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特開2023-84511対流式ポリメラーゼ連鎖反応のための加熱装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084511
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】対流式ポリメラーゼ連鎖反応のための加熱装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/44 20060101AFI20230612BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20230612BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
G01N1/44
G01N35/00 B
C12M1/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021198730
(22)【出願日】2021-12-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】郭建志
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
4B029
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AB16
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD46
2G052DA26
2G052EB11
2G052EB12
2G052GA28
2G052GA29
2G052HA17
2G052HC04
2G052HC17
2G052HC22
2G052HC43
2G052JA06
2G052JA07
2G058AA09
2G058BA08
2G058BB02
2G058BB09
2G058BB14
2G058BB24
4B029AA23
4B029BB20
(57)【要約】
【課題】対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置を提供する。
【解決手段】
対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置において、加熱部材は、制御器のエネルギーを受け取り、第1熱エネルギーに変換して第1加熱ブロックに供給する。温度センサは、第1熱エネルギーに基づいてセンシング結果を生成する。第1ヒートポンプ部材は、制御器のエネルギーを受け取り、低温面と高温面の間に第1温度差を生成する。第1加熱ブロックは、第1熱エネルギーを第1ヒートポンプ部材に伝導し、第1ヒートポンプ部材に第1熱エネルギーと第1温度差によって第2熱エネルギーを生成させる。第2加熱ブロックは、第2熱エネルギーを受け取る。制御器は、温度センサのセンシング結果と第1温度差の要件に基づき、加熱部材と第1ヒートポンプ部材にエネルギーを対応して出力することによって、加熱部材の第1熱エネルギーと第1ヒートポンプ部材の第1温度差を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に対して温度勾配及び熱対流を形成することに用いられ、
エネルギーを受け取り、第1熱エネルギーに変換する加熱部材と、
前記第1熱エネルギーに基づいてセンシング結果を生成する温度センサと、
第1面及び第2面を有し、エネルギーを受け取り、前記第1面と前記第2面との間に第1温度差を生成する第1ヒートポンプ部材と、
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面と接触し、且つ前記加熱部材と接触し、前記加熱部材の前記第1熱エネルギーを受け取って前記第1ヒートポンプ部材に伝導し、前記第1ヒートポンプ部材に前記第1熱エネルギー及び前記第1温度差によって第2熱エネルギーを生成させる第1加熱ブロックと、
前記第1ヒートポンプ部材の前記第2表面と接触し、前記第1ヒートポンプ部材の前記第2熱エネルギーを受け取る第2加熱ブロックと、
前記温度センサ、前記加熱部材及び前記第1ヒートポンプ部材と電気的に接続し、前記温度センサの前記センシング結果に基づいて前記加熱部材及び前記第1ヒートポンプ部材にエネルギーを対応して出力することによって、前記加熱部材の前記第1熱エネルギー及び前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差を制御する制御器と、
を備える、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項2】
前記第1ヒートポンプ部材は、前記第1加熱ブロックと前記第2加熱ブロックとの間に配置される請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項3】
前記温度センサは、前記第1加熱ブロックと接触し、前記第1加熱ブロックの前記第1熱エネルギーに基づいて前記センシング結果を前記制御器にフィードバックして演算処理させることによって、前記加熱部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項4】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差に必要なエネルギーが温度差エネルギー関係によって計算されることによって、前記第1ヒートポンプ部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項5】
前記制御器は、
前記加熱部材に電気的に接続され、前記加熱部材にエネルギーを出力する第1駆動部材と、
前記第1ヒートポンプ部材に電気的に接続され、前記第1ヒートポンプ部材にエネルギーを出力する第2駆動部材と、
前記温度センサ、前記第1駆動部材及び前記第2駆動部材に電気的に接続され、前記温度センサの前記センシング結果に基づいて前記第1駆動部材の出力エネルギーを制御し、前記温度差エネルギー関係に基づいて前記第2駆動部材の出力エネルギーを制御することによって、前記加熱部材の前記第1熱エネルギー及び前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差を制御する制御ユニットと、
を更に備える請求項4に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項6】
前記第1駆動部材及び前記第2駆動部材は、前記制御ユニットに統合される請求項5に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項7】
前記温度センサは、前記加熱部材と接触し、前記加熱部材の前記第1熱エネルギーに基づいて、前記センシング結果を前記制御器にフィードバックして演算処理させることによって、前記加熱部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項8】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面が低温面であり、前記第2面が高温面である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項9】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面が高温面であり、前記第2面が低温面である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項10】
第1ヒートポンプ部材の数量Mと前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックの総数Nとは、M=N-1の関係式を有する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項11】
前記第1ヒートポンプ部材は、ペルチェ素子である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項12】
第2ヒートポンプ部材及び第3加熱ブロックを更に備え、
前記第2ヒートポンプ部材は、第3面及び第4面を有し、エネルギーを受け取り、前記第3面と前記第4面との間に第2温度差を生成し、且つ前記第2加熱ブロックは、前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面と接触し、前記第2加熱ブロックは、受け取った前記第2熱エネルギーを前記第2ヒートポンプ部材に伝導し、前記第2ヒートポンプ部材に前記第2熱エネルギー及び前記第2温度差によって第3熱エネルギーを生成させ、
前記第3加熱ブロックは、前記第2ヒートポンプ部材の前記第4面と接触し、前記第2ヒートポンプ部材の前記第3熱エネルギーを受け取り、
前記制御器は、前記温度差エネルギー関係に基づいて前記第2ヒートポンプ部材の前記第2温度差を制御する請求項4に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項13】
前記第2ヒートポンプ部材は、前記第2加熱ブロックと前記第3加熱ブロックとの間に配置される請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項14】
前記制御器は、前記第2ヒートポンプ部材に電気的に接続され、エネルギーを前記第2ヒートポンプ部材に出力する第3駆動部材を更に含むことによって前記第2ヒートポンプ部材の前記第2温度差を制御する請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項15】
前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面は、低温面であり、前記第4面は、高温面である請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項16】
前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面が高温面であり、前記第4面が低温面である請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項17】
前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも貫通孔が開設され、前記容器の一部を収容して前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックに接触させることによって前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項18】
前記第1ヒートポンプ部材、前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも貫通孔が開設され、前記容器の一部を収容して前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックと接触させることによって前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項19】
前記第1加熱ブロックの片側及び前記第2加熱ブロックの片側は、前記容器の一部に貼付されて接触することによって、前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の場合。
【請求項20】
前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも機械加工構造である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置、特に、ヒートポンプ部材の特性を組み合わせた対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な感染症の蔓延に伴い、感染症のパンデミックを予防及び監視するために、迅速かつ精確なウイルス検出方法が必要とされている。
【0003】
従来の対流式ポリメラーゼ連鎖反応では、熱対流の原理を利用して、被検体の入れた容器を直接加熱し、被検体に温度勾配を生成させ、熱対流現象を形成させている。被検体を熱対流の過程で絶えず温度変化させることにより、温度の上昇と下降を繰り返し、熱サイクルの目的を達成して核酸を増幅させている。
【0004】
被検体に温度勾配を発生させ、熱対流を形成させるには、容器の両端に異なる温度の2つの加熱ブロックを設ける必要があり、2つの加熱ブロックに加熱部材と温度センサをそれぞれ設置し、それぞれ前記2つの加熱ブロックに対して加熱制御を行って2つの異なる温度を生成する。この加熱装置を構築するには、構造固定部材を組み合わせて2つの加熱ブロックを固定する必要がある。これにより、構築された加熱装置を使用して容器を加熱し、内部に熱対流を形成することができる。
【0005】
しかしながら、この種の構造には多くの問題が存在する。例えば、一方の加熱部材が60℃を発生し、他方の加熱部材が95℃を発生する場合、温度が高温から低温に伝導する物理特性に基づき、低温領域は、構造固定部材の熱伝導によって高温領域の温度干渉を受け、低温領域の温度制御機能に異常を招く。改善方法は、通常、2つの加熱ブロックの構造固定部材を高熱抵抗材料で製造するように変更することによって、熱エネルギーの伝導速度を遅くしたり、その影響を減らしたりすることである。この方法は、加熱段階での温度干渉の問題を改善するが、熱放散段階での温度伝導率が遅くなり、熱放散効率が低下する状況を招き、このため、実際の応用時は、更にファン等の能動部材を組み合わせて熱放散段階の熱放散効率を向上させる必要があり、全体の堆積が大きくなり、コストが高くなる。
【0006】
もう1つの従来の構造は、それぞれの加熱ブロックに設置される加熱部材をヒートポンプ部材に置き換えて熱源とすることである。ヒートポンプ部材は、低温面と高温面との間に温度差(△T)を生成するため、加熱部材を使用して単一の温度(T)を生成する以前の構造とは異なる。応用時は、この構造は、低温面又は高温面で安定した基準温度を提供する必要があり、この基準温度は、通常、動作時の環境温度を採用している。例えば、一方の加熱ブロックの温度を60℃に到達させるための最も簡単な方法は、ヒートポンプ部材の高温面に60℃で温度を生成し、ヒートポンプ部材の低温面にファン付きのヒートシンクを取り付けることである。現在の環境温度を25℃とすると、ヒートポンプ部材の低温面と高温面の温度差(△T)を60℃-25℃=35℃にするだけで、加熱ブロックの温度を60℃に到達させることができる。他方の加熱ブロックの温度が95℃に到達させる場合、ヒートポンプ部材の高温面に95℃の温度を生成し、ヒートポンプ部材の低温面にファン付きのヒートシンクを取り付け、環境温度を25℃とした場合、ヒートポンプ部材の低温面と高温面の温度差(△T)を95℃-25℃=70℃にするだけで、この加熱ブロックの温度を95℃に到達させることができる。
【0007】
しかしながら、この種の構造が直面する問題は、ヒートポンプ部材の最大動作温度差が約80℃であるため、高温面の温度95℃と室温25℃で計算すると、温度差が70℃に達することである。動作環境が緯度や海抜の高い地域にあるか、又は寒流により温度が15℃を下回る場合、この構造は、適切に機能することができない。更に温度差の極限的条件下での長期間の動作においては、ヒートポンプ部材の使用寿命に対しても悪影響を及ぼす。また、ヒートポンプ部材は、使用時、高温面と低温面の温度差が大きいほど、そのヒートポンプ部材のエネルギー効率も悪くなり、システムの消費電力が増加する。
【0008】
したがって、上記の問題を改善できる対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の構造の問題を改善できる対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態において、本明細書が開示する対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置は、容器に対して温度勾配及び熱対流を形成することに用いられ、エネルギーを受け取り、第1熱エネルギーに変換する加熱部材と、第1熱エネルギーに基づいてセンシング結果を生成する温度センサと、第1面及び第2面を有し、エネルギーを受け取り、第1面と第2面との間に第1温度差を生成する第1ヒートポンプ部材と、第1ヒートポンプ部材の第1面と接触し、且つ加熱部材と接触し、加熱部材の第1熱エネルギーを受け取って第1ヒートポンプ部材に伝導し、第1ヒートポンプ部材に第1熱エネルギー及び第1温度差によって第2熱エネルギーを生成させる第1加熱ブロックと、第1ヒートポンプ部材の第2表面と接触し、第1ヒートポンプ部材の第2熱エネルギーを受け取る第2加熱ブロックと、温度センサ、加熱部材及び第1ヒートポンプ部材と電気的に接続し、温度センサのセンシング結果及び第1温度差の要求に基づいて加熱部材及び第1ヒートポンプ部材にエネルギーを対応して出力することによって、加熱部材の第1熱エネルギー及び第1ヒートポンプ部材の第1温度差を制御する制御器と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置を提供し、本発明の構造の配置により、温度が高温から低温への伝導する問題をなくすことができるため、従来の加熱部材の動作時に出現する熱エネルギーが高温領域から低温領域に伝導する温度干渉がない。また、本願の加熱装置が動作オフの時、高温の加熱ブロックが低温の加熱ブロックに伝導して急速に冷却されるため、ヒートシンクやファン等の体積が比較的大きな部材を追加する必要がなく、小型化された設計を必要とする関連の応用に適している。また、一般的なヒートポンプ部材は、その低温面と高温面で最大温度差が約80℃であるため、従来の構造では温度差の極限の条件で長時間運転する場合、熱膨張と冷凝縮による機械的応力の問題が発生し易いため、ヒートポンプ部材の低温面と高温面の温度差が大きいほど、ヒートポンプ部材のエネルギー効率が低下する。従って、本発明の加熱装置の構造により、ヒートポンプ部材の低温面と高温面の温度差を最大温度差の半分に減らすことができ、動作時の温度差を減らし、ヒートポンプ部材の使用寿命を延ばすことができる以外に、ヒートポンプ部材のエネルギー効率も良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書の第1実施形態の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図1A】本明細書の図1の実施形態に基づく制御器の詳細なブロック図である。
図1Aa】ヒートポンプ部材の温度差とエネルギー強度の関係図(以下、温度差エネルギー関係と略称)である。
図1B】本明細書の図1Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図2A】本明細書の図1Aの実施形態に基づく高温面及び低温面を含む対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図2B】本明細書の図2Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図3】本明細書の第2実施形態の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図3A】本明細書の図3の実施形態に基づく高温面及び低温面を含む対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図3B】本明細書の図3Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図4A】本明細書の第3実施形態の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図4B】本明細書の図4Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図4C】本明細書の図4Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図4D】本明細書の図4Aの実施形態に基づく幾何形状の加熱ブロックの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図4E図4Dの幾何形状の加熱ブロックの等角図である。
図5A】本明細書の第4実施形態の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図5B】本明細書の図5Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。
図6】本明細書の構造と従来の構造の加熱ブロックの温度変化の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の上述及びその他の面について理解し易くするため、以下に実施例を挙げ、図面を合わせて詳細に説明する。
【0014】
本明細書は、生物反応チャンバで温度勾配を生成することによって熱対流を形成して核酸増幅を行う対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置を提供する。本明細書の蒸気実施形態及びその他の目的、特徴及び利点を理解し易くするために、以下では、複数の好適な実施形態を挙げ、図面を合わせて詳細に説明する。
【0015】
本明細書が開示する実施形態は、本発明の技術的特徴を例示するのみであり、本発明の特許出願の範囲を限定するものではない。当業者は、以下の説明書の開示に基づいて本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、均等の修飾及び変更を行うことができる。
【0016】
図1及び図1Aを参照されたい。図1は、本明細書の第1実施形態に示される対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図であり、図1Aは、本仕様の図1及び実施形態に基づく制御器の詳細なブロック図である。対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1は、温度勾配2aと容器2への熱対流を形成することに用いられるデバイスである。本実施形態では、容器2は一種のバイオリアクターであり、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1の作用により、チューブ内に温度勾配2aが形成される。その中で、例えば浅いものから深いものへのいわゆる温度勾配2aは、低いものから高いものへの温度を表しますが、これに限定されるものではない。このようにして、温度勾配2aは核酸増幅のための熱対流と熱サイクルを生成する。対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1には、加熱部材11、温度センサ12、第1ヒートポンプ部材13A、第1加熱ブロック14A、第2加熱ブロック14B、及び制御器15が含まれる。
【0017】
加熱部材11は、制御器15のエネルギーを受け取り、第1熱エネルギーに変換することに用いられ、前記エネルギーは、電気信号の伝送方法であってよいが、これに限定するものではない。加熱部材11は、例えば、抵抗加熱器、薄膜加熱器、PTC加熱器等であってよいが、これらに限定するものではない。
【0018】
温度センサ12は、前記第1熱エネルギーに基づいてセンシング結果を生成する。ここで、温度センサは、本実施形態では、例えば、熱電対、サーミスタ、温度センシングIC等であるが、これらに限定するものではない。
【0019】
第1ヒートポンプ部材13Aは、第1面131及び第2面132を有し、第1ヒートポンプ部材は、制御器15のエネルギーを受け取り、第1面131と第2面132との間に第1温度差を生成することに用いられる。ここで、前記第1温度差に必要なエネルギーは、実際には温度差エネルギー関係(例えば、線形方程式、ルックアップテーブル等)によって換算される。いわゆる温度差エネルギー関係については、図1Aaを参照し、図1Aaは、ヒートポンプ部材の温度差エネルギー関係図である。図を例にとると、温度差△T(℃)が表すのは、第1面131と第2面132との間の温度差であり、これにより、制御器15は、異なる温度差の要求に応じて、前記温度差エネルギー関係に基づいて第1ヒートポンプ部材13Aに出力するエネルギーを制御し、例えば、必要な温度差に基づいて出力すべきエネルギー(電圧値、Voltage)を対応して取得する。一部の実施形態では、第1ヒートポンプ部材13Aは、例えば、ペルチェ素子であってよいが、これに限定するものではない。
【0020】
第1加熱ブロック14Aは、第1ヒートポンプ部材13Aの第1面131と接触して配置され、加熱部材11と接触して配置され、加熱部材11の前記第1熱エネルギーを受け取り、第1ヒートポンプ部材13Aに伝導することに用いられ、第1ヒートポンプ部材13Aに第1熱エネルギー及び第1温度差によって第2熱エネルギーを生成する。第2加熱ブロック14Bは、第1ヒートポンプ部材13Aの第2面13と接触して配置され、第1ヒートポンプ部材13Aの前記第2熱エネルギーを受け取ることに用いられる。本実施形態では、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bは、熱抵抗の低い材料で加工製造され、例えば、アルミニウム、銅、セラミック等であるが、これらに限定するものではない。
【0021】
本実施形態では、第1ヒートポンプ部材13Aの設定位置は、第1加熱ブロック14Aと第2加熱ブロック14Bとの間にある。また、温度センサ12は、第1加熱ブロック14Aと接触するように配置され、第1加熱ブロック14Aの前記第1熱エネルギーに基づき、前記センシング結果を制御器15にフィードバックして演算処理することによって、制御器15に加熱部材11に出力するエネルギーを制御することができる。
【0022】
制御器15は、温度センサ12、加熱部材11及び第1ヒートポンプ部材13Aに電気的に接続され、温度センサ12の前記センシング結果及び前記第1温度差の要求に基づいて、加熱部材11及び第1ヒートポンプ部材13Aにエネルギーを対応して出力し、それにより、加熱部材11の前記第1熱エネルギーと第1ヒートポンプ部材13Aの前記第1温度差を制御する。本実施形態では、前記制御器は、第1駆動部材151、第2駆動部材152及び制御ユニット15Aを更に含み、第1駆動部材151は、加熱部材11に電気的に接続され、エネルギーを加熱部材11に出力することに用いられ、第2駆動部材152は、第1ヒートポンプ部材13Aに電気的に接続され、エネルギーを第1ヒートポンプ部材13Aに出力することに用いられ、制御ユニット15Aは、温度センサ12、第1駆動部材151及び第2駆動部材152に電気的に接続され、温度センサ12の前記センシング結果に基づいて第1駆動部材151の出力エネルギーを制御し、前記温度差エネルギー関係に基づいて第2駆動部材152の出力エネルギーを制御し、このようにして加熱部材11の前記第1熱エネルギーと第1ヒートポンプ部材13Aの前記第1温度差を制御することができる。
【0023】
例えば、第1加熱ブロック14Aで図1Aに示すように57℃を生成し、第2加熱ブロック14Bで95℃を生成する場合、第1ヒートポンプ部材13Aの第1面131と第2面132が必要とする温度差は、95℃‐57℃=38℃である。このとき、温度センサ12は、第1加熱ブロック14Aを介して加熱部材11のリアルタイム温度を受信し、制御ユニット15Aにフィードバックし、第1駆動部材151がエネルギーを加熱部材11に出力する制御の基準とし、温度を57℃に制御する。これと同時に、制御ユニット15Aは、第1ヒートポンプ部材13Aの温度差エネルギー関係によって必要なエネルギーを算出し(図1Aaを参照し、例えば、温度差38℃は必要なエネルギーが1~1.5Vに対応する)、第2駆動部材152によって対応するエネルギーを生成して第1ヒートポンプ部材13Aに出力し、温度差を38℃に制御する。
【0024】
図1Bを参照し、図1Bは、本明細書の図1Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。本実施形態では、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1の第1ヒートポンプ部材13A、第1加熱ブロック14A、第2加熱ブロック14Bは、図1Aと同じであるので、ここでは繰り返し説明しない。但し、図1Bにおいて、本実施形態の異なる箇所は、第1駆動部材151と第2駆動部材152が制御ユニット15Aに統合されているため、部材の数を減らし、加熱装置の体積をより小型化し、製造コストを削減できることである。また、実施形態の温度センサ12は、加熱部材11に設置されるか、加熱部材11と一つに合わせられ、それにより、加熱部材11と接触する。このようにして、温度センサ12は、直接、加熱部材11の前記第1熱エネルギーに基づき、前記センシング結果を制御器15の制御ユニット15Aにフィードバックして演算処理させることによって、加熱部材11に出力するエネルギーを制御することができる。
【0025】
図2Aを参照し、図2Aは、本明細書の図1Aの実施形態に基づく高温面及び低温面を含む対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。本実施形態では、第1ヒートポンプ部材13Aの第1面131は、実際には低温面であり、第2面132は、実際には高温面である。例えば、加熱部材11によって生成される第1熱エネルギー温度が60℃の場合、第1ヒートポンプ部材13Aの低温面の温度も60℃であり、第1ヒートポンプ部材13Aの高温面の温度は、低温面の温度よりも高く、温度差は35℃であるため、その高温面の第2熱エネルギー温度は、60℃+35℃=95℃である。また、第2加熱ブロック14Bは、第1ヒートポンプ部材13Aの高温面と温度的に接続されているため、第2加熱ブロック14Bの温度も95℃である。
【0026】
図2Bを参照し、図2Bは、本明細書の図2Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。図2B図2Aとの違いは、第1ヒートポンプ部材13Aの第1面131は、実際には高温面であり、第2面132は、実際には低温面であることにある。即ち、第1ヒートポンプ部材13Aの低温面と高温面を入れ替えるか、第1ヒートポンプ部材13Aに出力するエネルギーの極性を変更し、例えば、電圧の正負極性又は電流の方向を逆にするが、これに限定するものではない。従って、加熱部材11によって生成される第1熱エネルギー温度が95℃の場合、第1ヒートポンプ部材13Aの低温面の温度は、高温面の温度よりも低く、温度差は35℃であるため、低温面の第2熱エネルギー温度は95℃-35℃=60℃である。また、第2加熱ブロック14Bと第1ヒートポンプ部材13Aの低温面の温度が接続されているため、第2加熱ブロック14Bの温度も60℃である。
【0027】
図3を参照し、図3は、本明細書の第2実施形態の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。本実施形態では、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1Aの加熱部材11、温度センサ12、第1ヒートポンプ部材13A、第1加熱ブロック14A、第2加熱ブロック14Bは、図1Aと同じであるので、ここでは繰り返し説明しない。但し、図3において、本実施形態の異なる箇所は、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1Aが第2ヒートポンプ部材13Bと第3加熱ブロック14Cを更に含むことにある。第2ヒートポンプ部材13Bは、第3面133と第4面134を有し、第2ヒートポンプ部材13Bは、制御器15のエネルギーを受け取ることに用いられ、第3面133と第4面134との間に第2温度差を生成し、ここで、前記第2温度差に必要なエネルギーは、実際には、温度差エネルギー関係によって換算される(図1Aaに対応)。また、第2加熱ブロック14Bは、第2ヒートポンプ部材13Bの第3面133と接触し、ここで、第2加熱ブロック14Bは、受け取った前記第2熱エネルギーを第2ヒートポンプ部材13Bに伝導し、第2ヒートポンプ部材13Bに第2熱エネルギー及び第2温度差によって第3熱エネルギーを生成させる。
【0028】
第3加熱ブロック14Cは、第2ヒートポンプ部材13Bの第4面134と接触し、第2ヒートポンプ部材13Bの前記第3熱エネルギーを受け取ることに用いられる。同様に、第3加熱ブロック14Cも熱抵抗の低い材料で加工製造され、例えば、アルミニウム、銅、セラミック等であってよいが、これに限定するものではない。
【0029】
本実施形態では、第2ヒートポンプ部材13Bの設置位置は、第2加熱ブロック14Bと第3加熱ブロック14Cとの間である。また、制御器15は、第3駆動部材153を更に含む。第3駆動部材153は、第2ヒートポンプ部材13Bに電気的に接続され、
第2ヒートポンプ部材13Bにエネルギーを出力することに用いられ、このようにして、第2ヒートポンプ部材13Bの前記第2温度差を制御することができる。
【0030】
例えば、第1加熱ブロック14Aで図3に示すように60℃を生成し、第2加熱ブロック14Bで75℃を生成し、第3加熱ブロック14Cで95℃を生成する場合、第1ヒートポンプ部材13Aの第1面131と第2面132に必要な温度差は、75℃-60℃=15℃であり、第2ヒートポンプ部材13Bの第3面133と第4面134に必要な温度差は95℃-75℃=20℃である。この場合、温度センサ12は、第1加熱ブロック14Aを介して加熱部材11のリアルタイム温度を受け取り、制御ユニット15Aにフィードバックし、第1駆動部材151がエネルギーを加熱部材11に出力する制御の基準とし、温度を60℃に制御する。これと同時に、制御ユニット15Aは、第1ヒートポンプ部材13A及び第2ヒートポンプ部材13Bの温度差エネルギー関係によって必要なエネルギー強度を算出し(図1Aaを参照し、例えば、温度差15℃に対応する必要なエネルギーは0.25~0.75Vであり、温度差20℃に対応する必要なエネルギーは0.5~1.0Vである)、第2駆動部材152及び第3駆動部材153を介して、対応するエネルギーを生成し、第1ヒートポンプ部材13A及び第2ヒートポンプ部材13Bに出力し、温度差を15℃と20℃に制御する。
【0031】
図3Aを参照し、図3Aは、本明細書の図3の実施形態の高温面及び低温面を含む対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。本実施形態では、第1ヒートポンプ部材13Aの第1面131は、実際には低温面であり、第2面132は、実際には高温面であり、第2ヒートポンプ部材13Bの第3面133は、実際には低温面であり、第4面134は、実際には高温面である。例えば、加熱部材11によって生成される第1熱エネルギー温度が60℃である場合、第1ヒートポンプ部材13Aの第1面131温度も60℃である。第1ヒートポンプ部材13Aの第2面132の温度は、第1面131の温度よりも高く、温度差は15℃であるため、第2面132の温度は、60℃+15℃=75℃である。第2加熱ブロック14Bは、第1ヒートポンプ部材13Aの第2面132及び第2ヒートポンプ部材13Bの第3面133と温度的に接続されているため、第2加熱ブロック14Bの温度も75℃である。また、第2ヒートポンプ部材13Bの第4面134の温度は、第3面133の温度よりも高く、温度差は20℃であるため、第4面134の温度は、75℃+20℃=95℃である。また、第3加熱ブロック14Cは、第2ヒートポンプ部材13Bの第4面134と温度的に接続されているため、第3加熱ブロック14Cの温度も95℃である。
【0032】
図3Bを参照し、図3Bは、本明細書の図3Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。図3Bの構造により、図3Aの温度構成要件も達成することができ、図3B図3Aの違いは、第1ヒートポンプ部材13Aの第1面131は、実際には高温面であり、第2面132は、実際には低温面であるが、第2ヒートポンプ部材13Bの第3面133は、実際には高温面であり、第4面134は、実際には低温面である。即ち、第1ヒートポンプ部材13Aと第2ヒートポンプ部材13Bの低温面と高温面を交換するか、第1ヒートポンプ部材13Aと第2ヒートポンプ部材13Bに出力するエネルギーの極性を変更し、例えば、電圧の正負極性又は電流方向が反対であるが、これに限定するものではない。従って、加熱部材11によって生成される第1熱エネルギーの温度が95℃の場合、第1ヒートポンプ部材13Aの低温面温度は、高温面温度よりも低く、温度差は20℃であるため、その低温面の第2熱エネルギーの温度は95℃-20℃=75℃となる。また、第2加熱ブロック14Bと第1ヒートポンプ部材13Aの低温面と第2ヒートポンプ部材13Bの高温面の温度が接続されているため、第2加熱ブロック14Bの温度も75℃になる。また、第2ヒートポンプ部材13Bの低温面の温度は、高温面の温度よりも低く、温度差は15℃であるため、その低温面の第3熱エネルギーの温度は、75℃-15℃=60℃である。また、第3加熱ブロック14Cは、第2ヒートポンプ部材13Bの低温面と温度的に接続されているため、第3加熱ブロック14Cの温度も60℃である。
【0033】
上記の図1A図3から分かるように、実際には、本発明のヒートポンプ部材の数と加熱ブロックの数は対応関係を有する。例えば、図1Aの第1ヒートポンプ部材の数が1で、第1加熱ブロックと第2加熱ブロックの総数が2の場合、関係式:第1ヒートポンプ部材の数=(第1加熱ブロック+第2加熱ブロック)-1が得られる。再度図3を参照し、第1ヒートポンプ部材と第2ヒートポンプ部材の総数が2であり、第1加熱ブロック、第2加熱ブロック及び第3加熱ブロックの総数が3である場合、関係式:(第1ヒートポンプ部材+第2ヒートポンプ部材)の数=(第1加熱ブロック+第2加熱ブロック+第3加熱ブロック)-1が得られる。従って、本発明のヒートポンプ部材の数Mと加熱ブロックの数Nは、関係式:M=N-1を有し、即ち、本発明のヒートポンプ部材の数は、加熱ブロックの数よりも1つ少ないことがわかる。
【0034】
図4Aを参照し、図4Aは、本明細書の第3実施形態の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。本実施形態では、第1ヒートポンプ部材13A、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bは、図1Aと同じであり、ここでは繰り返し説明しない。但し、図4Aにおいて、本実施形態の異なる箇所は、加熱部材11システムが第1加熱ブロック14Aの一側に設置され、温度センサ12は、第1加熱ブロック14Aの他側に設定されることにあり、その機能は、図1Aと同じであるため、繰り返し説明しない。本実施形態の特徴は、第1ヒートポンプ部材13A、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bが何れも貫通孔が開設され、容器2、即ち、生物反応器を収納し、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bと接触することができ、このようにして、全体の体積をより小さく設計することができ、容器2において同様に温度勾配と熱対流を形成し、核酸増幅を行うことができる。例えば、第1加熱ブロック14A、第1ヒートポンプ部材13A及び第2加熱ブロック14Bの貫通孔は、同じ軸心に重なり、応用時、容器2の柱状部分をこの貫通孔に通貨させて熱対流を行うことができる。
【0035】
図4B及び図4Cを参照し、図4Bは、本明細書の図4Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図であり、図4Cは、本明細書の図4Aの実施形態に基づくもう1つの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。本実施形態では、加熱部材11、温度センサ12、第1ヒートポンプ部材13A、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bは、図1Aと同じであり、ここでは繰り返し説明しない。但し、図4Bにおいて、本実施形態の異なる箇所は、第1加熱ブロック14Aと第2加熱ブロック14Bのみに貫通孔が開設されて同じ軸心に重ねられ、容器2を収容し、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bに接触することができることにある。本構造は、図4Aの実施形態と比較して、貫通孔を開設した第1ヒートポンプ部材13Aを使用する必要がなく、価格が比較的低いという以外に、この種の態様は、同様に温度勾配及び熱対流を形成し、核酸増幅を行うことができる。図4Cの実施形態は、第1加熱ブロック14Aの一側及び第2加熱ブロック14Bの一側を容器2の一部に直接貼付して接触させ、同様に温度勾配及び熱対流を形成し、核酸増幅を行うことができる。
【0036】
図4Dを参照し、図4Dは、本明細書の図4Aの実施形態に基づく幾何形状の加熱ブロックの対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。図4Eは、図4Dの幾何形状の加熱ブロックの等角図である。本実施形態では、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bは、何れも機械加工構造であり、第1加熱ブロック14Aは、延伸部141を有し、第2加熱ブロック14Bも延伸部141を有し、且つ何れも貫通孔142を開設する。第1ヒートポンプ部材13Aは、貫通孔142を開設しない。第1ヒートポンプ部材13Aと容器2とは、互いに隣接し、容器2の柱状部分は、第1ヒートポンプ部材13Aを貫通しない。ここで、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bの幾何形状は、このタイプに限定するものではなく、本実施形態は、L字型を例として説明しているに過ぎない。また、本実施形態の第1ヒートポンプ部材13Aは、垂直方向の配置であり、図4A図4B、及び図4Cの水平方向の配置とは異なる。この種の態様は、前述の構造と比較し、全体の体積をより小さく設計できる以外に、第1ヒートポンプ部材13Aに貫通孔142が開設されないため、価格は当然比較的低くなる。図4Dの実施形態の配置は、容器2において同様に温度勾配と容器2の熱対流を形成し、核酸増幅を行うことができる。
【0037】
図5Aを参照し、図5Aは、本明細書の第4実施形態の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。図5Aは、実際には図3Aのもう1つの変化例というだけである。図5A図3Aの違いは、第2ヒートポンプ部材13Bの低温面と高温面が入れ替わっているか、又は第2ヒートポンプ部材13Bに出力するエネルギーの極性が変更されていることであり、例えば、電圧の正負極性又は電流の方向が反対であるが、これに制限するものではない。従って、例えば、加熱部材11によって生成される第1熱エネルギー温度が55℃の場合、第1ヒートポンプ部材13Aの第2面132(高温面)温度は、第1面131(低温面)温度よりも高く、温度差は39℃であるため、その高温面の第2エネルギーは、55℃+39℃=94℃である。また、第2加熱ブロック14Bは、第1ヒートポンプ部材13Aの高温面及び第2ヒートポンプ部材13Bの高温面と温度的に接続されているため、第2加熱ブロック14Bの温度も94℃になる。また、第2ヒートポンプ部材13Bの第4面134(低温面)温度は、第3面133(高温面)温度よりも低く、温度差は22℃であるため、低温面の第3熱エネルギーの温度は、94℃‐22℃=72℃である。また、第3加熱ブロック14Cは、第2ヒートポンプ部材13Bの低温面と温度的に接続されているため、第3加熱ブロック14Cの温度も72℃である。
【0038】
図5Aの上記の実施形態では、第1加熱ブロック14Aは、第1加熱カラム14A’と接触するように配置することができ、第2加熱ブロック14Bは、第2加熱カラム14B’と接触するように配置することができ、第3加熱ブロック14Cは、第3加熱カラム14C’と接触するように配置することができる。更に、第1加熱カラム14A’、第2加熱カラム14B’及び第3加熱カラム14C’を閉ループ反応器(Closed-loop Reactor)に適した形式に配置することによって、熱対流を生成し、核酸増幅を行う。
【0039】
図5Bを参照し、図5Bは、本明細書の図5Aの実施形態に基づく別の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の構成ブロック図である。図5B図5Aの違いは、第1ヒートポンプ部材13Aと第2ヒートポンプ部材13Bの低温面と高温面が入れ替わっているか、又は第1ヒートポンプ部材13A及び第2ヒートポンプ部材13Bに出力するエネルギーの極性が変更されていることである。例えば、加熱部材11によって生成される第1熱エネルギー温度が94℃の場合、第1ヒートポンプ部材13Aの第2面132(低温面)の温度は、第1面131(高温面)の温度よりも低く、温度差は、39℃であるため、その低温面の第2熱エネルギーの温度は、94℃-39℃=55℃である。また、第2加熱ブロック14Bと第1ヒートポンプ部材13Aの低温面及び第2ヒートポンプ部材13Bの低温面とは、温度的に接続されているため、第2加熱ブロック14Bの温度も55℃である。また、第2ヒートポンプ部材13Bの第4面134(高温面)温度は、第3面133(低温面)温度よりも高く、温度差は、17℃であるため、高温面の温度は、55℃+17℃=72℃である。また、第3加熱ブロック14Cは、第2ヒートポンプ部材13Bの高温面と温度的に接続されているため、第3加熱ブロック14Cの温度も72℃である。
【0040】
図6を参照し、図6は、本明細書の構造と従来の構造の加熱ブロックの温度変化の波形図である。先ず、本発明の構造は、図1Aの実施形態が示す加熱ブロックの温度変化の波形図である。本実施形態が説明するのは、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1が動作している時の第1加熱ブロック14Aと第2加熱ブロック14Bの温度変化の例である。核酸増幅の熱サイクル温度要件は、57℃と95℃であるため、加熱部材11の第1熱エネルギー温度を57℃に設定し、第1ヒートポンプ部材13Aの第1温度差を38℃(95℃-57℃=38℃)に設定する。このようにして、第1加熱ブロック14Aの温度は、加熱部材11の第1熱エネルギーの温度57℃と同じになり、第2加熱ブロック14Bの温度は、第1ヒートポンプ部材13Aによって生成される第2熱エネルギーの温度95℃と同じになる。図に示すように、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1が動作している時、第1加熱ブロック14A及び第2加熱ブロック14Bの温度は、急速に上昇し、第1加熱ブロック14Aの温度が57℃まで上昇した後に安定し、第2加熱ブロック14Bの温度も95℃まで上昇した後に安定する。この時、第2加熱ブロック14Bの高温は、第1ヒートポンプ部材13Aのヒートポンプ効果によって制限され、図示する第1段階のように、第1ヒートポンプ部材13Aから第1加熱ブロック14Aへの伝導に影響を与えることができない。対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置1が動作オフの場合、第2加熱ブロック14Bの高温は、ヒートポンプ効果によって制限されないため、図示する第2段階のように、第1ヒートポンプ部材13Aから第1加熱ブロック14Aに急速に伝導して急速な熱放散を行うことができる。従って、本発明は、加熱装置1が動作オフの時も別途ヒートシンク又はファンを設計して降温する必要はなく、これによって加熱装置全体の体積及びコストを削減する。
【0041】
本発明の効果を更に体現するため、従来の構造の波形図と比較する。図6を参照し、従来の加熱ブロックの温度変化の波形図に背景技術を組み合わせ、従来の構造は、2つの加熱ブロック(第1加熱ブロック及び第2加熱ブロックを図示)の構造固定部材を高熱抵抗材料で製造することにより2つの加熱ブロックの相互の影響を低減する必要がある。但し、この構造の問題点は、加熱装置をオフにする時、高熱抵抗材料によって隔離されているため、第2段階の降温時に熱抵抗が大きいために熱放散時間が長くなり、熱放散効果が本発明の構造よりも劣ることがはっきりと分かる。また、この図の従来の構造は、熱放散段階での熱放散効率を向上させるためにファン等の能動部材が組み合わせているが、熱放散効果は、依然として本発明に及ばず、且つ従来の構造は、全体的な体積が比較的大きく、コストが高くなるという問題もある。
【0042】
要約すると、本発明は、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置を提供し、本発明の構造の配置により、温度が高温から低温への伝導する問題をなくすことができるため、従来の加熱部材の動作時に出現する熱エネルギーが高温領域から低温領域に伝導する温度干渉がない。また、本願の加熱装置が動作オフの時、高温の加熱ブロックが低温の加熱ブロックに伝導して急速に冷却されるため、ヒートシンクやファン等の体積が比較的大きな部材を追加する必要がなく、小型化された設計を必要とする関連の応用に適している。また、一般的なヒートポンプ部材は、その低温面と高温面で最大温度差が約80℃であるため、従来の構造では温度差の極限の条件で長時間運転する場合、熱膨張と冷凝縮による機械的応力の問題が発生し易いため、ヒートポンプ部材の低温面と高温面の温度差が大きいほど、ヒートポンプ部材のエネルギー効率が低下する。従って、本発明の加熱装置の構造により、ヒートポンプ部材の低温面と高温面の温度差を最大温度差の半分に減らすことができ、動作時の温度差を減らし、ヒートポンプ部材の使用寿命を延ばすことができる以外に、ヒートポンプ部材のエネルギー効率も良好になる。
【0043】
本発明は、上記のように好適実施形態を開示したが、それは、本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、いくつかの変更や修飾を行うことができ、従って、本発明の保護範囲は、後述の特許請求の範囲に従うものである。
【符号の説明】
【0044】
1 対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置
1A 対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置
2 容器
2a 温度勾配
11 加熱部材
12 温度センサ
13A 第1ヒートポンプ部材
13B 第2ヒートポンプ部材
131 第1面
132 第2面
133 第3面
134 第4面
14A 第1加熱ブロック
14B 第2加熱ブロック
14C 第3加熱ブロック
15 制御器
151 第1駆動部材
152 第2駆動部材
153 第3駆動部材
15A 制御ユニット
△T 温度差
℃ 温度
M ヒートポンプ部材の数
N 加熱ブロックの数
14A’ 第1加熱カラム
14B’ 第2加熱カラム
14C’ 第3加熱カラム
141 延伸部
142 貫通孔

図1
図1A
図1Aa
図1B
図2A
図2B
図3
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に対して温度勾配及び熱対流を形成することに用いられ、
エネルギーを受け取り、第1熱エネルギーに変換する加熱部材と、
前記第1熱エネルギーに基づいてセンシング結果を生成する温度センサと、
第1面及び第2面を有し、エネルギーを受け取り、前記第1面と前記第2面との間に第1温度差を生成する第1ヒートポンプ部材と、
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面と接触し、且つ前記加熱部材と接触し、前記加熱部材の前記第1熱エネルギーを受け取って前記第1ヒートポンプ部材に伝導し、前記第1ヒートポンプ部材に前記第1熱エネルギー及び前記第1温度差によって第2熱エネルギーを生成させる第1加熱ブロックと、
前記第1ヒートポンプ部材の前記第2表面と接触し、前記第1ヒートポンプ部材の前記第2熱エネルギーを受け取る第2加熱ブロックと、
前記温度センサ、前記加熱部材及び前記第1ヒートポンプ部材と電気的に接続し、前記温度センサの前記センシング結果に基づいて前記加熱部材及び前記第1ヒートポンプ部材にエネルギーを対応して出力することによって、前記加熱部材の前記第1熱エネルギー及び前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差を制御する制御器と、
を備え
前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、前記容器の一部を収容して前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックに接触させる、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項2】
前記第1ヒートポンプ部材は、前記第1加熱ブロックと前記第2加熱ブロックとの間に配置される請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項3】
前記温度センサは、前記第1加熱ブロックと接触し、前記第1加熱ブロックの前記第1熱エネルギーに基づいて前記センシング結果を前記制御器にフィードバックして演算処理させることによって、前記加熱部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項4】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差に必要なエネルギーが温度差エネルギー関係によって計算されることによって、前記第1ヒートポンプ部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項5】
前記制御器は、
前記加熱部材に電気的に接続され、前記加熱部材にエネルギーを出力する第1駆動部材と、
前記第1ヒートポンプ部材に電気的に接続され、前記第1ヒートポンプ部材にエネルギーを出力する第2駆動部材と、
前記温度センサ、前記第1駆動部材及び前記第2駆動部材に電気的に接続され、前記温度センサの前記センシング結果に基づいて前記第1駆動部材の出力エネルギーを制御し、前記温度差エネルギー関係に基づいて前記第2駆動部材の出力エネルギーを制御することによって、前記加熱部材の前記第1熱エネルギー及び前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差を制御する制御ユニットと、
を更に備える請求項4に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項6】
前記第1駆動部材及び前記第2駆動部材は、前記制御ユニットに統合される請求項5に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項7】
前記温度センサは、前記加熱部材と接触し、前記加熱部材の前記第1熱エネルギーに基づいて、前記センシング結果を前記制御器にフィードバックして演算処理させることによって、前記加熱部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項8】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面が低温面であり、前記第2面が高温面である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項9】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面が高温面であり、前記第2面が低温面である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項10】
第1ヒートポンプ部材の数量Mと前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックの総数Nとは、M=N-1の関係式を有する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項11】
前記第1ヒートポンプ部材は、ペルチェ素子である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項12】
第2ヒートポンプ部材及び第3加熱ブロックを更に備え、
前記第2ヒートポンプ部材は、第3面及び第4面を有し、エネルギーを受け取り、前記第3面と前記第4面との間に第2温度差を生成し、且つ前記第2加熱ブロックは、前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面と接触し、前記第2加熱ブロックは、受け取った前記第2熱エネルギーを前記第2ヒートポンプ部材に伝導し、前記第2ヒートポンプ部材に前記第2熱エネルギー及び前記第2温度差によって第3熱エネルギーを生成させ、
前記第3加熱ブロックは、前記第2ヒートポンプ部材の前記第4面と接触し、前記第2ヒートポンプ部材の前記第3熱エネルギーを受け取り、
前記制御器は、前記温度差エネルギー関係に基づいて前記第2ヒートポンプ部材の前記第2温度差を制御する請求項4に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項13】
前記第2ヒートポンプ部材は、前記第2加熱ブロックと前記第3加熱ブロックとの間に配置される請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項14】
前記制御器は、前記第2ヒートポンプ部材に電気的に接続され、エネルギーを前記第2ヒートポンプ部材に出力する第3駆動部材を更に含むことによって前記第2ヒートポンプ部材の前記第2温度差を制御する請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項15】
前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面は、低温面であり、前記第4面は、高温面である請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項16】
前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面が高温面であり、前記第4面が低温面である請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項17】
前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも貫通孔が開設され、前記容器の一部を収容して前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックに接触させることによって前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項18】
前記第1ヒートポンプ部材、前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも貫通孔が開設され、前記容器の一部を収容して前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックと接触させることによって前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項19】
前記第1加熱ブロックの片側及び前記第2加熱ブロックの片側は、前記容器の一部に貼付されて接触することによって、前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の場合。
【請求項20】
前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも機械加工構造である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に対して温度勾配及び熱対流を形成することに用いられ、
エネルギーを受け取り、第1熱エネルギーに変換する加熱部材と、
前記第1熱エネルギーに基づいてセンシング結果を生成する温度センサと、
第1面及び第2面を有し、エネルギーを受け取り、前記第1面と前記第2面との間に第1温度差を生成する第1ヒートポンプ部材と、
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面と接触し、且つ前記加熱部材と接触し、前記加熱部材の前記第1熱エネルギーを受け取って前記第1ヒートポンプ部材に伝導し、前記第1ヒートポンプ部材に前記第1熱エネルギー及び前記第1温度差によって第2熱エネルギーを生成させる第1加熱ブロックと、
前記第1ヒートポンプ部材の前記第2面と接触し、前記第1ヒートポンプ部材の前記第2熱エネルギーを受け取る第2加熱ブロックと、
前記温度センサ、前記加熱部材及び前記第1ヒートポンプ部材と電気的に接続し、前記温度センサの前記センシング結果に基づいて前記加熱部材及び前記第1ヒートポンプ部材にエネルギーを対応して出力することによって、前記加熱部材の前記第1熱エネルギー及び前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差を制御する制御器と、
を備え、
前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、前記容器の一部を収容して前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックに接触させる、対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項2】
前記第1ヒートポンプ部材は、前記第1加熱ブロックと前記第2加熱ブロックとの間に配置される請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項3】
前記温度センサは、前記第1加熱ブロックと接触し、前記第1加熱ブロックの前記第1熱エネルギーに基づいて前記センシング結果を前記制御器にフィードバックして演算処理させることによって、前記加熱部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項4】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差に必要なエネルギーが温度差エネルギー関係によって計算されることによって、前記第1ヒートポンプ部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項5】
前記制御器は、
前記加熱部材に電気的に接続され、前記加熱部材にエネルギーを出力する第1駆動部材と、
前記第1ヒートポンプ部材に電気的に接続され、前記第1ヒートポンプ部材にエネルギーを出力する第2駆動部材と、
前記温度センサ、前記第1駆動部材及び前記第2駆動部材に電気的に接続され、前記温度センサの前記センシング結果に基づいて前記第1駆動部材の出力エネルギーを制御し、前記温度差エネルギー関係に基づいて前記第2駆動部材の出力エネルギーを制御することによって、前記加熱部材の前記第1熱エネルギー及び前記第1ヒートポンプ部材の前記第1温度差を制御する制御ユニットと、
を更に備える請求項4に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項6】
前記第1駆動部材及び前記第2駆動部材は、前記制御ユニットに統合される請求項5に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項7】
前記温度センサは、前記加熱部材と接触し、前記加熱部材の前記第1熱エネルギーに基づいて、前記センシング結果を前記制御器にフィードバックして演算処理させることによって、前記加熱部材に出力するエネルギーを制御する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項8】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面が低温面であり、前記第2面が高温面である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項9】
前記第1ヒートポンプ部材の前記第1面が高温面であり、前記第2面が低温面である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項10】
第1ヒートポンプ部材の数量Mと前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックの総数Nとは、M=N-1の関係式を有する請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項11】
前記第1ヒートポンプ部材は、ペルチェ素子である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項12】
第2ヒートポンプ部材及び第3加熱ブロックを更に備え、
前記第2ヒートポンプ部材は、第3面及び第4面を有し、エネルギーを受け取り、前記第3面と前記第4面との間に第2温度差を生成し、且つ前記第2加熱ブロックは、前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面と接触し、前記第2加熱ブロックは、受け取った前記第2熱エネルギーを前記第2ヒートポンプ部材に伝導し、前記第2ヒートポンプ部材に前記第2熱エネルギー及び前記第2温度差によって第3熱エネルギーを生成させ、
前記第3加熱ブロックは、前記第2ヒートポンプ部材の前記第4面と接触し、前記第2ヒートポンプ部材の前記第3熱エネルギーを受け取り、
前記制御器は、前記温度差エネルギー関係に基づいて前記第2ヒートポンプ部材の前記第2温度差を制御する請求項4に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項13】
前記第2ヒートポンプ部材は、前記第2加熱ブロックと前記第3加熱ブロックとの間に配置される請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項14】
前記制御器は、前記第2ヒートポンプ部材に電気的に接続され、エネルギーを前記第2ヒートポンプ部材に出力する第3駆動部材を更に含むことによって前記第2ヒートポンプ部材の前記第2温度差を制御する請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項15】
前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面は、低温面であり、前記第4面は、高温面である請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項16】
前記第2ヒートポンプ部材の前記第3面が高温面であり、前記第4面が低温面である請求項12に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項17】
前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも貫通孔が開設され、前記容器の一部を収容して前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックに接触させることによって前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項18】
前記第1ヒートポンプ部材、前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも貫通孔が開設され、前記容器の一部を収容して前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックと接触させることによって前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【請求項19】
前記第1加熱ブロックの片側及び前記第2加熱ブロックの片側は、前記容器の一部に貼付されて接触することによって、前記容器に温度勾配及び熱対流を形成させる請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置の場合。
【請求項20】
前記第1加熱ブロック及び前記第2加熱ブロックは、何れも機械加工構造である請求項1に記載の対流式ポリメラーゼ連鎖反応用の加熱装置。
【外国語明細書】























図1

図1A

図1A’】
図1B
図2A
図2B
図3
図3A
図3B

図4A

図4B

図4C

図4D

図4E

図5A

図5B

図6