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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084354
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】情報処理システム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230612BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198483
(22)【出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】519455807
【氏名又は名称】株式会社IoZ
(71)【出願人】
【識別番号】520263796
【氏名又は名称】いくつものかたち株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】吉田 柳太郎
(72)【発明者】
【氏名】西田 秀穂
(72)【発明者】
【氏名】木原 倫文
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】車両レンタル中のユーザに対する各種サービスの提供を実現すること。
【解決手段】ユーザの顔認証用画像と当該車両を識別するための車両識別情報とを含む情報を車載端末がサーバに送信し、サーバは、そのうちの顔認証用画像を顔認証手段に適用することでユーザを特定して車両識別情報を用いてレンタル情報を参照することで、車載端末において顔認証を行ったユーザが当該車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定して判定結果を車載端末に対して送信する。また、ユーザの顔認証用画像を含む情報を施設端末がサーバに送信し、サーバは、顔認証用画像を顔認証手段に適用することでユーザを特定してレンタル情報を参照することで、当該ユーザが前記車両をレンタル中であるか否かを判定して判定結果を施設端末に対して送信する。車両レンタル中のユーザは施設において特典を得られる構成とすれば、ユーザを施設に誘導できる効果がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、車両に搭載される車載端末と、店舗などの施設に設置される施設端末とを備え、前記車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するための情報処理システムであって、
前記車載端末は、
前記車両に対応付けられた所定の撮影手段に基づいて撮影された前記ユーザの顔認証用画像と当該車両を識別するための車両識別情報とを含む車載端末認証用情報を前記サーバに送信する車載側送信部と、
前記サーバからの各種情報を受信する車載側受信部とを備え、
前記施設端末は、
前記施設内に備えられた所定の撮影手段に基づいて撮影された前記ユーザの顔認証用画像を含む施設端末認証用情報を前記サーバに送信する施設側送信部と、
前記サーバからの各種情報を受信する施設側受信部とを備え、
前記サーバは、
所定の撮影手段によって撮影された前記ユーザの顔が写っている登録用画像と、当該ユーザを特定するためのユーザ特定情報とを取得し、前記登録用画像とユーザ特定情報とを用いて所定の顔認証手段に対して学習を行うことで当該ユーザの顔認証事前登録を実行する顔認証事前登録部と、
前記ユーザが前記車両をレンタルする際に、当該ユーザのユーザ特定情報と、当該ユーザに貸し出す前記車両の前記車両識別情報とを関連付けてレンタル情報として記憶させるレンタル情報登録部と、
前記車載端末から受信した前記車載端末認証用情報のうちの前記顔認証用画像を前記顔認証手段に適用することで前記ユーザを特定して前記ユーザ特定情報を取得し、かつ、当該車載端末認証用情報のうちの車両識別情報を用いて前記レンタル情報を参照することで、前記車載端末において顔認証を行ったユーザが当該車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定して判定結果を前記車載端末に対して送信する第1判定部と、
前記施設端末から受信した前記施設端末認証用情報のうちの前記顔認証用画像を前記顔認証手段に適用することで前記ユーザを特定して前記ユーザ特定情報を取得し、当該ユーザ特定情報を用いて前記レンタル情報を参照することで当該ユーザが前記車両をレンタル中であるか否かを判定して判定結果を前記施設端末に対して送信する第2判定部とを備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記車載端末は、
前記第1判定部から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているユーザと一致しているとの結果であった場合に、前記車両の駆動を許可する許可信号を前記車両が備える駆動管理手段に対して送信する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記施設端末は、
前記第2判定部から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているとの結果であった場合に、前記ユーザに対して特典を付与する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
レンタルの対象となる前記車両は、電気自動車又は水素エンジン自動車であり、
前記施設の少なくも一部は、前記車両の動力維持のために必要な保守設備を備えており、
前記サーバは、前記保守設備を備えた前記施設を案内するための案内情報を前記車載端末に対して送信する案内情報送信部を備える
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記車載端末は、所定タイミングにて取得した前記車両の位置情報を前記サーバに送信する位置情報送信部を備え、
前記サーバは、前記車載端末から受信した前記位置情報に基づいて当該車両の移動履歴情報を生成する履歴情報生成部を備える
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記第2判定部による判定を行った判定履歴情報を記録するようにし、前記判定履歴情報を前記施設に対する滞在履歴情報として、前記移動履歴情報と合わせて記録する
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
サーバと、車両に搭載される車載端末と、店舗などの施設に設置される施設端末とを備え、前記車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するための情報処理システムにおけるサーバであって、
所定の撮影手段によって撮影された前記ユーザの顔が写っている登録用画像と、当該ユーザを特定するためのユーザ特定情報とを取得し、前記登録用画像とユーザ特定情報とを用いて所定の顔認証手段に対して学習を行うことで当該ユーザの顔認証事前登録を実行する顔認証事前登録部と、
前記ユーザが前記車両をレンタルするにあたり、当該ユーザのユーザ特定情報と、当該ユーザに貸し出す前記車両の前記車両識別情報とを関連付けてレンタル情報として記憶させるレンタル情報登録部と、
前記車両内に備えられた所定の撮影手段に基づいて撮影された前記ユーザの顔認証用画像と当該車両を識別するための車両識別情報とを含む車載端末認証用情報を前記車載端末から受信し、そのうちの前記顔認証用画像を前記顔認証手段に適用することで前記ユーザを特定して前記ユーザ特定情報を取得し、かつ、前記車両識別情報を用いて前記レンタル情報を参照することで、前記車載端末において顔認証を行ったユーザが当該車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定して判定結果を前記車載端末に対して送信する第1判定部と、
前記施設内に備えられた所定の撮影手段に基づいて撮影された前記ユーザの顔認証用画像を含む施設端末認証用情報を前記施設端末から受信し、前記顔認証用画像を前記顔認証手段に適用することで前記ユーザを特定して前記ユーザ特定情報を取得し、当該ユーザ特定情報を用いて前記レンタル情報を参照することで、当該ユーザが前記車両をレンタル中であるか否かを判定して判定結果を前記施設端末に対して送信する第2判定部とを備える
ことを特徴とするサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するための情報処理システム及びサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両をユーザに対して貸し出す車両レンタル事業が存在する。車両を所有していない場合や、普段の生活圏ではない土地において車両を利用したい場合など、ユーザは車両を利用したい場合にのみ車両をレンタルすることが可能である。特に、飛行機や新幹線によって訪れた観光地において観光を行うために車両を利用したいというニーズは多いといえる。例えば、特許文献1には、電気自動車をレンタルして利用する際に、目的地に向かうまでの途中で電気自動車のバッテリの充電又は交換が必要と判断される場合に、バッテリの充電又は交換に対応可能な高速道路のサービスエリアの情報をユーザに提示するためのEV走行支援業務装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-128019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、観光地に対して観光客を呼び込むことで観光地の経済をより活性化させたいという思いは、観光業に携わる者を含め関係者など多数の者が持つ願望である。自治体としても地域活性化は喫緊の課題であり、対策が望まれるところである。このような状況において、観光地における車両レンタル事業は、観光地の活性化に寄与する側面があるといえるが、積極的な活性化の仕組みとはいえない。すなわち、従来の車両のレンタル事業は、車両をレンタルしたユーザに対して観光地におけるメリットを実感可能な各種サービスを提供し得る仕組みとはなっていないのが実情であり、また、観光業に携わる者にとってもメリットのある地域活性化の仕組みを提供するには至っていないというのが実情である。また、このような地域活性化の仕組みを実際にユーザに利用してもらうためにも、ユーザにとって簡易な方法で実現することが望まれている。
【0005】
また、既存の車両レンタル事業における手続の際には、書面へのサインや、個人を特定するためのID及びパスワードを用いたログインが要求されている。よって、既存の車両レンタル事業において電気自動車などの車両をレンタルしようとすると、初回レンタルの手続時、電気自動車のバッテリが無くなりそうな場合の車両の乗り換え手続時若しくはバッテリ交換時など、手続の度に書面へのサインやログイン作業がユーザに要求されてしまうことになる。そのため、ユーザにとって車両レンタル時の手続及びレンタル途中での手続が煩雑に感じてしまい、車両をレンタルすること自体が億劫となってしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みなされたものであり、車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するための情報処理システム及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理システムは、サーバと、車両に搭載される車載端末と、店舗などの施設に設置される施設端末とを備え、前記車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するための情報処理システムであって、前記車載端末は、前記車両に対応付けられた所定の撮影手段に基づいて撮影された前記ユーザの顔認証用画像と当該車両を識別するための車両識別情報とを含む車載端末認証用情報を前記サーバに送信する車載側送信部と、前記サーバからの各種情報を受信する車載側受信部とを備え、前記施設端末は、前記施設内に備えられた所定の撮影手段に基づいて撮影された前記ユーザの顔認証用画像を含む施設端末認証用情報を前記サーバに送信する施設側送信部と、前記サーバからの各種情報を受信する施設側受信部とを備え、前記サーバは、所定の撮影手段によって撮影された前記ユーザの顔が写っている登録用画像と、当該ユーザを特定するためのユーザ特定情報とを取得し、前記登録用画像とユーザ特定情報とを用いて所定の顔認証手段に対して学習を行うことで当該ユーザの顔認証事前登録を実行する顔認証事前登録部と、前記ユーザが前記車両をレンタルする際に、当該ユーザのユーザ特定情報と、当該ユーザに貸し出す前記車両の前記車両識別情報とを関連付けてレンタル情報として記憶させるレンタル情報登録部と、前記車載端末から受信した前記車載端末認証用情報のうちの前記顔認証用画像を前記顔認証手段に適用することで前記ユーザを特定して前記ユーザ特定情報を取得し、かつ、当該車載端末認証用情報のうちの車両識別情報を用いて前記レンタル情報を参照することで、前記車載端末において顔認証を行ったユーザが当該車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定して判定結果を前記車載端末に対して送信する第1判定部と、前記施設端末から受信した前記施設端末認証用情報のうちの前記顔認証用画像を前記顔認証手段に適用することで前記ユーザを特定して前記ユーザ特定情報を取得し、当該ユーザ特定情報を用いて前記レンタル情報を参照することで当該ユーザが前記車両をレンタル中であるか否かを判定して判定結果を前記施設端末に対して送信する第2判定部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報処理システムにおいて、さらに、前記車載端末は、前記第1判定部から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているユーザと一致しているとの結果であった場合に、前記車両の駆動を許可する許可信号を前記車両が備える駆動管理手段に対して送信するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報処理システムにおいて、さらに、前記施設端末は、前記第2判定部から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているとの結果であった場合に、前記ユーザに対して特典を付与するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報処理システムにおいて、さらに、レンタルの対象となる前記車両は、電気自動車又は水素エンジン自動車であり、前記施設の少なくも一部は、前記車両の動力維持のために必要な保守設備を備えており、前記サーバは、前記保守設備を備えた前記施設を案内するための案内情報を前記車載端末に対して送信する案内情報送信部を備えるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報処理システムにおいて、さらに、前記車載端末は、所定タイミングにて取得した前記車両の位置情報を前記サーバに送信する位置情報送信部を備え、
前記サーバは、前記車載端末から受信した前記位置情報に基づいて当該車両の移動履歴情報を生成する履歴情報生成部を備えるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報処理システムにおいて、さらに、前記サーバは、前記第2判定部による判定を行った判定履歴情報を記録するようにし、前記判定履歴情報を前記施設に対する滞在履歴情報として、前記移動履歴情報と合わせて記録するようにしたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るサーバは、サーバと、車両に搭載される車載端末と、店舗などの施設に設置される施設端末とを備え、前記車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するための情報処理システムにおけるサーバであって、所定の撮影手段によって撮影された前記ユーザの顔が写っている登録用画像と、当該ユーザを特定するためのユーザ特定情報とを取得し、前記登録用画像とユーザ特定情報とを用いて所定の顔認証手段に対して学習を行うことで当該ユーザの顔認証事前登録を実行する顔認証事前登録部と、前記ユーザが前記車両をレンタルするにあたり、当該ユーザのユーザ特定情報と、当該ユーザに貸し出す前記車両の前記車両識別情報とを関連付けてレンタル情報として記憶させるレンタル情報登録部と、前記車両内に備えられた所定の撮影手段に基づいて撮影された前記ユーザの顔認証用画像と当該車両を識別するための車両識別情報とを含む車載端末認証用情報を前記車載端末から受信し、そのうちの前記顔認証用画像を前記顔認証手段に適用することで前記ユーザを特定して前記ユーザ特定情報を取得し、かつ、前記車両識別情報を用いて前記レンタル情報を参照することで、前記車載端末において顔認証を行ったユーザが当該車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定して判定結果を前記車載端末に対して送信する第1判定部と、前記施設内に備えられた所定の撮影手段に基づいて撮影された前記ユーザの顔認証用画像を含む施設端末認証用情報を前記施設端末から受信し、前記顔認証用画像を前記顔認証手段に適用することで前記ユーザを特定して前記ユーザ特定情報を取得し、当該ユーザ特定情報を用いて前記レンタル情報を参照することで、当該ユーザが前記車両をレンタル中であるか否かを判定して判定結果を前記施設端末に対して送信する第2判定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するための情報処理システム及びサーバを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る情報処理システム100の構成の一例を表したブロック図である。
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10の構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する車載端末20の構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する施設端末30の構成の一例を示すブロック図である。
図5】本発明に係るサーバ10における顔認証事前登録処理の流れを表したフローチャート図である。
図6】本発明に係るサーバ10におけるレンタル情報登録処理の流れを表したフローチャート図である。
図7】本発明に係るサーバ10における第1判定処理の流れを表したフローチャート図である。
図8】本発明に係るサーバ10における第2判定処理の流れを表したフローチャート図である。
図9】本発明に係る情報処理システム100の利用例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る情報処理システムの例について説明する。図1は、本発明に係る情報処理システム100の構成の一例を表したブロック図である。情報処理システム100は、車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するためのシステムである。以下、「車両をレンタルする」とは、ユーザが車両を借りることを意味する。
【0017】
図1に示すように、情報処理システム100は、サーバ10と、車載端末20と、施設端末30とを少なくとも含む。サーバ10、車載端末20及び施設端末30は、互いにインターネットなどの通信ネットワーク40を介して接続されている。
【0018】
サーバ10は、車両をレンタルして利用するユーザに対して各種サービスを提供するために必要な処理を実行し、また、車載端末20及び施設端末30との通信を適宜行う装置である。サーバ10は、ユーザの顔認証を行うための事前登録を行う事前登録機能と、ユーザによる車両レンタルを登録するレンタル登録機能と、車載端末20からの情報に基づいてユーザの顔認証を行って車両のレンタルに関する判定を行う第1判定機能と、施設端末30からの情報に基づいてユーザの顔認証を行って車両のレンタルに関する判定を行う第2判定機能とを少なくとも有する。サーバ10の機能構成の詳細は後述する。
【0019】
車載端末20は、ユーザにレンタルされる車両に搭載される端末であって、サーバ10との通信が可能な端末である。具体的には、車載端末20は、ユーザの顔認証用画像と車両識別情報とを含む車載端末認証用情報をサーバ10に送信する機能を有する。また、車載端末20は、サーバ10からの各種情報を受信する機能を有する。車載端末20の機能構成の詳細は後述する。
【0020】
ここで、車両の種類は特に限定されず、自動車や二輪車など人の移動に利用できるものであればよい。自動車の種類の例には、電気自動車や水素エンジン自動車、ガソリン自動車がある。
【0021】
また、車両に搭載される構成は特に限定されず、車両に対し着脱可能に設けられてもよいし、車両に対して固定的に備え付けられた端末であってもよい。
【0022】
施設端末30は、店舗などの施設に設置される端末であって、サーバ10との通信が可能な端末である。具体的には、施設端末30は、ユーザの顔認証用画像を含む施設端末認証用情報をサーバ10に送信する機能を有する。また、施設端末30は、サーバ10からの各種情報を受信する機能を有する。本例では、施設端末30は、自律移動が可能な自律移動端末である。施設端末30の機能構成の詳細は後述する。
【0023】
また、本例において施設とは、車両をレンタルしたユーザが訪れる可能性のある建物や設備を意味する。施設の例としては、ホテル、飲食店、土産物店などの小売店、地域の歴史資料館などが挙げられる。また、ここでの施設は、営利であってもよいし非営利であってもよい。これらの施設のうち、本例に基づくレンタル事業に協力してくれる施設に対して、施設端末30を設置することになる。
【0024】
なお、施設端末30が設置された施設の少なくとも一部は、車両の動力維持のために必要な保守設備を備えていてもよい。ここで、車両の動力維持とは、車両の車輪を駆動するための駆動機構の動作を維持することをいう。駆動機構としては、例えば、ガソリンエンジン、電気モータ、水素エンジンなどが考えられる。車両の動力維持に必要な保守の例としては、ガソリン車の場合のガソリンの補給、電気自動車の場合のバッテリの充電又はバッテリ交換、水素エンジン自動車の場合の水素の補給などがある。また、保守設備は、例えば、ガソリン自動車の場合にはガソリンスタンド、電気自動車の場合にはバッテリを充電する設備やバッテリを交換する設備、水素エンジン自動車の場合には水素ステーションが該当する。なお、レンタル対象の車両が電気自動車である場合、保守設備は、メインバッテリ及び補助バッテリ共に交換可能な設備であってもよい。ここでのメインバッテリとは、車両の駆動機構としての電気モータに電気を供給するためのバッテリを意味する。また、補助バッテリ(補機バッテリ)とは、電気自動車のシステムの電源やECU(Electronic Control Unit)に電気を供給するためのバッテリを意味する。
【0025】
保守設備が施設に備えられることで、ユーザは、レンタルしている車両の動力維持のための保守が必要になった場合に、レンタル開始場所に戻らずとも保守設備が備えられた施設において保守を受けることが可能となるので、レンタル車両を安心して運転することができる。ここで、サーバ10は、施設に保守設備を設けることの見返りとして、施設を案内する情報(以下、案内情報という。詳しくは後述する。)を車載端末20に送信するようにしてもよい。案内情報によって車両レンタル中のユーザに施設を紹介することで、保守設備を使用したいユーザ側と、ユーザに訪れてもらいたい施設側との双方がメリットを享受し得る。
【0026】
なお、サーバ10、車載端末20及び施設端末30は、専用マシンとして設計した装置であってもよいが、一般的なコンピュータやサーバ装置によって実現可能なものであるものとする。この場合に、サーバ10、車載端末20及び施設端末30は、一般的なコンピュータやサーバ装置が通常備えているであろうCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、GPU(Graphics Processing Unit:画像処理装置)、メモリ、ハードディスクドライブ等のストレージを具備しているものとする(図示省略)。また、これらの一般的なコンピュータやサーバ装置を本例のサーバ10、車載端末20及び施設端末30として機能させるためにプログラムよって各種処理が実行されることは言うまでもない。
【0027】
サーバ10、車載端末20及び施設端末30は、適宜メモリに読み出したデータを用いて各種処理に必要な情報処理をCPUにて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置に記憶させる。記憶装置は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置の構成は特に限定されないが、例えば、HDDやSSDが挙げられる。
【0028】
なお、図1に示した例では情報処理システム100はサーバ10と車載端末20と施設端末30とをそれぞれ1つずつ含んでいたが、情報処理システム100は、サーバ10と車載端末20と施設端末30とについてそれぞれ複数含んでいてもよい。
【0029】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ10は、顔認証事前登録部11と、レンタル情報登録部12と、第1判定部13と、第2判定部14とを少なくとも備える。また、図2に示すように、サーバ10は、案内情報送信部15と、履歴情報生成部16とを備えてもよい。
【0030】
顔認証事前登録部11は、所定の撮影手段によって撮影されたユーザの顔が写っている登録用画像と、当該ユーザを特定するためのユーザ特定情報とを取得し、登録用画像とユーザ特定情報とを用いて所定の顔認証手段に対して学習を行うことで当該ユーザの顔認証事前登録を実行する機能を有する。
【0031】
ここで、所定の撮影手段はユーザの顔を撮影可能な手段であれば特に限定されない。所定の撮影手段の例には、ユーザが保有するスマートフォンや所定場所に設けられたカメラがある。所定場所に設けられたカメラの例としては、ユーザが宿泊するホテルに設置された顔認証事前登録のための端末が備えるカメラが挙げられる。なお、撮影手段は、例えば2次元撮影カメラや奥行き(深度)の情報も取得可能な3次元撮影カメラにより実現される。撮影手段が2次元撮影カメラにより実現される場合、撮影手段は、奥行き(深度)の情報を取得可能なセンサをさらに含んでいてもよい。
【0032】
また、ユーザ特定情報はユーザを特定可能な情報であれば特に限定されないが、複数のユーザ間で内容が重複する可能性が無い情報が好ましい。そのような情報の例には、ユーザ毎に割り当てられユーザを識別するための識別IDなどが挙げられる。また、ユーザ特定情報の他の例としては、ユーザの個人情報が挙げられる。ユーザの個人情報の例には、ユーザの氏名や年齢、性別、住所などがある。
【0033】
また、登録用画像とユーザ特定情報とを取得するための構成は特に限定されず、登録用画像とユーザ特定情報との少なくとも一方を外部装置から受信する構成としてもよいし、登録用画像とユーザ特定情報とをサーバ10が備える記憶装置から取得する構成としてもよい。
【0034】
また、顔認証手段とは、人の顔が写っている撮影画像を学習モデルに入力して、その撮影画像に顔が写っている人の認証結果を出力する手段を意味する。顔認証手段は、同一人物に関する異なる顔写真からでもその人物であることを一意に特定可能な技術である所謂「顔認証」を実現するための手段であれば、既存技術を含めどのような手段であってもよい。顔認証手段は、例えば、ニューラルネットワークなどの深層学習の技術によって学習された学習モデルを用いて実現可能である。なお、顔認証手段は、サーバ10が備える記憶装置に記憶された顔認証プログラムにより実現されてもよいし、サーバ10以外の外部装置の記憶装置に記憶された顔認証プログラムにより実現されてもよい。
【0035】
また、登録用画像とユーザ特定情報とを用いて顔認証手段に対して学習を行うとは、登録用画像とユーザ特定情報とを教師データとして用いて機械学習によって学習モデルの更新を行うことを意味する。例えば、ここでの学習は、教師あり学習である。ユーザ特定情報は、教師あり学習においてはラベルとしての役割を持つ。顔認証手段に対して学習を行うことで、登録用画像に写っているユーザについて次回以降に登録用画像とは異なる撮影画像が学習モデルに入力された場合であっても当該ユーザを一意に特定することが可能になる。なお、学習モデルの更新を行うために用いられる教師データ(登録用画像とユーザ特定情報との組み合わせ)の数は、顔認証の精度が十分担保できる数だけ確保することが好ましい。
【0036】
また、ユーザの顔認証事前登録とは、ユーザの顔認証を行うための事前登録であって、顔認証手段に対して学習を行わせた結果としてユーザを登録することを意味する。顔認証手段に対して学習を事前に行わせてユーザの顔が写っている撮影画像から当該ユーザを特定できるようになるので、学習モデルでのユーザの識別情報とそのユーザのユーザ特定情報とを対応付けて記録することで、次回以降に当該ユーザの顔認証を行った際に、当該ユーザであると判定されれば対応づいたユーザ特定情報を取得することが可能となる。具体的には、ユーザの顔認証事前登録とは、顔認証の学習モデルに認識させたいユーザの顔が写っている撮影画像を入力して学習させることを意味する。
【0037】
レンタル情報登録部12は、ユーザが車両をレンタルする際に、当該ユーザのユーザ特定情報と、当該ユーザに貸し出す車両の車両識別情報とを関連付けてレンタル情報として記憶させる機能を有する。
【0038】
ここで、ユーザが車両をレンタルする際とは、車両のレンタル手続を登録する際という意味である。レンタル手続を登録する構成としては、例えば、サーバ10が、ユーザのユーザ特定情報とそのユーザがレンタルする車両の車両識別情報とを外部装置から受信する構成が考えられる。より詳しい例としては、所定場所(例えばホテルや旅館内)に設置されたレンタル手続用の端末に対して、ユーザの個人情報と当該ユーザがレンタルする車両を指定する情報とを入力することで、レンタル手続用の端末からサーバ10に対してユーザの個人情報と車両識別情報の組み合わせが送信される構成とすることが考えられる。ユーザの個人情報と車両識別情報の組み合わせを受信したサーバ10は、ユーザの個人情報と車両識別情報を関連付けてレンタル情報として記憶させる。
【0039】
また、車両識別情報とは、レンタル対象の車両を識別するための情報を意味する。車両識別情報は特に限定されないが、レンタル対象の複数の車両間で重複しない情報が好ましい。車両識別情報の例には、レンタル対象の車両毎に割り当てられた固有の識別コードやレンタル対象の車両の名称、車両番号(ナンバープレートに記載の情報)がある。
【0040】
第1判定部13は、車載端末20から受信した車載端末認証用情報のうちの顔認証用画像を顔認証手段に適用することでユーザを特定してユーザ特定情報を取得し、かつ、当該車載端末認証用情報のうちの車両識別情報を用いてレンタル情報を参照することで、車載端末20において顔認証を行ったユーザが当該車両識別情報で識別される車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定して判定結果を車載端末20に対して送信する機能を有する。
【0041】
ここで、車載端末認証用情報とは、ユーザの顔を撮影して得られた顔認証用画像と当該ユーザがレンタルした車両を識別するための車両識別情報とを含む情報を意味する。車載端末認証用情報は、ユーザがレンタルした車両に搭載された車載端末20からサーバ10に送信される情報である。車載端末認証用情報の取得に関する詳細説明は後述する。
【0042】
また、顔認証用画像を顔認証手段に適用するとは、顔認証用画像を顔認証手段に入力して顔認証結果を得ることを意味する。顔認証手段がサーバ10に備えられた記憶装置に記憶された顔認証プログラムにより実現される場合、第1判定部13は、顔認証用画像を入力として顔認証プログラムを実行して顔認証結果を得る。顔認証結果には、顔認証によって人物を一意に特定できたか否かの結果と、一意に人物を特定できた場合には当該人物に割り当てられた識別情報が含まれる。第1判定部13は、顔認証で特定した人物に割り当てられた識別情報に基づいてユーザ特定情報を抽出して取得する。
【0043】
また、レンタル情報を参照するとは、車載端末認証用情報に含まれる車両識別情報を用いて複数のレンタル情報を検索することで、同一の車両識別情報を含むレンタル情報を抽出することを意味する。
【0044】
また、顔認証を行ったユーザが車載端末20から受信した車両識別情報で識別される車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定する構成は、具体的には、顔認証の結果として取得されたユーザ特定情報が、当該車両識別情報に基づいて抽出したレンタル情報に含まれるユーザ特定情報と一致するか否かを判定する構成である。
【0045】
また、第1判定部13による判定結果として車載端末20に対して送信される情報は特に限定されず、顔認証対象のユーザが車載端末20から受信した車両識別情報で識別される車両をレンタルしているユーザであるか否かを示す情報が少なくとも含まれていればよい。
【0046】
第2判定部14は、施設端末30から受信した施設端末認証用情報のうちの顔認証用画像を顔認証手段に適用することでユーザを特定してユーザ特定情報を取得し、当該ユーザ特定情報を用いてレンタル情報を参照することで当該ユーザが車両をレンタル中であるか否かを判定して判定結果を施設端末30に対して送信する機能を有する。
【0047】
この第2判定部14では、先ず、第1判定部13と同様に、顔認証用画像を顔認証手段に入力して顔認証結果を得る。顔認証結果としてユーザを一意に特定してユーザ特定情報が得られた場合、そのユーザ特定情報を用いてレンタル情報を参照して当該ユーザが車両をレンタル中であるか否かを判定する。
【0048】
ここで、ユーザが車両をレンタル中であるか否かを判定するとは、ユーザのユーザ特定情報が、レンタル情報として何れかの車両識別情報と関連付けられているか否かを判定することを意味する。ここで、ユーザが何れの車両をレンタル中であるかまでは必ずしも判定されていなくてもよい。ユーザが車両をレンタル中であるか否かを判定する構成は特に限定されない。このような構成の例には、レンタル情報として登録されている情報から、顔認証手段に適用することで特定されたユーザのユーザ特定情報を検索する構成がある。
【0049】
また、判定結果として施設端末30に対して送信される情報は特に限定されず、顔認証対象のユーザが車両をレンタル中であるか否かを示す情報が少なくとも含まれていればよい。
【0050】
案内情報送信部15は、車載端末20を搭載する車両の動力維持のために必要な保守設備を備えた施設を案内するための案内情報を車載端末20に対して送信する機能を有する。
【0051】
ここで、案内情報とは、保守設備を備えた施設に関する何らかの情報をユーザに案内するための情報を意味する。案内情報は特に限定されないが、保守設備を備えた施設であることをユーザに紹介する内容の案内情報であってもよいし、保守設備を備えた施設側が案内してほしいと考えている内容を紹介する案内情報(例えば、飲食店である場合にはお勧めのメニューを紹介する案内情報)であってもよい。
【0052】
また、案内情報による案内対象の施設を絞り込み可能な構成としてもよい。案内情報の絞り込みの一例としては、車両の現在位置からの距離や移動所要時間の条件を用いて絞り込む構成が考えられる。
【0053】
また、案内情報を車載端末20に対して送信するタイミングは特に限定されず、ユーザが保守設備を備えた施設について検索した場合に、その検索結果としての案内情報を車載端末20に送信する構成であってもよいし、車載端末20のディスプレイ上にランダムに表示させるために所定のタイミングにてサーバ10から案内情報をダウンロードする構成であってもよい。
【0054】
また、案内情報送信部15は、ユーザがレンタルする車両において移動の目的地が設定された場合、その目的地周辺において保守設備を備えた施設を案内するための案内情報を車載端末20に対して送信してもよい。ここで、車両の移動の目的地を設定するための構成は特に限定されないが、例えば、車載端末20に対する目的地の指定操作が受け付けられる構成が考えられる。
【0055】
履歴情報生成部16は、車載端末20から受信した位置情報に基づいて当該車両の移動履歴情報を生成する機能を有する。
【0056】
ここで、車載端末20から受信した位置情報とは、後述する位置情報送信部23から送信された位置情報を意味する。例えば、車載端末20から受信した位置情報は、GPS信号の受信により取得された位置情報である。車載端末20が位置情報を取得する構成の詳細は後述する。
【0057】
また、移動履歴情報とは、ユーザがレンタルしている車両の移動履歴を示す情報を意味する。移動履歴情報は特に限定されないが、ユーザがレンタルしている車両の移動履歴が時系列で特定できる形式の情報が好ましい。移動履歴情報の例には、取得時間を示す情報と車両の位置とが関連付けられた情報がある。
【0058】
また、サーバ10は、第2判定部14による判定を行った判定履歴情報を記録するようにし、判定履歴情報を施設端末30が設置された施設に対する滞在履歴情報として、移動履歴情報と合わせて記録するようにしてもよい。
【0059】
ここで、滞在履歴情報とは、施設端末30が設置された施設にユーザが滞在していたことを示す情報を意味する。滞在履歴情報は特に限定されないが、車両をレンタルしたユーザに関する情報が関連付けられた情報が好ましい。滞在履歴情報の例には、第2判定部14による判定結果と施設の名称や種類とを関連付けた情報がある。また、滞在履歴情報と移動履歴情報とを合わせて記録するとは、ユーザによる施設の滞在と当該ユーザがレンタルした車両の移動の履歴との間に関連付けを行って記録することを意味する。滞在履歴情報と移動履歴情報とを合わせて記録する構成は特に限定されないが、ユーザが滞在した施設に向かって車両が移動する経路を記録する構成が好ましい。
【0060】
このように、移動履歴情報や滞在履歴情報を蓄積することで、これらの情報をビッグデータとして利用することが可能になる。具体的には、ユーザの移動の履歴や施設への滞在履歴の情報を蓄積することで、どういった人(例えば個人か家族か)がどのような経路(例えば)で施設を利用するのか(例えばどの種類の飲食店で食事を取るのか)等を予測することが可能になる。
【0061】
以上、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10の構成の一例について説明した。なお、サーバ10が備える機能の一部は、サーバ10の代わりに車載端末20又は施設端末30が備えるようにしてもよい。
【0062】
図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する車載端末20の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、車載端末20は、車載側送信部21と、車載側受信部22とを少なくとも備える。また、図3に示すように、車載端末20は、位置情報送信部23と、車載側表示部24とを備えてもよい。
【0063】
車載側送信部21は、自端末を搭載する車両に対応付けられた所定の撮影手段に基づいて撮影されたユーザの顔認証用画像と当該車両を識別するための車両識別情報とを含む車載端末認証用情報をサーバ10に送信する機能を有する。
【0064】
ここで、車両に対応付けられた所定の撮影手段は特に限定されず、車載端末20自身が備える撮影装置でもよいし、車載端末20と接続された撮影装置でもよい。また、ここでの撮影装置は、車両に組み込まれていていてもよいし、車両に対して着脱可能に設けられていてもよい。なお、所定の撮影手段は、ユーザがレンタルする車両と予め対応付けされた当該ユーザが保有する端末であって、車載端末20との近距離無線通信での接続が確立した端末を採用することも可能である。
【0065】
また、車載端末20を搭載する車両識別情報は、車載端末20が備える記憶装置に記憶されていてもよいし、車載端末20以外の外部装置に記憶されていてもよい。
【0066】
また、車載端末認証用情報をサーバ10に送信するタイミングは限定されず、所定の撮影手段による撮影が行われたタイミングでもよいし、車載端末20がユーザからの認証要求操作を受け付けたタイミングでもよい。本例では、車載端末20が備えるカメラでユーザの顔認証用画像を撮影したタイミングで当該顔認証用画像を含む車載端末認証用情報をサーバ10に送信する。
【0067】
車載側受信部22は、サーバ10からの各種情報を受信する機能を有する。例えば、車載側受信部22が受信する情報の例には、サーバ10の第1判定部13からの判定結果や、サーバ10の案内情報送信部15からの案内情報がある。
【0068】
位置情報送信部23は、所定タイミングにて取得した車両の位置情報をサーバ10に送信する機能を有する。
【0069】
ここで、所定タイミングは特に限定されず、所定の時間毎のタイミングでもよいし車両をレンタルしているユーザが車載端末20に対して所定操作を行ったタイミングでもよい。
【0070】
また、車両の位置情報を取得するための構成は特に限定されず、車両が位置情報を取得する装置を備える構成としてもよいしユーザがレンタルしている車両の外部の装置が取得した位置情報を車載端末20が受信する構成としてもよい。また、位置情報の種類は車両の位置を直接算出するための情報に限定されず、算出された車両の位置を補正する情報も含まれ得る。ユーザがレンタルする車両は、GPS信号を受信する受信装置を備えてもよい。また、当該車両は、さらにCLAS(Centimeter Level Augmentation Service)信号を受信する装置を備えてもよい。また、外部装置がCLAS信号を受信して補正値を算出し、その補正値を示す情報を当該車両が受信するようにしてもよい。
【0071】
また、車両の位置情報をサーバ10に送信するタイミングは特に限定されず、所定の時間毎のタイミングでもよいし、車両のレンタルが終了するタイミングでもよい。
【0072】
車載側表示部24は、所定の表示手段によって種々の情報を表示する機能を有する。例えば、車載側表示部24は、車載側受信部22が受信した情報を所定の表示手段によって表示する。
【0073】
ここで、所定の表示手段は特に限定されず、車載端末20自身が備える表示装置でもよいし、車載端末20以外の外部の表示装置でもよい。本例では、所定の表示手段は、車載端末20自身が備えるディスプレイである。
【0074】
また、車載端末20は、第1判定部13から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているユーザと一致しているとの結果であった場合に、その車両の駆動を許可する許可信号を当該車両が備える駆動管理手段に対して送信する構成としてもよい。
【0075】
ここで、車両の駆動を許可するとは、車両の駆動機構の動作開始を許可することをいう。具体的には、ガソリンエンジン、電気モータ、水素エンジンなどの駆動機構の動作開始を許可する許可信号を送信する構成が考えられる。駆動機構の前段に設けられた駆動許可ユニットにて許可信号を受信した場合に初めて駆動機構の動作を許可する。
【0076】
また、駆動管理手段とは、車両の駆動を管理する手段を意味する。駆動管理手段は車両の駆動を管理できるものであれば特に限定されない。例えば、駆動管理手段は、車両が電気自動車である場合はモータを制御する制御部である。車両の制御部は、例えばECUである。
【0077】
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する施設端末30の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、施設端末30は、施設側送信部31と、施設側受信部32とを少なくとも備える。また、図4に示すように、施設端末30は、施設側表示部33を備えてもよい。
【0078】
施設側送信部31は、施設端末30が設置された施設内に備えられた所定の撮影手段に基づいて撮影されたユーザの顔認証用画像を含む施設端末認証用情報をサーバ10に送信する機能を有する。
【0079】
ここで、施設内とは、施設の敷地内を意味するものであり、撮影手段の設置場所が屋外であっても敷地内であれば施設内であるものとする。また、施設内に備えられた所定の撮影手段は特に限定されず、施設端末30自身が備える撮影装置でもよいし、施設端末30の外部の撮影装置でもよい。施設端末30自身が備える撮影装置は、施設端末30に組み込まれていていてもよいし、施設端末30に対して着脱可能に設けられていてもよい。本例では、所定の撮影手段は、自律移動端末が備える撮影装置である。
【0080】
施設側受信部32は、サーバ10からの各種情報を受信する機能を有する。施設側受信部32が受信する情報の例には、サーバ10の第2判定部14からの判定結果がある。
【0081】
施設側表示部33は、所定の表示手段によって種々の情報を表示する機能を有する。例えば、施設側表示部33は、施設側受信部32が受信した情報を所定の表示手段によって表示する。本例では、所定の表示手段は、車載端末20自身が備えるディスプレイである。
【0082】
また、施設端末30は、第2判定部14から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているとの結果であった場合に、顔認証対象のユーザに対して特典を付与してもよい。
【0083】
ここで、特典は、付与されたユーザが何らかのメリットを得られるものであればどのようなものであってもよい。特典の内容は特に限定されないがユーザが認識可能なものが好ましい。特典の例としては、商品又はサービスの価格を割り引く内容や、商品の購入やサービスを受ける権利を取得する内容などが考えられる。例えば、飲食店において、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているとの判定結果が出た場合、その飲食店での食事料金が割引きされる特典が考えられる。また、例えば、ユーザに非売の記念品がプレゼントされる特典なども考えられる。
【0084】
また、特典を付与するための構成は特に限定されず、施設側表示部33が特典の付与に関する情報を所定の表示手段に表示させる構成としてもよいし、施設端末30が特典の付与に関する情報をユーザが保有する端末に送信する構成でもよい。施設側表示部33が特典の付与に関する情報を所定の表示手段に表示させる構成の例には、施設側表示部33が特典を付与するQRコード(登録商標)を施設端末30自身が備えるディスプレイに表示させる構成がある。ユーザは、施設端末30のディスプレイに表示されたQRコード(登録商標)を自身が所有するスマートフォンで読み取ると特典が自身に付与される。なお、施設側表示部33が特典の付与に関する情報を所定の表示手段に表示させる場合には、音声出力が伴っていてもよい。また、特典を付与するための構成は第2判定部14から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているとの結果であったことを施設の従業員などに通知する構成でもよい。例えば、飲食店である施設の従業員は、この通知を受け取ると、通常価格から割り引いた割引価格でユーザに料理を提供する運用が考えられる。
【0085】
図5は、本発明に係るサーバ10における顔認証事前登録処理の流れを表したフローチャート図である。図5に示すように、顔認証事前登録処理は、所定の撮影手段によって撮影されたユーザの顔が写っている登録用画像と、当該ユーザを特定するためのユーザ特定情報とを取得することによって開始される(ステップS101)。一例としては、顔認証事前登録処理は、サーバ10が、ユーザの顔が写っている登録用画像と当該ユーザのユーザ特定情報とをユーザが保有するスマートフォンから受信することによって開始される。
【0086】
次に、サーバ10は、登録用画像とユーザ特定情報とを用いて所定の顔認証手段に対して学習を行う(ステップS102)。一例としては、サーバ10は、ニューラルネットワークを用いて深層学習によってユーザの顔認証について学習を行うことで、次回以降にユーザの顔写真が入力された際に当該ユーザを一意に特定可能とする。
【0087】
次に、サーバ10は、所定の顔認証手段が人物を特定するための識別情報とユーザ特定情報を関連付けて登録することで、学習結果を登録する(ステップS103)、処理を終了する。一例としては、サーバ10は、学習モデルの更新結果を外部装置にユーザと紐づけて記憶させ、処理を終了する。
【0088】
図6は、本発明に係るサーバ10におけるレンタル情報登録処理の流れを表したフローチャート図である。図5に示すように、レンタル情報登録処理は、車両をレンタルするユーザのユーザ特定情報と、当該ユーザに貸し出す車両の車両識別情報とを取得することによって開始される(ステップS201)。一例としては、レンタル情報登録処理は、ホテルや旅館に設置されたレンタル手続用の端末からユーザ特定情報と車両識別情報とを受信することによって開始される。
【0089】
次に、サーバ10は、ユーザ特定情報と、当該ユーザに貸し出す車両の車両識別情報とを関連付けてレンタル情報として記憶させ(ステップS202)、処理を終了する。一例としては、サーバ10は、レンタル情報を自装置が備える記憶装置に記憶させ、処理を終了する。
【0090】
図7は、本発明に係るサーバ10における第1判定処理の流れを表したフローチャート図である。図7に示すように、第1判定処理は、車載端末20から車載端末認証用情報を受信することによって開始される(ステップS301)。一例としては、第1判定処理は、車載端末20が備えるカメラでユーザの顔認証用画像を撮影したタイミングで、車載端末20から送信された当該顔認証用画像を含む車載端末認証用情報を受信することによって開始される。
【0091】
次に、サーバ10は、車載端末認証用情報のうちの顔認証用画像を顔認証手段に適用することでユーザを特定する(ステップS302)。一例としては、サーバ10は、顔認証プログラムを記憶する外部装置に顔認証用画像を送信し、当該外部装置から認証結果を受信してユーザを特定する。
【0092】
次に、サーバ10は、顔認証用画像を顔認証手段に適用することで特定したユーザのユーザ特定情報を取得する(ステップS303)。一例としては、サーバ10は、特定したユーザのユーザ特定情報を自装置が備える記憶装置から取得する。
【0093】
次に、サーバ10は、車載端末認証用情報のうちの車両識別情報を用いてレンタル情報を参照する(ステップS304)。一例としては、サーバ10は、車載端末認証用情報のうちの車両識別情報に一致する車両識別情報を含むレンタル情報を自装置が備える記憶装置から取得する。
【0094】
次に、サーバ10は、顔認証を行ったユーザが車載端末認証用情報のうちの車両識別情報で識別される車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定する(ステップS305)。一例としては、サーバ10は、顔認証を行ったユーザのユーザ特定情報と、自装置が備える記憶装置から取得した車両識別情報に関連付けされたユーザ特定情報とが一致するか否かを判定する。
【0095】
次に、サーバ10は、ステップS305の判定結果を車載端末20に送信し(ステップS306)、処理を終了する。
【0096】
図8は、本発明に係るサーバ10における第2判定処理の流れを表したフローチャート図である。図8に示すように、第2判定処理は、施設端末30から施設端末認証用情報を受信することによって開始される(ステップS401)。一例としては、第2判定処理は、施設端末30が備えるカメラでユーザの顔認証用画像を撮影したタイミングで施設端末30から送信された施設端末認証用情報を受信することによって開始される。
【0097】
次に、サーバ10は、施設端末認証用情報のうちの顔認証用画像を顔認証手段に適用することでユーザを特定する(ステップS402)。一例としては、サーバ10は、顔認証プログラムを記憶する外部装置に顔認証用画像を送信し、当該外部装置から認証結果を受信してユーザを特定する。
【0098】
次に、サーバ10は、顔認証用画像を顔認証手段に適用することで特定したユーザのユーザ特定情報を取得する(ステップS403)。
【0099】
次に、サーバ10は、施設端末認証用情報のうちの車両識別情報を用いてレンタル情報を参照する(ステップS404)。一例としては、サーバ10は、車載端末認証用情報のうちの車両識別情報に一致する車両識別情報を含むレンタル情報を自装置が備える記憶装置から取得する。
【0100】
次に、サーバ10は、顔認証を行ったユーザが車両をレンタル中であるか否かを判定する(ステップS405)。一例としては、サーバ10は、顔認証の結果として取得されたユーザ特定情報を用いて複数のレンタル情報を参照して、同一のユーザ特定情報を抽出できた場合に、顔認証を行ったユーザが車両をレンタル中であると判定する。
【0101】
次に、サーバ10は、ステップS405の判定結果を施設端末30に送信し(ステップS406)、処理を終了する。
【0102】
図9は、本発明に係る情報処理システム100の利用例について説明するための説明図である。図9には、ユーザAが観光地を訪れ、ホテルBに宿泊して電気自動車Cをレンタルする情報処理システム100を利用している様子の概念図が示されている。
【0103】
まず、ユーザAは、自身が宿泊するホテルBに設置された端末(図示せず)が備えたカメラで自身の顔を写した写真を複数枚撮影する。さらに、ユーザAは、当該端末に自身の氏名や年齢、住所等の個人情報を入力する。当該端末は、ユーザAの顔を撮影した画像(登録用画像)複数枚とユーザAの個人情報(ユーザ特定情報)とをサーバ10に送信する。サーバ10は、受信した登録用画像とユーザ特定情報とを用いて機械学習によって顔認証の学習モデルに学習を行わせてユーザAの顔認証を行うことができるようにする。
【0104】
また、ユーザAは、ホテルBにおいて電気自動車のレンタル手続きを行う。レンタル手続きは、例えばホテルBのチェックイン時に行われる。ホテルBにはレンタル手続用端末(図示せず)が設置されており、ユーザAはレンタル手続用端末に自身の個人情報とレンタルしたい電気自動車の種類とを入力する。レンタル手続用端末は、ユーザAに入力された情報をサーバ10に送信し、サーバ10は、受信した情報に基づきレンタル情報を登録する。
【0105】
レンタル情報の登録が完了すると、ユーザAは、レンタルした電気自動車Cに搭乗する際に、電気自動車Cが備えた車載端末20を用いて顔認証を行う。顔認証用画像の撮影は車載端末20が備えるカメラによって行われる。車載端末20は、自端末が備えるカメラで撮影した顔認証用画像はサーバ10に送信される。車載端末20は、サーバ10による第1判定結果を受信する。ユーザAが電気自動車Cをレンタルしていることが確認されたため、電気自動車Cのエンジン用バッテリスイッチがONになり、ユーザは電気自動車Cを運転することが可能になる。
【0106】
そして、ユーザAは電気自動車Cを用いて移動を行う。ここで、ユーザAが電気自動車Cを運転しているときに電気自動車Cのバッテリ残量が少なくなっていたことに気づいた場合、ユーザAは、車載端末20を用いてバッテリの交換が可能な施設を検索する。そして、車載端末20は、バッテリの交換が可能な施設についてサーバ10に問い合わせる。サーバ10は、車載端末20からの問い合わせに応じて、施設端末30が設置され、かつ電気自動車のバッテリの交換及び充電が可能な設備が備わった飲食店Dの案内情報を車載端末20に送信する。車載端末20は、サーバ10からの飲食店Dの案内情報を受信し、飲食店DをユーザAに案内する。車載端末20は、電気自動車Cの走行中に自端末の位置情報をサーバ10に送信する。
【0107】
ここで、ユーザAは、飲食店Dで食事をする間に電気自動車Cのバッテリを交換しようと考え、車載端末20に対し飲食店Dを目的地として設定する。目的地が設定されると、車載端末20は、飲食店Dを目的地としたことの情報をサーバ10に送信する。サーバ10は、飲食店Dが目的地に設定されたとの情報を受信すると、飲食店Dについての更なる案内情報(目的地に設定されたことに対応する案内情報)を車載端末20に送信するようにしてもよい。車載端末20は、受信した案内情報に基づいて飲食店Dについての案内を行う。なお、サーバ10は、現在位置から目的地までの間の移動経路周辺や目的地周辺に電気自動車Cのバッテリ充電又はバッテリ交換が可能な施設が存在する場合は、その施設についての案内情報を車載端末20に送信してもよい。
【0108】
ユーザAは、飲食店Dに到着すると、飲食店Dに設置された施設端末30を用いて顔認証を行う。ここで、顔認証用画像の撮影は施設端末30が備えるカメラによって行われる。施設端末30は、自端末が備えるカメラで撮影した顔認証用画像はサーバ10に送信される。施設端末30は、サーバ10による第2判定結果を受信する。施設端末30は、受信した第2判定結果によってユーザAが車両をレンタル中であることを確認したため、ユーザAに料金割引の特典を付与する。このように、飲食店Dには電気自動車のバッテリ交換設備が備わっており、ユーザAは、飲食店Dで食事を取りつつ電気自動車Cのバッテリを交換できる。
【0109】
以上、本発明に係る情報処理システム100の利用例について説明した。
【0110】
以上のように、本例による情報処理システム100は、サーバ10と、車両に搭載される車載端末20と、店舗などの施設に設置される施設端末30とを備え、車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現するための情報処理システムであって、車載端末20は、車両に対応付けられた所定の撮影手段に基づいて撮影されたユーザの顔認証用画像と当該車両を識別するための車両識別情報とを含む車載端末認証用情報をサーバ10に送信する車載側送信部21と、サーバ10からの各種情報を受信する車載側受信部22とを備え、施設端末30は、施設内に備えられた所定の撮影手段に基づいて撮影されたユーザの顔認証用画像を含む施設端末認証用情報をサーバ10に送信する施設側送信部31と、サーバ10からの各種情報を受信する施設側受信部32とを備え、サーバ10は、所定の撮影手段によって撮影された前記ユーザの顔が写っている登録用画像と、当該ユーザを特定するためのユーザ特定情報とを取得し、登録用画像とユーザ特定情報とを用いて所定の顔認証手段に対して学習を行うことで当該ユーザの顔認証事前登録を実行する顔認証事前登録部11と、ユーザが車両をレンタルする際に、当該ユーザのユーザ特定情報と、当該ユーザに貸し出す車両の車両識別情報とを関連付けてレンタル情報として記憶させるレンタル情報登録部12と、車載端末20から受信した車載端末認証用情報のうちの顔認証用画像を顔認証手段に適用することでユーザを特定してユーザ特定情報を取得し、かつ、当該車載端末認証用情報のうちの車両識別情報を用いてレンタル情報を参照することで、車載端末20において顔認証を行ったユーザが当該車両をレンタルしているユーザであるか否かを判定して判定結果を車載端末20に対して送信する第1判定部13と、施設端末30から受信した施設端末認証用情報のうちの顔認証用画像を顔認証手段に適用することでユーザを特定してユーザ特定情報を取得し、当該ユーザ特定情報を用いてレンタル情報を参照することで当該ユーザが車両をレンタル中であるか否かを判定して判定結果を施設端末30に対して送信する第2判定部14とを備えるようにしたので、車両をレンタルして利用するユーザに対する各種サービスの提供を実現することが可能となる。
【0111】
すなわち、施設端末30において顔認証を行ったユーザが、本システムで管理するレンタル事業における車両をレンタル中であることを施設側のスタッフが把握することができるため、施設側としては、そのようなユーザのためのサービスを提供することができるようになる。さらに、顔認証を利用してユーザの本人確認を行うことで車両のレンタル手続きにおいてユーザの手間を減らすことができるようになり、車両レンタルサービスの快適な利用が可能となる。
【0112】
また、情報処理システム100において、さらに、車載端末20は、第1判定部13から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているユーザと一致しているとの結果であった場合に、車両の駆動を許可する許可信号を車両が備える駆動管理手段に対して送信するようにしたので、ユーザの車両利用の快適性と車両のセキュリティ性とを両立することが可能となる。
【0113】
また、情報処理システム100において、さらに、施設端末30は、第2判定部14から受信した判定結果が、顔認証対象のユーザが車両をレンタルしているとの結果であった場合に、ユーザに対して特典を付与するようにしたので、施設端末30が設置された施設にユーザが訪れる動機付けを与え、地域活性化を期待することが可能となる。
【0114】
また、情報処理システム100において、さらに、レンタルの対象となる車両は、電気自動車又は水素エンジン自動車であり、施設の少なくも一部は、車両の動力維持のために必要な保守設備を備えており、サーバ10は、保守設備を備えた施設を案内するための案内情報を車載端末20に対して送信する案内情報送信部15を備えるようにしたので、施設側は保守設備を提供することの見返りにユーザに施設へ訪れてもらうことが可能となる。
【0115】
また、情報処理システム100において、さらに、車載端末20は、所定タイミングにて取得した車両の位置情報を前記サーバ10に送信する位置情報送信部23を備え、サーバ10は、車載端末20から受信した位置情報に基づいて当該車両の移動履歴情報を生成する履歴情報生成部16を備えるようにしたので、車両の移動履歴からユーザがどのような場所を訪れるのか把握できるため、今後の地域活性化のために利用することが可能となる。
【0116】
また、情報処理システム100において、さらに、サーバ10は、第2判定部14による判定を行った判定履歴情報を記録するようにし、判定履歴情報を施設に対する滞在履歴情報として、移動履歴情報と合わせて記録するようにしたので、ユーザの行動をより詳細に把握することが可能となる。
【0117】
以上のように、本例における情報処理システム100を所定範囲の地域に導入、例えば、観光地に対して導入することで、車両をレンタルするユーザは、車両の起動、バッテリの交換又は充電などの保守サービスなどを、複雑な手続無しに顔認証のみで便利に利用することが可能となるため、快適に観光を行うことができる。また、車両をレンタルしたユーザは、情報処理システム100に参画してくれている施設を利用する際に顔認証を行うことで、その施設において特典を得ることができる。施設側としても、ユーザが施設を訪れる動機を情報処理システム100が提供してくれるため、集客力のアップが見込めるというメリットがある。情報処理システム100の運営側としても、観光客としての多数のユーザの移動履歴、滞在履歴を記録したビッグデータを取得できるため、ビッグデータを利用した効率的な広告の掲載など、観光地の活性化に向けた更なる取り組みにビッグデータを活用できるというメリットがある。結果として、情報処理システム100を導入することで観光地の活性化に寄与することが可能となる。
【0118】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0119】
100 情報処理システム
10 サーバ
11 顔認証事前登録部
12 レンタル情報登録部
13 第1判定部
14 第2判定部
15 案内情報送信部
16 履歴情報生成部
20 車載端末
21 車載側送信部
22 車載側受信部
23 位置情報送信部
24 車載側表示部
30 施設端末
31 施設側送信部
32 施設側受信部
33 施設側表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9