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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084491
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】ストッカおよびストッカ管理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20230612BHJP
   G06Q 10/08 20230101ALI20230612BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
B65G61/00 550
G06Q10/08
A47G29/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198694
(22)【出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋田 大起
【テーマコード(参考)】
3K100
5L049
【Fターム(参考)】
3K100CA02
3K100CA45
3K100CA47
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】1つの収容庫に複数の物品が納品可能なものにおいて、受取者による物品の取り忘れを良好に防止する。
【解決手段】ストッカシステムは、物品の納品と受取とが可能な複数の収容庫を含み、受取者が同じ複数の物品の納品を1つの収容庫に受け入れ可能なストッカと、1つの収容庫に複数の物品が納品されると、複数の物品の受取者に対して物品の取り忘れがないように取り忘れ防止用の案内を事前に通知する通知部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の納品と受取とが可能な複数の収容庫を含み、受取者が同じ複数の物品を1つの前記収容庫に受け入れ可能なストッカ本体と、
1つの前記収容庫に前記複数の物品が納品されると、前記複数の物品の受取者に対して物品の取り忘れがないように取り忘れ防止用の案内を事前に通知する通知部と、
を備えるストッカ。
【請求項2】
請求項1に記載のストッカであって、
前記通知部は、前記取り忘れ防止用の案内を無線通信により通知する、
ストッカ。
【請求項3】
請求項2に記載のストッカであって、
操作者による入力が可能な入力部と、
前記複数の収容庫の開閉を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、納品者による物品の納品が指示されると、前記入力部を介して前記物品の受取者を識別する識別情報の入力を受け付け、前記複数の収容庫のうちいずれにも受取者の識別情報が一致する物品が納品されていなければ、前記複数の収容庫のうち空いている収容庫を開放して前記物品の納品を受け入れ、前記複数の収容庫のうちいずれかに受取者の識別情報が一致する物品が納品されていれば、該当する収容庫を開放して物品の納品を受け入れると共に前記通知部により前記取り忘れ防止用の案内を前記物品の受取者に通知する、
ストッカ。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項に記載のストッカであって、
操作者による入力が可能な入力部と、
前記入力部の近傍または前記入力部と一体に設けられ、各種案内を表示する表示部と、
を備え、
前記通知部は、前記入力部を介して前記複数の物品の受取者により物品の受取が指示されたときに、前記取り忘れ防止用の案内を前記表示部に表示する、
ストッカ。
【請求項5】
物品の納品と受取とが可能な複数の収容庫を含むストッカを管理するストッカ管理装置であって、
受取者が同じ複数の物品の納品を1つの前記収容庫に収容された場合に、前記複数の物品の受取者に対して物品の取り忘れがないように取り忘れ防止用の案内を事前に通知する、
ストッカ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストッカおよびストッカ管理装置について開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のストッカとしては、ロッカー毎にロッカー内部を撮影するカメラを有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このストッカでは、同じ受取人宛の荷物を、1つのロッカーに収容することが可能である。また、宅配ボックスでは、カメラによって撮影されたロッカー内部の映像に基づいてロッカー毎の空きスペースのサイズを検出し、空きスペースが最大でない場合、荷物の取り忘れがあると判断し、取り忘れメッセージを出力して受取人に取り忘れの可能性を指摘する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-142600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したストッカでは、カメラにより撮影されたロッカー内部の空きスペースによって荷物の取り忘れがないかどうかを判断するため、受取者が受取行動をとった後にしか、取り忘れを判断することができない。このため、荷物の取り忘れがあっても、取り忘れメッセージが出力されたころには、受取者は既に宅配ボックスから離れている場合が生じ、受取者が取り忘れメッセージに気づかないおそれがある。
【0005】
本開示は、1つの収容庫に複数の物品が納品可能なものにおいて、受取者による物品の取り忘れを良好に防止することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のストッカは、物品の納品と受取とが可能な複数の収容庫を含み、受取者が同じ複数の物品を1つの前記収容庫に受け入れ可能なストッカ本体と、1つの前記収容庫に前記複数の物品が納品されると、前記複数の物品の受取者に対して物品の取り忘れがないように取り忘れ防止用の案内を事前に通知する通知部と、を備えることを要旨とする。
【0008】
この本開示のストッカでは、同じ受取者の複数の物品が1つの収容庫に納品されることで、より多くの物品をストッカに納品することが可能となる。ここで、1つの収容庫に複数の物品が収容されている場合、収容庫に1つの物品しか入っていないと思い込んでいる受取者にとって、取り忘れが発生し易い状況と考えられる。このため、複数の物品の受取者に対して事前に取り忘れ防止用の案内を通知することで、物品の取り忘れを良好に防止することができる。
【0009】
本開示のストッカ管理装置は、物品の納品と受取とが可能な複数の収容庫を含むストッカを管理する管理装置であって、受取者が同じ複数の物品の納品を1つの前記収容庫に収容された場合に、前記複数の物品の受取者に対して物品の取り忘れがないように取り忘れ防止用の案内を事前に通知することを要旨とする。
【0010】
この本開示のストッカ管理装置によれば、本開示のストッカと同様に、物品の取り忘れを良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ストッカを含むストッカシステムの斜視図である。
図2】制御ユニットの正面図である。
図3】制御ユニットと他の装置との入出力関係を示すブロック図である。
図4】記憶部に記憶される管理情報の一例を示す説明図である。
図5】納品処理の一例を示すフローチャートである。
図6】納品通知画面の一例を示す説明図である。
図7】受取処理の一例を示すフローチャートである。
図8】取り忘れ防止案内表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示のストッカシステムの好適な実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、ストッカ10を含むストッカシステム1の斜視図である。図2は、制御ユニット30の正面図である。図3は、制御ユニット30と他の装置との入出力関係を示すブロック図である。なお、本実施形態において、左右方向、前後方向及び上下方向は、各図に示した通りとする。
【0013】
ストッカシステム1は、図1に示すように、ストッカ10と、ストッカ10を管理するストッカ管理装置40と、を備える。
【0014】
ストッカ10は、物品を納入可能な箱状の複数の収容庫20を含むストッカ本体と、各収容庫20への物品の納入や取り出しに関する各種操作を受け付けたり各収容庫20の施錠や解錠に関する各種処理を行ったりする制御ユニット30と、を備える。ストッカ10には、上下に複数個(図1では4個)ずつの収容庫20が左右に複数列(図1では5列)並んで配置されている。制御ユニット30は、左端の列に1の収容庫20に代えて配置されている。このストッカ10は、オフィスや店舗、駅、学校、マンション、ショッピングセンタなど様々な場所に設置され、屋内だけでなく屋外に設置されることもある。ストッカ10は、いずれかの収容庫20を配達先(納品先)として配達者(納品者)により物品が納入された後に、受取者が当該収容庫20から物品を取り出して物品を受け取ることで、配達者により配達される物品の受け渡しに用いられる。
【0015】
収容庫20は、図1または図3に示すように、前方が開口した直方体状の本体21と、本体21にヒンジを介して開閉可能に取り付けられた扉22と、扉22の施錠および解錠を行なう電気錠24と、扉22の開閉を検出する開閉センサ25と、庫内の底部に設けられた重量センサ26と、を備える。扉22は、図示しないスプリングにより開方向に付勢され、電気錠24が解錠されると、付勢力により自動で開扉する。重量センサ26は、重量を検出することにより庫内の物品の有無を検出する。
【0016】
制御ユニット30は、図1に示すように、各収容庫20と同じサイズの直方体状の本体31と、本体31の前面を覆い各種機器が取り付けられる前面板32と、本体31内の空間に配置される制御装置33と、を備える。前面板32の各種機器としては、図3に示すように、操作パネル34や読取機35、カメラ36、スピーカ37が取り付けられている。
【0017】
操作パネル34は、前面板32の中央に配置されている。操作パネル34は、物品の納品や受取に関する操作案内などを表示すると共に、物品の納品や受取に関する入力操作などを受け付ける。なお、図2では、一例として、操作者に荷物の納品か受取を選択させるための案内画像Gaと、操作者に納品処理をさせるための納品ボタン及び操作者に荷物の受け取りをさせるための受取ボタンを有する操作画像Gbとが表示されている。読取機35は、受取者が物品を受け取るための認証に用いるQRコード(登録商標)を読み取るためのQRコードリーダである。カメラ36は、ストッカ10の前方の所定範囲を撮像可能に配置され、納品者や受取者などの被写体を含む画像を撮像する。スピーカ37は、物品の納入や取り出しに関する操作案内などを複数の音声出力孔を介して音声で出力する。
【0018】
制御装置33は、図3に示すように、制御部33aと記憶部33bと通信部33cとを備える。制御部33aは、ストッカ10全体の制御を司るものである。この制御部33aは、CPUやROM、RAMにより構成される。記憶部33bは、処理プログラムを記憶すると共に、各収容庫20を管理するための管理情報が記憶されている。管理情報には、図4に示すように、例えば、収容庫20を識別するための収容庫番号と、収容されている物品の有無、1つの収容庫20に物品が複数回納品されているか否かを示すフラグFの値、物品の受取者(利用者)を識別する利用者IDなどが含まれている。通信部33cは、インターネット等のネットワーク41を介して接続され、ストッカ管理装置40と情報をやり取りしたり、受取者が携帯する携帯機器50に対して各種情報を送信したりする。
【0019】
制御装置33は、操作パネル34からの入力信号、読取機35からのコード読み取り信号およびカメラ36からの画像信号を入力可能である。また、制御装置33は、収容庫20毎に開閉センサ25からの検出信号および重量センサ26からの検出信号を入力可能である。制御装置33は操作パネル34への制御信号、読取機35への制御信号、カメラ36への制御信号およびスピーカ37への音声信号を出力可能である。また、制御装置33は、収容庫20毎に電気錠24への制御信号を出力可能である。
【0020】
ストッカ管理装置40は、ストッカ10を含む複数のストッカを管理する管理サーバとして構成される。ストッカ管理装置40は、利用者IDを記憶する。利用者IDは、例えば物品の購入の際に行なわれたユーザ登録により生成され、ストッカ管理装置40に記憶される。
【0021】
次に、こうして構成されたストッカ10の動作について説明する。ストッカ10の動作としては、主に、納品者がストッカ10の収容庫20に物品を納品するための納品処理と、受取者が収容庫20から物品を受け取るための受取処理とがある。操作パネル34には、カメラ36により正面に動く物体が検出されたことに基づいて図2に示す案内画像Gaと操作画像Gbが表示され、操作画像Gbには、納品ボタンおよび受取ボタンがタッチ操作可能な状態で表示される。納品処理は、納品ボタンがタッチ操作されることにより実行される。受取処理は、受取ボタンがタッチ操作されることにより実行される。まず、納品処理について説明する。図5は、納品処理の一例を示すフローチャートである。
【0022】
納品処理では、制御部33aは、まず、操作パネル34に入力案内画像を表示させるなどして、納品者に利用者IDの入力を求める(S100)。受取者の入力は、読取機35によるコード読み取りにより行なったり、操作パネル34に利用者ID(番号)の入力を促す案内画像と入力用のソフトウエアキーボードとを表示することにより納品者によるキーボード入力により行なったりすることができる。利用者IDが入力されると、制御部33aは、入力された利用者IDが予めストッカ管理装置40に登録された正規の利用者IDと一致するか否かの照合を行なう(S110)。制御部33aは、利用者IDが照合されなかったときには、操作パネル34にエラー画像を表示させるなどして納品者にエラーを報知して(S120)、再びS100に戻る。
【0023】
一方、制御部33aは、利用者IDが照合されたときには、記憶部33bに記憶されている管理情報を参照して照合された利用者IDと同じ利用者IDの物品が収容庫20に納品されているか否かを判定する(S130)。制御部33aは、利用者IDが同じ物品が収容庫20に納品されていないと判定すると、管理情報を参照してストッカ10の各収容庫20のうち空いている収容庫20を納品先の収容庫20として、当該収容庫20が解錠されるように電気錠24を制御する(S140)。上述したように、扉22は、開方向に付勢されているため、電気錠24が解錠されると、自動的に開放する。これにより、納品者は物品を収容庫20に納品することができる。制御部33aは、収容庫20を解錠すると、納品が完了したか否かを判定する(S150)。この判定は、開閉センサ25および重量センサ26からの検出信号に基づいて、扉22が閉じられ、且つ、庫内に物品があるかを判定することにより行なわれる。制御部33aは、納品が完了したと判定すると、収容庫20が施錠されるように電気錠24を制御する(S160)。続いて、制御部33aは、物品が納品された収容庫20の収容庫番号と利用者IDとを対応付けて管理情報として記憶部33bに記憶する(S170)。そして、制御部33aは、図6(a)に示すようにストッカ10に物品が届いている旨の到着通知と物品の受取に必要な受取番号と受取番号をコード化した受取コードとを受取者が携帯する携帯機器50にネットワーク41を介して送信して(S180)、納品処理を終了する。
【0024】
S130において、制御部33aは、利用者IDが同じ物品が収容庫20に納品されていると判定すると、該当する収容庫20を納品先の収容庫20として、当該収容庫20が解錠されるように電気錠24を制御する(S190)。これにより、1つの収容庫20に対して受取者が同じ物品が納品することができ、限られたスペースを有効活用して、空き収容庫20を増やすことができる。制御部33aは、収容庫20を解錠すると、納品が完了したか否かを判定する(S200)。この判定は、開閉センサ25および重量センサ26からの検出信号に基づいて、扉22が閉じられ、且つ、庫内に物品が追加されたかを判定することにより行なわれる。制御部33aは、納品が完了したと判定すると、収容庫20が施錠されるように電気錠24を制御する(S210)。続いて、制御部33aは、管理情報として物品が納品された収容庫20の収容庫番号に対応付けられたフラグFに値1を設定する(S220)。そして、制御部33aは、図6(b)に示すように到着通知と受取番号と受取コードとに加えて、受取者に対して物品の取り忘れがないように促す取り忘れ防止用の通知を受取者が携帯する携帯機器50にネットワーク41を介して送信して(S230)、納品処理を終了する。
【0025】
次に、受取処理について説明する。図7は、受取処理の一例を示すフローチャートである。
【0026】
受取処理では、制御部33aは、まず、操作パネル34に入力案内画像を表示させるなどして、受取者に利用者IDの入力を求める(S300)。利用者IDの入力は、S100と同様に、コード読み取りにより行なったり、キーボード入力により行なったりすることができる。利用者IDが入力されると、制御部33aは、入力された利用者IDが記憶部33bの管理情報に登録されたいずれかの利用者IDと一致するか否かの照合を行なう(S310)。制御部33aは、利用者IDが照合されなかったときには、操作パネル34にエラー画像を表示させるなどして納品者にエラーを報知して(S320)、再びS300に戻る。
【0027】
一方、制御部33aは、利用者IDが照合されたときには、記憶部33bに記憶されている管理情報において利用者IDに対応付けられた収容庫番号のフラグFが値1であるか否かを判定する(S330)。すなわち、制御部33aは、1つの収容庫20に物品が2回以上納品されたか否かを判定する。制御部33aは、利用者IDに対応付けられた収容庫番号のフラグFが値1でなく値0であると判定すると、利用者IDに対応する収容庫番号の収容庫20を受取先の収容庫20として、当該収容庫20が解錠されるように電気錠24を制御する(S350)。一方、制御部33aは、利用者IDに対応付けられた収容庫番号のフラグFが値1であると判定すると、図8に示すように受取者に対して物品の取り忘れがないように促す取り忘れ防止案内表示を操作パネル34に表示してから(S340)、利用者IDに対応する収容庫番号の収容庫20を受取先の収容庫20として、当該収容庫20が解錠されるように電気錠24を制御する(S350)。これにより、受取者は収容庫20から物品を受け取ることができる。また、1つの収容庫20に物品が2回以上納品されていれば、物品が収容庫20に納品された際に受取者の携帯機器50に取り忘れ防止用の通知が送信され、受取者が物品を受け取るために操作パネル34を操作した際に当該操作パネル34に取り忘れ防止用の案内が表示されるため、物品の取り忘れを効果的に防止することができる。例えば、庫内の手前に収容されている物品により奥に収容されている物品が隠れているような場合に、収容庫20に1つの物品しか入っていないと思い込んでいる受取者が、奥に収容されている物品を取り忘れるのを防ぐことができる。制御部33aは、収容庫20を解錠すると、受取が完了したか否かを判定する(S360)。この判定は、開閉センサ25および重量センサ26からの検出信号に基づいて、扉22が閉じられ、且つ、庫内に物品がないかを判定することにより行なわれる。制御部33aは、受取が完了したと判定すると、収容庫20が施錠されるように電気錠24を制御する(S370)。続いて、制御部33aは、記憶部33bに登録された管理情報において、物品が納品された収容庫20の収容庫番号に対応付けられた利用者IDとフラグFとをクリアして(S380)、受取処理を終了する。
【0028】
以上説明した本実施形態のストッカ10では、同じ受取者の複数の物品が1つの収容庫20に納品されると、受取者に対して事前に取り忘れ防止用の案内を通知する。これにより、収容庫20に1つの物品しか入っていないと思い込んでいる受取者が物品を取り忘れるのを良好に防止することができる。
【0029】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の収容庫20が本開示の収容庫に相当し、複数の収容庫20を含むストッカ本体がストッカ本体に相当し、納品処理のS230の処理を実行する制御部33aおよび通信部33cが通知部に相当する。また、操作パネル34が入力部と表示部に相当し、納品処理を実行する制御部33aが制御部に相当する。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0031】
例えば、上述した実施形態では、制御部33aは、1つの収容庫20に物品が2回以上納品された際に受取者の携帯機器50に対して取り忘れ防止用の通知を送信し、受取者が物品を受け取るために操作パネル34が操作された際に操作パネル34に取り忘れ防止用の案内を表示するものとしたが、いずれか一方のみ行なうようにしてもよい。
【0032】
また、上述した実施形態では、制御ユニット30は、入力部と表示部とが一体の操作パネル34(タッチパネル)を備えるものとした。しかし、入力部と表示部とは、互いに近接した位置に別々に設けられてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態では、受取者の携帯機器50への取り忘れ防止用の通知を、制御ユニット30の制御部33aおよび通信部33cが行なうようにしたが、ストッカ10とネットワーク41を介して接続されたストッカ管理装置40が行なうようにしてもよい。この場合、ストッカ管理装置40は、ストッカ10から管理情報を受信し、管理情報に従って取り忘れ防止用の通知を受取者の携帯機器50へ送信するようにすればよい。
【0034】
本開示のストッカは以下のように構成してもよい。
【0035】
本開示のストッカにおいて、前記通知部は、前記取り忘れ防止用の案内を無線通信により通知してもよい。こうすれば、例えば受取者の携帯機器に通知が送信されることで、受取者に取り忘れ防止用の案内をより確実に通知することができる。この場合、操作者による入力が可能な入力部と、前記複数の収容庫の開閉を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、納品者による物品の納品が指示されると、前記入力部を介して前記物品の受取者を識別する識別情報の入力を受け付け、前記複数の収容庫のうちいずれにも受取者の識別情報が一致する物品が納品されていなければ、前記複数の収容庫のうち空いている収容庫を開放して前記物品の納品を受け入れ、前記複数の収容庫のうちいずれかに受取者の識別情報が一致する物品が納品されていれば、該当する収容庫を開放して物品の納品を受け入れると共に前記通知部により前記取り忘れ防止用の案内を前記物品の受取者に通知してもよい。
【0036】
また、本開示のストッカにおいて、操作者による入力が可能な入力部と、前記入力部の近傍または前記入力部と一体に設けられ、各種案内を表示する表示部と、を備え、前記通知部は、前記入力部を介して前記複数の物品の受取者により物品の受取が指示されたときに、前記取り忘れ防止用の案内を前記表示部に表示してもよい。受取者が物品を受け取るために入力した入力部の近傍または入力部と一体の表示部に取り忘れ防止用の案内を表示することで、受取者に取り忘れ防止用の案内をより確実に通知することができる。
【0037】
なお、本開示はストッカの形態としたが、ストッカ管理装置の形態としてもよいし、ストッカシステムの形態としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、収容庫やストッカの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 ストッカシステム、10 ストッカ、20 収容庫、21 本体、22 扉、24 電気錠、25 開閉センサ、26 重量センサ、30 制御ユニット、31 本体、32 前面板、33 制御装置、33a 制御部、33b 記憶部、33c 通信部、34 操作パネル、35 読取機、36 カメラ、37 スピーカ、40 ストッカ管理装置、41 ネットワーク、50 携帯機器、Ga 案内画像、Gb 操作画像。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8