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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084301
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】作業機械における油圧制御システム
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/028 20060101AFI20230612BHJP
   F15B 11/05 20060101ALI20230612BHJP
   F15B 11/00 20060101ALI20230612BHJP
   F15B 11/02 20060101ALI20230612BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
F15B11/028 B
F15B11/05 A
F15B11/00 H
F15B11/02 M
E02F9/22 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198395
(22)【出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】505236469
【氏名又は名称】キャタピラー エス エー アール エル
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】中嶌 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】喜安 浩一
【テーマコード(参考)】
2D003
3H089
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB04
2D003DA02
3H089AA02
3H089AA22
3H089AA32
3H089AA60
3H089AA72
3H089AA74
3H089BB15
3H089CC01
3H089CC08
3H089CC11
3H089DA03
3H089DB03
3H089DB33
3H089DB44
3H089DB46
3H089DB48
3H089DB49
3H089DB54
3H089DB63
3H089FF07
3H089FF08
3H089GG02
3H089JJ02
(57)【要約】
【課題】作業機械の油圧回路にオプション油圧アクチュエータ用の制御回路を設けるにあたり、制御方法に工夫を施し良好な操作性を得る。
【解決手段】第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出油が合流するオプション用合流油路22を設け、該オプション用合流油路22にオプション用コントロールバルブ60とコンペンセータ弁61とを設けるとともに、コンペンセータ弁61に接続される信号圧導入油路62に可変リリーフ弁65を接続し、該可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧を変更することでオプション油圧アクチュエータ13への供給圧力を可変制御できる構成にする一方、他油圧アクチュエータに対する分配流量演算、オプション用コントロールバルブ60、他油圧アクチュエータ用コントロールバルブ23~26の開口面積制御、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧制御を最適化した。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一、第二油圧ポンプと、作業機械に選択的に装着され、第一、第二油圧ポンプの何れか一方の油圧ポンプあるいは両方の油圧ポンプを油圧供給源とするオプション油圧アクチュエータと、第一、第二油圧ポンプの何れか一方の油圧ポンプあるいは両方の油圧ポンプを油圧供給源とするオプション油圧アクチュエータ以外の他油圧アクチュエータとを備えてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、
該油圧制御システムに、第一、第二油圧ポンプにそれぞれ接続され、オプション油圧アクチュエータ、他油圧アクチュエータへの圧油供給路となる第一、第二オプション用供給油路、第一、第二他油圧アクチュエータ用供給油路と、前記第一、第二オプション用供給油路が合流するオプション用合流油路と、オプション油圧アクチュエータ、他油圧アクチュエータに対する油給排制御をそれぞれ行うオプション用、他油圧アクチュエータ用コントロールバルブと、これらオプション用、他油圧アクチュエータ用コントロールバルブを制御する制御装置とを設ける一方、
前記オプション用合流油路に、前記オプション用コントロールバルブと、該オプション用コントロールバルブの上流側に配され、オプション用コントロールバルブの入口側圧力と出口側圧力とを導入して該導入された入口側圧力と出口側圧力との差圧を所定圧に保持するべく作動する圧力補償弁とを設けるとともに、該圧力補償弁にオプション用コントロールバルブの出口側圧力を導入する信号圧導入油路に、制御装置からの制御信号でリリーフ設定圧を可変できる可変リリーフ弁を接続し、該可変リリーフ弁により信号圧導入油路の圧力をリリーフ設定圧まで低下させて圧力補償弁に導入することで、オプション用コントロールバルブの入口側のオプション用合流油路の圧力を、前記可変リリーフ弁のリリーフ設定圧を変更することで可変制御できる構成にしたことを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
【請求項2】
請求項1において、油圧制御システムに、制御装置から出力される制御信号に基づいて第一、第二油圧ポンプから油タンクに流れるブリード流量をそれぞれ制御する第一、第二ブリード弁を設け、該第一、第二ブリード弁によるブリード流量制御によって第一、第二油圧ポンプの吐出圧を制御する構成にするとともに、制御装置は、オプション油圧アクチュエータが第一、第二の油圧ポンプのうち何れか一方の油圧ポンプのみを油圧供給源とする場合には、該油圧供給源となる一方の油圧ポンプの吐出圧を油圧供給源でない他方の油圧ポンプの吐出圧よりも高くし、オプション油圧アクチュエータが第一、第二の両方の油圧ポンプを油圧供給源とする場合には、第一、第二油圧ポンプの吐出圧が等しくなるようにブリード流量制御を行うことを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
【請求項3】
請求項1または2において、制御装置は、オプション用、他油圧アクチュエータ用の操作具操作量に応じてオプション油圧アクチュエータ、他油圧アクチュエータがそれぞれ第一、第二油圧ポンプに要求するオプション用、他油圧アクチュエータ用の第一、第二要求流量、および圧力補償弁の差圧調整のためのマージン流量をオプション用第一、第二要求流量に加算したオプション用第一、第二マージン加算要求流量を求め、これら要求流量に基づいて第一、第二油圧ポンプの吐出流量を制御するとともに、該吐出流量制御を行うにあたり、他油圧アクチュエータが操作された場合については要求流量として他油圧アクチュエータ用第一、第二要求流量を用いる一方、オプション油圧アクチュエータが操作された場合については要求流量としてオプション用第一、第二マージン加算要求流量を用いることを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項において、制御装置は、オプション用、他油圧アクチュエータ用の操作具操作量に応じてオプション油圧アクチュエータ、他油圧アクチュエータがそれぞれ第一、第二油圧ポンプに要求するオプション用、他油圧アクチュエータ用の第一、第二要求流量、および圧力補償弁の差圧調整のためのマージン流量をオプション用第一、第二要求流量に加算したオプション用第一、第二マージン加算要求流量を求め、これら要求流量に基づいてオプション用、他油圧アクチュエータ用のコントロールバルブの開口面積をそれぞれ制御するとともに、該開口面積制御を行うにあたり、オプション用コントロールバルブについては、オプション用第一、第二要求流量を合計した合計流量がオプション油圧アクチュエータに供給されるように開口面積を制御する一方、他油圧アクチュエータ用コントロールバルブについては、第一、第二油圧ポンプの吐出流量をオプション用第一、第二マージン加算要求流量、他油圧アクチュエータ用第一、第二要求流量に応じて分配した他油圧アクチュエータ用第一、第二分配流量を求め、該油圧アクチュエータ用第一、第二分配流量を合計した合計流量が他油圧アクチュエータに供給されるように開口面積を制御することを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械における油圧制御システムの技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の作業機械のなかには、複数のオプション油圧アクチュエータを選択的に取り付け可能に構成されたものがある。例えば油圧ショベルでは、作業アタッチメントとして汎用的に用いられるバケットに代えて、油圧で駆動するブレーカや破砕機等のオプションツールを着脱自在に装着できるようになっている。
このようなオプションツールを駆動させるオプション油圧アクチュエータ用の油圧回路を作業機械の油圧回路に設ける場合、省スペース化、部品点数削減のために複数のオプション油圧アクチュエータに共用できる回路にすることが要求される一方、個々のオプション油圧アクチュエータ用の制御に対応できる回路にすることも要求される。例えば、オプション油圧アクチュエータへの供給圧力が個々のオプション油圧アクチュエータの使用圧力に対応した圧力となるように制御できる回路、あるいは、オプション油圧アクチュエータが一定流量を必要とするものの場合には、オプション油圧アクチュエータが単独操作であっても他の油圧アクチュエータとの連動操作であっても一定流量を供給できる回路、あるいは、小型のブレーカや破砕機のように小流量で足りるオプション油圧アクチュエータについては単数の油圧ポンプから圧油供給され、大型のブレーカや破砕機のように大流量を必要とするオプション油圧アクチュエータについては複数の油圧ポンプから圧油供給される回路にすること等が要求される。
そこで、従来、オプション油圧アクチュエータへの供給圧力を個々のオプション油圧アクチュエータの使用圧力に対応した圧力となるように制御するにあたり、オプション油圧アクチュエータに対する油給排制御を行うオプション用コントロールバルブからオプション油圧アクチュエータに至る一対のアクチュエータ油路にそれぞれリリーフ弁を配し、該リリーフ弁の設定圧によってオプション油圧アクチュエータへの供給圧力を制御するとともに、リリーフ弁として設定圧を変更できる可変リリーフ弁を用いることで、オプション油圧アクチュエータへの供給圧力を個々のオプション油圧アクチュエータに応じて任意に変更できるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、オプション油圧アクチュエータを備えた作業機械の油圧回路として、第一、第二の二つの油圧ポンプを設けるとともに、第一、第二油圧ポンプからの供給流量をそれぞれ制御する第一、第二流量制御弁と、これら第一、第二流量制御弁からの供給圧油を合流してオプション油圧アクチュエータに供給するオプション用方向切換弁とを設けた技術も提唱されている(例えば、特許文献2参照。)。このものでは、第一、第二の両方の油圧ポンプを油圧供給源とするオプション油圧アクチュエータであっても、該オプション油圧アクチュエータ用の方向切換弁を一つだけにすることができるとともに、第一、第二流量制御弁の何れか一方を閉じることで、オプション油圧アクチュエータの油圧供給源を第一、第二の何れか一方の油圧ポンプにすることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-168738号公報
【特許文献2】特開2017-20604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1のものは、オプション油圧アクチュエータへの供給圧力を個々のオプション油圧アクチュエータの使用圧力に対応した圧力となるように制御するにあたり、一対のアクチュエータ油路にそれぞれ配される一対の可変リリーフ弁が必要であって、部品点数削減やコスト削減の妨げとなる。
また、特許文献2のものは、第一、第二の両方の油圧ポンプから圧油供給されるオプション油圧アクチュエータであっても、該オプション油圧アクチュエータ用の方向切換弁を一つだけにすることができるが、第一、第二の何れか一方の油圧ポンプから油圧供給されるオプション油圧アクチュエータに対応するには、第一、第二油圧ポンプからの供給流量をそれぞれ制御する第一、第二の二つの流量制御弁が必要であって、やはり部品点数削減やコスト削減の妨げとなる。また、特許文献2のものでは、オプション油圧アクチュエータと他の油圧アクチュエータとの連動時に、これら油圧アクチュエータの油圧供給源となる油圧ポンプの吐出流量を各油圧アクチュエータ用操作具の操作量に応じて分配する構成になっているが、このように分配すると、オプション油圧アクチュエータが一定流量を必要とする場合に供給流量が不足してしまうことがあり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、第一、第二油圧ポンプと、作業機械に選択的に装着され、第一、第二油圧ポンプの何れか一方の油圧ポンプあるいは両方の油圧ポンプを油圧供給源とするオプション油圧アクチュエータと、第一、第二油圧ポンプの何れか一方の油圧ポンプあるいは両方の油圧ポンプを油圧供給源とするオプション油圧アクチュエータ以外の他油圧アクチュエータとを備えてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、該油圧制御システムに、第一、第二油圧ポンプにそれぞれ接続され、オプション油圧アクチュエータ、他油圧アクチュエータへの圧油供給路となる第一、第二オプション用供給油路、第一、第二他油圧アクチュエータ用供給油路と、前記第一、第二オプション用供給油路が合流するオプション用合流油路と、オプション油圧アクチュエータ、他油圧アクチュエータに対する油給排制御をそれぞれ行うオプション用、他油圧アクチュエータ用コントロールバルブと、これらオプション用、他油圧アクチュエータ用コントロールバルブを制御する制御装置とを設ける一方、前記オプション用合流油路に、前記オプション用コントロールバルブと、該オプション用コントロールバルブの上流側に配され、オプション用コントロールバルブの入口側圧力と出口側圧力とを導入して該導入された入口側圧力と出口側圧力との差圧を所定圧に保持するべく作動する圧力補償弁とを設けるとともに、該圧力補償弁にオプション用コントロールバルブの出口側圧力を導入する信号圧導入油路に、制御装置からの制御信号でリリーフ設定圧を可変できる可変リリーフ弁を接続し、該可変リリーフ弁により信号圧導入油路の圧力をリリーフ設定圧まで低下させて圧力補償弁に導入することで、オプション用コントロールバルブの入口側のオプション用合流油路の圧力を、前記可変リリーフ弁のリリーフ設定圧を変更することで可変制御できる構成にしたことを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項2の発明は、請求項1において、油圧制御システムに、制御装置から出力される制御信号に基づいて第一、第二油圧ポンプから油タンクに流れるブリード流量をそれぞれ制御する第一、第二ブリード弁を設け、該第一、第二ブリード弁によるブリード流量制御によって第一、第二油圧ポンプの吐出圧を制御する構成にするとともに、制御装置は、オプション油圧アクチュエータが第一、第二の油圧ポンプのうち何れか一方の油圧ポンプのみを油圧供給源とする場合には、該油圧供給源となる一方の油圧ポンプの吐出圧を油圧供給源でない他方の油圧ポンプの吐出圧よりも高くし、オプション油圧アクチュエータが第一、第二の両方の油圧ポンプを油圧供給源とする場合には、第一、第二油圧ポンプの吐出圧が等しくなるようにブリード流量制御を行うことを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項3の発明は、請求項1または2において、制御装置は、オプション用、他油圧アクチュエータ用の操作具操作量に応じてオプション油圧アクチュエータ、他油圧アクチュエータがそれぞれ第一、第二油圧ポンプに要求するオプション用、他油圧アクチュエータ用の第一、第二要求流量、および圧力補償弁の差圧調整のためのマージン流量をオプション用第一、第二要求流量に加算したオプション用第一、第二マージン加算要求流量を求め、これら要求流量に基づいて第一、第二油圧ポンプの吐出流量を制御するとともに、該吐出流量制御を行うにあたり、他油圧アクチュエータが操作された場合については要求流量として他油圧アクチュエータ用第一、第二要求流量を用いる一方、オプション油圧アクチュエータが操作された場合については要求流量としてオプション用第一、第二マージン加算要求流量を用いることを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、制御装置は、オプション用、他油圧アクチュエータ用の操作具操作量に応じてオプション油圧アクチュエータ、他油圧アクチュエータがそれぞれ第一、第二油圧ポンプに要求するオプション用、他油圧アクチュエータ用の第一、第二要求流量、および圧力補償弁の差圧調整のためのマージン流量をオプション用第一、第二要求流量に加算したオプション用第一、第二マージン加算要求流量を求め、これら要求流量に基づいてオプション用、他油圧アクチュエータ用のコントロールバルブの開口面積をそれぞれ制御するとともに、該開口面積制御を行うにあたり、オプション用コントロールバルブについては、オプション用第一、第二要求流量を合計した合計流量がオプション油圧アクチュエータに供給されるように開口面積を制御する一方、他油圧アクチュエータ用コントロールバルブについては、第一、第二油圧ポンプの吐出流量をオプション用第一、第二マージン加算要求流量、他油圧アクチュエータ用第一、第二要求流量に応じて分配した他油圧アクチュエータ用第一、第二分配流量を求め、該油圧アクチュエータ用第一、第二分配流量を合計した合計流量が他油圧アクチュエータに供給されるように開口面積を制御することを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、オプション油圧アクチュエータへの供給圧油の上限圧力を、圧力補償弁に接続される信号圧導入油路に配設の可変リリーフ弁のリリーフ設定圧を変更することで、個々のオプション油圧アクチュエータに対応した圧力となるよう可変制御できることになって、部品点数の削減、コストダウンが図れる。
請求項2の発明とすることにより、第一、第二オプション用供給油路に該油路を開閉するバルブを別途設けなくても、オプション油圧アクチュエータが第一、第二油圧ポンプの何れか一方の油圧ポンプを油圧供給源にする場合にも両方の油圧ポンプを油圧供給源とする場合にも、油圧供給源とする油圧ポンプからの供給圧油のみをオプション用合流油路に供給できることになって、部品点数の削減、コストダウンが図れる。
請求項3の発明とすることにより、オプション用油圧アクチュエータが操作された場合には、圧力補償弁の差圧調整のためのマージン流量を加算した第一、第二マージン加算要求流量を、オプション油圧アクチュエータ用のポンプ流量として確保できることになる。
請求項4の発明とすることにより、オプション油圧アクチュエータへの供給流量を確実に確保できて、他油圧アクチュエータとの連動時にオプション油圧アクチュエータへの供給流量が不足してしまうような不具合を確実に回避できるとともに、他油圧アクチュエータとの良好な連動操作性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】油圧ショベルの側面図である。
図2】油圧ショベルの油圧回路図である。
図3】オプション油圧アクチュエータに係る部分の拡大油圧回路図である。
図4】切換弁の開口特性を示す図である。
図5】コントローラの構成を示すブロック図である。
図6】第一、第二操作量設定部の制御ブロック図である。
図7】(A)、(B)、(C)は操作具操作量と要求流量との関係を示す図である。
図8】要求流量設定部、ポンプ制御部の制御ブロック図である。
図9】バルブ開口面積制御部の制御ブロック図である。
図10】ブリード制御部の制御ブロック図である。
図11】ブリード制御部における第一、第二ポンプ目標圧力設定の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の油圧制御システムが設けられた作業機械の一例である油圧ショベル1を示す図であって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着される作業機4等の各部から構成されており、さらに該作業機4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に支持されるスティック6、該スティック6の先端部に揺動自在に取付けられるバケット7等から構成されていると共に、油圧ショベル1には、前記ブーム5、スティック6、バケット7をそれぞれ揺動せしめるためのブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10や、下部走行体2を走行せしめるための左右の走行モータ(図示せず)、上部旋回体3を旋回せしめるための旋回モータ(図2に図示)11等の各種油圧アクチュエータが備えられている。さらに、油圧ショベル1は、作業内容に応じて、ブレーカ、破砕機、グラップル、チルトバケット、回転切削アタッチメント(何れも図示せず)等、油圧で作動する各種オプションツール(オプションアタッチメント)を前記バケット7に代えて選択的に装着できるようになっている。尚、オプションツールが装着されている場合、バケットシリンダ10はオプションツールをスティック6に対して揺動させるための油圧シリンダとして作動する。
【0009】
次いで、油圧ショベル1に設けられる油圧制御システムについて、図2に示す油圧回路図に基づいて説明する。尚、図2では、走行モータに関する部分の油圧回路については省略してある。
図2において、A、Bは可変容量型の第一、第二油圧ポンプ、Aa、Baは第一、第二油圧ポンプA、Bの容量を可変する容量可変手段、12は油タンクである。また、8、9、10、11は前記ブームシリンダ、スティックシリンダ、バケットシリンダ、旋回モータであって、これらは油圧ショベル1に常設される油圧アクチュエータである。さらに、13はオプション油圧アクチュエータであって、該オプション油圧アクチュエータ13は、前記油圧ショベル1に選択的に装着されるオプションツールを駆動させるべくオプションツールに具備される油圧アクチュエータであり、例えばオプションツールとしてブレーカが装着されている場合にはブレーカ用油圧アクチュエータ(以下、単にブレーカと称する)であり、グラップルが装着されている場合にはグラップル用油圧アクチュエータである。尚、本実施の形態では、ブームシリンダ8およびスティックシリンダ9は第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプを油圧供給源とし、バケットシリンダ10は第一油圧ポンプAを油圧供給源とし、旋回モータ11は第二油圧ポンプBを油圧供給源とするように構成されている。また、オプション油圧アクチュエータ13は、後述するように、オプション油圧アクチュエータ13が必要とする流量や、オプション油圧アクチュエータ13が単独操作か他油圧アクチュエータとの連動操作(同時操作)か等に応じて、第一、第二油圧ポンプA、Bの何れか一方の油圧ポンプ、あるいは両方の油圧ポンプを油圧供給源にするように構成されている。また、本実施の形態において、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11は、本発明のオプション油圧アクチュエータ以外の他油圧アクチュエータに相当する。
【0010】
さらに、図2において、Cは第一油圧ポンプAの吐出側に接続される第一ポンプラインであって、該第一ポンプラインCには、第一ブーム用供給油路14、第一バケット用供給油路15、第一スティック用供給油路16、第一オプション用供給油路17が互いにパラレルとなる状態で接続されている。また、Dは第二油圧ポンプBの吐出側に接続される第二ポンプラインであって、該第二ポンプラインDには、第二ブーム用供給油路18、第二スティック用供給油路19、第二旋回用供給油路20、第二オプション用供給油路21が互いにパラレルとなる状態で接続されている。前記第一、第二ブーム用供給油路14、18は、後述するブーム用コントロールバルブ23に第一、第二油圧ポンプA、Bをそれぞれ接続する油路であり、第一バケット用供給油路15は、バケット用コントロールバルブ25に第一油圧ポンプAを接続する油路であり、第一、第二スティック用供給油路16、19は、スティック用コントロールバルブ24に第一、第二油圧ポンプA、Bをそれぞれ接続する油路であり、第二旋回用供給油路20は、旋回用コントロールバルブ26に第二油圧ポンプBを接続する油路である。また、第一、第二オプション用供給油路17、21は、後述するオプション用合流油路22に第一、第二油圧ポンプA、Bをそれぞれ接続する油路である。尚、前記第一ブーム用、第一バケット用、第一スティック用供給油路14、15、16は、本発明の第一他油圧アクチュエータ用供給油路に相当し、第二ブーム用、第二スティック用、第二旋回用供給油路18、19、20は本発明の第二他油圧アクチュエータ用供給油路に相当する。また、前記ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用コントロールバルブ23~26は、本発明の他油圧アクチュエータ用コントロールバルブに相当する。
【0011】
前記第二ブーム用供給油路18には、第二油圧ポンプBからブーム用コントロールバルブ23への供給流量を制御するブーム用流量制御弁31が配されており、また、第一、第二スティック用供給油路16、19には、第一、第二油圧ポンプA、Bからスティック用コントロールバルブ24への供給流量をそれぞれ制御する第一、第二スティック用流量制御弁32、33が配されている。これらブーム用流量制御弁31、第一、第二スティック用流量制御弁32、33は、コントローラ30から出力される制御信号に基づいて作動するブーム流量制御用電磁比例弁41、第一、第二スティック流量制御用電磁比例弁42、43(何れも図5図9に図示)によりパイロット操作されて流量制御を行うポペット弁であって、逆流防止機能を有しており、第一、第二油圧ポンプA、Bからブーム用コントロールバルブ23、スティック用コントロールバルブ24への油の流れは許容されるが、逆流は阻止されるようになっている。
【0012】
一方、前記第一ブーム用供給油路14、第一バケット用供給油路15、第二旋回用供給油路20、第一、第二オプション用供給油路17、21には、前述したブーム用流量制御弁31、第一、第二スティック用流量制御弁32、33のような流量制御弁は配設されておらず、これら第一ブーム用供給油路14、第一バケット用供給油路15、第二旋回用供給油路20、第一、第二オプション用供給油路17、21を経由する第一油圧ポンプAあるいは第二油圧ポンプBからの供給圧油は、流量制御されることなくそのままブーム用コントロールバルブ23、バケット用コントロールバルブ25、旋回用コントロールバルブ26、オプション用合流油路22に供給されるようになっている。また、これら第一ブーム用供給油路14、第一バケット用供給油路15、第二旋回用供給油路20、第一、第二オプション用供給油路17、21にはそれぞれチェック弁34が配設されていて、第一、第二油圧ポンプA、Bからブーム用コントロールバルブ23、バケット用コントロールバルブ25、旋回用コントロールバルブ26、オプション用合流油路22への油の流れは許容されるが、逆流は阻止されるようになっている。
【0013】
しかして、前記ブーム用コントロールバルブ23のポンプポート23pには、第一ブーム用供給油路14を経由する第一油圧ポンプAからの圧油と、第二ブーム用供給油路18を経由する第二油圧ポンプBからの圧油とを供給できるようになっていると共に、第二油圧ポンプBからの圧油は、第二ブーム用供給油路18に配設のブーム用流量制御弁31によって流量制御された状態(遮断状態を含む)でブーム用コントロールバルブ23に供給されるようになっている。また、スティック用コントロールバルブ24のポンプポート24pには、第一スティック用供給油路16を経由する第一油圧ポンプAからの圧油と、第二スティック用供給油路19を経由する第二油圧ポンプBからの圧油とを供給できるようになっていると共に、これら第一、第二油圧ポンプA、Bからの圧油は、第一、第二スティック用供給油路16、19にそれぞれ配設の第一、第二スティック用流量制御弁32、33によって流量制御された状態(遮断状態を含む)でスティック用コントロールバルブ24に供給されるようになっている。
【0014】
前記ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用のコントロールバルブ23~26は、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11に対する給排流量制御を行うと共に給排方向を切換えるクローズドセンタ型のスプール弁であって、コントローラ30からの制御信号に基づいてパイロット圧を出力するブーム用、スティック用、バケット用、旋回用の電磁比例弁44a、44b~47a、47b(図5図9に図示)にそれぞれ接続される一対のパイロットポート23a、23b~26a、26bと、第一あるいは/および第二油圧ポンプA、Bからの圧油をブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11に供給する供給用弁路23c~26cと、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11からの排出油を油タンク12に至るタンクラインTに流す排出用弁路23d~26dとを備えている。そして、両方のパイロットポート23a、23b~26a、26bにパイロット圧が入力されていない状態では、供給用弁路23c~26cおよび排出用弁路23d~26dを閉じていて対応する油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11)に対する給排制御を行わない中立位置Nに位置しているが、一方または他方のパイロットポート23a、23b~26a、26bにパイロット圧が入力されることにより、供給用弁路23c~26cおよび排出用弁路23d~26dを開いて油圧アクチュエータに対する給排制御を行う作動位置XまたはYに切換わるように構成されている。そして、作動位置XまたはYに位置しているときの供給用弁路23c~26c、排出用弁路23d~26dの開口面積は、ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用の電磁比例弁44a、44b~47a、47bからブーム用、スティック用、バケット用、旋回用のコントロールバルブ23~26のパイロットポート23a、23b~26a、26bに出力されるパイロット圧の増減に伴うスプールの移動ストロークに応じて増減制御されるようになっている。
【0015】
そして、バケットシリンダ10、旋回モータ11に対する供給流量および排出流量は、前記バケット用、旋回用コントロールバルブ25、26の供給用弁路25c、26c、排出用弁路25d、26dの開口面積によって制御される。
また、ブームシリンダ8への供給流量は、流量制御弁が設けられていない第一ブーム用供給油路14を経由する第一油圧ポンプAからの供給流量については、ブーム用コントロールバルブ23の供給用弁路23cの開口面積によって制御される一方、ブーム用流量制御弁31が設けられている第二ブーム用供給油路18を経由する第二油圧ポンプBからの供給流量については、ブーム用流量制御弁31が閉じている状態では「ゼロ」となり、ブーム用流量制御弁31が開いている状態では該ブーム用流量制御弁31の開口面積およびブーム用コントロールバルブ23の供給用弁路23cの開口面積によって制御される。一方、ブームシリンダ8からの排出流量は、ブーム用コントロールバルブ23の排出用弁路23dの開口面積によって制御される。
また、スティックシリンダ9への供給流量は、第一スティック用流量制御弁32が設けられている第一スティック用供給油路16を経由する第一油圧ポンプAからの供給流量については、第一スティック用流量制御弁32が閉じている状態では「ゼロ」となり、第一スティック用流量制御弁32が開いている状態では該第一スティック用流量制御弁32の開口面積およびスティック用コントロールバルブ24の供給用弁路24cの開口面積によって制御される一方、第二スティック用流量制御弁33が設けられている第二スティック用供給油路19を経由する第二油圧ポンプBからの供給流量については、第二スティック用流量制御弁33が閉じている状態では「ゼロ」となり、第二スティック用流量制御弁33が開いている状態では該第二スティック用流量制御弁33の開口面積およびスティック用コントロールバルブ24の供給用弁路24cの開口面積によって制御される。一方、スティックシリンダ9からの排出流量は、スティック用コントロールバルブ24の排出用弁路24dの開口面積によって制御されるようになっている。
【0016】
一方、前記オプション用合流油路22は、第一油圧ポンプAに接続される第一オプション用供給油路17の下流側と第二油圧ポンプBに接続される第二オプション用供給油路21の下流側とが合流して形成される油路であって、該オプション用合流油路22には、後述するオプション用コントロールバルブ60と、該オプション用コントロールバルブ60の上流側に位置するコンペンセータ弁(本発明の圧力補償弁に相当する)61とが配されている。
【0017】
前記オプション用コントロールバルブ60は、オプション油圧アクチュエータ13に対する給排流量制御を行うと共に給排方向を切換えるクローズドセンタ型のスプール弁であって、図3の拡大油圧回路図に示す如く、コントローラ30から出力される制御信号に基づいてパイロット圧を出力する第一、第二オプション用電磁比例弁48a、48b(図5図9に図示)にそれぞれ接続される第一、第二パイロットポート60a、60bと、オプション用合流油路22に接続されるポンプポート60pと、タンクラインTに接続されるタンクポート60tと、オプション油圧アクチュエータ13の一方のポート13aに接続される一方のアクチュエータポート60cと、オプション油圧アクチュエータ13の他方のポート13bに接続される他方のアクチュエータポート60dと、信号圧導入油路62を介して後述するコンペンセータ弁61の第二パイロットポート61bに接続される負荷圧出力ポート60eとを備えている。そして、オプション用コントロールバルブ60は、第一、第二の両パイロットポート60a、60bにパイロット圧が入力されていない状態では、オプション油圧アクチュエータ13に対する給排制御を行わず、且つ、負荷圧出力ポート60eをタンクポート60tに連通させる中立位置Nに位置しているが、第一パイロットポート60aにパロット圧が入力されることにより第一作動位置Xに切換わって、ポンプポート60pから一方のアクチュエータポート60cに至る供給用弁路60fと、他方のアクチュエータポート60dからタンクポート60tに至る排出用弁路60gと、供給用弁路60fの下流側から負荷圧出力ポート60eに至る負荷圧用弁路60hとを開き、また、第二パイロットポート60bにパイロット圧が入力されることにより第二作動位置Yに切換わって、ポンプポート60pから他方のアクチュエータポート60dに至る供給用弁路60fと、一方のアクチュエータポート60cからタンクポート60tに至る排出用弁路60gと、供給用弁路60fの下流側から負荷圧出力ポート60eに至る負荷圧用弁路60hとを開くように構成されている。そして、前記供給用弁路60f、排出用弁路60gの開口面積は、第一、第二オプション用電磁比例弁48a、48bから出力されるパイロット圧によって移動するスプールの移動位置に応じて増減制御されるようになっていると共に、オプション油圧アクチュエータ13に対する供給流量、排出流量は、供給用弁路60f、排出用弁路60gの開口面積によってそれぞれ制御されるようになっている。さらに、第一、第二作動位置X、Yのオプション用コントロールバルブ60は、負荷圧用弁路60hが開くことで、オプション用コントロールバルブ60の出口側圧力(供給用弁路60fの下流側の圧力、オプション油圧アクチュエータ13の負荷圧)が信号圧導入油路62に導入されるようになっている。
【0018】
ところで、オプション油圧アクチュエータ13としては、一方向回転モータや単動シリンダのように圧油供給方向が一方向のもの(例えばブレーカ)や、両方向回転モータや複動シリンダのように圧油供給方向が両方向のもの(例えば破砕機)、大流量を必要とするもの(例えば、大型のブレーカや破砕機)、少流量で足りるもの(例えば、小型のブレーカや破砕機)等種々のものがあり、オプション用コントロールバルブ60は、これら種々のオプション油圧アクチュエータ13に共用して用いられる。つまり、オプション用コントロールバルブ60を第一作動位置Xと第二作動位置Yとに切換えれば、オプション油圧アクチュエータ13に両方向の圧油供給を行うことができ、また、第一作動位置X、第二作動位置Yの何れか一方の作動位置のみを用いることで、一方向の圧油供給を行うことができるが、本実施の形態では、一方向の圧油供給を行う場合には第一作動位置Xを用いるように設定されている。
【0019】
一方、前記信号圧導入油路62は、オプション用コントロールバルブ60の負荷圧出力ポート60eからコンペンセータ弁61の第二パイロットポート61bに至る油路であって、該信号圧導入油路62には第一絞り63が配されているとともに、オプション用コントロールバルブ60の負荷圧出力ポート60eから第一絞り63に至る信号圧導入油路62からは、第二絞り64および可変リリーフ弁65を経由してタンクラインTに至る信号圧リリーフ油路66が分岐形成されている。前記可変リリーフ弁65は、コントローラ30からの制御信号に基づいてリリーフ設定圧LPを変更できる電磁比例リリーフ弁であって、該可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPが前記信号圧導入油路62に導入されるオプション油圧アクチュエータ13の負荷圧よりも低圧の場合には、コンペンセータ弁61の第二パイロットポート61bに入力される負荷信号圧はリリーフ設定圧LPまで低下するようになっている。
【0020】
また、前記コンペンセータ弁61は、該コンペンセータ弁61の弁体を閉側に押圧する第一パイロット圧が入力される第一パイロットポート61aと、開側に押圧する第二パイロット圧が入力される第二パイロットポート61bと、開側に押圧するバネ61cとを備えていて、第一パイロット圧と第二パイロット圧との差圧が、バネ61cによって定まる所定圧Kに保持されるように開口面積が制御される。そして、コンペンセータ弁61の第一パイロットポート61aは、オプション用コントロールバルブ60の入口側のオプション用合流油路22に接続されていて、該オプション用合流油路22の圧力が入力されるようになっている。また、第二パイロットポート61bは、前記信号圧導入油路62に接続されていて、オプション油圧アクチュエータ13の負荷圧が前記可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LP以下の場合には該オプション油圧アクチュエータ13の負荷圧が入力される一方、オプション油圧アクチュエータ13の負荷圧がリリーフ設定圧LPよりも高圧の場合には、リリーフ設定圧LPまで低下した負荷信号圧が入力されるようになっている。しかして、オプション油圧アクチュエータ13の負荷圧がリリーフ設定圧LP以下の場合には、コンペンセータ弁61の作用によってオプション用合流油路22の圧力POはオプション油圧アクチュエータ13の負荷圧よりも所定圧Kだけ高圧になるように制御される一方、オプション油圧アクチュエータ13の負荷圧がリリーフ設定圧LPよりも高圧の場合には、オプション用合流油路22の圧力POはリリーフ設定圧LPよりも所定圧Kだけ高圧になるように制御される。これにより、コントローラ30からの制御信号に基づいて可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPを可変制御することで、オプション用コントロールバルブ60の入口側のオプション用合流油路22の圧力POを、リリーフ設定圧LPよりも所定圧Kだけ高圧の圧力(LP+K)以下(PO≦(LP+K))の圧力となるように制御することができるようになっている。
【0021】
さらに、図2図3において、67はオプション用コントロールバルブ60の一方のアクチュエータポート60cからオプション油圧アクチュエータ13の一方のポート13aに至る第一アクチュエータ油路、68はオプション用コントロールバルブ60の他方のアクチュエータポート60dからオプション油圧アクチュエータ13の他方のポート13bに至る第二アクチュエータ油路であって、これら第一、第二アクチュエータ油路67、68には、第一、第二オプション用リリーフ弁69、70を介してタンクラインTに至る第一、第二オプション用リリーフ油路71、72が分岐形成されている。前記第一、第二オプション用リリーフ弁69、70は、衝突等の外力によりサージ圧が発生した場合等の動的圧力変動で第一、第二アクチュエータ油路67、68が高圧となった場合に該高圧油を油タンク12に逃がすべく作動するが、該第一、第二オプション用リリーフ弁69、70のリリーフ設定圧は、油圧ショベル1に選択的に装着されるオプション油圧アクチュエータ13の駆動圧のうち最も高圧の駆動圧を超える値に設定されている。尚、前記第一、第二オプション用リリーフ弁69、70は、リリーフ設定圧を電気的に変更できない安価なものが用いられている。また、ブーム用コントロールバルブ23、スティック用コントロールバルブ24、バケット用コントロールバルブ25、旋回用コントロールバルブ26とブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11とをそれぞれ接続する油路にもリリーフ弁は接続されているが、図2では省略してある。
【0022】
さらに、図2図3において、73は前記第一あるいは第二アクチュエータ油路67、68から分岐形成されて油タンク12に至るバイパス油路であって、該バイパス油路73には切換弁74が配設されている。該切換弁74は、図4に示す如く、コントローラ30からの印加電圧でON/OFFして閉位置Nと開位置Xとに切換わる二位置切換弁であって、該切換弁74が開位置Xに切換わることによって、オプション油圧アクチュエータ13からの排出油を、オプション用コントロールバルブ60の排出用弁路60gを経由することなく直接油タンク12に流すことができるようになっている。そして、例えばブレーカのように圧油供給方向が一方向で背圧低減が必要なオプション油圧アクチュエータ13が装着された場合に、前記切換弁74を開いて(開位置Xにして)オプション油圧アクチュエータ13からの排出油をバイパス油路73から油タンク12に流すことで、オプション油圧アクチュエータ13にかかる背圧を確実に低減できるようになっている。尚、前記切換弁74は、前述したようにON/OFFで切換わる安価なものであって、例えば可変リリーフ弁を用いる場合と比して低コストで背圧低減制御を行うことができるようになっている。また、前記バイパス油路73は、圧油供給方向が一方向で背圧低減が必要なオプション油圧アクチュエータ13が装着された場合に該オプション油圧アクチュエータ13からの戻り油路となるアクチュエータ油路から分岐形成されるものであって、本実施の形態では、第二アクチュエータ油路68から分岐形成されているが、第一アクチュエータ油路67がオプション油圧アクチュエータ13からの戻り油路となる場合には、第一アクチュエータ油路67から分岐形成される。
【0023】
さらに、図2において、E、Fは第一、第二ポンプラインC、Dに接続される全ての供給油路14~21の上流側位置からそれぞれ分岐形成されてタンクラインTに至る第一、第二ブリードラインであって、該第一、第二ブリードラインE、Fには、第一、第二ブリード弁75、76がそれぞれ配設されている。これら第一、第二ブリード弁75、76は、第一、第二ブリード用電磁比例弁49a、49b(図5図10に図示)から出力されるパイロット圧により作動して開口面積が増減し、これにより、第一、第二油圧ポンプA、Bから第一、第二ブリードラインE、Fを経由して油タンク12に流れるブリード流量を増減制御するようになっている。そして、該第一、第二ブリード弁75、76によるブリード流量制御によって、第一、第二ポンプラインC、Dの圧力(第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧)が制御されるようになっている。
【0024】
さらに、図2において、77は前記各種油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11、オプション油圧アクチュエータ13)に対する油給排制御を行うための各種バルブが組み込まれるバルブブロックであって、該バルブブロック77は、常設される油圧アクチュエータ制御用の各種バルブ(ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用のコントロールバルブ23~26、ブーム用、第一、第二スティック用流量制御弁31~33等)や第一、第二ブリード弁75、76等が組み込まれるメインバルブブロック77Xに、オプション油圧アクチュエータ制御用の各種バルブ(オプション用コントロールバルブ60、コンペンセータ弁61、可変リリーフ弁65、第一、第二オプション用リリーフ弁69、70等)が組み込まれるオプションバルブブロック77Yが一体的に組み付けられて形成されている。尚、前記バイパス油路73および切換弁74は、バルブブロック77の外部に設けられている。
【0025】
一方、前記コントローラ30(本発明の制御手段に相当する)は、図5のブロック図に示す如く、入力側に、ブーム用操作具、スティック用操作具、バケット用操作具、旋回用操作具、オプション用操作具の操作方向および操作量をそれぞれ検出するブーム用操作検出手段80、スティック用操作検出手段81、バケット用操作検出手段82、旋回用操作検出手段83、オプション用操作検出手段84、後述するオプション油圧アクチュエータ通知手段85、第一、第二油圧ポンプA、Bのポンプ圧を検出する圧力センサ(図示せず)、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11、オプション油圧アクチュエータ13の負荷圧をそれぞれ検出する圧力センサ(何れも図示せず)等が接続され、出力側に、第一、第二油圧ポンプA、Bの容量可変手段Aa、Ba、ブーム用流量制御弁31にパイロット圧を出力するブーム流量制御用電磁比例弁41、第一、第二スティック用流量制御弁32、33にそれぞれパイロット圧を出力する第一、第二スティック流量制御用電磁比例弁42、43、ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用コントロールバルブ23~26にパイロット圧を出力するブーム用、スティック用、バケット用、旋回用電磁比例弁44a、44b~47a、47b、オプション用コントロールバルブ60にパイロット圧を出力する第一、第二オプション用電磁比例弁48a、48b、第一、第二ブリード弁75、76にパイロット圧を出力する第一、第二ブリード用電磁比例弁49a、49b、可変リリーフ弁65、切換弁74等が接続されているとともに、後述する第一、第二操作量設定部90、要求流量設定部91、ポンプ制御部92、バルブ開口面積制御部93、ブリード制御部94、オプション用制御部95等において、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量制御、第一、第二ブリードラインE、Fのブリード流量制御、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11、オプション油圧アクチュエータ13に対する油給排制御等を行うように構成されている。尚、前記オプション油圧アクチュエータ通知手段85は、オプション油圧アクチュエータ13が装着された場合に該オプション油圧アクチュエータ13の種類、仕様、あるいは後述するオプション用上限圧力PUの値等の各種情報をコントローラ30に通知するための手段であって、本実施の形態では、油圧ショベル1のキャブ3a内に配設のモニタ装置(図示せず)がオプション油圧アクチュエータ通知手段85として設けられており、該モニタ装置の操作によってオプション油圧アクチュエータ13の各種情報をコントローラ30に通知したり、各種情報の変更を行うことができるようになっている。また、図5では、オプション油圧アクチュエータ通知手段85はコントローラ30の外部に設けられているが、オプション油圧アクチュエータ通知手段85に収納されている情報や機能の少なくとも一部をコントローラ30内に設ける構成にすることもできる。
【0026】
次いで、前記コントローラ30に設けられる設定部や制御部の行う制御について説明する。
第一、第二操作量設定部90は、ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用、オプション用の操作検出手段80~84から操作信号が入力されると、これら操作信号に基づいて、各操作具操作量について第一油圧ポンプAが担う第一操作量と第二油圧ポンプBが担う第二操作量とを設定する。該第一、第二操作量の設定は、操作された油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11、オプション油圧アクチュエータ13)の油圧供給源となる第一、第二油圧ポンプA、B、操作具操作量、連動操作(同時操作)される油圧アクチュエータ、オプション油圧アクチュエータ13の種類や仕様等に応じて、予め収納されているデータに基づいて設定される。例えば本実施の形態では、バケットシリンダ10は第一油圧ポンプAのみを油圧供給源としているので、バケット用操作具が操作された場合にはバケット用第一操作量のみが設定され、また旋回モータ11は第二油圧ポンプBのみを油圧供給源としているので、旋回用操作具が操作された場合には旋回用第二操作量のみが設定される。ブームシリンダ8は、第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプから圧油供給する場合にはブーム用第一、第二操作量が設定されるが、第一油圧ポンプAからのみ圧油供給する場合には、ブーム用第一操作量のみが設定される。スティックシリンダ9は、第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプから圧油供給する場合にはスティック用第一、第二操作量が設定されるが、第一油圧ポンプAからのみ圧油供給する場合にはスティック用第一操作量のみが設定され、第二油圧ポンプBからのみ圧油供給する場合にはスティック用第二操作量のみが設定される。オプション油圧アクチュエータ13は、第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプから圧油供給する場合にはオプション用第一、第二操作量が設定されるが、第一油圧ポンプAからのみ圧油供給する場合にはオプション用第一操作量のみが設定され、第二油圧ポンプBからのみ圧油供給する場合にはオプション用第二操作量のみが設定される(図6参照)。尚、前記第一、第二操作量を設定するためのデータは、制御パラメータとして第一、第二操作量設定部90に収納されており、例えば、油圧ショベル1の行う作業内容やオプション油圧アクチュエータ13の種類や仕様等に応じて、前記モニタ装置等を用いて変更することができるようになっている。
【0027】
また、要求流量設定部91は、前記第一、第二操作量設定部90で設定された第一、第二操作量に基づいて、各油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11、オプション油圧アクチュエータ13)が第一、第二油圧ポンプA、Bに対して要求する要求流量(ブーム用第一要求流量、ブーム用第二要求流量、スティック用第一要求流量、スティック用第二要求流量、バケット用第一要求流量、旋回用第二要求流量、オプション用第一要求流量、オプション用第二要求流量)を求める。さらに、要求流量設定部91は、オプション用第一、第二要求流量にマージン流量αをそれぞれ加算したオプション用第一、第二マージン加算要求流量を設定する(図8参照)。尚、前記マージン流量αは、第一、第二油圧ポンプA、Bからオプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する場合に、前述したコンペンセータ弁61が差圧調整のために行う流量制御でオプション油圧アクチュエータ13への供給圧油が不足してしまうことを回避するためにオプション用第一、第二要求流量に加算される流量である。また、オプション用第一、第二要求流量が「ゼロ」の場合には、オプション用第一、第二マージン加算要求流量も「ゼロ」となる。
ここで、図7(A)、(B)、(C)に、オプション用第一、第二操作具操作量と、オプション用第一、第二要求流量と、オプション用合計要求流量(オプション用第一要求流量とオプション用第二要求流量との合計)との関係を例示するが、(A)は、前記第一、第二操作量設定部90において、操作具操作量が少ないときにはオプション用第一操作量のみを設定(第一油圧ポンプAからのみ圧油供給)し、操作具操作量が多くなるとオプション用第一、第二操作量を設定(第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプから圧油供給)した場合、(B)は、オプション用第一、第二操作量を同値に設定(第一、第二油圧ポンプA、Bから同量圧油供給)した場合、(C)は第一、第二操作量の何れか一方のみ設定(第一油圧ポンプAあるいは第二油圧ポンプBの何れか一方のみから圧油供給)した場合を示す。
尚、前記要求流量設定部91は、例えば第一、第二操作量と要求流量との関係を示すマップ等のデータを各油圧アクチュエータ毎に備えていて、該データを用いて操作具操作量に応じた要求流量を求めるが、このようなデータは制御パラメータとして要求流量設定部91に組込まれるようになっていて、例えば、油圧ショベル1の行う作業内容やオプション油圧アクチュエータ13の種類や仕様等に応じて、第一、第二操作量に対応する要求流量の値を前記モニタ装置等を用いて変更することができるようになっている。
【0028】
また、ポンプ制御部92は、前記要求流量設定部91で設定された要求流量に基づいて、第一、第二油圧ポンプA、Bの目標吐出流量を演算する。この場合、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11の要求流量については、前記要求流量設定部91で設定されたブーム用第一、第二要求流量、スティック用第一、第二要求流量、バケット用第一要求流量、旋回用第二要求流量を用い、また、オプション油圧アクチュエータ13の要求流量については、マージン流量αを加算したオプション用第一、第二マージン加算要求流量を用いる。そして、第一油圧ポンプAの目標吐出流量は、操作された各油圧アクチュエータの第一油圧ポンプAに対する第一要求流量、第一マージン加算要求流量の合計(ブーム用第一要求流量+スティック用第一要求流量+バケット用第一要求流量+オプション用第一マージン加算要求流量)を目標吐出流量とし、合計流量が第一油圧ポンプAの最大吐出流量を超えた場合には最大吐出流量を目標吐出流量とする。また、第二油圧ポンプBの目標吐出流量は、同様に、操作された各油圧アクチュエータの第二油圧ポンプBに対する第二要求流量、第二マージン加算要求流量の合計(ブーム用第二要求流量+スティック用第二要求流量+旋回用第二要求流量+オプション用第二マージン加算要求流量)を目標吐出流量とし、合計流量が第二油圧ポンプBの最大吐出流量を超えた場合には最大吐出流量を目標吐出流量とする。そして、ポンプ制御部92は、該目標吐出流量が得られるように第一、第二油圧ポンプA、Bの容量可変手段Aa、Baに制御信号を出力する(図8参照)。尚、各油圧アクチュエータの第一操作量が全て「ゼロ」の場合、第二操作量が全て「ゼロ」の場合には、第一、第二油圧ポンプA、Bはそれぞれ最低流量となるように制御される。
【0029】
また、バルブ開口面積制御部93は、前記要求流量設定部91で求められた各油圧アクチュエータの第一、第二油圧ポンプA、Bに対する要求流量に基づいて、前記ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用のコントロールバルブ23~26の供給用弁路23c~26c、ブーム用流量制御弁31、第一、第二スティック用流量制御弁32、33、およびオプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積を求める。
この場合、常設される油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11)用のコントロールバルブ(ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用のコントロールバルブ)23~26および流量制御弁(ブーム用、第一、第二スティック用流量制御弁)31~33と、オプション用コントロールバルブ60とでは開口面積を求める制御プロセスが異なるため、まず、常設油圧アクチュエータ用のコントロールバルブ23~26および流量制御弁31~33の開口面積制御について説明する。
前記常設油圧アクチュエータ用のコントロールバルブ23~26および流量制御弁31~33の開口面積を求めるにあたり、バルブ開口面積制御部93は、まず、各常設油圧アクチュエータの分配流量を求める。該分配流量の演算は、第一油圧ポンプAと第二油圧ポンプBとで個別に演算される。つまり、第一油圧ポンプAから圧油供給される常設油圧アクチュエータの分配流量については、第一油圧ポンプAの目標吐出流量をオプション用第一マージン加算要求流量、ブーム用第一要求流量、スティック用第一要求流量、バケット用第一要求流量の比率で分配して、ブーム用第一分配流量、スティック用第一分配流量、バケット用第一分配流量を求める。また、第二油圧ポンプBから圧油供給される常設油圧アクチュエータの分配流量については、第二油圧ポンプBの目標吐出流量をオプション用第二マージン加算要求流量、ブーム用第二要求流量、スティック用第二要求流量、旋回用第二要求流量の比率で分配して、ブーム用第二分配流量、スティック用第二分配流量、旋回用第二分配流量を求める。尚、オプション用第一、第二マージン加算要求流量が「ゼロ」の場合には、目標吐出流量の全量を常設油圧アクチュエータに分配する分配流量演算が行われる。そして、バルブ開口面積制御部93は、これらブーム用第一、第二分配流量、スティック用第一、第二分配流量、バケット用第一分配流量、旋回用第二分配流量をそれぞれ第一、第二油圧ポンプA、Bからブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11に供給するためのブーム用、スティック用、バケット用、旋回用のコントロールバルブ23~26の供給用弁路23c~26cおよびブーム用、第一、第二スティック用流量制御弁31~33の開口面積を演算し、該開口面積となるようにブーム用、スティック用、バケット用、旋回用電磁比例弁44a、44b~47a、47b、ブーム流量制御用電磁比例弁41、第一、第二スティック流量制御用電磁比例弁42、43に対して制御信号を出力する(図9参照)。
そして、このように、常設油圧アクチュエータ用のコントロールバルブ23~26および流量制御弁31~33の開口面積を制御するにあたり、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量をオプション用第一、第二マージン加算要求流量と常設油圧アクチュエータの要求流量とで分配する構成とすることにより、オプション油圧アクチュエータ13が油圧ポンプAまたは/およびBを共用する他の油圧アクチュエータ(常設油圧アクチュエータ)と連動操作される場合であっても、オプション用合流油路22にはオプション用第一、第二マージン加算要求流量が供給されることになって、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を確実に確保できるように構成されている。また、制御の一例としてオプション用第一、第二マージン加算要求流量に連動時専用の流量制限係数をかけることでオプション用第一、第二マージン加算要求流量を調整しオプション油圧アクチュエータ13への供給流量を一定に保つ制御にすることも可能である。
一方、バルブ開口面積制御部93は、オプション用コントロールバルブ60の開口面積を求める場合には、前記要求流量設定部91で設定されたオプション用第一、第二要求流量の合計流量をオプション油圧アクチュエータ13に供給するためのオプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積を演算し、該開口面積となるように第一、第二オプション用電磁比例弁48a、48bに対して制御信号を出力する(図9参照)。この場合、オプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの前後差圧は、前述したコンペンセータ弁61によって一定(所定圧K)に保持されるため、オプション用コントロールバルブ60からオプション油圧アクチュエータ13への供給流量は、オプション用第一、第二要求流量の合計流量となるように高精度に制御される。
【0030】
また、ブリード制御部94は、前記第一、第二操作量設定部90で求められた第一、第二操作量に基づいて、第一、第二油圧ポンプA、Bから油タンク12に流れるブリード流量の制御を行い、該ブリード流量の制御によって、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧を制御する。
この場合、ブリード制御部94は、まず、ブーム用第一、第二操作量、スティック用第一、第二操作量、バケット用第一操作量、旋回用第二操作量、オプション用第一、第二操作量に基づいて、対応する各油圧アクチュエータが第一、第二油圧ポンプA、Bに対して要求する第一、第二要求圧力(ブーム用第一要求圧力、ブーム用第二要求圧力、スティック用第一要求圧力、スティック用第二要求圧力、バケット用第一要求圧力、旋回用第二要求圧力、オプション用第一要求圧力、オプション用第二要求圧力)を求める。尚、ブリード制御部94は、例えば第一、第二操作量と要求圧力との関係を示すマップ等のデータを各油圧アクチュエータ毎に備えていて、該データを用いて操作具操作量に応じた要求圧力を求めるが、このようなデータは制御パラメータとしてブリード制御部94に組込まれるようになっていて、例えば、油圧ショベル1の行う作業内容やオプション油圧アクチュエータ13の種類や仕様等に応じて、操作量に対応する要求圧力の値を変更することができるようになっている。
続いてブリード制御部94は、前記第一、第二要求圧力に基づいて、第一、第二ポンプ要求圧力を求める。この場合、各油圧アクチュエータが第一油圧ポンプAに要求する要求圧力(ブーム用第一要求圧力、スティック用第一要求圧力、バケット用第一要求圧力、オプション用第一要求圧力)のうちの最大値を第一ポンプ要求圧力PR1とし、各油圧アクチュエータが第二油圧ポンプBに要求する要求圧力(ブーム用第二要求圧力、スティック用第二要求圧力、旋回用第二要求圧力、オプション用第二要求圧力)のうちの最大値を第二ポンプ要求圧力PR2とする。そして、これら第一、第二ポンプ要求圧力PR1、PR2に基づいて第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力(第一、第二ポンプ目標圧力)PT1、PT2を設定する(図10参照)。
【0031】
前記第一、第二ポンプ目標圧力PT1、PT2を設定するにあたり、ブリード制御部94は、まず、オプション用操作具が操作されているかどうかを判断し、オプション用操作具が操作されていない場合(オプション用第一、第二操作量が共に「ゼロ」の場合)には、前記第一、第二ポンプ要求圧力PR1、PR2を第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2として設定する。一方、オプション用操作具が操作されている場合(オプション用第一、第二操作量の少なくとも一方が「ゼロ」でない場合)には、後述するオプション優先制御を行う。
【0032】
前記オプション優先制御を行う場合、ブリード制御部94は、まず、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する油圧ポンプが、第一油圧ポンプAのみ(オプション用第一操作量のみ設定)か、第二油圧ポンプBのみ(オプション用第二操作量のみ設定)か、それとも第一、第二の両方の油圧ポンプA、B(オプション用第一および第二操作量が設定)かを判断する。そして、判断結果が、第一油圧ポンプAのみの場合(以下、判断結果(A)とする)、第二油圧ポンプBのみの場合(以下、判断結果(B)とする)、第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bの場合(以下、判断結果(A+B)とする)の各場合において、前記第一ポンプ要求圧力PR1と第二ポンプ要求圧力PR2とを比較する。
そして、判断結果(A)において第一ポンプ要求圧力PR1が第二ポンプ要求圧力PR2よりも大きい(PR1>PR2)場合には、これら第一、第二ポンプ要求圧力PR1、PR2をそれぞれ第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2として設定する。一方、判断結果(A)において第一ポンプ要求圧力PR1が第二ポンプ要求圧力PR2以下(PR1≦PR2)の場合には、第二ポンプ要求圧力PR2にマージン圧力βを加算した圧力(PR2+β)を第一ポンプ目標圧力PT1とし、第二ポンプ要求圧力PR2を第二ポンプ目標圧力PT2として設定する。これにより、判断結果(A)の場合、つまり、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する油圧ポンプが第一油圧ポンプAのみの場合、該第一油圧ポンプAの目標圧力PT1は、第二油圧ポンプBの目標圧力PT2よりも高圧に設定される。尚、前記マージン圧力βは、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する油圧ポンプの吐出圧を、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給しない油圧ポンプの吐出圧よりも確実に高圧にするために加算される圧力である。
また、判断結果(B)において第一ポンプ要求圧力PR1が第二ポンプ要求圧力PR2以上(PR1≧PR2)場合には、第一ポンプ要求圧力PR1を第一ポンプ目標圧力PT1とし、第一ポンプ要求圧力PR1にマージン圧力βを加算した圧力(PR1+β)を第二ポンプ目標圧力PT2として設定する。一方、判断結果(B)において第一ポンプ要求圧力PR1が第二ポンプ要求圧力PR2よりも小さい(PR1<PR2)場合には、これら第一、第二ポンプ要求圧力PR1、PR2を第一、第二ポンプの目標圧力PT1、PT2として設定する。これにより、判断結果(B)の場合、つまり、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する油圧ポンプが第二油圧ポンプBのみの場合、該第二油圧ポンプBの目標圧力PT2は、第一油圧ポンプAの目標圧力PT1よりも高圧に設定される。
また、判断結果(C)において第一ポンプ要求圧力PR1が第二ポンプ要求圧力PR2よりも大きい(PR1>PR2)場合には、第一ポンプ要求圧力PR1を第一、第二ポンプ目標圧力PT1、PT2として設定する。一方、判断結果(C)において第一ポンプ要求圧力PR1が第二ポンプ要求圧力PR2以下(PR1≦PR2)の場合には、第二ポンプ要求圧力PR2を第一、第二ポンプ目標圧力PT1、PT2として設定する。これにより、判断結果(C)の場合、つまり、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する油圧ポンプが第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bの場合、これら第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2は、第一、第二ポンプ要求圧力PR1、PR2のうち高圧の方に合わせて同圧となるように設定される(図11参照)。
そして、このように、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する油圧ポンプが第一、第二油圧ポンプA、Bの何れか一方の油圧ポンプの場合(前記判断結果(A)または(B)の場合)には、該圧油供給する一方の油圧ポンプの吐出圧が油圧供給しない他方の油圧ポンプの吐出圧よりも高圧となるように制御されることで、一方の油圧ポンプからの供給圧油が優先的にオプション用合流油路22に流れて、他方の油圧ポンプからの供給圧油はオプション用合流油路22には流れないようになっている。一方、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する油圧ポンプが第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bの場合(前記判断結果(A+B)の場合)には、両方の油圧ポンプA、Bの吐出圧は同圧になるように制御され、これにより第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bからの供給圧油がオプション用合流油路22に供給されて合流するようになっている。
【0033】
そして、ブリード制御部94は、前記第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2の設定後は、該目標圧力PT1、PT2にするための第一、第二ブリード弁75、76の開口面積を演算し、該開口面積にするべく第一、第二ブリード用電磁比例弁49a、49bに対して制御信号を出力して、第一、第二油圧ポンプA、Bから油タンク12に流れるブリード流量を制御するようになっている(図10参照)。尚、各油圧アクチュエータの第一操作量が全て「ゼロ」の場合、第二操作量が全て「ゼロ」の場合には、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧が予め設定される最低吐出圧となるようにブリード流量が制御される。
【0034】
また、オプション用制御部95は、オプション油圧アクチュエータ通知手段85から入力される情報に基づいて、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPを設定する制御を行う。
この場合、オプション用制御部95は、オプション油圧アクチュエータ13の種類や仕様等に応じて各オプション油圧アクチュエータ13の上限圧力として予め設定されるオプション用上限圧力PUの値を、オプション油圧アクチュエータ通知手段85から入力する。そして、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPを、オプション用上限圧力PUから前記所定圧(コンペンセータ弁61のバネ61cによって定まる圧力)Kを減じた圧力(LP=PU-K)にするべく可変リリーフ弁65に対して制御信号を出力する。これにより、オプション用コントロールバルブ60の入口側圧力POは、前述したコンペンセータ弁61の作用によって、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPよりも所定圧Kだけ高圧の圧力(LP+K)以下(PO≦(LP+K))、つまり、オプション用上限圧力PU以下(PO≦PU)となるように制御される。そして、このように可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPの設定でオプション用コントロールバルブ60の入口側圧力をオプション用上限圧力PU以下となるように制御することで、オプション用コントロールバルブ60からオプション用油圧アクチュエータ13に至る一対の第一、第二アクチュエータ油路67、68にそれぞれ可変リリーフ弁を設けなくても、オプション用油圧アクチュエータ13への供給圧力を、各オプション油圧アクチュエータ13に応じて設定されるオプション用上限圧力PU未満にすることができるようになっている。
【0035】
さらにオプション用制御部95は、オプション油圧アクチュエータ通知手段85から入力される情報に基づいて、オプション油圧アクチュエータ13が、例えばブレーカのように圧油供給方向が一方向で、且つ背圧を低減する必要がある油圧アクチュエータであるか否かを判断する。そして、該当する油圧アクチュエータであると判断された場合には、制御信号を出力して切換弁74を開位置Xに位置せしめる。これにより、オプション油圧アクチュエータ13から油タンク12への戻り油が、オプション用コントロールバルブ60を経由することなく直接油タンク12に流れることになって、確実に背圧を低減できるようになっている。
【0036】
次いで、オプション用操作具が操作された場合に行われる制御について、例1~例7を例示して説明する。尚、各例において、他の例と同様の制御の場合は簡単に説明、あるいは説明を省略する。
[例1]
まず、オプション用操作具が単独で操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13に第一油圧ポンプAからのみ圧油供給する場合を例1として説明する。
この場合、コントローラ30は、オプション用操作検出手段84から操作信号が入力されると、まず、第一油圧ポンプAが担う操作量であるオプション用第一操作量を設定する。さらに、該オプション用第一操作量に応じて、オプション油圧アクチュエータ13が第一油圧ポンプAに要求するオプション用第一要求流量、および該オプション用第一要求流量にマージン流量αを加算したオプション用第一マージン加算要求流量を求める。そして、該オプション用第一マージン加算要求流量を目標吐出流量として第一油圧ポンプAの吐出流量制御がなされる。さらにコントローラ30は、前記オプション用第一操作量に応じてオプション油圧アクチュエータ13が第一油圧ポンプAに要求するオプション用第一要求圧力を設定するとともに、該オプション用第一要求圧力を第一ポンプ要求圧力PR1とし、さらに該第一ポンプ要求圧力PR1を第一油圧ポンプAの目標圧力PT1に設定して、該目標圧力PT1となるように第一ブリード弁75の開口面積を制御する。一方、第二油圧ポンプBの吐出流量、吐出圧は最低となるように制御される。そして、第一油圧ポンプAからの供給圧油は、第一ポンプラインC、第一オプション用供給油路17を経由してオプション用合流油路22に流れ、該オプション用合流油路22に配設のコンペンセータ弁61、オプション用コントロールバルブ60を経由してオプション油圧アクチュエータ13に供給される。さらにコントローラ30は、可変リリーフ弁65の設定圧LPを、オプション油圧アクチュエータ13の種類や仕様等に基づいて設定されるオプション用上限圧力PUから所定圧Kを減じた圧力(LP=PU-K)に設定することで、オプション用コントロールバルブ60への供給圧力を、オプション用上限圧力PU以下となるように制御する。また、オプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積は、オプション用第一要求流量に対応した開口面積となるように制御されるが、この場合に、オプション用コントロールバルブ60の前後差圧はコンペンセータ弁61によって所定圧Kに保持されるため、精度の高い供給流量制御を行うことができるとともに、第一油圧ポンプAからの供給流量は、オプション用第一要求流量にマージン流量αを加算したオプション用第一マージン加算要求流量であるため、コンペンセータ弁61で差圧調整のために流量制御されても、オプション用コントロールバルブ60への供給流量が不足してしまうことはない。さらに、オプション油圧アクチュエータ13が背圧低減を必要とする油圧アクチュエータの場合には、切換弁74に開位置Xに切換わるよう制御信号が出力され、これによりオプション油圧アクチュエータ13からの戻り油を、オプション用コントロールバルブ60を経由することなくバイパス油路73を経由して油タンク12に流すことができる。
このように、例1では、オプション油圧アクチュエータ13には第一油圧ポンプAからのみ圧油供給されるが、この場合に、オプション用コントロールバルブ60への供給圧力は、個々のオプション油圧アクチュエータ13に応じて設定されるオプション用上限圧力PU以下となるように制御されるとともに、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を高精度に制御できるようになっている。
【0037】
[例2]
次に、オプション用操作具が単独で操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13に第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bから圧油供給する場合を例2として説明する。
この場合、コントローラ30は、オプション用操作検出手段84から操作信号が入力されると、まず、オプション用第一、第二操作量を設定する。さらに、該オプション用第一、第二操作量に応じて、オプション用第一、第二要求流量、およびオプション用第一、第二マージン加算要求流量を求める。そして、オプション用第一、第二マージン加算要求流量を目標吐出流量として第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量制御がなされる。さらにコントローラ30は、前記オプション用第一、第二操作量に応じてオプション用第一、第二要求圧力を設定するとともに、該オプション用第一、第二要求圧力をそれぞれ第一、第二ポンプ要求圧力PR1、PR2とし、さらにこれら第一、第二ポンプ要求圧力PR1、PR2のうち高圧の方を第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2(PT1=PT2)に設定して、該目標圧力PT1、PT2となるように第一、第二ブリード弁75、76の開口面積を制御する。これにより、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧は等しくなるように制御される。そして、前記第一、第二油圧ポンプA、Bからの供給圧油は、それぞれ第一、第二ポンプラインC、D、第一、第二オプション用供給油路17、21を経由してオプション用合流油路22で合流するが、この場合に、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧が等しいため、合流時に何れか一方の油圧ポンプA、Bからの圧油供給が優先されることなく両方の油圧ポンプA、Bからの供給油がオプション用合流油路22に流れ、該オプション用合流油路22に配設のコンペンセータ弁61、オプション用コントロールバルブ60を経由してオプション油圧アクチュエータ13に供給される。そして、オプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積は、オプション用第一、第二要求流量の合計流量に対応した開口面積となるように制御されるが、この場合、前述した例1の場合と同様に、精度の高い供給流量制御を行うことができる。さらにコントローラ30は、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPの設定や、必要に応じて切換弁74の切換え制御を行うが、これらは例1と同様であるため説明を省略する。
このように、例2では、オプション油圧アクチュエータ13には第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bから圧油供給されるが、この場合においても、例1と同様に、オプション用コントロールバルブ60への供給圧力は、個々のオプション油圧アクチュエータ13に応じて設定されるオプション用上限圧力PU以下となるように制御されるとともに、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を高精度に制御できるようになっている。しかもこの場合に、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧は等しくなるように制御されるため、何れか一方の油圧ポンプA、Bからの圧油供給が優先されることなく両方の油圧ポンプA、Bからの供給油をオプション用合流油路22で合流させることができる。
【0038】
[例3]
次に、オプション用操作具がスティック用操作具および旋回用操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13には第一油圧ポンプAから圧油供給し、スティックシリンダ9および旋回モータ11には第二油圧ポンプBから圧油供給する場合を例3として説明する。
この場合、コントローラ30は、オプション用、スティック用、旋回用操作検出手段84、81、83から操作信号が入力されると、まず、オプション用第一、スティック用第二、旋回用第二操作量を設定する。さらに、該オプション用第一、スティック用第二、旋回用第二操作量に応じて、オプション用第一、スティック用第二、旋回用第二要求流量、およびオプション用第一マージン加算要求流量を求める。そして、オプション用第一マージン加算要求流量を目標吐出流量として第一油圧ポンプAの吐出流量制御がなされ、スティック用第二要求流量と旋回用第二要求流量との合計を目標吐出流量として(合計流量が第二油圧ポンプBの最大吐出流量を超えた場合には最大吐出流量を目標吐出流量として)第二油圧ポンプBの吐出流量制御がなされる。さらにコントローラ30は、前記オプション用第一、スティック用第二、旋回用第二操作量に応じてオプション用第一、スティック用第二、旋回用第二要求圧力を設定する。そして、オプション用第一要求圧力を第一ポンプ要求圧力PR1とし、また、スティック用第二、旋回用第二要求圧力のうち高圧の方を第二ポンプ要求圧力PR2とする。さらに、前記第一ポンプ要求圧力PR1と第二ポンプ要求圧力PR2とを比較し、該比較結果に基づいて第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2を設定するが、この場合、前述したブリード制御部94の制御によって、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第一油圧ポンプAの目標圧力PT1は、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給しない第二油圧ポンプBの目標圧力PT2よりも高圧に設定され、該目標圧力PT1、PT2となるように第一、第二ブリード弁75、76の開口面積が制御される。そして、第一油圧ポンプAからの供給圧油は、第一ポンプラインC、第一オプション用供給油路17を経由してオプション用合流油路22に流れるが、この場合、第一油圧ポンプAの吐出圧は第二油圧ポンプBの吐出圧よりも高圧のため、第一油圧ポンプAからの供給圧油が優先的にオプション用合流油路22に流れ、第二油圧ポンプBからの供給圧油はオプション用合流油路22には流れないようになっている。そして、オプション用合流油路22に流れた第一油圧ポンプAからの供給圧油は、オプション用合流油路22に配設のコンペンセータ弁61、オプション用コントロールバルブ60を経てオプション油圧アクチュエータ13に供給される。この場合のオプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積の制御や、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPの設定、必要に応じて行われる切換弁74の切換え制御については、例1と同様であるため説明を省略する。一方、第二油圧ポンプBからの供給圧油は、第二ポンプラインDから第二スティック用供給油路19に流れ、第二スティック用流量制御弁33、スティック用コントロールバルブ24を経由してスティックシリンダ9に供給されるとともに、第二ポンプラインDから第二旋回用供給油路20に流れて、旋回用コントロールバルブ26を経由して旋回モータ11に供給される。この場合の第二スティック用流量制御弁33、スティック用、旋回用コントロールバルブ24、26の供給用弁路24c、26cの開口面積の制御は、前述したバルブ開口面積制御部93の制御によって、第二油圧ポンプBの吐出流量をスティック用第二要求流量、旋回用第二要求流量の比率で分配したスティック用第二分配流量、旋回用第二分配流量に対応した開口面積となるように制御される。尚、例3ではスティックシリンダ9には第二油圧ポンプBからのみ圧油供給される構成のため、第一スティック用供給油路16に配設の第一スティック用流量制御弁32は閉じるように制御される。
このように、例3では、オプション用操作具が他油圧アクチュエータ(スティックシリンダ9、旋回モータ11)用の操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13には第一油圧ポンプAから圧油供給され、他油圧アクチュエータには第二油圧ポンプBから圧油供給されるが、この場合においても、例1、2と同様に、オプション用コントロールバルブ60への供給圧力は、個々のオプション油圧アクチュエータ13に応じて設定されるオプション用上限圧力PU以下となるように制御されるとともに、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を高精度に制御できる。しかもこの場合に、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第一油圧ポンプAの吐出圧は第二油圧ポンプBの吐出圧よりも高圧となるように制御されるため、第一油圧ポンプAからの供給圧油のみを確実にオプション用合流油路22に流すことができる。一方、第二油圧ポンプBの吐出流量は他油圧アクチュエータに分配され、しかして、オプション油圧アクチュエータ13と他油圧アクチュエータ(スティックシリンダ9、旋回モータ11)との良好な連動操作性を確保できる。
【0039】
[例4]
次に、オプション用操作具がブーム用操作具およびバケット用操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13には第二油圧ポンプBから圧油供給し、ブームシリンダ8およびバケットシリンダ10には第一油圧ポンプAから圧油供給する場合を例4として説明する。
この場合、コントローラ30は、オプション用、ブーム用、バケット用操作検出手段84、80、82から操作信号が入力されると、まず、オプション用第二、ブーム用第一、バケット第一操作量を設定する。さらに、該オプション用第二、ブーム用第一、バケット用第一操作量に応じて、オプション用第二、ブーム用第一、バケット用第一要求流量、およびオプション用第二マージン加算要求流量を求める。そして、オプション用第二マージン加算要求流量を目標吐出流量として第二油圧ポンプBの吐出流量制御がなされ、ブーム用第一要求流量とバケット用第一要求流量との合計を目標吐出流量として(合計流量が第一油圧ポンプAの最大吐出流量を超えた場合には最大吐出流量を目標吐出流量として)第一油圧ポンプAの吐出流量制御がなされる。さらにコントローラ30は、前記オプション用第二、ブーム用第一、バケット用第一操作量に応じてオプション用第二、ブーム用第一、バケット用第一要求圧力を設定する。そして、オプション用第二要求圧力を第二ポンプ要求圧力PR2とし、また、ブーム用第一、バケット用第一要求圧力のうち高圧の方を第一ポンプ要求圧力PR1とする。さらに、前記第一ポンプ要求圧力PR1と第二ポンプ要求圧力PR2とを比較し、該比較結果に基づいて第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2を設定するが、この場合、前述したブリード制御部94の制御によって、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第二油圧ポンプBの目標圧力PT2は、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給しない第一油圧ポンプAの目標圧力PT1よりも高圧に設定され、該目標圧力PT1、PT2となるように第一、第二ブリード弁75、76の開口面積が制御される。そして、第二油圧ポンプBからの供給圧油は、第二ポンプラインD、第二オプション用供給油路21を経由してオプション用合流油路22に流れるが、この場合、第二油圧ポンプBの吐出圧は第一油圧ポンプAの吐出圧よりも高圧のため、第二油圧ポンプBからの供給圧油が優先的にオプション用合流油路22に流れ、第一油圧ポンプAからの供給圧油はオプション用合流油路22には流れないようになっている。そして、オプション用合流油路22に流れた第二油圧ポンプBからの供給圧油は、オプション用合流油路22に配設のコンペンセータ弁61、オプション用コントロールバルブ60を経てオプション油圧アクチュエータ13に供給される。この場合のオプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積の制御や、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPの設定、必要に応じて行われる切換弁74の切換え制御については、例1と同様であるため説明を省略する。一方、第一油圧ポンプAからの供給圧油は、第一ポンプラインCから第一ブーム用供給油路14に流れ、ブーム用コントロールバルブ23を経由してブームシリンダ8に供給されるとともに、第一ポンプラインCから第一バケット用供給油路15に流れて、バケット用コントロールバルブ25を経由してバケットシリンダ10に供給される。この場合のブーム用、バケット用コントロールバルブ23、25の供給用弁路23c、25cの開口面積の制御は、第一油圧ポンプAの吐出流量をブーム用第一要求流量、バケット用第一要求流量の比率で分配したブーム用第一分配流量、バケット用第一分配流量に対応した開口面積となるように制御される。尚、例4ではブームシリンダ8には第一油圧ポンプAからのみ圧油供給される構成のため、第二ブーム用供給油路18に配設のブーム用流量制御弁31は閉じるように制御される。
このように、例4では、オプション用操作具が他油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、バケットシリンダ10)用の操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13には第二油圧ポンプBから圧油供給され、他油圧アクチュエータには第一油圧ポンプAから圧油供給されるが、この場合においても、例1~3と同様に、オプション用コントロールバルブ60への供給圧力は、個々のオプション油圧アクチュエータ13に応じて設定されるオプション用上限圧力PU以下となるように制御されるとともに、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を高精度に制御できる。しかもこの場合に、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第二油圧ポンプBの吐出圧は第一油圧ポンプAの吐出圧よりも高圧となるように制御されるため、第二油圧ポンプBからの供給圧油のみを確実にオプション用合流油路22に流すことができる。一方、第一油圧ポンプAの吐出流量は他油圧アクチュエータに分配され、しかして、オプション油圧アクチュエータ13と他油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、バケットシリンダ10)との良好な連動操作性を確保できる。
【0040】
[例5]
次に、オプション用操作具がブーム用操作具、スティック用操作具およびバケット用操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13には第二油圧ポンプBから圧油供給し、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9およびバケットシリンダ10には第一油圧ポンプAから圧油供給する場合を例5として説明する。
この場合、コントローラ30は、オプション用、ブーム用、スティック用、バケット用操作検出手段84、80、81、82から操作信号が入力されると、まず、オプション用第二、ブーム用第一、スティック用第一、バケット第一操作量を設定する。さらに、該オプション用第二、ブーム用第一、スティック用第一、バケット用第一操作量に応じて、オプション用第二、ブーム用第一、スティック用第一、バケット用第一要求流量、およびオプション用第二マージン加算要求流量を求める。そして、オプション用第二マージン加算要求流量を目標吐出流量として第二油圧ポンプBの吐出流量制御がなされ、ブーム用第一要求流量、スティック用第一要求流量およびバケット用第一要求流量の合計を目標吐出流量として(合計流量が第一油圧ポンプAの最大吐出流量を超えた場合には最大吐出流量を目標吐出流量として)第一油圧ポンプAの吐出流量制御がなされる。さらにコントローラ30は、前記オプション用第二、ブーム用第一、スティック用第一、バケット用第一操作量に応じてオプション用第二、ブーム用第一、スティック用第一、バケット用第一要求圧力を設定する。そして、オプション用第二要求圧力を第二ポンプ要求圧力PR2とし、また、ブーム用第一、スティック用第一、バケット用第一要求圧力のうち最高圧を第一ポンプ要求圧力PR1とする。さらに、前記例4と同様にして第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2を設定し、該目標圧力PT1、PT2となるように第一、第二ブリード弁75、76の開口面積を制御するが、この場合に、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第二油圧ポンプBの目標圧力PT2は、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給しない第一油圧ポンプAの目標圧力PT1よりも高圧に設定される。そして、第二油圧ポンプBからの供給圧油は、第二ポンプラインD、第二オプション用供給油路21を経由してオプション用合流油路22に流れるが、この場合、例4と同様に、オプション用合流油路22には第二油圧ポンプBからの供給圧油が優先的に流れ、第一油圧ポンプAからの供給圧油は流れないようになっている。そして、オプション用合流油路22に流れた第二油圧ポンプBからの供給圧油は、コンペンセータ弁61、オプション用コントロールバルブ60を経由してオプション油圧アクチュエータ13に供給されるが、この場合のオプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積制御や、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPの設定、必要に応じて行われる切換弁74の切換え制御については、例1と同様であるため説明を省略する。一方、第一油圧ポンプAからの供給圧油は、第一ポンプラインCから第一ブーム用供給油路14に流れ、ブーム用コントロールバルブ23を経由してブームシリンダ8に供給されるとともに、第一ポンプラインCから第一スティック用供給油路16に流れて、第一スティック用流量制御弁32、スティック用コントロールバルブ24を経由してスティックシリンダ9に供給され、さらに、第一ポンプラインCから第一バケット用供給油路15に流れて、バケット用コントロールバルブ25を経由してバケットシリンダ10に供給される。この場合のブーム用、スティック用、バケット用コントロールバルブ23、24、25の供給用弁路23c、24c、25c、第一スティック用流量制御弁32の開口面積の制御は、前述したバルブ開口面積制御部93の制御によって、第一油圧ポンプAの吐出流量をブーム用第一要求流量、スティック用第一要求流量、バケット用第一要求流量の比率で分配したブーム用第一分配流量、スティック用第一分配流量、バケット用第一分配流量に対応した開口面積となるように制御される。尚、例5ではブームシリンダ8、スティックシリンダ9には第一油圧ポンプAからのみ圧油供給される構成のため、第二ブーム用供給油路18に配設のブーム用流量制御弁31、第二スティック用供給油路19に配設の第二スティック用流量制御弁33は閉じるように制御される。
このように、例5では、オプション用操作具が他油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10)用の操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13には第二油圧ポンプBから圧油供給され、他油圧アクチュエータには第一油圧ポンプAから圧油供給されるが、この場合においても、例1~4と同様に、オプション用コントロールバルブ60への供給圧力は、個々のオプション油圧アクチュエータ13に応じて設定されるオプション用上限圧力PU以下となるように制御されるとともに、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を高精度に制御できる。しかも、例4と同様に、第二油圧ポンプBからの供給圧油のみを確実にオプション用合流油路22に流すことができるとともに、オプション油圧アクチュエータ13と他油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10)との良好な連動操作性を確保できる。そして、例5のように、オプション油圧アクチュエータ13には第一、第二の何れか一方の油圧ポンプ(例5では第二油圧ポンプB)から圧油供給し、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9およびバケットシリンダ10には何れか他方の油圧ポンプ(例5では第一油圧ポンプA)から圧油供給する構成することで、オプション油圧アクチュエータ13が油圧ポンプ一つ分の吐出流量の殆どを必要とする油圧アクチュエータであっても、一方の油圧ポンプからのみ圧油供給する構成にすることができる。
【0041】
[例6]
次に、オプション用操作具がブーム用操作具、旋回用操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13およびブームシリンダ8には第一油圧ポンプAから圧油供給し、旋回モータ11には第二油圧ポンプBから圧油供給する場合を例6として説明する。
この場合、コントローラ30は、オプション用、ブーム用、旋回用操作検出手段84、80、83から操作信号が入力されると、まず、オプション用第一、ブーム用第一、旋回用第二操作量を設定する。さらに、該オプション用第一、ブーム用第一、旋回用第二操作量に応じて、オプション用第一、ブーム用第一、旋回用第二要求流量、およびオプション用第一マージン加算要求流量を求める。そして、オプション用第一マージン加算要求流量とブーム用第一要求流量との合計を目標吐出流量として(合計流量が第一油圧ポンプAの最大吐出流量を超えた場合には最大吐出流量を目標吐出流量として)第一油圧ポンプAの吐出流量制御がなされ、また、旋回用第二要求流量を目標吐出流量として第二油圧ポンプBの吐出流量制御がなされる。さらにコントローラ30は、前記オプション用第一、ブーム用第一、旋回用第二操作量に応じてオプション用第一、ブーム用第一、旋回用第二要求圧力を設定する。そして、オプション用第一、ブーム用第一要求圧力のうち高圧の方を第一ポンプ要求圧力PR1とし、また、旋回用第二要求圧力を第二ポンプ要求圧力PR2とする。さらに、前記第一ポンプ要求圧力PR1と第二ポンプ要求圧力PR2とを比較し、該比較結果に基づいて第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2を設定するが、この場合、前述したブリード制御部94の制御によって、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第一油圧ポンプAの目標圧力PT1は、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給しない第二油圧ポンプBの目標圧力PT2よりも高圧に設定され、該目標圧力PT1、PT2となるように第一、第二ブリード弁75、76の開口面積が制御される。そして、第一油圧ポンプAからの供給圧油は、第一ポンプラインCから第一ブーム用供給油路14に流れ、ブーム用コントロールバルブ23を経由してブームシリンダ8に供給されるとともに、第一ポンプラインCから第一オプション用供給油路17を経由してオプション用合流油路22に流れるが、この場合、第一油圧ポンプAの吐出圧は第二油圧ポンプBの吐出圧よりも高圧のため、第一油圧ポンプAからの供給圧油が優先的にオプション用合流油路22に流れて、第二油圧ポンプBからの供給圧油はオプション用合流油路22には流れないようになっている。そして、前記第一ブーム用供給油路14からブーム用コントロールバルブ23に供給された第一油圧ポンプAからの供給圧油は、該ブーム用コントロールバルブ23の供給用弁路23cの開口面積によってブームシリンダ8への供給流量が制御されるが、この場合、前述したバルブ開口面積制御部93の制御によって、ブーム用コントロールバルブ23の供給用弁路23cの開口面積は、第一油圧ポンプAの吐出流量をオプション用第一マージン加算要求流量、ブーム用第一要求流量の比率で分配して求めたブーム用第一分配流量に対応した開口面積となるように制御される。これにより、第一油圧ポンプAからオプション用合流油路22には、オプション用第一要求流量にマージン流量αを加算したオプション用第一マージン加算要求流量が流れる。そして、オプション用合流油路22に流れた第一油圧ポンプAからの供給圧油は、オプション用合流油路22に配設のコンペンセータ弁61、オプション用コントロールバルブ60を経由してオプション油圧アクチュエータ13に供給される。この場合、オプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積は、オプション用第一要求流量に対応する開口面積となるように制御されるが、該開口面積の制御や、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPの設定、コンペンセータ弁61の作用、必要に応じて行われる切換弁74の切換え制御については、例1と同様であるため説明を省略する。一方、第二油圧ポンプBからの供給圧油は、第二ポンプラインDから第二旋回用供給油路20に流れ、旋回用コントロールバルブ26を経由して旋回モータ11に供給される。この場合の旋回用コントロールバルブ26の供給用弁路26cの開口面積の制御は、第二油圧ポンプBから圧油供給される油圧アクチュエータは旋回モータ11のみであるため、旋回用第二要求流量に対応した開口面積となるように制御される。尚、例6ではブームシリンダ8には第一油圧ポンプAからのみ圧油供給される構成のため、第二ブーム用供給油路18に配設のブーム用流量制御弁31は閉じるように制御される。
このように、例6では、オプション用操作具が二つの他油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、旋回モータ11)用の操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13と一方の他油圧アクチュエータには第一油圧ポンプAから圧油供給され、他方の他油圧アクチュエータには第二油圧ポンプBから圧油供給されるが、このようにオプション油圧アクチュエータ13が他油圧アクチュエータと第一油圧ポンプAを共用する場合であっても、オプション用合流油路22には、オプション用第一要求流量にマージン流量αを加算したオプション用第一マージン加算要求流量が供給されるため、コンペンセータ弁61で差圧調整のために流量制御されてもオプション用コントロールバルブ60への供給流量が不足してしまうことなく、そして、この場合においても、前記例1~5と同様に、オプション用コントロールバルブ60への供給圧力は、個々のオプション油圧アクチュエータ13に応じて設定されるオプション用上限圧力PU以下となるように制御されるとともに、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を高精度に制御できる。しかもこの場合に、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第一油圧ポンプAの吐出圧は第二油圧ポンプBの吐出圧よりも高圧となるように制御されるため、第一油圧ポンプAからの供給圧油のみを確実にオプション用合流油路22に流すことができる。一方、第二油圧ポンプBの吐出流量は他方の他油圧アクチュエータに供給され、しかして、オプション油圧アクチュエータ13と他油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、旋回モータ11)との良好な連動操作性を確保できる。
【0042】
[例7]
次に、オプション用操作具がブーム用操作具、スティック操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13およびスティックシリンダ9には第二油圧ポンプBから圧油供給し、ブームシリンダ8には第一油圧ポンプAから圧油供給する場合を例7として説明する。
この場合、コントローラ30は、オプション用、スティック用、ブーム用操作検出手段84、81、80から操作信号が入力されると、まず、オプション用第二、スティック用第二、ブーム用第一操作量を設定する。さらに、該オプション用第二、スティック用第二、ブーム用第一操作量に応じて、オプション用第二、スティック用第二、ブーム用第一要求流量、およびオプション用第二マージン加算要求流量を求める。そして、オプション用第二マージン加算要求流量とスティック用第二要求流量との合計を目標吐出流量として(合計流量が第二油圧ポンプBの最大吐出流量を超えた場合には最大吐出流量を目標吐出流量として)第二油圧ポンプBの吐出流量制御がなされ、また、ブーム用第一要求流量を目標吐出流量として第一油圧ポンプAの吐出流量制御がなされる。さらにコントローラ30は、前記オプション用第二、スティック用第二、ブーム用第一操作量に応じてオプション用第二、スティック用第二、ブーム用第一要求圧力を設定する。そして、オプション用第二、スティック用第二要求圧力のうち高圧の方を第二ポンプ要求圧力PR2とし、また、ブーム用第一要求圧力を第一ポンプ要求圧力PR1とする。さらに、前記第一ポンプ要求圧力PR1と第二ポンプ要求圧力PR2とを比較し、該比較結果に基づいて第一、第二油圧ポンプA、Bの目標圧力PT1、PT2を設定するが、この場合、前述したブリード制御部94の制御によって、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第二油圧ポンプBの目標圧力PT2は、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給しない第一油圧ポンプAの目標圧力PT1よりも高圧に設定され、該目標圧力PT1、PT2となるように第一、第二ブリード弁75、76の開口面積が制御される。そして、第二油圧ポンプBからの供給圧油は、第二ポンプラインDから第二スティック用供給油路19に流れ、第二スティック用流量制御弁33、スティック用コントロールバルブ24を経由してスティックシリンダ9に供給されるとともに、第二ポンプラインDから第二オプション用供給油路21を経由してオプション用合流油路22に流れるが、この場合、第二油圧ポンプBの吐出圧は第一油圧ポンプAの吐出圧よりも高圧のため、第二油圧ポンプBからの供給圧油が優先的にオプション用合流油路22に流れて、第一油圧ポンプAからの供給圧油はオプション用合流油路22には流れないようになっている。そして、前記第二スティック用供給油路19から第二スティック用流量制御弁33を経由してスティック用コントロールバルブ24に供給された第二油圧ポンプBの吐出油は、第二スティック用流量制御弁33およびスティック用コントロールバルブ24の供給用弁路24cの開口面積によってスティックシリンダ9への供給流量が制御されるが、この場合、前述したバルブ開口面積制御部93の制御によって、第二スティック用流量制御弁33、スティック用コントロールバルブ24の供給用弁路24cの開口面積は、第二油圧ポンプBの吐出流量をオプション用第二マージン加算要求流量、スティック用第二要求流量の比率で分配して求めたスティック用第二分配流量に対応した開口面積となるように制御される。これにより、第二油圧ポンプBからオプション用合流油路22には、オプション用第二要求流量にマージン流量αを加算したオプション用第二マージン加算要求流量が流れる。そして、オプション用合流油路22に流れた第二油圧ポンプBからの供給圧油は、オプション用合流油路22に配設のコンペンセータ弁61、オプション用コントロールバルブ60を経由してオプション油圧アクチュエータ13に供給される。この場合、オプション用コントロールバルブ60の供給用弁路60fの開口面積は、オプション用第二要求流量に対応する開口面積となるように制御されるが、該開口面積の制御や、可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPの設定、コンペンセータ弁61の作用、必要に応じて行われる切換弁74の切換え制御については、例1と同様であるため説明を省略する。一方、第一油圧ポンプAからの供給圧油は、第一ポンプラインCから第一ブーム用供給油路14に流れ、ブーム用コントロールバルブ23を経由してブームシリンダ8に供給される。この場合のブーム用コントロールバルブ23の供給用弁路23cの開口面積の制御は、第一油圧ポンプAから圧油供給される油圧アクチュエータはブームシリンダ8のみであるため、ブーム用第一要求流量に対応した開口面積となるように制御される。尚、例7では、ブームシリンダ8には第一油圧ポンプAからのみ圧油供給される構成のため、第二ブーム用供給油路18に配設のブーム用流量制御弁31は閉じるように制御され、また、スティックシリンダ9には第二油圧ポンプBからのみ圧油供給される構成のため、第一スティック用供給油路16に配設の第一スティック用流量制御弁32は閉じるように制御される。
このように、例7では、オプション用操作具が二つの他油圧アクチュエータ(スティックシリンダ9、ブームシリンダ8)用の操作具と連動操作され、且つ、オプション油圧アクチュエータ13と一方の他油圧アクチュエータには第二油圧ポンプBから圧油供給され、他方の他油圧アクチュエータには第一油圧ポンプAから圧油供給されるが、このようにオプション油圧アクチュエータ13が他油圧アクチュエータと第二油圧ポンプBを共用する場合であっても、オプション用合流油路22には、オプション用第一要求流量にマージン流量αを加算したオプション用第一マージン加算要求流量が供給されるため、コンペンセータ弁61で差圧調整のために流量制御されてもオプション用コントロールバルブ60への供給流量が不足してしまうことなく、そして、この場合においても、前記例1~6と同様に、オプション用コントロールバルブ60への供給圧力は、個々のオプション油圧アクチュエータ13に応じて設定されるオプション用上限圧力PU以下となるように制御されるとともに、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を高精度に制御できる。しかもこの場合に、オプション油圧アクチュエータ13に圧油供給する第二油圧ポンプBの吐出圧は第一油圧ポンプAの吐出圧よりも高圧となるように制御されるため、第二油圧ポンプBからの供給圧油のみを確実にオプション用合流油路22に流すことができる。一方、第一油圧ポンプAの吐出流量は他方の他油圧アクチュエータに供給され、しかして、オプション油圧アクチュエータ13と他油圧アクチュエータ(スティックシリンダ9、ブームシリンダ8)との良好な連動操作性を確保できる。
【0043】
叙述の如く構成された実施の形態において、油圧ショベル1の油圧制御システムは、第一、第二油圧ポンプA、Bと、油圧ショベル1に選択的に装着され、第一、第二油圧ポンプA、Bの何れか一方の油圧ポンプあるいは両方の油圧ポンプを油圧供給源とするオプション油圧アクチュエータ13と、第一、第二油圧ポンプの何れか一方の油圧ポンプあるいは両方の油圧ポンプを油圧供給源とするブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11(他油圧アクチュエータ)とを備えるとともに、第一、第二油圧ポンプA、Bにそれぞれ接続され、オプション油圧アクチュエータ13への圧油供給路となる第一、第二オプション用供給油路17、21と、第一、第二油圧ポンプA、Bにそれぞれ接続され、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11への圧油供給路となる第一、第二ブーム用供給油路14、18、第一、第二スティック用供給油路16、19、第一バケット用供給油路15、第二旋回用供給油路20(第一、第二他油圧アクチュエータ用供給油路)と、前記第一、第二オプション用供給油路17、21が合流するオプション用合流油路22と、オプション油圧アクチュエータ13に対する油給排制御を行うオプション用コントロールバルブ60と、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11に対する油給排制御をそれぞれ行うブーム用、スティック用、バケット用、旋回用コントロールバルブ23~26(他油圧アクチュエータ用コントロールバルブ)と、これらオプション用コントロールバルブ60およびブーム用、スティック用、バケット用、旋回用コントロールバルブ23~26を制御するコントローラ30とが設けられているが、このものにおいて、前記オプション用合流油路22に、前記オプション用コントロールバルブ60と、該オプション用コントロールバルブ60の上流側に配され、オプション用コントロールバルブ60の入口側圧力と出口側圧力とを導入して該導入された入口側圧力と出口側圧力との差圧を所定圧Kに保持するべく作動するコンペンセータ弁61とを設けるとともに、該コンペンセータ弁61にオプション用コントロールバルブ60の出口側圧力を導入する信号圧導入油路62に、コントローラ30からの制御信号でリリーフ設定圧LPを可変できる可変リリーフ弁65を接続し、該可変リリーフ弁65により信号圧導入油路62の圧力をリリーフ設定圧LPまで低下させてコンペンセータ弁61に導入することで、オプション用コントロールバルブ60の入口側のオプション用合流油路22の圧力を、コントローラ30から可変リリーフ弁65に出力される制御信号に基づいて可変制御できることになる。
【0044】
この結果、オプション用コントロールバルブ60により流量制御されてオプション油圧アクチュエータ13に供給される圧油の上限圧力を、信号圧導入油路62に接続された可変リリーフ弁65のリリーフ設定圧LPをコントローラ30からの制御信号で変更することで、個々のオプション油圧アクチュエータ13に対応した圧力となるよう可変制御できることになり、よって、オプション用コントロールバルブ60からオプション油圧アクチュエータ13に至る一対の第一、第二油圧アクチュエータ油路67、68にそれぞれ可変リリーフ弁を配してオプション用油圧アクチュエータ13への供給圧油の上限圧力を可変制御する構成のものと比して、可変リリーフ弁の削減が図れてコストダウンに貢献できる。しかも、前記コンペンセータ弁61によって、オプション用コントロールバルブ60の入口側圧力と出口側圧力との差圧は所定圧Kに保持されるから、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を高精度に制御できる。
【0045】
さらに、前記油圧制御システムには、コントローラ30から出力される制御信号に基づいて第一、第二油圧ポンプA、Bから油タンク12に流れるブリード流量をそれぞれ制御する第一、第二ブリード弁75、76が設けられており、該第一、第二ブリード弁75、76によるブリード流量制御によって第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧を制御する構成になっているが、この場合に、コントローラ30は、オプション油圧アクチュエータ13が第一、第二油圧ポンプA、Bのうち何れか一方の油圧ポンプのみを油圧供給源とする場合には、該油圧供給源となる一方の油圧ポンプの吐出圧を油圧供給源でない他方の油圧ポンプの吐出圧よりも高くし、オプション油圧アクチュエータ13が第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bを油圧供給源とする場合には、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出圧が等しくなるようにブリード流量制御を行うことになる。この結果、オプション油圧アクチュエータ13が第一、第二油圧ポンプA、Bのうち何れか一方の油圧ポンプのみを油圧供給源とする場合には、該油圧供給源となる一方の油圧ポンプからの供給圧油をオプション用合流油路22に優先的に流すことができて、油圧供給源でない他方の油圧ポンプの供給圧油はオプション用合流油路22に流れず、また、オプション油圧アクチュエータ13が第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bを油圧供給源とする場合には、両方の油圧ポンプA、Bからの供給圧油をオプション用合流油路22で合流させることができることになり、よって、第一、第二オプション用供給油路17、21に該油路17、21を開閉するバルブをそれぞれ設けなくても、第一、第二油圧ポンプA、Bの何れか一方の油圧ポンプを油圧供給源にする場合にも両方の油圧ポンプを油圧供給源とする場合にも、油圧供給源とする油圧ポンプからの供給圧油のみをオプション用合流油路22に供給できることになって、部品点数の削減が図れ、コストダウンに貢献できる。
【0046】
さらに、前記コントローラ30は、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量制御も行うが、この場合に、コントローラ30は、オプション用、ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用の操作具操作量に応じて各油圧アクチュエータがそれぞれ第一、第二油圧ポンプA、Bに要求するオプション用第一、第二要求流量、ブーム用第一、第二要求流量、スティック用第一、第二要求流量、バケット用第一要求流量、旋回用第二要求流量、およびコンペンセータ弁61の差圧調整のためのマージン流量をオプション用第一、第二要求流量に加算したオプション用第一、第二マージン加算要求流量を求め、これら要求流量に基づいて第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量を制御するとともに、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11が操作された場合には要求流量としてブーム用第一、第二要求流量、スティック用第一、第二要求流量、バケット用第一要求流量、旋回用第二要求流量を用いる一方、オプション油圧アクチュエータ13が操作された場合には要求流量としてオプション用第一、第二マージン加算要求流量を用いることになる。この結果、操作具操作量に応じて第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量制御を行うことができるとともに、オプション油圧アクチュエータ13が操作された場合には、オプション用油圧アクチュエータ13が要求する第一、第二要求流量に、差圧調整のためのマージン流量αを加算した第一、第二マージン加算要求流量を、オプション油圧アクチュエータ13用のポンプ流量として確保できることになる。
【0047】
さらに、前記コントローラ30は、前記オプション用第一、第二要求流量、ブーム用第一、第二要求流量、スティック用第一、第二要求流量、バケット用第一要求流量、旋回用第二要求流量、およびオプション用第一、第二要求流量にマージン流量αを加算したオプション用第一、第二マージン加算要求流量に基づいて、オプション用コントロールバルブ60、ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用コントロールバルブ23~26の開口面積をそれぞれ制御するが、この場合に、オプション用コントロールバルブ60については、オプション用第一、第二要求流量を合計した合計流量がオプション油圧アクチュエータ13に供給されるように開口面積を制御する一方、ブーム用、スティック用、バケット用、旋回用コントロールバルブ23~26については、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量をオプション用第一、第二マージン加算要求流量、ブーム用第一、第二要求流量、スティック用第一、第二要求流量、バケット用第一要求流量、旋回用第二要求流量に応じて分配したブーム用第一、第二分配流量、スティック用第一、第二分配流量、バケット用第一分配流量、旋回用第二分配流量を求め、各油圧アクチュエータ用の第一、第二分配流量を合計した合計流量がブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11に供給されるように開口面積を制御することになる。この結果、オプション油圧アクチュエータ13が油圧ポンプAまたは/およびBを共用する他油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10、旋回モータ11)と連動操作される場合であっても、オプション用合流油路22にはオプション用第一、第二マージン加算要求流量が供給されることになって、オプション油圧アクチュエータ13への供給流量を確実に確保でき、しかして、例えばオプション油圧アクチュエータ13が一定流量を必要とする油圧アクチュエータの場合に、他油圧アクチュエータとの連動時にオプション油圧アクチュエータ13への供給流量が不足してしまうような不具合を確実に回避できるとともに、他油圧アクチュエータとの良好な連動操作性を確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械において、該作業機械にオプション油圧アクチュエータを装着する場合の油圧制御システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
8 ブームシリンダ
9 スティックシリンダ
10 バケットシリンダ
11 旋回モータ
12 油タンク
13 オプション油圧アクチュエータ
14 第一ブーム用供給油路
15 第一バケット用供給油路
16 第一スティック用供給油路
17 第一オプション用供給油路
18 第二ブーム用供給油路
19 第二スティック用供給油路
20 第二旋回用供給油路
21 第二オプション用供給油路
22 オプション用合流油路
23 ブーム用コントロールバルブ
24 スティック用コントロールバルブ
25 バケット用コントロールバルブ
26 旋回用コントロールバルブ
30 コントローラ
60 オプション用コントロールバルブ
61 コンペンセータ弁
62 信号圧導入油路
65 可変リリーフ弁
75 第一ブリード弁
76 第二ブリード弁
91 要求流量設定部
92 ポンプ制御部
93 バルブ開口面積制御部
94 ブリード制御部
A 第一油圧ポンプ
B 第二油圧ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11