(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008444
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/22 20060101AFI20230112BHJP
H01Q 1/50 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
H01Q1/22 B
H01Q1/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021112005
(22)【出願日】2021-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000165848
【氏名又は名称】原田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】金子 昌弘
【テーマコード(参考)】
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J046AA09
5J046TA07
5J047AA09
5J047EB05
(57)【要約】
【課題】樹脂製のホルダを支持体としてアンテナ部品とターミナルとを半田付けするアンテナ装置において、両者の半田付けの熱影響がホルダに及び難くする。
【解決手段】アンテナ装置は、アンテナ部品44を支持する樹脂製のホルダ24と、ホルダ24に固定され、給電回路を構成するターミナル42と、を備える。ターミナル42は、ホルダ24の面に当接する第1側面と、第1側面とは反対側の第2側面と、第1側面から第2側面へわたって貫通する挿通孔77と、を有する。アンテナ部品44の導電部44aが挿通孔77を貫通し、第2側面にて半田付けされる。第2側面における挿通孔77の周囲に半田が盛られるランド部が設けられる。ランド部を囲む位置に空隙が設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ部品を支持する樹脂製のホルダと、
前記ホルダに固定され、給電回路を構成するターミナルと、
を備え、
前記ターミナルは、
前記ホルダの面に当接する第1側面と、前記第1側面とは反対側の第2側面と、前記第1側面から前記第2側面へわたって貫通する挿通孔と、を有し、
前記アンテナ部品の導電部が前記挿通孔を貫通し、前記第2側面にて半田付けされ、
前記第2側面における前記挿通孔の周囲に半田が盛られるランド部が設けられ、
前記ランド部を囲む位置に空隙が設けられることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記空隙が、前記ターミナルを前記第1側面から前記第2側面へわたって貫通する貫通孔からなることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記貫通孔の配置により前記ランド部が環状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記第2側面において前記ランド部の外縁および内縁の少なくとも一方に沿って壁部が設けられ、前記壁部が半田の流れを規制していることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記ランド部の裏面と前記ホルダとの間に空間が形成されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記ホルダが、前記挿通孔としての第1挿通孔に対向する位置に第2挿通孔を有し、
前記アンテナ部品が、前記ホルダの前記ターミナルとは反対側面に取り付けられ、
前記導電部が、前記第2挿通孔および前記第1挿通孔を貫通することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記ターミナルにおいて前記第1挿通孔が複数隣接配置され、
前記第2挿通孔は、前記複数の第1挿通孔に対応する開口面積を有することを特徴とする請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記ホルダにおける前記アンテナ部品の取付面において、前記第2挿通孔の開口端に面取りがなされていることを特徴とする請求項6又は7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記ターミナルとして、前記アンテナ部品を介して直列に接続される第1ターミナルおよび第2ターミナルを含み、
前記アンテナ部品が前記導電部として第1導電部および第2導電部を有し、
前記第1導電部が前記第1ターミナルに半田付けされ、前記第2導電部が前記第2ターミナルに半田付けされていることを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記ホルダに支持されるアンテナエレメントを備え、
前記第1ターミナルが、前記アンテナエレメントの給電部に一体に設けられていることを特徴とする請求項9に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
アンテナ部品を支持する樹脂製のホルダと、
前記ホルダに固定され、給電回路を構成するターミナルと、
を備え、
前記ターミナルは、
前記ホルダの面に当接する第1側面と、前記第1側面とは反対側の第2側面と、前記第1側面から前記第2側面へわたって貫通する挿通孔と、を有し、
前記アンテナ部品の導電部が前記挿通孔を貫通し、前記第2側面にて半田付けされ、
前記第2側面における前記挿通孔の周囲に半田が盛られるランド部が設けられ、
前記ランド部の裏面と前記ホルダとの間に空間が形成されることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項12】
前記ホルダにおける前記ランド部の裏面との対向面に凹状領域が設けられ、
前記凹状領域が前記空間を形成することを特徴とする請求項11に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ装置に関し、特にアンテナ部品の半田による接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるシャークフィンアンテナなど、流線形状の外観を有する車両用アンテナ装置が知られている。このようなアンテナ装置は、ルーフパネルに設置したときのデザイン性にも優れるため、近年多くの車両に採用されている。
【0003】
このようなアンテナ装置は、ルーフパネルに固定されるベース部材に樹脂製のホルダが立設され、そのホルダにAM/FM放送を受信するためのアンテナエレメントが支持される(特許文献1参照)。ベース部材には、アンプなどの回路を実装した回路基板が固定される。ホルダにはアンテナエレメントのほか、同調コイルなどが組み付けられ、これらのアンテナ部品を接続するターミナルが固定される。アンテナ部品とターミナルとの固定は一般に、半田接合によりなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ターミナルは一般に板金からなるため、車両運転時に共振すると異音を発生させる可能性がある。このため、ターミナルの片側面をホルダの側面に当接させるなどして安定に固定するのが好ましい。一方、アンテナ部品とターミナルをホルダに組み付けた状態で半田付けするため、熱伝導によりホルダを溶かしてしまわないようにする必要もある。なお、このような問題は車両用アンテナ装置に限らず、樹脂製のホルダを支持体としてアンテナ部品とターミナルとを半田付けするアンテナ装置であれば、同様に生じ得る。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、樹脂製のホルダを支持体としてアンテナ部品とターミナルとを半田付けするアンテナ装置において、両者の半田付けの熱影響がホルダに及び難くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様のアンテナ装置は、アンテナ部品を支持する樹脂製のホルダと、ホルダに固定され、給電回路を構成するターミナルと、を備える。ターミナルは、ホルダの面に当接する第1側面と、第1側面とは反対側の第2側面と、第1側面から第2側面へわたって貫通する挿通孔と、を有する。アンテナ部品の導電部が挿通孔を貫通し、第2側面にて半田付けされる。第2側面における挿通孔の周囲に半田が盛られるランド部が設けられる。ランド部を囲む位置に空隙が設けられる。
【0008】
本発明の別の態様のアンテナ装置は、アンテナ部品を支持する樹脂製のホルダと、ホルダに固定され、給電回路を構成するターミナルと、を備える。ターミナルは、ホルダの面に当接する第1側面と、第1側面とは反対側の第2側面と、第1側面から第2側面へわたって貫通する挿通孔と、を有する。アンテナ部品の導電部が挿通孔を貫通し、第2側面にて半田付けされる。第2側面における挿通孔の周囲に半田が盛られるランド部が設けられる。ランド部の裏面とホルダとの間に空間が形成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂製のホルダを支持体としてアンテナ部品とターミナルとを半田付けするアンテナ装置において、両者の半田付けの熱影響がホルダに及び難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るアンテナ装置の外観および内部構造を表す図である。
【
図3】ターミナルおよびコイルのホルダへの取付構造を表す部分拡大図である。
【
図4】ターミナルおよびコイルのホルダへの取付構造を表す部分拡大図である。
【
図5】コイル接続部およびその周辺の構造を表す部分拡大図である。
【
図6】コイル接続部およびその周辺の構造を表す部分拡大図である。
【
図7】エレメント接続部およびその周辺の構造を表す部分拡大図である。
【
図8】第2実施形態に係るアンテナ装置の外観および内部構造を表す図である。
【
図11】コイル接続部およびその周辺の構造を表す部分拡大図である。
【
図12】変形例に係るアンテナ装置の要部を表す部分拡大図である。
【
図13】ランド部およびその周辺の構成を詳細に表す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0012】
各実施形態では、アンテナ装置におけるアンテナ部品とターミナルとの接合構造を例示する。このアンテナ装置は、ベース部材に立設された樹脂製のホルダを有する。アンテナ部品とターミナルが、そのホルダに支持される態様で半田接合される。ターミナルにおいて半田が盛られるランド部およびその周辺の構造を工夫することで、半田付けの熱影響がホルダに及び難くされている。以下、その詳細について説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るアンテナ装置の外観および内部構造を表す図である。
本図においては説明の便宜上、カバーの片側半部が切り欠かれた状態が示されている。以下の説明では、アンテナ装置における位置関係について、車両搭載状態を基準に前後、上下、幅方向を表現することがある。
【0014】
アンテナ装置1は、いわゆるシャークフィンアンテナと呼ばれる低背型アンテナ装置であり、図示しない車両のルーフパネルに取り付けられる。アンテナ装置1は、その底部を構成するベース部材10と、ベース部材10に水密に取り付けられるカバー12を備える。カバー12は、電波透過性の樹脂(例えばABS、PET、PC等)からなる。
【0015】
ベース部材10は、後方から前方に向けて徐々に小幅となる平面視長円形状又は三角形状を有する。ベース部材10の下面中央には、アンテナ装置1をルーフパネルに固定するためのルーフ固定部14が突設されている。カバー12は、正面視三角形状であって後方から前方に向けて徐々に高さが低くなり、徐々に小幅となる流線形状(シャークフィン形状)を有する。
【0016】
アンテナ装置1は、ベース部材10に回路基板20,22、ホルダ24、アンテナエレメント26等を取り付け、これらをカバー12で覆うようにして構成される。ホルダ24は、アンテナエレメント26を支持する樹脂製の絶縁部材である。本実施形態では、ベース部材10の前側領域に回路基板20を設け、後側領域に回路基板22を設けているが、変形例においてはこれらを一つの回路基板にまとめてもよい。アンテナエレメント26は、AM/FM放送の電波を受信するものであり、同調コイル(後述)を介して回路基板22に接続されている。
【0017】
ベース部材10は、アンテナベース30およびシールパッド32を含む。アンテナベース30は、アルミダイカストからなる導電ベースであるが、ステンレスその他の導電性金属からなるものとしてもよい。ルーフ固定部14は、アンテナベース30と一体に形成されている。シールパッド32は、可撓性樹脂(例えばゴム)からなる絶縁体であり、アンテナベース30とルーフパネルとの間をシールする。
【0018】
回路基板20には、パッチアンテナ34およびその回路等が設けられている。パッチアンテナ34は、例えばGPS用のアンテナエレメントを含む。一方、回路基板22には、アンテナエレメント26にて受信された信号を増幅するアンプなどの回路が実装されている。ホルダ24は、回路基板20の後方にて回路基板22を前後に跨ぐようにアンテナベース30に取り付けられている。ホルダ24は、アンテナベース30に立設されて上方に延在し、その上面が前後に延びる支持面36となっている。
【0019】
アンテナエレメント26は、導電性の金属板を曲げ成形して得られ、二股形状を有する。アンテナエレメント26は、支持面36と平行に延びる本体38と、本体38の両サイドから斜め下方に延びる延在部40を有する。本実施形態ではアンテナエレメント26を断面V字状に構成したが、断面U字状その他の形状を採用してもよい。
【0020】
アンテナエレメント26は、本体38が支持面36に載置される態様でホルダ24に固定される。このようにしてアンテナエレメント26を高位置に保持することで受信性能を向上させている。アンテナエレメント26は、第1ターミナル42、コイル44および第2ターミナル46を介して回路基板22に接続される。
【0021】
アンテナエレメント26およびコイル44は「アンテナ部品」であり、第1ターミナル42、コイル44および第2ターミナル46は、アンテナエレメント26と回路基板22とをつなぐ給電回路を構成する。コイル44はいわゆる同調コイルであり、アンテナエレメント26と直列に接続されることで、FM周波数帯の中心周波数で共振アンテナとして機能する。これらのアンテナ部品とターミナルとの接続は半田接合によりなされるが、その詳細については後述する。
【0022】
図2は、ホルダ24周辺の構造を表す部分拡大図である。
図2(A)は斜め前方からみた図であり、
図2(B)は斜め後方からみた図である。なお、説明の便宜上、半田接合がなされる前において、アンテナエレメント26を取り外した状態を示す。
【0023】
ホルダ24は、アンテナベース30に対して垂直に配置される板状の本体50と、本体50の前端に一体に設けられた前支柱52と、本体50の後端に一体に設けられた後支柱54を有する。ホルダ24は、前支柱52および後支柱54の下端においてアンテナベース30に固定される。本体50は、図示のように回路基板22を跨ぐ態様となる。
【0024】
ホルダ24の支持面36は、後方から前方に向けて低くなる傾斜形状を有する。ホルダ24の両側面は、補強や部品の固定のための所定形状のリブが設けられ、凹凸形状をなしている。ホルダ24の片側面24aにターミナル42,46が配置され(
図2(A))、ホルダ24の反対側面24bにコイル44が配置される(
図2(B))。コイル44は、ホルダ24の後半部に固定されている。
【0025】
ターミナル42,46は、プレスにより板金を所定形状に打ち抜き、曲げ加工して得られたものであり、ホルダ24に嵌合するように組み付けられる。ターミナル42,46の裏面(第1側面)は、車両の走行時に異音がしない程度にホルダ24の片側面に当接する。ターミナル42,46の表面(第2側面)にアンテナ部品の導電部が半田付けされる(詳細後述)。
【0026】
コイル44は、ホルダ24の反対側面に設けられた凹状嵌合部56に取り付けられる。凹状嵌合部56は、コイル44の外形に沿う凹曲面を有し、アンテナ部品の取付面として機能する。凹状嵌合部56にはまた、コイル44の導電線44a,44b(「導電部」として機能する)を貫通させるための挿通孔(第2挿通孔)が設けられている。ターミナル42,46の所定位置にも、それぞれ導電線44a,44bを貫通させるための挿通孔(第1挿通孔)が設けられている。これらの詳細については後述する。
【0027】
次に、アンテナ部品とターミナルとの接続構造について詳細に説明する。
図3および
図4は、ターミナル42,46およびコイル44のホルダ24への取付構造を表す部分拡大図であり、
図2(A)のA部に対応する。
【0028】
図3(A)に示すように、ホルダ24の凹状嵌合部56に対応する位置には、片側面24aから反対側面24bにわたって貫通する挿通孔58,60が設けられている。挿通孔58は導電線44a(第1導電部)を挿通させ、挿通孔60は導電線44b(第2導電部)を挿通させる(
図3(B)参照)。ホルダ24の片側面24aには、挿通孔58の周囲に座グリ62が設けられ、挿通孔60の周囲に座グリ64が設けられている。本実施形態では、コイル44の大きさを変更する自由度をもたせるために、挿通孔60の近傍に予備の挿通孔66が設けられている。このため、座グリ64は、挿通孔60,66をまたぐように形成されている。コイル44に小型のものを用いる場合、挿通孔66が導電線44bを挿通させる。
【0029】
また、ホルダ24の前部にも片側面24aから反対側面24bにわたって貫通する挿通孔68が設けられている。ホルダ24の片側面24aには、挿通孔68の周囲に座グリ70が設けられている。アンテナエレメント26から給電部26aが下方に向けて延出しており、その給電部26aが挿通孔68に挿通される(
図1参照)。給電部26aは、アンテナエレメント26の「導電部」として機能する。
【0030】
第1ターミナル42は、前後方向に延在するターミナル本体72と、ターミナル本体72の前端部に設けられたエレメント接続部74と、ターミナル本体72の後端部に設けられたコイル接続部76を有する。エレメント接続部74には、第1ターミナル42の裏面42aから表面42bにわたって貫通する挿通孔75が設けられている。コイル接続部76には、第1ターミナル42の裏面42aから表面42bにわたって貫通する挿通孔77が設けられている。ターミナル本体72は、ホルダ24に向けて延出する嵌合部78,80が設けられている。ホルダ24には、嵌合部78,80が嵌合可能な凹状嵌合部79,81が設けられている。
【0031】
一方、第2ターミナル46は、前後方向に延在するターミナル本体82と、ターミナル本体82の前端部に設けられたコイル接続部84と、ターミナル本体82の後端部から下方に延出する基板接続部86を有する。コイル接続部84には、第2ターミナル46の裏面46aから表面46bにわたって貫通する挿通孔85が設けられている。ターミナル本体82は、ホルダ24に向けて延出する嵌合部88,90が設けられている。ホルダ24には、嵌合部88,90が嵌合可能な凹状嵌合部89,91が設けられている。
【0032】
図3(B)に示すように、嵌合部78,80を凹状嵌合部79,81にそれぞれ嵌合させることで、第1ターミナル42をホルダ24に仮止めできる。このとき、第1ターミナル42の裏面42aが、ホルダ24の片側面24aに当接する。また、エレメント接続部74の挿通孔75とホルダ24の挿通孔68と同軸状に配置され、コイル接続部76の挿通孔77とホルダ24の挿通孔58とが同軸状に配置される。コイル44の導電線44aが挿通孔58,77を貫通する。
【0033】
また、嵌合部88,90を凹状嵌合部89,91にそれぞれ嵌合させることで、第2ターミナル46をホルダ24に仮止めできる。このとき、第2ターミナル46の裏面46aが、ホルダ24の片側面24aに当接する。また、コイル接続部84の挿通孔85とホルダ24の挿通孔60と同軸状に配置される。コイル44の導電線44bが挿通孔60,挿通孔85を貫通する。基板接続部86が回路基板22上の給電ライン(図示略)に導通している。
【0034】
このようにしてターミナル42,46をホルダ24に組み付けた後、
図4に示すように、アンテナエレメント26をホルダ24に組み付ける。このとき、アンテナエレメント26の給電部26aが、第1ターミナル42の外側から挿通孔75,68に挿入される。
【0035】
そして、エレメント接続部74およびコイル接続部76,84のそれぞれに半田92,94,96を盛ることにより、アンテナエレメント26と第1ターミナル42、第1ターミナル42とコイル44、コイル44と第2ターミナル46が、それぞれ直列に接合される。半田92,94は第1ターミナル42の表面42bに盛られ、半田96は第2ターミナル46の表面46bに盛られる。
【0036】
次に、半田接合部の構造について詳細に説明する。
図5および
図6は、コイル接続部およびその周辺の構造を表す部分拡大図である。
図5(A)はホルダ24の片側面24aの構造を示し、
図5(B)はその片側面24aにターミナル42,46が取り付けられた状態を示す。
図6(A)は
図5(B)のB方向矢視図である。
図6(B)は
図6(A)のC-C矢視断面図であり、
図6(C)は
図6(A)のD-D矢視断面図である。
【0037】
図5(A)に示すように、座グリ62は、挿通孔58と同軸の円環状の底面を有し、ホルダ24の片側面24aに円穴状の凹部(段差)を形成している。一方、座グリ64は、片側面24aの上下方向に3つの円穴をオーバラップさせた態様の凹部(段差)を形成している。座グリ64は、挿通孔60,66のそれぞれと同軸の円環状の底面を含む。
【0038】
図5(B)に示すように、第1ターミナル42の表面42bには、挿通孔77の周囲に半田が盛られるランド部100が設けられ、そのランド部100を囲む位置に空隙を形成する一対のスリット102(貫通孔)が設けられている。これらのスリット102は「切欠部」として機能する。スリット102の内側、つまりランド部100およびその内側がコイル接続部76として機能する。ランド部100の裏面側に座グリ62が位置する。
【0039】
一方、第2ターミナル46には、挿通孔85の上下にそれぞれ予備の挿通孔104,106が設けられている。挿通孔104はホルダ24の挿通孔66と同軸状に配置される。第2ターミナル46の表面46bには、挿通孔85の周囲に半田が盛られるランド部108が設けられ、そのランド部108を囲む位置に空隙を形成する4つのスリット110が設けられている。これらのスリット110は「切欠部」として機能する。これらのスリット110を設けたことで、挿通孔104,106の周囲にも環状のランド部が形成される。スリット110の内側、つまりランド部108およびその内側がコイル接続部84として機能する。ランド部108の裏面側に座グリ64が位置する。
【0040】
図6(A)に示すように、一対のスリット102は円弧状をなし、それらの配置によりランド部100が円環状に形成されている。スリット102の外接円の直径と、座グリ62の外径とが等しく設定されている。このため、ランド部100は、座グリ62の投影面の内側に位置する。
【0041】
図6(B)にも示すように、座グリ62を設けたことで、ランド部100の裏面とホルダ24との間に空間S1が形成される。すなわち、第1ターミナル42の裏面42aは、ランド部100の位置においてホルダ24の片側面24aと非当接状態となる。また、挿通孔58は、コイル44側に向けて内径が大きくなるテーパ形状を有する。すなわち、挿通孔58の開口端に面取りがなされており、凹状嵌合部56側からの導電線44aの挿入を容易にしている。
【0042】
一方、
図6(A)に示すように、4つのスリット110は円弧をつなげた形状をなし、それらの配置によりランド部108が円環状に形成されている。スリット110の外周縁の投影が座グリ64の外形とほぼ一致するように設定されている。このため、ランド部108は、座グリ64の投影面の内側に位置する。本実施形態では半田盛りがなされないが、ランド部108の上下のランド部(つまり挿通孔104,106の周囲のランド部)も同様に、座グリ64の投影面の内側に位置する。
【0043】
図6(C)にも示すように、座グリ64を設けたことで、ランド部108の裏面とホルダ24との間に空間S2が形成される。すなわち、第2ターミナル46の裏面46aは、ランド部108の位置においてホルダ24の片側面24aと非当接状態となる。また、挿通孔60は、コイル44側に向けて内径が大きくなるテーパ形状を有する。すなわち、挿通孔60の開口端に面取りがなされており、凹状嵌合部56側からの導電線44bの挿入を容易にしている。
【0044】
図7は、エレメント接続部74およびその周辺の構造を表す部分拡大図である。
図7(A)はホルダ24の片側面24a側からみた図である。
図7(B)は
図7(A)のE-E矢視断面図である。
【0045】
図7(A)に示すように、座グリ70は、挿通孔75と同軸の円環状の底面を有し、ホルダ24の片側面24aに円穴状の凹部(段差)を形成している。第1ターミナル42の前端部が半円状に切り欠かれ、また円弧状のスリット114(貫通孔)が設けられることにより、円環状のランド部112が形成されている。すなわち、ランド部112を囲むように空隙が形成され、そのランド部112に半田が盛られる。スリット114は「切欠部」として機能する。ランド部112およびその内側がエレメント接続部74として機能する。ランド部112の裏面側に座グリ70が位置する。
【0046】
スリット114の外接円の直径と、座グリ70の外径とが等しく設定されている。このため、ランド部112は、座グリ70の投影面の内側に位置する。アンテナエレメント26の給電部26aが、第1ターミナル42の表面42bの側から挿通孔75,68に挿通される。
【0047】
図7(B)にも示すように、座グリ70を設けたことで、ランド部112の裏面とホルダ24との間に空間S3が形成される。すなわち、第1ターミナル42の裏面42aは、ランド部112の位置においてホルダ24の片側面24aと非当接状態となる。
【0048】
以上の構成において、エレメント接続部74およびコイル接続部76,84のそれぞれに半田を盛ることにより、各部の半田接合がなされる(
図4(B)参照)。このとき、各部にスリットを設けたことにより半田盛りの箇所がランド部およびその内側に集中する。このため、ランド部の周囲への熱拡散を抑制でき、半田付け工程の効率が高められる。一方、このように各部において半田盛りの箇所がランド部よりも内側に制限されるとともに、座グリによっても各ターミナルとホルダ24との間に十分な空隙が形成されるため、空気層による断熱効果が得られ、半田の熱がホルダ24に伝導することを抑制できる。半田が濡れ広がることを防止できるため、半田の使用量を抑えることができる。また、それと同時に、熱が効率的に半田に伝わるため、半田付けの作業時間が短縮される。
【0049】
以上に説明したように、本実施形態では、アンテナ部品とターミナルとの接続部において、導電部が挿通される挿通孔の周囲に切欠部が設けられ、その切欠部によりランド部が区画される。そして、半田接合部がそのランド部に制限されることで、半田接合時のホルダへの熱伝導が抑制される。さらにランド部とホルダとの間に座グリ(凹状領域)による空隙を形成することで、その熱伝導抑制効果が高められる。その結果、半田接合時にホルダを溶かしてしまうことを防止又は抑制できる。このため、ホルダの材質として耐熱性の高い高価な樹脂材を採用する必要もなく、コスト低減を図ることもできる。
【0050】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係るアンテナ装置の外観および内部構造を表す図である。
本実施形態のアンテナ装置201は、アンテナエレメント226の給電部226aと第1ターミナル242とが一体に設けられている点で第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態との相異点を中心に説明する。
【0051】
アンテナ装置201は、樹脂製のホルダ224を備える。ホルダ224は前後に分割されており、前側のホルダ223は回路基板20と回路基板22との間に立設され、後側のホルダ225は回路基板22の後方に立設されている。
【0052】
アンテナエレメント226の前端から下方に向けて給電部226aが延出し、給電部226aの先端に第1ターミナル242が一体成形されている。第1ターミナル242は、ホルダ223の片側面223aに組み付けられている。
【0053】
第2ターミナル246は平板状をなし、ホルダ223の片側面223aに組み付けられている。第2ターミナル246から下方に向けて基板接続部86が延出し、回路基板22に導通している。ホルダ223の反対側面223bにコイル44が組み付けられ、導電線44aが第1ターミナル242に、導電線44bが第2ターミナル246にそれぞれ半田接合されている。
【0054】
本実施形態においても、アンテナエレメント226およびコイル44が「アンテナ部品」として機能する。ターミナル242,246は、板金を所定形状に切り取り、曲げ加工して得られたものであり、その裏面(第1側面)の大部分がホルダ223の片側面に当接する。ターミナル242,246の表面(第2側面)にアンテナ部品の導電部が半田付けされる。
【0055】
図9は、ホルダ周辺の構造を表す部分拡大図であり、
図8のF部に対応する。
図9(A)は斜め前方片側からみた図であり、
図9(B)は斜め前方反対側からみた図である。なお、本図においては便宜上、半田接合がなされる前において、アンテナエレメント226を取り外した状態を示す。
【0056】
図9(A)に示すように、アンテナエレメント226の形状に合わせるように、ホルダ223はホルダ225よりも高さが低い。アンテナエレメント226の前端部が給電部226aにて折り曲げられ、第1ターミナル242となっている。
図9(B)に示すように、コイル44は、ホルダ223の反対側面223bに設けられた凹状嵌合部256に取り付けられる。
【0057】
ホルダ223の凹状嵌合部256に対応する位置には、片側面223aから反対側面223bにわたって貫通する挿通孔258,260が設けられている。挿通孔258は導電線44aを挿通させ、挿通孔260は導電線44bを挿通させる。ホルダ223の片側面223aには、挿通孔258の周囲に座グリ262が設けられ、挿通孔260の周囲に座グリ264が設けられている。座グリ262は、挿通孔258と同軸の円環状の底面を有し、ホルダ223の片側面223aに円穴状の凹部(段差)を形成している。座グリ264は、ホルダ223の片側面223aに2つの円穴を上下方向にオーバラップさせた態様の凹部(段差)を形成している。座グリ264は、長円環状の底面を含む
【0058】
図10は、コイル44の取付構造を表す図であり、
図8のG部に対応する。
凹状嵌合部256は、コイル44の外形に沿う凹曲面を有する。凹状嵌合部256にはまた、コイル44の導電線44a,44bを貫通させるための挿通孔258,260が設けられている。
【0059】
図11は、コイル接続部およびその周辺の構造を表す部分拡大図である。
図11(A)は、ホルダ223を片側面223aの側からみた図を示す。
図11(B)は、ホルダ223をコイル44が取り付けられていない状態で反対側面223bの側からみた図を示す。
図11(C)は
図11(A)のH-H矢視断面図であり、
図11(D)は
図11(A)のI-I矢視断面図である。
【0060】
図11(A)および(C)に示すように、第1ターミナル242のコイル接続部に挿通孔77が設けられている。第1ターミナル242の裏面242aがホルダ223に当接する。第1ターミナル242の表面242bにランド部100が設けられ、ランド部100を囲むように一対のスリット102が設けられている。ランド部100の裏面側に座グリ262が位置する。ランド部100は、座グリ262の投影面の内側に位置する。
【0061】
一方、
図11(A)および(D)に示すように、第2ターミナル246のコイル接続部に挿通孔85が設けられている。また、挿通孔85の下方近傍に予備の挿通孔87が設けられている。第2ターミナル246の裏面246aがホルダ223に当接する。第2ターミナル246の表面246bには、挿通孔85の周囲にランド部208が設けられ、挿通孔87の周囲にもランド部が設けられている。これらのランド部の裏面側に座グリ264が位置する。各ランド部は、座グリ264の投影面の内側に位置する。各ランド部を囲むように複数のスリット210,212が設けられている。これらのスリット210,212は「切欠部」として機能する。
【0062】
図11(B)に示すように、コイル44の大きさを変更する自由度をもたせるために、挿通孔260が上下に長い楕円又は長円状をなしている。挿通孔260は、第2ターミナル246において隣接する複数の挿通孔85,87に対応する開口面積を有する。このような構成により、導電線44bの挿通位置を挿通孔260の開口範囲で変更できる。
【0063】
図11(C)に示すように、座グリ262を設けたことで、ランド部100の裏面とホルダ223との間に空間S4が形成される。また、
図11(D)に示すように、座グリ264を設けたことで、ランド部208の裏面とホルダ223との間に空間S5が形成される。挿通孔258,260は、コイル44側に向けて内径が大きくなるテーパ形状を有する。すなわち、挿通孔258,260の開口端に面取りがなされており、凹状嵌合部256側からの導電線44a,44bの挿入を容易にしている。
【0064】
本実施形態においても、アンテナ部品とターミナルとの接続部において、導電部が挿通される挿通孔の周囲に切欠部が設けられ、ランド部とホルダとの間に座グリ(凹状領域)による空隙が形成される。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
[変形例]
図12は、変形例に係るアンテナ装置の要部を表す部分拡大図である。
図13は、ランド部およびその周辺の構成を詳細に表す部分拡大図である。
図13(A)は第1ターミナル242におけるランド部100の周辺を示し、
図13(B)は第2ターミナル246におけるランド部208の周辺を示す。
図12には半田盛りがなされた後の状態、
図13には半田盛りがなされる前の状態がそれぞれ示されている。
【0066】
図12に示すように、本変形例では、各ターミナルにおいて、各ランド部を囲むように壁部が突設され、半田の流れを規制している。すなわち、第1ターミナル242における一対のスリット102の内縁に沿って壁部250が構成されている。このため、半田290が壁部250の内側、つまりランド部100の範囲に収まり易い。同様に、第2ターミナル246における複数のスリット210,212の内縁に沿って壁部252が構成されている。このため、半田292が壁部252の内側、つまりランド部208の範囲に収まり易い。
【0067】
図13には便宜上、半田盛りがなされる前の状態における壁部250が散点模様にて示されている。第1ターミナル242においてはランド部100の外縁および内縁に沿って壁部250が突設されている。なお、
図12に示した第2ターミナル246においても同様に、ランド部208の外縁および内縁に沿って壁部252が突設されている。壁部250,252の内側に半田290,292が盛られる。
【0068】
本変形例によれば、ターミナルに壁部を設けたことで半田付け時に半田がスリットや挿通孔に漏れることを防止又は抑制できる。このため、漏れた半田がホルダに到達して溶かしてしまうような事態を避けることができる。すなわち、壁部を設けることで、第1実施形態よりも高い効果が得られる可能性がある。
【0069】
上記実施形態では、「アンテナ部品」としてアンテナエレメントおよびコイルを例示したが、例えばコンデンサ等の電子部品(回路部品)その他のアンテナ部品について、ターミナルとの間で上記半田接合構造を適用してもよい。コンデンサの2つの導電線の一方を第1ターミナルに半田付けし、他方を第2ターミナルに半田付けしてもよい。それらの半田接合に上記実施形態や変形例の構造を適用してもよい。
【0070】
上記実施形態では、アンテナエレメントをAM/FM用のエレメントとして説明したが、例えばDAB(Digital Audio Broadcasting)その他の放送用に用いてもよい。また、FM用とDAB用のそれぞれに個別に同調コイルを設け、DAB用にコンデンサを接続するなどし、アンテナエレメントについては共用としてもよい。なお、同じFM/AM用のアンテナであっても、国によって周波数帯が微妙に異なるため、同調コイルの大きさが異なることがある。
【0071】
上記実施形態では「空隙」を「切欠部」とし、その具体例としてスリットを示した。変形例においては、ランド部の周囲にターミナルを貫通しない溝形状、窪み、段差、座グリなどの凹部を設け、「空隙」として機能させてもよい。ターミナルの一部を凹状に塑性変形させ(つまり反対側に向けて凸とし)、その凹部を「空隙」として機能させてもよい。ランド部の周囲に凹凸構造を設け、その凹部を「空隙」として機能させてもよい。ターミナルの一部を曲げ加工あるいはボス加工することにより凹凸構造を設け、得られた凸部の間、あるいは凸部に囲まれる領域に「空隙」を形成してもよい。
【0072】
上記実施形態および変形例では述べなかったが、ランド部における半田の流れを規制する構造として、ランド部の周囲に隆起形状を設けてもよい。すなわち、ターミナルの表面(第2側面)においてランド部の外縁および内縁の少なくとも一方に沿って壁部が設けられ、その壁部が半田の流れを規制する構造を採用してもよい。
【0073】
上記実施形態および変形例では述べなかったが、アンテナ部品の導電線(導電部)がホルダを貫通せず、ターミナルのみ貫通する構成としてもよい。ターミナルとホルダとの間に凹凸構造等による間隙を形成し、その間隙に導電部を引き回すなどしてもよい。
【0074】
上記実施形態では、ホルダの外側面に凹状領域としての座グリを形成する例を示した。変形例においては、ターミナルにおけるランド部の裏面に座グリ等による凹状領域を設けてもよい。
【0075】
上記変形例では、ランド部の外縁および内縁の双方に沿って壁部を設ける構成を示したが(
図13参照)、外縁および内縁の一方にのみ壁部を設けてもよい。例えば、ランド部の周囲をスリット(貫通孔)ではなく溝部(凹部)とする場合、半田がその溝部に流れたとしてもホルダに接触することはない。このため、ランド部の内縁に沿ってのみ壁部を設けてもよい。また、ターミナルの挿通孔と導電部との間隙を十分に小さくすることで、半田が挿通孔を流れ落ち難くできる。このため、ランド部の外縁に沿ってのみ壁部を設けてもよい。
【0076】
上記実施形態では、壁部をターミナルの打ち抜き成形とともに得る例を示した。変形例においては、曲げ加工、加締め加工、プレス加工、切削加工などによりターミナルの表面に突起(突条、ボスなど)を設けることで壁部を構成してもよい。
【0077】
上記実施形態では、アンテナベースとシールパッドとを別部材として用意し、両者を取り付けてベース部材とする例を示した。変形例においては、金型を用いたモールド成形によりアンテナベースとシールパッドを一体に形成してもよい。また、他の変形例においては、ベース部材を単一部材で構成してもよい。具体的には、樹脂製のアンテナベースのみでベース部材を構成してもよい。
【0078】
上記実施形態では、アンテナベースを単一部材にて構成した。変形例においては、アンテナベースを複数の部材で構成してもよい。例えば、金属製の第1ベース(以下「金属ベース」という)と、樹脂製の第2ベース(以下「樹脂ベース」という)とを取り付けてアンテナベースを構成してもよい。
【0079】
上記実施形態では、ホルダとアンテナベースとを別部材にて構成し、ホルダをアンテナベース(ベース部材)に固定する例を示した。変形例においては、アンテナベースとホルダとを一体に形成してもよい。例えば樹脂材の射出成形によりアンテナベース(樹脂ベース)に突起などを一体成形し、その突起をホルダとして機能させてもよい。ホルダをアンテナベースの一部として構成してもよい。このように、ホルダを「ベース部材」に配置してもよい。あるいは、ホルダをアンテナ装置のカバー(ケース)に固定してもよい。
【0080】
上記実施形態では、アンテナエレメント26を金属からなるものとしたが、導電樹脂その他の導電性材料からなるものとしてもよい。
【0081】
上記実施形態では、アンテナ装置の収容空間にAM、FM、GPSに適用可能なアンテナエレメントを収容する構成を例示した。変形例においては、このほかにもXM、GNSS、DAB、V2X、TEL等その他に適用可能なアンテナエレメントを収容してよい。複数の周波数帯に対応するよう複数のアンテナエレメントを搭載した複合アンテナ装置としてもよい。
【0082】
上記実施形態では、シャークフィンアンテナ(低背型アンテナ装置)を例示したが、樹脂製のホルダにアンテナ部品およびターミナルを固定するアンテナ装置であれば、上記半田接合構造を適用可能であることは言うまでもない。上記実施形態では、アンテナ装置をルーフパネルに設置するものとして説明したが、スポイラーやトランクパネルなど車体のその他の位置に設置してもよい。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 アンテナ装置、10 ベース部材、20 回路基板、22 回路基板、24 ホルダ、24a 片側面、24b 反対側面、26 アンテナエレメント、26a 給電部、34 パッチアンテナ、42 第1ターミナル、42a 裏面、42b 表面、44 コイル、44a 導電線、44b 導電線、46 第2ターミナル、46a 裏面、46b 表面、56 凹状嵌合部、58 挿通孔、60 挿通孔、62 座グリ、64 座グリ、66 挿通孔、68 挿通孔、70 座グリ、72 ターミナル本体、74 エレメント接続部、75 挿通孔、76 コイル接続部、77 挿通孔、82 ターミナル本体、84 コイル接続部、85 挿通孔、86 基板接続部、87 挿通孔、92 半田、96 半田、100 ランド部、102 スリット、104 挿通孔、108 ランド部、110 スリット、112 ランド部、114 スリット、201 アンテナ装置、208 ランド部、210 スリット、212 スリット、223 ホルダ、223a 片側面、223b 反対側面、224 ホルダ、224a 片側面、225 ホルダ、226 アンテナエレメント、226a 給電部、242 第1ターミナル、242a 裏面、242b 表面、246 第2ターミナル、246a 裏面、246b 表面、250 壁部、252 壁部、256 凹状嵌合部、258 挿通孔、260 挿通孔、262 座グリ、264 座グリ、290 半田、292 半田、S1 空間、S2 空間、S3 空間、S4 空間、S5 空間。