(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084132
(43)【公開日】2023-06-16
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20230609BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20230609BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
H01L29/78 652S
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652G
H01L29/78 653C
H01L29/78 656A
H01L29/78 655C
H01L29/78 655G
H02J7/00 S
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050578
(22)【出願日】2023-03-27
(62)【分割の表示】P 2022570609の分割
【原出願日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】63/167,328
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520133916
【氏名又は名称】ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山本 興輝
(72)【発明者】
【氏名】高田 晴久
(57)【要約】
【課題】局所的な発熱を抑制することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置1であって、半導体層40と、半導体層40内に形成されたN(Nは3以上の整数)個の縦型MOSトランジスタと、を備え、N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれは、半導体層40の上面に、当該縦型MOSトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたゲートパッドと、当該縦型MOSトランジスタのソース電極に電気的に接続された1以上のソースパッドと、を有し、半導体層40は、半導体基板32を有し、半導体基板32は、N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域として機能し、半導体層40の平面視における、N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの面積は、N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、
半導体層と、
前記半導体層内に形成された、第1の縦型MOSトランジスタと第2の縦型MOSトランジスタと第3の縦型MOSトランジスタとを含むN(Nは3以上の整数)個の縦型MOSトランジスタと、を備え、
前記N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型MOSトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたゲートパッドと、当該縦型MOSトランジスタのソース電極に電気的に接続されたソースパッドと、を有し、
前記半導体層は、半導体基板を有し、
前記半導体基板は、前記N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域として機能し、
前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において、第1の外周辺と、それぞれ前記第1の外周辺に隣接する第2の外周辺および第3の外周辺と、前記第1の外周辺に対向する第4の外周辺と、を有する矩形であり、
前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型MOSトランジスタは、
前記第1の外周辺に全長が面する第1の辺と、前記第2の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第2の辺と、前記第3の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第3の辺と、を有する多角形であり、
前記第1の外周辺と前記第1の辺との間、前記第2の外周辺と前記第2の辺との間、および、前記第3の外周辺と前記第3の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視において、前記第2の縦型MOSトランジスタは、
前記第2の外周辺に全長が面する第4の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第4の辺に隣接する第5の辺と、を有する多角形であり、
前記第2の外周辺と前記第4の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第5の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視において、前記第3の縦型MOSトランジスタは、
前記第3の外周辺に全長が面する第6の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第6の辺に隣接する第7の辺と、を有する多角形であり、
前記第3の外周辺と前記第6の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第7の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きく、
前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型MOSトランジスタの面積をS1、前記第2の縦型MOSトランジスタの面積をS2、前記第3の縦型MOSトランジスタの面積をS3とする場合に、S1>S2=S3、または、S1<S2=S3である
半導体装置。
【請求項2】
フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、
半導体層と、
前記半導体層内に形成された、第1の縦型MOSトランジスタと第2の縦型MOSトランジスタと第3の縦型MOSトランジスタとを含むN(Nは3以上の整数)個の縦型MOSトランジスタと、を備え、
前記N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型MOSトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたゲートパッドと、当該縦型MOSトランジスタのソース電極に電気的に接続されたソースパッドと、を有し、
前記半導体層は、半導体基板を有し、
前記半導体基板は、前記N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域として機能し、
前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において、第1の外周辺と、それぞれ前記第1の外周辺に隣接する第2の外周辺および第3の外周辺と、前記第1の外周辺に対向する第4の外周辺と、を有する矩形であり、
前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型MOSトランジスタは、
前記第1の外周辺に全長が面する第1の辺と、前記第2の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第2の辺と、前記第3の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第3の辺と、を有する多角形であり、
前記第1の外周辺と前記第1の辺との間、前記第2の外周辺と前記第2の辺との間、および、前記第3の外周辺と前記第3の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視において、前記第2の縦型MOSトランジスタは、
前記第2の外周辺に全長が面する第4の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第4の辺に隣接する第5の辺と、を有する多角形であり、
前記第2の外周辺と前記第4の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第5の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視において、前記第3の縦型MOSトランジスタは、
前記第3の外周辺に全長が面する第6の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第6の辺に隣接する第7の辺と、を有する多角形であり、
前記第3の外周辺と前記第6の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第7の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きく、
前記第1の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流をIM1、前記第2の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流をIM2、前記第3の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流をIM3とする場合に、IM1>IM2=IM3、または、IM1<IM2=IM3である
半導体装置。
【請求項3】
IM2+IM3=IM1である
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの1個は、最大仕様電流が、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちのK(Kは、2以上N-1以下の整数)個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流の和と等しい特定縦型MOSトランジスタである
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの少なくとも1個は、有する前記ソースパッドが1のソースパッドである特定縦型MOSトランジスタであり、
前記半導体層の平面視において、前記少なくとも1個の特定縦型MOSトランジスタそれぞれが有する前記ゲートパッドおよび前記1のソースパッドは、正円形であり、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれが有する前記ゲートパッドおよび前記のソースパッドの中に、前記少なくとも1個の特定縦型MOSトランジスタそれぞれが有する前記ゲートパッドおよび前記1のソースパッドよりも有意に面積が小さいゲートパッドおよびソースパッドが存在しない
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において矩形であり、
前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる1以上の電流経路それぞれにおける、当該電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接する
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において長方形であり、
前記半導体層の平面視において、前記1以上の電流経路それぞれにおける、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、前記半導体装置の長辺に平行である
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体層の平面視において、前記1以上の電流経路それぞれにおける、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、前記半導体装置の4つの辺のいずれに対しても平行でない
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体層の平面視において、前記1以上の電流経路それぞれにおける、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、前記半導体装置の4つの辺のうちの、第1の辺に平行な線分と、前記第1の辺に直交する第2の辺に平行な線分とが交互に接続されてなる
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第1の電流経路における、当該第1の電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、
前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、前記仕様により定まる第2の電流経路における、当該第2の電流経路の入口または出口に位置する前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、
前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、前記仕様により定まる第3の電流経路における、当該第3の電流経路の入口または出口に位置する前記第2の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、
前記第3の出入口縦型MOSトランジスタの前記ゲートパッドは、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線の延長線上に位置する
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第1の電流経路における、当該第1の電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、
前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、前記仕様により定まる第2の電流経路における、当該第2の電流経路の入口または出口に位置する前記第2の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、
前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとにより定まる電流経路は、前記仕様により定まる電流経路のいずれにも該当せず、
前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、
前記第3の出入口縦型MOSトランジスタの前記ゲートパッドは、前記第2の出入口縦型MOSトランジスタと前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線よりも、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線の近傍に位置する
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項12】
さらに、前記半導体層の上面に、前記半導体基板に電気的に接続されたドレインパッドを備える
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項13】
フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、
半導体層と、
前記半導体層内に形成された、第1の縦型トランジスタと第2の縦型トランジスタと第3の縦型トランジスタとを含むN(Nは3以上の整数)個の縦型トランジスタと、を備え、
前記N個の縦型トランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型トランジスタの導通を制御する制御電極に電気的に接続された制御パッドと、当該縦型トランジスタが、外部から電流を流入する、または外部へ電流を流出する外部接続電極に電気的に接続された外部接続パッドと、を有し、
前記半導体層は、半導体基板を有し、
前記半導体基板の、前記N個の縦型トランジスタが形成された一方の主面と背向する、他方の主面側に、前記N個の縦型トランジスタに共通する共通電極を備え、
前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において、第1の外周辺と、それぞれ前記第1の外周辺に隣接する第2の外周辺および第3の外周辺と、前記第1の外周辺に対向する第4の外周辺と、を有する矩形であり、
前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型トランジスタは、
前記第1の外周辺に全長が面する第1の辺と、前記第2の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第2の辺と、前記第3の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第3の辺と、を有する多角形であり、
前記第1の外周辺と前記第1の辺との間、前記第2の外周辺と前記第2の辺との間、および、前記第3の外周辺と前記第3の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視において、前記第2の縦型トランジスタは、
前記第2の外周辺に全長が面する第4の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第4の辺に隣接する第5の辺と、を有する多角形であり、
前記第2の外周辺と前記第4の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第5の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視において、前記第3の縦型トランジスタは、
前記第3の外周辺に全長が面する第6の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第6の辺に隣接する第7の辺と、を有する多角形であり、
前記第3の外周辺と前記第6の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第7の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きく、
前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型トランジスタの面積をS1、前記第2の縦型トランジスタの面積をS2、前記第3の縦型トランジスタの面積をS3とする場合に、S1>S2=S3、または、S1<S2=S3である
半導体装置。
【請求項14】
フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、
半導体層と、
前記半導体層内に形成された、第1の縦型トランジスタと第2の縦型トランジスタと第3の縦型トランジスタとを含むN(Nは3以上の整数)個の縦型トランジスタと、を備え、
前記N個の縦型トランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型トランジスタの導通を制御する制御電極に電気的に接続された制御パッドと、当該縦型トランジスタが、外部から電流を流入する、または外部へ電流を流出する外部接続電極に電気的に接続された外部接続パッドと、を有し、
前記半導体層は、半導体基板を有し、
前記半導体基板の、前記N個の縦型トランジスタが形成された一方の主面と背向する、他方の主面側に、前記N個の縦型トランジスタに共通する共通電極を備え、
前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において、第1の外周辺と、それぞれ前記第1の外周辺に隣接する第2の外周辺および第3の外周辺と、前記第1の外周辺に対向する第4の外周辺と、を有する矩形であり、
前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型トランジスタは、
前記第1の外周辺に全長が面する第1の辺と、前記第2の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第2の辺と、前記第3の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第3の辺と、を有する多角形であり、
前記第1の外周辺と前記第1の辺との間、前記第2の外周辺と前記第2の辺との間、および、前記第3の外周辺と前記第3の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視において、前記第2の縦型トランジスタは、
前記第2の外周辺に全長が面する第4の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第4の辺に隣接する第5の辺と、を有する多角形であり、
前記第2の外周辺と前記第4の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第5の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視において、前記第3の縦型トランジスタは、
前記第3の外周辺に全長が面する第6の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第6の辺に隣接する第7の辺と、を有する多角形であり、
前記第3の外周辺と前記第6の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第7の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、
前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きく、
前記第1の縦型トランジスタの最大仕様電流をIM1、前記第2の縦型トランジスタの最大仕様電流をIM2、前記第3の縦型トランジスタの最大仕様電流をIM3とする場合に、IM1>IM2=IM3、または、IM1<IM2=IM3である
半導体装置。
【請求項15】
IM2+IM3=IM1である
請求項14に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、縦型トランジスタをはじめとする半導体装置、電池保護回路、および、パワーマネージメント回路に関する。なお、縦型トランジスタとは、縦型の、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、BJT(Bipolar Junction Transistor)等をいう。
【背景技術】
【0002】
従来、ドレイン領域を共通とする複数の縦型MOSトランジスタを備える半導体装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドレイン領域を共通とする複数の縦型MOSトランジスタを備える半導体装置において、局所的な発熱を抑制することが望まれる。
【0005】
そこで、本開示は、局所的な発熱を抑制することができる半導体装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る半導体装置は、フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、半導体層と、前記半導体層内に形成された、第1の縦型MOSトランジスタと第2の縦型MOSトランジスタと第3の縦型MOSトランジスタとを含むN(Nは3以上の整数)個の縦型MOSトランジスタと、を備え、前記N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型MOSトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたゲートパッドと、当該縦型MOSトランジスタのソース電極に電気的に接続されたソースパッドと、を有し、前記半導体層は、半導体基板を有し、前記半導体基板は、前記N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域として機能し、前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において、第1の外周辺と、それぞれ前記第1の外周辺に隣接する第2の外周辺および第3の外周辺と、前記第1の外周辺に対向する第4の外周辺と、を有する矩形であり、前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型MOSトランジスタは、前記第1の外周辺に全長が面する第1の辺と、前記第2の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第2の辺と、前記第3の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第3の辺と、を有する多角形であり、前記第1の外周辺と前記第1の辺との間、前記第2の外周辺と前記第2の辺との間、および、前記第3の外周辺と前記第3の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視において、前記第2の縦型MOSトランジスタは、前記第2の外周辺に全長が面する第4の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第4の辺に隣接する第5の辺と、を有する多角形であり、前記第2の外周辺と前記第4の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第5の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視において、前記第3の縦型MOSトランジスタは、前記第3の外周辺に全長が面する第6の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第6の辺に隣接する第7の辺と、を有する多角形であり、前記第3の外周辺と前記第6の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第7の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きく、前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型MOSトランジスタの面積をS1、前記第2の縦型MOSトランジスタの面積をS2、前記第3の縦型MOSトランジスタの面積をS3とする場合に、S1>S2=S3、または、S1<S2=S3である。
【0007】
本開示の一態様に係る半導体装置は、フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、半導体層と、前記半導体層内に形成された、第1の縦型MOSトランジスタと第2の縦型MOSトランジスタと第3の縦型MOSトランジスタとを含むN(Nは3以上の整数)個の縦型MOSトランジスタと、を備え、前記N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型MOSトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたゲートパッドと、当該縦型MOSトランジスタのソース電極に電気的に接続されたソースパッドと、を有し、前記半導体層は、半導体基板を有し、前記半導体基板は、前記N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域として機能し、前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において、第1の外周辺と、それぞれ前記第1の外周辺に隣接する第2の外周辺および第3の外周辺と、前記第1の外周辺に対向する第4の外周辺と、を有する矩形であり、前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型MOSトランジスタは、前記第1の外周辺に全長が面する第1の辺と、前記第2の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第2の辺と、前記第3の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第3の辺と、を有する多角形であり、前記第1の外周辺と前記第1の辺との間、前記第2の外周辺と前記第2の辺との間、および、前記第3の外周辺と前記第3の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視において、前記第2の縦型MOSトランジスタは、前記第2の外周辺に全長が面する第4の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第4の辺に隣接する第5の辺と、を有する多角形であり、前記第2の外周辺と前記第4の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第5の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視において、前記第3の縦型MOSトランジスタは、前記第3の外周辺に全長が面する第6の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第6の辺に隣接する第7の辺と、を有する多角形であり、前記第3の外周辺と前記第6の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第7の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの他の縦型MOSトランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きく、前記第1の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流をIM1、前記第2の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流をIM2、前記第3の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流をIM3とする場合に、IM1>IM2=IM3、または、IM1<IM2=IM3である。
【0008】
本開示の一態様に係る半導体装置は、フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、半導体層と、前記半導体層内に形成された、第1の縦型トランジスタと第2の縦型トランジスタと第3の縦型トランジスタとを含むN(Nは3以上の整数)個の縦型トランジスタと、を備え、前記N個の縦型トランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型トランジスタの導通を制御する制御電極に電気的に接続された制御パッドと、当該縦型トランジスタが、外部から電流を流入する、または外部へ電流を流出する外部接続電極に電気的に接続された外部接続パッドと、を有し、前記半導体層は、半導体基板を有し、前記半導体基板の、前記N個の縦型トランジスタが形成された一方の主面と背向する、他方の主面側に、前記N個の縦型トランジスタに共通する共通電極を備え、前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において、第1の外周辺と、それぞれ前記第1の外周辺に隣接する第2の外周辺および第3の外周辺と、前記第1の外周辺に対向する第4の外周辺と、を有する矩形であり、前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型トランジスタは、前記第1の外周辺に全長が面する第1の辺と、前記第2の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第2の辺と、前記第3の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第3の辺と、を有する多角形であり、前記第1の外周辺と前記第1の辺との間、前記第2の外周辺と前記第2の辺との間、および、前記第3の外周辺と前記第3の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視において、前記第2の縦型トランジスタは、前記第2の外周辺に全長が面する第4の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第4の辺に隣接する第5の辺と、を有する多角形であり、前記第2の外周辺と前記第4の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第5の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視において、前記第3の縦型トランジスタは、前記第3の外周辺に全長が面する第6の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第6の辺に隣接する第7の辺と、を有する多角形であり、前記第3の外周辺と前記第6の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第7の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きく、前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型トランジスタの面積をS1、前記第2の縦型トランジスタの面積をS2、前記第3の縦型トランジスタの面積をS3とする場合に、S1>S2=S3、または、S1<S2=S3である。
【0009】
本開示の一態様に係る半導体装置は、フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、半導体層と、前記半導体層内に形成された、第1の縦型トランジスタと第2の縦型トランジスタと第3の縦型トランジスタとを含むN(Nは3以上の整数)個の縦型トランジスタと、を備え、前記N個の縦型トランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型トランジスタの導通を制御する制御電極に電気的に接続された制御パッドと、当該縦型トランジスタが、外部から電流を流入する、または外部へ電流を流出する外部接続電極に電気的に接続された外部接続パッドと、を有し、前記半導体層は、半導体基板を有し、前記半導体基板の、前記N個の縦型トランジスタが形成された一方の主面と背向する、他方の主面側に、前記N個の縦型トランジスタに共通する共通電極を備え、前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において、第1の外周辺と、それぞれ前記第1の外周辺に隣接する第2の外周辺および第3の外周辺と、前記第1の外周辺に対向する第4の外周辺と、を有する矩形であり、前記半導体層の平面視において、前記第1の縦型トランジスタは、前記第1の外周辺に全長が面する第1の辺と、前記第2の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第2の辺と、前記第3の外周辺に全長が面し、前記第1の辺に隣接する第3の辺と、を有する多角形であり、前記第1の外周辺と前記第1の辺との間、前記第2の外周辺と前記第2の辺との間、および、前記第3の外周辺と前記第3の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視において、前記第2の縦型トランジスタは、前記第2の外周辺に全長が面する第4の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第4の辺に隣接する第5の辺と、を有する多角形であり、前記第2の外周辺と前記第4の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第5の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視において、前記第3の縦型トランジスタは、前記第3の外周辺に全長が面する第6の辺と、前記第4の外周辺に全長が面し、前記第6の辺に隣接する第7の辺と、を有する多角形であり、前記第3の外周辺と前記第6の辺との間、および、前記第4の外周辺と前記第7の辺との間のそれぞれには、前記N個の縦型トランジスタのうちの他の縦型トランジスタが挟まれず、前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きく、前記第1の縦型トランジスタの最大仕様電流をIM1、前記第2の縦型トランジスタの最大仕様電流をIM2、前記第3の縦型トランジスタの最大仕様電流をIM3とする場合に、IM1>IM2=IM3、または、IM1<IM2=IM3である。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係る半導体装置等によると、局所的な発熱を抑制することができる半導体装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る半導体装置の回路構成の一例を示す回路図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図4B】
図4Bは、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図7A】
図7Aは、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図7B】
図7Bは、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図12】
図12は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図15】
図15は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図16】
図16は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図17】
図17は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図18】
図18は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図19】
図19は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図20】
図20は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図である。
【
図22A】
図22Aは、実施の形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面図である。
【
図22B】
図22Bは、実施の形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す平面図である。
【
図23】
図23は、実施の形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面図である。
【
図24】
図24は、実施の形態2に係る電池保護システムの構成の一例を示す回路図である。
【
図25A】
図25Aは、実施の形態2に係る電池保護システムが電池セルを充電する様子を示す模式図である。
【
図25B】
図25Bは、実施の形態2に係る電池保護システムが電池セルを放電する様子を示す模式図である。
【
図26】
図26は、実施の形態2に係る電池保護システムの構成の一例を示す回路図である。
【
図27】
図27は、実施の形態2に係る電池保護システムの構成の一例を示す回路図である。
【
図28】
図28は、実施の形態3に係る電池保護システムの構成の一例を示す回路図である。
【
図29A】
図29Aは、実施の形態3に係る電池保護システムがN個の電池セルを直列充電する様子を示す模式図である。
【
図29B】
図29Bは、実施の形態3に係る電池保護システムがN個の電池セルを放電する様子を示す模式図である。
【
図29C】
図29Cは、実施の形態3に係る電池保護システムがN個の電池セルを並列充電する様子を示す模式図である。
【
図30A】
図30Aは、実施の形態3に係る電池保護回路の具体例を示す回路図である。
【
図31A】
図31Aは、実施の形態3に係る電池保護回路の具体例を示す回路図である。
【
図32A】
図32Aは、実施の形態3に係る電池保護回路の具体例を示す回路図である。
【
図33A】
図33Aは、実施の形態3に係る電池保護システムが3個の電池セルを直列充電する様子を示す模式図である。
【
図33B】
図33Bは、実施の形態3に係る電池保護システムが3個の電池セルの直列充電を中止して、1個の電池セルの正極の電圧の外部への供給を開始する様子を示す模式図である。
【
図33C】
図33Cは、実施の形態3に係る電池保護システムが1個の電池セルを充電する様子を示す模式図である。
【
図33D】
図33Dは、実施の形態3に係る電池保護システムが3個の電池セルを並列放電する様子を示す模式図である。
【
図34】
図34は、実施の形態4に係る電池保護システムの構成の一例を示す回路図である。
【
図35A】
図35Aは、実施の形態4に係る電池保護システムがN-1個の電池セルを直列充電する様子を示す模式図である。
【
図35B】
図35Bは、実施の形態4に係る電池保護システムがN-1個の電池セルを放電する様子を示す模式図である。
【
図35C】
図35Cは、実施の形態4に係る電池保護システムがN-1個の電池セルを並列充電する様子を示す模式図である。
【
図36】
図36は、実施の形態4に係る電池保護回路の具体例を示す回路図である。
【
図39】
図39は、実施の形態4に係る電池保護回路の具体例を示す回路図である。
【
図40】
図40は、実施の形態4に係る電池保護回路の具体例を示す回路図である。
【
図41A】
図41Aは、実施の形態4に係る電池保護システムが3個の電池セルを直列充電する様子を示す模式図である。
【
図41B】
図41Bは、実施の形態4に係る電池保護システムが3個の電池セルの直列充電を中止して、1個の電池セルの正極の電圧の外部への供給を開始する様子を示す模式図である。
【
図41C】
図41Cは、実施の形態4に係る電池保護システムが1個の電池セルを充電する様子を示す模式図である。
【
図41D】
図41Dは、実施の形態4に係る電池保護システムが3個の電池セルを並列充電する様子を示す模式図である。
【
図42】
図42は、実施の形態5に係る電池保護システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図43】
図43は、実施の形態6に係る電池保護システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図44】
図44は、実施の形態7に係る電池保護システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図45】
図45は、実施の形態8に係るパワーマネージメントシステムの構成の一例を示す模式図である。
【
図46】
図46は、実施の形態9に係るパワーマネージメントシステムの構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の一態様を得るに至った経緯)
発明者らは、ドレイン領域を共通とする複数の縦型MOSトランジスタであって、最大仕様電流が互いに異なる複数の縦型MOSトランジスタを備える半導体装置の開発を進めている。
【0013】
その中で、発明者らは、最大仕様電流が互いに異なる複数の縦型MOSトランジスタ間で、各縦型MOSトランジスタに最大仕様電流を流す場合に、それらの導通抵抗が等しい場合には、最大仕様電流が大きい縦型MOSトランジスタの領域の局所的な発熱量の方が、最大仕様電流が小さい縦型MOSトランジスタの領域の局所的な発熱量よりも大きくなることに気が付いた。そして、このことにより、半導体装置に局所的な発熱が生じるという好ましくない現象が発生することを確認した。
【0014】
そこで、発明者らは、ドレイン領域を共通とする複数の縦型MOSトランジスタを備える半導体装置において、局所的な発熱を抑制することができる半導体装置を実現すべく、鋭意、実験、検討を重ねた。
【0015】
一般に、導通抵抗がR[Ω]となるトランジスタに電流I[A]を流す場合におけるトランジスタの発熱量は、R×I2に比例する。
【0016】
このため、発明者らは、ドレイン領域を共通とする複数の縦型MOSトランジスタを備える半導体装置において局所的な発熱を抑制するためには、各縦型MOSトランジスタの最大仕様電流に応じて、各縦型MOSトランジスタの導通抵抗を、最大仕様電流がより大きい縦型MOSトランジスタ程、より小さくすることが有効であるとの知見を得た。
【0017】
そこで、発明者らは、この知見に基づいて、さらに、実験、検討を重ねた。その結果、発明者らは、下記本開示に係る半導体装置等に想到した。
【0018】
本開示の一態様に係る半導体装置は、フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、半導体層と、前記半導体層内に形成されたN(Nは3以上の整数)個の縦型MOSトランジスタと、を備え、前記N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型MOSトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたゲートパッドと、当該縦型MOSトランジスタのソース電極に電気的に接続された1以上のソースパッドと、を有し、前記半導体層は、半導体基板を有し、前記半導体基板は、前記N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域として機能し、前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きい。
【0019】
上記構成の半導体装置によると、縦型MOSトランジスタの最大仕様電流が大きい程、半導体層の平面視における面積が大きくなる。
【0020】
一般に、縦型MOSトランジスタの導通抵抗は、半導体層の平面視における面積に反比例する。このため、上記構成の半導体装置において、最大仕様電流がより大きい縦型MOSトランジスタ程、導通抵抗がより小さくなる。
【0021】
したがって、上記構成の半導体装置によると、局所的な発熱を抑制することができる半導体装置を提供することができる。
【0022】
また、前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流の2乗に比例するとしてもよい。
【0023】
また、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの、最大仕様電流を流す際の導通抵抗は、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流の2乗に反比例するとしてもよい。
【0024】
また、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの1個は、最大仕様電流が、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちのK(Kは、2以上N-1以下の整数)個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流の和と等しい特定縦型MOSトランジスタであるとしてもよい。
【0025】
また、前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの少なくとも1個は、有する前記1以上のソースパッドが1のソースパッドである特定縦型MOSトランジスタであり、前記半導体層の平面視において、前記少なくとも1個の特定縦型MOSトランジスタそれぞれが有する前記ゲートパッドおよび前記1のソースパッドは、正円形であり、前記N個の縦型MOSトランジスタそれぞれが有する前記ゲートパッドおよび前記1以上のソースパッドの中に、前記少なくとも1個の特定縦型MOSトランジスタそれぞれが有する前記ゲートパッドおよび前記1のソースパッドよりも有意に面積が小さいゲートパッドおよびソースパッドが存在しないとしてもよい。
【0026】
また、前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において矩形であり、前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる1以上の電流経路それぞれにおける、当該電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接するとしてもよい。
【0027】
また、前記半導体装置は、前記半導体層の平面視において長方形であり、前記半導体層の平面視において、前記1以上の電流経路それぞれにおける、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、前記半導体装置の長辺に平行であるとしてもよい。
【0028】
また、前記半導体層の平面視において、前記1以上の電流経路それぞれにおける、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、前記半導体装置の4つの辺のいずれに対しても平行でないとしてもよい。
【0029】
また、前記半導体層の平面視において、前記1以上の電流経路それぞれにおける、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、前記半導体装置の4つの辺のうちの、第1の辺に平行な線分と、前記第1の辺に直交する第2の辺に平行な線分とが交互に接続されてなるとしてもよい。
【0030】
また、前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第1の電流経路における、当該第1の電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、前記仕様により定まる第2の電流経路における、当該第2の電流経路の入口または出口に位置する前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、前記仕様により定まる第3の電流経路における、当該第3の電流経路の入口または出口に位置する前記第2の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、前記第3の出入口縦型MOSトランジスタの前記ゲートパッドは、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線の延長線上に位置するとしてもよい。
【0031】
また、前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第1の電流経路における、当該第1の電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、前記N個の縦型MOSトランジスタのうち、前記仕様により定まる第2の電流経路における、当該第2の電流経路の入口または出口に位置する前記第2の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとにより定まる電流経路は、前記仕様により定まる電流経路のいずれにも該当せず、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、前記半導体層の平面視において互いに隣接し、前記第3の出入口縦型MOSトランジスタの前記ゲートパッドは、前記第2の出入口縦型MOSトランジスタと前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線よりも、前記第1の出入口縦型MOSトランジスタと前記第3の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線の近傍に位置するとしてもよい。
【0032】
また、さらに、前記半導体層の上面に、前記半導体基板に電気的に接続されたドレインパッドを備えるとしてもよい。
【0033】
本開示の一態様に係る電池保護回路は、上記半導体装置と、前記半導体装置が備える前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の端子接続縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドと接続された第1の端子と、正極と負極とのうちの一方の第1の極が、前記半導体装置が備える前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの、前記端子接続縦型MOSトランジスタを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続されたN-1個の電池セルと、を備え、前記N-1個の電池セルにおける前記第1の極の極性は同じである。
【0034】
上記構成の電池保護回路によると、局所的な発熱を抑制することができる第1の半導体装置を備える電池保護回路を提供することができる。
【0035】
本開示の一態様に係る電池保護回路は、上記第1の半導体装置と、上記第2の半導体装置であって、備える縦型MOSトランジスタの数が3個である第2の半導体装置と、互いに直列接続されたN-1個の電池セルと、前記第1の半導体装置が備える前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の第1の端子接続縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッド、および、前記第2の半導体装置が備える前記3個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の第2の端子接続縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドと接続された第1の端子と、前記N-1個の電池セルの負極と接続された第2の端子と、前記N-1個の電池セルのうち、前記直列接続における正極側端部に位置する電池セルの正極と接続された第3の端子と、を備え、前記N-1個の電池セルそれぞれの正極は、前記第1の半導体装置が備える前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの、前記第1の端子接続縦型MOSトランジスタを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続され、前記N-1個の電池セルのうち、前記直列接続における負極側端部に位置する第1の電池セルの正極と、前記直列接続において前記第1の電池セルの隣に位置する第2の電池セルの負極とのそれぞれは、前記第2の半導体装置が備える前記3個の縦型MOSトランジスタのうちの、前記第2の端子接続縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続され、前記第1の電池セルと前記第2の電池セルとは、前記第2の半導体装置を介して直列接続される。
【0036】
上記構成の電池保護回路によると、局所的な発熱を抑制することができる第1の半導体装置および第2の半導体装置を備える電池保護回路を提供することができる。
【0037】
本開示の一態様に係る電池保護回路は、上記第1の半導体装置と、上記第2の半導体装置であって、備える縦型MOSトランジスタの数が3個である第2の半導体装置と、互いに直列接続されたN個の電池セルと、前記第1の半導体装置が備える前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の第1の端子接続縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッド、および、前記第2の半導体装置が備える前記3個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の第2の端子接続縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドと接続された第1の端子と、前記N個の電池セルの負極と接続された第2の端子と、前記N個の電池セルのうち、前記直列接続における正極側端部に位置する電池セルの正極と接続された第3の端子と、を備え、前記N個の電池セルのうちの、前記直列接続における負極側端部に位置する第1の電池セルを除くN-1個の電池セルそれぞれの正極は、前記第1の半導体装置が備える前記N個の縦型MOSトランジスタのうちの、前記第1の端子接続縦型MOSトランジスタを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続され、前記N個の電池セルのうち、前記直列接続における負極側端部に位置する第1の電池セルの正極と、前記N個の電池セルのうち、前記直列接続において前記第1の電池セルの隣に位置する第2の電池セルの負極とのそれぞれは、前記第2の半導体装置が備える前記3個の縦型MOSトランジスタのうちの、前記第2の端子接続縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続され、前記第1の電池セルと前記第2の電池セルとは、前記第2の半導体装置を介して直列接続される。
【0038】
上記構成の電池保護回路によると、局所的な発熱を抑制することができる第1の半導体装置および第2の半導体装置を備える電池保護回路を提供することができる。
【0039】
本開示の一態様に係る電池保護回路は、上記第1の半導体装置であって、備える縦型MOSトランジスタの数が3個であり、備える特定縦型MOSトランジスタの数が1個である第1の半導体装置と、上記第2の半導体装置であって、備える縦型MOSトランジスタの数が3個であり、備える特定縦型MOSトランジスタの数が1個である第2の半導体装置と、前記第1の半導体装置が備える前記1個の特定縦型MOSトランジスタの1のソースパッドと接続された第1の端子と、前記第1の半導体装置が備える前記3個の縦型MOSトランジスタのうち、前記1個の特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続された、第2の端子および第3の端子と、前記第2の半導体装置が備える前記1個の特定縦型MOSトランジスタの1のソースパッドと接続された第4の端子と、前記第2の半導体装置が備える前記3個の縦型MOSトランジスタのうち、前記1個の特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続された、第5の端子および第6の端子と、を備え、前記第3の端子は、1以上の電池セルの正極と接続するための端子であり、前記第6の端子は、前記1以上の電池セルの負極と接続するための端子であり、前記第1の端子と前記第2の端子と前記第4の端子と前記第5の端子とは、パワーマネージメント回路に接続するための端子であり、前記パワーマネージメント回路は、前記第2の端子と前記第5の端子とを通して、充電時には前記1以上の電池セルに充電電流を流し、放電時には前記1以上の電池セルから放電電流を受け取る。
【0040】
上記構成の電池保護回路によると、局所的な発熱を抑制することができる第1の半導体装置および第2の半導体装置を備える電池保護回路を提供することができる。
【0041】
本開示の一態様に係る電池保護回路は、上記半導体装置であって、備える縦型MOSトランジスタの数が3個であり、備える特定縦型MOSトランジスタの数が1個である半導体装置と、前記半導体装置が備える前記1個の特定縦型MOSトランジスタの1のソースパッド、および、前記半導体装置が備える前記3個の縦型MOSトランジスタのうち、前記1個の特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの一方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続された第1の端子と、前記半導体装置が備える前記3個の縦型MOSトランジスタのうち、前記1個の特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの他方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続された第2の端子と、第3の端子と、第4の端子と、を備え、前記第1の端子は、1以上の電池セルの正極と接続するための端子であり、前記第3の端子は、前記1以上の電池セルの負極と接続するための端子であり、前記第2の端子と前記第4の端子とは、パワーマネージメント回路に接続するための端子であり、前記パワーマネージメント回路は、前記第2の端子と前記第4の端子とを通して、充電時には前記1以上の電池セルに充電電流を流し、放電時には前記1以上の電池セルから放電電流を受け取る。
【0042】
上記構成の電池保護回路によると、局所的な発熱を抑制することができる第1の半導体装置を備える電池保護回路を提供することができる。
【0043】
本開示の一態様に係る電池保護回路は、上記第1の半導体装置であって、備える縦型MOSトランジスタの数がX(Xは1以上の整数)+Y(Yは2以上の整数)個である第1の半導体装置と、上記第2の半導体装置であって、備える縦型MOSトランジスタの数が1+Y個である第2の半導体装置と、前記第1の半導体装置が備えるX+Y個のうちのX個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続されたX個の第1の端子と、前記第1の半導体装置が備えるX+Y個のうちの前記X個の縦型MOSトランジスタを除くY個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続されたY個の第2の端子と、前記第2の半導体装置が備える1+Y個のうちの1個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドと接続された第3の端子と、前記第2の半導体装置が備える1+Y個のうちの、前記1個の縦型MOSトランジスタを除くY個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続されたY個の第4の端子と、を備え、前記X個の第1の端子は、X個の電池セルの正極のそれぞれと接続するための端子であり、前記第3の端子は、前記X個の電池セルの負極と接続するための端子であり、前記Y個の第2の端子と前記Y個の第4の端子とは、Y個のパワーマネージメント回路のそれぞれと接続するための端子であり、前記Y個のパワーマネージメント回路のそれぞれは、前記Y個の第2の端子のうちの1個と前記Y個の第4の端子のうちの1個とを通して、充電時には前記X個の電池セルのうちの少なくとも1個の電池セルに充電電流を流し、放電時には前記少なくとも1個の電池セルから放電電流を受け取る。
【0044】
上記構成の電池保護回路によると、局所的な発熱を抑制することができる第1の半導体装置および第2の半導体装置を備える電池保護回路を提供することができる。
【0045】
本開示の一態様に係るパワーマネージメント回路は、上記半導体装置であって、備える縦型MOSトランジスタの数がX(Xは1以上の整数)+Y(Yは2以上の整数)個である半導体装置と、前記半導体装置が備えるX+Y個のうちのX個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続されたX個の端子と、前記半導体装置が備えるX+Y個のうちの、前記X個の縦型MOSトランジスタを除くY個の縦型MOSトランジスタの前記1以上のソースパッドのそれぞれと接続されたY個の回路と、を備え、前記X個の端子のそれぞれは、X個の外部回路それぞれに接続されるための端子であり、前記Y個の回路のそれぞれは、互いに電源分離されている。
【0046】
上記構成のパワーマネージメント回路によると、局所的な発熱を抑制することができる第1の半導体装置を備えるパワーマネージメント回路を提供することができる。
【0047】
本開示の一態様に係る半導体装置は、フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ型の半導体装置であって、半導体層と、前記半導体層内に形成されたN(Nは3以上の整数)個の縦型トランジスタと、を備え、前記N個の縦型トランジスタのそれぞれは、前記半導体層の上面に、当該縦型トランジスタの導通を制御する制御電極に電気的に接続された制御パッドと、当該縦型トランジスタが、外部から電流を流入する、または外部へ電流を流出する外部接続電極に電気的に接続された1以上の外部接続パッドと、を有し、前記半導体層は、半導体基板を有し、前記半導体基板の、前記N個の縦型トランジスタが形成された一方の主面と背向する、他方の主面側に、前記N個の縦型トランジスタに共通する共通電極を備え、前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きい。
【0048】
上記構成の半導体装置によると、縦型トランジスタの最大仕様電流が大きい程、半導体層の平面視における面積が大きくなる。
【0049】
一般に、縦型トランジスタの導通抵抗は、半導体層の平面視における面積に反比例する。このため、上記構成の半導体装置において、最大仕様電流がより大きい縦型トランジスタ程、導通抵抗がより小さくなる。
【0050】
したがって、上記構成の半導体装置によると、局所的な発熱を抑制することができる半導体装置を提供することができる。
【0051】
また、前記半導体層の平面視における、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの面積は、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの最大仕様電流の2乗に比例するとしてもよい。
【0052】
また、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの、最大仕様電流を流す際の導通抵抗は、前記N個の縦型トランジスタそれぞれの最大仕様電流の2乗に反比例するとしてもよい。
【0053】
また、前記半導体層の上面側に、前記共通電極に電気的に接続された共通端子を備えるとしてもよい。
【0054】
また、前記N個の縦型トランジスタのそれぞれが有する前記1以上の外部接続パッドのそれぞれは、前記N個の縦型トランジスタから外部へ電流が流出する外部出力端子であり、前記共通端子は、前記N個の縦型トランジスタに外部から電流が流入する外部入力端子であるとしてもよい。
【0055】
以下、本開示の一態様に係る半導体装置等の具体例について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ならびに、ステップ(工程)およびステップの順序等は、一例であって本開示を限定する趣旨ではない。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0056】
(実施の形態1)
[1-1.半導体装置の構造]
以下、実施の形態1に係る半導体装置の構造について説明する。実施の形態1に係る半導体装置は、N(Nは3以上の整数)個の縦型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタが形成された、フェイスダウン実装が可能なチップサイズパッケージ(Chip Size Package:CSP)型の半導体デバイスである。上記N個の縦型MOSトランジスタは、いわゆる、トレンチ型MOSFET(Field Effect Transistor)である。
【0057】
本開示においては、実施例では、縦型トランジスタの一例として、縦型MOSトランジスタを用いて説明するが、縦型トランジスタとしては、縦型MOSトランジスタに限定される必要はなく、例えば、BJTであってもIGBTであってもよい。BJTである場合は、本開示における、ソースをエミッタに、ドレインをコレクタに、ボディをベースにそれぞれ読み替えればよい。また、本開示における、導通を制御するゲート電極は、ベース電極と読み替えればよい。同様に、IGBTである場合には、本開示における、ソースをエミッタに、ドレインをコレクタにそれぞれ読み替えればよい。
【0058】
図1は、実施の形態1に係る半導体装置1の構造の一例を示す断面図である。
図2は、半導体装置1の構造の一例を示す平面図である。
図1は、
図2のI-Iにおける切断面を示す。
図3は、半導体装置1の回路構成の一例を示す回路図である。
【0059】
説明の都合上、
図1~
図3は、Nが3である場合の半導体装置1を図示する図面となっており、また、
図1~
図3を用いて行う説明において、Nが3であるとして説明しているが、半導体装置1は、Nが3以上であれば、必ずしもNが3である場合に限定される必要はない。
【0060】
図1~
図3に示すように、半導体装置1は、半導体層40と、金属層30と、保護層35と、半導体層40内の領域A1に形成された第1の縦型MOSトランジスタ10(以下、「トランジスタ10」とも称する。)と、半導体層40内の領域A2に形成された第2の縦型MOSトランジスタ20(以下、「トランジスタ20」とも称する。)と、半導体層40内の領域A3に形成された第3の縦型MOSトランジスタ37(以下、「トランジスタ37」とも称する。)と、を備える。
【0061】
なお、
図1には図示されていないが、本明細書において、第Nの縦型トランジスタが形成される半導体層40内の領域のことを、領域ANとも称する。
【0062】
説明の都合上、
図1は、半導体層40の平面視において、半導体装置1および半導体層40が、矩形である場合の半導体装置1を図示する図面となっているが、半導体装置1は、半導体層40の平面視において、半導体装置1および半導体層40が矩形である構成に限定されない。
【0063】
半導体層40は、半導体基板32と低濃度不純物層33と酸化膜34とが積層されて構成される。
【0064】
半導体基板32は、半導体層40の下面側に配置され、第1導電型の不純物を含むシリコンからなる。
【0065】
低濃度不純物層33は、半導体層40の上面側に配置され、半導体基板32に接触して形成され、半導体基板32の第1導電型の不純物の濃度より低い濃度の第1導電型の不純物を含む。低濃度不純物層33は、例えば、エピタキシャル成長により半導体基板32上に形成されてもよい。
【0066】
酸化膜34は、半導体層40の上面に配置され、低濃度不純物層33に接触して形成される。
【0067】
保護層35は、半導体層40の上面に接触して形成され、半導体層40の上面の少なくとも一部を被覆する。
【0068】
金属層30は、半導体基板32の下面に接触して形成され、銀、銅、ニッケル、または、これらの合金からなってもよいし、電極として機能することが可能な、導電率の良好な金属材料からなってもよい。なお、金属層30には、金属材料の製造工程において不純物として混入する金属以外の元素が微量に含まれていてもよい。
【0069】
図2に示すように、トランジスタ10は、半導体層40の平面視における領域A1内の半導体層40の上面に、フェイスダウン実装時に実装基板に接合材を介して接合される、1以上(ここでは5つ)の第1のソースパッド111(ここでは、第1のソースパッド111a、111b、111c、111d、および、111e)、および、第1のゲートパッド119を有する。また、トランジスタ20は、半導体層40の平面視における領域A2内の半導体層40の上面に、フェイスダウン実装時に実装基板に接合材を介して接合される、1以上(ここでは5つ)の第2のソースパッド121(ここでは、第2のソースパッド121a、121b、121c、121d、および、121e)、および、第2のゲートパッド129を有する。また、トランジスタ37は、半導体層40の平面視における領域A3内の半導体層40の上面に、フェイスダウン実装時に実装基板に接合材を介して接合される、1以上(ここでは2つ)の第3のソースパッド131(ここでは、第3のソースパッド131a、および、131b)、および、第3のゲートパッド139を有する。
【0070】
第1のソースパッド111のそれぞれ、第2のソースパッド121のそれぞれ、および、第3のソースパッド131のそれぞれは、半導体層40の平面視において、長方形、長円形、または、正円形である。なお、本明細書において、長方形、長円形の端部形状は、角型(長方形に対応)、半円型(長円形に対応)に限定されず、多角形型であってもよい。第1のゲートパッド119、第2のゲートパッド129、および、第3のゲートパッド139は、半導体層40の平面視において、正円形である。
【0071】
なお、1以上の第1のソースパッド111の数および形状、1以上の第2のソースパッド121の数および形状、ならびに、1以上の第3のソースパッド131の数および形状は、それぞれ、必ずしも、
図2に例示された通りの数および形状に限定される必要はない。
【0072】
図1および
図2に示すように、低濃度不純物層33の第1の領域A1には、第1導電型と異なる第2導電型の不純物を含む第1のボディ領域18が形成されている。第1のボディ領域18には、第1導電型の不純物を含む第1のソース領域14、第1のゲート導体15、および第1のゲート絶縁膜16が形成されている。第1のソース電極11は部分12と部分13とからなり、部分12は、部分13を介して第1のソース領域14および第1のボディ領域18に接続されている。第1のゲート導体15は、第1のゲートパッド119に電気的に接続される。
【0073】
第1のソース電極11の部分12は、フェイスダウン実装におけるリフロー時にはんだと接合される層であり、限定されない一例として、ニッケル、チタン、タングステン、パラジウムのうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。部分12の表面には、金などのめっきが施されてもよい。
【0074】
第1のソース電極11の部分13は、部分12と半導体層40とを接続する層であり、限定されない一例として、アルミニウム、銅、金、銀のうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。
【0075】
低濃度不純物層33の第2の領域A2には、第2導電型の不純物を含む第2のボディ領域28が形成されている。第2のボディ領域28には、第1導電型の不純物を含む第2のソース領域24、第2のゲート導体25、および第2のゲート絶縁膜26が形成されている。第2のソース電極21は部分22と部分23とからなり、部分22は、部分23を介して第2のソース領域24および第2のボディ領域28に接続されている。第2のゲート導体25は、第2のゲートパッド129に電気的に接続される。
【0076】
第2のソース電極21の部分22は、フェイスダウン実装におけるリフロー時にはんだと接合される層であり、限定されない一例として、ニッケル、チタン、タングステン、パラジウムのうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。部分22の表面には、金などのめっきが施されてもよい。
【0077】
第2のソース電極21の部分23は、部分22と半導体層40とを接続する層であり、限定されない一例として、アルミニウム、銅、金、銀のうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。
【0078】
低濃度不純物層33の第3の領域A3には、低濃度不純物層33の第1の領域A1、および、低濃度不純物層33の第2の領域A2と同様に、第2導電型の不純物を含む第3のボディ領域(不図示)が形成されている。第3のボディ領域には、第1導電型の不純物を含む第3のソース領域(不図示)、第3のゲート導体(不図示)、および第3のゲート絶縁膜(不図示)が形成されている。第3のソース電極31(
図1、
図2には不図示、
図3参照)は第1の部分(不図示)と第2の部分(不図示)とからなり、第1の部分は、第2の部分を介して第3のソース領域(不図示)および第3のボディ領域に接続されている。第3のゲート導体は、第3のゲートパッド139に電気的に接続される。
【0079】
第3のソース電極31の第1の部分は、フェイスダウン実装におけるリフロー時にはんだと接合される層であり、限定されない一例として、ニッケル、チタン、タングステン、パラジウムのうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。第1の部分の表面には、金などのめっきが施されてもよい。
【0080】
第3のソース電極31の第2の部分は、第1の部分と半導体層40とを接続する層であり、限定されない一例として、アルミニウム、銅、金、銀のうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。
【0081】
トランジスタ10、トランジスタ20、および、トランジスタ37の上記構成により、低濃度不純物層33と半導体基板32とは、トランジスタ10の第1のドレイン領域、トランジスタ20の第2のドレイン領域、および、トランジスタ37の第3のドレイン領域が共通化された、共通ドレイン領域として機能する。すなわち、半導体基板32は、N個の(ここでは3個の)縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域として機能する。
【0082】
図1に示すように、第1のボディ領域18は、開口を有する酸化膜34で覆われ、酸化膜34の開口を通して、第1のソース領域14に接続される第1のソース電極11の部分13が設けられている。酸化膜34および第1のソース電極の部分13は、開口を有する保護層35で覆われ、保護層35の開口を通して第1のソース電極の部分13に接続される部分12が設けられている。
【0083】
第2のボディ領域28は、開口を有する酸化膜34で覆われ、酸化膜34の開口を通して、第2のソース領域24に接続される第2のソース電極21の部分23が設けられている。酸化膜34および第2のソース電極の部分23は、開口を有する保護層35で覆われ、保護層35の開口を通して第2のソース電極の部分23に接続される部分22が設けられている。
【0084】
第3のボディ領域は、第1のボディ領域18、および、第2のボディ領域28と同様に、開口を有する酸化膜34で覆われ、酸化膜34の開口を通して、第3のソース領域に接続される第3のソース電極31の第2の部分が設けられている。酸化膜34および第3のソース電極の第2の部分は、開口を有する保護層35で覆われ、保護層35の開口を通して第3のソース電極の第2の部分に接続される第1の部分が設けられている。
【0085】
したがって、1以上の第1のソースパッド111、1以上の第2のソースパッド121、および、1以上の第3のソースパッド131は、それぞれ、第1のソース電極11、第2のソース電極21、および、第3のソース電極31が半導体装置1の上面に部分的に露出した領域、いわゆる端子の部分を指す。同様に、第1のゲートパッド119、第2のゲートパッド129、および、第3のゲートパッド139は、それぞれ、第1のゲート電極19(
図1、
図2には不図示、
図3参照)、第2のゲート電極29(
図1、
図2には不図示、
図3参照)、および、第3のゲート電極39(
図1、
図2には不図示、
図3参照)が半導体装置1の上面に部分的に露出した領域、いわゆる端子の部分を指す。
【0086】
半導体装置1において、例えば、第1導電型をN型、第2導電型をP型として、第1のソース領域14、第2のソース領域24、第3のソース領域、半導体基板32、および、低濃度不純物層33はN型半導体であり、かつ、第1のボディ領域18および第2のボディ領域28、および、第3のボディ領域はP型半導体であってもよい。
【0087】
また、半導体装置1において、例えば、第1導電型をP型、第2導電型をN型として、第1のソース領域14、第2のソース領域24、第3のソース領域、半導体基板32、および、低濃度不純物層33はP型半導体であり、かつ、第1のボディ領域18、第2のボディ領域28、および、第3のボディ領域はN型半導体であってもよい。
【0088】
以下の説明では、トランジスタ10とトランジスタ20とトランジスタ37と(つまり、N個の縦型MOSトランジスタの全て)が、第1導電型をN型、第2導電型をP型とした、いわゆるNチャネル型トランジスタの場合として、半導体装置1の導通動作について説明する。
【0089】
半導体装置1において、第1のソース電極11に高電圧および第2のソース電極21に低電圧を印加し、第2のソース電極21を基準として第2のゲート電極29にしきい値以上の電圧を印加すると、第2のボディ領域28中の第2のゲート絶縁膜26の近傍に導通チャネルが形成される。その結果、第1のソース電極11-第1のボディ領域18-低濃度不純物層33-半導体基板32-金属層30-半導体基板32-低濃度不純物層33-第2のボディ領域28に形成された導通チャネル-第2のソース領域24-第2のソース電極21という経路で主電流が流れて当該経路が導通状態となる。なお、この主電流経路における、第1のボディ領域18と低濃度不純物層33との接触面にはPN接合があり、
図3に示すように、ボディダイオードとして機能している。
【0090】
同様に、半導体装置1において、第2のソース電極21に高電圧および第1のソース電極11に低電圧を印加し、第1のソース電極11を基準として第1のゲート電極19にしきい値以上の電圧を印加すると、第1のボディ領域18中の第1のゲート絶縁膜16の近傍に導通チャネルが形成される。その結果、第2のソース電極21-第2のボディ領域28-低濃度不純物層33-半導体基板32-金属層30-半導体基板32-低濃度不純物層33-第1のボディ領域18に形成された導通チャネル-第1のソース領域14-第1のソース電極11という経路で主電流が流れて当該経路が導通状態となる。なお、この主電流経路における、第2のボディ領域28と低濃度不純物層33との接触面にはPN接合があり、
図3に示すように、ボディダイオードとして機能している。
【0091】
同様に、半導体装置1において、第1のソース電極11に高電圧および第3のソース電極31に低電圧を印加し、第3のソース電極31を基準として第3のゲート電極39にしきい値以上の電圧を印加すると、第1のソース電極11から第3のソース電極31への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0092】
同様に、半導体装置1において、第3のソース電極31に高電圧および第1のソース電極11に低電圧を印加し、第1のソース電極11を基準として第1のゲート電極19にしきい値以上の電圧を印加すると、第3のソース電極31から第1のソース電極11への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0093】
同様に、半導体装置1において、第2のソース電極21に高電圧および第3のソース電極31に低電圧を印加し、第3のソース電極31を基準として第3のゲート電極39にしきい値以上の電圧を印加すると、第2のソース電極21から第3のソース電極31への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0094】
同様に、半導体装置1において、第3のソース電極31に高電圧および第2のソース電極21に低電圧を印加し、第2のソース電極21を基準として第2のゲート電極29にしきい値以上の電圧を印加すると、第3のソース電極31から第2のソース電極21への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0095】
同様に、半導体装置1において、第1のソース電極11および第2のソース電極21に高電圧、ならびに、第3のソース電極31に低電圧を印加し、第3のソース電極31を基準として第3のゲート電極39にしきい値以上の電圧を印加すると、第1のソース電極11および第2のソース電極21から第3のソース電極31への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0096】
同様に、半導体装置1において、第3のソース電極31に高電圧、ならびに、第1のソース電極11および第2のソース電極21に低電圧を印加し、第1のソース電極11を基準として第1のゲート電極19にしきい値以上の電圧を印加し、第2のソース電極21を基準として第2のゲート電極29にしきい値以上の電圧を印加すると、第3のソース電極31から第1のソース電極11および第2のソース電極21への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0097】
同様に、半導体装置1において、第2のソース電極21および第3のソース電極31に高電圧、ならびに、第1のソース電極11に低電圧を印加し、第1のソース電極11を基準として第1のゲート電極19にしきい値以上の電圧を印加すると、第2のソース電極21および第3のソース電極31から第1のソース電極11への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0098】
同様に、半導体装置1において、第1のソース電極11に高電圧、ならびに、第2のソース電極21および第3のソース電極31に低電圧を印加し、第2のソース電極21を基準として第2のゲート電極29にしきい値以上の電圧を印加し、第3のソース電極31を基準として第3のゲート電極39にしきい値以上の電圧を印加すると、第1のソース電極11から第2のソース電極21および第3のソース電極31への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0099】
同様に、半導体装置1において、第3のソース電極31および第1のソース電極11に高電圧、ならびに、第2のソース電極21に低電圧を印加し、第2のソース電極21を基準として第2のゲート電極29にしきい値以上の電圧を印加すると、第3のソース電極31および第1のソース電極11から第2のソース電極21への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0100】
同様に、半導体装置1において、第2のソース電極21に高電圧、ならびに、第3のソース電極31および第1のソース電極11に低電圧を印加し、第3のソース電極31を基準として第3のゲート電極39にしきい値以上の電圧を印加し、第1のソース電極11を基準として第1のゲート電極19にしきい値以上の電圧を印加すると、第2のソース電極21から第3のソース電極31および第1のソース電極11への経路で主電流が流れて、当該経路が導通状態となる。
【0101】
[1-2.最大仕様電流と平面視におけるトランジスタの面積との関係]
N個の縦型MOSトランジスタ(ここでは、第1の縦型MOSトランジスタ10と、第2の縦型MOSトランジスタ20と、第3の縦型MOSトランジスタ37との3個)それぞれは、最大仕様電流が規定されている。仕様とは、該当するトランジスタの製品仕様のことであり、最大仕様電流とは、通常、該当するトランジスタの製品仕様書に記載される値のことである。仕様書に記載される値としては、最大定格電流でもよいし、最大定格電流の50%に相当する電流であってもよい。最大定格電流の50%というのは、通常、製品仕様書で導通抵抗を評価する際の電流値として記載されるものである。この意味では最大仕様電流を最大定格電流の50%に限ることなく、製品仕様書で導通抵抗を評価する際に記載される電流値であると捉えてもよい。なお、製品仕様書に記載の導通抵抗とは、いわゆるオン抵抗であってもよい。
【0102】
半導体層40の平面視における、N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの面積は、N個の縦型MOSトランジスタそれぞれの最大仕様電流に応じて、最大仕様電流が大きい程大きくなっている。
【0103】
ところで、本明細書では、半導体層40の平面視において、第Nの縦型MOSトランジスタを構成するものはすべて第Nの領域ANに備わると定義する。すなわち、第Nの縦型MOSトランジスタの面積とは、第Nの領域ANの面積とみてよい。また、上記定義によれば、半導体層40の平面視において、N個の縦型MOSトランジスタを備える半導体装置1は、N個の領域に分割されており、どの領域にも属さない箇所は存在しないことになることをことわっておく。
【0104】
また、第Nの縦型MOSトランジスタの面積は隣接する他の縦型MOSトランジスタとの境界によって規定される。ここで、境界とは、半導体層40の平面視において、例えば、第1の縦型MOSトランジスタ10と第2の縦型MOSトランジスタ20とが隣接するとき、第1のソース電極11の部分13と、第2のソース電極21の部分23との間隔の中央位置をたどる仮想直線であると捉えてもよいし、当該中央位置に設けられることがあるEQR(EQui potential Ring)とよばれる、電流を通す機能を持たない金属配線のことを捉えてもよいし、また、有限の幅となるが当該間隔そのものと捉えてもよい。当該間隔の場合でも、肉眼あるいは低倍率での外観では線として認識することができる。
【0105】
また、半導体層40の平面視における、第Nの縦型MOSトランジスタの面積とは、第Nの縦型MOSトランジスタのアクティブ領域の面積のことであってもよい。縦型MOSトランジスタのアクティブ領域とは、縦型MOSトランジスタのボディ領域のうち、縦型MOSトランジスタが導通状態となる場合に主電流が流れる領域のことを言う。
【0106】
ここでは、半導体層40の平面視において、各縦型MOSトランジスタのアクティブ領域は、各縦型MOSトランジスタのボディ領域の範囲とほぼ同一である。また、半導体層40の平面視において、各縦型MOSトランジスタのボディ領域の範囲は、各縦型MOSトランジスタが形成されている領域の範囲(すなわち、縦型MOSトランジスタがトランジスタ10である場合には領域A1、トランジスタ20である場合には領域A2、トランジスタ37である場合には領域A3)とほぼ同一である。このため、半導体層40の平面視において、各縦型MOSトランジスタのアクティブ領域の面積と、各縦型MOSトランジスタが形成されている領域の範囲とはほぼ同一である。
【0107】
以下、第1の縦型MOSトランジスタ10の最大仕様電流をI1、第2の縦型MOSトランジスタ20の最大仕様電流をI2、…、第Nの縦型MOSトランジスタの最大仕様電流をINとも称し、半導体層40の平面視における、第1の縦型MOSトランジスタ10の面積をS1、第2の縦型MOSトランジスタ20の面積をS2、…、第Nの縦型MOSトランジスタの面積をSNとも称し、第1の縦型MOSトランジスタ10に最大仕様電流I1が流れるときの導通抵抗をR1、第2の縦型MOSトランジスタ20に最大仕様電流I2が流れるときの導通抵抗をR2、…、第Nの縦型MOSトランジスタに最大仕様電流INが流れるときの導通抵抗をRNとも称する。
【0108】
本開示において、半導体層40の平面視における、N個の縦型MOSトランジスタの面積は、N個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流の2乗に比例している。すなわち、S1:S2:…:SN=I12:I22:…:IN2となっている。
【0109】
一般に、半導体層40の平面視における縦型MOSトランジスタの面積と、縦型MOSトランジスタの導通抵抗とは反比例する。このため、N個の縦型MOSトランジスタの導通抵抗は、N個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流の2乗に反比例している。すなわち、1/R1:1/R2:…:1/RN=I12:I22:…:IN2となっている。
【0110】
各縦型MOSトランジスタでの発熱量は、各縦型MOSトランジスタによる電力損失P=R×I2で求められる。
【0111】
上述した通り、上記構成の半導体装置1は、N個の縦型MOSトランジスタの導通抵抗が、N個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流の2乗に反比例している。
【0112】
このため、上記構成の半導体装置1において、各縦型MOSトランジスタに最大仕様電流を流す際における各縦型MOSトランジスタの発熱量は、等しくなる。
【0113】
したがって、上記構成の半導体装置1によると、局所的な発熱を抑制することができる。
【0114】
また、上記構成の半導体装置1では、想定する用途として大電流を流す必要のない電流経路には、はじめから不要な大きさの縦型MOSトランジスタをあてがうことなく、適切な大きさの縦型MOSトランジスタを設置することができるため、半導体装置自体の小型化を実現することができる利点もある。
【0115】
ところで、導通抵抗は、通常、N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる、ある電流経路において、一方の入口または出口に位置する出入口縦型MOSトランジスタから、他方の出口または入口に位置する出入口縦型MOSトランジスタまでを流れる、当該電流経路における導通抵抗として測定される。このため上述した第Nの縦型MOSトランジスタ単体に注目した、最大仕様電流INが流れるときの導通抵抗RNというのは、当該トランジスタの製品仕様書に記載があって、第Nの縦型MOSトランジスタが一方の出入口縦型MOSトランジスタとなるような電流経路に着目したとき、第Nの縦型MOSトランジスタに最大仕様電流INが流れるときの当該電流経路の導通抵抗を、第Nの縦型MOSトランジスタの面積と、当該電流経路の他方となる出入口縦型MOSトランジスタの面積との和を分母とした、当該電流経路の他方となる出入口縦型MOSトランジスタの面積に比例するように分けることで求められる。例えば、第1の縦型MOSトランジスタ(面積S1、最大仕様電流I1、そのときの導通抵抗R1)と第2の縦型MOSトランジスタ(面積S2、最大仕様電流I2>I1、そのときの導通抵抗R2)との間を流れる電流経路が仕様により定まるものであり、第1の縦型MOSトランジスタと第2の縦型MOSトランジスタとの間を電流I1が流れるときの当該電流経路の導通抵抗がR12であった場合、R1=R12×S2/(S1+S2)の関係が成り立つ。
【0116】
[1-3.半導体装置の好ましい形状]
N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる1以上の電流経路それぞれにおける、各電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、半導体層40の平面視において、互いに隣接することが好ましい。
【0117】
これにより、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの間に挟まっている他の縦型MOSトランジスタに最大仕様電流が流れているタイミングで、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの間の電流経路にも電流が流れてしまうことで、他の縦型MOSトランジスタが、最大仕様電流が流れている以上に発熱してしまうことが抑制される。
【0118】
図4Aと
図4Bとは、それぞれ、Nが3である場合の半導体装置1の平面図であって、仕様により定まる電流経路が、(1)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)との間に流れる電流経路と、(2)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路との2つの電流経路であり、(3)第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路が、仕様により定まる電流経路でないときの半導体装置1の形状の一例を示す平面図である。
【0119】
図4Aに示す半導体装置1の形状によると、仕様により定まる一方の電流経路の入口または出口に位置するTr1とTr2とが互いに隣接し、仕様により定まる他方の電流経路の入口または出口に位置するTr1とTr3とが互いに隣接している。
【0120】
これに対して、
図4Bに示す半導体装置1の形状によると、仕様により定まる一方の電流経路の入口または出口に位置するTr1とTr2とが互いに隣接しているものの、仕様により定まる他方の電流経路の入口または出口に位置するTr1とTr3とが互いに隣接していない。そして、半導体層40の平面視において、Tr1とTr3との間に流れる電流経路上に、Tr2が位置している。
【0121】
このため、Tr1とTr2との間に流れる電流経路とTr1とTr3との間に流れる電流経路とが重複することとなり、Tr2に最大仕様電流が流れているタイミングでTr3にも最大仕様電流が流れてしまうことで、Tr2が、Tr2のみにTr2の最大仕様電流が流れている以上に発熱してしまう。
【0122】
このため、
図4Aに示す半導体装置1の形状の方が、
図4Bに示す半導体装置1の形状よりも好ましいといえる。
【0123】
ところで、仕様により定まる電流経路とは、該当するトランジスタの製品仕様書で導通抵抗(オン抵抗)が示される電流経路のことである。N個の縦型MOSトランジスタの任意の組み合わせを自由に電流経路とすることではなく、用途に応じて1以上の電流経路と、それぞれの出入口縦型MOSトランジスタにおける最大仕様電流が設計されており、製品仕様書に記載されることになる。
【0124】
なお、本明細書において、以下、第1の縦型MOSトランジスタのことをTr1、第2の縦型MOSトランジスタのことをTr2、…、第Nの縦型MOSトランジスタのことをTrNとも称する。
【0125】
また、半導体装置1が半導体層40の平面視において長方形である場合には、半導体層40の平面視において、仕様により定まる1以上の電流経路それぞれにおける、各電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、半導体装置1の長辺に平行であることの方が、半導体装置1の短辺に平行であることよりも好ましい。
【0126】
これにより、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの間の電流の流れる範囲を、比較的広くすることができる。すなわち、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとにより定まる電流経路の導通抵抗を比較的低くすることができる。
【0127】
図5は、
図4A、
図4Bと同様に、Nが3である場合の半導体装置1の平面図であって、仕様により定まる電流経路が、(1)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)との間に流れる電流経路と、(2)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路との2つの電流経路であり、(3)第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路が、仕様により定まる電流経路でないときの半導体装置1の形状の一例を示す平面図である。
【0128】
図5に示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の長辺に平行である。
【0129】
これに対して、
図4Aに示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の短辺に平行である。
【0130】
このため、半導体層40の平面視において、
図5に示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線よりも長くなり、かつ、
図5に示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線よりも長くなる。
【0131】
このため、
図5に示す半導体装置1の形状の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状よりも好ましいといえる。
【0132】
また、半導体層40の平面視において、仕様により定まる1以上の電流経路それぞれにおける、各電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれに対しても平行でないことの方が、半導体装置1の4つの辺のいずれかに対して平行であることよりも好ましい。
【0133】
これにより、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの間の電流の流れる範囲を、比較的広くすることができる。すなわち、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとにより定まる電流経路の導通抵抗を比較的低くすることができる。
【0134】
図6は、
図4A、
図4B、
図5と同様に、Nが3である場合の半導体装置1の平面図であって、仕様により定まる電流経路が、(1)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)との間に流れる電流経路と、(2)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路との2つの電流経路であり、(3)第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路が、仕様により定まる電流経路でないときの半導体装置1の形状の一例を示す平面図である。
【0135】
図6に示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれに対しても平行でない。つまり、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれに対しても斜めになっている。
【0136】
これに対して、
図4Aに示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれかに対して平行である。
【0137】
このため、半導体層40の平面視において、
図6に示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線よりも長くなり、かつ、
図6に示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線よりも長くなる。
【0138】
このため、
図6に示す半導体装置1の形状の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状よりも好ましいといえる。
【0139】
図7Aと
図7Bとは、それぞれ、Nが3である場合の半導体装置1の平面図であって、仕様により定まる電流経路が、(1)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)との間に流れる電流経路と、(2)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路と、(3)第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路との3つの電流経路であるときの半導体装置1の形状の一例を示す平面図である。
【0140】
図7Aに示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、Tr1とTr3との境界線、および、Tr2とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれかに対して平行である。
【0141】
これに対して、
図7Bに示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれに対しても平行でない。つまり、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれに対しても斜めになっている。
【0142】
このため、半導体層40の平面視において、
図7Bに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線の方が、
図7Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線よりも長くなり、かつ、
図7Bに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線の方が、
図7Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線よりも長くなる。さらには、
図7Bに示す半導体装置1の形状におけるTr2とTr3との境界線の方が、
図7Aに示す半導体装置1の形状におけるTr2とTr3との境界線よりも長くなる。
【0143】
このため、
図7Bに示す半導体装置1の形状の方が、
図7Aに示す半導体装置1の形状よりも好ましいといえる。
【0144】
また、半導体層40の平面視において、仕様により定まる1以上の電流経路それぞれにおける、各電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線は、半導体装置1の4つの辺のうちの、第1の辺に平行な線分と、第1の辺に直交する第2の辺に平行な線分とが交互に接続されてなることの方が、半導体装置1の4つの辺のいずれかに対して平行な1本の線分であることよりも好ましい。
【0145】
これにより、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの間の電流の流れる範囲を、広くすることができる。すなわち、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとにより定まる電流経路の導通抵抗を低くすることができる。
【0146】
図8は、
図4A、
図4B、
図5、
図6と同様に、Nが3である場合の半導体装置1の平面図であって、仕様により定まる電流経路が、(1)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)との間に流れる電流経路と、(2)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路との2つの電流経路であり、(3)第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路が、仕様により定まる電流経路でないときの半導体装置1の形状の一例を示す平面図である。
【0147】
図8に示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のうちの、第1の辺に平行な線分と、第1の辺に直交する第2の辺に平行な線分とが交互に接続されてなる。つまり、これら境界線は、半導体層40の平面視において、階段状になる。
【0148】
これに対して、
図4Aに示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれかに対して平行な1本の線分である。
【0149】
このため、半導体層40の平面視において、
図8に示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線よりも長くなり、かつ、
図8に示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線よりも長くなる。
【0150】
このため、
図8に示す半導体装置1の形状の方が、
図4Aに示す半導体装置1の形状よりも好ましいといえる。
【0151】
図9は、
図7A、
図7Bと同様に、それぞれ、Nが3である場合の半導体装置1の平面図であって、仕様により定まる電流経路が、(1)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)との間に流れる電流経路と、(2)第1の縦型MOSトランジスタ(Tr1)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路と、(3)第2の縦型MOSトランジスタ(Tr2)と第3の縦型MOSトランジスタ(Tr3)との間に流れる電流経路との3つの電流経路であるときの半導体装置1の形状の一例を示す平面図である。
【0152】
図9に示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のうちの、第1の辺に平行な線分と、第1の辺に直交する第2の辺に平行な線分とが交互に接続されてなる。つまり、これら境界線は、半導体層40の平面視において、階段状になる。
【0153】
これに対して、
図7Aに示す半導体装置1の形状によると、半導体層40の平面視において、Tr1とTr2との境界線、および、Tr1とTr3との境界線は、半導体装置1の4つの辺のいずれかに対して平行な1本の線分である。
【0154】
このため、半導体層40の平面視において、
図9に示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線の方が、
図7Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr2との境界線よりも長くなり、かつ、
図9に示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線の方が、
図7Aに示す半導体装置1の形状におけるTr1とTr3との境界線よりも長くなる。さらには、
図9に示す半導体装置1の形状におけるTr2とTr3との境界線の方が、
図7Aに示す半導体装置1の形状におけるTr2とTr3との境界線よりも長くなる。
【0155】
このため、
図9に示す半導体装置1の形状の方が、
図7Aに示す半導体装置1の形状よりも好ましいといえる。
【0156】
[1-4.半導体装置の形状の具体例]
以下、半導体装置1の形状の具体例について、図面を用いて例示する。
【0157】
以下の図面において、XA(Xは、数字)との記載は、その場所に位置する縦型MOSトランジスタの最大仕様電流[A]を意味する。
【0158】
【0159】
半導体層40の平面視における、第1の縦型MOSトランジスタ10の面積をS1、第2の縦型MOSトランジスタ20の面積をS2、…、第Nの縦型MOSトランジスタの面積をSNとする。
【0160】
図10Aは、I1=I2=I3の場合の一例である、この例では、I1=1[A]、I2=1[A]、I3=1[A]となっている。このため、S1:S2:S3=1
2:1
2:1
2となっている。
【0161】
図10Bは、I1=I2>I3の場合の一例である。この例では、I1=1.5[A]、I2=1.5[A]、I3=1[A]となっている。このため、S1:S2:S3=1.5
2:1.5
2:1
2となっている。
【0162】
図10Cは、I1>I2=I3の場合の一例である。この例では、I1=2[A]、I2=1[A]、I3=1[A]となっている。このため、S1:S2:S3=2
2:1
2:1
2となっている。
【0163】
図10Dは、I1>I2>I3の場合の一例である。この例では、I1=3[A]、I2=2[A]、I3=1[A]となっている。このため、S1:S2:S3=3
2:2
2:1
2となっている。
【0164】
【0165】
図11A、
図11Bは、I1=I2=I3=I4の場合の一例である、この例では、I1=1[A]、I2=1[A]、I3=1[A]、I4=1[A]となっている。このため、S1:S2:S3:S4=1
2:1
2:1
2:1
2となっている。
【0166】
図11C、
図11Dは、I1=I2=I3>I4の場合の一例である、この例では、I1=1[A]、I2=1[A]、I3=1[A]、I4=0.3[A]となっている。このため、S1:S2:S3:S4=1
2:1
2:1
2:0.3
2となっている。
【0167】
図11Eは、I1=I2>I3=I4の場合の一例である、この例では、I1=1[A]、I2=1[A]、I3=0.6[A]、I4=0.6[A]となっている。このため、S1:S2:S3:S4=1
2:1
2:0.6
2:0.6
2となっている。
【0168】
図11Fは、I1>I2=I3=I4、かつ、I1≠I2+I3+I4の場合の一例である、この例では、I1=1.5[A]、I2=0.8[A]、I3=0.8[A]、I4=0.8[A]となっている。このため、S1:S2:S3:S4=1.5
2:0.8
2:0.8
2:0.8
2となっている。
【0169】
図11Gは、I1>I2=I3=I4、かつ、I1=I2+I3+I4の場合の一例である、この例では、I1=3[A]、I2=1[A]、I3=1[A]、I4=1[A]となっている。このため、S1:S2:S3:S4=3
2:1
2:1
2:1
2となっている。
【0170】
図11Hは、I1>I2>I3=I4の場合の一例である、この例では、I1=1.4[A]、I2=1.1[A]、I3=0.5[A]、I4=0.5[A]となっている。このため、S1:S2:S3:S4=1.4
2:1.1
2:0.5
2:0.5
2となっている。
【0171】
図11Iは、I1>I2>I3>I4、かつ、I1=I2+I3+I4の場合の一例である、この例では、I1=2.5[A]、I2=1.3[A]、I3=0.7[A]、I4=0.5[A]となっている。このため、S1:S2:S3:S4=2.5
2:1.3
2:0.7
2:0.5
2となっている。
【0172】
図11Jは、I1>I2>I3>I4、かつ、I1≠I2+I3+I4の場合の一例である、この例では、I1=1.7[A]、I2=1.3[A]、I3=0.7[A]、I4=0.5[A]となっている。このため、S1:S2:S3:S4=1.7
2:1.3
2:0.7
2:0.5
2となっている。
【0173】
以下、N個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流が特定の条件を満たす半導体装置1について説明する。便宜上、この半導体装置1のことを、第1の特定半導体装置とも称する。
【0174】
第1の特定半導体装置は、N個の縦型MOSトランジスタのうちの1個が、以下の条件を満たす特定縦型MOSトランジスタである半導体装置1のことを言う。その条件とは、最大仕様電流が、N個の縦型MOSトランジスタのうちのK(Kは、2以上N-1以下の整数)個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流の和と等しいという条件である。
【0175】
このような第1の特定半導体装置は、特定縦型MOSトランジスタと、各上記K個の縦型MOSトランジスタとの間の電流経路のそれぞれに対して、各上記K個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流を流した場合に、特定縦型MOSトランジスタに流れる電流が、その特定縦型MOSトランジスタの最大仕様電流となる関係になっている場合に適している。
【0176】
Nが4である場合の第1の特定半導体装置の形状の具体例は、例えば、
図11G、
図11Iに例示される。
【0177】
以下、N個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流とソースパッドの数および形状とが特定の条件を満たす半導体装置1について説明する。便宜上、この半導体装置1のことを、第2の特定半導体装置とも称する。
【0178】
第2の特定半導体装置は、N個の縦型MOSトランジスタのうちの少なくとも1個が、以下の条件を満たす特定縦型MOSトランジスタである半導体装置1のことを言う。その条件とは、有するソースパッドが1つであり、半導体層40の平面視において、有するゲートパッドおよびソースパッドが、正円形であり、N個の縦型MOSトランジスタそれぞれが有するゲートパッドおよびソースパッドの中に、特定縦型MOSトランジスタが有するゲートパッドおよびソースパッドよりも有意に面積が小さいゲートパッドおよびソースパッドが存在しないという条件である。
【0179】
このような第2の特定半導体装置は、特定縦型MOSトランジスタを、N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域の電圧をモニターするトランジスタとして利用する場合に適している。これは、特定縦型MOSトランジスタは、大電流を流す必要がなく、微小な電流を流すことさえできればよいため、特定縦型MOSトランジスタのソースパッドは、必要最小限の数(すなわち1つ)で、かつ、最小サイズで事足りる。そして、特定縦型MOSトランジスタのソースパッドを、1つでかつ最小サイズとすることで、他の縦型MOSトランジスタのソースパッド用の領域を最大限に確保することができるからである。
【0180】
図12は、第2の特定半導体装置のソースパッドの構成の一例を示す平面図である。
【0181】
図12は、Nが3であり、特定縦型MOSトランジスタの数が1である場合の例であって、領域A3内に形成された第3の縦型MOSトランジスタが特定縦型MOSトランジスタであり、領域A1内に形成された第1の縦型MOSトランジスタと領域A2内に形成された第2の縦型MOSトランジスタとが、特定縦型MOSトランジスタではない縦型MOSトランジスタとなっている場合の例となっている。
【0182】
図12に示すように、特定縦型MOSトランジスタである第3の縦型MOSトランジスタが有するソースパッドは第3のソースパッド131の1つだけであり、半導体層40の平面視において、3個の縦型MOSトランジスタが有するソースパッドおよびゲートパッドの中に、特定縦型MOSトランジスタである第3の縦型MOSトランジスタが有する第3のソースパッド131および第3のゲートパッド139よりも有意に面積が小さいソースパッドおよびゲートパッドが存在していない。
【0183】
以下、第2の特定半導体装置の形状の具体例について、図面を用いて例示する。
【0184】
図13A、
図13Bは、それぞれ、Nが3であり、特定縦型MOSトランジスタの数が1であり、第3の縦型MOSトランジスタが特定縦型MOSトランジスタである場合の半導体装置1の平面図である。
【0185】
図13Aは、I1=I2の場合の一例である、この例では、I1=1[A]、I2=1[A]、I3≪1[A]となっている。
【0186】
図13Bは、I1>I2の場合の一例である、この例では、I1=3[A]、I2=2[A]、I3≪1[A]となっている。
【0187】
図14A、
図14Bは、それぞれ、Nが4であり、特定縦型MOSトランジスタの数が2であり、第3の縦型MOSトランジスタと第4の縦型MOSトランジスタとが特定縦型MOSトランジスタである場合の半導体装置1の平面図である。
【0188】
図14Aは、I1=I2の場合の一例である、この例では、I1=1[A]、I2=1[A]、I3≪1[A]、I4≪1[A]となっている。
【0189】
図14Bは、I1>I2の場合の一例である、この例では、I1=3[A]、I2=2[A]、I3≪1[A]、I4≪1[A]となっている。
【0190】
以下、半導体装置1におけるゲートパッドの好ましい配置位置について説明する。
【0191】
(1)N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第1の電流経路における、第1の電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、半導体層40の平面視において互いに隣接し、(2)N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第2の電流経路における、第2の電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、半導体層40の平面視において互いに隣接し、(3)N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第3の電流経路における、第3の電流経路の入口または出口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、半導体層40の平面視において互いに隣接する場合には、第3の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッドは、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線の延長線上に位置することが好ましい。
【0192】
図15は、Nが3である場合の半導体装置1であって、上記好ましい位置に第3の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド139が配置された半導体装置1の平面図である。
【0193】
図15に示すように、第3の出入口縦型MOSトランジスタである第3の縦型MOSトランジスタのゲートパッド139は、半導体層40の平面視において、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線の延長線上に位置している。
【0194】
上記位置に第3の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド139を配置することで、半導体層40の平面視において、第2の電流経路および第3の電流経路上の第3の領域A3に第3の出入口縦型MOSトランジスタのソースパッド131を配置するための領域を最大限確保することができるようになるため、第2の電流経路および第3の電流経路の抵抗値を抑制することができる。
【0195】
また、この際、第3の出入口縦型MOSトランジスタの方が、第1の出入口縦型MOSトランジスタおよび第2の出入口縦型MOSトランジスタよりも、最大仕様電流が小さい場合には、第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッドは、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第3の出入口縦型MOSトランジスタとの境界付近に配置しないことが望ましく、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッドは、第2の出入口縦型MOSトランジスタと第3の出入口縦型MOSトランジスタとの境界付近に配置しないことが好ましい。
【0196】
図16は、
図15に示す半導体装置1において、第3の出入口縦型MOSトランジスタの方が、第1の出入口縦型MOSトランジスタおよび第2の出入口縦型MOSトランジスタよりも、最大仕様電流が小さい場合に、第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド119と、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129との配置が好ましくない領域を記載した、半導体装置1の平面図である。
【0197】
図16において、領域B1は、第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド119と、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129との配置が好ましくない領域である。
【0198】
なお、半導体層40の平面視における、第1の出入口縦型MOSトランジスタの、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線に対して直交する方向における幅が、第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド119の直径の2倍を超えて大きい場合には、第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド119は、さらに、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界付近に配置しないことが好ましい。
【0199】
上記位置に第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド119を配置しないことで、ゲートパッド119が、第1の電流経路に流れる電流の妨げになることが抑制されるため、第1の電流経路の抵抗値を抑制することができる。
【0200】
同様に、半導体層40の平面視における、第2の出入口縦型MOSトランジスタの、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線に対して直交する方向における幅が、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の直径の2倍を超えて大きい場合には、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129は、さらに、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界付近に配置しないことが好ましい。
【0201】
上記位置に第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129を配置しないことで、ゲートパッド129が、第1の電流経路に流れる電流の妨げになることが抑制されるため、第1の電流経路の抵抗値を抑制することができる。
【0202】
図17は、
図15に示す半導体装置1において、半導体層40の平面視における、第1の出入口縦型MOSトランジスタの、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線に対して直交する方向における幅が、第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド119の直径の2倍を超えて大きく、かつ、第2の出入口縦型MOSトランジスタの、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線に対して直交する方向における幅が、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の直径の2倍を超えて大きい場合における、第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド119と、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129との配置が好ましくない領域を記載した、半導体装置1の平面図である。
【0203】
図17において、領域B2は、第1の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド119の配置が好ましくない領域であり、領域B3は、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の配置が好ましくない領域である。
【0204】
また、(1)N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第1の電流経路における、第1の電流経路の入口または出口に位置する第1の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタとは、半導体層40の平面視において互いに隣接し、(2)N個の縦型MOSトランジスタのうち、仕様により定まる第2の電流経路における、第2の電流経路の入口または出口に位置する第2の出入口縦型MOSトランジスタと、出口または入口に位置する第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、半導体層40の平面視において互いに隣接し、(3)第1の出入口縦型MOSトランジスタと第3の出入口縦型MOSトランジスタとにより定まる電流経路は、仕様により定まる電流経路のいずれにも該当せず、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第3の出入口縦型MOSトランジスタとは、半導体層40の平面視において互いに隣接している場合には、第3の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッドは、第2の出入口縦型MOSトランジスタと第3の縦型MOSトランジスタとの境界線よりも、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第3の縦型MOSトランジスタとの境界線の近傍に位置することが好ましい。
【0205】
図18は、Nが3である場合の半導体装置1であって、上記好ましい位置に第3の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッドが配置された半導体装置1の平面図である。
【0206】
図18に示すように、第3の出入口縦型MOSトランジスタである第3の縦型MOSトランジスタのゲートパッド139は、半導体層40の平面視において、第2の出入口縦型MOSトランジスタと第3の縦型MOSトランジスタとの境界線よりも、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第3の縦型MOSトランジスタとの境界線の近傍に位置している。
【0207】
上記位置に第3の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド139を配置することで、半導体層40の平面視において、第2の電流経路上の第3の領域A3に第3の出入口縦型MOSトランジスタのソースパッドを配置するための領域を最大限確保することができるようになるため、第2の電流経路の抵抗値を抑制することができる。
【0208】
また、この際、第3の出入口縦型MOSトランジスタの方が、第1の出入口縦型MOSトランジスタおよび第2の出入口縦型MOSトランジスタよりも、最大仕様電流が小さい場合には、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッドは、第2の出入口縦型MOSトランジスタと第3の出入口縦型MOSトランジスタとの境界付近に配置しないことが好ましい。
【0209】
図19は、
図18に示す半導体装置1において、第3の出入口縦型MOSトランジスタの方が、第1の出入口縦型MOSトランジスタおよび第2の出入口縦型MOSトランジスタよりも、最大仕様電流が小さい場合に、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の配置が好ましくない領域を記載した、半導体装置1の平面図である。
【0210】
図19において、領域B4は、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の配置が好ましくない領域である。
【0211】
なお、半導体層40の平面視における、第2の出入口縦型MOSトランジスタの、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線に対して直交する方向における幅が、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の直径の2倍を超えて大きい場合には、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129は、さらに、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界付近に配置しないことが好ましい。
【0212】
上記位置に第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129を配置しないことで、ゲートパッド129が、第1の電流経路に流れる電流の妨げになることが抑制されるため、第1の電流経路の抵抗値を抑制することができる。
【0213】
図20は、
図18に示す半導体装置1において、半導体層40の平面視における、第2の出入口縦型MOSトランジスタの、第1の出入口縦型MOSトランジスタと第2の出入口縦型MOSトランジスタとの境界線に対して直交する方向における幅が、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の直径の2倍を超えて大きい場合における、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の配置が好ましくない領域を記載した、半導体装置1の平面図である。
【0214】
図20において、領域B5は、第2の出入口縦型MOSトランジスタのゲートパッド129の配置が好ましくない領域である。
【0215】
以下、様々な形状の半導体装置1における、ゲートパッドの配置が好ましくない領域の具体例について、図面を用いて例示する。
【0216】
【0217】
【0218】
[1-5.共通ドレイン領域に接続されたパッドを有する構成例]
半導体装置1は、さらに、半導体層40の上面に、N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域に接続されたドレインパッドを有する構成であってもよい。
【0219】
図22Aは、ドレインパッドをさらに有する構成の半導体装置1の構造の一例を示す断面図である。
図22Bは、ドレインパッドをさらに有する構成の半導体装置1の構造の一例を示す平面図である。
図22Aは、
図22BにおけるI-Iにおける断面図を示す。
【0220】
図22Bに示すように、半導体装置1はドレインパッド141をさらに有してもよい。
【0221】
ドレインパッド141をさらに有する半導体装置1は、
図22Aに示すように、高濃度不純物層38と、ドレイン電極81とを備える。
【0222】
ドレイン電極81は、部分82と部分83とからなり、部分82は、部分83を介して高濃度不純物層38(後述)に接続されている。
【0223】
ドレイン電極81の部分82は、第1のソース電極11の部分12と同様に、フェイスダウン実装におけるリフロー時にはんだと接合される層であり、限定されない一例として、ニッケル、チタン、タングステン、パラジウムのうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。部分82の表面には、金などのめっきが施されてもよい。
【0224】
ドレイン電極81の部分83は、部分82と高濃度不純物層38とを接続する層であり、限定されない一例として、アルミニウム、銅、金、銀のうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。
【0225】
ドレインパッド141は、ドレイン電極81が半導体装置1の上面に部分的に露出した領域、いわゆる端子の部分を指す。
【0226】
高濃度不純物層38は、半導体層40内において、半導体基板32、低濃度不純物層33、および、部分83に接触して形成され、半導体基板32の第1導電型の不純物の濃度より高い濃度の第1導電型の不純物を含む。
【0227】
このため、高濃度不純物層38は、N個の縦型MOSトランジスタの共通ドレイン領域として機能する半導体基板32および低濃度不純物層33と、ドレイン電極81とを電気的に接続する。
【0228】
ところで、ここまでの説明は、縦型MOSトランジスタに基づいて行ったが、本開示はこれに限定される必要はない。縦型MOSトランジスタを、縦型トランジスタとしても有効である。縦型トランジスタとは、縦型MOSトランジスタの他に、縦型バイポーラトランジスタ(BJT)と縦型絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)とを挙げることができる。当業者にとってBJTやIGBTの基本的な構造および機能についてはよく知られているため詳細説明は省略するが、MOSトランジスタとの類似性は次のように理解することができる。すなわち、縦型BJTである場合は、上記説明において、ソースをエミッタに、ドレインをコレクタに、ボディをベースに読み替えて理解することができる。また、ゲート電極はベース電極と読み替えることができる。縦型IGBTの場合は、上記説明において、ソースをエミッタに、ドレインをコレクタに読み替えて理解することができる。なお、縦型とは、半導体装置の垂直方向にチャネルが形成され、電流が流れる構造であることを言う。
【0229】
なお、半導体装置1が縦型トランジスタである場合、ドレインパッドを有する代わりに、半導体層40の下面に接触して形成された金属層30(すなわち、N個の縦型トランジスタに共通する共通電極)と接続し、半導体層40の上面側へ引き回されて形成される共通端子を有する構成であっても構わない。N個の縦型トランジスタは、もともと半導体層40の上面側に、縦型トランジスタの導通を制御する制御電極(縦型MOSトランジスタの例では、ゲート電極)と接続する制御パッド(縦型MOSトランジスタの例ではゲートパッド)と、N個の縦型トランジスタが、外部から電流を流入する、または外部へ電流を流出する外部接続電極(縦型MOSトランジスタの例ではソース電極)と接続する1以上の外部接続パッド(縦型MOSトランジスタの例ではソースパッド)が備わる。N個の縦型トランジスタからなる半導体装置1においては、共通端子をN個の縦型トランジスタに外部から電流が流入する外部入力端子とし、さらに、N個の縦型トランジスタそれぞれが有する1以上の外部接続パッドのそれぞれをN個の縦型トランジスタから外部へ電流が流出する外部出力端子としてもよい。半導体層40の下面とは、N個の縦型トランジスタが形成された一方の主面と背向する、他方の主面のことである。
【0230】
図23は、半導体装置1が縦型トランジスタである場合において、共通端子をさらに有する構成の半導体装置1の構造の一例を示す断面図である。
【0231】
図23に示すように、半導体装置1は、半導体装置1が縦型トランジスタである場合に、共通端子300をさらに有する構成であってもよい。
【0232】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2に係る電池保護システムについて説明する。
【0233】
[2-1.電池保護システムの構成]
図24は、実施の形態2に係る電池保護システム100の構成の一例を示す回路図である。
【0234】
図24に示すように、電池保護システム100は、電池保護回路50と、充放電制御IC60とを備える。
【0235】
また、電池保護回路50は、第1の半導体装置1aと、第2の半導体装置1bと、N-1個の電池セル5と、第1の端子61と、第2の端子62とを備える。
【0236】
充放電制御IC60は、第1の半導体装置1aと第2の半導体装置1bとを制御して、N-1個の電池セル5の充放電を制御する。
【0237】
第1の半導体装置1aは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、N個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態(ON状態)と非導通状態(OFF状態)とは、充放電制御IC60により制御される。
【0238】
図24以降において、制御ICから伸びて各半導体装置まで到達する矢印は、各半導体装置を制御する信号が制御ICから発信されていることを示している。実際は、制御ICと、各半導体装置を構成する縦型MOSトランジスタの各々のゲートパッドとが電気的に接続されて、それぞれの縦型MOSトランジスタの導通状態を制御するわけだが、
図24以降ではその表示の煩雑さを避けるために矢印を用いている。
【0239】
第2の半導体装置1bは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、N個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、充放電制御IC60により制御される。
【0240】
第1の端子61は、第1の半導体装置1aが備えるN個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の端子接続縦型MOSトランジスタ2aの1以上のソースパッドと接続される。
【0241】
第2の端子62は、第2の半導体装置1bが備えるN個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の端子接続縦型MOSトランジスタ2bの1以上のソースパッドと接続される。
【0242】
N-1個の電池セル5は、それぞれの正極が、第1の半導体装置1aが備えるN個の縦型MOSトランジスタのうちの、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0243】
また、N-1個の電池セル5は、それぞれの負極が、第2の半導体装置1bが備えるN個の縦型MOSトランジスタのうちの、端子接続縦型MOSトランジスタ2bを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0244】
[2-2.電池保護システムの動作]
以下、上記構成の電池保護システム100が行う動作について説明する。
【0245】
図25Aは、電池保護システム100がN-1個の電池セル5を充電する様子を示す模式図である。
図25Aにおいて、破線の矢印のそれぞれは、N-1個の電池セル5のそれぞれの充電経路を示す。
【0246】
充放電制御IC60は、充電時に、第1の半導体装置1aの、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタ(
図25A中の破線で囲まれた縦型MOSトランジスタ)を導通状態とし、第2の半導体装置1bの端子接続縦型MOSトランジスタ2bを導通状態とすることで、N-1個の電池セル5を同時に、並列に充電する。
【0247】
また、
図25Aには図示していないが、充放電制御IC60は、N-1個の電池セル5のうち1個、または、N-1個すべてでない複数個の電池セル5だけを選択的に同時に、並列に充電してもよい。
【0248】
充放電制御IC60は、充電時において、充電に係る異常を検知した場合に、第2の半導体装置1bの端子接続縦型MOSトランジスタ2bを導通状態から非導通状態へと変更することで、N-1個の電池セル5の充電を停止する。
【0249】
これにより、N-1個の電池セル5は、充電に係る異常による悪影響から保護される。
【0250】
また、充放電制御IC60は、充電時において、充電に係る異常を検知した場合に、第1の半導体装置1aの、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタ(
図25A中の破線で囲まれた縦型MOSトランジスタ)のうち、検知した異常に関係する電池セル5が接続される縦型MOSトランジスタを導通状態から非導通状態へと変更することで、該当する電池セル5の充電を停止する。
【0251】
これにより、該当する電池セル5は、充電に係る異常による悪影響から保護される。
【0252】
図25Bは、電池保護システム100がN-1個の電池セル5を放電する様子を示す模式図である。
図25Bにおいて、破線の矢印のそれぞれは、N-1個の電池セル5のそれぞれの放電経路を示す。
【0253】
充放電制御IC60は、放電時に、第2の半導体装置1bの、端子接続縦型MOSトランジスタ2bを除くN-1個の縦型MOSトランジスタ(
図25B中の破線で囲まれた縦型MOSトランジスタ)を導通状態とし、第1の半導体装置1aの端子接続縦型MOSトランジスタ2aを導通状態とすることで、N-1個の電池セル5を同時に、並列に放電する。
【0254】
また、
図25Bには図示していないが、充放電制御IC60は、N-1個の電池セル5のうち1個、または、N-1個すべてでない複数個の電池セル5だけを選択的に同時に、並列に放電してもよい。
【0255】
充放電制御IC60は、放電時において、放電に係る異常を検知した場合に、第1の半導体装置1aの端子接続縦型MOSトランジスタ2aを導通状態から非導通状態へと変更することで、N-1個の電池セル5の放電を停止する。
【0256】
これにより、N-1個の電池セル5は、放電に係る異常による悪影響から保護される。
【0257】
また、充放電制御IC60は、放電時において、放電に係る異常を検知した場合に、第2の半導体装置1bの、端子接続縦型MOSトランジスタ2bを除くN-1個の縦型MOSトランジスタ(
図25B中の破線で囲まれた縦型MOSトランジスタ)のうち、検知した異常に関係する電池セル5が接続される縦型MOSトランジスタを導通状態から非導通状態へと変更することで、該当する電池セル5の放電を停止する。
【0258】
これにより、該当する電池セル5は、放電に係る異常による悪影響から保護される。
【0259】
本実施の形態2における半導体装置1aについて述べておく。半導体装置1aの製品仕様書では、N個ある縦型MOSトランジスタのうち、端子接続縦型MOSトランジスタ2aと端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタとが、それぞれ一方と他方の出入口縦型MOSトランジスタとなる、N-1の電流経路が定まる。端子接続縦型MOSトランジスタ2aは、定められたN-1の電流経路の全てにおいて共通した、一方または他方の出入口縦型MOSトランジスタである。実施の形態2においては、規定されたN-1の電流経路は電気的に等価であるため、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタにおけるそれぞれの最大仕様電流(これをIa[A]とする)は等しい。さらに、端子接続縦型MOSトランジスタ2aの最大仕様電流(これをIn[A]とする)は、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタのそれぞれの最大仕様電流Iaの和と等しくなる(In=Ia×(N-1))。したがって、半導体装置1aは、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを特定縦型MOSトランジスタとする、第1の特定半導体装置である。
【0260】
また、半導体装置1aの製品仕様書では、端子接続縦型MOSトランジスタ2aに最大仕様電流Inが流れ、また、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型トランジスタのそれぞれに最大仕様電流Iaが流れるときの、定められたN-1の電流経路のそれぞれの導通抵抗(オン抵抗)が記載される。N-1個の電流経路は電気的に等価であるため導通抵抗(オン抵抗、これをRan[Ω]とする)は全て等しい。このため製品仕様書では、重複を避けて1の導通抵抗のみを記載する場合がある。なお、導通抵抗(オン抵抗)を評価する際の電流値は、N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれに対して製品仕様書に記載される。導通抵抗(オン抵抗)を評価する際の電流値は、N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれに対して規定される最大定格電流の50%の電流値または当該最大定格電流以下の電流値である。導通抵抗を評価する際に、N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれに流す電流値として製品仕様書に記載される電流値を、N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれの最大仕様電流と捉えてよい。また、製品仕様書に記載されるN個の縦型MOSトランジスタのそれぞれの最大定格電流を、N個の縦型MOSトランジスタのそれぞれの最大仕様電流と捉えてもよい。
【0261】
ところで、N-1の電流経路を電気的に等価なものとするために、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの面積(これをSaとする)を全て等しくし、さらに端子接続縦型MOSトランジスタ2aの面積(これをSnとする)は、N個の縦型MOSトランジスタの中で最も大きい面積とすることが望ましい(Sn>Sa)。これは、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの最大仕様電流が全て等しく、さらに、端子接続縦型MOSトランジスタ2aの最大仕様電流が最も大きいからである。さらに言えば、Sa:Sn=Ia2:In2の関係が成り立つことが望ましく、Sa:Sn=1:(N-1)2の関係が成り立つことが望ましい。また端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの、最大仕様電流Iaが流れるときの、単体としての導通抵抗Ra(Ra=Ran×Sn/(Sa+Sn))と、端子接続縦型MOSトランジスタ2aの、最大仕様電流In=Ia×(N-1)が流れるときの、単体としての導通抵抗Rn(Rn=Ran×Sa/(Sa+Sn))について、Ia2:In2=1/Ra:1/Rnが成立することが望ましい。このような関係が成立することで、半導体装置1aにおいて、局所的な発熱を抑制することができる。
【0262】
なお、実施の形態2において、電池保護システム100は、N-1個の電池セル5の正極側に第1の半導体装置1aを備え、負極側に第2の半導体装置1bを備える構成について説明した。これに対して、実施の形態2に係る電池保護システムは、N-1個の電池セル5の正極側に第1の半導体装置1aのみを備える構成であってもよいし、N-1個の電池セル5の負極側に第2の半導体装置1bのみを備える構成であってもよい。
【0263】
図26は、N-1個の電池セル5の正極側に第1の半導体装置1aを備える構成の、実施の形態2に係る電池保護システム100aの構成の一例を示す回路図である。
【0264】
図26に示すように、電池保護システム100aは、電池保護システム100から、電池保護回路50が電池保護回路50aに変更され、充放電制御IC60が充電制御IC60aに変更されて構成される。
【0265】
また、電池保護回路50aは、電池保護回路50から、第2の半導体装置1bが削除され、第2の端子62の接続先が、端子接続縦型MOSトランジスタ2bの1以上のソースパッドから、N-1個の電池セル5の負極に変更されて構成される。
【0266】
充電制御IC60aは、第1の半導体装置1aを制御して、N-1個の電池セル5の充電を制御する。
【0267】
充電制御IC60aは、充電時に、第1の半導体装置1aの、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタを導通状態とすることで、N-1個の電池セル5を同時に、並列に充電する。
【0268】
また、
図26には図示していないが、充電制御IC60aは、N-1個の電池セル5のうち1個、または、N-1個すべてではない複数個の電池セル5だけを選択的に同時に、並列に充電してもよい。
【0269】
充電制御IC60aは、充電時において、充電に係る異常を検知した場合に、第1の半導体装置1aの、端子接続縦型MOSトランジスタ2aを除くN-1個の縦型MOSトランジスタのうち、検知した異常に関係する電池セル5が接続される縦型MOSトランジスタを導通状態から非導通状態へと変更することで、該当する電池セル5の充電を停止する。
【0270】
これにより、該当する電池セル5は、充電に係る異常による悪影響から保護される。
【0271】
図27は、N-1個の電池セル5の負極側に第2の半導体装置1bを備える構成の、実施の形態2に係る電池保護システム100bの構成の一例を示す回路図である。
【0272】
図27に示すように、電池保護システム100bは、電池保護システム100から、電池保護回路50が電池保護回路50bに変更され、充放電制御IC60が放電制御IC60bに変更されて構成される。
【0273】
また、電池保護回路50bは、電池保護回路50から、第1の半導体装置1aが削除され、第1の端子61の接続先が、端子接続縦型MOSトランジスタ2aの1以上のソースパッドから、N-1個の電池セル5の正極に変更されて構成される。
【0274】
放電制御IC60bは、第2の半導体装置1bを制御して、N-1個の電池セル5の放電を制御する。
【0275】
放電制御IC60bは、放電時に、第2の半導体装置1bの、端子接続縦型MOSトランジスタ2bを除くN-1個の縦型MOSトランジスタを導通状態とすることで、N-1個の電池セル5を同時に、並列に放電する。
【0276】
また、
図27には図示していないが、放電制御IC60bは、N-1個の電池セル5のうち1個、または、N-1個すべてではない複数個の電池セル5だけを選択的に同時に、並列に放電してもよい。
【0277】
放電制御IC60bは、放電時において、放電に係る異常を検知した場合に、第2の半導体装置1bの、端子接続縦型MOSトランジスタ2bを除くN-1個の縦型MOSトランジスタのうち、検知した異常に関係する電池セル5が接続される縦型MOSトランジスタを導通状態から非導通状態へと変更することで、該当する電池セル5の充電を停止する。
【0278】
これにより、該当する電池セル5は、放電に係る異常による悪影響から保護される。
【0279】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3に係る電池保護システムについて説明する。
【0280】
[3-1.電池保護システムの構成]
図28は、実施の形態3に係る電池保護システム100cの構成の一例を示す回路図である。
【0281】
図28に示すように、電池保護システム100cは、電池保護回路50cと、充放電制御IC60cとを備える。
【0282】
また、電池保護回路50cは、第1の半導体装置1cと、第2の半導体装置1dと、N個の電池セル5と、2N-2個の半導体スイッチ装置9と、第1の端子61cと、第2の端子62cと、第3の端子63cとを備える。
【0283】
充放電制御IC60cは、第1の半導体装置1cと第2の半導体装置1dと2N-2個の半導体スイッチ装置9とを制御して、N個の電池セル5の充放電を制御する。
【0284】
第1の半導体装置1cは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、N個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、充放電制御IC60cにより制御される。
【0285】
第2の半導体装置1dは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、3個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、充放電制御IC60cにより制御される。
【0286】
2N-2個の半導体スイッチ装置9は、それぞれ、互いにドレイン領域を共通とする2個の縦型MOSトランジスタを備え、各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、充放電制御IC60cにより制御される。
【0287】
2N-2個の半導体スイッチ装置9は、それぞれ、一方の縦型MOSトランジスタが導通状態になると、他方の縦型MOSトランジスタのソース電極から、一方の縦型MOSトランジスタのソース電極への電流経路が導通状態となり、他方の縦型MOSトランジスタが導通状態になると、一方の縦型MOSトランジスタのソース電極から、他方の縦型MOSトランジスタのソース電極への電流経路が導通状態となる。
【0288】
N個の電池セルは、互いに直列接続される。実施の形態3において、互いに直列接続されるN個の電池セルのうち、負極側端部に位置する電池セル5aを除くN-1個の電池セル5は、半導体スイッチ装置9を介して直列接続され、電池セル5aと、直列接続において電池セル5aの隣に位置する電池セル5bとは、第2の半導体装置1dを介して直列接続される。
【0289】
第1の端子61cは、第1の半導体装置1cが備えるN個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の端子接続縦型MOSトランジスタ2cの1以上のソースパッド、および、第2の半導体装置1dが備える3個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の端子接続縦型MOSトランジスタ2dの1以上のソースパッドと接続される。
【0290】
第2の端子62cは、N個の電池セル5の負極と接続される。実施の形態3において、各電池セル5の負極と第2の端子62cとは、半導体スイッチ装置9を介して接続される。
【0291】
第3の端子63cは、互いに直列接続されるN個の電池セル5のうち、正極側端部に位置する電池セル5cの正極と接続される。
【0292】
N個の電池セル5のうち、電池セル5aを除くN-1個の電池セル5のそれぞれの正極が、第1の半導体装置1cが備えるN個の縦型MOSトランジスタのうちの、端子接続縦型MOSトランジスタ2cを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0293】
電池セル5aの正極と、電池セル5bの負極とのそれぞれは、第2の半導体装置1dが備える3個の縦型MOSトランジスタのうちの、端子接続縦型MOSトランジスタ2dを除く2個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0294】
[3-2.電池保護システムの動作]
以下、上記構成の電池保護システム100cが行う動作について説明する。
【0295】
図29Aは、電池保護システム100cがN個の電池セル5を直列充電する様子を示す模式図である。
図29Aにおいて、破線の矢印は、N個の電池セル5の充電経路を示す。
【0296】
充放電制御IC60cは、直列充電時に、N個の電池セル5のうち、電池セル5aを除くN-1個の電池セル5の間に挟まれているN-2個の半導体スイッチ装置9の、電池セル5の正極に接続されている側の縦型MOSトランジスタを導通状態とし、第2の半導体装置1dの、電池セル5aの正極に接続されている側の縦型MOSトランジスタを導通状態とし、電池セル5aと第2の端子62cとの間に挟まれている半導体スイッチ装置9の、第2の端子62c側に接続されている側の縦型MOSトランジスタを導通状態とすることで、N個の電池セル5を同時に、直列に充電する。
【0297】
充放電制御IC60cは、直列充電時において、充電に係る異常を検知した場合に、例えば、第2の半導体装置1dの、電池セル5aの正極に接続されている側の縦型MOSトランジスタを導通状態から非導通状態へと変更することで、N個の電池セルの充電を停止する。
【0298】
これにより、N個の電池セル5は、充電に係る異常による悪影響から保護される。また直列充電時に電池セル5aの負極が接続された半導体スイッチ装置9の、第2の端子62cに接続されている側の縦型MOSトランジスが導通状態から非導通状態へと切り替わることで直列充電が停止した際には、第2の半導体装置1dの、端子接続縦型MOSトランジスタ2dから、電池セル5aの正極側の電圧を第1の端子61cを通して外部に供給し続けることが可能となる。
【0299】
図29Bは、電池保護システム100cがN個の電池セル5を放電する様子を示す模式図である。
図29Bにおいて、破線の矢印のそれぞれは、N個の電池セル5のそれぞれの放電経路を示す。
【0300】
充放電制御IC60cは、放電時に、N個の電池セル5の負極のそれぞれと第2の端子62cとの間に挟まれているN個の半導体スイッチ装置9の、電池セル5の負極に接続されている側の縦型MOSトランジスを導通状態とし、第2の半導体装置1dの端子接続縦型MOSトランジスタ2dを導通状態とし、第1の半導体装置1cの端子接続縦型MOSトランジスタ2cを導通状態とすることで、N個の電池セル5を同時に、並列に放電する。
【0301】
また、
図29Bには図示していないが、充放電制御IC60cは、N個の電池セル5のうち1個、または、N個全てでない複数個の電池セル5だけを選択的に同時に、並列に放電してもよい。
【0302】
充放電制御IC60cは、放電時において、放電に係る異常を検知した場合に、例えば、N個の電池セル5の負極のそれぞれと第2の端子62cとの間に挟まれているN個の半導体スイッチ装置9のうち、検知した異常に関係する電池セル5の負極が接続された半導体スイッチ装置9の、電池セル5の負極に接続されている側の縦型MOSトランジスを導通状態から非導通状態へと変更することで、該当する電池セル5の放電を停止する。
【0303】
これにより、該当する電池セル5は、放電に係る異常による悪影響から保護される。
【0304】
図29Cは、電池保護システム100cがN個の電池セル5を並列充電する様子を示す模式図である。
図29Cにおいて、破線の矢印のそれぞれは、N個の電池セル5のそれぞれの充電経路を示す。
【0305】
充放電制御IC60cは、並列充電時に、N個の電池セル5の負極のそれぞれと第2の端子62cとの間に挟まれているN個の半導体スイッチ装置9の、第2の端子62cに接続されている側の縦型MOSトランジスを導通状態とし、第2の半導体装置1dの、電池セル5aの正極に接続された縦型MOSトランジスを導通状態とし、第1の半導体装置1cの、端子接続縦型MOSトランジスタ2cを除くN-1個の縦型MOSトランジスタを導通状態とすることで、N個の電池セル5を同時に、並列に充電する。
【0306】
また、
図29Cには図示していないが、充放電制御IC60cは、N個の電池セル5のうち1個、または、N個すべてでない複数個の電池セル5だけを選択的に同時に、並列に充電してもよい。
【0307】
充放電制御IC60cは、並列充電時において、充電に係る異常を検知した場合に、例えば、N個の電池セル5の負極のそれぞれと第2の端子62cとの間に挟まれているN個の半導体スイッチ装置9のうち、検知した異常に関係する電池セル5の負極が接続された半導体スイッチ装置9の、第2の端子62cに接続されている側の縦型MOSトランジスを導通状態から非導通状態へと変更することで、該当する電池セル5の充電を停止する。
【0308】
これにより、該当する電池セル5は、充電に係る異常による悪影響から保護される。
【0309】
本実施形態3における第2の半導体装置1dについて述べておく。第2の半導体装置1dの製品仕様書では、3個ある縦型MOSトランジスタのうち、どの2個を選択しても、一方または他方の出入口縦型MOSトランジスタとなる、3の電流経路が定められる。本実施の形態3においては、電池セル5bの負極に接続された縦型MOSトランジスタと、電池セル5aの正極に接続された縦型MOSトランジスタと、を一方または他方の出入口縦型MOSトランジスタとする電流経路は、
図29Aで示したように直列充電に用いられるため大電流を通電する。しかし端子接続縦型MOSトランジスタ2dを一方または他方の出入口縦型MOSトランジスタとする、2のそれぞれの電流経路では大電流を通電する必要がない。したがって電池セル5bの負極に接続された縦型MOSトランジスタと、電池セル5aの正極に接続された縦型MOSトランジスタの最大仕様電流は等しく(これをIa[A]とする)、端子接続縦型MOSトランジスタ2dの最大仕様電流(これをIt[A]とする)よりも大きい(Ia>It)。
【0310】
第2の半導体装置1dの製品仕様書では、定められる3の電流経路におけるそれぞれの導通抵抗(オン抵抗)が記載される。電池セル5bの負極に接続された縦型MOSトランジスタと、電池セル5aの正極に接続された縦型MOSトランジスタと、を一方または他方の出入口縦型MOSトランジスタとする電流経路では、Iaが流れるときの導通抵抗(オン抵抗、これをRaa[Ω]とする)が記載される。また電池セル5bの負極に接続された縦型MOSトランジスタと、端子接続縦型MOSトランジスタ2dと、を一方または他方の出入口縦型MOSトランジスタとする電流経路では、Itが流れるときの導通抵抗(オン抵抗、これをRat[Ω]とする)が記載される。同様に、電池セル5aの正極に接続された縦型MOSトランジスタと、端子接続縦型MOSトランジスタ2dと、を一方または他方の出入口縦型MOSトランジスタとする電流経路では、Itが流れるときの導通抵抗(オン抵抗、Rat[Ω])が記載される。端子接続縦型MOSトランジスタ2dを一方または他方の出入口縦型MOSトランジスタとする、2のそれぞれの電流経路は等価であるため製品仕様書では重複を避けて1の導通抵抗のみを記載する場合がある。なお、導通抵抗(オン抵抗)を評価する際の電流値は、3個の縦型MOSトランジスタのそれぞれに対して製品仕様書に記載される。導通抵抗(オン抵抗)を評価する際の電流値は、3個の縦型MOSトランジスタのそれぞれに対して規定される最大定格電流の50%の電流値または当該最大定格電流以下の電流値である。導通抵抗を評価する際に、3個の縦型MOSトランジスタのそれぞれに流す電流値として製品仕様書に記載される電流値を、3個の縦型MOSトランジスタのそれぞれの最大仕様電流と捉えてよい。また製品仕様書に記載される3個の縦型MOSトランジスタのそれぞれの最大定格電流を、3個の縦型MOSトランジスタのそれぞれの最大仕様電流と捉えても差し支えない。
【0311】
大電流を通電することになる、電池セル5bの負極に接続された縦型MOSトランジスタと、電池セル5aの正極に接続された縦型MOSトランジスタとは、それぞれ同じ面積(これをSaとする)を有し、さらに大電流を流す必要のない端子接続縦型MOSトランジスタ2dの面積(これをStとする)は、3個の縦型MOSトランジスタの中で最も小さい面積とすることが望ましい(St<Sa)。さらにいえばSa:St=Ia2:It2のの関係が成り立つことが望ましい。また電池セル5bの負極に接続された縦型MOSトランジスタと、電池セル5aの正極に接続された縦型MOSトランジスタとに、最大仕様電流Iaが流れるときの、それぞれの縦型MOSトランジスタ単体としての導通抵抗Ra(Ra=Raa/2)と、端子接続縦型MOSトランジスタ2dの、最大仕様電流Itが流れるときの、単体としての導通抵抗Rt(Rt=Rat×Sa/(Sa+Sn))について、Ia2:It2=1/Ra:1/Rtが成立することが望ましい。このような関係が成立することで、第2の半導体装置1dにおいて、局所的な発熱を抑制することができる。
【0312】
[3-3.電池保護回路の具体例]
以下、電池保護回路50cの具体例について、従来例と比較しながら図面を用いて説明する。
【0313】
【0314】
図30B、
図31B、
図32Bは、半導体装置1を利用しない、すなわち、半導体スイッチ装置9のみで回路を構成する、従来例に係る電池保護回路の具体例を示す回路図である。
【0315】
図30Aは、2個の電池セル5の直列充電と並列放電とを実現することができる実施の形態3に係る電池保護回路の一例である第1の開示例を示す回路図であり、
図30Bは、同様の機能を実現することができる従来例に係る電池保護回路の一例である第1の従来例を示す回路図である。
【0316】
図30Aと
図30Bとを比較することでわかるように、第1の開示例の方が、第1の従来例よりも、少ない部品点数で、同様の機能を実現することができる。
【0317】
図31Aは、3個の電池セル5の直列充電と並列放電とを実現することができる、実施の形態3に係る電池保護回路の一例である第2の開示例を示す回路図であり、
図31Bは、同様の機能を実現することができる従来例に係る電池保護回路の一例である第2の従来例を示す回路図である。
【0318】
図31Aと
図31Bとを比較することでわかるように、第2の開示例の方が、第2の従来例よりも、少ない部品点数で、同様の機能を実現することができる。
【0319】
図32Aは、4個の電池セル5の直列充電と並列放電とを実現することができる、実施の形態3に係る電池保護回路の一例である第3の開示例を示す回路図であり、
図32Bは、同様の機能を実現することができる従来例に係る電池保護回路の一例である第3の従来例を示す回路図である。
【0320】
図32Aと
図32Bとを比較することでわかるように、第3の開示例の方が、第3の従来例よりも、少ない部品点数で、同様の機能を実現することができる。
【0321】
以下、第2の開示例における代表的な動作について、図面を用いて説明する。
【0322】
図33Aは、第2の開示例に係る電池保護回路50caが3個の電池セル5を直列充電する様子を示す模式図である。
【0323】
図33Aに示すように、電池保護回路50caは、第3の端子63cに15Vが印加され、第2の端子62cが接地されることで、電池セル5ccと電池セル5cbと電池セル5caとを直列充電しながら、第1の端子61cから、電池セル5caの正極側の電圧を外部に供給することができる。
【0324】
図33Bは、電池保護回路50caが、3個の電池セル5の直列充電を停止して、第1の端子61cから、電池セル5caの正極側の電圧の外部への供給を開始する様子を示す模式図である。
【0325】
図33Cは、電池保護回路50caが、電池セル5caを充電する様子を示す模式図である。
【0326】
図33Cに示すように、電池保護回路50caは、第3の端子63cに5Vが印加され、第2の端子62cが接地されることで、電池セル5caを充電しながら、第1の端子61cから、電池セル5caの正極側の電圧を外部に供給することができる。
【0327】
図33Dは、電池保護回路50caが3個の電池セル5を並列放電する様子を示す模式図である。
【0328】
(実施の形態4)
以下、実施の形態4に係る電池保護システムについて説明する。
【0329】
[4-1.電池保護システムの構成]
図34は、実施の形態4に係る電池保護システム100dの構成の一例を示す回路図である。
【0330】
図34に示すように、電池保護システム100dは、電池保護回路50dと、充放電制御IC60dとを備える。
【0331】
また、電池保護回路50dは、第1の半導体装置1eと、第2の半導体装置1fと、N-1個の電池セル5と、2N-4個の半導体スイッチ装置9と、第1の端子61dと、第2の端子62dと、第3の端子63dとを備える。
【0332】
充放電制御IC60dは、第1の半導体装置1eと第2の半導体装置1fと2N-4個の半導体スイッチ装置9とを制御して、N個-1の電池セル5の充放電を制御する。
【0333】
第1の半導体装置1eは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、N個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、充放電制御IC60dにより制御される。
【0334】
第2の半導体装置1fは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、3個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、充放電制御IC60dにより制御される。
【0335】
2N-4個の半導体スイッチ装置9は、充放電制御IC60dにより制御される。
【0336】
N-1個の電池セルは、互いに直列接続される。実施の形態4において、互いに直列接続されるN-1個の電池セルのうち、負極側端部に位置する電池セル5dを除くN-2個の電池セル5は、半導体スイッチ装置9を介して直列接続され、電池セル5dと、直列接続において電池セル5dの隣に位置する電池セル5eとは、第2の半導体装置1fを介して直列接続される。
【0337】
第1の端子61dは、第1の半導体装置1eが備えるN個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の端子接続縦型MOSトランジスタ2eの1以上のソースパッド、および、第2の半導体装置1fが備える3個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の端子接続縦型MOSトランジスタ2fの1以上のソースパッドと接続される。
【0338】
第2の端子62dは、N-1個の電池セル5の負極と接続される。実施の形態4において、各電池セル5の負極と第2の端子62dとは、半導体スイッチ装置9を介して接続される。
【0339】
第3の端子63dは、互いに直列接続されるN-1個の電池セル5のうち、正極側端部に位置する電池セル5fと接続される。
【0340】
N-1個の電池セル5のそれぞれの正極が、第1の半導体装置1eが備えるN個の縦型MOSトランジスタのうちの、端子接続縦型MOSトランジスタ2eを除くN-1個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0341】
電池セル5dの正極と、電池セル5eの負極とのそれぞれは、第2の半導体装置1fが備える3個の縦型MOSトランジスタのうちの、端子接続縦型MOSトランジスタ2fを除く2個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0342】
[4-2.電池保護システムの動作]
以下、上記構成の電池保護システム100dが行う動作について説明する。
【0343】
図35Aは、電池保護システム100dがN-1個の電池セル5を直列充電する様子を示す模式図である。
図35Aにおいて、破線の矢印は、N-1個の電池セル5の充電経路を示す。
【0344】
充放電制御IC60dは、直列充電時に、N-1個の電池セル5のうち、電池セル5dを除くN-2個の電池セル5の間に挟まれているN-3個の半導体スイッチ装置9の、電池セル5の正極に接続されている側の縦型MOSトランジスタを導通状態とし、第2の半導体装置1fの、電池セル5dの正極に接続されている側の縦型MOSトランジスタを導通状態とし、電池セル5dと第2の端子62dとの間に挟まれている半導体スイッチ装置9の、第2の端子62d側に接続されている側の縦型MOSトランジスタを導通状態とすることで、N-1個の電池セル5を同時に、直列に充電する。
【0345】
充放電制御IC60dは、直列充電時において、充電に係る異常を検知した場合に、例えば、第2の半導体装置1fの、電池セル5dの正極に接続されている側の縦型MOSトランジスタを導通状態から非導通状態へと変更することで、N-1個の電池セルの充電を停止する。
【0346】
これにより、N-1個の電池セル5は、充電に係る異常による悪影響から保護される。
【0347】
図35Bは、電池保護システム100dがN-1個の電池セル5を放電する様子を示す模式図である。
図35Bにおいて、破線の矢印のそれぞれは、N-1個の電池セル5のそれぞれの放電経路を示す。
【0348】
充放電制御IC60dは、放電時に、N-1個の電池セル5の負極のそれぞれと第2の端子62dとの間に挟まれているN-1個の半導体スイッチ装置9の、電池セル5の負極に接続されている側の縦型MOSトランジスを導通状態とし、第1の半導体装置1eの端子接続縦型MOSトランジスタ2eを導通状態とすることで、N-1個の電池セル5を同時に、並列に放電する。
【0349】
また、
図35Bには図示していないが、充放電制御IC60dは、N-1個の電池セル5のうち1個、または、N-1個すべてでない複数個の電池セル5だけを選択的に同時に、並列に放電してもよい。
【0350】
充放電制御IC60dは、放電時において、放電に係る異常を検知した場合に、例えば、N-1個の電池セル5の負極のそれぞれと第2の端子62dとの間に挟まれているN-1個の半導体スイッチ装置9のうち、検知した異常に関係する電池セル5の負極が接続された半導体スイッチ装置9の、電池セル5の負極に接続されている側の縦型MOSトランジスを導通状態から非導通状態へと変更することで、該当する電池セル5の放電を停止する。
【0351】
これにより、該当する電池セル5は、放電に係る異常による悪影響から保護される。
【0352】
図35Cは、電池保護システム100dがN-1個の電池セル5を並列充電する様子を示す模式図である。
図35Cにおいて、破線の矢印のそれぞれは、N-1個の電池セル5のそれぞれの充電経路を示す。
【0353】
充放電制御IC60dは、並列充電時に、N-1個の電池セル5の負極のそれぞれと第2の端子62dとの間に挟まれているN-1個の半導体スイッチ装置9の、第2の端子62dに接続されている側の縦型MOSトランジスを導通状態とし、第1の半導体装置1eの、端子接続縦型MOSトランジスタ2eを除くN-1個の縦型MOSトランジスタを導通状態とすることで、N-1個の電池セル5を同時に、並列に充電する。
【0354】
また、
図35Cには図示していないが、充放電制御IC60dは、N-1個の電池セル5のうち1個、または、N-1個すべてでない複数個の電池セル5だけを選択的に同時に、並列に充電してもよい。
【0355】
充放電制御IC60dは、並列充電時において、充電に係る異常を検知した場合に、例えば、N-1個の電池セル5の負極のそれぞれと第2の端子62dとの間に挟まれているN-1個の半導体スイッチ装置9のうち、検知した異常に関係する電池セル5の負極が接続された半導体スイッチ装置9の、第2の端子62dに接続されている側の縦型MOSトランジスを導通状態から非導通状態へと変更することで、該当する電池セル5の充電を停止する。
【0356】
これにより、該当する電池セル5は、充電に係る異常による悪影響から保護される。
【0357】
[4-3.電池保護回路の具体例]
以下、電池保護回路50dの具体例について、従来例と比較しながら図面を用いて説明する。
【0358】
図36、
図39、
図40は、半導体装置1を利用する、実施の形態4に係る電池保護回路の具体例を示す回路図である。
【0359】
図36は、2個の電池セル5の直列充電と並列放電とを実現することができる、実施の形態4に係る電池保護回路の一例である第4の開示例を示す回路図である。
図30Bに示す第1の従来例は、同様の機能を有する、半導体装置1を利用しない電池保護回路の例である。
【0360】
図36と
図30Bとを比較することでわかるように、第4の開示例の方が、第1の従来例よりも、少ない部品点数で、同様の機能を実現することができる。
【0361】
図37Aと
図37Bとは、第4の開示例における第1の半導体装置1の平面図の一例である。
【0362】
図37Aと
図37Bとに示すように、第1の半導体装置1における、端子接続縦型MOSトランジスタの面積S1と、他の2個の縦型MOSトランジスタの面積S2とS3との関係は、S1:S2:S3=4:1:1であることが好ましい。
【0363】
図38Aと
図38Bとは、第4の開示例における第2の半導体装置1の平面図の一例である。
【0364】
図38Aと
図38Bとに示すように、第2の半導体装置1における、端子接続縦型MOSトランジスタの面積S1は、他の2個の縦型MOSトランジスタの面積S2とS3とよりも小さいこと、および、他の2個の縦型MOSトランジスタの面積S2とS3とが等しいことが好ましい。
【0365】
図39は、3個の電池セル5の直列充電と並列放電とを実現することができる、実施の形態4に係る電池保護回路の一例である第5の開示例を示す回路図である。
図31Bに示す第2の従来例は、同様の機能を有する、半導体装置1を利用しない電池保護回路の例である。
【0366】
図39と
図31Bとを比較することでわかるように、第5の開示例の方が、第2の従来例よりも、少ない部品点数で、同様の機能を実現することができる。
【0367】
図40は、4個の電池セル5の直列充電と並列放電とを実現することができる、実施の形態4に係る電池保護回路の一例である第6の開示例を示す回路図である。
図32Bに示す第3の従来例は、同様の機能を有する、半導体装置1を利用しない電池保護回路の例である。
【0368】
図40と
図32Bとを比較することでわかるように、第6の開示例の方が、第3の従来例よりも、少ない部品点数で、同様の機能を実現することができる。
【0369】
以下、第5の開示例における代表的な動作について、図面を用いて説明する。
【0370】
図41Aは、第5の開示例に係る電池保護回路50daが3個の電池セル5を直列充電する様子を示す模式図である。
【0371】
図41Aに示すように、電池保護回路50daは、第3の端子63dに15Vが印加され、第2の端子62dが接地されることで、電池セル5dcと電池セル5dbと電池セル5daとを直列充電しながら、第1の端子61dから、電池セル5daの正極側の電圧を外部に供給することができる。
【0372】
図41Bは、電池保護回路50daが、3個の電池セル5の直列充電を停止して、第1の端子61dから、電池セル5daの正極側の電圧の外部への供給を開始する様子を示す模式図である。
【0373】
図41Cは、電池保護回路50daが、電池セル5daを充電する様子を示す模式図である。
【0374】
図41Cに示すように、電池保護回路50daは、第3の端子63dに5Vが印加され、第2の端子62dが接地されることで、電池セル5daを充電しながら、第1の端子61dから、電池セル5daの正極側の電圧を外部に供給することができる。
【0375】
図41Dは、電池保護回路50daが3個の電池セル5を並列放電する様子を示す模式図である。
【0376】
(実施の形態5)
以下、実施の形態5に係る電池保護システムについて説明する。
【0377】
図42は、実施の形態5に係る電池保護システム100eの構成の一例を示す回路図である。
【0378】
図42に示すように、電池保護システム100eは、電池保護回路50eと、電池セル5と、パワーマネージメント回路80とを備える。パワーマネージメント回路80は、これにさらに接続される不図示の本体機器の機能回路に電力を給電する機能を有するICを備える。なお、本体機器の機能回路とは例えば、Bluetooth(登録商標)回路、Wi-Fi(登録商標)回路、LiDAR回路等の機能回路である。
【0379】
また、電池保護回路50eは、第1の半導体装置1eaと、第2の半導体装置1ebと、保護IC70eaと、保護IC70ebと、第1の端子71と、第2の端子72と、第3の端子73と、第4の端子74と、第5の端子75と、第6の端子76とを備える。
【0380】
保護IC70eaは、電池セル5の電圧に基づいて、第1の半導体装置1eaを制御して、電池セル5の充放電を制御する。
【0381】
保護IC70ebは、電池セル5の電圧に基づいて、第2の半導体装置1ebを制御して、電池セル5の充放電を制御する。
【0382】
第1の半導体装置1eaは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1のうちの、特定縦型MOSトランジスタを備えるタイプの第2の特定半導体装置1である。第1の半導体装置1eaは、3個の縦型MOSトランジスタを備え、そのうちの1個が、特定縦型MOSトランジスタである。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、保護IC70eaにより制御される。特定縦型MOSトランジスタのみ、特定縦型MOSトランジスタの出力電圧を受け付ける、パワーマネージメント回路80内のICによって、導通状態と非導通状態とを制御されてもよい。
【0383】
第2の半導体装置1ebは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1のうちの、特定縦型MOSトランジスタを備えるタイプの第2の特定半導体装置1である。第1の半導体装置1ebは、3個の縦型MOSトランジスタを備え、そのうちの1個が、特定縦型MOSトランジスタである。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、保護IC70ebにより制御される。特定縦型MOSトランジスタのみ、特定縦型MOSトランジスタの出力電圧を受け付ける、パワーマネージメント回路80内のICによって、導通状態と非導通状態とを制御されてもよい。
【0384】
第1の端子71は、第1の半導体装置1eaの特定縦型MOSトランジスタのソースパッドと接続される。なお、第1の半導体装置1eaの特定縦型MOSトランジスタのソースパッドと第1の端子71との間には、電流を制限する抵抗器が備わってもよい。
【0385】
第2の端子72は、第1の半導体装置1eaが備える3個の縦型MOSトランジスタのうち、特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの一方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続される。なお、第1の半導体装置1eaの特定縦型MOSトランジスタのソースパッドと第2の端子72との間には、電流を制限する抵抗器が備わってもよい。
【0386】
第3の端子73は、第1の半導体装置1eaが備える3個の縦型MOSトランジスタのうち、特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの他方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続される。
【0387】
第4の端子74は、第2の半導体装置1ebの特定縦型MOSトランジスタのソースパッドと接続される。
【0388】
第5の端子75は、第2の半導体装置1ebが備える3個の縦型MOSトランジスタのうち、特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの一方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続される。
【0389】
第6の端子76は、第2の半導体装置1ebが備える3個の縦型MOSトランジスタのうち、特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの他方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続される。
【0390】
電池セル5は、正極が第3の端子73に接続され、負極が第6の端子76に接続される。
【0391】
パワーマネージメント回路80は、第1の端子71と第2の端子72と第4の端子74と第5の端子75とに接続され、第2の端子72と第5の端子75とを通して、電池保護回路50eを介して、充電時には電池セル5に充電電流を流し、放電時には電池セル5から放電電流を受け取る。また、パワーマネージメント回路80は、第1の端子71と第4の端子74とを通して、電池セル5の電圧をモニターできる程度の電流を受け取る。
【0392】
なお、実施の形態5において、電池保護システム100eは、電池保護回路50eが、保護IC70eaと保護IC70ebとを備えるとして説明したが、電池保護システム100eは、必ずしも、電池保護回路50eが、保護IC70eaと保護IC70ebとを備える構成に限定される必要はない。
【0393】
電池保護システム100eは、例えば、電池保護回路50eの外部において、保護IC70eaと保護IC70ebとを備える構成であってもよい。
【0394】
(実施の形態6)
以下、実施の形態6に係る電池保護システムについて説明する。
【0395】
図43は、実施の形態6に係る電池保護システム100fの構成の一例を示す回路図である。
【0396】
図43に示すように、電池保護システム100fは、電池保護回路50fと、電池セル5と、パワーマネージメント回路80fとを備える。パワーマネージメント回路80fは、これにさらに接続される不図示の本体機器の機能回路に電力を給電する機能を有するICを備える。
【0397】
なお、本体機器の機能回路とは例えば、Bluetooth(登録商標)回路、Wi-Fi(登録商標)回路、LiDAR回路等の機能回路である。
【0398】
また、電池保護回路50fは、第1の半導体装置1faと、半導体スイッチ装置9と、保護IC70faと、保護IC70fbと、第1の端子71fと、第2の端子72fと、第3の端子73fと、第4の端子74fとを備える。
【0399】
保護IC70faは、電池セル5の電圧に基づいて、第1の半導体装置1faを制御して、電池セル5の充放電を制御する。
【0400】
保護IC70fbは、電池セル5の電圧に基づいて、半導体スイッチ装置9を制御して、電池セル5の充放電を制御する。
【0401】
第1の半導体装置1faは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1のうちの、特定縦型MOSトランジスタを備えるタイプの第2の特定半導体装置1である。第1の半導体装置1faは、3個の縦型MOSトランジスタを備え、そのうちの1個が、特定縦型MOSトランジスタである。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、保護IC70faにより制御される。特定縦型MOSトランジスタを経由する電流経路は、電池セル5に通常の充電電流よりも小さな電流で充電を行う際に使用される。また、特定縦型MOSトランジスタを経由する電流経路は、電池セル5から通常の放電電流よりも小さな電流で放電を行う際に使用される。小さな電流とは、特定縦型MOSトランジスタの導通抵抗や、特定縦型MOSトランジスタのソースパッド側に備える抵抗器によって調整されるものであってもよいし、特定縦型MOSトランジスタのゲートパッドに印加する電圧をパルス的に制御して調整されるものであってもよい。
【0402】
半導体スイッチ装置9は、各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とが、保護IC70fbにより制御される。
【0403】
第1の端子71fは、第1の半導体装置1faが備える3個の縦型MOSトランジスタのうち、特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの一方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。なお、第1の端子71fと第1の半導体装置1faとの間には、センス抵抗器や、その他の電池保護回路があってもよい。
【0404】
第2の端子72fは、第1の半導体装置1faが備える3個の縦型MOSトランジスタのうち、特定縦型MOSトランジスタを除く2個の縦型MOSトランジスタの他方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0405】
第3の端子73fは、半導体スイッチ装置9が備える2個の縦型MOSトランジスタの一方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続される。
【0406】
第4の端子74fは、半導体スイッチ装置9が備える2個の縦型MOSトランジスタの他方の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続される。
【0407】
電池セル5は、正極が第1の端子71fに接続され、負極が第3の端子73fに接続される。
【0408】
パワーマネージメント回路80fは、第2の端子72fと第4の端子74fとに接続され、第2の端子72fと第4の端子74fとを通して、電池保護回路50fを介して、充電時には電池セル5に充電電流を流し、放電時には電池セル5から放電電流を受け取る。
【0409】
なお、実施の形態6において、電池保護システム100fは、電池保護回路50fが、保護IC70faと保護IC70fbとを備えるとして説明したが、電池保護システム100fは、必ずしも、電池保護回路50fが、保護IC70faと保護IC70fbとを備える構成に限定される必要はない。
【0410】
電池保護システム100fは、例えば、電池保護回路50fの外部において、保護IC70faと保護IC70fbとを備える構成であってもよい。
【0411】
(実施の形態7)
以下、実施の形態7に係る電池保護システムについて説明する。
【0412】
図44は、実施の形態7に係る電池保護システム100gの構成の一例を示す回路図である。
【0413】
図44に示すように、電池保護システム100gは、電池保護回路50gと、X(Xは1以上の整数)個の電池セル5と、Y(Yは2以上の整数)個のパワーマネージメント回路80gとを備える。パワーマネージメント回路80gは、これにさらに接続される不図示の本体機器の機能回路に電力を給電する機能を有するICを備える。
【0414】
なお、本体機器の機能回路とは例えば、Bluetooth(登録商標)回路、Wi-Fi(登録商標)回路、LiDAR回路等の機能回路である。
【0415】
また、電池保護回路50gは、第1の半導体装置1gaと、第2の半導体装置1gbと、保護IC70gaと、保護IC70gbと、X個の第1の端子71gと、Y個の第2の端子72gと、第3の端子73gと、Y個の第4の端子74gとを備える。
【0416】
保護IC70gaは、X個の電池セル5の各電圧に基づいて、第1の半導体装置1gaを制御して、X個の電池セル5の充放電を制御する。
【0417】
保護IC70gbは、X個の電池セル5の各電圧に基づいて、第2の半導体装置1gbを制御して、X個の電池セル5の充放電を制御する。
【0418】
第1の半導体装置1gaは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、X+Y個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、保護IC70gaにより制御される。
【0419】
第2の半導体装置1gbは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、1+Y個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、保護IC70gbにより制御される。
【0420】
X個の第1の端子71gは、それぞれ、第1の半導体装置1gaが備えるX+Y個の縦型MOSトランジスタのうちのX個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0421】
Y個の第2の端子72gは、それぞれ、第1の半導体装置1gaが備えるX+Y個の縦型MOSトランジスタのうちの上記X個の縦型MOSトランジスタを除くY個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0422】
第3の端子73gは、第2の半導体装置1gbが備える1+Y個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドと接続される。
【0423】
Y個の第4の端子74gは、それぞれ、第2の半導体装置1gbが備える1+Y個の縦型MOSトランジスタのうちの上記1個の縦型MOSトランジスタを除くY個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0424】
X個の電池セル5は、それぞれの正極がX個の第1の端子71gのそれぞれに接続され、それぞれの負極が第3の端子73gに接続される。
【0425】
Y個のパワーマネージメント回路80gは、それぞれ、Y個の第2の端子72gのそれぞれ、および、Y個の第4の端子74gのそれぞれに接続され、Y個の第2の端子72gのうちの1個とY個の第4の端子74gのうちの1個とを通して、電池保護回路50gを介して、充電時にはX個の電池セル5のうちの少なくとも1個の電池セル5に充電電流を流し、放電時にはX個の電池セル5のうちの少なくとも1個の電池セル5から放電電流を受け取る。
【0426】
上記構成の電池保護システム100gは、Y個のパワーマネージメント回路80gを利用した、X個の電池セル5の充放電を実現することができる。
【0427】
例えば、1つのパワーマネージメント回路80gが供給する充電電流が6Aの場合、半導体装置1gbに備わる1+Y個の縦型MOSトランジスタのうち、第3の端子73gと接続する縦型MOSトランジスタには、(6A×Y)Aの電流が流れるため、半導体装置1gbに備わる1+Y個の縦型MOSトランジスタのうち、第4の端子74gと接続する縦型MOSトランジスタ1個に比べ、第3の端子73gと接続する縦型MOSトランジスタは、半導体装置の平面視において、(6A×Y)の2乗倍の面積を有することで、局所的な発熱を避け、最適な大きさで半導体装置1gbを実現することができる。
【0428】
また、上記構成の電池保護システム100gは、保護IC70gaまたは保護IC70gbが、X個の電池セル5のいずれかの充電に係る異常または放電に係る異常を検知した場合に、第1の半導体装置1gaまたは第2の半導体装置1gbを制御することで、該当する電池セル5の充電または放電を停止する。
【0429】
これにより、該当する電池セル5は、充電に係る異常または放電に係る異常による悪影響から保護される。
【0430】
なお、実施の形態7において、電池保護システム100gは、電池保護回路50gが、保護IC70gaと保護IC70gbとを備えるとして説明したが、電池保護システム100gは、必ずしも、電池保護回路50gが、保護IC70gaと保護IC70gbとを備える構成に限定される必要はない。
【0431】
電池保護システム100gは、例えば、電池保護回路50gの外部において、保護IC70gaと保護IC70gbとを備える構成であってもよい。
【0432】
(実施の形態8)
以下、実施の形態8に係るパワーマネージメントシステムについて説明する。
【0433】
図45は、実施の形態8に係るパワーマネージメントシステム200の構成の一例を示す回路図である。
【0434】
図45に示すように、パワーマネージメントシステム200は、パワーマネージメント回路51と、X(Xは1以上の整数)個の外部回路8(
図45中の外部回路8a~外部回路8dが対応)とを備える。
【0435】
また、パワーマネージメント回路51は、第1の半導体装置1hと、Y(Yは2以上の整数)個の回路6(
図45中の回路6a~回路6d)が対応)と、制御部7と、X個の端子71hとを備える。
【0436】
制御部7は、第1の半導体装置1hを制御して、X個の外部回路8と、Y個の回路6との接続状態を制御する。
【0437】
第1の半導体装置1hは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、X+Y個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、制御部7により制御される。
【0438】
X個の端子71hは、それぞれ、第1の半導体装置1hが備えるX+Y個の縦型MOSトランジスタのうちのX個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0439】
Y個の回路6は、それぞれ、第1の半導体装置1hが備えるX+Y個の縦型MOSトランジスタのうちの上記X個の縦型MOSトランジスタを除くY個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。実施の形態8において、第1の半導体装置1hが備えるX+Y個の縦型MOSトランジスタのうちの上記Y個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれは、Y個の回路6のそれぞれの電源端子に接続する。
【0440】
Y個の回路6は、例えば、Bluetooth(登録商標)回路、Wi-Fi(登録商標)回路、LiDAR回路等の本体機器の機能回路と、供給電力を電池セルに充電可能な電圧へ変換する電圧変換回路、あるいは、本体機器の保護機能回路付き電池セル等とが接続されている。各回路6は電源分離されており、半導体装置1を介して相互に接続される。
【0441】
X個の外部回路8は、それぞれ、X個の端子71hのそれぞれと接続される。実施の形態8において、X個の外部回路8は、電源供給元回路または電源受給先回路であって、X個の端子71hのそれぞれは、電源供給元回路または電源受給先回路であるX個の外部回路8の電源端子に接続する。
【0442】
X個の外部回路8は、電源供給元回路として、例えば、ACアダプター、USB5V回路、ワイヤレス充電器等であり、電源受給先回路として、例えば、外部デバイス等である。
【0443】
上記構成のパワーマネージメントシステム200は、X個の外部回路8のうちの電源供給元回路から、Y個の回路6のいずれかへの電源供給、および、Y個の回路6のいずれかからX個の外部回路8のうちの電源受給先回路への電源供給を実現することができる。外部回路8から電池セルに充電可能な電圧で充電電流が供給される場合は、半導体装置1hを介して電池保護機能付き電池セルを備えた回路6に、直接に充電電流が供給されることで、電圧変換回路を通す際に生じる電力損失を回避した高効率充電を実現できる。外部回路8から電池セルに充電できない電圧で充電電流が供給されようとする場合は、直接に電池保護機能付き電池セルを備えた回路6に充電せず、半導体装置1hを介して、当該電圧は、電圧を変換する機能を備えた回路6に供給されて電池セルに供給できる電圧へ変換される。しかる後、電池セルに供給できる電圧で、電池保護機能付き電池セルを備えた回路6へ充電電流が供給される。
【0444】
なお、実施の形態8において、パワーマネージメントシステム200は、パワーマネージメント回路51が、制御部7を備えるとして説明したが、パワーマネージメントシステム200は、必ずしも、パワーマネージメント回路51が、制御部7を備える構成に限定される必要はない。
【0445】
パワーマネージメントシステム200は、例えば、パワーマネージメント回路51の外部において、制御部7を備える構成であってもよい。
【0446】
(実施の形態9)
以下、実施の形態9に係るパワーマネージメントシステムについて説明する。
【0447】
図46は、実施の形態9に係るパワーマネージメントシステム200aの構成の一例を示す回路図である。
【0448】
図46に示すように、パワーマネージメントシステム200aは、パワーマネージメント回路51aと、電源回路8eとを備える。
【0449】
また、パワーマネージメント回路51aは、第1の半導体装置1iと、Y(Yは2以上の整数)個の回路6a(
図46中の回路6aa~回路6ad)が対応)と、制御部7aと、DC/DC回路90と、端子71iとを備える。
【0450】
DC/DC回路90は、電源回路8eの出力電圧を、Y個の回路6aが利用する電圧に変換する。
【0451】
制御部7aは、第1の半導体装置1iを制御して、DC/DC回路90と、Y個の回路6との接続状態を制御する。
【0452】
第1の半導体装置1iは、実施の形態1においてその詳細を説明した半導体装置1であって、1+Y個の縦型MOSトランジスタを備える。各縦型MOSトランジスタの導通状態と非導通状態とは、制御部7aにより制御される。
【0453】
端子71iは、DC/DC回路90の一方の端子(電圧入力端子)に接続される。
【0454】
DC/DC回路90の他方の端子(電圧出力端子)は、第1の半導体装置1iが備える1+Y個の縦型MOSトランジスタのうちの1個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。
【0455】
Y個の回路6aは、それぞれ、第1の半導体装置1iが備える1+Y個の縦型MOSトランジスタのうちの上記1個の縦型MOSトランジスタを除くY個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれと接続される。実施の形態9において、第1の半導体装置1iが備える1+Y個の縦型MOSトランジスタのうちの上記Y個の縦型MOSトランジスタの1以上のソースパッドのそれぞれは、Y個の回路6aのそれぞれの電源端子に接続するとして説明する。
【0456】
Y個の回路6aは、例えば、Bluetooth(登録商標)回路、Wi-Fi(登録商標)回路、LiDAR回路等の、他の回路とは電源分離されている回路である。
【0457】
電源回路8eは、端子71iに接続され、端子71iに電圧を出力する。
【0458】
上記構成のパワーマネージメントシステム200aは、DC/DC回路90により変換された電圧を、Y個の回路6aのうち、電圧を供給する必要がある回路6aに限定して供給することができる。
【0459】
これにより、Y個の回路6aによる電力の消費を抑制することができる。
【0460】
(補足)
以上、本開示の一態様に係る半導体装置、電池保護回路、および、パワーマネージメント回路について、実施の形態1~実施の形態9に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形をこれら実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0461】
本開示は、半導体装置、電池保護回路、および、パワーマネージメント回路等に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0462】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1ea、1eb、1fa、1ga、1gb、1h、1i 半導体装置
2a、2b、2c、2d、2e、2f 端子接続縦型MOSトランジスタ
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5ca、5cb、5cc、5da、5db、5dc 電池セル
6、6a、6b、6c、6d、6aa、6ab、6ac、6ad 回路
7、7a 制御部
8、8a、8b、8c、8d 外部回路
8e 電源回路
9 半導体スイッチ装置
10 トランジスタ(第1の縦型MOSトランジスタ)
11 第1のソース電極
12、13、22、23、82、83 部分
14 第1のソース領域
15 第1のゲート導体
16 第1のゲート絶縁膜
18 第1のボディ領域
19 第1のゲート電極
20 トランジスタ(第2の縦型MOSトランジスタ)
21 第2のソース電極
24 第2のソース領域
25 第2のゲート導体
26 第2のゲート絶縁膜
28 第2のボディ領域
29 第2のゲート電極
30 金属層
31 第3のソース電極
32 半導体基板
33 低濃度不純物層
34 酸化膜
35 保護層
37 トランジスタ(第3の縦型MOSトランジスタ)
38 高濃度不純物層
39 第3のゲート電極
40 半導体層
50、50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50ca、50da 電池保護回路
51、51a パワーマネージメント回路
60、60c、60d 充放電制御IC
60a 充電制御IC
60b 放電制御IC
61、61c、61d、71、71f、71g 第1の端子
62、62c、62d、72、72f、72g 第2の端子
63c、63d、73、73f、73g 第3の端子
70ea、70eb、70fa、70fb、70ga、70gb 保護IC
71h、71i 端子
74、74f、74g 第4の端子
75 第5の端子
76 第6の端子
80、80f、80g パワーマネージメント回路
81 ドレイン電極
90 DC/DC回路
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g 電池保護システム
111、111a、111b、111c、111d、111e 第1のソースパッド
119 第1のゲートパッド(ゲートパッド)
121、121a、121b、121c、121d、121e 第2のソースパッド
129 第2のゲートパッド(ゲートパッド)
131、131a、131b 第3のソースパッド
139 第3のゲートパッド(ゲートパッド)
141 ドレインパッド
200、200a パワーマネージメントシステム
300 共通端子
A1、A2、A3、B1、B2、B3、B4、B5 領域