対する(B)成分の含有比(B/C)は、例えば0.16以上であってよく、好ましくは0.18以上、又は0.2以上であってよい。含有比(B/C)は、好ましくは10以下、4以下、1.4以下、1.2以下、1以下、0.8以下、0,6以下、又は0.5以下であってよい。また含有比(B/C)は、0.16以上1.4以下であってよく、好ましくは0.18以上1.2以下、又は0.18以上1以下であってよい。
【0037】
水中油型紫外線防御化粧料における(A)成分に対する(C)成分の含有比(C/A)は、例えば0.01以上0.45以下であってよい。含有比(C/A)は、好ましくは0.02以上、0.04以上、0.06以上、0.08以上、又は0.10以上であってよく、また好ましくは0.3以下、0.26以下、0.24以下、0.22以下、0.2以下、0.16以下、又は0.14以下であってよい。
【0038】
水中油型紫外線防御化粧料における(A)成分の含有量に対する(B)成分と(C)成分の合計含有量の比((B+C)/A)は、例えば0.05以上0.5以下であってよい。比((B+C)/A)は、好ましくは0.07以上、0.09以上、0.12以上、又は0.14以上であってよく、また好ましくは0.33以下、0.3以下、0.28以下、0.26以下、又は0.2以下であってよい。
【0039】
水中油型紫外線防御化粧料が(A1)紫外線吸収剤を含む場合、水中油型紫外線防御化粧料における(A1)紫外線吸収剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の合計含有量の比((B+C)/A1)は、例えば0.05以上1以下、又は0.1以上0.8以下であってよい。比((B+C)/A1)は、好ましくは0.15以上、0.18以上、0.24以上、又は0.28以上であってよく、また好ましくは0.7以下、0.68以下、0.58以下、又は0.46以下であってよい。
【0040】
水中油型紫外線防御化粧料が(A2)紫外線散乱剤を含む場合、水中油型紫外線防御化粧料における(A2)紫外線散乱剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の合計含有量の比((B+C)/A2)は、例えば0.05以上1以下、又は0.1以上0.8以下であってよい。比((B+C)/A2)は、好ましくは0.15以上、0.2以上、又は0.24以上であってよく、また好ましくは0.7以下、0.63以下、0.6以下、0.5以下、又は0.4以下であってよい。
【0041】
水中油型紫外線防御化粧料は、紫外線防御剤、疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体、並びにポリオキシアルキレングリセリルエーテルに加えて、紫外線防御化粧料に通常配合し得る他の任意成分を含んでいてもよい。他の任意成分としては、例えば液状油、水溶性高分子、油溶性高分子、ロウ類等の固形油分、低級アルコール、保湿成分、界面活性剤、粉末成分、防腐成分、薬剤等が挙げられるが、これらの例示に限定されるものではない。
【0042】
液状油としては、シリコーン油、炭化水素油、植物油、エステル油、高分子量のポリオキアルキレングリコールなどが含まれる。具体例としては、ジメチコン、ジフェニルジメチコン、シクロペンタシロキサン等のシリコーン油;アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、卵黄油、肝油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル等の液状油脂;オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のイソオクタン酸エステル、ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、オレイン酸イソデシル等のオレイン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油;流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;ポリオキシブチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。
【0043】
水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム/アクリル酸アルキル/メタクリル酸ナトリウム/メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カードラン、コンドロイチン硫酸、デンプン、グリコーゲン、アラビアガム、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天等が例示される。
【0044】
油溶性高分子としては、トリメチルシロキシケイ酸、アルキル変性シリコーン、ポリアミド変性シリコーン、ジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン等が例示される。
【0045】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、液状ラノリン、ホホバロウ等が例示される。
【0046】
低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等の炭素数1から5のアルコールが挙げられる。保湿成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の多価アルコール等が例示される。
【0047】
界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤が挙げられ、シリコーン系又は炭化水素系の界面活性剤が含まれる。粉末成分としては、ナイロン、アクリル系のポリマー球状粉末、シリカ粉末、シリコーン粉末、セルロース粉末、スターチ粉末、シルク粉末等が例示される。
【0048】
薬剤としては、L-アスコルビン酸及びその誘導体の塩、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸ステアリル等のグリチルレチン酸及びその誘導体、アラントイン、トラネキサム酸及びその誘導体の塩、アルコキシサリチル酸及びその誘導体の塩、グルタチオン及びその誘導体の塩、アラントイン、アズレン等が例示される。
【0049】
その他の成分として、トレハロース、エリスリトール等の糖類、ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸等の多糖類、セリン、グリシン、ヒドロキシプロリン、グルタミン酸、アラニン等のアミノ酸類、シルク抽出物、クロレラエキス、加水分解真珠タンパク質、ヤグルマエキス、テンチャエキス、酵母エキス、イノシトール、カンゾウエキス、ワレモコウエキス、バラエキス、ヨクイニン等の抽出物等が例示される。
【0050】
水中油型紫外線防御化粧料の具体的な剤型としては、日焼け止め乳液、日焼け止めクリームといった剤型であり、各剤型に適した常法を用いて製造することができる。
【0051】
本発明は、以下の態様を更に包含していてよい。
[1] (A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む(A)紫外線防御剤と、疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む(B)成分と、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを含む(C)成分と、を含み、前記(C)成分に対する(B)成分の含有比が0.18以上1以下である水中油型紫外線防御化粧料。
【0052】
[2] (A1)紫外線吸収剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.18以上0.68以下である[1]に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【0053】
[3] (A2)紫外線散乱剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.2以上0.63以下である[1]又は[2]に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【0054】
[4] (A1)紫外線吸収剤の含有量が8質量%以上16質量%以下である[1]から[3]のいずれかに記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【0055】
[5] (A2)紫外線散乱剤の含有量が8質量%以上20質量%以下である[1]から[4]のいずれかに記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【0056】
[6] 前記疎水性変性ポリウレタンは、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー及びポリウレタン-62からなる群から選択される少なくとも1種を含む[1]から[5]もいずれかに記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【0057】
[7] 前記アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体が、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む[1]から[6]のいずれかに記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【0058】
[8] 前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルが、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む[1]から[7]のいずれかに記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【実施例0059】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0060】
実施例1から6及び比較例1から6
表1に記載された表示名称の成分を、表1に記載の含有率(%)になるように均一に混合して、水中油型紫外線防御化粧料である試料を製造した。なお、以下の表1から表4中の成分の詳細については後述する。また、表中の空欄(-)は未配合又は未評価であることを示す。
【0061】
得られた試料を用いて、以下のようにして「SPF上昇効果(SPF上昇率)」評価した。結果を表1に示す。
【0062】
評価方法
SPF上昇効果(SPF上昇率)
SPF上昇効果の評価については、上記で得られた各試料を、PMMAプレート(Labsphere社製;HELIOPLATE HD 6)に1.33mg/cmで塗布後、15分自然乾燥させた。その後、試料塗布したPMMAプレートについて、SPFアナライザー(Labsphere社製;UV-2000 S)を用いて浸水処理前のSPF値を測定した。その後、試料を塗布したPMMAプレートをシャーレに入れ、塗布面が上になるよう固定し、常温の水道水に浸し20分間振盪台(ロッキングミキサーRM-80、アズワン製)で振盪し続けた。水道水を交換し、同様の作業を2回繰り返した後、PMMAプレートを30分以上放置して乾燥させた。再度、SPFアナライザーにて浸水処理後のSPF値を測定した。SPF値の初期値と処理後値から、下式にてSPF上昇率を算出し、下記判定基準にしたがってSPF上昇効果を判定した。
SPF上昇率(%)=(浸水処理後のSPF値)/(浸水処理前のSPF値)×100
【0063】
判定基準
S : SPF上昇率が120%以上であった。
A : SPF上昇率が105%以上120%未満であった。
B : SPF上昇率が90%以上105%未満であった。
C : SPF上昇率が90%未満であった。
【0064】
【表1】
【0065】
実施例7から10、比較例7
表2に記載された表示名称の成分を、表2に記載の含有率(%)になるように均一に混合して、紫外線防御化粧料である試料を製造した。
【0066】
得られた試料を用いて、上記と同様にして「SPF上昇効果」を評価した。評価結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例11から13
表3に記載された表示名称の成分を、表3に記載の含有率(%)になるように均一に混合して、紫外線防御化粧料である試料を製造した。
【0069】
得られた試料を用いて、上記と同様にして「SPF上昇効果」を評価した。評価結果を表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
実施例14から16及び比較例8
表4に記載された表示名称の成分を、表4に記載の含有率(%)になるように均一に混合して、紫外線防御化粧料である試料を製造した。
【0072】
得られた試料を用いて、上記と同様にして「SPF上昇効果」を評価した。評価結果を表4に示す。
【0073】
【表4】
【0074】
実施例17及び18
表5に記載された表示名称の成分を、表5に記載の含有率(%)になるように均一に混合して、紫外線防御化粧料である試料を製造した。
【0075】
得られた試料を用いて、上記と同様にして「SPF上昇効果」を評価した。評価結果を表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】
以上から、(A)紫外線防御剤と、(B)疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種と、(C)ポリオキシアルキレングリセリルエーテルと、を含み、前記(C)成分に対する(B)成分の含有比が0.18以上1以下である水中油型紫外線防御化粧料は、紫外線防御効果の向上に優れることが分かる。
【0078】
表1から表5中の表示名称の各成分の詳細を以下に示す。
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル:UVINUL(登録商標) MC 80(BASFジャパン株式会社)
・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン:TINOSORB(登録商標) S(BASFジャパン株式会社)
・ドデカン:PARAFOL(登録商標) 12 RSPO-MB(SASOL Germany GmbH)
・セタノール:カルコール 6870(花王株式会社)
・トコフェロール:トコフェロール100(日清オイリオグループ株式会社)
・ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛(60%)、水添ポリイソブテン、ポリヒドロキシステアリン酸、:ZDB-300(チタン工業株式会社)
・ステアリン酸ソルビタン:レオドール SP-S10V(花王株式会社)
・フェノキシエタノール:フェノキシエタノール-S(四日市合成株式会社)
・(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー(90%)、トリデセス-6:AvalureTM Flex-6 CC Polymer(Lubrizol社)
・ポリウレタン―62(90%)、トリデセス―6:AvalureTM Flex-6 Polymer(Lubrizol社)
・PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン:ウィルブライド(登録商標) S-753D(日油株式会社)
・ケイ酸(Al/Mg):スメクトンSA(クニミネ工業株式会社)
・カンテン、キサンタンガム:ノムコートAG(日清オイリオグループ株式会社)
・シリカ:サンスフェア NP-100(AGCエスアイテック株式会社)
・プロパンジオール:Zemea(登録商標)Select プロパンジオール(Dupont Tate & Lyle Bio Products Company LLC)
・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー:PemulenTM EZ-4U Polymeric Emulsifier(Lubrizol社)
・ポリアクリルアミド(40%)、(C13、14)イソパラフィン、ラウレス-7、水:SEPIGEL 305(SEPPIC S.A.社)
・(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(40%)、イソヘキサデカン、ポリソルベート80、水:SIMULGEL EG(SEPPIC S.A.社)
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル:UVINUL(登録商標) A Plus Granular(BASFジャパン株式会社)
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン:パルソール1789(DSM株式会社)
・ポリオキシプロピレングリセリルエーテル:ユニオール(登録商標)SGP-65(日油株式会社)
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(24E.O.)(24P.O.):ユニルーブ(登録商標)50TG-32(日油株式会社)
【手続補正書】
【提出日】2022-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む(A)紫外線防御剤と、疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む(B)成分と、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを含む(C)成分と、を含み、
前記(B)成分の含有量が0.9質量%以上5質量%以下であり、
前記(C)成分に対する(B)成分の含有比が0.16以上1.4以下である水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項2】
(A1)紫外線吸収剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.15以上0.7以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項3】
(A2)紫外線散乱剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.15以上0.65以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項4】
(A1)紫外線吸収剤の含有量が20質量%以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項5】
(A2)紫外線散乱剤の含有量が20質量%以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項6】
前記疎水性変性ポリウレタンは、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー及びポリウレタン-62からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項7】
(A)紫外線防御剤が、(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤を含み、(A)成分の合計含有量に対する(B)成分と(C)成分の合計含有量の比が0.05以上0.2以下である請求項6に記載の水中油型紫外線防御化粧料
【請求項8】
前記アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体が、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項9】
前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルが、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む(A)紫外線防御剤と、疎水性変性ポリウレタン及びアクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む(B)成分と、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを含む(C)成分と、を含み、
前記(B)成分は、アルキレンジイソシアネートから形成されるポリウレタンのデシルテトラデカノールのポリエチレングリコールエーテルによる疎水性変性物、ポリウレタン―62、ポリアクリルアミド、並びにアクリルアミド及びアクリロイルジメチルタウリンの少なくとも1種を構成単位として含むコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記(C)成分は、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記(A)成分の含有量が5質量%以上40質量%以下であり、
前記(B)成分の含有量が0.9質量%以上5質量%以下であり、
前記(C)成分の含有量が0.1質量%以上9質量%以下であり、
前記(C)成分に対する(B)成分の含有比が0.16以上1.4以下である水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項2】
(A1)紫外線吸収剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.15以上0.7以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項3】
(A2)紫外線散乱剤の含有量に対する(B)成分と(C)成分の総含有量の質量比が0.15以上0.65以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項4】
(A1)紫外線吸収剤の含有量が20質量%以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項5】
(A2)紫外線散乱剤の含有量が20質量%以下である請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項6】
前記アルキレンジイソシアネートから形成されるポリウレタンのデシルテトラデカノールのポリエチレングリコールエーテルによる疎水性変性物が、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーである請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項7】
(A)紫外線防御剤が、(A1)紫外線吸収剤及び(A2)紫外線散乱剤を含み、(A)成分の合計含有量に対する(B)成分と(C)成分の合計含有量の比が0.05以上0.2以下である請求項に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項8】
前記アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体が、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、(アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、アクリル酸/アクリルアミド/アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス-25)クロスコポリマー及び(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス-25)クロスポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。
【請求項9】
前記アクリルアミドに由来する構成単位を含む重合体が、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の水中油型紫外線防御化粧料。