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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084500
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】テントフレーム
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/34 20060101AFI20230612BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20230612BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20230612BHJP
   F16B 7/18 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
E04H15/34 C
E04B1/58 506F
E04B1/24 J
F16B7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198711
(22)【出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】500094381
【氏名又は名称】株式会社サンエープロテント
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100137648
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢一
(72)【発明者】
【氏名】高山 敏彦
【テーマコード(参考)】
2E125
2E141
3J039
【Fターム(参考)】
2E125AA06
2E125AA16
2E125AB16
2E125AC13
2E125AG03
2E125AG12
2E125AG43
2E125BB11
2E125BB13
2E125BD01
2E125BE05
2E125CA05
2E141AA01
2E141AA02
2E141BB01
2E141CC01
2E141DD22
3J039AA08
3J039BB03
3J039GA00
3J039GA04
3J039GA07
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で、組立、分解を容易に行え、しかも、強度的にも優れたテントフレームを提供する。
【解決手段】 支柱8と、前記支柱8と連結する横架材16aと、を備え、前記横架材16aの端部の連結部22を上方又は下方から収納可能な収納空間部32を有する保持部材29を、前記支柱8の上部に設け、前記保持部材29の前記収納空間部32内に前記横架材16aの連結部22を位置させた状態でボルトとナットで締結する連結手段6を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、連結手段を介して前記支柱と連結される横架材と、を備え、
前記連結手段は、前記横架材の端部の連結部と、前記支柱の上部に設けられて前記連結部を下方又は上方から収納可能な収納空間を有する保持部材と、を含み、
前記保持部材と前記連結部とは、前記保持部材の前記収納空間部内に前記横架材の前記連結部を位置させた状態でボルトとナットで連結するように構成されているテントフレーム。
【請求項2】
前記保持部材は、断面略コ字状である請求項1に記載のテントフレーム。
【請求項3】
前記横架材の端部に補強部を設けて、前記横架材の端部と前記補強部を、前記連結手段の連結部とし、前記連結手段の連結部を、前記保持部材の収納空間部内に収納させた状態で、前記横架材の端部と補強部に、それぞれボルトを貫通させてナットを締結させた請求項1又は2記載のテントフレーム。
【請求項4】
複数の支柱を用い、上下に連結可能な接続手段を設けた請求項1~3記載の何れか1項に記載のテントフレーム。
【請求項5】
前記接続手段として、支柱の端面に設けた取付フランジ同士を重ね合わせて、ボルトとナットで連結した請求項1~4記載の何れか1項に記載のテントフレーム。
【請求項6】
前記支柱に連結される錘体と、前記支柱の下端に設けられるジャッキベースと、を更に備え、
前記錘体は、ボルトを通す長孔が高さ方向に延びる連結板を備え、
前記支柱は、前記連結板と連結するための固定板であって、前記長孔に通すボルトを通す通孔が形成された前記固定板を備える、
請求項1~5の何れかに記載のテントフレーム。
【請求項7】
前記固定板が4方に突出するようにして4枚設けられ、前記4枚の固定板の何れかに前記錘体が連結される、請求項6に記載のテントフレーム。
【請求項8】
前記固定板が複数枚設けられ、何れか1枚の前記固定板にキャスターが取り付けられる、請求項6又は7に記載のテントフレーム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、工事現場の作業場、資材置き場、集会場として用いることができる、組立式仮設テントのテントフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテントフレームとして、図18及び図19に示すように、中空の型材で形成された支柱100と横架材101とを継手102で連結するテントフレーム104が知られている(例えば特許文献1)。テントフレーム104の組立時、先ず、支柱100の上端部に継手102の挿入部102aを挿入し、横架材101の端部に継手102の挿入部102b、102cを其々挿入し、それらをボルトで連結する。なお、図19において、符号101aはボルト孔であり、符号102d、102eは溶接されたナットであり、ボルト孔101aに通したボルトをナット102d、102eに螺入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-92041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のテントフレームは、図19に示すように、支柱の上部に取り付けた継手の挿入部を、横架材の端部に差し込む必要がある。横架材の両端部に継手の挿入部を差し込むためには、例えば、1本目の支柱を立てておいて、継手の挿入部に横架材の一方の端部を差込み、その横架材の他方の端部に、2本目の支柱に取り付けた継手の挿入部を差し込む必要がある。従って、支柱の移動が必要であり、横架材についても持ち上げる移動に加えて、一定の軸線上で長さ方向への移動も必要となって、組立の時間が嵩む。特に、テントフレームが大型化(例えば高さ4m)して、横架材の重量が増すと、重量物の横架材を持ち上げた状態で軸合わせしながら長さ方向へ移動させる操作に時間がかかる。また、テントフレームが大型化した場合に、強度の向上も求められる。
【0005】
そこで、本発明は、大型で重量の大きなテントフレームであっても、より短時間で組立可能なテントフレームを提供することを主たる目的とし、併せて、強度的に優れたテントフレームを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るテントフレームは、上記課題を解決するため、支柱と、連結手段を介して前記支柱と連結される横架材と、を備え、前記連結手段は、前記横架材の端部の連結部と、前記支柱の上部に設けられて前記連結部を下方又は上方から収納可能な収納空間を有する保持部材と、を含み、前記保持部材と前記連結部とは、前記保持部材の前記収納空間部内に前記横架材の前記連結部を位置させた状態でボルトとナットで連結するように構成されている。
【0007】
前記連結手段の保持部材は、断面略コ字状である方が好ましい。
【0008】
前記横架材の端部に補強部を設けて、前記横架材の端部と前記補強部を、前記連結手段の連結部とし、前記連結手段の連結部を、前記保持部材の収納空間部内に収納させた状態で、前記横架材の端部と補強部に、それぞれボルトを貫通させてナットを締結させたものである方がより好ましい。
【0009】
複数の支柱を用い、上下に連結可能な接続手段を設けてもよい。
【0010】
前記接続手段として、支柱の端面に設けた取付フランジ同士を重ね合わせて、ボルトとナットで連結したものが好ましい。
【0011】
前記支柱に連結される錘体と、前記支柱の下端に設けられるジャッキベースと、を更に備え、前記錘体は、ボルトを通す長孔が高さ方向に延びる連結板を備え、前記支柱は、前記連結板と連結するための固定板であって、前記長孔に通すボルトを通す通孔が形成された前記固定板を備えることが好ましい。
【0012】
前記固定板が4方に突出するようにして4枚設けられ、前記4枚の固定板の何れかに前記錘体が連結されることが好ましい。
【0013】
前記固定板が複数枚設けられ、何れか1枚の前記固定板にキャスターが取り付けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、組立、分解の時間を短縮することができ、更に、強度的にも優れており、大型のテントに適しているテントフレームを提供することを主たる目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施形態に係るテントフレームを用いたテントの使用状態を示す正面図である。
図2】同じく背面図である。
図3】本発明の第一実施形態に係るテントフレームを示す平面図である。
図4】同じくテントフレームを示す正面図である。
図5】同じくテントフレームを示す側面図である。
図6】同じく支柱を分解した状態の正面図である。
図7】水平枠体の分解平面図である。
図8】(a)上方支柱の平面図、(b)同じく正面図、(c)同じく側面図である。
図9】(a)前方の長手方向の横架材の平面図、(b)同じく正面図である。
図10】(a)短手方向の横架材の平面図、(b)同じく正面図である。
図11】(a)中央の長手方向の補強用架材の平面図、(b)同じく正面図である。
図12】(a)中央の短手方向の補強用架材の平面図、(b)同じく正面図である。
図13】組み立てた後の連結手段の拡大図である。
図14】組み立てる前の連結手段の拡大図である。
図15】組み立てた後の設置手段の拡大図である。
図16】組み立てる前の設置手段の分解拡大図である。
図17】(a)錘体の平面図、(b)同じく正面図である。
図18】従来のテントフレームを示す斜視図である。
図19図18テントフレームの組立時の要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
【0017】
本発明に係るテントフレームの一実施形態について、以下に図1図17に沿って説明する。テントTは、片流れ型の屋根開閉式テントであり、図1及び図2に示すように、テントフレーム1と、テント部2とで構成されている。図例のテントTは、例えば、工事現場の作業場、資材置き場、集会場として用いることができる。
【0018】
テントフレーム1は、図1及び図2に示すように、単位テントフレーム3と、4本の中間支柱4と、4本の下方支柱5とで構成される。単位テントフレーム3は、図3図6を参照して、水平枠体15と、水平枠体15に連結された4本の上方支柱9と、で構成されている。水平枠体15の横架材と上方支柱9とは、連結手段6により連結されている。下方支柱5の下部には設置手段7が設けられている。例えば、テントフレーム1の骨組や部材には金属製の形材が主として用いられる。
【0019】
図4図6に示すように、上方支柱9と、中間支柱4と、下方支柱5とによって、支柱8が構成されている。接続手段10によって、上方支柱9と中間支柱4と、中間支柱4と下方支柱5とが連結されている。
【0020】
テント部2は、図1及び図2を参照して、吊下杆11と、案内レール12と、吊下条13と、テントシート14とで構成されている。
【0021】
水平枠体15は、図3に示すように、枠状に連結された横架材16a,16b,17a,17bと、中央の長手方向の補強用架材18と、中央の短手方向の補強用架材19,19と、これらを連結する水平ブレス20とを備えている。
【0022】
さらに、前方の長手方向の横架材16aは、図9(a)、(b)に示すように、架材本体21後面の中央には、短手方向の補強用架材19,19の端部と連結するために、下方に向けて開口する断面略コ字状の受け部26が設けられており、その両側には、水平ブレス20と連結するための取付板27が設けられている。
【0023】
連結手段6は、横架材16a、16b、17a、17bの両端部に設けられた連結部22と、上方支柱9の上部に設けられた保持部材29とを含む。
【0024】
横架材16aには、図9(a)、(b)に示すように、角パイプの架材本体21の両端部に、連結部22が設けられている。他の横架材16a、17a、17bも、横架材16aと同様に連結部22が設けられている。なお、以下の説明に於いて、横架材16aについてのみ説明し、横架材16b、17a、17bについて重複する説明を省略することがある。
【0025】
連結部22は、図13及び図14に示すよう、架材本体21と同じ太さの角パイプを短く切断した補強部23を、架材本体21の両端部24,24の上面に載置して溶接等で固定している。架材本体21の端部24と補強部23とには、ボルトを挿入させるための通孔25が厚み方向に設けられている。
【0026】
このように、架材本体21の端部24と補強部23とによって、連結手段6の連結部22が形成されている。また、連結部22を形成する補強部23を設ける位置としては、架材本体21の下面や側面であってもよい。
【0027】
連結手段6の連結部22を、架材本体21の端部24と補強部23で形成することにより、強度を増すことができる。また、特に、補強部23を設けないで、架材本体21の端部24のみを、連結手段6の連結部22とすることも可能である。
【0028】
上方支柱9は、図8(a)、(b)に示すように、角パイプの支柱本体28の上部に、連結手段6の保持部材29が設けられている。
【0029】
すなわち、保持部材29は、横架材16aの連結部22を挟持した状態で収納できる距離だけ離間して、一対の挟持板30,30が支柱本体28に取り付けられており、さらに、支柱本体28上面と、両挟持板30,30の上面を覆うように、上板31が設けられており、下面と側面が開口され、内部に、前記横架材16aの連結部22を挿入するための収納空間部32が形成されている。
【0030】
なお、保持部材29は、横架材16aの連結部22を下方から持ち上げて位置させることができる収納空間部32を有するものであればよく、様々な形状のものを採用することができる。
【0031】
挟持板30は、図8(b)、(c)に示すように、四角形の板体の上部の角部が切り欠かれた形状であり、前記横架材16aの連結部22を挿入した時に、横架材16aの端部24と補強部23とに設けられた通孔25と一致する箇所に、ボルトを挿入させるための通孔33が設けられている。
【0032】
さらに、支柱本体28の下面には、図8に示すように、四角の板状の取付フランジ34が設けられ、該取付フランジ34の四隅には、ボルトを通すための通孔が設けられている。なお、符号35は、略三角形の補強板である。
【0033】
そして、図14を参照して、立起させた上方支柱9の保持部材29の下方に、横架材16aを位置させ、横架材16aを持ち上げて、図13に示すように、連結手段6の連結部22である横架材16aの端部24と補強部23を、保持部材29の収納空間部32内に挿入し、これらの通孔25,33を利用して、ボルトを通して、ナットで締め付けて連結することができる。
【0034】
横架材16aを支柱本体28に沿わせて持ち上げるだけで、連結位置に配置することができるため、連結時間を短縮することができる。上板31は、横架材16aの高さ方向の位置決めとしても機能する。即ち、上板31に横架材16aの連結部22が当接した位置で、ボルトを通す通孔25,33が重合し、連通する。
【0035】
逆に、分解する場合は、連結手段6のナットを緩めて、ボルトを取り外し、横架材16aを下方に下ろすだけで、保持部材29の収納空間部32内に位置させた横架材16aの連結部22の連結を解くことができる。
【0036】
また、後方の長手方向の横架材16bは、図7に示すように、前方の長手方向の横架材16aと同じ形状であり、それぞれ前後対称の関係に設置される。
【0037】
左の短手方向の横架材17aは、図10に示すように、長手方向の横架材16aと同じ形状のものであるが、長さが短く設定されている。さらに、右の短手方向の横架材17bは、図7に示すように、左の短手方向の横架材17aと同じ形状であるが、それぞれ左右対称の関係に設置される。
【0038】
中央の長手方向の補強用架材18は、図11に示すように、角パイプの架材本体36の前後面の中央に、短手方向の補強用架材19の端部を下方から上方に持ち上げて、収納することができる断面略コ状部材の受け部37が、下面を開口して設けられ、その両側には、水平ブレス20を連結するための取付板38が前面と後面に設けられている。
【0039】
中央の短手方向の補強用架材19は、図12に示すように、角パイプの架材本体39の前後面に、水平ブレス20と連結するための取付板40が設けられている。
【0040】
次に、中間支柱4は、図6に示すよう、角パイプの支柱本体41の上端面と下端面に、四角形の板状の取付フランジ42が直交方向に設けられており、該取付フランジ42の四隅には、ボルトを通すための通孔が設けられている。
【0041】
接続手段10は、上方支柱9の下面の取付フランジ34と、中間支柱4の上面の取付フランジ42と、これらのフランジを連結するボルト、ナットとで構成されている。
【0042】
下方支柱5は、図15及び図16に示すように、角パイプの支柱本体43の上端面に、四角の板状の取付フランジ44が直交方向に設けられ、該取付フランジ44の四隅には、ボルトを通すための通孔が設けられている。
【0043】
さらに、図16に示すように、下方支柱5の下面には、ジャッキベース45が設けられている。
【0044】
ジャッキベース45は、図16に示すように、ハンドル46を回転させることにより、螺軸47の上下動を行うことができ、テントフレーム1をバランス良く設置することができる。
【0045】
接続手段10は、図6に示すように、中間支柱4の下面の取付フランジ42と、下方支柱5の上面の取付フランジ44と、これらのフランジを連結するボルト、ナットとで構成されている。
【0046】
なお、接続手段10としては、支柱8を高さ方向に連結することができる構造であれば、様々な構造を採用することができる。
【0047】
さらに、下方支柱5の下部には、図16に示すように、設置手段7の固定部48が設けられている。
【0048】
固定部48は、図16に示すように、下方支柱5下部の支柱本体43のそれぞれの表面に、外方に向けて四方に突出するように、4枚の固定板49が横断面十字状に設けられている。固定板49は、四角形の板体の下方を、三角形状の先細り形状とし、板体には、ボルトを通すための通孔50が設けられている。この固定部48を利用して、錘体51と、キャスター52が取り付けられている。
【0049】
このように、固定部48として、4枚の固定板49が十字状に設けられているので、テントTを設置する状態に応じて、錘体51やキャスター52を取り付ける位置を選択することができる。
【0050】
なお、図例の固定部48では、4枚の固定板49が設けられているが、2枚以上あればよく、様々な枚数の固定板49を放射線状に設けることが可能である。
【0051】
設置手段7は、図16に示すよう、下方支柱5の下部に設けられた固定部48と、錘体51と、キャスター52とで構成されている。
【0052】
錘体51は、図17(a)、(b)に示すように、直方体の錘本体53の側面に、下方支柱5の固定部48の固定板49に取り付けるために、ボルトを挿入するための長孔54を有する連結板55が設けられており、錘本体53の下面には脚部56が設けられ、錘本体53上面には、凹部57が設けられている。この凹部57内には、吊条を引っかけるための吊具を取り付けることができる。
【0053】
キャスター52には、図16に示すように、下方に回動自在な車輪58を有するキャスター本体59の側面に、連結板60が設けられている。そして、この連結板60には、前記固定部48の固定板49に、ボルトとナットで取り付けるための通孔61が設けられている。
【0054】
そして、単位テントフレーム3を組み立てる場合、図7を参照して、上方支柱9を立起させ、下方から、前後の長手方向の横架材16a,16bと、左右の短手方向の横架材17a,17bを持ち上げ、横架材16a,16bの両側の連結手段6の連結部22である端部24と補強部23を、両側の上方支柱9,9の保持部材29の収納空間部32内に挿入し、通孔25,33を利用して、ボルトを通して、ナットで締め付けることで、連結することができる。このようにして、水平枠体15の四角形状の外枠を連結して固定することができる。
【0055】
さらに、図7に示すように、中央の長手方向の補強用架材18を下方に位置させ、下方から上方に持ち上げ、架材本体36の両端部を、左右の短手方向の横架材17a,17bの受け部26,26内に、下方から挿入した後、持ち上げた状態で、ボルトとナットで締結する。
【0056】
また、図7に示すように、中央の短手方向の補強用架材19,19を下方に位置させ、下方から上方に持ち上げ、架材本体39の両端部を、前後の長手方向の横架材16a,16bと、中央の長手方向の補強用架材18の受け部26,37内に、挿入した後、持ち上げた状態で、ボルトとナットで締結する。
【0057】
そして、それぞれの架材の取付板を利用して、水平ブレス20を、ボルトとナットで締結していくと、連結固定されて、図3図及び図6に示すように、水平枠体15を含む単位テントフレーム3の組み立てを完成することができる。
【0058】
さらに、図1及び図2に示すように、前後の長手方向の横架材16a,16bと、中央の長手方向の補強用架材18の下面に設けられた案内レール12を利用して、吊下条13で吊り下げたテントシート14を取り付けることができる。
【0059】
また、全体を組み立てる場合、クレーンを用いて、図6に示すように、単位テントフレーム3の吊具62(図1)を利用して、ワイヤー等で持ち上げた状態とし、上方支柱9の下方に、中間支柱4を位置させ、接続手段10の取付フランジ34、42同士を重ね合わせ、通孔を合わせた状態で、ボルトを挿入してナットを締結することにより、連結することができる。
【0060】
さらに、持ち上げた状態で、中間支柱4の下方に、下方支柱5を位置させ、接続手段10の取付フランジ42,44同士を重ね合わせ、通孔を合わせた状態で、ボルトを挿入してナットを締結することにより、連結することができる。
こうして、図3図5に示すように、テントフレーム1を、組み立てることができる。
【0061】
そして、下方支柱5の下部に設けられた設置手段7の固定部48を用いて、錘体51と、キャスター52を取り付けることができる。
【0062】
図16に示すように、固定部48の固定板49の通孔50と、キャスター52の連結板60の通孔61を重ね合わせ、ボルトを挿通してナットを締め付けることにより、キャスター52を取り付けることができる。同様にして、四隅の支柱8の下方に、キャスター52を取り付けることができる。
【0063】
これらのキャスター52を利用して、テントTを設置場所まで、移動させることができ、その後、ジャッキベース45の高さを調整して、設置することができる。
【0064】
さらに、図16に示すように、固定部48の固定板49の通孔50と、錘体51の連結板55の長孔54を重ね合わせ、高さ調整を行いながら、ボルトを挿通してナットを締め付けることにより、錘体51を取り付けることができる。同様にして、図1及び図2に示すように、四隅の支柱8の下方に、錘体51を取り付けることができる。
【0065】
また、図1及び図2に示すように、錘体51の錘本体53上面の凹部57に設けられた吊具と、上方支柱9の上板31に設けられた吊具62を、索条63で繋ぐことにより、より強固にテントTを固定することができる。
【0066】
さらに、テントTを分解する場合は、逆の手順を行うことにより、行うことができる。すなわち、下方支柱5から設置手段7の錘体51とキャスター52を取り外した後、下方支柱5と、中間支柱4を順に取り外して、単位テントフレーム3の状態とし、さらに、単位テントフレーム3を分解してバラバラの状態とすることができる。
【0067】
このように、単位テントフレーム3によれば、上方支柱9と横架材16aを連結するための構造として、横架材16aに設けた連結手段6の連結部22と、上方支柱9に設けた連結手段6の保持部材29だけなので、簡単な構造となり、コストも安価なものとすることができる。
【0068】
さらに、立起させた上方支柱9の保持部材29の下方に、横架材16aを位置させ、横架材16aを持ち上げて、図13に示すように、連結手段6の連結部22である横架材16aの端部24と補強部23を、保持部材29の収納空間部32内に挿入し、ボルトとナットを締結するだけで、図13に示すように、連結することができ、連結にかかる時間を短縮することができる。
【0069】
また、分解する場合は、図14に示すように、連結手段6のナットとボルトの締結を解いて、上方支柱9から、横架材16aを下方に下ろすだけで、保持部材29の収納空間部32内に位置させた横架材16aの連結部22の連結を解くことができるので、分解を行うことができる。このように、組立、分解を、簡単に行うことができる。
【0070】
さらに、単位テントフレーム3によれば、連結手段6の連結部22である横架材16aの端部24と補強部23を、保持部材29の収納空間部32内に挿入し、連結部22は挟持板30と挟持板30の間に挟まれた状態で位置し、ボルトとナットで締結されるので、高剛性で強固に連結することができる。
【0071】
また、このように、テントフレーム1によれば、接続手段10で、単位テントフレーム3の上方支柱9と中間支柱4を、中間支柱4と下方支柱5を連結して、支柱を高くすることができるので、単位テントフレーム3の上方支柱9の高さを、組み立て作業を行い易い高さに設定し、現地での作業を簡単に行うことができる。
【0072】
なお、図例のテントTは、片流れ型の屋根開閉式テントであるが、特に限定されるものでなく、上述したテントフレーム1は、さまざまな構造のテントに採用することができ、テントフレーム1の形状も、多角形等、様々な形状に用いることができる。
【0073】
上記実施形態では、保持部材29は、支柱本体28上面と、両挟持板30,30の上面を覆うように、上板31が設けて、下面と側面が開口された例を示したが、上板31に代えて、下板(図示せず。)を設けて上面と側面を開口させ、横架材の連結部を保持部材の上から挿入して収容するように構成することもできる。
【符号の説明】
【0074】
T テント
1 テントフレーム
2 テント部
3 単位テントフレーム
4 中間支柱
5 下方支柱
6 連結手段
7 設置手段
8 支柱
9 上方支柱
10 接続手段
11 吊下杆
12 案内レール
13 吊下条
14 テントシート
15 水平枠体
16a、16b 長手方向の横架材
17a、17b 短手方向の横架材
18 長手方向の補強用架材
19 短手方向の補強用架材
20 水平ブレス
21 架材本体
22 連結部
23 補強部
24 端部
29 保持部材
30 挟持板
31 上板
32 収納空間部
45 ジャッキベース
46 ハンドル
47 螺軸
48 固定部
49 固定板
51 錘体
52 キャスター
53 錘本体
54 長孔
56 脚部
57 凹部
58 車輪
62 吊具
63 吊条
図1
図2
図3
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