(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084512
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】金型ホルダ装置
(51)【国際特許分類】
B21D 5/02 20060101AFI20230612BHJP
B21D 37/04 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
B21D5/02 F
B21D37/04 R
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198731
(22)【出願日】2021-12-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】517047330
【氏名又は名称】フジ・プロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132333
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 孝明
(72)【発明者】
【氏名】陶山 典之
【テーマコード(参考)】
4E050
4E063
【Fターム(参考)】
4E050CA04
4E050CB01
4E050CD04
4E063AA01
4E063BA07
4E063DA02
4E063DA03
4E063DA18
4E063DA19
(57)【要約】
【課題】
流体シリンダを用いることなく、多数の金型クランプを締め付け、金型を固定できる金型ホルダ装置を提供する。
【解決手段】
金型ホルダ装置であって、ホルダ本体は、金型クランプとの間に金型を狭持し固定する金型支持部、金型クランプをホルダ本体から遠ざかる方向に押圧するクランプ押圧機構、押圧受け機構を有し、クランプ押圧機構は、カム軸を回動軸とし外周部を有する偏心カム、偏心カムの回動に従動し押圧受け機構に当接する押圧子、およびカム軸を回動軸とし偏心カムを回動させる駆動子を有することを特徴とする金型ホルダ装置である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスブレーキにおける金型ホルダ装置であって、
前記金型ホルダ装置は、ホルダ基板、ホルダ本体および金型クランプを有し、
前記ホルダ基板は、前記ホルダ本体が固定され、前記ホルダ本体をプレスブレーキ装置本体に固定するホルダ固定部を有し、
前記ホルダ本体は、前記金型クランプとの間に金型を狭持し固定する金型支持部、前記金型クランプを前記ホルダ本体から遠ざかる方向に押圧するクランプ押圧機構、および前記金型支持部と前記ホルダ基板との間に前記クランプ押圧機構を収納する押圧機構収容部を有し、
前記金型支持部は、前記金型の第1側面に当接する第1支持部と、前記金型の底面に当接する第2支持部を有し、
前記金型クランプは、前記第1側面の反対側の第2側面に当接し、前記第1支持部との間に前記金型を狭持し固定する金型当接部、前記クランプ押圧機構と当接する押圧受け機構、および前記金型クランプを前記ホルダ本体に連結するクランプ連結機構を有し、
前記押圧機構収容部は、前記ホルダ本体に形成され前記金型支持部の下方部分に配置され、前記金型クランプ側に開口部を有し、
前記クランプ押圧機構は、前記押圧機構収容部に立設されたカム軸、前記カム軸を回動軸とし外周部を有する偏心カム、前記偏心カムの外周部と摺接し前記偏心カムの回動に従動し前記押圧受け機構に当接する押圧子、および前記カム軸を回動軸とし前記偏心カムを回動させる駆動子を有することを特徴とする金型ホルダ装置。
【請求項2】
前記押圧子において前記押圧受け機構と当接する押圧子当接部の表面と、前記当接部が当接する前記押圧受け機構の被当接部の表面とは、相補的な形状を有し、前記押圧受け機構はさらに球状部分を有し、回動自在に配置されることを特徴とする請求項1に記載の金型ホルダ装置。
【請求項3】
前記ホルダ本体に、複数の前記金型クランプが、隣接して設けられ、前記クランプ押圧機構および前記押圧機構収容部が、前記複数の前記金型クランプ毎に設けられ、前記複数の前記金型クランプのそれぞれに前記押圧受け機構毎に設けられ、それぞれの前記駆動子の全てを連結する連結バー、および前記連結バーを介してそれぞれの前記駆動子の前記カム軸について、同時に回動させる連結バー駆動装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の金型ホルダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスブレーキにおける金型を支持する金型ホルダ装置に関する。さらに詳細には、ホルダ本体と金型クランプにより金型を支持し、固定する時に、カム機構により金型を締め付け、複数の金型を同時に効率的に固定し得、容易に着脱可能な下型金型のホルダ装置に関する。
【0002】
また、本発明は、プレスブレーキにおける金型を支持する金型ホルダ装置において、揺動可能な金型クランプを締め付ける弾性体を効率的に締め付けることが可能な締め付け機構に関する。
【背景技術】
【0003】
プレスブレーキによって板状のワークの折曲げ加工を行うとき、上部テーブルに取り付けられた金型の上型と下部テーブルに取り付けられた金型の下型が用いられ、稼働側のテーブルを上下動して、上型と下型の間に置かれたワークを挟み込む。使用する金型は、求められるワークによって頻繁に取り替えられる。金型交換の際、金型ホルダ装置において金型を保持しているホルダ本体と金型クランプを開き、それまで使用していた金型を取外し、次いで、新たな金型をホルダ本体と金型クランプの間に載置し、ホルダ本体と金型クランプの金型保持部を締め付けて行われる。
また、業界で用いられている記述の下金型類においては、厚さの異なる物があり、ホルダ本体と金型クランプ間で狭持される部分に一定寸法の差異を有しているのが一般的であり、金型ホルダ装置には、これら寸法差異のある下金型類を均等な押しつけ力で下金型を固定することが求められている。
従来、下型を支持体の金型支持面に押圧固定する金型クランプが複数のボルトを用いて締め付けるものが特許文献1に記載されている。
また、金型クランプの上端部に押さえ駒を設け、金型クランプの下端部を押圧する流体圧シリンダを設け、押さえ駒を介して金型支持面に載置し、複数の金型クランプを均等の力で押しつけ下金型を固定するものが特許文献2に記載されている。
また、複数の金型クランプを使用する場合、複数の分割金型を互に隣接した状態に1 つの金型ホルダ装置に配置することがあるので、金型ホルダ装置によって各分割金型を固定する場合、均等のクランプ力で固定することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-219517号公報
【特許文献2】特開2003-191017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の金型ホルダ装置では、下型の着脱交換を行うには多数の金型クランプに備えられた多数の締付けボルトを操作しなければならず、操作が極めて煩わしく厄介であるという問題があった。
また、特許文献2に記載の流体圧力を用いた金型ホルダ装置では、クランプ力に抗して生ずる外力に対して高い安全率が求められ、高い油圧力のシステムが求められる傾向があった。
【0006】
本発明は上述の問題を解決した、流体シリンダを用いることなく、多数の金型クランプを同時に締め付け、金型を固定できる金型ホルダ装置を提供することを目的とする。
【0007】
参考発明として、既述のように業界では、ホルダ本体と金型クランプ間で狭持される部分に一定寸法の差異を有する金型類が用いられているため、金型ホルダ装置には、これらの金型類に対しても対応が望まれていることに鑑み、金型クランプの締め付け操作力の軽減を図る機構として、偏心カム(偏心板)を用いたトグル機構による軽減化と併せて用いることができ、締付け過程の一定の範囲で、金型締付け力を構成している弾性体の作用点を特定する機能を有する座金を設けることにより、狭持部に一定寸法の差異を有している金型類に対しても過大な操作力必要としない締め付け機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)~(7)の本発明により、達成される。
【0009】
(1) 本発明は、プレスブレーキにおける金型ホルダ装置であって、前記金型ホルダ装置は、ホルダ基板、ホルダ本体および金型クランプを有し、前記ホルダ基板は、前記ホルダ本体が固定され、前記ホルダ本体をプレスブレーキ装置本体に固定するホルダ固定部を有し、前記ホルダ本体は、前記金型クランプとの間に金型を狭持し固定する金型支持部、前記金型クランプを前記ホルダ本体から遠ざかる方向に押圧するクランプ押圧機構、および前記金型支持部と前記ホルダ基板との間に前記クランプ押圧機構を収納する押圧機構収容部を有し、前記金型支持部は、前記金型の第1側面に当接する第1支持部と、前記金型の底面に当接する第2支持部を有し、前記金型クランプは、前記第1側面の反対側の第2側面に当接し、前記第1支持部との間に前記金型を狭持し固定する金型当接部、前記クランプ押圧機構と当接する押圧受け機構、および前記金型クランプを前記ホルダ本体に連結するクランプ連結機構を有し、前記押圧機構収容部は、前記ホルダ本体において前記金型支持部の下方部分に配置され、前記金型クランプ側に開口部を有し、前記クランプ押圧機構は、前記押圧機構収容部に立設されたカム軸、前記カム軸を回動軸とし外周部を有する偏心カム、前記偏心カムの外周部と摺接し前記偏心カムの回動に従動し前記押圧受け機構に当接する押圧子、および前記カム軸を回動軸とし前記偏心カムを回動させる駆動子を有することを特徴とする金型ホルダ装置である。
【0010】
上記構成により、流体シリンダを用いることなく、クランプ押圧機構と金型クランプが押圧子と押圧受け機構が、剛体同士の直接接触となるので、金型クランプのホルダ固定部の反力に依らず、所定の金型固定位置に設定することができる。
【0011】
(2) 本発明は、前記偏心カムは、真円形の板状円板であり、前記押圧子は、前記偏心カム外周部の全面で摺接する前記(1)に記載の金型ホルダ装置である
本構成により、金型クランプによる金型の締め付けを安定して行うことができる。
【0012】
(3) 本発明は、前記偏心カムは、前記駆動子と回転を連動するための連動キーを有し、前記連動キーは前記偏心カムの偏心方向と平行な方形凸部である前記(1)または(2)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、前記駆動子と前記偏心カムの回転の連動を確実に行うことができる。
【0013】
(4) 本発明は、前記押圧子において前記押圧受け機構と当接する押圧子当接部の表面と、前記当接部が当接する前記押圧受け機構の被当接部の表面とは、相補的な形状を有し、前記押圧受け機構はさらに球状部分を有し、回動自在に配置される前記(1)ないし(3)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、前記駆動子の回動による前記押圧子の変位が、前記押圧受け機構に容易に伝達される。
【0014】
(5) 本発明は、前記クランプ連結機構は、前記金型クランプに設けられ前記ホルダ本体側に底部を有する貫通穴を介して、前記ホルダ本体に水平に螺着固定された固定ネジを有し、前記固定ネジは頭部を有し、前記固定ネジの前記頭部と前記貫通穴の前記底部との間に弾性部材が弾装されてなる前記(1)ないし(4)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、金型の着脱を容易に行うことができる。
【0015】
(6) 本発明は、前記ホルダ本体に、複数の前記金型クランプが、隣接して設けられ、前記クランプ押圧機構および前記押圧機構収容部が、前記複数の前記金型クランプのそれぞれの前記押圧受け機構毎に設けられ、それぞれの前記駆動子の全てを連結する連結バー、および前記連結バーを介してそれぞれの前記駆動子を同時に回動させる連結バー駆動装置が取り付けられている前記(1)ないし(5)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、流体シリンダを用いることなく、複数の金型クランプを同時に押圧することができ、金型の固定を迅速に行うことができる。
【0016】
(7) 本発明は、前記連結バー駆動装置は、モータを有し、前記モータは、回転軸と前記回転軸から周方向に延出して取り付けられた揺動アームを有し、前記連結バーは、前記揺動アームと回動自在に連結されている前記(6)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、流体シリンダを用いることなく、容易に多数の金型クランプを同時に締め付け、金型を固定することができる。
【0017】
また、本明細書に記載の参考発明は、以下の(8)~(11)により達成される。
【0018】
(8) 本発明は、プレスブレーキにおける金型ホルダ装置であって、前記金型ホルダ装置は、ホルダ基板、ホルダ本体および金型クランプを有し、前記ホルダ基板は、前記ホルダ本体が固定され、前記ホルダ本体をプレスブレーキ装置本体に固定するホルダ固定部を有し、前記ホルダ本体は、前記金型クランプとの間に金型を狭持し固定する金型支持部、前記金型クランプを前記ホルダ本体から遠ざかる方向に押圧するクランプ押圧機構を有し、前記金型支持部は、前記金型の第1側面に当接する第1支持部と、前記金型の底面に当接する第2支持部を有し、前記金型クランプは、前記第1側面の反対側の第2側面に当接し、前記第1支持部との間に前記金型を狭持し固定する金型当接部、前記クランプ押圧機構と当接する押圧受け機構、および前記金型クランプを前記ホルダ本体に連結するクランプ連結機構を有し、前記クランプ連結機構は、前記金型クランプに設けられた貫通穴と、前記貫通穴を介して前記ホルダ本体に水平に螺着固定された固定ネジを有し、前記貫通穴は、前記ホルダ本体側の小径部、前記金型クランプ外面側の大径部、および前記小径部と前記大径部との間の段差部である底部とを有し、前記固定ネジは頭部を有し、前記小径部領域に前記ホルダ本体に当接し前記固定ネジに遊貫する座金を有し、前記座金と前記固定ネジの前記頭部とに当接し前記固定ネジに遊貫するスペーサを有し、前記大径部の底部に当接し前記スペーサに遊貫するバネ座を有し、前記固定ネジの前記頭部と前記バネ座とを離間する方向に付勢する固定弾性部材を有し、前記バネ座は、前記固定ネジの中心位置よりも前記金型支持部側において前記底部側の切欠きにより形成された、前記底部に当接可能な段差端部を有し、前記段差端部よりも前記金型支持部側は、前記底部と離間してなる金型ホルダ装置である。
本構成により、カム機構等により金型クランプを締め付ける際、そのための大きな力を必要としない締め付け機構を提供することができる。
【0019】
(9) 本発明は、前記金型クランプは、前記固定ネジよりも前記金型支持部側に、前記金型クランプが前記ホルダ本体から離間する方向に付勢する離間弾性部材を有する前記(8)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、金型の交換を迅速に行うことができる
【0020】
(10) 本発明は、前記ホルダ本体は、前記金型支持部の下方部分に前記クランプ押圧機構を収納する押圧機構収容部を有し、前記クランプ押圧機構は、カム方式により前記押圧受け機構を押圧することにより、前記金型クランプを前記ホルダ本体から離間する方向に付勢する前記(8)ないし(9)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、流体シリンダを用いることなく、容易に金型クランプを締め付け、金型を着脱、固定ですることができる。
【0021】
(11) 前記クランプ押圧機構は、前記押圧機構収容部に立設されたカム軸、前記カム軸を回動軸とし外周部を有する偏心カム、前記偏心カムの外周部と摺接し前記偏心カムの回動に従動し前記押圧受け機構に当接する押圧子、および前記カム軸を回動軸とし前記偏心カムを回動させる駆動子を有するカム方式である前記(8)ないし(10)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、流体シリンダを用いることなく、容易に金型クランプを締め付け、金型を着脱、固定することができる。
【発明の効果】
【0022】
前記(1)~(7)の本発明は、前記構成により、流体シリンダを用いることなく、多数の金型クランプを同時に締め付け、金型を固定できる。
【0023】
また、前記(8)~(11)の参考発明は、カム機構等により金型クランプを締め付け、そのための大きな力を必要としない締め付け機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る金型ホルダ装置の概観斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る金型ホルダ装置の金型クランプの概観正面図である。
【
図3】
図3は、
図2における金型固定時のl-l断面図である。
【
図4】
図4(A)は、
図3に示すバネ座の概観正面図、
図4(B)は、lll-lll断面図である。
【
図5】
図5は、
図2における金型固定時のll-ll断面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示すクランプ押圧機構と押圧受け機構の金型固定時の状態を示す説明図である。
【
図7】
図7は、
図1に示すクランプ押圧機構と押圧受け機構の金型開放時の状態を示す説明図である。
【
図8】
図8は、
図2における金型開放時のl-l断面図である。
【
図9】
図9は、
図2における金型開放時のll-ll断面図である。
【
図12】
図12(A)は、クランプ押圧機構の連結バーを備えた金型ホルダ装置の概略正面図、
図12(B)は、同概略上面図、
図12(C)は、連結バーを手動で駆動する連結バー駆動装置の実施形態を示す概略図である。
【
図13】
図13(A)は、クランプ押圧機構の連結バーおよびモータの連結バー駆動装置を備えた金型ホルダ装置の他の実施形態の概略正面図、
図13(B)は、同概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、前記のとおりの特徴を有するものであるが、以下、本発明の金型ホルダ装置について、
図1から
図13を用いて、詳細に説明する。なお、各図において共通の部材については、同一の符号を付している。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る金型ホルダ装置の概観斜視図である。特に言及しない限り、本発明について、
図1のX方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向として説明する。
図1は、プレスブレーキにおける金型ホルダ装置1の下金型として、複数の金型6を支持することを示している。金型ホルダ装置1は、ホルダ基板2、ホルダ本体3および金型クランプ4を有し、ホルダ本体1が一体に構成されたホルダ基板2を介して、プレスブレーキ装置本体5に取付られ、ボルト等のホルダ固定部11により固定されている。ここで、前記プレスブレーキ装置本体5は、具体的には、プレスブレーキにおける下部テーブル部分である。
【0027】
前記ホルダ本体3は、左右方向に長く形成されており、前記金型クランプ4が左右方向に1つまたは複数配置され、
図3に示されているように、前記ホルダ本体3の上方部分には、前記金型6の後面である第1側面に当接する第1支持部25が垂直に形成され、前記金型6の下面である底面を支持する第2支持部26が水平に形成されている。すなわち、前記第1支持部と前記第2支持部は直交した面として形成され、金型支持部21を構成している。
【0028】
前記ホルダ本体3の前方には、前記第2支持部26との間に前記金型6を狭持するための金型クランプ4が配置され、前記金型クランプ4の上方部分の金型当接部31が前記金型6の第2側面(前記第1側面7の反対側)と当接可能に支持されている。前記金型クランプ4は、前記ホルダ本体3に対して、複数を左右方向に配置することができる長さを有する。
前記金型クランプ4の上下方向の中間高さ位置よりも高位置には、前記ホルダ本体に螺合する固定ネジ53が貫通する貫通穴52が、前記金型クランプ4の前方面から後方面まで貫いて、ひとつの前記金型クランプ4について、左右方向に間隔を開けて複数形成されている。
前記金型ホルダ装置1には、前記固定ネジ53および前記貫通穴52を含む、前記金型クランプ4を前記ホルダ本体3に揺動可能に連結するクランプ連結機構33を有する。
【0029】
前記クランプ連結機構33は、前記金型クランプ4に設けられた貫通穴52と、前記貫通穴52を介して前記ホルダ本体3に水平に螺着固定された前記固定ネジ53を有し、前記貫通穴52は、前記ホルダ本体3側(後方側)の小径部71、前記金型クランプ4の前方側の大径部72、および前記小径部71と前記大径部72との間の段差部である底部55とを有する。前記大径部72と前記小径部71は、前記金型クランプを前後方向に貫通した、前記固定ネジ53の長手方向の中心軸を中心とする同心円筒状空間を形成している。
【0030】
前記固定ネジ53は頭部54を有し、前記小径部71の領域に前記ホルダ本体3に当接し前記固定ネジ53に遊貫する座金73を有し、前記座金73と前記固定ネジ53の前記頭部54とに当接し前記固定ネジ53に遊貫するスペーサ74を有し、前記大径部の底部55に当接し前記スペーサ74に遊貫するバネ座75を有し、前記固定ネジ53の前記頭部54と前記バネ座75とを離間する方向に付勢する固定弾性部材76を有する。
前記固定ネジ53は、前記頭部54の前方側に形成された凸状あるいは凹状の形状により、レンチなどにより回動させることができ、前記クランプ連結機構33を作動位置に設定する。
【0031】
前記固定弾性部材76は、皿バネなどの弾性部材よりなり、前記大径部72において、前記スペーサ74の周囲に配置され、前記頭部54の後方面と前記バネ座75の前方面に当接可能に配置されている。したがって、前記金型クランプ4は、前記固定弾性部材76により、前記ホルダ本体3方向へ付勢されることになる。
前記バネ座75は、前記固定ネジ53の中心位置よりも前記金型当接部31側(上方側)において、前記底部側で上方側の一部の切り欠きにより形成され、前記底部55に当接可能な段差となっている段差端部77を有し、
図4(A)、
図4(B)に示す形状をしている。そして、前記段差端部77より前記金型当接部31側(上方側)は、前記底部55と離間しており、前記金型クランプ4に対して回転を防ぐロックピン78を受け入れる凹部79が形成されている。
【0032】
また、前記金型クランプ4は、前記固定ネジ53よりも前記金型当接部31側(上方側)に前記金型クランプ4が前記ホルダ本体3から離間する方向に付勢する離間弾性部材81を有する。前記離間弾性部材81は、
図5および
図9において、前記金型クランプ4の内部構造として表されている。前記離間弾性部材81は、バネ構成体を用いることができる。
【0033】
さらに、前記金型クランプ4の前記金型当接部31には、左右方向に長溝83が形成されていてもよい。前記長溝83は、前記金型当接部31の後方面に開口している。そして、前記長溝83内には、緩衝弾性部材89が配置されている。緩衝弾性部材89は、バネ用鋼、ステンレス鋼など、弾性係数の大きな材料からなる長溝83の前後方向の寸法よりも大きな外直径を有する弾性体が望ましい。
前記金型当接部31は、直接に、あるは、その一部として前記緩衝弾性部材89を有する場合には、前記緩衝弾性部材89を介して、前記金型を支持、固定する。
【0034】
図5および
図9に示すように、前記ホルダ本体3には、その上下方向において前記金型支持部21と前記ホルダ基板2との間であって、前記固定ネジ53が螺合する位置よりも下方に、前記金型クランプ4を前記ホルダ本体3から遠ざかる方向(前方向)に押圧するクランプ押圧機構22、および前記クランプ押圧機構22を収納する押圧機構収容部23が形成されている。
また、前記金型クランプ4には、前記クランプ押圧機構22と当接する押圧受け機構32が設けられている。
【0035】
前記押圧機構収容部23は、前記金型クランプ4側に開口部を有し、前記クランプ押圧機構22が配置されている。前記クランプ押圧機構22は、前記押圧機構収容部23において、前記ホルダ基板2と前記押圧機構収容部23の上方面との間に立設されたカム軸42、前記カム軸42を回動軸とし外周部48(偏心カム外周部)を有する偏心カム43、前記偏心カムの外周部48と摺接し前記偏心カム43の回動に従動し前記押圧受け機構32に当接する押圧子44、および前記カム軸42を回動軸とし前記偏心カム43を回動させる駆動子45を有する。
【0036】
前記偏心カム43は、なめらかな曲線からなる周縁部を有する板状体であり、前記板状体の回転対称中心から外れた位置において前記カム軸42に取り付けられ、前記カム軸42の回転角度に応じて前記板状体の周縁部に当接する前記押圧子44を、前記カム軸42に直交する平面内で前記カム軸42との位置を変位させる偏心板である。前記偏心カム43は、真円形の板状円板であると、前記押圧子44は、前記偏心カム外周部48の全周面で摺接することができる。また、前記偏心カム43は、前記駆動子45の回転と連動して回転するための連動キー46を有し、前記連動キー46は前記偏心カム43の偏心方向と平行な方形凸部であることが好適である。前記押圧子44は、前記押圧受け機構32に当接する押圧子当接部47を有し、前記押圧受け機構32の前記押圧子当接部47に当接する被当接部51を介して、前記金型クランプ4を前記ホルダ本体3から遠ざかる方向に押圧・付勢する。
前記押圧受け機構32は、前記金型クランプ4の前記押圧子44に対応する部分に設けられ、前記押圧子当接部47の表面と、前記被当接部51の表面とは、相補的な形状を有しており、前記押圧子44の前記押圧受け機構32に対する当接角度が変化しても、前記押圧受け機構23への押圧力を好適に伝えることができる。
前記押圧受け機構32は、硬球入りのネジであるクランピングスクリューを前記金型クランプ4に埋め込んで用いることができる。前記被当接部51は、クランピングスクリューの硬球部分の一部を平面とした平面ボールタイプなど、前記押圧子当接部47の形状と相補的な形状に加工して用いることができる。また、前記押圧受け機構32にクランピングスクリューを用いることにより、前記押圧子44からの押圧力を好適に伝えることができる。
本発明のクランプ押圧機構22は、ホルダ本体3に設けられた偏心カム43および押圧子44が、金型クランプ4に設けられた押圧受け機構32を直接押圧する構成となっている。これにより、確実に応力を伝達させることができる。
【0037】
また、前記ホルダ本体3に、複数の前記金型クランプ4を、隣接して設けることができ、前記クランプ押圧機構22および前記機構収容部23が、前記複数の前記金型クランプ4毎に設け、前記複数の前記金型クランプ4に、それぞれ前記押圧受け機構32を設けることができる。
さらに、それぞれの前記クランプ押圧機構22のそれぞれの前記駆動子45の全てを連結する連結バー61を設けることができる。そして、前記連結バー61を駆動させる連結バー駆動装置62を設けることにより、前記連結バー61を介してそれぞれの前記駆動子45それぞれの前記カム軸42について、同時に回動させることができる。
図12の一実施形態では、複数の前記駆動子45が連結バー61で連結され、連結された前記駆動子45のうちの1つの駆動子である操作駆動子64を有し、前記操作駆動子64は前記駆動子45が延長された駆動装置連結部65を有し、前記駆動装置連結部65に長柄67の柄連結部68を連結することができる。
図12の一実施形態では、連結バー駆動装置62は、把持部66を有する
図12(C)の長柄67である。
【0038】
図13の別の実施形態では、前記連結バー駆動装置62は、モータ63を有し、前記モータ63は、回転軸と前記回転軸から周方向に延出して取り付けられた揺動アーム64を有し、前記連結バー61は、前記揺動アーム64と回動自在に連結されている。
前記連結バー61および前記連結バー駆動装置62を用いることにより、(一括操作で)複数の前記クランプ押圧機構22を同時に駆動させることが可能となるので、ひとつの金型クランプに複数の前記クランプ押圧機構22を設けて作動させることにより、クランプ力の均一性向上も図れることが可能になった
【0039】
以下、本発明の金型ホルダ装置1の作動について、説明する。
図5は、
図2のll-ll断面の断面図であり、前記金型6が前記ホルダ本体3の前記金型支持部21と前記金型クランプ4の前記金型当接部31により狭持され、固定されている。
図6は、
図5の状態における前記クランプ押圧機構22と前記押圧受け機構32の金型固定時(閉位置)の状態を示す説明図である。前記ホルダ本体3については、前記押圧機構収容部23の概略、前記クランプ押圧機構22(前記カム軸42,前記偏心カム43,前記押圧子44、前記駆動子45を含む)が記載され、前記金型クランプ4については、前記押圧受け機構32のみが記載されている。また、前記駆動子45の駆動部として前記連結バー61が記載されている。
金型固定時(閉位置)では、前記駆動子45により前記押圧子44が前記偏心カム43の長径位置で前記押圧受け機構32の前記被当接部51に当接し、前記金型クランプ4は、前記ホルダ本体3と最も離れた状態となる。
図3は、
図2のl-l断面の断面図であり、金型固定時(閉位置)を表しているが、この状態では、前記クランプ連結機構33を支点として前記金型クランプ4が回動するので、前記金型当接部31は前記金型6に当接しているので、前記金型クランプ4の回動により前記クランプ連結機構33の前記貫通穴52の前記底部55により前記固定弾性部材76が圧縮され、その反力が前記金型当接部31により前記金型6の前記第2側面8を締め付け、前記金型6は前記ホルダ本体3の前記第1支持部との間で狭持され固定されている。金型固定時(閉位置)では、前記離間弾性部材81は最も圧縮された状態である。
【0040】
図8は、金型開放時(開位置)における
図2のll-ll断面に対応した断面図であり、前記金型クランプ4の前記金型当接部31が前記金型6から離間し、前記金型6が取外し、装着自在に開放されている。
図7は、
図8の状態における前記クランプ押圧機構22と前記押圧受け機構32の金型開放時(開位置)の状態を示す説明図である。前記ホルダ本体3については、前記押圧機構収容部23の概略、前記クランプ押圧機構22(前記カム軸42,前記偏心カム43,前記押圧子44、前記駆動子45を含む)が記載され、前記金型クランプ4については、前記押圧受け機構32のみが記載されている。また、前記駆動子45の駆動部として前記連結バー61が記載されている。
金型開放時(開位置)では、前記駆動子45により前記押圧子44が前記偏心カム43の前記長径位置よりも短径の位置で前記押圧受け機構32の前記被当接部51に当接し、前記金型クランプ4は、前記駆動子45の駆動範囲おける前記ホルダ本体3と最も近づいた状態となる。前記押圧子44は、前記閉位置から前記開位置への移動の際、前記押圧子当接部47に対する当接角度が変化している。
【0041】
図9は、金型開放時(開位置)における
図2のll-ll断面に対応した断面図であり、金型開放時(開位置)を表しているが、この状態では、クランプ連結機構33を支点として金型クランプ4は回動するので、金型当接部31は金型に最も離れた状態となっている。さらに、離間弾性部材81は、圧縮状態から解放されることとなり、この反力により、金型クランプ4が回動し、金型当接部31は、金型6から離間し、金型6は、金型ホルダ装置1から開放される。
【0042】
図10、
図11を参照し、金型6が狭持固定される際の前記バネ座75の機能について説明する。
図10は、金型開放時(開位置)を表す
図8におけるバネ座周辺の部分拡大図である。前記金型クランプ4の開位置においては、前記金型クランプ4はホルダ本体4に対し下方が接近し、上方が離間している。前記大径部72の前記底部55は、前記金型クランプ4の閉位置において前記ホルダ本体3の前方面とほぼ平行となるように構成されており、開位置では、前記底部55と前記バネ座75とは,前記金型クランプ4の揺動により、
図10のとおり、最初に段差端部77のみで当接する。
開位置では、前記固定ネジ53の頭部54の後方面と前記スペーサ74の前方面が当接し、前記スペーサ74の後方面と前記座金73の前方面が当接し、前記座金73の後方面と前記ホルダ本体3の前方面が当接しており、前記固定弾性部材76が予め所定の長さまで圧縮されている。また、前記金型クランプ4は、前記固定ネジ53よりも上方部分が前記ホルダ本体3の前方面に当接するか前記金型当接部31が金型6に当接するかの近位位置と、前記底部55と前記段差端部77が当接する遠位位置との間で動揺可能である。
前記クランプ押圧機構22により前記金型クランプ4が前記ホルダ本体3から離間する際、前記金型クランプ4は、前記クランプ連結機構33を支点として回動するが、より詳細には、前記クランプ連結機構33の前記バネ座75の前記段差端部77を支点として、回動が開始される。したがって、従来採用されている金型クランプ機構とくらべ、回動の支点が、前記固定ネジ53の中心位置から、前記段差端部77に移動するとともに、前記固定弾性部材76の前記固定ネジ53よりも上方部分が優先的に圧縮されることになる。
上記のとおり、前記金型6の固定操作の開始時点では、前記段差端部77のみが支点となる。前記クランプ押圧力は、バネ座が当接する前記固定弾性部材76を圧縮するための力であるが、前記金型クランプ4の押圧は、前記段差端部77は前記底部55と線状に当接して開始されるので前記クランプ押圧力が前記固定弾性部材76の上方部分に集中し、前記固定弾性部材76の圧縮変形を小さい押圧力で引き起こすことができる。従って、金型クランプ4の締め付けを、小さな駆動力で開始することができる。
特に、前記クランプ押圧機構22は、偏心カム機構を有するので、前記金型6の固定操作の開始時点では、偏心カムの長軸方向から変位した位置からのカム軸の回転となり、その初動において必要な駆動力を小さくできることは、大きな利益となる。すなはち、前記固定弾性部材76が組付け初期設定域(前記スペーサ74および前記座金73の長さで決定される)を超えて圧縮される時、前記固定弾性部材76の上部と下部が均等に圧縮されるのではなく、上部が圧縮方向に変位し、圧縮の範囲が徐々に下部へと広がり、前記固定弾性部材76の上下方向中心部が設定荷重、即ち最大圧縮位置に至るまで、徐々に荷重が増大することになる。
【0043】
図11は、金型固定時(閉位置)を表す
図8におけるバネ座周辺の拡大図である。閉位置においては、前記金型クランプ4は前記ホルダ本体4の前方面とほぼ平行となる。この時、前記座金73の前方面は、バネ座75の後方面と離間している。
【0044】
以上説明したように、本発明は、流体シリンダを用いることなく、多数の金型クランプを同時に締め付け、金型を固定できる。従って、金型の取外し、再組み付けにおいて、煩雑な作業を改善し、省力化することができる。
【0045】
また、カム機構等により金型クランプを締め付け、そのための大きな力を必要としない締め付け機構を提供することができる。
【0046】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のクランプ装置は、プレスブレーキ用の金型ホルダ装置であり、下金型クランプ装置に使用することが可能であり、適用可能な他の用途においても使用することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 金型ホルダ装置
2 ホルダ基板
3 ホルダ本体
4 金型クランプ
5 プレスブレーキ装置本体
6 金型
7 第1側面
8 第2側面
11 ホルダ固定部
21 金型支持部
22 クランプ押圧機構
23 押圧機構収容部
25 第1支持部
26 第2支持部
31 金型当接部
32 押圧受け機構
33 クランプ連結機構
42 カム軸
43 偏心カム
44 押圧子
45 駆動子
46 連動キー
47 押圧子当接部
48 偏心カム外周部
51 被当接部
52 貫通穴
53 固定ネジ
54 頭部
55 底部
61 連結バー
62 連結バー駆動装置
63 モータ
64 揺動アーム
64 操作駆動子
65 駆動装置連結部
66 把持部
67 長柄
68 柄連結部
71 小径部
72 大径部
73 座金
74 スペーサ
75 バネ座
76 固定弾性部材
77 段差端部
78 ロックピン
79 凹部
81 離間弾性部材
83 長溝
84 緩衝弾性部材
【手続補正書】
【提出日】2022-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスブレーキにおける金型ホルダ装置であって、
前記金型ホルダ装置は、ホルダ基板、ホルダ本体および金型クランプを有し、
前記ホルダ基板は、前記ホルダ本体が固定され、前記ホルダ本体をプレスブレーキ装置本体に固定するホルダ固定部を有し、
前記ホルダ本体は、前記金型クランプとの間に金型を狭持し固定する金型支持部、前記金型クランプを前記ホルダ本体から遠ざかる方向に押圧するクランプ押圧機構、および前記金型支持部と前記ホルダ基板との間に前記クランプ押圧機構を収納する押圧機構収容部を有し、
前記金型支持部は、前記金型の第1側面に当接する第1支持部と、前記金型の底面に当接する第2支持部を有し、
前記金型クランプは、前記第1側面の反対側の第2側面に当接し、前記第1支持部との間に前記金型を狭持し固定する金型当接部、前記クランプ押圧機構と当接する押圧受け機構、および前記金型クランプを前記ホルダ本体に連結するクランプ連結機構を有し、
前記押圧機構収容部は、前記ホルダ本体に形成され前記金型支持部の下方部分に配置され、前記金型クランプ側に開口部を有し、
前記クランプ押圧機構は、前記押圧機構収容部に立設されたカム軸、前記カム軸を回動軸とし外周部を有する偏心カム、前記偏心カムの外周部と摺接し前記偏心カムの回動に従動し前記押圧受け機構に当接する押圧子、および前記カム軸を回動軸とし前記偏心カムを回動させる駆動子を有し、
前記押圧子において前記押圧受け機構と当接する押圧子当接部の表面と、前記当接部が当接する前記押圧受け機構の被当接部の表面とは、相補的な形状を有し、前記押圧受け機構はさらに球状部分を有し、回動自在に配置されることを特徴とする金型ホルダ装置。
【請求項2】
前記ホルダ本体に、複数の前記金型クランプが、隣接して設けられ、前記クランプ押圧機構および前記押圧機構収容部が、前記複数の前記金型クランプ毎に設けられ、前記複数の前記金型クランプのそれぞれに前記押圧受け機構毎に設けられ、それぞれの前記駆動子の全てを連結する連結バー、および前記連結バーを介してそれぞれの前記駆動子の前記カム軸について、同時に回動させる連結バー駆動装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の金型ホルダ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
このような目的は、下記(1)~(3)、(5)~(7)の本発明により、達成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(1) 本発明は、プレスブレーキにおける金型ホルダ装置であって、前記金型ホルダ装置は、ホルダ基板、ホルダ本体および金型クランプを有し、前記ホルダ基板は、前記ホルダ本体が固定され、前記ホルダ本体をプレスブレーキ装置本体に固定するホルダ固定部を有し、前記ホルダ本体は、前記金型クランプとの間に金型を狭持し固定する金型支持部、前記金型クランプを前記ホルダ本体から遠ざかる方向に押圧するクランプ押圧機構、および前記金型支持部と前記ホルダ基板との間に前記クランプ押圧機構を収納する押圧機構収容部を有し、前記金型支持部は、前記金型の第1側面に当接する第1支持部と、前記金型の底面に当接する第2支持部を有し、前記金型クランプは、前記第1側面の反対側の第2側面に当接し、前記第1支持部との間に前記金型を狭持し固定する金型当接部、前記クランプ押圧機構と当接する押圧受け機構、および前記金型クランプを前記ホルダ本体に連結するクランプ連結機構を有し、前記押圧機構収容部は、前記ホルダ本体に形成され前記金型支持部の下方部分に配置され、前記金型クランプ側に開口部を有し、前記クランプ押圧機構は、前記押圧機構収容部に立設されたカム軸、前記カム軸を回動軸とし外周部を有する偏心カム、前記偏心カムの外周部と摺接し前記偏心カムの回動に従動し前記押圧受け機構に当接する押圧子、および前記カム軸を回動軸とし前記偏心カムを回動させる駆動子を有し、前記押圧子において前記押圧受け機構と当接する押圧子当接部の表面と、前記当接部が当接する前記押圧受け機構の被当接部の表面とは、相補的な形状を有し、前記押圧受け機構はさらに球状部分を有し、回動自在に配置されることを特徴とする金型ホルダ装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記構成により、流体シリンダを用いることなく、クランプ押圧機構と金型クランプが押圧子と押圧受け機構が、剛体同士の直接接触となるので、金型クランプのホルダ固定部の反力に依らず、所定の金型固定位置に設定することができる。
また、本構成により、前記駆動子の回動による前記押圧子の変位が、前記押圧受け機構に容易達成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
(5) 本発明は、前記クランプ連結機構は、前記金型クランプに設けられ前記ホルダ本体側に底部を有する貫通穴を介して、前記ホルダ本体に水平に螺着固定された固定ネジを有し、前記固定ネジは頭部を有し、前記固定ネジの前記頭部と前記貫通穴の前記底部との間に弾性部材が弾装されてなる前記(1)ないし(3)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、金型の着脱を容易に行うことができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
(6) 本発明は、前記ホルダ本体に、複数の前記金型クランプが、隣接して設けられ、前記クランプ押圧機構および前記押圧機構収容部が、前記複数の前記金型クランプのそれぞれの前記押圧受け機構毎に設けられ、それぞれの前記駆動子の全てを連結する連結バー、および前記連結バーを介してそれぞれの前記駆動子を同時に回動させる連結バー駆動装置が取り付けられている前記(1)、(2)、(3)および(5)に記載の金型ホルダ装置である。
本構成により、流体シリンダを用いることなく、複数の金型クランプを同時に押圧することができ、金型の固定を迅速に行うことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
前記(1)~(3)、(5)~(7)の本発明は、前記構成により、流体シリンダを用いることなく、多数の金型クランプを同時に締め付け、金型を固定できる。